JP3986263B2 - 揺動操作型スイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース上に支持された操作ノブを揺動操作することにより、ケース内でスライダを介して可動接点と固定接点とを選択的に接離させる揺動操作型スイッチ装置に係り、特に、自動車のミラーコントロールスイッチとして用いて好適な揺動操作型スイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のミラーコントロールスイッチに用いられている揺動操作型スイッチ装置は、通常、ケース上に支持された操作ノブを所定方向へ揺動させると、その揺動操作に連動してスライダがケース内でスライド移動し、このスライダに設けられた可動接点が基板上の特定の固定接点に接触するように構成されている。それゆえ、操作ノブを揺動操作すると、その揺動方向に応じた複数種類の信号を出力させることができ、これらの信号に基づいてミラーの上下左右の角度を適宜調整できるようになっている。
【0003】
従来より、かかる揺動操作型スイッチ装置において、ケースに開口を有する略ドーム状のガイド部を突設し、操作ノブに一体形成したステムをガイド部の開口を挿通してケース内に延出させると共に、その下端部をスライダに係合させ、ケース内に組み込んだコイルばねでステムを常時下向きに付勢するように構成したものが知られている。このものは、コイルばねの弾性力によってステムが常時下向きに付勢されているため、操作ノブをガイド部上に揺動自在に搭載することができると共に、操作ノブのガタや脱落を防止することができ、しかも、操作ノブとステムが一体成形品なので、操作ノブの揺動操作時にステムにガタが発生せず、それゆえ小型化が図りやすいという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の揺動操作型スイッチ装置では、コイルばねの弾性力に抗して操作ノブを押し込み、この操作力を除去するとコイルばねの弾性力で操作ノブが初期位置に復帰するように構成されているため、操作ノブの揺動操作時にクリック感を生起させることができず、使い勝手が悪いという難点がある。また、揺動操作時のクリック感を得るためにクリック部材を追加すると、部品点数が増えて構成も複雑になってしまい、高コスト化を余儀なくされるという新たな問題が発生する。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、揺動操作時にクリック感を生起してガタもない良好な操作感触が得られ、かつ低コスト化や小型化も図りやすい揺動操作型スイッチ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明の揺動操作型スイッチ装置では、中央部に開口を有する略ドーム状のガイド部を上向きに突設したケースと、底面を前記ガイド部の表面に摺接させて該ガイド部上に揺動自在に搭載された操作ノブと、この操作ノブと前記ケースとの間に介設されて該操作ノブに弾接するクリックゴムと、前記操作ノブの中央部から下向きに垂設されて前記開口を貫通するステムと、このステムにスナップ結合する係止爪を有して前記ガイド部の裏面に摺接する抜け止め部材と、前記ケース内に臨出する面に固定接点を配設した基板と、前記固定接点に接離可能な可動接点を有して前記ステムの下端部に係合するスライダとを備え、前記操作ノブと前記抜け止め部材とが前記ガイド部を摺動自在に挟み込む構成とした。
【0007】
このように操作ノブと一体のステムに抜け止め部材をスナップ結合させて、操作ノブと抜け止め部材をケースのガイド部の表裏両面に摺接させれば、操作ノブを脱落の恐れなくガイド部上で円滑に揺動させることができると共に、操作ノブの揺動操作時にステムにガタが生じないため、小型化に伴いスライダのスライド移動量が少ない場合でも良好な操作感触が得られる。また、この操作ノブに下方からクリックゴムが弾接してプリテンションを付与する構成にしてあれば、操作ノブを常にガタのない状態に保持することができると共に、操作ノブの揺動操作時にクリック感が生起されるため使い勝手が良好となる。
【0008】
また、かかる構成において、操作ノブのガイド部の表面に摺接する部分を該ガイド部に面接触する湾曲面となしておけば、操作ノブをガイド部上でより円滑に揺動させることができると共に、揺動操作を繰り返しても操作ノブの摺動部が摩耗しにくくなるため長寿命化が図れる。同様に、抜け止め部材のガイド部の裏面に摺接する部分を該ガイド部に面接触する湾曲面となしておけば、操作ノブをガイド部上でより円滑に揺動させることができると共に、揺動操作を繰り返しても抜け止め部材の摺動部が摩耗しにくくなるため長寿命化が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は実施形態例に係る揺動操作型スイッチ装置の平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4は図1のC−C線に沿う断面図、図5は該スイッチ装置の底部を除いた主要部分の分解斜視図、図6は該スイッチ装置の底部の分解斜視図、図7は操作ノブを揺動操作した状態を示す動作説明図、図8は操作ノブを揺動操作した状態を示す動作説明図であり、図7は図2に、図8は図4にそれぞれ対応している。
【0010】
これらの図に示す揺動操作型スイッチ装置は、自動車のミラーコントロールスイッチとして用いられるもので、図中の符号1はケース、2はこのケース1上に搭載されて4か所の押圧操作部2aに対応する十字方向(4方向)へ揺動操作可能なミラー角度調整用の操作ノブ、3はこの操作ノブ2と一体に成形されたステム、4はこのステム3にスナップフィットして操作ノブ2の脱落を防止している抜け止め部材、5は四隅にクリックゴム5aを突設してケース1と操作ノブ2との間に介設された弾性ゴム部材、6は操作ノブ2に連動しステム3の下端部を介して十字方向へ往復移動可能な第1のスライダ、7はこの第1のスライダ6に取り付けられた可動接点、8はケース1内に臨出する面に固定接点パターン9,10等を配設している基板、11はケース1上に搭載されてシーソ状に揺動操作可能なミラー選択ノブ、12はこのミラー選択ノブ11の操作時にクリック感を生起する鋼球、13はミラー選択ノブ11に連動して往復直線移動可能な第2のスライダ、14はこの第2のスライダ13に取り付けられた可動接点、15,16は外部回路に接続するためのコネクタ、17は基板8やコネクタ15,16を収納しケース1と共にスイッチ装置の外殻を構成するカバー部材、18はスイッチ装置を外部機器に取り付けるためにケース1に嵌着された板ばねからなる取付板を示している。
【0011】
ケース1の上面側には、弾性ゴム部材5を嵌め込むための凹所1aと、操作ノブ2を揺動自在に搭載するための略ドーム状のガイド部1bと、ステム3を挿通させるためにガイド部1bの中央部に形成された開口1cと、ミラー選択ノブ11を揺動自在に支持するための支軸1d等が設けられている。操作ノブ2の裏側にはステム3を包囲するように中央環状部2bが突設されており、この中央環状部2bの底面はガイド部1bの表面に面接触する湾曲摺接面2cとなっている。また、この操作ノブ2の裏面には凹所1a内に載置された弾性ゴム部材5の各クリックゴム5aが弾接し、これらクリックゴム5aにより上向きのプリテンションを付与しているので、操作ノブ2は常にガタのない状態に保持されている。さらにまた、隣り合うクリックゴム5aのほぼ中間に押圧操作部2aが位置するように設計してあるので、操作ノブ2の揺動操作時には2個のクリックゴム5aを押し撓めながら、その中間に位置する押圧操作部2aを押し込むことになり、よって操作ノブ2が不所望方向へ揺動する心配がなく安定した操作が行えると共に、所定量押し撓められたクリックゴム5aの座屈時にクリック感が生起されるため使い勝手も良好となっている。なお、弾性ゴム部材5の中央部にはステム3を挿通させるための透孔5bが穿設されている。ステム3の上部には一対の凹状の切欠き3aが設けられており、これらの切欠き3aに抜け止め部材4の一対の係止爪4aをスナップフィットさせることにより、ケース1内でステム3の上部に抜け止め部材4が外挿・固定される。また、抜け止め部材4には、ステム3を挿通させるための貫通孔4bと、この貫通孔4bの周囲でガイド部1bの裏面に面接触する球面状の湾曲摺接面4cが設けられている。つまり、ケース1のガイド部1bは抜け止め部材4と操作ノブ2の中央環状部2bとで挟み込まれており、操作ノブ2の揺動操作時には、ガイド部1bの表裏両面に沿って湾曲摺接面2cと湾曲摺接面4cとが摺動するようになっている。
【0012】
第1のスライダ6は底面側に可動接点7を配置させた状態で基板8の固定接点パターン9形成領域上にスライド移動可能に搭載されており、第1のスライダ6内に組み込んだスプリング19が可動接点7を基板8に向けて常時付勢してる。この第1のスライダ6には、ステム3の下端部が挿入される挿入孔6aと、この挿入孔6a内でステム3と係合する係合凸部6bとが設けられており、操作ノブ2を揺動操作するとステム3の下端部が挿入孔6a内で傾倒するため、係合凸部6bを介してステム3に駆動される第1のスライダ6が基板8上でスライド移動するようになっている。一方、第2のスライダ13は底面側に可動接点14を配置させた状態で基板8の固定接点パターン10形成領域上にスライド移動可能に搭載されており、第2のスライダ13内に組み込んだスプリング20が可動接点14を基板8に向けて常時付勢してる。この第2のスライダ13の一側部にはミラー選択ノブ11の底面側に突設された脚片11aを嵌入させるための係合凹部13aが設けられており、ミラー選択ノブ11を支軸1dを中心に揺動操作すると、脚片11aに駆動される第2のスライダ13が基板8上でスライド移動するようになっている。また、ミラー選択ノブ11の中央部にはスプリング21と鋼球12とが組み込んであり、ミラー選択ノブ11の揺動操作時に、スプリング21に押し込まれた鋼球12がケース1の山形部分1eを乗り越えるとクリック感が生起されるようになっている。
【0013】
基板8上には固定接点パターン9,10と図示せぬリードパターンおよび半田ランド22が形成されており、この半田ランド22にコネクタ15,16の端子部15a,16aが半田付けされる。また、カバー部材17には基板8の透孔8aに挿通してその位置決めを行うための位置決めピン17aが突設されている。
【0014】
このように構成された揺動操作型スイッチ装置は、ミラー選択ノブ11をいずれかの方向へ揺動操作することにより、第2のスライダ13がスライド移動して固定接点パターン10上での可動接点14の接触位置が変化し、右または左のミラーを角度調整可能な状態に設定することができる。しかる後、4か所の押圧操作部2aのうちのいずれかを押し込んで操作ノブ2を揺動操作すると、前述したように、クリックゴム5aが押し撓められてクリック感を生起すると共に、傾倒するステム3を介して第1のスライダ6がスライド移動し、固定接点パターン9上での可動接点7の接触位置が変化するので、ミラー選択ノブ11にて選択したミラーを押し込んだ押圧操作部2aに応じて上下左右のいずれかの向きに角度調整することができる。例えば、図2において操作者が操作ノブ2の左側(図1中では下側)の押圧操作部2aを押し込むと、押し込んだ側へステム3が傾倒するため、このステム3の下端部に駆動される第1のスライダ6が図2の右向きにスライド移動して図7に示すような状態となり、選択したミラーを下に向けて回転させる駆動信号が出力される。また、図4において操作者が操作ノブ2の左側(図1中でも左側)の押圧操作部2aを押し込んだ場合には、ステム3の下端部に駆動される第1のスライダ6が図4の右向きにスライド移動して図8に示すような状態となり、選択したミラーを左に向けて回転させる駆動信号が出力される。
【0015】
上述したように、本実施形態例においては、操作ノブ2と一体のステム3に抜け止め部材4をスナップフィットさせて、操作ノブ2と抜け止め部材4とをケース1のガイド部1bの表裏両面に摺接させてあるので、操作ノブ2を脱落の恐れなくガイド部1b上で円滑に揺動させることができると共に、操作ノブ2の揺動操作時にステム3にガタが生じないため、小型化に伴い第1のスライダ6のスライド移動量が少なくなっても良好な操作感触が得られる。また、この操作ノブ2には下方からクリックゴム5aが弾接してプリテンションを付与しているので、操作ノブ2を常にガタのない状態に保持することができると共に、操作ノブ2の揺動操作時にクリック感が生起されるため使い勝手が良好となる。しかも、操作ノブ2の湾曲摺接面2cと抜け止め部材4の湾曲摺接面4cをそれぞれガイド部1bの表裏両面に面接触させているので、操作ノブ2をガイド部1b上で極めて円滑に揺動させることができると共に、揺動操作を繰り返しても湾曲摺接面2c,4cは摺動抵抗が小さいため摩耗しにくく、よって長期にわたって安定した揺動操作を行うことができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0017】
操作ノブと一体のステムに抜け止め部材をスナップ結合させて、操作ノブと抜け止め部材とをケースのガイド部の表裏両面に摺接させると共に、操作ノブに下方からクリックゴムがプリテンションを付与するように構成したため、操作ノブをガタや脱落の恐れなくガイド部上で円滑に揺動させることができると共に、小型化に伴いスライダのスライド移動量が少ない場合でも良好な操作感触が得られ、しかも、操作ノブの揺動操作時にクリック感が生起されるため、使い勝手が良好揺動操作型スイッチ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る揺動操作型スイッチ装置の平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図5】該スイッチ装置の底部を除いた主要部分の分解斜視図である。
【図6】該スイッチ装置の底部の分解斜視図である。
【図7】操作ノブを揺動操作した状態を示す図2に対応する動作説明図である。
【図8】操作ノブを揺動操作した状態を示す図4に対応する動作説明図である。
【符号の説明】
1 ケース
1b ガイド部
1c 開口
2 操作ノブ
2a 押圧操作部
2c 湾曲摺接面
3 ステム
3a 切欠き
4 抜け止め部材
4a 係止爪
4c 湾曲摺接面
5 弾性ゴム部材
5a クリックゴム
6 スライダ
6a 挿入孔
6b 係合凸部
7 可動接点
8 基板
9 固定接点パターン
17 カバー部材

Claims (3)

  1. 中央部に開口を有する略ドーム状のガイド部を上向きに突設したケースと、底面を前記ガイド部の表面に摺接させて該ガイド部上に揺動自在に搭載された操作ノブと、この操作ノブと前記ケースとの間に介設されて該操作ノブに弾接するクリックゴムと、前記操作ノブの中央部から下向きに垂設されて前記開口を貫通するステムと、このステムにスナップ結合する係止爪を有して前記ガイド部の裏面に摺接する抜け止め部材と、前記ケース内に臨出する面に固定接点を配設した基板と、前記固定接点に接離可能な可動接点を有して前記ステムの下端部に係合するスライダとを備え、前記操作ノブと前記抜け止め部材とが前記ガイド部を摺動自在に挟み込む構成としたことを特徴とする揺動操作型スイッチ装置。
  2. 請求項1の記載において、前記操作ノブの前記ガイド部の表面に摺接する部分を該ガイド部に面接触する湾曲面となしたことを特徴とする揺動操作型スイッチ装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記抜け止め部材の前記ガイド部の裏面に摺接する部分を該ガイド部に面接触する湾曲面となしたことを特徴とする揺動操作型スイッチ装置。
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