JP3986364B2 - 毛髪脱色用粉末状組成物、2剤型毛髪脱色剤セット - Google Patents

毛髪脱色用粉末状組成物、2剤型毛髪脱色剤セット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、毛髪脱色剤に関する。より詳しくは、2剤型の毛髪脱色剤セットおよびこれを構成する毛髪脱色用粉末状組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、毛髪脱色剤として、アルカリ剤を含む第1剤と、酸化剤を含む第2剤とを、施術直前に混合して用いる2剤型の毛髪脱色剤が知られている。このような第1剤としては、クリーム状、液状、粉末状のものが知られており、特に第1剤が粉末状である場合には、脱色力を高めるため、第1剤中にも酸化剤として過硫酸塩を添加することが広く行われている。過硫酸塩は、毛髪中のメラニンを分解して、毛髪自体を脱色する他、過去に染色した毛髪(以下、既染毛という。)中に残存する染料を分解する脱染の働きを有する。
【0003】
ところで、このような2剤型の毛髪脱色剤を使用する場合には、毛髪の根元部分の温度が体温に近いのに対し、毛先部分が外気温に近いため、温度の高い根元部分が強く脱色され、毛髪の根元から毛先まで均一に脱色することが難しいという問題点があった。そのため、このような毛髪脱色剤を用いて、均一な仕上がりを得ようとする場合は、温度の影響による毛髪脱色力を調節するために、脱色剤を先に温度の低い毛先部分に塗布し、一定時間をおいてから温度の高い根元部分に塗布するといった操作が必要であり、煩雑であった。
【0004】
また、既染毛部と新生毛部とが混在する毛髪を脱色する場合にも、既染毛部は既に脱色されており、脱色する必要がなく、残留している染料を脱染すればよいのに対し、伸長してきた新生毛部は、メラニンを分解して脱色する必要がある。したがって、この場合にも、脱色剤を先に新生毛部分に塗布し、一定時間をおいてから、既染毛部分に塗布するといった操作が必要であり、煩雑であるという欠点があった。
【0005】
さらに、一般に脱色力の強い脱色剤ほど、塗布時間や塗布量のばらつきにより、仕上がりがムラになり易いという問題点があった。すなわち、脱色力の強い脱色剤を使用すると、塗布後ごく短時間で脱色の効果が出始めるため、均一な塗布時間、塗布量を確保することが難しいという問題があった。
本発明者らは、上記の事情に鑑みて鋭意検討した結果、特定量の過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物を用いることにより、毛髪の状態に応じて、使用する脱色剤の強さを調節して、塗布後の脱色に要する時間をコントロールすることができるほか、他の組成の毛髪脱色用粉末状組成物とのセットとすることにより、作業効率を上げることができる上、ムラなく均一に脱色できる毛髪脱色剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、特定量の過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物、これを用いた2剤型毛髪脱色剤セット、種々の組成を有する複数の毛髪脱色用粉末状組成物からなる毛髪脱色用粉末状組成物セット、およびこれを用いた2剤型毛髪脱色剤セットを提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明にかかる毛髪脱色用粉末状組成物セットは、
過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物[I]であって、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
過硫酸塩を0.1〜15重量%の量で、
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を85〜99.9重量%の量で含有し、かつ、
該過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを含まない毛髪脱色用粉末状組成物[I]と、
過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物[II]であって、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
過硫酸塩を20〜50重量%の量で、
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を50〜80重量%の量で含有し、かつ、
該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が5〜30重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[II]とを
備えていることが好ましい。
【0009】
本発明にかかる毛髪脱色用粉末状組成物セットでは、前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
過硫酸塩を20〜35重量%の量で、
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を65〜80重量%の量で含有し、かつ、
該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が5〜15重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]もしくは、
過硫酸塩を37〜50重量%の量で、
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を50〜63重量%の量で含有し、かつ、
該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が20〜30重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]であることが好ましい。
【0010】
本発明にかかる2剤型毛髪脱色剤セットは、前記毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを備えていることを特徴としている。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明にかかる毛髪脱色用粉末状組成物[I]は、過酸化水素を含有する第2剤とともに2剤型の毛髪脱色剤を構成するための第1剤であり、過硫酸塩とアルカリ剤とを特定の量で含有する毛髪脱色用粉末状組成物であって、前記過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを特定量以下の量で含むことを特徴としている。
【0012】
具体的には、前記粉末状組成物[I]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、過硫酸塩を、通常0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%の量で含有しているが、前記過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量は、0〜3重量%であることが好ましい。すなわち、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを、3重量%以下の量で含んでいてもよいが、過硫酸アンモニウムを含まないことがより好ましい。なお、この場合には、その他の過硫酸塩を用いて、過硫酸塩含有量が前記の量になるように粉末状組成物[I]中に配合すればよい。そのような他の過硫酸塩としては、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0013】
過硫酸アンモニウムは、過硫酸塩のうちでも脱色力および脱染力が強いため、過硫酸塩を含有しつつも過硫酸アンモニウムの含有量を極力抑え、上記の量とすることにより、従来得られなかった低脱色力の過硫酸塩含有脱色剤用粉末状組成物を得ることができる。
このような低脱色力の粉末状組成物[I]は、後述する第2剤を配合して、脱色剤として、あまり脱色力を必要としない場合あるいはそのような部分に単独で使用できるほか、他の組成の毛髪脱色用粉末状組成物と混合することにより、その強さおよび脱色に要する時間を調節することができる。
【0014】
前記粉末状組成物[I]に用いられるアルカリ剤としては、具体的には、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。これらは単独であってもよく複数組み合わせて用いてもよい。前記アルカリ剤は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、通常85〜99.9重量%、好ましくは90〜99重量%、より好ましくは97〜92重量%の量で、前記粉末状組成物[I]に含有されることが望ましい。
【0015】
前記粉末状組成物[I]には、上記過硫酸塩およびアルカリ剤のほか、キサンタンガム、グアーガム、メチルセルロースなどの増粘剤、タルク、カオリンなどの賦形剤、安定剤、界面活性剤、保護剤、金属封鎖剤、湿潤剤などの公知の他の成分を配合してもよい。なお、前記他の成分の含有量は、前記粉末状組成物[I]全体を100重量%としたときに、通常10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0016】
前記粉末状組成物[I]は、上記の各成分を常法により均一に混合し、必要に応じて造粒することによって製造でき、その製造方法は特に限定されない。
本発明にかかる2剤型毛髪脱色剤セットは、上記の粉末状組成物[I]からなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とからなる。
前記第2剤は、過酸化水素および精製水を主剤としており、第2剤全体を100重量%としたときに、酸化剤として過酸化水素を通常1〜6重量%、好ましくは3〜6重量%の量で含有している。前記精製水としては、イオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。精製水の配合量は、特に限定されず、第2剤に用いる成分を充分に溶解または分散できる量であればよい。前記第2剤は、剤型としてクリーム状、液体状を採ることができ、その剤型に応じて、過酸化水素および精製水の他、乳化剤、油剤、安定剤、金属封鎖剤などの他の成分を含有させることができる。前記他の成分としては公知のものを用いることができ特に限定されない。
【0017】
このような2剤型毛髪脱色剤セットを用いて、すなわち、前記第1剤と第2剤とを混合して毛髪脱色剤組成物を調製することができる。この毛髪脱色剤組成物は、使用時のpHが、通常9.5〜10.5、使用時の過酸化水素含有量が通常0.6〜4重量%となるように、使用直前にクリーム状または液体状の第2剤に、第1剤を添加し、混合することで調製される。具体的には、たとえば、前記第1剤と第2剤とを重量比で、1:2の割合で混合することができる。
【0018】
前記毛髪脱色剤組成物は、このような組成を有することにより、脱色剤として毛髪に塗布した際に、脱色の効果が出始める立ち上がり時間を従来のものよりも2倍程度に長くでき、その間に脱色剤を毛髪に均一に塗布することができるため、塗布量のムラによる脱色ムラを防ぐとともに、塗りはじめと塗り終わりの時間差による脱色ムラをも防ぐことができる。
【0019】
また、本発明では前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]に代えて、2剤型脱色剤の第1剤として下記の毛髪脱色用粉末状組成物セットを用いることができる。この毛髪脱色用粉末状組成物セットは、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と、
過硫酸塩とアルカリ剤とを特定量で含有し、前記過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを特定の量で含む毛髪脱色用粉末状組成物[II]とを備えている。
【0020】
前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、過硫酸塩を通常20〜50重量%の量で含有し、かつ、前記過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムを通常5〜30重量%の量で含んでいる。このような量で過硫酸塩、特に過硫酸アンモニウムを含有しているため、毛髪脱色用粉末状組成物[II]は、脱色力および脱染力に優れる。なお、上記の過硫酸塩の含有量は、過硫酸アンモニウムとその他の過硫酸塩の総和であって、過硫酸アンモニウム以外の過硫酸塩としては、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]のその他の過硫酸塩として既述したものを使用することができる。
【0021】
また、前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、アルカリ剤を通常50〜80重量%の量で含有している。用いることができるアルカリ剤の種類、その他の点については、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と同様である。
このように2剤型毛髪脱色剤を構成する第1剤を、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と、これと異なる組成を有する前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]とを備えた毛髪脱色用粉末状組成物セットとすることにより、該毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と後述する第2剤とを混合して毛髪脱色剤として毛髪に塗布して使用する際に、脱色しようとする毛髪の毛質あるいは状態に応じて前もって、第1剤である前記粉末状組成物セットを所定の割合で混合しておくことで、脱色の強さおよび脱色に要する時間を調節することができ、使用する第1剤の選択性の幅を広げられる。なお、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と[II]との混合割合は、脱色しようとする毛髪の毛質あるいは状態に応じて適宜設定することができる。
【0022】
また、より具体的には、前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]は、下記の毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]もしくは[IIb]であることが好ましい。
前記毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、過硫酸塩を通常20〜35重量%、好ましくは25〜35重量%の量で含有し、かつ、前記過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムを通常5〜15重量%、好ましくは7〜10重量%の量で含む。また、前記毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]は、過硫酸塩とアルカリ剤の合計を100重量%としたときに、アルカリ剤を通常65〜80重量%、好ましくは65〜75重量%の量で含有している。なお、過硫酸アンモニウム以外の過硫酸塩、アルカリ剤、その他の成分などについては、上述したものを使用することができる。
【0023】
毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]は、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、過硫酸塩を通常37〜50重量%、好ましくは37〜45重量%の量で含有し、かつ、前記過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムを通常20〜30重量%、好ましくは23〜27重量%の量で含む。さらに、前記毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]は、アルカリ剤を通常50〜63重量%、好ましくは55〜63重量%の量で含有する。なお、過硫酸アンモニウム以外の過硫酸塩、アルカリ剤、その他の成分などについては、上述したものを使用することができる。このような量で過硫酸塩(特に過硫酸アンモニウム)およびアルカリ剤を配合しているため、前記毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]を単独で第1剤として、前述した第2剤と混合した際には、非常に強力な脱色力と脱染力を有する毛髪脱色剤となり得る。上述したように、このような強力な脱色力を有する毛髪脱色剤を使用した場合には、塗布時間や塗布量のばらつきにより、仕上がりがムラになり易いという傾向が見られるが、本発明では、前記毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]を、同じく毛髪脱色用粉末状組成物セットを構成する前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と予め混合しておき、これを第1剤とすることで、前記第2剤と混合して毛髪脱色剤として使用した場合にも毛髪を均一に脱色することができる。
【0024】
前記毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とから、本発明にかかる2剤型毛髪脱色剤セットを得ることができる。ここで、第2剤としては既述したものを用いることができる。
このような2剤型毛髪脱色剤セットを用いて、すなわち、前記毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と第2剤とを混合して毛髪脱色剤組成物を調製することができる。この毛髪脱色剤組成物は、使用時のpHが、通常9.5〜10.5、使用時の過酸化水素含有量が、通常0.6〜4重量%となるように、使用直前にクリーム状または液体状の第2剤に第1剤を添加し、混合することで調製される。
【0025】
具体的には、たとえば、前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]と毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]とを重量比で2:1で混合した粉末状組成物セットからなる第1剤と、前記第2剤とを重量比で、1:2の割合で混合して、毛髪用脱色剤組成物を調製することができる。
前記毛髪脱色用粉末状組成物[I]からなる第1剤、あるいは、毛髪脱色用粉末状組成物[I]と毛髪脱色用粉末状組成物[II]とを備えた粉末状組成物セットからなる第1剤、あるいは、毛髪脱色用粉末状組成物[I]と毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]または[IIb]とを備えた粉末状組成物セットからなる第1剤と、前記第2剤とからなる前記2剤型毛髪脱色剤セットによれば、これらの組合せにより、種々の強さの毛髪脱色剤組成物を調製することができるため、従来、時間差を設けて施術していた、温度の高い根元部分の毛髪や、既染毛部と新生毛部とが混在する毛髪においても、各部分ごとに適切な毛髪脱色剤組成物を連続的に塗布し、同時間経過させることにより均一に仕上げることが可能である。
【0026】
たとえば、既染毛部と新生毛部とが混在する毛髪において、この毛髪の状態を評価していくつかの領域に分け、各領域ごとにその状態に応じて毛髪脱色用粉末状組成物[I]と毛髪脱色用粉末状組成物[II]、より具体的には、毛髪脱色用粉末状組成物[I]と毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]または[IIb]との配合比を調節した粉末状組成物セットからなる第1剤と、第2剤とを備えた2剤型毛髪脱色剤セットを準備する。前記の領域数に応じた数の2剤型毛髪脱色剤セットを使用直前にそれぞれ混合して、各領域に適した毛髪脱色剤組成物を調製し、各毛髪脱色剤組成物を各領域に連続的に塗布し、所定時間経過後に洗浄剤および水で洗い落とす方法により、上記の効果を達成することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の毛髪脱色用粉末状組成物によれば、毛髪の状態に応じて、使用する脱色剤の強さを調節して塗布後、脱色に要する時間をコントロールすることができる。また、本発明の毛髪脱色用粉末状組成物セットおよびこれを用いた2剤型毛髪脱色剤セットによれば、連続的に毛髪を処理できるため、作業効率を上げることができ、ムラなく均一に毛髪を脱色できる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお以下、「%」は「重量%」を表す。
【0029】
参考例1】
<毛髪脱色用粉末状組成物[I]、2剤型毛髪脱色剤セットおよび毛髪脱色剤組成物(1)の調製>
表1に記載した組成の各種原料を秤量し、乳鉢に入れ乳棒で充分混合し、毛髪脱色用粉末状組成物[I]を得た。
【0030】
次に表2に記載した組成の各種原料を用いて、常法により過酸化水素含有量が6重量%のクリーム状の第2剤を調製した。
この毛髪脱色用粉末状組成物[I]および第2剤を備えた2剤型毛髪脱色剤セットを用いて、前記粉末状組成物[I]と第2剤とを、重量比で1:2の割合で均一に混合し、毛髪脱色剤組成物(1)を得た。この毛髪脱色剤組成物(1)のpHは10.0であり、過酸化水素含有量は4%であった。
【0031】
【実施例
<毛髪脱色用粉末状組成物(第1剤)セットの調製>
参考例1と同様にして毛髪脱色用粉末状組成物[I]を得た。
次に表1に記載した組成の各種原料を用いた他は、参考例1と同様にして毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]を得た。この毛髪脱色用粉末状組成物[I]と[IIa]とを重量比で2:1の割合で混合して第1剤とした。
<2剤型毛髪脱色剤セットおよび毛髪脱色剤組成物(2)の調製>
参考例1と同様にして、過酸化水素含有量が6重量%クリーム状の第2剤を調製した。
【0032】
前記毛髪脱色用粉末状組成物(第1剤)セットおよび第2剤を備えた2剤型毛髪脱色剤セットを用いて、第1剤と第2剤とを、重量比で1:2の割合で均一に混合し、毛髪脱色剤組成物(2)を得た。この毛髪脱色剤組成物(2)のpHは10.1であり、過酸化水素含有量は4%であった。
【0033】
【実施例
<毛髪脱色用粉末状組成物(第1剤)セットの調製>
参考例1と同様にして毛髪脱色用粉末状組成物[I]を得た。
表1に記載した組成の各種原料を用いた他は、参考例1と同様にして毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]を得た。この毛髪脱色用粉末状組成物[I]と[IIb]とを重量比で2:1の割合で混合して第1剤とした。
<2剤式脱色剤セットおよび毛髪脱色剤組成物(3)の調製>
参考例1と同様にして、過酸化水素含有量が6重量%クリーム状の第2剤を調製した。
【0034】
前記毛髪脱色用粉末状組成物(第1剤)セットおよび第2剤を備えた2剤型毛髪脱色剤セットを用いて、第1剤と、第2剤とを、重量比で1:2の割合で均一に混合し、毛髪脱色剤組成物(3)を得た。この毛髪脱色剤組成物(3)のpHは10.0であり、過酸化水素含有量は4%であった。
【0035】
【比較例1〜3】
<毛髪脱色用粉末状組成物(第1剤)および第2剤の調製>
表3に記載した組成の各種原料を用いた他は参考例1と同様にして、毛髪脱色用粉末状組成物を得た。
参考例1と同様にして、過酸化水素含有量が6重量%クリーム状の第2剤を調製した。
<毛髪脱色剤組成物(4)〜(6)の調製>
上記毛髪脱色用粉末状組成物からなる第1剤と、第2剤とを、重量比で1:2の割合で均一に混合し、毛髪脱色剤組成物(4)〜(6)を得た。この毛髪脱色剤組成物(4)(5)(6)のpHは、それぞれ10.0、9.6、10.2であり、過酸化水素含有量はすべて4%であった。
【0036】
【表1】
Figure 0003986364
【0037】
【表2】
Figure 0003986364
【0038】
【表3】
Figure 0003986364
【0039】
【試験例1】
<毛髪脱色剤組成物の評価>
過去に染色および脱色を行っていない協力者の黒髪(新生毛)の根元から2cmの部分より先端までの領域に、実施例で得られた毛髪脱色剤組成物(2)を塗布し、続けて根元から2cm程度までの領域に参考例1で得られた毛髪脱色剤組成物(1)を塗布し、15分間放置して、市販のシャンプーおよび水で洗浄後、乾燥し、脱色の程度を目視で評価した。
【0040】
また、比較対照として、比較例1で得られた毛髪脱色剤組成物(4)のみを用いて、根元の部分から2cmより先端までの領域と、根元から2cm程度までの領域とに連続して塗布したほかは同様にして、脱色の程度を目視で評価した。
その結果、前者では、毛髪の根元から先端まで均一に脱色されていたのに対し、後者では、地肌の影響により温度が高い毛髪の根元部分が先端よりも脱色の程度が強く、毛髪全体が均一に脱色されていなかった。
【0041】
【試験例2】
<毛髪脱色剤組成物の評価>
ブラウン系の染毛施術がなされてから約2ヶ月を経過し、新生毛部が日本人の標準的黒髪であり、既染毛部がかなり明度の高い状態となっている協力者の毛髪について、毛髪脱色剤組成物を塗布し、その評価を行った。
【0042】
上記の状態の毛髪を3つの領域に分け、中間部に実施例で得られた毛髪脱色剤組成物(3)を塗布し、続けて根元から2cm程度までの新生毛部領域に実施例で得られた毛髪脱色剤組成物(2)を塗布し、続けて先端部のもっとも明度の高い状態となっている既染毛領域に参考例1で得られた毛髪脱色剤組成物(1)を塗布し、15分間放置後、試験例1と同様にして、脱色の程度を目視で評価した。
【0043】
また、比較対照として、上記と同様の状態の毛髪を3つの領域に分け、中間部に比較例3で得られた毛髪脱色剤組成物(6)を塗布し、続けて根元から2cm程度までの新生毛部領域に比較例1で得られた毛髪脱色剤組成物(4)を塗布し、続けて先端部のもっとも明度の高い状態となっている既染毛領域に比較例2で得られた毛髪脱色剤組成物(5)を塗布し、15分間放置後、試験例1と同様にして、脱色の程度を目視で評価した。
【0044】
その結果、前者では、毛髪の根元から先端まで均一に脱色されていたのに対し、後者では、脱色の程度にムラがあり、毛髪全体が均一に脱色されていなかった。

Claims (5)

  1. 過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物[I]であって、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
    過硫酸塩を0.1〜15重量%の量で、
    ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を85〜99.9重量%の量で含有し、かつ、
    該過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを含まない毛髪脱色用粉末状組成物[I]と、
    過硫酸塩とアルカリ剤とを含有する毛髪脱色用粉末状組成物[II]であって、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
    過硫酸塩を20〜50重量%の量で、
    ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を50〜80重量%の量で含有し、かつ、
    該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が5〜30重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[II]とを
    備えた毛髪脱色用粉末状組成物セット。
  2. 請求項に記載の毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを備えた2剤型毛髪脱色剤セット。
  3. 前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]が、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
    過硫酸塩を20〜35重量%の量で、
    ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を65〜80重量%の量で含有し、かつ、
    該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が5〜15重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[IIa]であることを特徴とする請求項に記載の毛髪脱色用粉末状組成物セット。
  4. 前記毛髪脱色用粉末状組成物[II]が、過硫酸塩とアルカリ剤との合計を100重量%としたときに、
    過硫酸塩を37〜50重量%の量で、
    ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか1種以上のアルカリ剤を50〜6
    3重量%の量で含有し、かつ、
    該過硫酸塩としての過硫酸アンモニウムの量が20〜30重量%である毛髪脱色用粉末状組成物[IIb]であることを特徴とする請求項に記載の毛髪脱色用粉末状組成物セット。
  5. 請求項またはに記載の毛髪脱色用粉末状組成物セットからなる第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを備えた2剤型毛髪脱色剤セット。
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