JP3986428B2 - 内燃機関の燃料噴射制御方法及びその装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型ディーゼル機関に適用され、針弁の開弁圧を調整する開弁圧調整装置を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関における燃料噴射の制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型ディーゼル機関においては、シリンダ径が大径であるため、1シリンダに2〜3個の燃料噴射弁を装着して、燃料噴霧をシリンダ内の空気過流中に効果的に拡散させ、高い燃焼効率を維持するように図っている。
前記のような1シリンダに複数の燃料噴射弁を装着した機関においては、低負荷運転時には全部の燃料噴射弁を使用すると、燃料噴射弁1個当たりの噴射量が少なく、噴射圧力が低くなって燃焼性能が悪化する。
【0003】
低負荷運転時の噴射圧力低下を防ぐ手段としては、燃料弁噴射弁を噴孔径の小さなものへ交換し、噴射圧力を高く維持する方法と、複数の燃料噴射弁のうちの一部の燃料噴射弁への燃料供給ラインに閉止プラグを取り付け、燃料の供給を遮断し、他の燃料噴射弁の燃料噴射量を増加し噴射圧力を高く維持する方法がある。
【0004】
複数の燃料噴射弁のうちの一部の燃料噴射弁への燃料の供給を遮断する燃料制御装置の1つとして、特許文献1(特開平10−77928号公報)が提案されている。
かかる発明においては、大小の噴口を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けるとともに、各燃料噴射弁への燃料油管路に各燃料噴射弁への燃料の供給を切り換える切換弁を設け、該切換弁を切り換え操作し大小の噴口を備えた燃料噴射弁への燃料の供給を切り換えて各燃料噴射弁の噴射量を調整するとともに、低負荷運転時には前記一部の燃料噴射弁への燃料を遮断するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−77928号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
複数の燃料噴射弁を装着した大型ディーゼル機関に機関においては、前記のように、低負荷運転時に燃料噴射弁を噴孔径の小さなものに交換するかあるいは、複数の燃料噴射弁のうちの一部の燃料噴射弁への燃料の供給を遮断して、他の燃料噴射弁の燃料噴射量を増加し噴射圧力を高く維持するようにしており、前記特許文献1(特開平10−77928号公報)の手段では1シリンダに大小の噴口を備えた複数個の燃料噴射弁への燃料油管路に各燃料噴射弁への燃料の供給を切換える切換弁を設け、低負荷運転時には該切換弁を切換え操作することにより一部の燃料噴射弁への燃料を遮断するようになっている。
【0007】
しかしながら、低負荷運転時の噴射圧力低下を防ぐ手段として前記した、燃料弁噴射弁を噴孔径の小さなものへ交換し、噴射圧力を高く維持する方法と、複数の燃料噴射弁のうちの一部の燃料噴射弁への燃料供給ラインに閉止プラグを取り付け、燃料の供給を遮断し、他の燃料噴射弁の燃料噴射量を増加し噴射圧力を高く維持する方法においては、いずれも低負荷運転に移行する際には機関を停止し、燃料噴射弁の交換もしくは燃料供給ラインへの閉止プラグの取付を実施する必要がある。また低負荷運転から常用負荷運転へ移行する際にも機関を停止し復旧する必要があり、非常に煩雑な作業を伴う。
【0008】
次に、前記特許文献1の技術においては、複数の燃料噴射弁のうちの一部の燃料噴射弁からの燃料噴射を遮断する方法として切換弁の操作を用いる為、機関を停止する必要はないものの、下記の問題点がある。
1.燃料噴射ポンプから燃料噴射弁までの燃料供給ラインの間に複雑な切換え弁を装備するため、燃料ポンプより加圧・吐出された燃料油は切換弁で圧力損失を生じる。このため、上流側の燃料噴射弁においては、噴射圧力の低下、下流側の燃料ポンプにおいては吐出圧力増加により燃料ポンプ各部への負荷が増加する。
2.噴孔径の大小異なる複数の燃料噴射弁をそれぞれ通常仕様時の燃料噴射弁数装備する必要があり、(1シリンダ当り燃料噴射弁を3本装備した機関であれば、常用運転時用と低負荷運転時用の計6本を装備する必要がある。)非常に複雑な系統となってしまう。
3.複数の燃料噴射弁の配置に際しては、シリンダ内での燃焼状態を均一にするために等間隔に配置する必要があるが、通常仕様時の2倍もの燃料噴射弁をそれぞれ等間隔に配置するのは、スペース上非常に困難を伴い、場合によっては等間隔配置が出来ないことも考えられる。
4.切換弁を切り換え操作して当該燃料噴射弁への燃料の供給を完全に遮断する必要があり、機関の運転中に低負荷運転に移行する際には、当該燃料噴射弁への燃料の供給が完全に遮断されてから低負荷運転への運転切り換えを行うことを要し、機関の運転中における低負荷運転への迅速な移行は困難であり、運転操作性に課題がある。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、1シリンダに複数の燃料噴射弁を装着した内燃機関において、機関の全運転域で燃焼性能及び排ガス性能を良好に保持しつつ、機関の運転中における低負荷運転への迅速な移行を可能とし、運転操作性を向上した内燃機関の燃料噴射制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、針弁の開弁圧を調整する開弁圧調整装置を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関における燃料噴射の制御方法において、前記開弁圧調整装置は燃料噴射弁の弁本体の上部に固着されたシリンダの内部に上下に嵌合してそれぞれ当接可能な第1ピストンと第2ピストンとを有し、前記第1ピストンの上面に臨む第1空気室と前記第2ピストンの上面に臨む第2空気室とに同時に圧縮空気を作用し、前記第1ピストンと第2ピストンとを下方に押圧し、該押圧によって前記複数個の燃料噴射弁のうちの少なくとも1個の燃料噴射弁の針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けることにより当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断することを特徴とする内燃機関の燃焼制御方法を提案する。
【0011】
請求項1において、好ましくは請求項2、3のように構成するのがよい。即ち請求項2においては、前記開弁圧調整装置に圧縮空気を導き、該開弁圧調整装置への作動流体の給排を切り換えることにより前記燃料噴射弁の燃料噴射あるいは遮断を切り換える。
請求項3においては、機関(内燃機関)の回転数、給気圧力、燃料調整ラック位置等の機関運転状態を検出し、該機関運転状態に基づき機関状態が正常で、且つ機関出力・回転数レベルが一定レベル以下のとき前記開弁圧調整装置の作動により少なくとも1個の燃料噴射弁の燃料噴射を遮断する。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜2に係る内燃機関の燃焼制御方法を実施する装置の発明に係り、請求項4の発明において、針弁の開弁圧を調整する開弁圧調整装置を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関における燃料噴射制御装置において、前記開弁圧調整装置は圧縮空気の加圧力により前記複数個の燃料噴射弁のうちの少なくとも1個の燃料噴射弁の針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けて当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断可能に構成されるとともに、前記開弁圧調整装置への作動空気管路に設けられて該作動空気管路を開閉する空気制御弁と、該空気制御弁に開閉操作信号を出力するコントローラとを備えてなり、前記開弁圧調整装置は燃料噴射弁の弁本体の上部に固着されたシリンダの内部に上下に嵌合してそれぞれ当接可能な第1ピストンと第2ピストンとを有し、前記第1ピストンの上面に臨む第1空気室と前記第2ピストンの上面に臨む第2空気室とに同時に圧縮空気を作用して前記第1ピストンと第2ピストンとを下方に押圧して針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けることを特徴とする。
【0013】
請求項4において、好ましくは請求項5のように、機関(内燃機関)の回転数、給気圧力、燃料調整ラック位置等の機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段を備え、前記コントローラは、前記機関運転状態検出手段からの機関運転状態の検出値に基づき機関状態が正常で、且つ機関出力・回転数レベルが一定レベル以下のとき前記作動流体制御弁を介して開弁圧調整装置を作動させ少なくとも1個の燃料噴射弁の燃料噴射を遮断するように構成されてなるのがよい。
【0014】
かかる発明によれば、燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関において、コントローラにより、請求項3あるいは5のような機関運転状態検出手段による機関回転数、給気圧力、燃料調整ラック位置等の機関運転状態の検出値に基づき機関状態が正常で、且つ機関出力・回転数レベルが一定レベル以下の低負荷運転となったとき、燃料噴射弁の開弁圧調整装置への作動流体通路に設けられた作動流体制御弁を介して該開弁圧調整装置を作動させ、少なくとも1個の燃料噴射弁の針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けて当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断せしめる。
【0015】
従って、かかる発明によれば、コントローラにより作動流体制御弁を開閉作動せしめ燃料噴射弁の開弁圧調整装置への作動流体の給排を切り換えて燃料噴射弁の針弁を開弁圧以上の圧力で押し付け当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断するので、機関の運転中においても、機関の運転を停止することなく、作動流体制御弁を開閉作動せしめるのみで1シリンダに複数個設けられた燃料噴射弁のうちの任意の燃料噴射弁について自在に燃料噴射を遮断することが可能となって、低負荷運転時において燃料噴射圧力を高めて燃焼性能を向上することができるとともに回転変動を抑制して円滑かつ低騒音の運転を行うことができ、燃焼性能及び排ガス性能を良好に保持して極低負荷運転を行うことが可能となる。
【0016】
また、従来技術のように常用運転⇔低負荷運転の移行において機関の運転を停止し燃料噴射弁のスペックを変更する、または燃料供給ラインに閉止プラグを施工するという余分な調整工数が不要となって、機関の運転工数を低減できる。前記特許文献1の技術と比べると、本発明では特許文献1の切換弁を装備しないため、燃料ポンプにて加圧された燃料油に圧力損失を生じず、燃料噴射弁も追設する必要が無いため、噴射系統の複雑化を回避できる。
【0017】
さらにかかる発明によれば、前記特許文献1のような燃料噴射弁への燃料の遮断操作は不要となり、針弁の押付力の調整のみで燃料噴射を遮断することができるので、低負荷運転時における燃料遮断運転を任意の時期に容易に行うことが可能となって、機関の運転操作性が向上するとともに、常用負荷運転時における燃料噴射モードを変化させることなく低負荷運転時における燃料噴射圧力を上昇させることも可能となって、機関の全運転域で燃焼性能及び排ガス性能を良好に保持することができる。
また、機関の運転中に作動流体制御弁の開閉を切り換えて、1シリンダに複数個設けられている燃料噴射弁の燃料噴射遮断を一定間隔で切り換えることが可能となるので、該シリンダの燃焼室内における熱負荷の偏りを回避して燃焼室構成部材の耐久性を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0019】
図1は本発明の実施例に係る大型ディーゼル機関における燃料噴射制御装置の全体構成図、図2は燃料噴射弁の縦断面図、図3は前記燃料噴射制御装置の制御ブロック図である。
【0020】
本発明の実施例に係る燃焼制御装置の全体構成を示す図1において、200はディーゼル機関、201はシリンダヘッド、1は燃料を加圧する燃料ポンプ、100は前記シリンダヘッド201に2個対をなして装着された燃料噴射弁、2は前記燃料ポンプ1と各燃料噴射弁100とを接続する噴射管である。
前記燃料噴射弁100は後述するように構成され、前記機関200の燃焼室(図示省略)内に燃料を噴射するもので、この例では2個設けられているが複数個であればよい。
また前記燃料ポンプ1は機関200のシリンダ毎に設けられており、その構成自体は公知であるので、詳細な構造説明は省略する。
【0021】
3は空気源6にて所定圧力に加圧された作動空気を後述する空気圧アクチュエータ(開弁圧調整装置)120の2つの空気室124、125(図2参照)に選択的に供給する作動空気管、4は該作動空気管3の管路を開閉する空気制御弁である。
7は前記機関200の回転数(クランク軸回転数)を検出する回転数検出器、8は給気圧力を検出する給気圧力検出器、9は前記燃料ポンプ1における燃料調整ラック位置を検出するラック位置検出器、10は排気通路内の排気温度を検出する排気温度検出器である。
5はコントローラで、前記回転数検出器7、給気圧力検出器8、ラック位置検出器9、排気温度検出器10等の機関運転状態検出手段からの機関運転状態検出値に基づき、後述するような制御演算を行って前記空気制御弁4に開閉操作信号を出力するものである。
【0022】
前記燃料噴射弁100の詳細を示す図2において、101は弁本体、102は先端部に複数の噴口105が穿孔されたノズルチップ、113は該ノズルチップ102を前記弁本体101に締着するためのノズルナットである。
103は前記ノズルチップ102及び弁本体101内に往復摺動可能に嵌合された針弁、104は前記針弁103の下部外周が臨んで形成された油溜め、106は前記針弁103を閉弁方向に付勢する針弁ばね、107は該針弁ばね106が収納されるばね室である。
108は前記弁本体101内及びノズルチップ102内に穿孔されて前記油溜め104に連通される燃料通路である。109は前記弁本体101の上部に流体密にねじ込み固定されたコネクタで、その内部に穿孔された燃料入口通路110の出口端は前記燃料通路108に、入口端は前記噴射管2に夫々接続されている。
以上に示した構造は従来の燃料噴射弁と同様である。
【0023】
120は空気圧アクチュエータ(開弁圧調整装置)で、次のように構成されている。
123は前記弁本体101の上部に固着されたシリンダ、121は該シリンダ123の上部内周に往復動可能に嵌合された第1ピストン、122は該シリンダ123の下部内周に往復動可能に嵌合された第2ピストンで、該第1ピストン121下部に形成された凸部129の下端面が該第2ピストン122の上面に当接されている。
124は前記第1ピストン121の上面が臨んで形成された第1空気室、125は前記第2ピストン122の上面が臨んで形成された第2空気室で、該第1空気室124と第2空気室125とは前記第1ピストン121内に穿孔された空気孔127及び前記第1ピストン121の凸部129下端面に放射状に形成された通路溝121aを介して連通されている(図2(B)参照)。
【0024】
111は前記弁本体101の上部にねじ込まれた調整ねじ、130は該調整ねじ111用のロックナットである。112は該調整ねじ111内に往復摺動可能に嵌合されたスピンドルで、該スピンドル112の上端面が前記第2ピストン122の下面に当接され該スピンドル112下部に形成された鍔部112a下端面が前記針弁ばね106の上端面側のばね受を構成している。112bおよび112cはスピンドル112の上部に取り付けられたナットであり、第1空気室124及び第2空気室125内が加圧されていない状態で該ナット112cの下端面と調整ねじ111の上端面の距離が規定値となるよう該ナット112cを調整の後、該ナット112bで固定されている。
126は前記第1空気室124の空気入口通路、128は空気入口継手でこれの内部に形成された空気通路(図示省略)及び前記空気入口通路126を介して前記作動空気管3と第1空気室124とが連通されている。
【0025】
かかる構成からなる大型ディーゼル機関における燃料噴射制御装置において、通常噴射時には、前記燃料ポンプ1により圧送された高圧燃料は噴射管2を通って対をなす燃料噴射弁100の燃料入口通路110に入り、燃料通路108を通って油溜め104に導かれ針弁103の下部に作用して該針弁103を針弁ばね106のばね力に抗して押し上げる。これにより、該針弁103が開弁されて油溜め104内の燃料が噴口105から燃焼室内に噴射される。
【0026】
機関の低負荷運転時に前記燃料噴射弁100のうちの1つの燃料噴射を遮断するには、前記コントローラ5からの燃料遮断指令信号により前記空気制御弁4により、当該燃料噴射弁100への作動空気管3の管路が開かれると、前記空気源6からの加圧作動空気が該作動空気管3を通って空気圧アクチュエータ120の第1空気室124、並びに空気孔127及び通路溝121aを通って第2空気室に導入されて、前記第1ピストン121の上面及び第2ピストン122の上面に同時に作用して、該第1ピストン121及び第2ピストン122を下方に押圧する。
【0027】
この押圧力は前記スピンドル112を介して針弁ばね106に伝達され、該針弁ばね106を介して前記針弁103をこれの開弁圧以上の圧力で前記のノズルチップ102側の弁座(図示省略)に押し付けて該針弁103の開弁を阻止する。これにより、当該燃料噴射弁100からの燃料噴射が遮断せしめられる。この時の押圧力は、加圧前の前記ナット112cの下端面と前記調整ねじ111の上端面の距離に依存し、その距離は必要な押圧力より決定される。
【0028】
次に図3に基づき、前記燃焼制御装置の制御動作について説明する。
前記コントローラ5において、51は回転数設定部で、前記燃料噴射弁100の一方側の燃料噴射遮断運転を行う機関回転数つまり前記燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の機関回転数が設定されている。
52は給気圧力設定部で、前記燃料噴射弁100の一方側の燃料噴射遮断運転を行う給気圧力つまり前記燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の給気圧力が設定されている。
53はラック位置設定部で、前記燃料噴射弁100の一方側の燃料噴射遮断運転を行うラック位置つまり前記燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当のラック位置が設定されている。
54は排気温度設定部で、前記燃料噴射弁100の一方側の燃料噴射遮断運転を行う排気温度つまり前記燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の排気温度が設定されている。
【0029】
55は燃料噴射弁遮断判断部で、機関運転状態検出手段を構成する前記回転数検出器7からの機関回転数の検出値と前記回転数設定部51に設定された燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の機関回転数とを比較し、あるいは前記給気圧力検出器8からの給気圧力の検出値と前記給気圧力設定部52に設定された燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の給気圧力とを比較し、あるいは前記ラック位置検出器9からのラック位置の検出値と前記ラック位置設定部53に設定された燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当のラック位置とを比較し、あるいは前記排気温度検出器10からの排気温度の検出値と前記排気温度設定部54に設定された燃料噴射遮断運転に入る低負荷相当の排気温度とを比較し、前記機関運転状態の各項目の何れかの検出値が対応する設定値以下になったとき、空気制御弁開閉制御部56に当該燃料噴射弁100の燃料噴射遮断信号を出力する。該空気制御弁開閉指令部56においては、当該燃料噴射弁100側の空気制御弁4を開弁せしめる。これにより、当該燃料噴射弁100の空気圧アクチュエータ120に作動空気が供給され、前記のようにして燃料噴射が遮断される。
【0030】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、コントローラにより作動流体制御弁を開閉作動せしめ燃料噴射弁の開弁圧調整装置への作動流体の給排を切り換えて燃料噴射弁の針弁を開弁圧以上の圧力で押し付け当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断するので、機関の運転中においても、機関の運転を停止することなく、作動流体制御弁を開閉作動せしめるのみで1シリンダに複数個設けられた燃料噴射弁のうちの任意の燃料噴射弁について自在に燃料噴射を遮断することが可能となって、低負荷運転時において燃料噴射圧力を高めて燃焼性能を向上することができるとともに回転変動を抑制して円滑かつ低騒音の運転を行うことができ、燃焼性能及び排ガス性能を良好に保持して極低負荷運転を行うことが可能となる。
また、従来技術のように機関の運転中において機関の運転を停止し燃料噴射弁のスペックを変更する、または燃料供給ラインに閉止プラグを施工するという余分な調整工数が不要となって、機関の運転工数を低減できる。
【0031】
さらに本発明によれば、燃料ポンプと燃料噴射弁の間に特許文献1のような切換弁を装備しないため,燃料ポンプにて加圧された燃料油に圧力損失を生じず、燃料噴射弁も追設する必要がないため、噴射系統の複雑化を回避でき、従来技術のような燃料噴射弁への燃料の遮断操作は不要となり、針弁の押付力の調整のみで燃料噴射を遮断することができるので、低負荷運転時における燃料遮断運転を任意の時期に容易に行うことが可能となって、機関の運転操作性が向上するとともに、常用負荷運転時における燃料噴射モードを変化させることなく低負荷運転時における燃料噴射圧力を上昇させることも可能となって、機関の全運転域で燃焼性能及び排ガス性能を良好に保持することができる。
また、機関の運転中に作動流体制御弁の開閉を切り換えて、1シリンダに複数個設けられている燃料噴射弁の燃料噴射遮断を一定間隔で切り換えることが可能となるので、該シリンダの燃焼室内における熱負荷の偏りを回避して燃焼室構成部材の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る大型ディーゼル機関における燃料噴射制御装置の全体構成図である。
【図2】 前記実施例における燃料噴射弁の縦断面図である。
【図3】 前記燃料噴射制御装置の制御ブロック図である。
【符号の説明】
100 燃料噴射弁
200 ディーゼル機関
1 燃料ポンプ
2 噴射管
3 作動空気管
4 空気制御弁
5 コントローラ
7 回転数検出器
8 給気圧力検出器
9 ラック位置検出器
10 排気温度検出器
103 針弁
120 空気圧アクチュエータ

Claims (5)

  1. 針弁の開弁圧を調整する開弁圧調整装置を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関における燃料噴射の制御方法において、
    前記開弁圧調整装置は燃料噴射弁の弁本体の上部に固着されたシリンダの内部に上下に嵌合してそれぞれ当接可能な第1ピストンと第2ピストンとを有し、前記第1ピストンの上面に臨む第1空気室と前記第2ピストンの上面に臨む第2空気室とに同時に圧縮空気を作用し、前記第1ピストンと第2ピストンとを下方に押圧し、該押圧によって前記複数個の燃料噴射弁のうちの少なくとも1個の燃料噴射弁の針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けることにより当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断することを特徴とする内燃機関の燃焼制御方法。
  2. 前記開弁圧調整装置に圧縮空気を導き、該開弁圧調整装置への作動流体の給排を切り換えることにより前記該燃料噴射弁の燃料噴射あるいは遮断を切り換えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御方法。
  3. 機関(内燃機関)の回転数、給気圧力、燃料調整ラック位置等の機関運転状態を検出し、該機関運転状態に基づき機関状態が正常で、且つ機関出力・回転数レベルが一定レベル以下のとき前記開弁圧調整装置の作動により少なくとも1個の燃料噴射弁の燃料噴射を遮断することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御方法。
  4. 針弁の開弁圧を調整する開弁圧調整装置を備えた燃料噴射弁を1シリンダに複数個設けてなる内燃機関における燃料噴射制御装置において、
    前記開弁圧調整装置は圧縮空気の加圧力により前記複数個の燃料噴射弁のうちの少なくとも1個の燃料噴射弁の針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けて当該燃料噴射弁の燃料噴射を遮断可能に構成されるとともに、前記開弁圧調整装置への作動空気管路に設けられて該作動空気管路を開閉する空気制御弁と、該空気制御弁に開閉操作信号を出力するコントローラとを備えてなり、前記開弁圧調整装置は燃料噴射弁の弁本体の上部に固着されたシリンダの内部に上下に嵌合してそれぞれ当接可能な第1ピストンと第2ピストンとを有し、前記第1ピストンの上面に臨む第1空気室と前記第2ピストンの上面に臨む第2空気室とに同時に圧縮空気を作用して前記第1ピストンと第2ピストンとを下方に押圧して針弁を該針弁の開弁圧以上の圧力で押し付けることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 機関(内燃機関)の回転数、給気圧力、燃料調整ラック位置等の機関運転状態を検出する機関運転状態検出手段を備え、前記コントローラは、前記機関運転状態検出手段からの機関運転状態の検出値に基づき機関状態が正常で、且つ機関出力・回転数レベルが一定レベル以下のとき前記作動流体制御弁を介して開弁圧調整装置を作動させ少なくとも1個の燃料噴射弁の燃料噴射を遮断するように構成されてなることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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