JP3986617B2 - 低放出塗装組成物用結合剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、10℃以下の平均塗膜形成温度を有するポリマー分散液を主剤とする、溶剤なしで処理することのできる低臭気結合剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境汚染を減少するためおよび作業場安全の観点から塗装組成物、殊に囲まれた場所において使用される塗装組成物、たとえばエマルションペイント、ポリマー分散液プラスターまたはタイル接着剤にとり、周囲に非水性の揮発性有機または無機成分を発散しないことが望ましい。原則としてこれは、これら塗装系の結合剤として水性ポリマー分散液を使用することによって部分的に達成することができる。
【0003】
しかし、水性ポリマー分散液を主剤とする慣例の結合剤は、一般になお少量の有機溶剤を包含する。これら有機溶剤は、結合剤の平均塗膜形成温度を低下し、こうして塗装組成物が低い温度でさえ処理することができることを確保するために必要である。また、ポリマー結合剤の平均塗膜形成温度は“内部可塑化”により、即ち結合剤ポリマーのガラス転移温度を下げることにより低下することができる(Ullmnn´s Encyclopaedia of Industrial Chemistry、5版、A21巻、169ページ参照)。しかし、ポリマー結合剤の塗膜形成温度が低すぎる場合には、塗装組成物が不十分な顔料結合力を有し、適当な機械的強度を欠き、さらに容易に汚れる危険がある(H.Rinno、farbe+lack、99巻(1993年)697ページ以降参照)。
【0004】
費用の理由で、結合剤にとり大量の充填剤を結合する能力を有するのが有利である。たとえば内部エマルションペイントは、50〜85%の範囲内の顔料の体積濃度p.v.c.を有する(p.v.c.=顔料体積/(顔料体積+結合剤体積);Ullmann´s Enzyklopaedie der Technischen Chemie、4版、15巻、667ページ参照)。許容p.v.c.が結合剤により超過する場合には、塗料皮膜は最早十分な湿潤磨耗抵抗を有しない。H.Warson(‘Synthetic Resin Emulsions’、E.Benn Ltd.、London 、1972年、776ページ以降)によれば、ポリマーは共重合されたカルボキシル含有モノマー1〜4重量%を含有すると、高い顔料結合力を有する。実際に高級結合剤の場合には、これらモノマーの含量は2.5〜7重量%である。選択的に、酸含量が高すぎる場合には、ポリマーが水に可溶性になって、塗装組成物の湿潤磨耗抵抗が減少する結果となる。
【0005】
文献は、低放出塗装組成物に対する溶剤不含結合剤として使用するのに適当なポリマー分散液の例の範囲を包含する。たとえば、ヨーロッパ特許(EP−B)327006号および同327376号は、共重合されたモノマーがシランを少量包含するビニルエステルを主剤とするポリマー分散液を記載する。ヨーロッパ特許(EP−A)612771号は、共重合されたカルボキシモノマー1〜4重量%および少なくとも1つのシランモノマーを含有するアクリルエステルを主剤とする類似の結合剤ポリマーを記載する。しかし、ビニルシランモノマーの少量包含さえも、結合剤製造費の可成りの増加を表わす。さらに、シラン基の加水分解による貯蔵の際の結合剤割合の変化も考慮しなければならない。」
ヨーロッパ特許(EP−A)652269号は、100〜500nmの粒度範囲内の粗粒および5〜40nmの範囲内の粒度を有するラテックスを包含する低放出塗装組成物を記載する。粗大ラテックスはスチレン、ブタジエン、ビニルニトリルおよびアクリレートから選択された主要モノマーだけでなく、架橋モノマー0.1〜5重量%、エチレン性不飽和カルボン酸0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%および他のモノマー0〜40重量%(すべては共重合した形で)をも含有する。例1は、nーブチルアクリレート75.5重量%、2−エチルヘキシルアクリレート10重量%、スチレン9重量%、エチレングリコールジメタクリレート0.5重量%、アクリル酸2.7重量%、アクリルアミド0.5重量%およびスルホエチルメタクリレート0.5重量%からなる粗大ラテックスを記載する。、廉価な塗装組成物に対して、2つの別個に製造されたポリマー分散液からなる結合剤の使用は過度に取扱い困難である。さらに、記載されたエマルションペイントは、結合剤として2つのポリマー分散液を使用するかまたは粗大粒ポリマー分散液単独を使用する場合に、満足な耐磨耗値を有する塗料皮膜を形成しない。
【0006】
ヨーロッパ特許(EP−A)585156号は、水性アクリレートポリマー分散液を主剤とする水性エマルションペイント用結合剤を記載する。着色塗装の耐磨耗値を改善するために、エポキシ樹脂分散液が結合剤に0.1〜4重量%の量で添加される。使用されるアクリレート分散液は、共重合した形で、架橋モノマー0.1〜5重量%、α,β−不飽和カルボン酸0.1〜5重量%およびスルホネートモノマー0.1〜5重量%を包含する。例1は、スチレン48.7重量部、n−ブチルアクリレート48.6重量部、アクリル酸4.7重量部およびメタリルスルホネート0.5重量部からなるアクリレートポリマーを記載する。これらポリマーを使用して得られる着色塗装は、再び満足な耐磨耗値を欠如する。エポキシド成分の使用は、その毒性を考慮すれば、所望の適用にはあまり適当でないように思われる。
【0007】
PCT特許(WO94/21699号)は、アクリルエステルまたはメタクリルエステル60〜100重量%、ビニル芳香族モノマー0〜40重量%、α、β−不飽和モノカルボン酸またはポリカルボン酸0〜5重量%および少なくとも1つのα,β−不飽和アミド0〜3重量%からなっている、改善されたウオッシオフ(washoff)特性を有する溶剤不含のエマルションペイント用結合剤を記載する。実施例は、共重合されたモノマーがアクリル酸少なくとも2.5重量部を含有するポリマー分散液を記載する。、これらポリマーを結合剤として包含する例6〜9に記載されたエマルションペイントは、同様に満足な耐磨耗値を欠如する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、意外にも酸性モノマーおよび/またはその塩1重量%以下を、共重合した形で含有するポリマー分散液は、エマルションペイントとして配合した場合、比較可能なコロイド安定性と共に先行技術の結合剤よりも高い磨耗抵抗の特徴を示すことが判明した。またこの利点は、結合剤が2つ以上のポリマー成分を包含する配合物にわたり維持される。
【0009】
従って、本発明の課題は10℃以下の最低塗膜形成温度を有する少なくとも1つの水性ポリマー分散液を主剤とする、溶剤なしで処理することのできる低臭気結合剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この水性ポリマー分散液は
a)ホモポリマーが、ガラス転移温度Tg<20℃を有する少なくとも1つのモノマー45〜70重量部、
b)ホモポリマーが、ガラス転移温度Tg>50℃を有する少なくとも1つのモノマー30〜55重量部、
c)酸性基を有する少なくとも1つのモノマー0〜1重量部、および
d)α,β−不飽和C3〜C6カルボン酸のアミド、そのC2〜C6ヒドロキシアルキルエステルおよび/またはN−ビニルラクタムから選択された少なくとも1つの他のモノマー0〜2重量部からなるモノマー混合物(ただしa)+b)の重量部の和は100重量部である)遊離基水性乳化重合によって得られる。
【0011】
ガラス転移温度Tgは、G.Kanig(Kolloid−Zeitschrift&Zeitschrift fuer Porimere、190巻、1ページ、式1)によれば分子量の増加と共にそれに向かって移動するこのパラメーターの限界値であり;DSC法(Differential Scanning Kalorimetry、20K/min、中点値)により決定される。大多数のモノマーのホモポリマーに対するTg値は公知であり、たとえばUllmann´s Encyclopedia of Industrial Chenistry、VCH Weinheim、1992年、5版、A21巻、169ページに記載されている;ホモポリマーのガラス転移温度に関する他の資料は、たとえばj.Brandrup、E.H.Immergut、PolymerHandbook、1版、J.Wiley、New Tork 1966年、2版、J.Wiley、New York 1975年、および3版、J.Wiley、New York 1989年である。
【0012】
下記にC1〜Cnアルキルは、炭素1〜n個の線状または分枝アルキルを指示し、たとえばメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−デシル、ドデシル、ラウリルおよびステアリルである。C5〜C10シクロアルキルは、好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、それぞれは非置換であるかまたは1個、2個または3個のC1〜C4アルキルによって置換されている。
【0013】
結合剤中に存在するポリマーの組成の45〜70重量部、好ましくは50〜65重量部は、モノマーa)により占められている。適当なモノマーa)は、好ましくはC3〜C10アルカノールのビニルエーテル、分枝および非分枝のC3〜C10オレフィン、C1〜C10アルキルアクリレート、C5〜C10アルキルメタクリレート、C5〜C10シクロアルキル(メタ)アクリレート、C1〜C10ジアルキルマレイートおよび/またはC1〜C10ジアルキルフマレートである。ホモポリマーが0℃以下のガラス転移温度を有するモノマーa)の使用がとくに好ましい。とくに好ましいモノマーa)は、エチル、n−プロピル、nーブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ヘキシルおよび2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルおよび2−エチルヘキシルメタクリレート、およびジ−n−ブチルマレイ−トおよび/またはジ−n−ブチルフマレートである。
【0014】
適当なモノマーb)は、ビニル芳香族モノマーおよび/またはモノ−またはジカルボン酸のα、β−不飽和ニトリルである。これらは、30〜55重量部、好ましくは35〜50重量部の量で使用される。用語ビニル芳香族モノマーはとくにフェニル環が不飽和であるかまたはC1〜C4アルキル、塩素および/またはメトキシにより1回、2回または3回置換されているスチレンまたはα−メチルスチレンの誘導体を指示する。好ましいモノマーは、そのホモポリマーが80℃以上のガラス転移温度を有するものである。とくに好ましいモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、o−およびp−ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロにトリル、マロニトリル、フマロニトリルおよびその混合物である。
【0015】
新規結合剤ポリマーはモノマーc)として、共重合した形で、陰イオン基を形成しうるエチレン性不飽和モノマーを、成分a)+b)の和に対して、1重量部まで、好ましくは0.5重量部まで、とくに0.3重量部までの量で包含しうる。これらの群は、好ましくはカルボキシレート、ホスホネートまたはスルホネート、ことにカルボキシレートである。とくに好ましいモノマーc)は、モノエチレン性不飽和アルキルまたはアリールスルホン酸、たとえばビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸およびアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、およびα,β−不飽和C3〜C6カルボン酸、α,β−不飽和C4〜C8ジカルボン酸、またはその無水物、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸およびイタコン酸、無水マレイン酸および無水イタコン酸、および上述したモノマーのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、殊にナトリウム塩である。
【0016】
新規結合剤ポリマーはまた、共重合した形で、モノマーd)を2重量部までの量、好ましくは0.5〜2重量部の量で、とくに0.5〜1.5重量部の量で包含しうる。好ましいモノマーは、α,β−不飽和C3〜C6カルボン酸のアミドおよびヒドロキシアルキルエステル、とくに好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたは1,4−ブタンジオールモノアクリレートである。他の適当なモノマーはN−ビニルピロリドンである。
【0017】
上述したモノマーa)、b)、c)およびd)のほかに、新規結合剤ポリマーは、それぞれの塗装組成物に大きい強度を与えるために他のモノマーを包含しうる。これらの例は、ビニルトリアルコキシシラン、たとえばビニルトリメトキシシラン、アルキルビニルジアルコキシシランまたは(メタ)アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、たとえば(メタ)アクリルオキシエチルトリメトキシシランおよび(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランのようなシロキサン官能モノマーである。これらのモノマーは、モノマーa)+b)100重量部に対して、0.05〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部の量で使用することができる。
【0018】
新規結合剤として使用される水性ポリマー分散液は、それぞれの場合モノマーa)およびb)の量に対して、少なくとも1つの遊離貴重合開始剤0.1〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%、とくに0.1〜0.3重量%の存在における上述したモノマーa)〜d)の遊離基乳化重合によって製造される。
【0019】
適当なかかる開始剤は、遊離基水性乳化重合を開始することのできるこれらすべてのものである:これらは過酸化物、ヒドロペルオキシド、たとえばアルカリ金属ペルオキソソ二硫酸塩またはアゾ化合物であってもよい。少なくとも1つの有機還元剤および少なくとも1つの過酸化物および/またはヒドロペルオキシドからなる組合せ系も使用され、例はtert−ブチルヒドロペルオキシドとヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、過酸化水素とアスコルビン酸、またはペルオキソ二硫酸ナトリウムと二亜硫酸ナトリウムである。好ましい組合せ系は付加的に、重合媒体に可溶でありかつ金属成分が2以上の原子価状態で存在することのできる少量の金属化合物、たとえばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/過酸化水素を包含し、ここでアスコルビン酸は屡々ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムによって代えられ、過酸化水素はtert−ブチルヒドロペルオキシドまたはアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩 および/またはペルオキソ二硫酸アンモニウムによって代えられる。水溶性鉄(II)塩の代わりに、水溶性鉄塩とバナジウム塩の組合せを使用するのが通常である。好ましい開始剤は、ペルオクソ硫酸またはペルオキソ二硫酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩、殊にペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはカリウム塩である。
【0020】
新規結合剤ポリマーは好ましくは、乳化重合に対して習慣的に表面活性物質だけでなく、少なくとも1つの非イオン乳化剤を好ましくは、それぞれの場合モノマーの全量に対して、0.5〜10重量%、殊に1〜8重量%、とくに好ましくは2〜4重量%の量で使用して製造される。使用することのできる非イオン乳化剤は、芳香脂肪族または脂肪族乳化剤、たとえばエトキシル化モノ−、ジ−およびトリアルキルフェノール(EO単位:3対50、C4〜C9アルキル)、長鎖C8〜C36アルコールのエトキシレート(EO単位:3タイ0)およびポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体である。長鎖C10〜C22アルコールのエトキシレート(平均エトキシル化度10〜50)が好ましく、これらのうち、線状C12〜C18アルキルおよび平均エトキシル化度10〜50を有するものが単独非イオン乳化剤としてとくに好ましい。また、8〜50の平均エトキシル化度を有する、C12〜C18アルコール、殊にオキソアルコールのエトキシレートも好ましい。
【0021】
他の慣例の乳化剤は、好ましくは陰イオン性のものであり、C8〜C12アルキルサルフェート、エトキシル化C12〜C18アルカノールの硫酸半エステル(EO単位:2〜50)およびエトキシル化アルキルフェノール(EO単位:3〜50、C4〜C9アルキル)、C12〜C18アルキルスルホン酸およびアルキルアリールスルホン酸(C9〜C18アルキル)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。他の適当な乳化剤は、Houben−Weyl、Methoden derorganischen Chemie、XIV/1巻、Makromoleculare Stoffe(高分子物質)、Georg−Thieme出版、Stuttgart、1961年、192〜208ページに記載されている。
【0022】
好ましい陰イオン界面活性剤は式I
【0023】
【化1】
Figure 0003986617
【0024】
[式中R1およびR2は水素またはC4〜C24アルキルであるが、両方共水素でなく、かつXおよびYはアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンであってもよい]の化合物である。式I中、R1およびR2は好ましくは炭素6〜18個、殊に炭素6、12および16個の線状または分枝アルキルまたは水素であるが、両方共水素でない。XおよびYは好ましくはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであり、前者がとくに好ましい。とくに有利な化合物Iは、式中XおよびYがナトリウムであり、R1が分枝C12アルキルであり、R2が水素またはR1と同じものである化合物である。モノアルキル化生成物の割合が50〜90重量%である工業銘柄の混合物が屡々使用され、1例はDowfax(R)2A1(Dow Chemical Companyの登録商標)である。化合物Iはたとえば米国特許(US−A)4269749号から一般に公知であり、商業的に入手できる。
【0025】
さらに、たとえばポリビニルアルコール、セルロース誘導体またはビニルピロリドン共重合体のような適当な集合コロイドを使用することも可能である。他の適当な保護コロイドの詳細な記載は、Houben−Weyl,loc.cit.411〜420ページに与えられている。界面活性剤の全量は通常、重合すべきモノマーに対して、30重量%まで、好ましくは0.5〜10重量%、とくに好ましくは2〜6重量%を占める。
【0026】
ポリマーの分子量は、少量(一般に重合すべきモノマーに対して2重量%まで)の有機チオ化合物またはアリルアルコールのような1つまたはいくつかの分子量調節剤を添加することによって調節することができる。しかし、かかる化合物の不在において製造したポリマーがより好ましい。
【0027】
乳化重合は、連続的にまたは回分法により、好ましくは半連続的技術によって実施することができる。モノマーは重合バッチに、段階的または勾配操作を含め連続的に添加することができる。短い供給時間を有する供給技術が好ましい;換言すればモノマーは好ましくは水性エマルションの形で、反応バッチに1〜4時間、好ましくは1.5〜3時間にわたって配量される。非イオン乳化剤は、好ましくは最初の装入量として、非イオン乳化剤の全量に対して、20重量%までの量で導入され、これに反して陰イオン乳化剤は好ましくはモノマーと一緒に反応バッチに供給される。
【0028】
シード−フリー(seed−free)法は別として、ポリマー粒径を調節するために、乳化重合をシードラテックス(seed latex)技術によるかまたは現場で製造したシードラテックスの存在で実施することも可能である。これを配量する技術は公知であり、先行技術に見出すことができる(EP−B40419号および´Encyclopedia of Polymer Science and Technology´、5巻、John Wiley&Sons Inc.、New York、1966年、847ページ参照)。
【0029】
こうして供給技術に関連して、先行技術は定義された微細なシードポリマー分散液を重合容器への最初の供給中に包含させ、次いでシードの存在においてモノマーを重合することを推奨する。ここで、シードポリマー粒子は重合核として作用し、ポリマー粒子成長からポリマー粒子形成をデカップリングする。他のシード分散液は乳化重合の間に添加することができ、これにより殊に高い固形分を有するポリマー分散液の場合に屡々望ましい、ポリマー粒子の広い粒度分布が達成される(DE−A4213965号)。定義されたシードラテックスを加える代わりに、該ラテックスを現場で製造することもできる。この目的のために、たとえばモノマーの若干および開始剤を最初に乳化剤と一緒に導入し、反応温度に加熱し、比較的微細なラテックスが生じる。次いで、同じ重合容器中で、供給技術により実際の重合を実施する(DE−A4213965号)。
【0030】
開始剤を乳化重合に供給する方法は、決定的に重要ではない。その全部を重合容器への最初の供給中に包含させることもできるし、またはさもなくば乳化重合中にその消費割合により、連続的または回分式に添加することができる。方法は、開始剤の化学的種類および重合温度の双方に依存し、当業者により所望どうりに選択することができる。反応バッチへの連続的または段階的添加が好ましい。
【0031】
重合圧力および温度は、同様にあまり重要でない;重合温度は一般に室温から120℃まで、好ましくは50℃から95℃まで、とくに好ましくは70℃〜90℃までである。
【0032】
実際の重合の後に、一般に新規水性ポリマー分散液が残留モノマーおよび他の揮発性有機成分のような臭気成分を実質的に有しないことが必要である。これは、自体公知の方法で物理的に、蒸留除去によるか(殊に水蒸気蒸留によって)または不活性ガスでのストリッピングによって行うことができる。
【0033】
残留モノマー含量は化学的に、殊にたとえばドイツ国特許(DE−A)4435423号、ドイツ国特許(DE−A)4419518号およびドイツ国特許(DE−A)4435422号に記載されているようなレドックス開始剤系の作用下に、遊離基後重合によって低下することができる。レドックス開始後重合のためのとくに適当な酸化剤は、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドおよびアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩である。適当な還元剤は、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸、アセトンジスルファイト(亜硫酸水素ナトリウムに対するアセトンの付加物)、アスコルビン酸、または還元糖またはメルカプトエタノールのような水溶性メルカプタンである。レドックス開始剤系を用いる後重合は、10〜100℃、好ましくは20〜90℃で実施される。互いに独立に、レドックスパートナーは、全部、少量宛または10分から4時間の期間にわたり連続的に分散液に添加することができる。レドックス開始剤系の後重合効果を改善するために、分散液に鉄塩、銅塩またはバナジウム塩のような可変原子価の可溶性金属塩を添加することもできる。多くの場合、金属塩を反応条件下に溶液中に維持する錯化剤も添加される。
【0034】
低臭気塩基、好ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物または不揮発性アミンによるポリマー分散液の最終中和を実施するのが好ましい。後者のアミンは、とくにエトキシル化ジアミンまたは市場で、たとえばJeffamine(R)(Texaco Chemical Co.)の名称で入手できるようなポリアミンを包含する。ポリマー分散液は、好ましくはアンモニアで中和しない。
【0035】
新規結合剤ポリマーは一般に、10℃以下、好ましくは5℃以下、とくに好ましくは≦3℃の最低塗膜形成温度を有する。光散乱により測定されるような、結合剤分散液中に存在するポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは100〜300nmの範囲内、とくに好ましくは120〜200nmの範囲内である。
【0036】
分散液の光透過率(下記参照)は一般に40〜90%、好ましくは50〜80%、とくに50〜75%の範囲内である。透過率は広い範囲にわたり分散した粒子の大きさと相関関係を有する;換言すれば分散した粒子の直径が小さければ小さいほど、LT値(濃度0.01重量%試料の光透過率)はますます大きくなる。
【0037】
製造の方法のため、新規結合剤ポリマーは殆ど完全に溶剤、モノマーまたは他の揮発性成分を有せず、従って臭気および放出が低い。
【0038】
新規結合剤は低放出の溶剤不含塗装組成物の製造に有用であり、該組成物はたとえばポリマー分散液プラスター、タイル接着剤、ペイントおよびとくに低放出のエマルションペイントを表わす。新規結合剤は、好ましくは室内装飾のために使用されるような、顔料の高割合(p.v.c.、上記参照)、好ましくは60%より大きい、とくに70%よりも大きいp.v.c.を有する低放出のエマルションペイントに適当である。
【0039】
この種の塗装組成物は、原則として当業者に周知である。水性ポリマーエマルションペイントの詳細な記載は、たとえばUllmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie、4版、15巻、664ページ以降に見出すことができる。新規低放出のエマルションペイントまたはプラスターは一般に、不揮発性成分に対して、
充填剤 40〜94重量%、
顔料 2〜30重量%、
助剤 0.1〜10重量%、および
新規結合剤 4〜30重量%、好ましくは20重量%までを含有する。
【0040】
エマルションペイントに適当な充填剤の例は、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは方解石または白亜、ドロマイトの形の炭酸カルシウム、およびケイ酸アルミニウムまたはタルクのようなケイ酸マグネシウムである。代表的な顔料の1例は、好ましくはルチル形の二酸化チタンである。しかし、着色ペイントは有色顔料、たとえば鉄酸化物を包含しうる。慣例の助剤は、ナトリウムまたはカリウムのポリリン酸塩、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩、ポリビニルアルコール等のような湿潤剤を包含する。さらに、これらのエマルションペイントは通常セルロースエーテル、たとえばヒドロキシエチルセルロースのような粘度調整剤を包含する。さらに、エマルションペイントはそれに分散剤、消泡剤、防腐剤または疎水性化剤および染料、繊維または他の成分が添加されていてもよい。
【0041】
新規溶剤不含低放出塗装組成物は、高い顔料体積濃度、たとえば75%のp.v.c.でさえ、高い磨耗抵抗によりその普通の対応品に勝る。
【0042】
特殊な活性モノマーまたは他の添加剤の使用なしでさえ、これらの特殊な活性モノマーまたは添加剤を含有する先行技術の水性結合剤分散液の品質水準に匹敵するかまたはむしろ越える新規結合剤分散液の顔料結合力は、所望の場合先行技術により推奨される添加剤および/または活性モノマーを混和することにより増加することができる。ここで、たとえば結合剤ポリマーをシラン基で変性することが挙げられる。かかる変性は、たとえばビニルシランまたは(メタ)アクリルオキシアルキルシランのようなオレフィン性二重結合を含有するシランを共重合することにより実施することができる(上記およびEP−A327006号、EP−A327376号またはEP−A612771号参照)。さらに、シラン基はヨーロッパ特許(EP−A)640629号によりエポキシシラン、たとえばグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの存在における重合によるか、またはヨーロッパ特許(EP−A)327376号によりメルカプトアルキルシラン、たとえばメルカプトプロピルトリメトキシシランの存在における重合により結合剤ポリマー中に導入することができる。
【0043】
下記の例は、本発明の説明を意図するが、これを制限するものではない。
【0044】
【実施例】
分析
ポリマー粒子の粒度(z平均)は、英国Malvern Instrumentsからのオートサイザー(Autosizer)Iicを用い23℃で0.01重量%分散液につき動的光散乱により測定した。記載した数値は、測定された自動相関関数の累積評価の平均直径(cumulant z−average)である。
【0045】
光透過率(LT)は、光路長25mmの普通の市販の光度計中で白色光を用い0.01重量%分散液につき測定した。測定は、100%のLTが割り当てられる水に関して実施される。
【0046】
最低塗膜形成温度は、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie、4版、19巻、Chemie出版、Weinheim(1980年)、17ページにより測定した。使用した装置は、塗膜形成ベンチ(温度勾配が適用される金属板)であった。形成した塗膜は1mmの湿潤厚さを有していた。記述した最低塗膜形成温度は塗膜が割れを示し始める温度である。
【0047】
1)結合剤ポリマーを製造するための一般的方法
例1〜33
撹拌機および貫流冷却器を有する重合容器に、
濃度20重量%水溶液7.5gの形の非イオン乳化剤;第1表参照 1.5g
供給流れI 40gおよび
脱イオン水 200gを装入し、
この混合物を撹拌しながら85℃に加熱した。次に、供給流れII 6gを添加し、温度を維持した。15分後、供給流れIの残留分を120分(または180分)の期間にわたりかつ供給流れIIの残留分を135分(または210分、Iの配量期間が180分であった場合)の期間にわたり重合バッチ中へ連続的に配量し、添加を同時に開始し、同じ温度を維持する。供給流れIIの添加の終了後、反応を85℃で2時間継続させた。次いで、反応バッチを70℃に冷却し、濃度70重量%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液0.71gを添加し、温度を維持し、濃度10%のヒドロキシメタン亜硫酸ナトリウム水溶液5gを30分の期間にわたり配量した。その後、反応バッチを室温に冷却し、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液で7.5のpHを確立し、混合物を網目の大きさ250μmを有する金属フィルターを通して濾過した。方法パラメーターの編集および固形分、光透過率および粒度による得られるポリマーの特性表示は、第1表に与えられている。
【0048】
供給流れI
濃度20重量%水溶液20gの形のp−ドデシルジフェニルエーテルジス
ルホン酸 二ナトリウム 4g
濃度20重量%水溶液62.5gの形の非イオン乳化剤 12.5g
濃度15重量%水溶液27gの形のラウリル硫酸ナトリウム 4.1g
モノマーC;第1表参照 xg
濃度50重量%水溶液2倍量の形のモノマーD;第1表参照 yg
スチレン(モノマーB) 200g
n−ブチルアクリレート(モノマーA) 300g
水 160+xg
供給流れII
ペルオキソ二硫酸ナトリウム 1.5g
水 60g
【0049】
【表1】
Figure 0003986617
【0050】
【表2】
Figure 0003986617
【0051】
Figure 0003986617
Figure 0003986617
例34〜36(可変の開始剤濃度)
重合は、アクリル酸(モノマーC)1.5gおよびアクリルアミド(モノマーD)7.5gを乳化剤(A)14gと共に使用し、供給流れIに対し120分および供給流れIIに対し135分の供給時間で、例1〜30におけるように実施した。開始剤の量、ポリマーの固形分および平均粒度は、第2表にまとめられている。
【0052】
供給流れII
脱イオン水 60g
ペルオキソ二硫酸ナトリウム(第2表) zg
【0053】
【表3】
Figure 0003986617
【0054】
例37:重合は例1〜30に記載したように実施したが、メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.0g(供給流れIにより添加)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.5gおよびLutensol(R)AT18 14gの存在においてモノマーcとしてアクリル酸1.5gおよびモノマーdとしてアクリルアミド7.5gを使用した。分散液の固形分は49.1重量%であり、平均粒度は205nmであった;LT値は55%であった。
【0055】
例38:重合は例31〜33におけるように実施したが、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.5gおよびLutensol(R)AT18 14gの存在において2−エチルヘキシルアクリレート250g、スチレン250g、アクリルアミド7.5gおよびアクリル酸2.5gを使用した。粒度170nm、固形分49.1重量%、LT値66%、MFT4℃。
【0056】
例39:重合は例35におけるように実施したが、2−エチルヘキシルアクリレート125g、n−ブチルアクリレート150g、スチレン175g、アクリル酸2.5およびアクリルアミド7.5gを使用した。固形分50.0重量%、粒度196nm、LT値58%、MFT4℃。
【0057】
2.新規エマルションペイント
新規エマルションペイントは、溶解機を使用し、第3表に配合1〜3に対し指示した成分をそれに指示した順序で混合することにより製造した。使用した分散液の可変固形分は、使用のための量において考慮した(第4表参照)。
【0058】
【表4】
Figure 0003986617
【0059】
新規エマルションペイントを使用して得られる塗膜の磨耗抵抗を試験
試験は、DIN53778号、シート2による。60mm幅のドクターブレードを、約430×80mmの寸法のLenetaフィルム上に乾燥厚さ100μmを有する塗膜を設けるために使用した。この塗膜を室温で5日、7日および28日間貯蔵した。それから、磨耗試験機中で、研磨ブラシを塗膜上へ、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(たとえばHuelsからのMarlon(R)A350)の濃度0.25重量%水溶液の不変の滴加と共に案内した。磨耗が塗膜を貫通するまでの往復行程数を、磨耗抵抗の測度として採用した。
【0060】
結果は第4表にまとめられている。
【0061】
【表5】
Figure 0003986617
【0062】
【表6】
Figure 0003986617
【0063】
第4表から明らかであるように、新規結合剤を使用して得られた塗膜は、共重合した酸性モノマーの高含量を有する結合剤を主剤とするものよりも大きい磨耗抵抗を有する。
【0064】
3.市場で購入しうるポリマー分散液との比較試験
Mowilith(R)DM129およびMowilith LDM1880は、エチレン/酢酸ビニルを主剤とし、保護コロイドを含有するぽりまー分散液である。固形分は55重量%であり、平均塗膜形成温度は1℃以下である。Mowilith LDM1880は、ケイ素含有モノマー(メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)約0.2重量%を含有する。ペイント分散液は、配合No.3により上記に記載したように製造した。しかし、ペイント1000部に対して、55重量%のMOWIlith分散液118重量部だけ(例2からの分散液130部の代わりに)を使用し、かつ対応して水82重量部(70部の代わりに)を使用した。塗膜の製造および磨耗抵抗の測定は、2.項に記載したように実施した。結果は第5表にまとめられている。
【0065】
【表7】
Figure 0003986617

Claims (10)

  1. 10℃以下の最低塗膜形成温度を有する、少なくとも1つの水性ポリマー分散液を主剤とする結合剤において、水性ポリマー分散液が、
    少なくとも1つの脂肪族の非イオン乳化剤の存在下で、
    a)ホモポリマーがガラス転移温度T<20℃を有する少なくとも1つのモノマー45〜70重量部、
    b)ホモポリマーがガラス転移温度T>50℃を有する少なくとも1つのモノマー30〜55重量部、
    c)酸性基を有する少なくとも1つのモノマー0〜0.5重量部および
    d)α,β−不飽和C3〜C6カルボン酸のアミド、そのC2〜C6ヒドロキシアルキルエステルおよび/またはN−ビニルラクタムから選択された少なくとも1つの他のモノマー0.5〜2重量部(ただしa)+b)の重量部の和は100重量部である)を含有するモノマー混合物の遊離基水性乳化重合によって得られる結合剤。
  2. 非イオン乳化剤は、モノマーの全重量に対して、2〜4重量%の範囲内の量で使用される、請求項記載の結合剤。
  3. 非イオン乳化剤は、〜50の範囲内のエトキシル化度を有するエトキシル化C8〜C36アルコールである、請求項記載の結合剤。
  4. 非イオン乳化剤は、10〜50の範囲内のエトキシル化度を有するエトキシル化C10〜C22アルカノールである、請求項記載の結合剤。
  5. 結合剤ポリマーは、重合度調節化合物の不在におけるモノマーの乳化重合によって得られる、請求項1からまでのいずれか1項記載の結合剤。
  6. 結合剤ポリマーの粒子が、100〜300nmの範囲内の平均直径を有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の結合剤。
  7. モノマー混合物が、
    a)少なくとも1つのC 1 〜C 10 アルキルアクリレートモノマー45〜70重量部、
    b)少なくとも1つのビニル芳香族モノマー30〜55重量部、
    c)アルキルまたはアリールスルホン酸およびα,β−不飽和C 3 〜C 6 カルボン酸から選択された少なくとも1つのモノマー0〜0.5重量部、および
    d)α,β−不飽和C 3 〜C 6 カルボン酸のアミド、そのC 2 〜C 6 ヒドロキシアルキルエステルから選択された少なくとも1つの他のモノマー0.5〜2重量部
    を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の結合剤。
  8. 60%より大きい顔料の体積濃度(p.v.c.)を有し、かつ、請求項1から7までのいずれか1項記載の少なくとも1つの結合剤を包含する、エマルシヨンペイントの形である、溶剤不含の低放出塗装組成物。
  9. 70%より大きい顔料の体積濃度(p.v.c.)を有し、かつ、10℃以下の最低塗膜形成温度を有する、少なくとも1つの水性ポリマー分散液を主剤とする少なくとも1種の結合剤を包含する、請求項8に記載の溶剤不含の低放出塗装組成物において、水性ポリマー分散液が、
    a)少なくとも1つのC 1 〜C 10 アルキルアクリレートモノマー45〜70重量部、
    b)少なくとも1つのビニル芳香族モノマー30〜55重量部、
    c)アルキルまたはアリールスルホン酸およびα,β−不飽和C 3 〜C 6 カルボン酸から選択された少なくとも1つのモノマー0〜0.5重量部、および
    d)α,β−不飽和C 3 〜C 6 カルボン酸のアミド、そのC 2 〜C 6 ヒドロキシアルキルエステルから選択された少なくとも1つの他のモノマー0.5〜2重量部
    を含有する(ただしa)+b)の重量部の和は100重量部である)モノマー混合物の遊離基水性乳化重合によって得られる、請求項8に記載の溶剤不含の低放出塗装組成物。
  10. 固形分に対して、
    充填剤 40〜94重量%、
    顔料 2〜30重量%、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の少なくとも1つの結合剤(固体として計算して) 4〜30重量%および
    剤 0.1〜10重量%
    を含有する、請求項8または9に記載の溶剤不含の低放出塗装組成物。
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