JP3986326B2 - 解像度測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子カメラなどで撮像された画像の解像度を自動的に測定することを可能とした解像度測定装置及び測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体像を撮像光学系により固体撮像素子、例えばCCD2次元イメージセンサ上に結像して電気信号に変換し、これにより得られた静止画像の撮像データを半導体メモリや磁気ディスクのような記録媒体に記録する、いわゆる電子カメラが広く普及しつつある。
【0003】
また、この種の電子カメラで撮像された画像の解像度の測定は、従来より、熟練した検査担当者の目視により行われている。図13は、この解像度の目視測定に用いられる代表的なISO12233Resolutionチャートであり、検査担当者(測定者)は、まず、カメラの撮像領域枠を三角マーク(白三角や黒三角)の頂点で示された画枠基準線と一致させて被検カメラによりこのチャートを撮影する。そして、検査担当者は、この撮影したチャート画像内の例えばくさびチャートaを目視してその解像度を測定する。
【0004】
このくさびチャートaは、黒5本、白4本の同じ幅の線分からなっており、検査担当者は、被写体像としてのくさびチャートaを上端から下端に向けて観察していく。より具体的には、この白黒線の解像状況を調べ、正しく解像している状況が継続する限界のライン(行)を検出し、その検出したラインで示される解像度を左側に添えられたスケールによって読み取る。
【0005】
そして、従来では、この解像度の目視測定によって、例えば製造時や修理時等における、光学系や自動合焦系を含めた性能が試験されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被検カメラで撮像した画像の解像度を目視で測定したのでは、個人差や状況による誤差が極めて大きいといった問題があった。例えば、くさびチャートを観察する際の読み取り(判定)誤差は勿論のこと、場合によってはそれ以前に、画枠基準線に基づいてチャートを撮影する時点でカメラの撮影画枠に対してチャートを正確に合わせることが困難であるため、既に誤差を発生させてしまっていた。
【0007】
このような測定誤差の問題はそれ自体極めて重要であるが、さらに従来の測定法は、これとは別の本質的な問題点も有していた。即ち、検査担当者が目視するためには、CRTやLCDなどのディスプレイ或いはプリンタによる印刷出力など何らかの画像出力機器(出力デバイス)による出力を行うことが必須であるが、このとき出力される画像は出力機器の種類や性能に依存して影響を受けるという点である。
【0008】
例えば、解像限界の低い出力機器を用いれば、測定される解像度数値は少なくとも出力機器の限界値以上にはなり得ないことは自明であるが、一般に出力機器の周波数特性は理想では有り得ないから、厳密にはどのような性能の良い(と信ずる)出力機器を用いたとしても、その時測定される解像度は測定に使用した出力機器の特性に依存した(デバイスディペンデントな)ものであることに変りは無く、撮像装置が記録した画像データ自身によって規定される、その撮像装置のみの(=出力機器の特性に依存しない:デバイスインディペンデントな)限界能力を測定することはできなかったのである。
【0009】
このような問題の解決に向けての試みとして、画像出力機器を使用することなく記録画像データを直接解析する方法も提案されている。それは、(a)マルチバーストチャートやCZP(サーキュラーゾーンプレート)チャートなどの、いわゆる周波数数スイープ画像を撮影した画像データや、(b)白黒のステップ画像(ナイフエッジとも称される)を撮影した画像データのフーリエ変換データを用いて、その撮影画像の空間周波数レスポンス(振幅−周波数特性)を求め、その振幅が判定基準とする所定値(例えば直流振幅の5%とか10%)に減衰した周波数を限界解像度とする方法であって、(a)の場合にAR法、(b)の場合にSFR法などと称されている。
【0010】
これらは確かにデバイスインディペンドな測定ではあるが、振幅特性に着目しているため限界解像度付近に多く生じる折り返し歪(モアレ)による偽解像の影響を強く受け、本来目視的には全く解像していない数値を解像しているという結果を出すこともしばしばで、従来のくさび目視法による評価結果との相関が事実上取れないという重大な欠点を有していた。
【0012】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、例えば電子カメラなどで撮像された画像の解像度を従来のくさび目視法との相関を維持しつつも出力デバイスや測定者に依存することなく、従ってまた再現性高く、自動的に測定することを可能とした解像度測定装置及び解像度測定方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0015】
即ち本発明は、画像の解像度を自動的に測定するための解像度測定装置において、解像度を目視測定するために用いられるくさびチャートが撮像された画像の中から前記くさびチャートを含む矩形領域画像を切り出す画像切り出し手段と、前記画像切り出し手段により切り出された矩形領域画像の縦横の長短関係が常に一定となるように、前記矩形領域画像に90度回転又は非回転の処理を施し、且つ前記矩形領域画像を90度回転させる場合に、前記矩形領域画像の画像パターンに基づいて左回転又は右回転を選択する画像回転制御手段と、前記画像回転制御手段により回転制御された矩形領域画像を解析して前記くさびチャートの解像限界行位置を判定し、その判定した行位置から限界解像度を算出する解像度算出手段と、を具備してなることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、画像の解像度を自動的に測定するための解像度測定方法において、解像度を目視測定するために用いられるくさびチャートが撮像された画像の中から前記くさびチャートを含む矩形領域を切り出し、この矩形領域の縦横の比率に基づいて前記矩形画像の縦横の長短関係が常に一定となるように、前記矩形領域画像に90度回転又は非回転の処理を施し、且つ前記矩形領域画像を90度回転させる際に、前記矩形領域画像の画像パターンに基づいて左回転又は右回転を選択した後にこの矩形画像を解析して前記くさびチャートの解像限界行位置を判定し、その判定した行位置から限界解像度を算出することを特徴とする。
【0022】
(作用)
本発明によれば、解像度を目視観測するために用いられる、いわゆるくさびチャートを構成する線分の連続性に着目し、例えばくさびチャートの位相が保たれる限界の位置を検出することにより、そのくさびチャートの解像限界行位置を判定して、その判定した行位置から限界解像度を算出する。これにより、個人差や状況に左右されることのない、再現性が高く、かつ原理的に優れた解像度測定を実現する。
【0023】
ここで、水平解像度用のくさびチャートを用いて水平解像度を測定するように本発明の装置を構成した場合、垂直解像度を測定するには、垂直解像度用のくさびチャートを含む画像を90度回転させる必要があり、使い勝手が悪いものとなる。これに対し本発明のように、画像切り出し手段により切り出された矩形領域画像の縦横の比率に基づいて該画像に所定の回転処理を施すことにより、水平方向及び垂直方向の何れのくさびチャートであっても解像度の測定が可能となる。従って、ユーザに対して回転操作を要求することもなく、使い勝手の向上をはかることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる解像度測定システムの被検カメラとなる電子カメラの構成を示すブロック図である。
【0026】
図中、101は各種レンズからなる撮像レンズ系、102はレンズ系101を駆動するためのレンズ駆動機構、103はレンズ系101の絞り及びシャッタ装置を制御するための露出制御機構、104はローパス及び赤外カット用のフィルタ、105は被写体像を光電変換するためのCCDカラー撮像素子、106は撮像素子105を駆動するためのCCDドライバ、107はA/D変換器等を含むプリプロセス回路、108はγ変換などを初めとする各種のディジタル演算処理を行うためのディジタルプロセス回路、109はカードインターフェース、110はメモリカード、111はLCD画像表示系を示している。
【0027】
また、図中の112は各部を統括的に制御するためのシステムコントローラ、113は各種SWからなる操作スイッチ系、114は操作状態及びモード状態等を表示するための操作表示系、115は発光手段としてのストロボ、116はレンズ駆動機構102を制御するためのレンズドライバ、117は露出制御機構103及びストロボ115を制御するための露出制御ドライバ、118は各種設定情報等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0028】
一方、図2は、本実施形態に係わる解像度測定システムが動作するパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0029】
図中、201は各部を統括的に制御するためのCPU、202はこのコンピュータの主記憶となるシステムメモリ、203はこのコンピュータの外部記憶となる磁気ディスク装置、204はこのコンピュータにおけるユーザインタフェースのアウトプットを司るディスプレイコントローラ、205はこのコンピュータにおけるユーザインタフェースのインプットを司るキーボードコントローラ、206はカードインタフェース、207はメモリカードを示している。また、ディスプレイコントローラ204は、CPU201が作成した表示データをCRT204a,LCD204bに表示制御し、キーボードコントローラ205は、キーボード205a,マウス205bの操作をCPU201に伝達する。そして、この解像度測定システムは、磁気ディスク装置203からシステムメモリ202にロードされてCPU201によって実行されるプログラムとして構成される。
【0030】
次に、この解像度測定システムが実行する解像度の自動測定の基本原理について説明する。
【0031】
検査担当者は、まず、被検カメラである電子カメラを用いて、例えば図3に示すチャートを撮影する。この撮影されたチャートの画像は、メモリカード110に格納されるが、検査担当者は、このメモリカード110を電子カメラから取り外してメモリカード207としてパーソナルコンピュータに装着し直すことにより、このチャート画像をパーソナルコンピュータへ取り込ませる。なお、この電子カメラからパーソナルコンピュータへの画像の引き渡しは、必ずしもメモリカードを介在させるものではなく、例えばデータを送受信するための通信機能を双方が備えれば、その通信機能によって行えばよい。
【0032】
この図3に示すチャートは、ISO12233Resolutionチャートであり、解像度の目視測定に用いられる代表的なチャートである。そして、この解像度測定システムでは、このチャート画像からくさびチャートを含む矩形領域a(a1,a2)を切り出す。この矩形領域の切り出しは、検査担当者が、CRT204a又はLCD204bに表示されたチャート画像上の所望の位置にマウス205bで始点及び終点を指定することにより実行する。解像度測定システムは、この指定された始点及び終点それぞれについて、その点を通過する水平線及び垂直線を仮想的に描画し、この仮想的に描画した各線で囲まれた部分を矩形領域として切り出しを実行する。図4は、このようにして切り出された矩形画像の一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、このくさびチャートは、横(水平)方向には、同じ幅の白黒帯が黒5本、白4本が並んでいる。従って、ある水平位置(ライン)のみの輝度レベルに着目すれば、所定の空間周波数の矩形波となっている。つまり、上下(垂直)方向については、その矩形波の周波数が上から下に連続的に増加している周波数スイープ画像とみなすことができる。
【0034】
ここで補足すれば、ISO12233チャートと同様に代表的な解像度測定チャートであるEIAJ−Aチャートは、くさびの帯が直線的に描かれているため周波数スイープとしては双曲線関数状になっており、リニアスイープではない。ISO12233チャートは、リニアスイープを実現するために図4のようにくさびの帯が双曲線状に曲がっている点で両者は異なっているが、いずれも本発明に対して適用可能な「くさび」である。
【0035】
なお、従来目視による判定(官能評価)のために用いられる関係で、図4のように対応する周波数を表すスケールが添え書きされるのが通例であるが、本発明では目視によらないデータ解析による自動計測を行うため、このスケール部分は使用しない。
【0036】
ここで、単に「くさびの方向」といった場合は、くさびの周波数スイープに対応する方向(図4では上下(垂直)方向)を指すものとする。「くさびの長さ」はくさびの存在範囲の、このくさびの方向への長さを指すものとする。
【0037】
本実施形態では、被検カメラにて撮影されたくさび画像のデータを解析することで限界解像度を算出するが、その際に撮像記録される解析対象画像の画素配列は一般的な直交配列(水平,垂直)であることを前提としており、図4と同じ方向(くさび方向が垂直、周波数スイープは上から下)になるように撮像する。即ち、水平方向を主走査方向として前述の矩形波の検出(線数の検出)を行いつつ、垂直方向を副走査方向として周波数スイープを行うことにより、解像限界の空間周波数を求める。
【0038】
なお、以下本実施形態では、記録された解析対象画像をモノクロ画像であると仮定して説明するが、これがカラー画像である場合も、そのカラー信号から所定のマトリクス演算によって輝度値を算出して用いれば良い。
【0039】
以下、図5乃至図11に示すフローチャートを参照しながらその具体的な手順を説明する。図5及び図6は、この解像度測定システムにおける解像度測定のメインフローである。
【0040】
前述のとおり、解析対象であるチャート画像の画素配列は、一般的な直交配列(水平,垂直)であること、チャート画像は、くさびチャートのくさび方向(くさびの周波数スイープに対応する方向)が垂直、周波数スイープが上から下になるように撮像されることを前提とする。また、ここでは、水平方向座標iは右向きを正、垂直方向座標jは下向きを正にとるものとし、チャート画像(記録された解析対象画像全体)の垂直画素数をPHt、このチャート画像から切り出された矩形画像の水平、垂直画素数をそれぞれLx+1、Ly+1と定義する。但し、+1は座標として0を用いる都合上のものである。
【0041】
また、被検カメラを用いて前記図3のようなチャートを撮像する際の倍率は、チャート作成者が本来の目視測定を意図して設けた画枠基準線に拘わらず、任意倍率でよい。さらに、記録された画像(撮影画像)から、前記図4のような所定の矩形領域を測定用画像として切り出すに際しては、くさびに添えられたスケール画像のうち最上端のもの(黒線)は含まないように為されているものとする。
【0042】
まず、前述のように切り出された矩形画像の画像データY(i,j)を読み込むと共に(図5ステップA1)、くさびタイプ(黒線の本数WCT:本チャートの場合5または9)及び全画像高PHtを読み込む(ステップA2)。このくさびタイプ(本数WCT)及び全画像高PHtは、例えば検査担当者が予めキーボード205aから入力した値であって良い。
【0043】
ここで、くさびチャートには、水平解像度測定用のくさびチャートa1と垂直解像度測定用のくさびチャートa2があるが、本実施形態では水平解像度測定用のくさびチャートa1はそのまま処理し、垂直解像度用測定用のくさびチャートa2は90度回転する。これにより、水平及び垂直の何れのチャートにおいても、同様の処理で解像度の測定を可能にしている。
【0044】
具体的には図7に示すように、まず矩形画像の水平画素数Lxと垂直画素数Lyとを比較する(ステップS501)。Lx≦Ly、即ち切り出した矩形が縦長(縦/横≧1)であれば、水平解像度測定用くさびチャートa1であるから、回転処理を施すことなく、後述する処理に移る。Lx>Ly、即ち切り出した矩形が横長(縦/横<1)であれば、垂直解像度測定用くさびチャートa2であるから90度の回転処理を施す。
【0045】
このとき、左90度回転させるか右90度回転させるかを決めるために、回転に先立ち、矩形領域の左半部(L)と右半部(R)のデータ平均値LAv,RAvを算出する(ステップS502)。そして、これらの左半領域データ平均値LAvと右半領域データ平均値RAvとを比較する(ステップS503)。LAv≦RAvであれば、左側に黒が多いから右90度回転の処理を施し(ステップS504)、LAv>RAvであれば、右側に黒が多いから左90度回転(右270度回転)の処理を施す(ステップS505)。そして、画像を回転させた場合はパラメータ回転によって縦横の画素数が入れ替わることに対応して、Lx,Lyの の値を入れ替える再設定を行った後(ステップS506)、以降の処理に移る。
【0046】
なお、上記回転方向(左右)の選択に関しては、上記例以外の変形例として、例えば使用するチャートの仕様に従って、くさびタイプ(黒線数)の指定が5本場合に右回転、9本の場合は左回転を自動的に選択するように構成しても良い。
【0047】
次に、背景白レベルBWLと背景ノイズレベルNLとを取得する(図5ステップA3〜ステップA4)。この背景白レベルBWLは、矩形画像の上端行の全平均により求め、一方、背景ノイズレベルNLは、矩形画像の上端行の最小3値の偏差平均(最小3値について、当該画素値と全平均値(=NL)との差(=「偏差」)を平均したもの)から求める。
【0048】
そして、これらのデータが揃ったら、くさびチャートの開始ラインWSLの検出処理を実行する(ステップA5)。図8は、このくさび開始ライン(WSL)検出の詳細フローである。
【0049】
この処理では、まず、閾値ETH0を先に求めた背景ノイズレベルの5倍にセットする(図8ステップB1)。そして、上端から順に下端まで、つまり垂直方向座標jを1つずつ加算しながら(ステップB2)、この垂直方向座標jが最大値に達するまで(ステップB3のY)、最小3値の偏差平均で求める黒側半振幅が閾値ETH0を越える最初のラインの検出を実行する(ステップB4)。
【0050】
もし、該当するラインが検出されないまま、垂直方向座標jが最大値に達した場合には(ステップB3のY)、“くさび検出不能”のメッセージを記録し(ステップB5)、この処理を終了する。一方、検出された場合には(ステップB4のY)、その垂直方向座標jをくさび開始ライン(WSL)にセットして(ステップB6)、この処理を終了する。
【0051】
このくさび開始ライン検出が終了すると、このくさび開始ラインWSLに予め定められたオフセット値(例えば3)を加えたものを読み取り判定開始行DtStとして設定する(図5ステップA6)。また、くさびチャートの両端用の閾値ETH2と中央用の閾値ETH1の初期設定を行う(ステップA7〜ステップA8)。両端用の閾値ETH2は、開始行DtStの(最小3値の偏差平均で求める)黒側半振幅の1/4に設定し、中央用の閾値ETH1にも、この閾値ETH2と同じ値をセットする。
【0052】
そして、各種パラメータの初期化を行った後(ステップA9)、この解像度測定で主走査方向とする水平方向における黒線検出を実行する(図6ステップA10)。図9乃至図11は、この黒線検出の詳細フローである。
【0053】
この処理では、図9ステップC1にて、第j行の黒線数BCTを0にセットした後、まず、ステップC2〜ステップC18にて、最終(右端)黒線の検出を行い、次いで、図10ステップC19〜ステップC36にて、1st(左端)黒線の検出を行う。そして、この最終(右端)黒線と1st(左端)黒線とを検出した後に、図11ステップC37〜ステップC53にて、この2つの黒線に挟まれた一般黒線の検出を行う。
【0054】
最終(右端)黒線検出では、くさび右端(減少)検出用及び黒線(増加)検出用の基準値の設定や走査の開始位置を右端側に設定する等の初期化を行った後(図9ステップC2〜ステップC3)、くさび右端検出のための減少判定(ステップC4)及び黒線検出のための増加判定(ステップC5)を実行する。もし、くさび右端及び黒線のいずれも検出されなければ(ステップC4のN,ステップC5のN)、増減検出用の基準値である局所最小値LMn又は局所最大値LMxのいずれかの更新を行い(ステップC6〜ステップC9)、その画素における画素値の(有意な)増減を示すフラグZの値(増加:1,減少:0)を右隣の画素のフラグの値にセット(即ち増減状況を維持)して(ステップC10)、走査位置を1画素だけ左にずらした後(ステップC12)、ステップC4からの処理を繰り返す。なお、ステップC2の初期化にて、右端の画素のフラグが増加(1)にセットされるため、くさび右端が検出されるまでは、このフラグの値は増加(1)が継続することになる。
【0055】
また、くさび右端が検出されると(ステップC4のY)、増減検出用の基準値である局所最小値LMn及び局所最大値LMxを再設定するとともに、増減フラグZの値を減少(0)にセットする(ステップC14)。そして、1画素下の次ラインでの解析の効率化を図るために、走査開始位置の最適化を実行した後(ステップC15)、走査位置を1画素だけ左にずらして(ステップC12)、ステップC4からの処理を繰り返す。
【0056】
一方、増加が検出されると(ステップC5のY)、増減フラグZの値を増加(1)にセットする(ステップC16)。このフラグのセットを行うと、フラグZが減少(0)から増加(1)に変化した旨、つまり最終(右端)黒線が検出された旨が認識されてこのループを抜け(ステップC11のY)、黒線数BCTに1をセットし、その位置BEndを登録した後(ステップC18)、次の1st(左端)黒線の検出に移行する。
【0057】
なお、最終(右端)黒線が検出されないまま、走査位置が左端まで達してしまった場合は(ステップC13のY)、“黒線無し”のメッセージを記録して(ステップC17)、この処理を終了する。
【0058】
1st(左端)黒線検出では、くさび左端(減少)検出用及び黒線(増加)検出用の基準値の設定や走査の開始位置を左端側に設定する等の初期化を行った後(図10ステップC19〜ステップC20)、くさび左端検出のための減少判定(ステップC21)及び黒線検出のための増加判定(ステップC22)を実行する。もし、くさび左端及び黒線のいずれも検出されなければ(ステップC21のN,ステップC22のN)、増減検出用の基準値である局所最小値LMn又は局所最大値LMxのいずれかの更新を行い(ステップC23〜ステップC26)、その画素の増減フラグZの値(増加:1,減少:0)を左隣の画素のフラグの値にセット(即ち増減状況を維持)して(ステップC27)、走査位置を1画素だけ右にずらした後(ステップC29)、ステップC21からの処理を繰り返す。なお、ステップC19の初期化にて、左端の画素のフラグが増加(1)にセットされるため、くさび左端が検出されるまでは、このフラグの値は増加(1)が継続することになる。
【0059】
また、くさび左端が検出されると(ステップC21のY)、増減検出用の基準値である局所最小値LMn及び局所最大値LMxを再設定するとともに、増減フラグZの値を減少(0)にセットする(ステップC31)。そして、1画素下の次ラインでの解析の効率化を図るために、走査開始位置の最適化を実行した後(ステップC32)、走査位置を1画素だけ右にずらして(ステップC29)、ステップC21からの処理を繰り返す。
【0060】
一方、増加が検出されると(ステップC22のY)、増減検出用の基準値である局所最小値LMn及び局所最大値LMxを再設定するとともに、増減フラグZの値を増加(1)にセットする(ステップC33)。このフラグのセットを行うと、フラグZが減少(0)から増加(1)に変化した旨、つまり1st(左端)黒線が検出された旨が認識されてこのループを抜け(ステップC28のY)、黒線数BCTに2をセットし、その位置BL(1,j)を登録した後(ステップC34)、次の一般黒線の検出に移行する。
【0061】
なお、1st(左端)黒線が検出されないまま、走査位置が右端(先に登録した最終黒線位置BEnd)まで達してしまった場合は(ステップC30のY)、この最終(右端)黒線位置BEndの値を1st(左端)黒線位置BL(1,j)に登録し(ステップC35)、“黒線1本のみ”のメッセージを記録して(ステップC36)、この処理を終了する。
【0062】
一般黒線検出では、1st(左端)黒線検出時の走査を引き継いで、その右隣の画素を走査の開始位置とし(図11ステップC37)、この1st(左端)黒線検出の最後に再設定された局所最小値LMn及び局所最大値LMxを用いて、減少判定(ステップC38)及び増加判定(ステップC39)を実行する。もし、減少・増加のいずれも検出されなければ(ステップC38のN,ステップC39のN)、局所最小値LMn又は局所最大値LMxのいずれかの更新を行い(ステップC40〜ステップC43)、その画素の増減フラグZの値(増加:1,減少:0)を左隣の画素のフラグの値にセットして(ステップC44)、走査位置を1画素だけ右にずらした後(ステップC46)、ステップC38からの処理を繰り返す。
【0063】
また、減少が検出されると(ステップC38のY)、局所最小値LMn及び局所最大値LMxを再設定するとともに、増減フラグZの値を減少(0)にセットする(ステップC31)。そして、走査位置を1画素だけ右にずらして(ステップC46)、ステップC38からの処理を繰り返す。
【0064】
一方、増加が検出されると(ステップC39のY)、局所最小値LMn及び局所最大値LMxを再設定するとともに、増減フラグZの値を増加(1)にセットする(ステップC33)。このフラグのセットを行うと、フラグZが減少(0)から増加(1)に変化した旨、つまり一般黒線が検出された旨が認識されて一旦このループを抜け(ステップC45のY)、その位置BL(BCT,j)を登録し(ステップC50)、黒線数BCTに1を追加した後(ステップC51)、ステップC38からの処理を繰り返す。
【0065】
この一般黒線検出は、先に登録された最終(右端)黒線位置BEndに走査位置が到達するまで繰り返され、到達すると(ステップC47のY)、この最終(右端)黒線位置BEndの値を黒線位置BL(BCT,j)に登録し(ステップC52)、“黒線検出完了”のメッセージを記録して(ステップC53)、この処理を終了する。
【0066】
以上の黒線検出が終了すると、検出された黒線数BCTと先に入力されたくさびタイプ(本数WCT)とが等しいかどうかを調べ(図6ステップA11)、等しければ(ステップA11のY)、行が終端Lyに達していないかどうかを調べる(ステップA12)。そして、達していなければ(ステップA12のN)、行を更新し(ステップA13)、くさびチャートの両端用の閾値ETH2を現行の黒側半振幅の1/4に再設定して(ステップA14)、ステップA10の黒線検出を再実行する。また、達していれば(ステップA12のY)、このループを抜け、解像限界行LMLを終端Lyに設定するとともに(ステップA15)、“くさびに下端なし”のエラーを表示し(ステップA16)、ステップA30からの処理に移行する。
【0067】
一方、本数が一致しないときには(ステップA11のN)、中央用の閾値ETH1が0まで低くされているかどうかを調べ(ステップA17)、0まで達していなければ(ステップA17のN)、その行が読取り判定開始行DtStでなければ(ステップA18のN)、図5ステップA9の初期化で1に設定されたTH値可変ステップETHS分だけ中央用の閾値ETH1を低めた後(ステップA19)、ステップA10の黒線検出を再実行する。もし、その行が読取り判定開始行DtStであれば(ステップA18のY)、このループを抜け、“初期本数不適合”のエラーを表示して(ステップA20)、この処理を終了する。
【0068】
また、中央用の閾値ETH1が0まで達していれば(ステップA17のY)、次にTH値可変ステップETHSが初期値の1のままかどうかを調べ(ステップA21)、1であれば(ステップA21のY)、解像限界行LMLをその行の1つ前の行に設定し(ステップA22)、このTH値可変ステップETHSを0に更新する(ステップA23)。
【0069】
その後、直前の(即ち当該行の)黒線検出時に、“黒線無し”のメッセージが記録されていないかどうかを調べ(ステップA24)、記録されていなければ(ステップA24のN)、その行が終端Lyでなければ(ステップA25のN)、くさびチャートの両端用の閾値ETH2を現行の黒側半振幅の1/4に再設定し(ステップA26)、行を更新して(ステップA27)、ステップA10の黒線検出を再実行する。この行が終端Lyであれば(ステップA25のY)、このループを抜け、“くさび下端検出不能”のエラーを表示する(ステップA28)。また、“黒線無し”のメッセージが記録されていれば(ステップA24のY)、くさび下端行WELをその行に設定する(ステップA29)。
【0070】
次に、この最終検出行をくさびチャートを含む矩形画像に重畳させて描画した後(ステップA30)、くさび下端行WELは解像限界行LMLよりも大きいかどうかを調べ(ステップA31)、大きければ(ステップA31のY)、解像度の本数を算出し(ステップA32)、その値を表示する(ステップA33)。この解像本数は、例えばくさびタイプWCTが5本の場合は、次の(1)式で算出される。
【0071】
【数1】
Figure 0003986326
また、くさびタイプWCTが9本の場合は、次の(2)式で算出される。
【0072】
【数2】
Figure 0003986326
【0073】
これらの2式において、
・分子は、各くさびチャートが上端(低周波端)から下端(高周波端)まで直線的に対応空間周波数が増加するいわゆるリニアスイープチャートであることに基き、検出されたくさびの全長(全行数=WEL−WSL)とくさび上端から限界解像行までの長さ(行数=LML−WSL)との比率から、対応周波数(解像本数)を算出する式である。但し、2式が異なるのはくさびのスイープ仕様の違いに対応している。
【0074】
・分母は、撮影倍率の補正項であり、このResolutionチャートの本来の使用条件に比しての相対倍率で分子を除している。相対倍率は、チャート全体の基準高(高さ方向の画枠基準線間距離=20cm)とくさび長(6cm)との比率10/3を、検出されたくさびの全長(全行数=WEL−WSL)に乗じることによって撮影画像データ上のチャート基準高(対応画素数)を求め、これと撮影画像の全画像高(画素数)PHtとの比率として算出している。
【0075】
また、解像度限界行LMLがくさび下端行WELから3行以内にあれば(ステップA34のY)、“全解像”のエラーを表示して(ステップA35)、この処理を終了する。ここで3行以内をエラーとしたのは、下端行付近においては例えば垂直アパーチャの影響などにより誤測定を生じる可能性があることを考慮して、この不具合を回避するため、くさびの下端使用可能範囲を3行分少なく制限する意図であって、この点上記ステップA6におけるオフセット値(JOFS)と同様の効果を期するものである。従って値は3に限られない。
【0076】
一方、くさび下端行WELが解像限界行LMLよりも大きくなければ(ステップA31のN)、これは本来起こり得ない状態であるから“測定不能”のエラーを表示して(ステップA36)、この処理を終了する。
【0077】
以上、本解像度測定システムの行う測定動作の具体的な実行制御を詳細に説明したが、さらにこの中で、本システムの特徴との関連において特に重要な点について、補足的な説明を行う。
【0078】
(ア)まずカメラの記録画像データをそのまま(出力機器を用いず)処理しているからデバイスインディペンデントな測定が行える。
【0079】
(イ)従来のくさび目視法と同じチャートを用いて、かつ原理的に同じ判定基準を用いているから、くさび目視法との相関性が確保できる。なお、目視法は出力デバイス経由であるから、また評価者の主観も入るから全く同じ数値が得られるとは限らないのは勿論のことである。
【0080】
ここで(イ)について詳述すると、このような目視判定の場合と原理的に同じ判定基準を達成するポイントが上記制御に含まれている。即ち、
(1)当業者が目視判定するときの判定ルールは
a)低周波側から見て行き、解像している状況が連続的に続いている場合に「解像している」とし、少しでも途切れたら非解像とする。
b)一見解像しているように見えても、白黒が反転したり、複数の線が繋がっているときは偽解像であるから非解像と判断する。
【0081】
というものである。ここで本解像度測定システムの制御が(a)を採用していることは上記制御フローより直ちに明らかであるが、(b)については白黒の線数に着目することで等価な判断を実現している。即ち、偽解像が生じた場合(白黒が反転したり、複数の線が繋がっているとき)には必ず線数が変化する。例えばもし完全な反転(白黒逆転)が起こったとすれば5本くさび(黒線が5本)の黒線は4本になり、ある1ヶ所で2本の黒線が1本に繋がってしまえば黒線数は1本減りやはり4本になってしまう。逆に常に本来のくさびの線数が維持されているならば、位相反転は生じておらず、原理的に解像していると見なすべきである。
【0082】
従って上記判定基準b)は
b’)視認可能な(検出可能な)白黒線の線数と、本来のくさびの線数とが一致している場合にのみ解像と判断する。
という等価な判定基準に置換えることができる。
【0083】
本解像度測定システムはこのa)+b’)を判定ルールとして採用しているから、これは従来の目視判定において使用されるものと全く同じ基準であると言える。
【0084】
(2)人による白黒線の目視認識の過程では、測定者自身が意識することは無くとも極めて高度な判断が行われている。具体的にはまず、
・くさびの高周波領域(振幅が小さい領域)、特に限界解像度付近では振幅が極めて小さいため、白黒線に対応する輝度変化の局所的な振幅よりも大きなうねり(カメラの周波数特性(しばしばエッジ強調処理が付加される)やシェーディングの影響でくさび全体に生じる低周波の輝度変化)が生じ、例えばある黒線の値(輝度極小値)の方が別の白線の値(輝度極大値)よりも大きいといった状態が生じ易い。人の目はこのような
a)うねりやシェーディングがある場合も含めて、その僅かな局所的な変化に反応して白黒の線を認識する。
【0085】
ことができる。またその一方で、人の目は、
b)ノイズ等によるレベルの変化とくさびのパターンとは混同せずに見分けることができる。
【0086】
具体例を挙げれば、くさびの低周波領域(振幅が大きい領域)では、その白黒エッジ付近にはカメラの周波数特性(しばしばエッジ強調処理が付加される)の影響でかなり大きな振幅の波状の輝度変化(リンギング)が付随する。これは限界解像度付近のくさび画像の振幅(輝度変化)よりもはるかに大きい振幅の場合もあるが、このような場合も少なくとも当該低周波のくさび画像の輝度振幅よりは充分小さいため、人の目はこれを正しく無視する。
【0087】
また、この他一般のノイズ(ランダムノイズなど)がくさび画像全体に重畳されているが、これも当該周波数におけるくさび画像の振幅(輝度変化)よりも小さい場合は同じく無視される。
【0088】
即ち、くさび画像としての輝度変化に対して相対的に小さな変化は無視することで正しく白黒の線を認識する。
【0089】
これに対して機械的自動測定における輝度データ処理の場合、単純なレベル検出や差分検出などでは、このような人の目の高度な認識に相当する白黒線の検出はできない。
【0090】
本解像度測定システムでは、上記制御の説明に示したとおり、
◇1ラインに関する輝度データの変化を検出することによりその極大値、極小値として白黒線(実際に用いるのは黒線のみ)を検出するようにし、局所最大値LMxからのETH1を超えた減少又は局所最小値LMnからのETH1を超えた増加のみを有効な増減として検出するようにした。言い換えれば、累積変化が閾値ETH1を越えた場合に変化を認識するようにした上で極値判定を行うようにした。
【0091】
基本的にはこれによって、ノイズやうねりの影響を排除しつつ極値として白黒線が検出され得るようになっている。
【0092】
そしてこの判定に用いる閾値ETH1の値を
◇測定動作実行初期の、即ち低周波領域の白黒検出時には閾値ETH1を比較的大きな値とし、検出が高周波領域に移行していくに従って、それまでの閾値によって所定の線数が検出不能になった場合に限り閾値ETH1の値を減じて検出を繰り返すようにしたから、
a)うねりやシェーディングが乗っていても、波(白黒線)を検出でき、最終的には(限界解像周波数では)ETH=0で検出を行うから、レスポンスが最小となった状態の輝度変化まで検出することができる。
【0093】
b)各周波数領域における画像の輝度変化(レスポンス)の程度に応じて、ノイズの影響を適応的に排除することにより、全周波数領域にわたってくさびのパターンのみを検出できる。
【0094】
ことになり、この点に関しても、従来は到底為し得なかった、目視判定と等価な判定を行うことができるものである。
【0095】
なお上記制御フローには、この他、実用的な精度向上や動作安定化の観点から採用されている処理も勿論あり、例えば
・黒先検出において、両端の検出を一般の黒線検出とは別の基準で両側から行うことにより、くさび両端のリンギングの影響を受けないようにするとともに、限界解像度よりも高周波な部分(おおぼけ部)でも1本の黒線として安定にくさびの存在を検出できるようにしたので、くさび下端WELの検出に誤りを生じない。これによってくさび長の検出制度を確保している。
【0096】
・くさび開始ライン(WSL)の検出のスレッシュホールドレベルETH0や、各行における両端黒線検出のスレッシュホールドレベルETH2の設定(及び一般黒線検出のスレッシュホールドレベルETH1の初期設定)は、対象とする領域の画素に関するノイズも含んだデータ分布(具体的にはノイズレベルや黒側半振幅)に基づいて設定しているから、各検出を極めて安定に行うことができる。
【0097】
・一般には、例えばくさび画像の僅かな傾きによってくさび開始ラインが実質的に複数行にまたがった場合や、あるいはカメラの垂直エッジ強調画像処理に起因する垂直リンギングなどの存在が、誤動作の原因となる恐れがあるが、読取り判定開始行DtStとして、くさび開始ラインWSLに対して若干のオフセットを与えたものを採用することによりこれを回避している。
【0098】
などを具体的に指摘することができる。
【0099】
このように、この解像度測定システムは、水平方向を主走査方向として矩形波の検出(線数の検出)を行いつつ、垂直方向を副走査方向として周波数スイープを行うことにより、解像限界の空間周波数を求める。つまり、従来のように、個人差や状況に左右されることなく解像度を自動測定する。この結果は、検出した限界解像の行位置をくさびチャートに重畳させて表示するといった、検査担当者の目に見える形で提供させるため、その自動測定された解像度に対する信頼感を高めることも実現する。
【0100】
また、前述の(1)式及び(2)式に示すように、解像本数の算出時に、くさび長(くさび下端行WEL−くさび開始行WSL)と全画像高PHtとの比率を考慮することにより、従来のように、画枠基準線を意識してチャートを撮影することも不要とする。
【0101】
また本実施形態では、水平解像度測定用のくさびチャートa1に関してはそのまま、垂直解像度測定用のくさびチャートa2に関しては自動的に90度の回転処理を施すことになるため、ユーザによる矩形画像の回転操作を要することもなく、水平方向及び垂直方向の何れのくさびチャートであっても解像度の測定が可能となり、使い勝手の向上をはかることができる。
【0102】
なお、ここでは、ISO12233Resolutionチャートに設けられたくさびチャートを例に説明したが、これに限らず、例えばEIAJ−Aチャートに設けられる、帯が直線的に描かれたくさびチャートの場合も、この解像度測定の手法は適用可能である。
【0103】
また、ここでは、電子カメラで撮影されたチャートの画像をカード経由でパーソナルコンピュータに取り込み、そのパーソナルコンピュータで解像度の自動測定を実行する例、つまり、この解像度測定の手法をパーソナルコンピュータ上で実現する例を示したが、これに限らず、専用の解像度測定装置として実現しても構わない。また、この機能を電子カメラ自体に組み込めば、例えば電子カメラが解像度の異なる複数の撮像モードを有する場合に、これらを各別に実測することや、或いは製造時や修理時における(例えば光学系や自動合焦系などを含めた)性能試験を極めて容易に実施できるようになる。
【0104】
即ち本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0105】
この他にも様々な実施例が考えられる。上記実施形態に示した制御における各ステップを実行可能に画像処理装置を構成することができる。即ちこの装置は、一般的なファイルインターフェース(例えばメモリーカードスロット)及びGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)手段であるディスプレイ(例えばCRTやLCD)及び入力指示装置(例えばキーボード・マウス)を有し、評価対象のデジタルカメラで所定のくさびチャートを撮影した画像をカード経由で入力することによって、上記各ステップを順次実行できるように為されれば良い。
【0106】
このような装置は専用の装置として実現されても良いが、汎用パーソナルコンピュータに対して上記各ステップを実行可能な処理系列を組み込んでも構成できることは明らかである。またデジタルカメラ装置自身にこのような機能を組み込んでも良く、この場合は上記ファイルインターフェースを介さずに測定を行うことも可能である。これによれば、例えばカメラが解像度の異なる複数の撮像モードを有する場合にこれらを各別に実測することや、また製造時や修理時おける(例えば光学系や自動合焦系を含めた)性能試験が極めて容易にできるようになるという利点を有する。
【0107】
(第2の実施形態)
本発明における画像回転機構は、解像度測定以外にも適用することができる。例えば、電子カメラで縦横位置混在撮影した場合で、被写体に合わせて縦横混在データとなっている時に、印刷用紙に向きを揃える場合などである。
【0108】
具体的には、カメラで撮影した画像をパソコンのハードディスクに取りこみ画像を保管しておくような場合で、カメラからの画像取りこみ時には全て横位置(横長画像)としてデータが入力されたとしても、撮影した内容が縦位置である画像が混在していた場合には、これを見る都度回転させるのが煩雑であることから、縦位置の画像は90度回転させて縦位置(縦長画像)に変換したデータを保存するというような状況がある。このような状況において、汎用のプリンタを用いて複数の画像を効率良く連続印刷しようとする時には、画像の縦横を印刷用紙の向きに合わせることが望ましく、結局全画像の向きを縦位置又は横位置に揃える必要が生じる。本実施形態は、このような場合に極めて有効である。
【0109】
図12に、本発明の第2の実施形態に係わる画像処理装置の基本構成を示す。図中の301は画像データを入力するための入力部、302は画像データの縦横の比率、又は処理対象である矩形画像の縦横画素数の比率に基づいて画像を回転する回転処理部、303は回転制御された画像データを出力するための出力部である。
【0110】
入力部301では、ABC…のような矩形画像が入力され、回転処理部302では、入力画像が縦長か横長かを判定し、横長の場合はそのまま、縦長の場合は90度の回転処理を施す。この回転処理の判断は、前記図7に示すステップS501のように、矩形画像の水平画素数Lxと垂直画素数Lyとを比較することにより行えばよい。そして、回転処理された矩形画像は出力部303から出力される。
【0111】
このような構成であれば、AとCのような横長画像はそのままの状態でA’C’として出力され、Bのような縦長画像は横長画像B’に変換して出力される。その結果、全ての出力画像が横長となる。このように本実施形態によれば、当該画像が縦長か横長かを判定し、一方の場合のみ90度回転を行なうことによって縦位置又は横位置に自動的に全てを揃えることができる。この例のような目的の場合は90度回転の方向(左右)は問わないので、例えば一律に右90度回転という処理を採用可能である。
【0112】
ここで、「上記のような処理方法を、例えば印刷機能を有した汎用画像ビュアーソフトに追加適用して以下のような制御が可能に為したもの」をインストールしたパーソナルコンピュータ装置は、本発明の一実施形態である。即ちこれは、予め印刷モードとして「自動回転付き」を選択しておけば、印刷実行時の印刷用画像データを必要に応じて自動的に回転させ、用紙に応じて縦位置又は横位置に統一するものであり、ごく簡単な構成によって印刷効率を上げることが可能であるという優れた効果を有している。またこれと同様のものであるが、画像の回転処理を印刷時のデータに対して行なうのではなく、保存対象の画像データ自体に施す(回転させた画像については自動的に上書き又は別名保存する)ように構成してもよい。
【0113】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、解像度を目視観測するために用いられる、いわゆるくさびチャートを構成する線分の連続性に着目し、例えばくさびチャートの位相が保たれる限界の位置を検出することにより、そのくさびチャートにおける解像限界行位置を判定して、その判定した行位置から限界解像度を算出することから、個人差や状況に左右されることのない、再現性が高く、かつ原理的に優れた解像度測定を実現する。そして、くさびチャートを撮像して解像度を自動測定するにあたり、チャート全体からの対象部分の切り出しの手動的領域指定の縦横比により自動的に画像回転を制御するから、測定の作業性が向上し短時間で効率の良い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる解像度測定システムの被検カメラとなる電子カメラの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る解像度測定システムが動作するパーソナルコンピュータの構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の解像度測定システムで用いるISO12233Resolutionチャートを示す図。
【図4】同実施形態の解像度測定システムが切り出す矩形画像の一例を示す図。
【図5】同実施形態の解像度測定システムにおける解像度測定の第1のメインフローを示す図。
【図6】同実施形態の解像度測定システムにおける解像度測定の第2のメインフローを示す図。
【図7】同実施形態の解像度測定システムにおける画像回転処理を説明するためのフローを示す図。
【図8】同実施形態の解像度測定システムにおけるくさび開始ライン(WSL)検出の詳細フローを示す図。
【図9】同実施形態の解像度測定システムにおける黒線検出の第1の詳細フローを示すず。
【図10】同実施形態の解像度測定システムにおける黒線検出の第2の詳細フローを示す図。
【図11】同実施形態の解像度測定システムにおける黒線検出の第3の詳細フローを示す図。
【図12】第2の実施形態に係わる画像処理装置の基本構成を示すブロック図。
【図13】解像度の目視測定に用いられる代表的なISO12233Resolutionチャートを示す図。
【符号の説明】
101…レンズ系
102…レンズ駆動機構
103…露出制御機構
104…フィルタ系
105…CCDカラー撮像素子
106…CCDドライバ
107…プリプロセス回路
108…ディジタルプロセス回路
109…カードインターフェース
110…メモリカード
111…LCD画像表示系
112…システムコントローラ(CPU)
113…操作スイッチ系
114…操作表示系
115…ストロボ
116…レンズドライバ
117…露出制御機構
118…不揮発メモリ(EEPROM)
201…CPU
202…システムメモリ
203…磁気ディスク装置
204…ディスプレイコントローラ
204a…CRT
204b…LCD
205…キーボードコントローラ
205a…キーボード
205b…マウス

Claims (2)

  1. 解像度を目視測定するために用いられるくさびチャートが撮像された画像の中から前記くさびチャートを含む矩形領域画像を切り出す画像切り出し手段と、
    前記画像切り出し手段により切り出された矩形領域画像の縦横の長短関係が常に一定となるように、前記矩形領域画像に90度回転又は非回転の処理を施し、且つ前記矩形領域画像を90度回転させる場合に、前記矩形領域画像の画像パターンに基づいて左回転又は右回転を選択する画像回転制御手段と、
    前記画像回転制御手段により回転制御された矩形領域画像を解析して前記くさびチャートの解像限界行位置を判定し、その判定した行位置から限界解像度を算出する解像度算出手段と、
    を具備してなることを特徴とする解像度測定装置。
  2. 解像度を目視測定するために用いられるくさびチャートが撮像された画像の中から前記くさびチャートを含む矩形領域画像を切り出し、
    この矩形領域画像の縦横の比率に基づいて前記矩形領域画像の縦横の長短関係が常に一定となるように、前記矩形領域画像に90度回転又は非回転の処理を施し、且つ前記矩形領域画像を90度回転させる際に、前記矩形領域画像の画像パターンに基づいて左回転又は右回転を選択した後に、この矩形領域画像を解析して前記くさびチャートの解像限界行位置を判定し、
    その判定した行位置から限界解像度を算出することを特徴とする解像度測定方法。
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