JP3985473B2 - ネットワークデバイス管理方法、ネットワークデバイス管理システムおよびネットワークデバイスを管理するための処理プログラムならびに管理デバイス - Google Patents
ネットワークデバイス管理方法、ネットワークデバイス管理システムおよびネットワークデバイスを管理するための処理プログラムならびに管理デバイスInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークデバイスの管理を行うネットワークデバイス管理方法およびネットワークデバイス管理システムならびにネットワークデバイスを管理するための処理プログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ネットワークに接続された多数のデバイス（これをここではネットワークデバイスと呼び、たとえば、パーソナルコンピュータやプリンタなどである）を一括して管理するシステムがある。
【０００３】
ここで、管理対象となるデータとしては、たとえば、管理対象となるネットワークデバイスがパーソナルコンピュータ（ＰＣという）であれば、そのＰＣがネットワークから取得したデータなどそのＰＣに関する様々なデータであり、また、管理対象となるネットワークデバイスがプリンタであれば、そのプリンタのインク残量などプリンタに関する様々なデータなどである。なお、それぞれのネットワークデバイスは、管理対象となるデータを蓄積する管理情報データベースをそれぞれ有している。
【０００４】
そして、ネットワークデバイスを管理する側（以下、管理デバイスという）では、ネットワークデバイス管理ソフトウエアや、そのツールの１つであるＭＩＢ（Management Information Base）ブラウザを用いて、ネットワークデバイス側の管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）にアクセスして、管理対象となるデータ（ＭＩＢデータ）を閲覧したり、データ設定などのデータ操作を行うことができる。
【０００５】
このとき、このネットワークデバイス管理システムを使用して、ネットワークデバイスの管理を行うユーザは、管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）の構造を知るために、ＡＳＮ１という標準形式で記述された管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）をそれぞれのデバイスメーカから入手して、それをそのネットワークデバイス管理システム独自の形態に変換して利用している。
【０００６】
なお、ＭＩＢデータベースは図７に示すようなツリー構造となっており、ツリーの末端部にそのネットワークデバイス固有のデータが保存され、その場所は、オブジェクトＩＤと呼ばれるアドレスを用いて指定される。このＭＩＢデータベースの構造を表すものが、上述のＭＩＢファイルである。
【０００７】
ところで、あるネットワークデバイスの仕様などが変更され、ＭＩＢデータの構造が変わった場合には、そのＭＩＢデータを管理するデバイスメーカは新たなＭＩＢファイルを作成し、それをユーザに提供する。ユーザは変更後の新たなＭＩＢファイルを入手したら、入手したＭＩＢファイルをそのネットワークデバイス管理システム独自の形態に変換することで、そのＭＩＢファイルを利用することができるようになる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のこの種のネットワークデバイス管理システムでは、ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルをそれぞれのメーカ独自の形式に変換しているため、メーカ間に互換性がなく、そのため、ネットワークデバイスのＭＩＢデータベースを見るには、メーカに対応した専用のＭＩＢブラウザというソフトウエアが必要であった。
【０００９】
また、上述したように、ネットワークデバイスの仕様が変更されたりして、ＭＩＢデータが更新された場合には、その都度、ユーザは最新のＭＩＢファイルを入手し、入手したＭＩＢファイルをそのネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換する作業を行わなければならない。
【００１０】
なお、最新のＭＩＢファイルが入手できない場合には、ユーザ自身でＭＩＢファイルを編集し直して、変更に対応したＭＩＢファイルとする作業を行う必要がある。
【００１１】
このＭＩＢファイルの編集作業を行う際は、変換前のＭＩＢファイル（ネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換する前のＭＩＢファイル）か変換後のＭＩＢファイル（ネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換したあとのＭＩＢファイル）のどちらかを用いて編集すればよいが、変換前のＭＩＢファイルは世界標準であるＡＳＮ１形式で記述されたファイルであり、そのＡＳＮ１形式が難解であるので、簡単には編集できないのが普通である。一方、変換後のＭＩＢファイルはＡＳＮ１形式のＭＩＢファイルをそのメーカ独自の形態に変換されたファイルとなっているため、変換されたファイル内の構造が不明であり、これも簡単には編集できないのが普通である。
【００１２】
そこで本発明は、管理情報データベース構造定義（ＭＩＢファイル）を一般的な形式のデータに変換することで、ＭＩＢファイルの変更などに柔軟に対応できるようにし、かつ、そのＭＩＢファイルを利用するネットワークデバイス管理ソフトウエアを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応できるようにすることを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のネットワークデバイス管理方法は、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムにおけるネットワークデバイス管理方法であって、前記管理デバイス側では、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理ツールが前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するようにしている。
【００１４】
このようなネットワークデバイス管理方法において、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表し、このツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を可能としている。
【００１５】
また、このネットワークデバイス管理方法において、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００１６】
また、このネットワークデバイス管理方法において、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
【００１７】
また、本発明のネットワークデバイス管理システムは、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムであって、前記管理デバイスは、管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する管理情報データベース構造定義ファイ変換部を設け、読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをこの管理情報データベース構造定義ファイ変換部がタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理ツールが前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理するようにしている。
【００１８】
このようなネットワークデバイス管理システムにおいて、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表わすことが可能な管理データベース処理部を有するとともに、そのツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能とするネットワークデバイス管理処理部とを有している。
【００１９】
また、このネットワークデバイス管理システムにおいて、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００２０】
また、このネットワークデバイス管理システムにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
【００２１】
また、本発明のネットワークデバイスを管理するための処理プログラムは、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムに用いられるネットワークデバイスを管理するための処理プログラムであって、その処理プログラムは、前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み込んで、その読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理手順と、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理手段が前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理する処理手順とを含むものである。
【００２２】
このようなネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された前記管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表し、このツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能としている。
【００２３】
また、このネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理工程と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００２４】
また、このネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
また、本発明の管理デバイスは、ネットワークを介してネットワークデバイスが保有する管理情報データベースを管理する管理デバイスであって、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを記憶する第１記憶部と、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記タグ付き構造化形式のファイルを記憶する第２記憶部と、前記タグ付き構造化形式のファイルを用いて前記管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の管理デバイスは、ネットワークを介してネットワークデバイスが保有する管理情報データベースを管理する管理デバイスであって、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する変換部と、前記タグ付き構造化形式のファイルを用いて前記管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理部とを備えることを特徴とする。
このような管理デバイスにおいて、前記ネットワークデバイス管理部は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造として表す管理データベース処理部と、
このツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を行うネットワークデバイス管理処理部とを備えることを特徴とする。
また、この管理デバイスにおいて、前記変換部は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理と、を行うことを特徴とする。
また、この管理デバイスにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ（eXtensible Markup Language）形式であることを特徴とする。
【００２５】
このように本発明は、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイルに変換するようにしている。このタグ付き構造化形式に変換されたＭＩＢファイルは、汎用性のある一般的なネットワークデバイス管理ツールで利用することができるので、一般的なネットワークデバイス管理ツールを用いて、ネットワークデバイスの管理情報データベース内に保存されたＭＩＢデータを閲覧したり、そのＭＩＢデータを操作したりといったデータ管理が可能となる。
【００２６】
これによって、管理デバイスは、それに搭載されるネットワークデバイス管理ツールを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応することができるようになり、汎用性に優れたシステムとすることができる。
【００２７】
また、タグ付き構造化データに変換されたＭＩＢファイルは、一般のテキストエディタなどによって編集することができるので、管理情報データベース構造定義ファイルの内容が更新されてた場合でも、ユーザ側で柔軟に対応することができる。
【００２８】
また、タグ付き構造化形式としてはＸＭＬを用いることができる。ＸＭＬはユーザ自身がタグを定義することができるので、ＭＩＢファイルの編集をユーザ自身が行う場合、編集をし易くすることができる。
【００２９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態で説明する内容は、本発明のネットワークデバイス管理方法およびネットワークデバイス管理システムならびにネットワークデバイスを管理するための処理プログラムの具体的な処理内容をも含むものである。
【００３０】
図１は本発明のネットワークデバイス管理システムを説明する図であり、大きく分けると、ネットワーク１に接続された多数のネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・と、これら各ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・ を一括して管理する管理デバイス（管理デバイスとしてはＰＣを用いることが可能である）２０とで構成されている。
【００３１】
それぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・は、それぞれのネットワークデバイスとしての本来の機能（ＰＣであればＰＣとしての機能、プリンタであればプリンタとしての機能）を果たすデバイス機能部（図示せず）が存在する他、本発明に関係する構成要素として、ネットワーク通信部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，・・・と管理情報データベース（以下ではＭＩＢデータベースという）１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・がそれぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・ごとに設けられている。
【００３２】
ネットワーク通信部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，・・・は、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・とネットワーク１とを物理的に接続して、他のネットワークデバイスや管理デバイス２０との間で通信を可能とするものである。
【００３３】
また、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・は、前述したように、それぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・が自身の持つ様々なデータ（以下ではＭＩＢデータという）を蓄積するものであり、そのデータ構造はツリー構造となっており、そのときの状況に応じて、データの一部が削除されたり追加されたりといったデータ更新がしばしばなされる可能性がある。
【００３４】
一方、管理デバイス２０は、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のデータ構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイル（以下では、ＭＩＢファイルという）２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・を、一般的なタグ付き構造化形式のファイル（この実施の形態ではＸＭＬ形式のファイルとする）２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換する管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２と、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・の管理を行うネットワーク管理手段としてのネットワークデバイス管理ツール２４と、管理デバイス２０とネットワーク１とを物理的に接続して各ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・との間で通信を可能とするネットワーク通信部２５とを有した構成となっている。
【００３５】
ＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・の構造が記述（ＡＳＮ１形式での記述）されたファイルであり、それぞれ対応するデバイスメーカなどから提供される。なお、このＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、 ＭＩＢデータベース１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、・・・にそれぞれが１対１で対応するとは限らない。
【００３６】
すなわち、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・のそれぞれのＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・は、それぞれのＭＩＢツリーの構造が複数のＭＩＢファイルに分散されて定義されているのが普通である。たとえば、ネットワークデバイス１０ａが有するＭＩＢデータベース１２ａのＭＩＢツリー構造は、 ＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃの３つのＭＩＢファイルに分散されて定義され、ネットワークデバイス１０ｂが有するＭＩＢデータベース１２ｂのＭＩＢツリー構造は、ＭＩＢファイル２１ｄ，２１ｅ，２１ｆ，２１ｇの４つのＭＩＢファイル（これらは図示せず）で定義されているというように、それぞれのＭＩＢツリーの構造が複数のＭＩＢファイルに分散されて定義されているのが一般的である。
【００３７】
また、ネットワークデバイス管理ツール２４は、管理データベース処理部２４１、ネットワークデバイス管理処理部２４２、ネットワーク通信機能部２４３などを有している。
【００３８】
管理データベース処理部２４１は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって一般的なタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイル（これをＸＭＬ形式のＭＩＢファイルという）２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・からツリー構造を作成するなどの処理を行う。
【００３９】
ネットワークデバイス管理処理部２４２は、このネットワークデバイス管理ツール２４全般の処理を行うもので、たとえば、管理すべきネットワークデバイスの登録や、登録されているネットワークデバイスがネットワーク１上のどの位置（アドレス）にあるなど、それぞれのネットワークデバイスの管理を行う他、管理データベース処理部２４１によって作成されたツリー構造に基づいて、それぞれのネットワークデバイス対応の管理情報データベース構造定義ファイル（ ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）の構造を把握し、この管理デバイス２０を操作するユーザの入力に基づいて、管理すべきネットワークデバイスに対する管理データ（ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・に対して、データ取得を行うためのデータやデータ更新を行うためのデータなど）を作成して出力する。
【００４０】
ネットワーク通信機能部２４３は、ネットワークデバイス管理処理部２４２から出力される様々な命令や上述の管理データなどを受けると、その宛先であるネットワークデバイスに対する通信情報を作成し、それをネットワーク通信部２５に送る。
【００４１】
このような構成において本発明の処理について説明する。図１の管理デバイス２０に存在するＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、前述したように、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のデータ構造が記述されたファイル（ＡＳＮ１形式での記述）であり、それぞれのデバイスメーカなどから提供されたものである。
【００４２】
そして、このＡＳＮ１形式のＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって、一般的なタグ付き構造化形式（ここでは、ＸＭＬ形式）のファイルに変換され、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・として出力される。
【００４３】
この管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２が行う概略的な処理手順は、図２に示すように、まず、ある管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を読み込んで（ステップｓ１）、読み込んだＭＩＢファイルをタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）に変換し（ステップｓ２）、 そのＸＭＬ形式のＭＩＢファイルを出力する（ステップｓ３）。
【００４４】
図３は図２のステップｓ２の処理、すなわち、読み込んだＭＩＢファイルをタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）に変換する処理を詳細に説明するフローチャートである。
【００４５】
図３において、処理対象として読み込んだＭＩＢファイルを入力して（ステップｓ１１）、そのＭＩＢファイルを開き（ステップｓ１２）、そのＭＩＢファイルから１つの変換単位としての１行の文字列を読み込んで（ステップｓ１３）、制御表リストの作成を行う（ステップｓ１４）。
【００４６】
この制御表リストは、読み込まれた１行の文字列ごとに作成されるもので、その内容は図４に示すような内容となっている。この図４の制御表リストは、ある１つの変換単位としての１行の文字列に対するものである。
【００４７】
その制御表リストの内容は、図４に示すように、項目名記述欄Ｃ１と項目に対するデータ内容記述欄Ｃ２とで構成され、項目名記述欄Ｃ１には変換処理を行うために必要な項目が書き込まれ、データ内容記述欄Ｃ２には項目名記述欄Ｃ１に書き込まれた項目名に対するデータ内容が書き込まれる。
【００４８】
項目名記述欄Ｃ１に書き込まれる項目名としては、前に存在する制御表リストのポインタ（前ポインタという）、後に存在する制御表リストのポインタ（後ポインタという）、変換対象として読み込まれた変換前の１行の文字列、その変換前の文字列を変換処理（ＸＭＬ形式に変換処理）した後のＸＭＬ形式文字列、処理関数名などがある。
【００４９】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる前ポインタに対するデータ内容は、それより前に存在する制御表リストのアドレス、後ポインタに対するデータ内容は、それより後に存在する制御表リストのアドレスであり、これらのアドレスによって、当該制御表リストの位置が示される。
【００５０】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる変換前の１行の文字列に対するデータ内容は、ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルから読み込まれた変換前の１行の文字列であり、また、変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容は、ＸＭＬ形式に変換されたあとの１行の文字列であるが、このステップｓ１４の段階、つまり、制御表リスト作成段階では、まだ変換処理がなされていないので、変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄Ｃ２は空欄となっている。
【００５１】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる処理関数名に対するデータ内容は、読み込んだ１行の文字列に対してその文字列にどのような処理を施すかを示す関数であり、たとえば、その文字列がデータ部分であればタグを付けたり、データ部分でなければ意味のないコメント文で表すなど、読み込んだそれぞれ行ごとに場合分けを行って、どのような処理を施すかを示す情報がデータ内容記述欄Ｃ２に記述される。
【００５２】
この図４に示すような制御表リストの作成が行われると、次に、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行の読み込みが終了したか否かを判断し（ステップｓ１５）、終了していなければ、次の１行を読み込んで、その１行に対する制御リストの作成を行うという作業を繰り返し行う。つまり、これによって、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行についての制御表リストの作成がなされる。
【００５３】
そして、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行についての制御表リストの作成が終了すると、そのＭＩＢファイルを閉じる（ステップｓ１６）。次に、現在処理対象となっている１行の文字列に対する制御表リストに記述されている処理関数を読み出し（ステップｓ１７）、その処理関数に従って、当該１行分の文字列に対してＸＭＬ形式への変換を行ってそれを制御表リストの空欄となっている部分（変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄）に書き込む（ステップｓ１８）。
【００５４】
そして、すべての制御表リストに対する処理（それぞれの制御表リストに記述されている変換前の１行の文字列に対するＸＭＬ変換処理）が終了したか否かを判断し（ステップｓ１９）、終了していなければ、ステップｓ１７に戻って、その制御表リストから処理関数を読み出し、その処理関数に従って、当該１行分の文字列に対してＸＭＬ形式への変換を行ってそれを制御表リストの空欄となっている部分（変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄）に書き込む処理を繰り返し行う（ステップｓ１７，ｓ１８）。
【００５５】
一方、すべての制御表リストの変換処理が終了していれば、それぞれ制御表リストからＸＭＬ形式で記述された１行分の文字列を取得して（ステップｓ２０）、それを変換後のＭＩＢファイルに記述して行く（ステップｓ２１）。そして、すべての行（すべての制御表リスト）に対して、その処理が終了したか否かを判断して（ステップｓ２２）、処理が終了していなければ、ステップｓ２０に戻って、制御表リストからＸＭＬ形式で記述された１行分の文字列を取得して、それを変換後のＭＩＢファイルに記述して行く処理（ステップｓ２０，ｓ２１）を繰り返し行う。
【００５６】
そして、すべての文字列に対してその処理が終了したら、そのＸＭＬ形式に変換されたＭＩＢファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）を管理デバイス２０に搭載されているハードディスクなどの記憶手段（図示せず）に保存するとともに、その保存先などを示すアドレス情報などをネットワークデバイス管理ツール２４のデータベース（図示せず）に登録する（ステップｓ２３）。
【００５７】
以上の処理によって、ある１つのＭＩＢファイルについてのＸＭＬ形式への変換処理が終了する。これを処理対象として読み込まれたすべてのＭＩＢファイルについて行うことで、 ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイル２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、・・・は、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換され（図１参照）、このＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、上述したように、管理デバイス２０内のハードディスクなどの記憶手段に保存され、それによって、ネットワークデバイス管理ツール２４がそのＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・を利用できるようになる。
【００５８】
図５（ａ）は変換前のＭＩＢファイル（ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイル）を部分的に抜粋した一例を示すもので、このようなＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルを管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって、上述したような処理手順にて変換すると、図５（ｂ）のようなＸＭＬ形式のＭＩＢファイル内容となる。ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルは、objectID（項目のアドレス）を得るためには、上位の項目を辿らないと、目的とする項目に到達できないが、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイルでは、項目のobjectID、上位の項目のobjectID共に、そのまま利用できる形式で記述される。
【００５９】
また、図６はＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに使用されるタグの一例を示すもので、ファイル全体に対するタグとして＜mibfile＞を用い（その意味はファイルの開始と終了を意味する）、また、デバイス名に対するタグとして＜devicename＞を用い、また、ファイルのインポートを意味するタグとして＜import＞を用い、ファイル内に定義されているオブジェクト名を意味するタグとして＜objectname＞を用いるというように、それぞれの内容に応じて、ユーザによって任意に定義されたタグを用いることができる。
【００６０】
なお、この図６の備考欄に示されるように、タグ付けすべきデータとして必ず存在するデータもあれば、ファイル内容によっては、必ずしも存在しないデータもあるので、それに伴って必須のタグと必須ではないタグもある。たとえば、ファイルの開始や終了を意味するタグは必須であるが、ファイルのインポート（import）を意味するタグやファイルのエクスポート（export）を意味するタグ、さらには、データの型を定義するタグなどは不必要となる場合もある。
【００６１】
また、その備考欄に記述された※印は、この図６に示されるタグの一例において、例外など特記事項ともいえる内容の存在を示しており、※１は値を持たないノードの場合はそれに対するタグは存在しないことを示している。また、※２はdatatypeが文字列を意味する値であればデータのサイズを表し、数値を意味する値であればデータの範囲を表し、また、固定値（複数可）であればすべて固定値を表すことを示している。また、※３はリンク方法によって、タグ自体の有無や状態（必須であるかなど）が決定されることを示している。
【００６２】
また、ＤＴＤ（Document Type Definition）をＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに貼付する場合には、タグの順序も決められるが、その場合は、この図６で記述している順とする。
【００６３】
ところで、管理デバイス２０を用いて、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・の中のあるネットワークデバイスを管理する場合には、ネットワークデバイス管理ツール２４の管理データベース処理部２４１の機能を用いて、その管理対象となるネットワークデバイスに対するＸＭＬ形式のＭＩＢファイルから、ＭＩＢデータベースのデータ構造（ＭＩＢツリー）を表示させる。そして、ユーザはそのＭＩＢツリーを見て、データ閲覧やデータ設定などのデータ操作を行いたい項目の指定と、それに対する管理内容（たとえば、データを取得するのか、データに対しユーザが何らかの設定を行うのかなど）を選択する。
【００６４】
これによって、ネットワークデバイス管理ツール２４は、管理対象となるネットワークデバイスとの間で通信を行い、ユーザの指定した項目について、ユーザの選択した管理内容（データの取得やデータに対する設定など）に基づいた処理を行う。
【００６５】
以上は、ＭＩＢツリーを用いてユーザがあるネットワークデバイスの管理情報データベースの情報取得や情報の設定などを行う処理であったが、本発明は、ネットワークデバイスの仕様変更などにより、そのネットワークデバイスのＭＩＢデータベースが変更され、それに伴って、ＭＩＢファイルが変更された場合でも、その変更に対してユーザ側で柔軟に対応できるようになる。
【００６６】
前述したように、ＭＩＢデータベースのＭＩＢデータ構造が変化した場合には、ユーザは最新のＭＩＢファイルをデバイスメーカから入手し、そのＭＩＢファイルに対し、そのネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換するための変換作業を行わなければならない。また、最新のＭＩＢファイルが入手できない場合には、ユーザ自身でＭＩＢファイルを編集しなければならない。このＭＩＢファイルは簡単には編集できないことは既に述べたとおりである。
【００６７】
本発明は、図１で示すように、それぞれのＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２でＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換されたファイルとなっている。このＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、一般のテキストエディタなどを用いて容易に編集を行うことができるので、 ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のＭＩＢデータ構造が変更された場合でも柔軟に対応できる。
【００６８】
また、このようにして作成されたＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、本発明のネットワークデバイス管理ツール２４でのファイル処理だけではなく、一般のＸＭＬファイル閲覧ソフトウエアを用いることによっても、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・に対応するＭＩＢデータベースのＭＩＢデータ構造を表示したり、把握したりすることができる。
【００６９】
このように、本発明では、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイル（ＸＭＬ形式のファイル）に変換することで、ＭＩＢファイルの変更などに柔軟に対応できるようになり、かつ、そのＭＩＢファイルを利用するネットワークデバイス管理ソフトウエアを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応できるようになる。
【００７０】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、前述の実施の形態では、タグ付き構造化形式としてＸＭＬを用いた例について説明したが、これに準じた形式のタグ付き構造化形式であれば本発明に適用することが可能である。
【００７１】
また、本発明は、以上説明した本発明を実現するための処理手順が記述された処理プログラムを作成し、その処理プログラムをフロッピィディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させておくことができ、本発明はその処理プログラムが記録された記録媒体をも含むものである。また、ネットワークから当該処理プログラムを得るようにしてもよい。
【００７２】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイルに変換するようにしている。このタグ付き構造化形式に変換されたＭＩＢファイルは、汎用性のある一般的なネットワークデバイス管理ツールで利用することができるので、一般的なネットワークデバイス管理ツールを用いて、ネットワークデバイスの管理情報データベース内に保存されたＭＩＢデータを閲覧したり、そのＭＩＢデータを操作したりといったデータ管理が可能となる。
【００７３】
これによって、管理デバイスは、それに搭載されるネットワークデバイス管理ツールを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応することができるようになり、汎用性に優れたシステムとすることができる。
【００７４】
また、タグ付き構造化データに変換されたＭＩＢファイルは、一般のテキストエディタなどによって編集することができるので、管理データベース構成ファイルの内容が更新されてた場合でも、ユーザ側で柔軟に対応することができる。
【００７５】
また、タグ付き構造化形式としてはＸＭＬを用いることができる。ＸＭＬはユーザ自身がタグを定義することができるので、ＭＩＢファイルの編集をユーザ自身が行う場合、編集をし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のネットワークデバイス管理システムの実施の形態を説明する構成図である。
【図２】図１で示した管理情報データベース構造定義ファイル変換部が行う変換処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図３】図２で示した管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）をＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに変換する際の処理手順を詳細に説明するフローチャートである。
【図４】図３で示した処理過程において作成される制御表リストについて説明する図である。
【図５】（ａ）は変換前のＭＩＢファイル（抜粋）を示す図であり、（ｂ）はＸＭＬ形式のファイルに変換したあとのＭＩＢファイル（抜粋）を示す図である。
【図６】 あるＭＩＢファイルをＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに変換した場合に使用するタグについて説明する図である。
【図７】管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）の構造をツリー構造（ＭＩＢツリー）で表した例を示す図である。
【符号の説明】
１ ネットワーク
１０ａ，１０ｂ，・・・ ネットワークデバイス
１１ａ，１１ｂ，・・・ ネットワーク通信部
１２ａ，１２ｂ，・・・ 管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）
２０ 管理デバイス
２１ａ，２１ｂ，・・・ 管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）
２２ 管理情報データベース構造定義ファイル変換部
２３ａ，２３ｂ，・・・ ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル
２４ ネットワークデバイス管理ツール
２４１ 管理データベース処理部
２４２ ネットワークデバイス管理処理部
２４３ ネットワーク通信機能部
２５ ネットワーク通信部
Ｃ１ 制御表リストの項目名記述欄
Ｃ２ 制御表リストのデータ内容記述欄
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークデバイスの管理を行うネットワークデバイス管理方法およびネットワークデバイス管理システムならびにネットワークデバイスを管理するための処理プログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ネットワークに接続された多数のデバイス（これをここではネットワークデバイスと呼び、たとえば、パーソナルコンピュータやプリンタなどである）を一括して管理するシステムがある。
【０００３】
ここで、管理対象となるデータとしては、たとえば、管理対象となるネットワークデバイスがパーソナルコンピュータ（ＰＣという）であれば、そのＰＣがネットワークから取得したデータなどそのＰＣに関する様々なデータであり、また、管理対象となるネットワークデバイスがプリンタであれば、そのプリンタのインク残量などプリンタに関する様々なデータなどである。なお、それぞれのネットワークデバイスは、管理対象となるデータを蓄積する管理情報データベースをそれぞれ有している。
【０００４】
そして、ネットワークデバイスを管理する側（以下、管理デバイスという）では、ネットワークデバイス管理ソフトウエアや、そのツールの１つであるＭＩＢ（Management Information Base）ブラウザを用いて、ネットワークデバイス側の管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）にアクセスして、管理対象となるデータ（ＭＩＢデータ）を閲覧したり、データ設定などのデータ操作を行うことができる。
【０００５】
このとき、このネットワークデバイス管理システムを使用して、ネットワークデバイスの管理を行うユーザは、管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）の構造を知るために、ＡＳＮ１という標準形式で記述された管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）をそれぞれのデバイスメーカから入手して、それをそのネットワークデバイス管理システム独自の形態に変換して利用している。
【０００６】
なお、ＭＩＢデータベースは図７に示すようなツリー構造となっており、ツリーの末端部にそのネットワークデバイス固有のデータが保存され、その場所は、オブジェクトＩＤと呼ばれるアドレスを用いて指定される。このＭＩＢデータベースの構造を表すものが、上述のＭＩＢファイルである。
【０００７】
ところで、あるネットワークデバイスの仕様などが変更され、ＭＩＢデータの構造が変わった場合には、そのＭＩＢデータを管理するデバイスメーカは新たなＭＩＢファイルを作成し、それをユーザに提供する。ユーザは変更後の新たなＭＩＢファイルを入手したら、入手したＭＩＢファイルをそのネットワークデバイス管理システム独自の形態に変換することで、そのＭＩＢファイルを利用することができるようになる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のこの種のネットワークデバイス管理システムでは、ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルをそれぞれのメーカ独自の形式に変換しているため、メーカ間に互換性がなく、そのため、ネットワークデバイスのＭＩＢデータベースを見るには、メーカに対応した専用のＭＩＢブラウザというソフトウエアが必要であった。
【０００９】
また、上述したように、ネットワークデバイスの仕様が変更されたりして、ＭＩＢデータが更新された場合には、その都度、ユーザは最新のＭＩＢファイルを入手し、入手したＭＩＢファイルをそのネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換する作業を行わなければならない。
【００１０】
なお、最新のＭＩＢファイルが入手できない場合には、ユーザ自身でＭＩＢファイルを編集し直して、変更に対応したＭＩＢファイルとする作業を行う必要がある。
【００１１】
このＭＩＢファイルの編集作業を行う際は、変換前のＭＩＢファイル（ネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換する前のＭＩＢファイル）か変換後のＭＩＢファイル（ネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換したあとのＭＩＢファイル）のどちらかを用いて編集すればよいが、変換前のＭＩＢファイルは世界標準であるＡＳＮ１形式で記述されたファイルであり、そのＡＳＮ１形式が難解であるので、簡単には編集できないのが普通である。一方、変換後のＭＩＢファイルはＡＳＮ１形式のＭＩＢファイルをそのメーカ独自の形態に変換されたファイルとなっているため、変換されたファイル内の構造が不明であり、これも簡単には編集できないのが普通である。
【００１２】
そこで本発明は、管理情報データベース構造定義（ＭＩＢファイル）を一般的な形式のデータに変換することで、ＭＩＢファイルの変更などに柔軟に対応できるようにし、かつ、そのＭＩＢファイルを利用するネットワークデバイス管理ソフトウエアを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応できるようにすることを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のネットワークデバイス管理方法は、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムにおけるネットワークデバイス管理方法であって、前記管理デバイス側では、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理ツールが前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するようにしている。
【００１４】
このようなネットワークデバイス管理方法において、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表し、このツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を可能としている。
【００１５】
また、このネットワークデバイス管理方法において、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００１６】
また、このネットワークデバイス管理方法において、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
【００１７】
また、本発明のネットワークデバイス管理システムは、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムであって、前記管理デバイスは、管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する管理情報データベース構造定義ファイ変換部を設け、読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをこの管理情報データベース構造定義ファイ変換部がタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理ツールが前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理するようにしている。
【００１８】
このようなネットワークデバイス管理システムにおいて、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表わすことが可能な管理データベース処理部を有するとともに、そのツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能とするネットワークデバイス管理処理部とを有している。
【００１９】
また、このネットワークデバイス管理システムにおいて、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００２０】
また、このネットワークデバイス管理システムにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
【００２１】
また、本発明のネットワークデバイスを管理するための処理プログラムは、管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムに用いられるネットワークデバイスを管理するための処理プログラムであって、その処理プログラムは、前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み込んで、その読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理手順と、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理手段が前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理する処理手順とを含むものである。
【００２２】
このようなネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された前記管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表し、このツリー構造に基づいて、それに対応するデバイスの管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能としている。
【００２３】
また、このネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理工程と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含むものである。
【００２４】
また、このネットワークデバイスを管理するための処理プログラムにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式としている。
また、本発明の管理デバイスは、ネットワークを介してネットワークデバイスが保有する管理情報データベースを管理する管理デバイスであって、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを記憶する第１記憶部と、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記タグ付き構造化形式のファイルを記憶する第２記憶部と、前記タグ付き構造化形式のファイルを用いて前記管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の管理デバイスは、ネットワークを介してネットワークデバイスが保有する管理情報データベースを管理する管理デバイスであって、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する変換部と、前記タグ付き構造化形式のファイルを用いて前記管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理部とを備えることを特徴とする。
このような管理デバイスにおいて、前記ネットワークデバイス管理部は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造として表す管理データベース処理部と、
このツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を行うネットワークデバイス管理処理部とを備えることを特徴とする。
また、この管理デバイスにおいて、前記変換部は、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記位置を示す位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの変換後文字列を読み出して、それを変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理と、を行うことを特徴とする。
また、この管理デバイスにおいて、前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ（eXtensible Markup Language）形式であることを特徴とする。
【００２５】
このように本発明は、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイルに変換するようにしている。このタグ付き構造化形式に変換されたＭＩＢファイルは、汎用性のある一般的なネットワークデバイス管理ツールで利用することができるので、一般的なネットワークデバイス管理ツールを用いて、ネットワークデバイスの管理情報データベース内に保存されたＭＩＢデータを閲覧したり、そのＭＩＢデータを操作したりといったデータ管理が可能となる。
【００２６】
これによって、管理デバイスは、それに搭載されるネットワークデバイス管理ツールを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応することができるようになり、汎用性に優れたシステムとすることができる。
【００２７】
また、タグ付き構造化データに変換されたＭＩＢファイルは、一般のテキストエディタなどによって編集することができるので、管理情報データベース構造定義ファイルの内容が更新されてた場合でも、ユーザ側で柔軟に対応することができる。
【００２８】
また、タグ付き構造化形式としてはＸＭＬを用いることができる。ＸＭＬはユーザ自身がタグを定義することができるので、ＭＩＢファイルの編集をユーザ自身が行う場合、編集をし易くすることができる。
【００２９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態で説明する内容は、本発明のネットワークデバイス管理方法およびネットワークデバイス管理システムならびにネットワークデバイスを管理するための処理プログラムの具体的な処理内容をも含むものである。
【００３０】
図１は本発明のネットワークデバイス管理システムを説明する図であり、大きく分けると、ネットワーク１に接続された多数のネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・と、これら各ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・ を一括して管理する管理デバイス（管理デバイスとしてはＰＣを用いることが可能である）２０とで構成されている。
【００３１】
それぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・は、それぞれのネットワークデバイスとしての本来の機能（ＰＣであればＰＣとしての機能、プリンタであればプリンタとしての機能）を果たすデバイス機能部（図示せず）が存在する他、本発明に関係する構成要素として、ネットワーク通信部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，・・・と管理情報データベース（以下ではＭＩＢデータベースという）１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・がそれぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・ごとに設けられている。
【００３２】
ネットワーク通信部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，・・・は、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・とネットワーク１とを物理的に接続して、他のネットワークデバイスや管理デバイス２０との間で通信を可能とするものである。
【００３３】
また、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・は、前述したように、それぞれのネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・が自身の持つ様々なデータ（以下ではＭＩＢデータという）を蓄積するものであり、そのデータ構造はツリー構造となっており、そのときの状況に応じて、データの一部が削除されたり追加されたりといったデータ更新がしばしばなされる可能性がある。
【００３４】
一方、管理デバイス２０は、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のデータ構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイル（以下では、ＭＩＢファイルという）２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・を、一般的なタグ付き構造化形式のファイル（この実施の形態ではＸＭＬ形式のファイルとする）２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換する管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２と、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・の管理を行うネットワーク管理手段としてのネットワークデバイス管理ツール２４と、管理デバイス２０とネットワーク１とを物理的に接続して各ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・との間で通信を可能とするネットワーク通信部２５とを有した構成となっている。
【００３５】
ＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・の構造が記述（ＡＳＮ１形式での記述）されたファイルであり、それぞれ対応するデバイスメーカなどから提供される。なお、このＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、 ＭＩＢデータベース１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、・・・にそれぞれが１対１で対応するとは限らない。
【００３６】
すなわち、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・のそれぞれのＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・は、それぞれのＭＩＢツリーの構造が複数のＭＩＢファイルに分散されて定義されているのが普通である。たとえば、ネットワークデバイス１０ａが有するＭＩＢデータベース１２ａのＭＩＢツリー構造は、 ＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃの３つのＭＩＢファイルに分散されて定義され、ネットワークデバイス１０ｂが有するＭＩＢデータベース１２ｂのＭＩＢツリー構造は、ＭＩＢファイル２１ｄ，２１ｅ，２１ｆ，２１ｇの４つのＭＩＢファイル（これらは図示せず）で定義されているというように、それぞれのＭＩＢツリーの構造が複数のＭＩＢファイルに分散されて定義されているのが一般的である。
【００３７】
また、ネットワークデバイス管理ツール２４は、管理データベース処理部２４１、ネットワークデバイス管理処理部２４２、ネットワーク通信機能部２４３などを有している。
【００３８】
管理データベース処理部２４１は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって一般的なタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイル（これをＸＭＬ形式のＭＩＢファイルという）２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・からツリー構造を作成するなどの処理を行う。
【００３９】
ネットワークデバイス管理処理部２４２は、このネットワークデバイス管理ツール２４全般の処理を行うもので、たとえば、管理すべきネットワークデバイスの登録や、登録されているネットワークデバイスがネットワーク１上のどの位置（アドレス）にあるなど、それぞれのネットワークデバイスの管理を行う他、管理データベース処理部２４１によって作成されたツリー構造に基づいて、それぞれのネットワークデバイス対応の管理情報データベース構造定義ファイル（ ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）の構造を把握し、この管理デバイス２０を操作するユーザの入力に基づいて、管理すべきネットワークデバイスに対する管理データ（ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・に対して、データ取得を行うためのデータやデータ更新を行うためのデータなど）を作成して出力する。
【００４０】
ネットワーク通信機能部２４３は、ネットワークデバイス管理処理部２４２から出力される様々な命令や上述の管理データなどを受けると、その宛先であるネットワークデバイスに対する通信情報を作成し、それをネットワーク通信部２５に送る。
【００４１】
このような構成において本発明の処理について説明する。図１の管理デバイス２０に存在するＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、前述したように、ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のデータ構造が記述されたファイル（ＡＳＮ１形式での記述）であり、それぞれのデバイスメーカなどから提供されたものである。
【００４２】
そして、このＡＳＮ１形式のＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって、一般的なタグ付き構造化形式（ここでは、ＸＭＬ形式）のファイルに変換され、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・として出力される。
【００４３】
この管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２が行う概略的な処理手順は、図２に示すように、まず、ある管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を読み込んで（ステップｓ１）、読み込んだＭＩＢファイルをタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）に変換し（ステップｓ２）、 そのＸＭＬ形式のＭＩＢファイルを出力する（ステップｓ３）。
【００４４】
図３は図２のステップｓ２の処理、すなわち、読み込んだＭＩＢファイルをタグ付き構造化形式（ＸＭＬ形式）のファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）に変換する処理を詳細に説明するフローチャートである。
【００４５】
図３において、処理対象として読み込んだＭＩＢファイルを入力して（ステップｓ１１）、そのＭＩＢファイルを開き（ステップｓ１２）、そのＭＩＢファイルから１つの変換単位としての１行の文字列を読み込んで（ステップｓ１３）、制御表リストの作成を行う（ステップｓ１４）。
【００４６】
この制御表リストは、読み込まれた１行の文字列ごとに作成されるもので、その内容は図４に示すような内容となっている。この図４の制御表リストは、ある１つの変換単位としての１行の文字列に対するものである。
【００４７】
その制御表リストの内容は、図４に示すように、項目名記述欄Ｃ１と項目に対するデータ内容記述欄Ｃ２とで構成され、項目名記述欄Ｃ１には変換処理を行うために必要な項目が書き込まれ、データ内容記述欄Ｃ２には項目名記述欄Ｃ１に書き込まれた項目名に対するデータ内容が書き込まれる。
【００４８】
項目名記述欄Ｃ１に書き込まれる項目名としては、前に存在する制御表リストのポインタ（前ポインタという）、後に存在する制御表リストのポインタ（後ポインタという）、変換対象として読み込まれた変換前の１行の文字列、その変換前の文字列を変換処理（ＸＭＬ形式に変換処理）した後のＸＭＬ形式文字列、処理関数名などがある。
【００４９】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる前ポインタに対するデータ内容は、それより前に存在する制御表リストのアドレス、後ポインタに対するデータ内容は、それより後に存在する制御表リストのアドレスであり、これらのアドレスによって、当該制御表リストの位置が示される。
【００５０】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる変換前の１行の文字列に対するデータ内容は、ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルから読み込まれた変換前の１行の文字列であり、また、変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容は、ＸＭＬ形式に変換されたあとの１行の文字列であるが、このステップｓ１４の段階、つまり、制御表リスト作成段階では、まだ変換処理がなされていないので、変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄Ｃ２は空欄となっている。
【００５１】
また、データ内容記述欄Ｃ２に書き込まれる処理関数名に対するデータ内容は、読み込んだ１行の文字列に対してその文字列にどのような処理を施すかを示す関数であり、たとえば、その文字列がデータ部分であればタグを付けたり、データ部分でなければ意味のないコメント文で表すなど、読み込んだそれぞれ行ごとに場合分けを行って、どのような処理を施すかを示す情報がデータ内容記述欄Ｃ２に記述される。
【００５２】
この図４に示すような制御表リストの作成が行われると、次に、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行の読み込みが終了したか否かを判断し（ステップｓ１５）、終了していなければ、次の１行を読み込んで、その１行に対する制御リストの作成を行うという作業を繰り返し行う。つまり、これによって、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行についての制御表リストの作成がなされる。
【００５３】
そして、読み込まれたＭＩＢファイルの全ての行についての制御表リストの作成が終了すると、そのＭＩＢファイルを閉じる（ステップｓ１６）。次に、現在処理対象となっている１行の文字列に対する制御表リストに記述されている処理関数を読み出し（ステップｓ１７）、その処理関数に従って、当該１行分の文字列に対してＸＭＬ形式への変換を行ってそれを制御表リストの空欄となっている部分（変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄）に書き込む（ステップｓ１８）。
【００５４】
そして、すべての制御表リストに対する処理（それぞれの制御表リストに記述されている変換前の１行の文字列に対するＸＭＬ変換処理）が終了したか否かを判断し（ステップｓ１９）、終了していなければ、ステップｓ１７に戻って、その制御表リストから処理関数を読み出し、その処理関数に従って、当該１行分の文字列に対してＸＭＬ形式への変換を行ってそれを制御表リストの空欄となっている部分（変換後のＸＭＬ形式文字列に対するデータ内容記述欄）に書き込む処理を繰り返し行う（ステップｓ１７，ｓ１８）。
【００５５】
一方、すべての制御表リストの変換処理が終了していれば、それぞれ制御表リストからＸＭＬ形式で記述された１行分の文字列を取得して（ステップｓ２０）、それを変換後のＭＩＢファイルに記述して行く（ステップｓ２１）。そして、すべての行（すべての制御表リスト）に対して、その処理が終了したか否かを判断して（ステップｓ２２）、処理が終了していなければ、ステップｓ２０に戻って、制御表リストからＸＭＬ形式で記述された１行分の文字列を取得して、それを変換後のＭＩＢファイルに記述して行く処理（ステップｓ２０，ｓ２１）を繰り返し行う。
【００５６】
そして、すべての文字列に対してその処理が終了したら、そのＸＭＬ形式に変換されたＭＩＢファイル（ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル）を管理デバイス２０に搭載されているハードディスクなどの記憶手段（図示せず）に保存するとともに、その保存先などを示すアドレス情報などをネットワークデバイス管理ツール２４のデータベース（図示せず）に登録する（ステップｓ２３）。
【００５７】
以上の処理によって、ある１つのＭＩＢファイルについてのＸＭＬ形式への変換処理が終了する。これを処理対象として読み込まれたすべてのＭＩＢファイルについて行うことで、 ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイル２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、・・・は、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換され（図１参照）、このＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、上述したように、管理デバイス２０内のハードディスクなどの記憶手段に保存され、それによって、ネットワークデバイス管理ツール２４がそのＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・を利用できるようになる。
【００５８】
図５（ａ）は変換前のＭＩＢファイル（ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイル）を部分的に抜粋した一例を示すもので、このようなＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルを管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２によって、上述したような処理手順にて変換すると、図５（ｂ）のようなＸＭＬ形式のＭＩＢファイル内容となる。ＡＳＮ１形式で記述されたＭＩＢファイルは、objectID（項目のアドレス）を得るためには、上位の項目を辿らないと、目的とする項目に到達できないが、ＸＭＬ形式のＭＩＢファイルでは、項目のobjectID、上位の項目のobjectID共に、そのまま利用できる形式で記述される。
【００５９】
また、図６はＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに使用されるタグの一例を示すもので、ファイル全体に対するタグとして＜mibfile＞を用い（その意味はファイルの開始と終了を意味する）、また、デバイス名に対するタグとして＜devicename＞を用い、また、ファイルのインポートを意味するタグとして＜import＞を用い、ファイル内に定義されているオブジェクト名を意味するタグとして＜objectname＞を用いるというように、それぞれの内容に応じて、ユーザによって任意に定義されたタグを用いることができる。
【００６０】
なお、この図６の備考欄に示されるように、タグ付けすべきデータとして必ず存在するデータもあれば、ファイル内容によっては、必ずしも存在しないデータもあるので、それに伴って必須のタグと必須ではないタグもある。たとえば、ファイルの開始や終了を意味するタグは必須であるが、ファイルのインポート（import）を意味するタグやファイルのエクスポート（export）を意味するタグ、さらには、データの型を定義するタグなどは不必要となる場合もある。
【００６１】
また、その備考欄に記述された※印は、この図６に示されるタグの一例において、例外など特記事項ともいえる内容の存在を示しており、※１は値を持たないノードの場合はそれに対するタグは存在しないことを示している。また、※２はdatatypeが文字列を意味する値であればデータのサイズを表し、数値を意味する値であればデータの範囲を表し、また、固定値（複数可）であればすべて固定値を表すことを示している。また、※３はリンク方法によって、タグ自体の有無や状態（必須であるかなど）が決定されることを示している。
【００６２】
また、ＤＴＤ（Document Type Definition）をＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに貼付する場合には、タグの順序も決められるが、その場合は、この図６で記述している順とする。
【００６３】
ところで、管理デバイス２０を用いて、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・の中のあるネットワークデバイスを管理する場合には、ネットワークデバイス管理ツール２４の管理データベース処理部２４１の機能を用いて、その管理対象となるネットワークデバイスに対するＸＭＬ形式のＭＩＢファイルから、ＭＩＢデータベースのデータ構造（ＭＩＢツリー）を表示させる。そして、ユーザはそのＭＩＢツリーを見て、データ閲覧やデータ設定などのデータ操作を行いたい項目の指定と、それに対する管理内容（たとえば、データを取得するのか、データに対しユーザが何らかの設定を行うのかなど）を選択する。
【００６４】
これによって、ネットワークデバイス管理ツール２４は、管理対象となるネットワークデバイスとの間で通信を行い、ユーザの指定した項目について、ユーザの選択した管理内容（データの取得やデータに対する設定など）に基づいた処理を行う。
【００６５】
以上は、ＭＩＢツリーを用いてユーザがあるネットワークデバイスの管理情報データベースの情報取得や情報の設定などを行う処理であったが、本発明は、ネットワークデバイスの仕様変更などにより、そのネットワークデバイスのＭＩＢデータベースが変更され、それに伴って、ＭＩＢファイルが変更された場合でも、その変更に対してユーザ側で柔軟に対応できるようになる。
【００６６】
前述したように、ＭＩＢデータベースのＭＩＢデータ構造が変化した場合には、ユーザは最新のＭＩＢファイルをデバイスメーカから入手し、そのＭＩＢファイルに対し、そのネットワークデバイス管理システム独自の形式に変換するための変換作業を行わなければならない。また、最新のＭＩＢファイルが入手できない場合には、ユーザ自身でＭＩＢファイルを編集しなければならない。このＭＩＢファイルは簡単には編集できないことは既に述べたとおりである。
【００６７】
本発明は、図１で示すように、それぞれのＭＩＢファイル２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，・・・は、管理情報データベース構造定義ファイル変換部２２でＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・に変換されたファイルとなっている。このＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、一般のテキストエディタなどを用いて容易に編集を行うことができるので、 ＭＩＢデータベース１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，・・・のＭＩＢデータ構造が変更された場合でも柔軟に対応できる。
【００６８】
また、このようにして作成されたＸＭＬ形式のＭＩＢファイル２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，・・・は、本発明のネットワークデバイス管理ツール２４でのファイル処理だけではなく、一般のＸＭＬファイル閲覧ソフトウエアを用いることによっても、ネットワークデバイス１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，・・・に対応するＭＩＢデータベースのＭＩＢデータ構造を表示したり、把握したりすることができる。
【００６９】
このように、本発明では、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイル（ＸＭＬ形式のファイル）に変換することで、ＭＩＢファイルの変更などに柔軟に対応できるようになり、かつ、そのＭＩＢファイルを利用するネットワークデバイス管理ソフトウエアを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応できるようになる。
【００７０】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、前述の実施の形態では、タグ付き構造化形式としてＸＭＬを用いた例について説明したが、これに準じた形式のタグ付き構造化形式であれば本発明に適用することが可能である。
【００７１】
また、本発明は、以上説明した本発明を実現するための処理手順が記述された処理プログラムを作成し、その処理プログラムをフロッピィディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させておくことができ、本発明はその処理プログラムが記録された記録媒体をも含むものである。また、ネットワークから当該処理プログラムを得るようにしてもよい。
【００７２】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）を一般的なタグ付き構造化形式のファイルに変換するようにしている。このタグ付き構造化形式に変換されたＭＩＢファイルは、汎用性のある一般的なネットワークデバイス管理ツールで利用することができるので、一般的なネットワークデバイス管理ツールを用いて、ネットワークデバイスの管理情報データベース内に保存されたＭＩＢデータを閲覧したり、そのＭＩＢデータを操作したりといったデータ管理が可能となる。
【００７３】
これによって、管理デバイスは、それに搭載されるネットワークデバイス管理ツールを汎用性のある一般的なソフトウエアで対応することができるようになり、汎用性に優れたシステムとすることができる。
【００７４】
また、タグ付き構造化データに変換されたＭＩＢファイルは、一般のテキストエディタなどによって編集することができるので、管理データベース構成ファイルの内容が更新されてた場合でも、ユーザ側で柔軟に対応することができる。
【００７５】
また、タグ付き構造化形式としてはＸＭＬを用いることができる。ＸＭＬはユーザ自身がタグを定義することができるので、ＭＩＢファイルの編集をユーザ自身が行う場合、編集をし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のネットワークデバイス管理システムの実施の形態を説明する構成図である。
【図２】図１で示した管理情報データベース構造定義ファイル変換部が行う変換処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図３】図２で示した管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）をＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに変換する際の処理手順を詳細に説明するフローチャートである。
【図４】図３で示した処理過程において作成される制御表リストについて説明する図である。
【図５】（ａ）は変換前のＭＩＢファイル（抜粋）を示す図であり、（ｂ）はＸＭＬ形式のファイルに変換したあとのＭＩＢファイル（抜粋）を示す図である。
【図６】 あるＭＩＢファイルをＸＭＬ形式のＭＩＢファイルに変換した場合に使用するタグについて説明する図である。
【図７】管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）の構造をツリー構造（ＭＩＢツリー）で表した例を示す図である。
【符号の説明】
１ ネットワーク
１０ａ，１０ｂ，・・・ ネットワークデバイス
１１ａ，１１ｂ，・・・ ネットワーク通信部
１２ａ，１２ｂ，・・・ 管理情報データベース（ＭＩＢデータベース）
２０ 管理デバイス
２１ａ，２１ｂ，・・・ 管理情報データベース構造定義ファイル（ＭＩＢファイル）
２２ 管理情報データベース構造定義ファイル変換部
２３ａ，２３ｂ，・・・ ＸＭＬ形式のＭＩＢファイル
２４ ネットワークデバイス管理ツール
２４１ 管理データベース処理部
２４２ ネットワークデバイス管理処理部
２４３ ネットワーク通信機能部
２５ ネットワーク通信部
Ｃ１ 制御表リストの項目名記述欄
Ｃ２ 制御表リストのデータ内容記述欄
Claims (12)
- 管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムにおけるネットワークデバイス管理方法であって、
前記管理デバイス側では、変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの第1の変換後文字列を読み出して、第１の変換後文字列の前後の第２の変換後文字列の相対位置を示す第２の位置データから、第１の変換後文字列の絶対位置を示す第１の位置データを取得することにより、前記相対位置データを変換し、前記第１の位置データに基づいて第１の変換後文字列を変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とによって前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて、前記ネットワークデバイス管理手段が前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するようにした
ことを特徴とするネットワークデバイス管理方法。 - 前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造として表し、このツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を可能とすることを特徴とする請求項１記載のネットワークデバイス管理方法。
- 前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ（eXtensible Markup Language）形式であることを特徴とする請求項１または２のいずれかに記載のネットワークデバイス管理方法。
- 管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムであって、
前記管理デバイスは、管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する管理情報データベース構造定義ファイル変換部を設け、読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをこの管理情報データベース構造定義ファイル変換部が変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの第1の変換後文字列を読み出して、第１の変換後文字列の前後の第２の変換後文字列の相対位置を示す第２の位置データから、第１の変換後文字列の絶対位置を示す第１の位置データを取得することにより、前記相対位置データを変換し、前記第１の位置データに基づいて第１の変換後文字列を変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含む手順によってタグ付き構造化形式のファイルに変換し、このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理ツールが前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理するようにした
ことを特徴とするネットワークデバイス管理システム。 - 前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造として表すことが可能な管理データベース処理部を有するとともに、そのツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能とするネットワークデバイス管理処理部とを有したことを特徴とする請求項４記載のネットワークデバイス管理システム。
- 前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式であることを特徴とする請求項４または５に記載のネットワークデバイス管理システム。
- 管理情報データベースを搭載したネットワークデバイスと、このネットワークデバイスを管理するネットワークデバイス管理手段を搭載した管理デバイスとを有し、管理デバイス側では、前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを保存し、前記ネットワークデバイス管理手段がその管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイスの管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理システムに用いられるネットワークデバイスを管理するための処理プログラムであって、その処理プログラムは、
変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理手順と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理手順と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理手順と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理手順と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの第1の変換後文字列を読み出して、第１の変換後文字列の前後の第２の変換後文字列の相対位置を示す第２の位置データから、第１の変換後文字列の絶対位置を示す第１の位置データを取得することにより、前記相対位置データを変換し、前記第１の位置データに基づいて第１の変換後文字列を変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理手順とを含む処理によって、前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み込んで、その読み込んだ管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する処理手順と、
このタグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルを用いて前記ネットワークデバイス管理手段が前記ネットワークデバイスの管理情報データベース内のデータを管理する処理手順と、
を含むことを特徴とするネットワークデバイスを管理するための処理プログラム。 - 前記ネットワークデバイス管理手段は、前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造で表わし、このツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定の項目に対する管理を可能とする
ことを特徴とする請求項７記載のネットワークデバイスを管理するための処理プログラム。 - 前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ形式である
ことを特徴とする請求項７または８に記載のネットワークデバイスを管理するための処理プログラム。 - ネットワークを介してネットワークデバイスが保有する管理情報データベースを管理する管理デバイスであって、
前記管理情報データベースの構造が記述された管理情報データベース構造定義ファイルを記憶する第１記憶部と、
変換対象となる前記管理情報データベース構造定義ファイルを読み出して、その管理情報データベース構造定義ファイルから変換対象文字列を１つの変換単位ごとに取得する処理と、取得された１つの変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換するために必要なデータとして、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数、その変換単位の文字列に対する変換後の文字列をそれぞれ取得するための制御表リストを作成して、これら各データのうち、前記変換単位の相対位置を示す相対位置データ、前記変換単位の文字列、その変換単位の文字列に対してどのような変換処理を行うかを示す処理関数を取得して、それらを当該制御表リストに書き込む処理と、これによって作成された制御表リストにおいて、その制御表リストから当該処理関数に基づいて前記変換単位の文字列をタグ付き構造化データに変換する処理と、そのタグ付き構造化データに変換された文字列を、前記変換後文字列として前記制御表リストに書き込む処理と、すべての変換単位の文字列に対応したそれぞれの制御表リストから、それぞれの変換単位ごとの第1の変換後文字列を読み出して、第１の変換後文字列の前後の第２の変換後文字列の相対位置を示す第２の位置データから、第１の変換後文字列の絶対位置を示す第１の位置データを取得することにより、前記相対位置データを変換し、前記第１の位置データに基づいて第１の変換後文字列を変換後の管理情報データベース構造定義ファイルに書き込む処理とを行うことによって、前記管理情報データベース構造定義ファイルをタグ付き構造化形式のファイルに変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記タグ付き構造化形式のファイルを記憶する第２記憶部と、
前記タグ付き構造化形式のファイルを用いて前記管理情報データベースを管理するネットワークデバイス管理部と
を備えることを特徴とする管理デバイス。 - 前記ネットワークデバイス管理部は、
前記タグ付き構造化形式のファイルに変換された管理情報データベース構造定義ファイルに基づいて、前記ネットワークデバイスの管理情報データベースをツリー構造として表す管理データベース処理部と、
このツリー構造に基づいて、当該管理情報データベースの構造を把握し、当該管理情報データベース内の所定項目に対する管理を行うネットワークデバイス管理処理部と
を備えることを特徴とする請求項１０記載の管理デバイス。 - 前記タグ付き構造化形式は、ＸＭＬ（eXtensible Markup Language）形式である
ことを特徴とする請求項１０または１１記載の管理デバイス。
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