JP3985299B2 - 移動通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、周波数分割多重アクセス(以下、「FDMA」という)方式、時分割多重アクセス(以下、「TDMA」という)方式、符号分割多重アクセス(以下、「CDMA」という)方式または時分割CDMA方式を用いた移動通信システムにあって、無線周波数スペクトラムの共用(以下、「周波数共用」という)あるいはフレーム内のタイムスロットの共用(以下、「タイムスロット共用」という)を実現する移動通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムは、例えば移動車載通信装置または移動携帯通信装置(以下、これらを合わせて「移動局」という)と、この移動局と無線チャネルを介して通信する基地局とから構成されている。今後の移動通信システムでは、チャネルの有効利用の観点から、FDMA/TDMA/CDMA等の異なる無線方式による「周波数共用」、「タイムスロット共用」がますます進む可能性がある。
【0003】
既にCDMA方式では異なる拡散符号間での周波数共用は実施されている。
【0004】
また、同一タイムスロット中にTDMA信号と時分割CDMA信号とをタイムスロット共用する移動通信システム、さらに、同一タイムスロット中にTDMA信号と時分割CDMA信号とをタイムスロット共用し、かつ周波数共用する移動通信システムに関しては、現在我々が提案している(出願済み)。
【0005】
また、複数のCDMA信号を共用するシステムに関しては、例えば米国特許US5,363,403 ”Spread Spectrum CDMA Subtractive Interference Canceler and Method” (IDC社、by D.L.Schilling et al.、Filed:Apr.22,1993)に開示されている。しかしこの特許では、時分割CDMA方式を取り扱う方法が開示されていない。
【0006】
また、時分割CDMA方式におけるアダプティブ・フィルタに関しては、例えば米国特許US5,511,068 ”Mobile Communication System capable of Transmitting and Receiving a Radio Signal obtained by TDMA and CDMA without Interference” (NTT社、by T.Sato、Filed:Dec.6,1994)に開示されている。しかしこの特許では、1つのタイムスロットの中でCDMA信号とTDMA信号とが周波数共用した場合には言及されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の移動通信システムでは、共通の周波数、タイムスロットを複数の異なるTDMA信号が共用し、さらに前記タイムスロットを時分割CDMA信号が共用するための方法が示されておらず、異なる無線方式を共存させチャネルをより有効に活用するための方法が示されていないという問題点があった。また、基地局−移動局の各通信局間の通信において、上述の複数のTDMA信号、時分割CDMA信号を各通信に割り当てるに際し、システム全体の通信品質を考慮し効果的に割り当てるための方法が示されていないという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、複数のTDMA信号または時分割CDMA信号が周波数共用およびタイムスロット共用を実現できる移動通信システムを提供することにある。また、特にこのような周波数共用、タイムスロット共用に際し、システム全体の通信品質を向上できる移動通信システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る無線通信装置は、拡散符号により周波数拡散され時間分割された時分割拡散信号、および、拡散符号により周波数拡散されることなく時間分割された時分割非拡散信号が、周波数領域または時間領域を共用しうる無線通信を行うものであって、受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割拡散信号再生手段と、受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割非拡散信号再生手段と、前記受信信号から、前記共用時分割拡散信号を除去し出力する共用時分割拡散信号除去手段と、前記受信信号から、前記共用時分割非拡散信号を除去し出力する共用時分割非拡散信号除去手段と、前記共用時分割非拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割拡散信号再生手段と、前記共用時分割拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割非拡散信号再生手段と、を有するようにしたものである。
【0010】
また、第2の発明に係る移動通信システムは、複数の移動局と少なくとも1つの基地局との各通信局間で複数の多元接続方式の中から所定の方式の通信信号を用いて無線通信を行い、各方式の通信信号が周波数領域または時間領域を共用しうる移動通信システムにおいて、前記通信信号はTDMA方式に基づき、同一周波数でかつ同一タイムスロットに割り当てられ、異なる同期ワードを付加した同期ワード識別共用TDMA信号と、CDMA方式に基づき、拡散符号により周波数拡散され、時間分割されたタイムスロットに割り当てられた時分割CDMA信号とを含み、前記同期ワード識別共用TDMA信号と時分割CDMA信号とは、周波数領域または時間領域を共用しうる通信信号であって、前記通信局は、受信した前記通信信号から、前記同期ワード識別共用TDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用TDMA信号再生手段と、受信した前記通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割CDMA信号再生手段と、前記通信信号から前記共用TDMA信号を除去し出力する共用TDMA信号除去手段と、前記通信信号から前記共用時分割CDMA信号を除去し出力する共用時分割CDMA信号除去手段と、前記共用時分割CDMA信号が除去された通信信号から、前記同期ワード識別TDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望TDMA信号再生手段と、前記共用TDMA信号が除去された通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割CDMA信号再生手段と、を有するようにしたものである。
【0011】
また、第3の発明に係る移動通信システムは、前記基地局は、当該基地局のサービスエリア内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶する基地局内管理データ記憶手段と、前記管理データに基づき、当該基地局のサービスエリア内の複数の移動局と当該基地局との間の多元接続方式の管理を行う基地局内接続方式管理手段とを有するようにしたものである。
【0012】
また、第4の発明に係る移動通信システムは、前記基地局に接続され当該移動通信システム内で使用される多元接続方式の管理を行う移動交換局を有し、前記移動交換局は、当該移動通信システム内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶するシステム内管理データ記憶手段と、前記管理データに基づき、当該移動通信システム内の複数の移動局と少なくとも1つの基地局との間の多元接続方式の管理を行うシステム内接続方式管理手段とを有するようにしたものである。
【0013】
また、第5の発明に係る移動通信システムは、基地局内接続方式管理手段またはシステム内接続方式管理手段は、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、基地局の送信電力、移動局の受信電力、移動局の送信電力、移動局の受信電力に係わる送受信電力情報を有するようにしたものである。
【0014】
また、第6の発明に係る移動通信システムは、多元接続方式に対応した複数個の共用波再生手段と希望波再生手段とを有するとともに、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、前記複数個の共用波再生手段と希望波再生手段の稼働状態の管理情報を有するようにしたものである。
【0015】
また、第7の発明に係る移動通信システムは、基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにしたものである。
【0016】
また、第8の発明に係る移動通信システムは、基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力および基地局から前記移動局へ送信された通信信号の送信電力の大きさに応じて、前記移動局のハンドオフの要否を判断し、この判断に基づき当該基地局に隣接する基地局にて前記移動局の通信信号を受信し、この隣接基地局での受信電力の大きさに応じてハンドオフ先の基地局を設定するようにしたものである。
【0017】
また、第9の発明に係る移動通信システムは、時分割CDMA信号と周波数を共用しているTDMA信号へハンドオフする場合、ハンドオフ先の基地局において受信された前記時分割CDMA信号およびTDMA信号の各通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにしたものである。
【0018】
また、第10の発明に係る移動通信システムは、前記移動局は前記同期ワード識別共用TDMA信号を用いて前記基地局と通信を行い、ハンドオフに際し、前記同期ワード識別共用TDMA信号とは異なる同期ワードを用いた同期ワード識別共用TDMA信号を用いて隣接する基地局と通信を行うようにしたものである。
【0019】
また、第11の発明に係る移動通信システムは、前記基地局が構成する無線覆域は、基地局を中心とする複数の同心円状ゾーンに分割され、この複数の同心円状ゾーンは、前記同期ワード識別共用TDMA信号、時分割CDMA信号の少なくとも1つの通信信号のタイムスロットと対応付けられているようにしたものである。
【0020】
また、第12の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、他の同心円状ゾーンに移動した場合には、前記移動先の他の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号が割り当てられるようにしたものである。
【0021】
また、第13の発明に係る移動通信システムは、移動局が無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置する場合には、前記移動局は隣接する基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号へのハンドオフを行うようにしたものである。
【0022】
また、第14の発明に係る移動通信システムは、移動局が最大の送信電力で通信信号を送信し、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定のしきい値以下で受信した場合には、前記移動局は基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置すると判断されるようにしたものである。
【0023】
また、第15の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、所定の数を超えた場合には、前記タイムスロットとは別の同心円状ゾーンに対応付けられていない新たなタイムスロットを対応させ、この新たなタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てるようにしたものである。
【0024】
また、第16の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局の送信電力を、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記移動局の送信電力を調整し、前記基地局の送信電力を、移動局が前記通信信号を移動局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記基地局の送信電力を調整するようにしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下この発明による移動通信システムの実施の形態1について説明する。図1はこの実施の形態1におけるタイムスロット共用・周波数共用を実現する移動通信システムのシステムブロック図である。この図において1および2は移動車載通信装置あるいは移動携帯通信装置等の移動局(Mobile Station:MS)、3および4はこの移動局1(MS1)および2(MS2)と無線チャネルを介して通信する基地局(Base Station:BS)、5および6は基地局3(BS1)および4(BS2)が構成する無線覆域(以下、「セル」という)である。7および8は基地局3(BS1)のダイバシティアンテナ、9および10は基地局4(BS2)のダイバシティアンテナである。11は基地局3(BS1)および4(BS2)の各種の通信制御を行う移動交換局(Mobile Switching Center:MSC)であり、公衆用システム12(Public Switching Telephone Network:PSTN)へ接続されている。また、図中のSync W1,Sync W2は、後述するTDMA方式による通信信号に用いられている同期ワードを示す。
【0026】
移動局1(MS1)および2(MS2)と基地局3(BS1)および4(BS2)との間では、変調方式としては、各種のディジタル変調方式(例えば、Frequency Shift Keying(FSK)、Binary Phase Shift Keying(BPSK)、Quadrature Phase Shift Keying(QPSK)、Quadrature Differential Phase Shift Keying(QDPSK)、π/4−Quadrature Differential Phase Shift Keying(π/4−QDPSK)、Quadrature Amplitude Minimum Shift Keying(QAMSK)、Quadrature Gaussian Minimum Shift Keying(QGMSK)等)が用いられている。
【0027】
多元接続方式としては、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式または時分割CDMA方式が用いられている。
【0028】
双方向通信方式としては、送信と受信を周波数分割した周波数分割デュープレックス(Frequency Division Diplex:FDD)方式、送信と受信を時分割した時分割デュープレックス(Time Division Diplex:TDD)方式が用いられている。
【0029】
図2はこの実施の形態1における周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。図2において、横軸は周波数を示し、縦軸は基地局における受信電力レベルに相当する信号電力を示している。また、 TDMA信号#16Aと#16Bとは周波数軸上でずらして表示されているが、実際には全く同一の周波数チャネルを使用しているものとする。図において、FDMA信号#15と2つのTDMA信号#16A、#16Bとはそれぞれ、時分割CDMA信号#17、#18および#19(「時分割」の意味については後述)と周波数スペクトラムの一部を共用している。特に2つのTDMA信号#16Aおよび#16Bは後述するように同じタイムスロットでかつ同じ周波数チャネルを共用するタイムスロット共用・周波数共用TDMA信号である。上記各信号の周波数/時間軸上の配置の詳細は、後述する図4中の第1タイムスロットに示されている。
【0030】
図3は前記タイムスロット共用・周波数共用TDMA信号のタイムスロット構成を示す説明図である。この図に示すように二つのタイムスロット共用・周波数共用TDMA信号13および14は同期ワードが異なっており、この同期ワードの違いにより互いを識別できる(以下、タイムスロット共用・周波数共用TDMA信号を「同期ワード識別共用TDMA信号」という)。
【0031】
このような同期ワード識別共用TDMA信号については、例えば吉野 仁他の論文「移動通信用干渉キャンセル等化(ICE)装置の特性 Performance of Interference Canceling Equalizer (ICE) for Mobile Radio Communication (1996年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 B-412)」で、「同一周波数チャネル、同一タイムスロットを同時に複数ユーザが使用できるシステム」として扱われている。ただし前記論文が同期ワード識別共用TDMA信号のみ存在するシステムであるのに対し、本実施の形態1では、同期ワード識別共用TDMA信号だけではなく、同一タイムスロット内に周波数も共用する複数の時分割(Time-DividedまたはTime-Slotted)CDMA信号が共存し得るシステムを取り上げている。
【0032】
図4はこの実施の形態1におけるタイムスロット共用・周波数共用されている通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
図4において、横軸は周波数を示し、縦軸は時間を示している。横軸に示したf1〜f11は周波数を示している。また、TXは基地局からの送信用に割当てられた時間、RXは基地局の受信用に割当てられた時間である。また、T1〜T4は送信用に割当てられた時間TXを4つに時分割した時間区間をそれぞれ示している。また、R1〜R4は受信用に割当てられた時間RXを4つに時分割したそれぞれの時間区間を示している。TDD方式では、1組のTXとRXで1フレームを形成する。本実施の形態1では、1フレームを1/2フレームずつに分けて使用する送信用および受信用のフレームに、それぞれ4個のタイムスロットを形成するように時分割したが、このタイムスロットの数は、これに限られたものではない。
【0033】
スロット21Ctxは時分割されたCDMAタイプの送信タイムスロット、スロット21Crxは同じくCDMAタイプの受信タイムスロットである。本移動通信システムでは、CDMA方式に基づく信号がタイムスロットで区切られているが、通常のCDMA信号のように全時間を一つのCDMA信号に割り当てることもできる。その場合には、T1の時間区間と同様にT2、T3、T4の時間区間も同一のCDMA信号が使用することになる。なお、このスロット21Ctx/21Crxには拡散符号の異なる3個の時分割CDMA信号#17、#18および#19が割り当てられている。
【0034】
スロット22Ctx/22Crx、スロット23Ctx/23Crx、スロット31Ctx/31Crx、スロット32Ctx/32Crxは、スロット21Ctx/21Crxと同様に時間で区切られたCDMAタイプの送信タイムスロット/受信タイムスロットである。それぞれのタイムスロットには時分割CDMA信号#2、#3、#4および#5が割り当てられている。
【0035】
スロット16TA・Btx/16TA・Brxは、TDMAタイプのタイムスロットである。このスロットには同期ワードの異なる2つの同期ワード識別共用TDMA信号(図2で示したTDMA信号#16Aと#16B)が割り当てられている。スロット23Ttx/23Trx、スロット24Ttx/24Trx、スロット25Ttx/25Trx、スロット32Ttx/32Trxも同様にTDMAタイプのタイムスロットである。
【0036】
スロット26Ftx/26FrxはFDMA−TDDタイプのタイムスロットであって、通話チャネルあるいは制御チャネルとして使用される。また、スロット27FA、27FBは、FDMA−FDDタイプの周波数スロットを示す。
【0037】
図2に示したFDMA信号と同期ワード識別共用TDMA信号と時分割CDMA信号とが混在した関係は、図4中の送信、受信の第1の時間区間(T1、R1)の周波数f5とf6が構成する周波数・タイムスロット領域に示されている。この領域において、時分割CDMA信号#17/18/19(スロット21Ctx/21Crx)は、FDMA−FDD信号(スロット27FA)とFDMA−TDD信号(スロット26Ftx/26Frx)と同期ワード識別共用TDMA信号(スロット16TA・Btx/16TA・Brx )と周波数の一部および時間区間(T1/R1)を共用している。
【0038】
また、TDMA信号(スロット23Ttx/23Trx)は時分割CDMA信号#3(スロット23Ctx/23Crx)と周波数の一部および時間区間(T4/R4)を共用している。
【0039】
また、時分割CDMA信号#5(スロット32Ctx/32Crx)は1つのFDMA−FDD信号(スロット27FA)、FDMA−TDD信号(スロット26Ftx/26Frx)、TDMA信号(スロット32Ttx/32Trx)と周波数の一部および時間区間(T3/R3)を共用している。
【0040】
図5、6はこの実施の形態1における移動通信システムにて用いられるアンテナダイバシティ受信機(以下、「受信機」という)のブロック図である。この受信機は、移動局あるいは基地局に設けられ、受信した通信信号に含まれるCDMA信号あるいは時分割CDMA信号を共用波信号として再生し、前記通信信号から除去し、図2あるいは図3にて示した同期ワード識別共用TDMA信号#16Aあるいは#16Bを希望波信号として抽出する機能を有する。
【0041】
図5において、41、42はダイバシティアンテナ(以下、「アンテナ」という)であり、図1中の7、8あるいは9、10に相当する。43、44はアンテナ41、42から入力された無線周波数信号である通信信号を所定の増幅率により増幅し、局部発信器(Local Oscillator、図示せず)から出力された局部発信信号と混合(mixing)し、中間周波数信号へ変換する変換増幅器(RF/IF AMP)である。ここで中間周波数信号は、CDMA信号あるいは時分割CDMA信号の中間周波数f0と、希望波信号であるFDMA信号あるいはTDMA信号の中間周波数f0+n*fdの周波数成分を有する(n:0,±1,±2,… 、fd:FDMA信号あるいはTDMA信号の隣接チャネル周波数間隔)。
【0042】
69−1(69−2)は通信信号中の干渉波信号である共用波信号を再生する共用波再生手段であって、再生し除去したい共用波信号の数だけ設けられる。図5においては、時分割CDMA信号を共用波信号とした2系統の共用波再生手段が設けられている。以下に共用波再生手段の細部構成を説明する。
【0043】
45、46は変換増幅器43、44より出力された中間周波数信号を入力し、相関符号発生器47−1(47−2)からの相関符号信号を用いて、CDMA信号あるいは時分割CDMA信号からシンボルレート信号を抽出するCDMA信号直交符号相関器(CDMA Orthogonal Code Corellator、以下、「相関器」という)である。次に相関器45、46により相関検出されたシンボルレート信号は、複数伝搬経路干渉を除去する等化器48、49へ入力され、その出力が加算器50により加算され、前記伝搬路干渉が除去された共用チャネル信号が得られる。加算器の加算方式としては選択合成・等利得合成・最大比合成・最小2乗合成等の方式がある。加算器の出力は判定器51によって判定され、共用チャネル情報57(共用波1,2情報出力)が得られる。この受信機が周波数共用が可能な移動通信システムの基地局に使用される場合には、この共用チャネル情報57はその信号を送信する移動局の情報としても使用される。
【0044】
52は、判定器51より出力された共用チャネル情報と、相関符号発生器47−1(47−2)からの相関符号信号とによって、内部発信器(図示せず)からの出力信号を変調し、内部共用チャネル変調信号を生成する共用チャネルディジタル変調器(Digital Modulator)である。この内部共用チャネル変調信号は、判定器51の入力信号である共用チャネル信号が含んでいる雑音信号成分を有しない。従って、入力信号である通信信号から後述する共用波信号成分を除去しても雑音信号成分が加算されることを防ぐことができる。
【0045】
変調された内部共用チャネル変調信号は、複数の経路の伝搬路特性をシミュレートする二つの伝搬路シミュレータ55−1(55−2)、56−1(56−2)へ入力される。55−1(55−2)はアンテナ41へ到来する共用波信号の伝搬路特性をシミュレートし、56−1(56−2)はアンテナ42へ到来する共用波信号の伝搬路特性をシミュレートする。このシミュレータ55−1(55−2)、56−1(56−2)の伝搬路特性を表す伝搬路係数58、59は、等化器48、49の等化係数53、54の逆行列からそれぞれ生成される。この逆行列はプロセッサー60によって生成される。アンテナ41へ到来する共用波信号の伝搬路は、等化器48の等化係数により伝搬路シミュレータ55−1(55−2)によって実現される。アンテナ42へ到来する共用波信号の伝搬路は、等化器49の等化係数により伝搬路シミュレータ56−1(56−2)によって実現される。以上の45〜60までの構成ブロックにより共用波再生手段69−1(69−2)が構成される。共用波再生手段は図5では2系統設けられているが、この数は再生する共用波信号の数だけ設ければよい。61、62は個別に再生された共用波信号を合成する加算器である。なお、図5では図面の都合上、加算器61、62は共用波再生手段69−2中に描いてある。
【0046】
図6の100は前記通信信号から前記共用波再生手段69−1(69−2)により個別に再生され、加算器61、62により合成出力された共用波信号を、通信信号から除去し、希望波信号を再生する希望波再生手段である。以下に希望波再生手段の構成を説明する。
【0047】
71、72は変換増幅器43、44よりそれぞれ出力された中間周波数信号を入力とし、上記共用波再生手段により共用波信号が再生されるまでの一定時間遅延させる遅延回路、73、74は遅延回路71、72の出力信号から加算器61、62からの出力である共用波信号を差し引く加算器であり、共用波除去手段として機能する。
【0048】
75、76は共用波信号が除去された加算器73、74の出力信号から、FDMA/TDMA希望波信号を選択増幅するフィルタ付き増幅器である。77、78は後述する推定誤差合成器90からのシンボル候補信号および推定器85、86からの伝搬路パラメータに基づき同期ワード識別共用TDMA信号#16Aの信号レプリカを生成するレプリカ発生器(Signal Replica Generator)、79、80は同じく同期ワード識別共用TDMA信号#16Bの信号レプリカを生成するレプリカ発生器である。81、82、83、84はそれぞれの信号レプリカを除去し、事前推定誤差信号を出力する加算器である。85、86は複数伝搬路の伝搬路パラメータを推定する推定器(Parameter Estimator)である。
【0049】
87、88は前記事前推定誤差信号を自乗し自乗誤差信号を出力する自乗誤差信号生成器、89は2系統の自乗誤差信号生成器からの自乗誤差信号を合成し出力する加算器、90は前記加算器89からの自乗誤差信号を入力とし、ビタビ−アルゴリズム等により、シンボル候補信号および希望波信号である同期ワード識別共用TDMA信号#16A、#16Bを出力する推定誤差合成器(MLSE)、91、92は希望波信号#16A、#16Bの信号出力部(Output)である。
【0050】
なお、フィルタ付き増幅器75、76以降の構成の動作については、前述の吉野 仁他の論文「移動通信用干渉キャンセル等化(ICE)装置の特性 Performance of Interference Canceling Equalizer (ICE) for Mobile Radio Communication(1996年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 B-412)」、および吉野 仁他の論文「RLS-MLSEによる適応干渉キャンセラ Adaptive Interference Canceller Based upon RLS-MLSE(1994年電子情報通信学会論文誌 B-2Vol.J77-B-2No.2)」に詳細に記載されている。
【0051】
また、相関器45、46やフィルタ付き増幅器75、76には増幅器やフィルターを明記していないが、必要な増幅度を持つ増幅機能や必要な帯域制限をするフィルター機能が備えられているものとする。またこれらの機能は、ハードウェアで実現しても、ソフトウェアで実現しても構わない。
【0052】
なお、上記説明では、時分割CDMA信号を共用波信号として、通信信号から共用波信号を除去し、同期ワード識別共用TDMA信号を希望波信号として抽出することとしたが、同期ワード識別共用TDMA信号を共用波信号とし、時分割CDMA信号を希望波信号とした逆の関係であってもよい。この場合には、共用波再生手段で同期ワード識別共用TDMA信号が再生され、希望波再生手段で時分割CDMA信号が再生されることとなる。また当然のことながら、各再生手段の構成は、各信号を再生するのにふさわしい構成となっているものとする。
【0053】
この実施の形態1の発明は以上のように構成されているので、複数の無線方式に基づく通信信号が、周波数共用・タイムスロット共用可能となり通話チャネル数を増加させることができるという効果がある。また、この構成を基地局が設置すれば、移動局から基地局への上り回線で過大なレベルの送信信号が発生した場合、その信号を通信信号中から除去することにより他の移動局からの通信信号を受信できるようになり、基地局のシステムダウンを排除できるという効果がある。また、この構成を移動局が装備すれば、図1に示したように移動局は二つの基地局から異なる同期ワードを有するタイムスロット共用・周波数共用TDMA信号を同時に受信でき、かつその同時受信をタイムスロット・周波数チャネルの占有が1チャネル分で実現することができ、チャネル数を増加させることができるという効果がある。
【0054】
実施の形態2.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態2について説明する。図7はこの実施の形態2におけるタイムスロット共用・周波数共用を実現する移動通信システムの移動交換局11のブロック図である。111は公衆用システム12との接続を行うPSTNインタフェース回路、115は基地局との接続を行う基地局インタフェース回路、113はこの移動交換局に接続されている基地局と移動局との間の通信に適用される無線方式を制御する方式設定プロセッサーである。この方式設定プロセッサーは、後述する各種の無線方式に関わる管理データを記憶するシステム内管理データ記憶手段と、この管理データに基づきシステム内の移動局と基地局との間の各種接続方式の管理を行うシステム内接続方式管理手段とで構成される。112は前記方式設定プロセッサーからの制御に基づきPSTNインタフェース回路と基地局インタフェース回路との交換制御を行う通話路交換部、114は移動交換局内の全体制御を行うシグナリング処理部であり、電話番号等の処理がなされる。3、4、116は無線基地局である。
【0055】
図8は、前記方式設定プロセッサー113内のシステム内管理データ記憶手段であるメモリに記憶されている管理データである通信方式パラメータ(以下、「パラメータ」という)の管理テーブルの説明図である。この管理テーブルは基地局と移動局との無線接続に使用されている、無線通信方式に関わる各種のパラメータを示している。パラメータは各通話チャネル毎に分類され、その通話チャネルに付随する各種の情報で構成される。図8の場合では、各通話チャネル毎のタイムスロット番号、周波数チャネル番号、データレート、伝送タイプ(接続方式)、チップレート(CDMA方式の場合)、接続方式識別情報(TDMA:同期ワード、CDMA:拡散符号の種類番号)が付随情報となる。図において通話チャネル番号1015および1016に対応する情報は、図1にて示した移動局1(MS1)が使用している通話チャネルのパラメータを規定している。すなわち移動局1(MS1)は2つの通話チャネルを占有していることを示している。またこの2つの通話チャネルは周波数チャネル番号が5であり、同一周波数チャネルを使用している。またタイムスロット番号も1であり、同一タイムスロットを共用している。ただし同期ワードがSyW1とSyW2と異なっており、この違いで2つの通話チャネルは区別されている。
【0056】
図8において、TDMA信号は周波数チャネルとタイムスロットを規定するだけでなく、CDMA信号と同様に符号(CDMA信号の場合は「拡散符号」、TDMA信号の場合は「同期ワード」)を区別することが必要である。この符号は、管理テーブル中に接続方式識別情報としてTDMA/CDMAの方式にかかわらず、一元的に管理されている。すなわちこの方式設定プロセッサーはTDMA信号のタイムスロット共用・周波数共用を実現するために、複数個の異なる同期ワードを有する無線通話チャネルを識別・制御するという特徴を備えている。しかも、メモリにてTDMA信号の同期ワードとCDMA信号の拡散符号とが、一元的に管理されているので、システム全体の通信品質も考慮しつつ効果的に接続方式を配分できるという特徴も備えている。
【0057】
なお、上記説明では、方式設定プロセッサーを移動交換局内に設けたが、これは移動交換局が移動通信システム内の複数の基地局に関わる無線方式を管理するためである。基地局のセル内の無線方式の管理については基地局内に同等の機能を有する基地局レベルでの方式設定プロセッサーが設けられており、この制御に基づき、基地局セル内での通信方式が管理される。この場合、前記システム内管理データ記憶手段は基地局内管理データ記憶手段として、システム内接続方式管理手段は基地局内接続方式管理手段として区別することとする。
【0058】
この実施の形態2の発明は以上のように構成されているので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサが、TDMA信号の同期ワードと時分割CDMA信号の拡散符号とを管理テーブル上で同時に管理するようにしたので、複数のTDMA信号、時分割CDMA信号をシステム全体の通信品質を考慮し各通信に効率的に割り当て、また管理することができるという効果がある。
【0059】
実施の形態3.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態3について説明する。図9はこの実施の形態3におけるタイムスロット共用・周波数共用を実現する移動通信システムのシステムブロック図である。図9は図1で示された移動局1(MS1)が基地局3(BS1)から離れて、基地局4(BS2)のゾーンに入りつつある状態を示している。
【0060】
図10は、この実施の形態3における移動通信システム(図9参照)に適用される方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている管理データである送受信電力情報の管理テーブルの説明図である。図10では各通話チャネルへの付随情報として、基地局/移動局の送受信電力に関わる情報が加わっている。ここで、受信電界強度は、(3:最大クラス受信強度、2:中程度の受信強度、1:最適受信強度、0:無信号)の4段階にクラス分けされているものとする。また、各クラスの中間の数値、例えば0.5は、最適受信感度ではないが、無信号でもないことを示す。また、( )内の数値は基地局が送信した電波を隣接基地局が受信した信号レベル。例えば通話チャネル番号1016において、基地局3(BS1)は、基地局4(BS2)からの送信信号をクラス0.5で受信している。また、送信電力強度は(3:最大クラス送信電力、2:中程度の送信電力、1:最小クラス送信電力、0:無送信)の4段階にクラス分けされているものとする。移動局1(MS1)は基地局3(BS1)との間では通話チャネル番号1015を使用しており、同時に基地局4(BS2)からは同期ワードが異なる同じタイムスロット・同一周波数の通話チャネル1016を使用して情報を受信している。すなわち移動局1(MS1)は同時に二つの基地局との間で二つの通話チャネルを設定している。
【0061】
図11はこの実施の形態3における周波数共用されている移動局1(MS1)で受信された通信信号の周波数スペクトラムの説明図である。図11は図2の周波数スペクトラムと信号の種類は同じであるが、移動局1(MS1)が基地局3(BS1)から離れて基地局4(BS2)に近づいているので、TDMA信号#16AとTDMA信号#16Bのレベル差が狭くなっている点が異なっている。また、現在この実施の形態3ではCDMA信号の移動局での受信レベルについては言及していないので、図2で示したものと同じものにしてある。
【0062】
図12はこの実施の形態3における周波数共用されている基地局3(BS1)で受信された通信信号の周波数スペクトラムの説明図である。また図13は方式設定プロセッサ113内のメモリに記憶されている基地局3(BS1)の共用波再生手段(共用波キャンセラ)と希望波再生手段(希望波受信機)の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。図13では、通話チャネルへの付随情報として基地局の受信機で選択されている共用波キャンセラと希望波受信機に関わる情報が加わっている。なお、受信電界強度のクラス分けは図10と同様である。図14,15はこの実施の形態3における基地局のアンテナダイバーシティ受信機のブロックである。受信機内では図13に示した管理テーブルに対応し、通話毎に通話チャネルが設定され、それに対して共用波キャンセラあるいは希望波受信機が設定される。なお、図14,15においては、共用波信号が複数個のFDMA信号,TDMA信号,CDMA信号であり、希望波信号が複数個のFDMA信号,TDMA信号,CDMA信号である一般的な場合の基地局の機能ブロックとして示してある。
【0063】
図16はこの実施の形態3における他のタイムスロット共用・周波数共用を実現する移動通信システムのシステムブロック図である。図17はこの実施の形態3における移動通信システム(図16参照)に適用される方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されているハンドオフ判断用の受信電力情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度のクラス分けは図10と同様である。図において、通話チャネル1013,1016は基地局4(BS2)に割り当てられたTDMA信号であるが、現在は呼が無く、空きチャネルである。図17により、通話中の移動局の送信電力が最大の3で、基地局の受信電界強度が1であるような通話チャネル1015あるいは1017は、移動局がゾーンの最も外側にあるものと推定される。図18はこの実施の形態3における移動局のハンドオフのシーケンスのフローチャートである。
【0064】
以下、図17と図18を用いて、この移動通信システムでのハンドオフに至る判断がどのように成されるかを示す。ハンドオフ動作の第1歩は「移動局の送信電力が3で、その信号を受信する基地局の受信電界強度が1であるような通話チャネル」を選定することである(ステップS101)。図17を例とした場合、通話チャネル番号1015を選定する。上記選定を終了した時点、すなわちステップS101になった状態で、直ちにステップS101からS102へ移行するのではなく、上記選定が終了した後に、通話チャネルのビットレートの誤り率をチェックし、それがある値(しきい値)を越えた時点で、ステップS102へ移行する。従って複数の通話チャネルがステップS101の状態にある時は、プロセッサーはその複数の通話チャネルのビットレートの誤り率を順次サーチし、その誤り率がある値を越えた通話チャネルからハンドオフ手順、すなわちステップS102への移行を開始する。
【0065】
次のステップS102では「移動局1(MS1)が基地局3(BS1)へ送信している通話チャネル1015のアップリンク信号を、隣接する6個の基地局が順次受信し、その結果を移動交換局の方式設定プロッセサーにおける図17の受信電力情報の管理テーブルへ通知記載する」シーケンスが実行される。次にステップS103では「各隣接基地局の受信電界の最大である基地局を、ハンドオフ先として選定する(同じ受信電界であれば、例えば番号が若い方を選定するものとする)」シーケンスが実行される。この図17の例では基地局4(BS2)が選定される。
【0066】
ステップS104以降では、ハンドオフ先の信号の性質に応じそれぞれのハンドオフ手順が実行される。ハンドオフ先の信号が従来タイプの連続時間タイプのCDMA信号であれば(ステップS104)、CDMA信号に応じたハンドオフ手順が実行される(ステップS105)。この手順についてはすでに多くのハンドオフ手順が発表されているので、説明は省略する。
【0067】
また、他のタイムスロットに移ってハンドオフすることが出来るほど、タイムスロットに余裕がある場合には(ステップS106)、従来のTDMAハンドオフ手順が実行される(ステップS107)。この手順についてはすでに多くのハンドオフ手順が発表されているので、説明は省略する。また周波数の異なる同一タイムスロットのTDMA信号へ移る場合も同様である。
【0068】
また、TDMA信号からタイムスロットに分割された時分割CDMA信号へ、移行してハンドオフすることが出来る場合には(ステップS108)、我々が既に提案している時分割CDMA信号を使用したハンドオフ手順(ステップS109)が実行される。
【0069】
上記ステップS104、S106、S108において移行する先のスロットが空いていない場合には、時分割CDMA信号と周波数共用しているTDMA信号へのハンドオフが実施される。このようなTDMA信号としては、図17の通話チャネル1013が相当する。この通話チャネル1013は基地局4(BS2)へ割り当てられているTDMA信号用の通話チャネルであるが、現在は呼がなく、空きチャネルであることを示す。この通話チャネル1013へのハンドオフシーケンス(ステップS111)の詳細については実施の形態4で説明する。
【0070】
図18のステップS110において、時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用のTDMA信号が存在しない場合(図17の場合では、通話チャネル1013が通話中の時)には、ステップS112へと進み、あるTDMA信号と周波数チャネル共用・タイムスロット共用しているTDMA信号(同期ワード識別共用TDMA信号。図17の場合は、通話チャネル1016(16B))を使用する。この通話チャネル1015(BS1)から1016(BS2)へのハンドオフシーケンス(ステップS112)の詳細については実施の形態5で説明する。
【0071】
この実施の形態3の発明は以上のように構成されているので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各基地局/移動局の通信信号の送受信電力レベルを管理するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、ハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。また、ダイバーシティ受信機内に複数のTDMA信号、CDMA信号、FDMA信号に対応する共用波キャンセラ、希望波受信機を設け、さらに移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各通話チャネル毎に前記共用波キャンセラ、希望波受信機の割り当てを管理するようにしたので、共用波の除去、希望波の抽出を効率的に実施できるという効果がある。
【0072】
実施の形態4.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態4について説明する。実施の形態4は、時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフシーケンス(図18のステップS111)に関するものである。図18のハンドオフシーケンスの結果、ステップS111が選定された場合には、ハンドオフ先の基地局4(BS2)の周囲の時分割CDMA信号をチェックすることから開始される。図19はこの実施の形態4における基地局4(BS2)で受信された通信信号の周波数スペクトラムである。通話チャネル1013,1016が点線で示されているのは、これらのチャネルが空きチャネルであることを示す。この図19に示す周波数スペクトラムが、ハンドオフ開始前のハンドオフ先の基地局4(BS2)の受信機への入力信号の状況を示す。また図20はこの実施の形態4における方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている基地局4(BS2)の共用波キャンセラと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度のクラス分けは図10と同様である。図において、通話チャネル1013,1016は基地局4(BS2)に割り当てられたTDMA信号であるが、現在は呼が無く、空きチャネルである。
【0073】
図21、図22は上記のような時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフシーケンスのフローチャート、およびハンドオフプロセスを示す。図21のステップS121あるいは図22のステップS141、S142の状態では、移動局1(MS1)のハンドオフ先の基地局4(BS2)が決定されているだけ(基地局4(BS2)と移動局1(MS1)との地理的近さが判明しただけの状態)で、どのような通話チャネルにハンドオフしていくかは不明のままである。従ってまず初めに基地局4(BS2)の共用波信号、特にCDMA共用波信号の電波の状態が測定される(図21のステップS122あるいは図22のステップS146)。前述の図20は上記の測定プロセスに基づく測定結果を管理テーブルとしたものである。
【0074】
次に本実施の形態4の移動通信システムの特徴である、共用波キャンセラー(共用波除去手段)の設定プロセスへと移行する。図21のステップS123、S124(あるいは図22のステップS147)において、通話チャネル1018、1019に対して共用波キャンセラーCDMA1C、CDMA2Cが基地局4(BS2)に設置される。その状況を図20の共用波キャンセラーの欄が示す。なお共用波CDMA信号である通話チャネル1018、1019を通して、基地局4(BS2)と二つの移動局とが既に通信中であり、かつこの信号が基地局4(BS2)において希望波受信機で復調されている時には、通話チャネル1015が生起した場合には、この二つの通話チャネル1018、1019は希望波受信機で処理されている状態から、共用波チャンセラーで処理される状態に移行されるものとする。
【0075】
このように基地局4(BS2)において共用波キャンセラーの働きによる共用波信号レベルの低下により、希望波信号(この場合には通話チャネル1015あるいは1013)の雑音あるいは干渉波信号レベルが下がり、情報誤り率を低下あるいは、移動局1(MS1)の送信電力を低減させることができる。
【0076】
次に図21のステップS125(あるいは図22のステップS148、S149、S150)において移動交換局が指令制御信号を移動局1(MS1)および基地局4(BS2)に同時に発動し、基地局4(BS2)と移動局1(MS1)とを初めてTDMA信号で接続させ、ハンドオフ先とのTDMA通信を開始させる。図22のステップS156はこの通信が開始された状況を示す。
【0077】
その後移動交換局は、基地局4(BS2)と移動局1(BS1)との間で、夫々の受信機が最適受信電界強度となるように、それぞれの送信機送信電力を調整する(図22のステップS157、S158)。この後基地局4(BS2)は夫々の送信電力・受信電界強度を移動交換局へ報告すると移動交換局は基地局3(BS1)と移動局1(MS1)との間の通信(無線回線は接続されたままである)を終了する。従ってこの例ではTDMA通信開始(図22のステップS156)から接続中止指令(図22のステップS161)までは、移動局1(MS1)は二つの基地局3(BS1)、4(BS2)双方と無線接続を有しているケースを示している。一方、図21のステップS126からS129までは、上記ケースに加え、ハンドオフ先のTDMA信号を試行錯誤の結果獲得する場合のケースをも含めて示している。
【0078】
図23は上記ハンドオフに関連する移動交換局内の方式設定プロセッサー113のブロック図を示す。図21、図22のハンドオフシーケンス/プロセスはローミング処理制御部146によって実施される。このローミング処理制御部146は、ハンドオフ判断用受信電力メモリ144(図17で示したハンドオフ判断用の受信電力情報の管理テーブルが記録されるメモリ)の指示に基づき(実際は制御部146がハンドオフ判断用受信電力メモリ144内の関連情報のデータに周期的にアクセスすることによって)処理を開始する。また無線システム制御部147は、前記ハンドオフ判断用受信電力メモリ144への関連情報の記録制御を行う。
【0079】
この実施の形態4の発明は以上のように構成されているので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各基地局/移動局の通信信号の送受信電力レベルを管理するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、時分割CDMA信号からこの時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。
【0080】
実施の形態5.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態5について説明する。実施の形態5は、現在通信中のTDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用している同期ワード識別共用TDMA信号へのハンドオフプロセス(図18のステップS112)に関するものである。図18のハンドオフシーケンスの結果、ステップS112が選定された場合には、ハンドオフ先の基地局4(BS2)が通信していて、現在移動局1(MS1)が通信中のTDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用している時分割CDMA信号をチェックすることから開始される。図24はこの実施の形態5における基地局4(BS2)で受信された通信信号の周波数スペクトラムである。通話チャネル1016が点線で示されているのは、これらのチャネルが空きチャネルであることを示す。この図24に示す周波数スペクトラムが、ハンドオフ開始前のハンドオフ先の基地局4(BS2)の受信機への入力信号の状況を示す。図25はこの実施の形態5における図24に対応する状態での方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている基地局4(BS2)の共用波キャンセラーと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度のクラス分けは図10と同様である。図において、通話チャネル1016は基地局4(BS2)に割り当てられたTDMA信号であるが、現在は呼が無く、空きチャネルである。
【0081】
基地局4は通話チャネル1016を使用して移動局1との接続を開始する。ここで、移動局1(MS1)、基地局4(BS2)は図6の100に示す適応干渉キャンセラー受信機能を有するものとする。図26はこの実施の形態5における通話チャネル1016が接続された状態における基地局4(BS2)で受信された通信信号の周波数スペクトラムを示す。図27はこの実施の形態5における図26に対応する状態での方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている管理データである送受信電力情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度のクラス分けは図10と同様である。
【0082】
図28、図29は上記のようなTDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号(同期ワード識別共用TDMA信号)へのハンドオフシーケンスのフローチャート、およびハンドオフプロセスを示す。図28のステップS171あるいは図29のステップS191、S192の状態では、移動局1(MS1)のハンドオフ先の基地局4(BS2)が決定されているだけでなく、どのような通話チャネルにハンドオフしていくかも判明している。しかし現在通信中のTDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用している時分割CDMA信号等に関しては、すなわちCDMA共用波信号に関しては不明のままである。従ってまず初めに基地局4(BS2)の共用波信号、特にCDMA共用波信号の電波の状態が測定される(図28のステップS172あるいは図29のステップS196)。前述の図25は上記の測定プロセスに基づく測定結果である。
【0083】
次に本実施の形態5の移動通信システムの特徴である、共用波キャンセラー(共用波除去手段)の設定プロセスへと移行する。さらに、TDMA共用波信号の存在する実施の形態5においては、CDMA共用波信号に対する共用波キャンセラーだけでなく、TDMA共用波信号に対しても、共用波キャンセラーが設定されるところに特徴がある。
【0084】
実施の形態4との違いを以下に明確にする。実施の形態4におけるCDMAキャンセラーは、時分割あるいは通常のCDMA共用波信号とTDMA信号とがスロットを共用している状態から前記CDMA共用波信号をキャンセルするものであった。一方実施の形態5においては、CDMAキャンセラーとTDMAキャンセラーとがある。CDMAキャンセラーは上記実施の形態4のCDMAキャンセラーと全く同様の働きを有する。他方TDMAキャンセラーは、時分割あるいは通常のCDMA共用波信号がキャンセルされた後の信号から、現在基地局3(BS1)と通話中のTDMA信号と同期ワードのみが異なるTDMA信号とが、同一周波数チャネル・同一タイムスロットを共用している状態において、一方のTDMA信号を除去する機能を有する。残されたTDMA信号が希望波信号であるが、除去されたTDMA信号もこのTDMAキャンセラーから出力されるので、このキャンセラーからは互いに同期ワードが異なる2つのTDMA信号の情報が出力されることとなる。従って実施の形態4に使用されたTDMAキャンセラーと区別するためにこのタイプのTDMAキャンセラーを「同期ワード識別TDMAキャンセラー」と呼ぶものとする。なお、移動局および基地局に組み込まれるこのような「同期ワード識別TDMAキャンセラー」は、図6の100に示されたブロックが相当する。
【0085】
図28のステップS173、S174(あるいは図29のステップS197)において、通話チャネル1018、1019に対してCDMAキャンセラーCDMA1C、CDMA2Cが基地局4(BS2)に設置される。その状況を図25の共用波キャンセラーの欄が示す。なお共用波CDMA信号である通話チャネル1018、1019が基地局4(BS2)と二つの移動局と既に通信中であり、かつこの信号が基地局4(BS2)において希望波受信機で復調されている時には、通話チャネル1015が生起した場合には、この二つの通話チャネル1018、1019は希望波受信機で処理されている状態から、共用波チャンセラーで処理される形態に移行されるものとする。
【0086】
次に「同期ワード識別TDMAキャンセラー」が基地局4(BS2)に設定される。つまり、図25の通話チャネル1016に対して、同期ワードSyW2を有する図6の100に相当するキャンセラーが設置される。このキャンセラーからは二つの希望波信号#16A(通話チャネル1015)と#16B(通話チャネル1016)とが出力される。移動局の場合には一方の信号は不要であるからキャンセラーという名称でもよいが、図6のように基地局に使用される場合には、2つの信号とも情報として使用するので、本来はキャンセラーという名称はふさわしくない。しかし、本明細書中では便宜上、何れの場合にも「同期ワード識別TDMAキャンセラー」という名称を用いることとする。
【0087】
このように基地局4(BS2)において共用波キャンセラーの働きによる共用波信号レベルの低下により、希望波信号(この場合には通話チャネル1015あるいは1013)の雑音あるいは干渉波信号レベルが下がり、情報誤り率を低下あるいは、移動局1(MS1)の送信電力を低減させることができる。
【0088】
次に図28のステップS175(あるいは図29のステップS198、S199、S200)において移動交換局が指令制御信号を移動局1(MS1)および基地局4(BS2)に同時に発動し、基地局4(BS2)と移動局1(MS1)とを初めて異なる同期ワードを有する同期ワード識別共用TDMA信号で接続させ、ハンドオフ先とのTDMA通信を開始させる。図29のステップS206はこの通信が開始された状況を示す。
【0089】
その後移動交換局は基地局4(BS2)と移動局1(MS1)との間で、夫々の受信機が最適受信電界強度となるように、それぞれの送信機送信電力を調整させる(図29のステップS207、S208)。この後基地局4(BS2)は夫々の送信電力・受信電界強度を移動交換局へ報告すると移動交換局は基地局3(BS1)と移動局1(MS1)との間の通信(無線回線は接続されたままである)を終了する。従ってこの例ではTDMA通信開始(図29のステップS206)から接続中止指令(図29のステップS211)までは、移動局1(MS1)は二つの基地局3(BS1)、4(BS2)双方と無線接続を有しているケースを示している。一方、図28のステップS126からS129までは、上記ケースに加え、ハンドオフ先のTDMA信号を試行錯誤の結果獲得する場合のケースをも含めて示している。
【0090】
この実施の形態5の発明は以上のように構成されているので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各基地局と移動局の通信信号の送受信電力レベルを管理するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、時分割CDMA信号からこの時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。また、2つのタイムスロット共用・周波数チャネル共用TDMA信号が別個に受信可能であるので、周波数の有効利用に極めて有用であるという効果がある。
【0091】
実施の形態6.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態6について説明する。図30はこの実施の形態6における複数の同心円状のゾーンによって構成されるセル構造の説明図である。このセル構造においては、同心円ゾーンの並びの順番と時分割CDMA信号のタイムスロットの並びの順番とが、対応して並んでいることに特徴がある。この様子を図31に示す。また図32はこの実施の形態6におけるタイムスロット共用・周波数共用されている通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
【0092】
図30において、ゾーン11に位置する移動局MS21への基地局BS1からの送信電力は、(ゾーン11よりも基地局BS1から遠い位置にある)ゾーン13に位置する移動局MS25への基地局BS1からの送信電力よりも小さい。従って両者の時分割CDMA信号が同一タイムスロットに割り当てられている場合には、下り回線においては大きな送信電力が小さな送信電力をマスキングしてしまう。つまり、等価的に小さな送信電力の信号にとっては、大きな送信電力の信号と共存することは、雑音が増大したことに等しいこととなる。上記のように必要な信号が、他の信号にとって妨害となることは避けることが望ましい。そこで、図31、図32に示すように、基地局BS1からゾーン11に位置する移動局MS21への小さな送信電力を有する信号を、時分割CDMA信号のタイムスロットCDMA#41−1に割り当て、基地局BS1からゾーン13に位置する移動局MS25への大きな送信電力を有する信号を、タイムスロットCDMA#41−3に割り当てると、前述のようなマスキングを避けることが可能である。
【0093】
図33はこの実施の形態6における図30に対応する状態での方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている管理データである移動局位置情報と送受信電力情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度・送信電力のクラス分けは図10と同様である。図33において、例えば、通話チャネル1021を割り当てられている移動局MS21は、ゾーン11に位置し、その送信電力はクラス1で最小クラスであり、他方通話チャネル1027を割り当てられている移動局MS27は、ゾーン13に位置し、その送信電力はクラス3で最大クラスであることが示されている。
【0094】
図34はこの実施の形態6における図30に対応する状態での方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている管理データである移動局位置情報と送受信電力情報の管理テーブルの他の説明図である。なお、受信電界強度・送信電力のクラス分けは図10と同様である。通話チャネル1027を割り当てられている移動局MS27は、ゾーン13に位置しており(図30参照)、その送信電力はクラス3で最大クラスであることが図33に示されている。いま、このゾーン13に割り当てられている送信電力クラス3の移動局の数が増大し、信号の必要はC/Nが取れなくなった場合には、その割り当ての一部分を図31のタイムスロットT4すなわちCDMA#41−4へ変更する。このようにすることにより、信号の必要はC/Nを取ることが可能となる。図34の通話チャネル1027においては、移動局の位置はゾーン13であるが、タイムスロットは4であることを示している。この場合には、タイムスロットを変更することにより、小さな信号をマスキングすることを避けると同時に、同一タイムスロットへの通話チャネルの過大な割り当てを避け得る機能を有していることを示している。
【0095】
この実施の形態6の発明は以上のように構成されているので、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。また、移動局の密度が高いゾーンの移動局の通信チャネルのタイムスロットを分散化させ、C/Nの劣化を防ぐことができるという効果がある。また、基地局の受信入力信号強度が、どのゾーンの移動局から送信されたアップリンク信号であれ、同程度に押さえられ、特定の信号のみが通信可能で他の多くは通信不能になるという事態を避けることができるという効果がある。
【0096】
実施の形態7.
次にこの発明による移動通信システムの実施の形態7について説明する。図35はこの実施の形態7における複数の同心円状のゾーンによって構成されるセル構造の説明図である。このセル構造においては、同心円ゾーンの並びの順番と時分割CDMA信号とタイムスロット共用・周波数共用であるTDMA信号のタイムスロットとの並びの順番とが、実施の形態6の場合と同様に対応して並んでいることに特徴がある。この様子を図36に示す。また図37はこの実施の形態7におけるタイムスロット共用・周波数共用されている通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
【0097】
なお、図35ではTDMA用の移動局のみ表示されているが、図30に示した時分割CDMA用の移動局(図示せず)も、このセル303の中で同時に通信しているものとする。
【0098】
図35において、ゾーン11に位置する時分割CDMA通信を行う移動局MS21(図30参照)への基地局BS1からの送信電力は、(ゾーン11よりも基地局BS1から遠い位置にある)ゾーン13に位置するTDMA通信を行う移動局MS35(図35参照)への基地局BS1からの送信電力よりも小さい。従って移動局MS35のTDMA信号と移動局MS21の時分割CDMA信号とが同一タイムスロットに割り当てられている場合には、下り回線においてはTDMA信号の大きな送信電力が時分割CDMA信号の小さな送信電力をマスキングしてしまう(CDMA受信機は同一周波数帯域内のTDMA信号を拡散させ、受信情報検出器入力端では、拡散されたTDMA信号はCDMA信号にとって雑音に等しいものとなる)。つまり、等価的に小さな送信電力のCDMA信号にとっては、大きなTDMA信号と共存することは、雑音が増大したことに等しいこととなる。上記のように必要な信号が、他の信号にとって妨害となることは避けることが望ましい。そこで、図36,図37に示すように、基地局BS1からゾーン11に位置する移動局MS21への小さな送信電力を有するCDMA信号は時分割CDMA信号のタイムスロットCDMA#42−1に割り当て、基地局BS1からゾーン13に位置する移動局MS35への大きな送信電力を有するTDMA信号は、タイムスロットCDMA#42−3に割り当てると、前述のような小さなCDMA信号がマスキングされることを避けることが可能である。
【0099】
図38はこの実施の形態7における図35に対応する状態での方式設定プロセッサー113内のメモリに記憶されている管理データである移動局位置情報と送受信電力情報の管理テーブルの説明図である。なお、受信電界強度・送信電力のクラス分けは図10と同様である。図38において、時分割CDMA通信を行う移動局MS21〜MS27とTDMA通信を行う移動局MS31〜MS37のそれぞれのゾーンにおける位置と、送信電力・受信信号強度との関連が示されている。例えば、通話チャネル1031を割り当てられているTDMA移動局MS31は、ゾーン11に位置し、その送信電力はクラス1で最小クラスであり、他方通話チャネル1035を割り当てられている移動局MS35は、ゾーン13に位置し、その送信電力はクラス3で最大クラスであることが図38に示されている。
【0100】
図38の通話チャネル1037にはこの実施の形態7における他の例が示される。図35において、通話チャネル1037を割り当てられているTDMA通信を行う移動局MS37は、ゾーン13に位置しており、その送信電力はクラス3で最大クラスであることが図38に示されている。いま、このゾーン13に割り当てられている送信電力クラス3のTDMA通信を行う移動局あるいは時分割CDMA通信を行う移動局の数が増大し、時分割CDMA受信機の復調器入力信号が必要はC/Nを取れなくなった場合には、その割り当ての一部分のTDMA移動局を図36のタイムスロットT4すなわちCDMA#42−4へ変更する。このようにすることにより、信号の必要はC/Nを取ることが可能となる。図38の通話チャネル1037においては、移動局の位置はゾーン13であるが、タイムスロットは4であることを示している。この場合には、タイムスロットを変更することにより、小さなCDMA信号をマスキングすることを避けると同時に、通話チャネルの過大な割り当てを避け得る機能を有していることを示している。
【0101】
この実施の形態7の発明は以上のように構成されているので、時分割CDMA信号とTDMA信号とがタイムスロット共用・周波数チャネル共用移動通信システムにおいて、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信TDMA信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置するCDMA信号を受信する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。また、移動局の密度が高いゾーンの移動局の通信チャネルのタイムスロットを分散化させ、C/Nの劣化を防ぐことができるという効果がある。また、基地局の受信入力信号強度が、どのゾーンの移動局から送信されたアップリンク信号であれ、同程度に押さえられ、特定の信号のみが通信可能で他の多くは通信不能になるという事態を避けることができるという効果がある。
【0102】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0103】
第1の発明に係る無線通信装置は、拡散符号により周波数拡散され時間分割された時分割拡散信号、および、拡散符号により周波数拡散されることなく時間分割された時分割非拡散信号が、周波数領域または時間領域を共用しうる無線通信を行うものであって、受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割拡散信号再生手段と、受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割非拡散信号再生手段と、前記受信信号から、前記共用時分割拡散信号を除去し出力する共用時分割拡散信号除去手段と、前記受信信号から、前記共用時分割非拡散信号を除去し出力する共用時分割非拡散信号除去手段と、前記共用時分割非拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割拡散信号再生手段と、前記共用時分割拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割非拡散信号再生手段と、を有するようにしたので、複数の無線方式に基づく通信信号が、周波数共用・タイムスロット共用可能となり通話チャネル数を増加させることができるという効果がある。
【0104】
また、第2の発明に係る移動通信システムは、移動局と基地局との各通信局間で複数の多元接続方式の中から所定の方式の通信信号を用いて無線通信を行い、各方式の通信信号が周波数領域または時間領域を共用しうる移動通信システムにおいて、前記通信信号はTDMA方式に基づき、同一周波数でかつ同一タイムスロットに割り当てられ、異なる同期ワードを付加した同期ワード識別共用TDMA信号と、CDMA方式に基づき、拡散符号により周波数拡散され、時間分割されたタイムスロットに割り当てられた時分割CDMA信号とを含み、前記同期ワード識別共用TDMA信号と時分割CDMA信号とは、周波数領域または時間領域を共用しうる通信信号であって、前記通信局は、受信した前記通信信号から、前記同期ワード識別共用TDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用TDMA信号再生手段と、受信した前記通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割CDMA信号再生手段と、前記通信信号から前記共用TDMA信号を除去し出力する共用TDMA信号除去手段と、前記通信信号から前記共用時分割CDMA信号を除去し出力する共用時分割CDMA信号除去手段と、前記共用時分割CDMA信号が除去された通信信号から、前記同期ワード識別TDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望TDMA信号再生手段と、前記共用TDMA信号が除去された通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割CDMA信号再生手段と、を設けたので、複数の無線方式に基づく通信信号が、周波数共用・タイムスロット共用可能となり通話チャネル数を増加させることができるという効果がある。
【0105】
また、第3の発明に係る移動通信システムは、前記基地局は、当該基地局のサービスエリア内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶する基地局内管理データ記憶手段と、前記管理データに基づき、当該基地局のサービスエリア内の複数の移動局と当該基地局との間の多元接続方式の管理を行う基地局内接続方式管理手段とを有するようにしたので、複数のTDMA信号、時分割CDMA信号をシステム全体の通信品質を考慮し各通信に効率的に割り当て、また管理することができるという効果がある。
【0106】
また、第4の発明に係る移動通信システムは、前記基地局に接続され当該移動通信システム内で使用される多元接続方式の管理を行う移動交換局を有し、前記移動交換局は、当該移動通信システム内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶するシステム内管理データ記憶手段と、前記管理データに基づき、当該移動通信システム内の複数の移動局と基地局との間の多元接続方式の管理を行うシステム内接続方式管理手段とを有するようにしたので、複数のTDMA信号、時分割CDMA信号をシステム全体の通信品質を考慮し各通信に効率的に割り当て、また管理することができるという効果がある。
【0107】
また、第5の発明に係る移動通信システムは、基地局内接続方式管理手段またはシステム内接続方式管理手段は、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、基地局の送信電力、移動局の受信電力、移動局の送信電力、移動局の受信電力に係わる送受信電力情報を有するようにしたので、 TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、ハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。
【0108】
また、第6の発明に係る移動通信システムは、多元接続方式に対応した複数個の共用波再生手段と希望波再生手段とを有するとともに、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、前記複数個の共用波再生手段と希望波再生手段の稼働状態の管理情報を有するようにし、受信機内に複数のTDMA信号、CDMA信号、FDMA信号に対応する共用波キャンセラ、希望波受信機を設け、さらに移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各通話チャネル毎に前記共用波キャンセラ、希望波受信機の割り当てを管理するようにしたので、共用波の除去、希望波の抽出を効率的に実施できるという効果がある。
【0109】
また、第7の発明に係る移動通信システムは、基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにし、受信機内に複数のTDMA信号、CDMA信号、FDMA信号に対応する共用波キャンセラ、希望波受信機を設け、さらに移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各通話チャネル毎に前記共用波キャンセラ、希望波受信機の割り当てを管理するようにしたので、共用波の除去、希望波の抽出を効率的に実施できるという効果がある。
【0110】
また、第8の発明に係る移動通信システムは、基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力および基地局から前記移動局へ送信された通信信号の送信電力の大きさに応じて、前記移動局のハンドオフの要否を判断し、この判断に基づき当該基地局に隣接する基地局にて前記移動局の通信信号を受信し、この隣接基地局での受信電力の大きさに応じてハンドオフ先の基地局を設定するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、ハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。
【0111】
また、第9の発明に係る移動通信システムは、時分割CDMA信号と周波数を共用しているTDMA信号へハンドオフする場合、ハンドオフ先の基地局において受信された前記時分割CDMA信号およびTDMA信号の各通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにしたので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各基地局/移動局の通信信号の送受信電力レベルを管理するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、時分割CDMA信号からこの時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。
【0112】
また、第10の発明に係る移動通信システムは、前記移動局は前記同期ワード識別共用TDMA信号を用いて前記基地局と通信を行い、ハンドオフに際し、前記同期ワード識別共用TDMA信号とは異なる同期ワードを用いた同期ワード識別共用TDMA信号を用いて隣接する基地局と通信を行うようにしたので、つまり移動交換局内の方式設定プロセッサにおいて各基地局と移動局の通信信号の送受信電力レベルを管理するようにしたので、TDMA信号、CDMA信号、FDMA信号等が周波数チャネル共用・タイムスロット共用する通信システムにおけるセル間において、時分割CDMA信号からこの時分割CDMA信号と周波数共用・タイムスロット共用しているTDMA信号へのハンドオフを効率的に実施できるという効果がある。また、2つのタイムスロット共用・周波数チャネル共用TDMA信号が別個に受信可能であるので、周波数の有効利用に極めて有用であるという効果がある。
【0113】
また、第11の発明に係る移動通信システムは、前記基地局が構成する無線覆域は、基地局を中心とする複数の同心円状ゾーンに分割され、この複数の同心円状ゾーンは、前記TDMA信号、同期ワード識別共用TDMA信号、時分割CDMA信号の少なくとも1つの通信信号のタイムスロットと対応付けられているようにしたので、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。
【0114】
また、第12の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、他の同心円状ゾーンに移動した場合には、前記移動先の他の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号が割り当てられるようにしたので、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。
【0115】
また、第13の発明に係る移動通信システムは、移動局が無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置する場合には、前記移動局は隣接する基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号へのハンドオフを行うようにしたので、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。
【0116】
また、第14の発明に係る移動通信システムは、移動局が最大の送信電力で通信信号を送信し、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定のしきい値以下で受信した場合には、前記移動局は基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置すると判断されるようにしたので、セル中心より離れたゾーンに位置する移動局へ送信される基地局からの大電力送信信号により、前記ゾーンより内側のゾーンに位置する移動局の受信機が飽和させられるという障害を避けることができるという効果がある。
【0117】
また、第15の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、所定の数を超えた場合には、前記タイムスロットとは別の同心円状ゾーンに対応付けられていない新たなタイムスロットを対応させ、この新たなタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てるようにしたので、移動局の密度が高いゾーンの移動局の通信チャネルのタイムスロットを分散化させ、C/Nの劣化を防ぐことができるという効果がある。
【0118】
また、第16の発明に係る移動通信システムは、無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局の送信電力を、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記移動局の送信電力を調整し、前記基地局の送信電力を、移動局が前記通信信号を移動局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記基地局の送信電力を調整するようにしたので、基地局の受信入力信号強度が、どのゾーンの移動局から送信されたアップリンク信号であれ、同程度に押さえられ、特定の信号のみが通信可能で他の多くは通信不能になるという事態を避けることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移動通信システムのシステムブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による同期ワード識別共用TDMA信号の構成を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1によるアンテナダイバーシティ受信機のブロック図(1/2)である。
【図6】 この発明の実施の形態1によるアンテナダイバーシティ受信機のブロック図(2/2)である。
【図7】 この発明の実施の形態2による移動交換局のブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による通信方式パラメータの管理テーブルの説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による移動通信システムのシステムブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による送受信電力情報の管理テーブルの説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による周波数共用されている通信信号の移動局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図12】 この発明の実施の形態3による周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図13】 この発明の実施の形態3による共用波キャンセラと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態3によるアンテナダイバーシティ受信機のブロック図(1/2)である。
【図15】 この発明の実施の形態3によるアンテナダイバーシティ受信機のブロック図(2/2)である。
【図16】 この発明の実施の形態3による他の移動通信システムのシステムブロック図である。
【図17】 この発明の実施の形態3によるハンドオフ判断用の受信電力情報の管理テーブルの説明図である。
【図18】 この発明の実施の形態3によるハンドオフシーケンスのフローチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態4による周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図20】 この発明の実施の形態4による共用波キャンセラと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。
【図21】 この発明の実施の形態4によるハンドオフシーケンスのフローチャートである。
【図22】 この発明の実施の形態4によるハンドオフプロセスの説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態4による移動交換局内の方式設定プロセッサのブロック図である。
【図24】 この発明の実施の形態5による周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図25】 この発明の実施の形態5による共用波キャンセラと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。
【図26】 この発明の実施の形態5による周波数共用されている通信信号の基地局での受信信号の周波数スペクトラムの説明図である。
【図27】 この発明の実施の形態5による共用波キャンセラと希望波受信機の稼働状態の管理情報の管理テーブルの説明図である。
【図28】 この発明の実施の形態5によるハンドオフシーケンスのフローチャートである。
【図29】 この発明の実施の形態5によるハンドオフプロセスの説明図である。
【図30】 この発明の実施の形態6による移動通信システムのゾーン構成図である。
【図31】 この発明の実施の形態6による通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の説明図である。
【図32】 この発明の実施の形態6による通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
【図33】 この発明の実施の形態6による無線方式パラメータの管理テーブルの説明図である。
【図34】 この発明の実施の形態6による無線方式パラメータの管理テーブルの説明図である。
【図35】 この発明の実施の形態7による無線方式パラメータの管理テーブルの説明図である。
【図36】 この発明の実施の形態7による移動通信システムのゾーン構成図である。
【図37】 この発明の実施の形態7による通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の説明図である。
【図38】 この発明の実施の形態7による通信信号の周波数スペクトラムとタイムスロットとの関係の詳細な説明図である。
【符号の説明】
1,2 移動局、3,4 基地局、5,6 無線覆域(セル)、7,8,9,10 ダイバシティアンテナ、11 移動交換局、12 公衆用システム、13,14 同期ワード識別共用TDMA信号、41,42 ダイバシティアンテナ、43,44 変換増幅器、45,46 相関器、47−1,47−2 相関符号発生器、48,49 等化器、50 加算器、51 判定器、52 共用チャネルデジタル変調器、53,54 等化係数、55−1,55−2,56−1,56−2 伝搬路シミュレータ、57共用チャネル情報、58,59 伝搬路係数、60 プロセッサ、61,62 加算器、69−1,69−2 共用波再生手段、71,72 遅延回路、73,74 加算器(共用波除去手段)、75,76 フィルタ付き増幅器、77,78,79,80 レプリカ発生器、81,82,83,84 加算器、85,86 推定器、87,88 自乗誤差信号生成器、89 加算器、90 推定誤差合成器、91,92 信号出力部、100 希望波再生手段、111 PSTNインターフェース回路、112 通話路交換部、113 方式設定プロセッサー、114 シグナリング処理部、115 基地局インタフェース回路、116 基地局。
Claims (16)
- 拡散符号により周波数拡散され時間分割された時分割拡散信号、および、拡散符号により周波数拡散されることなく時間分割された時分割非拡散信号が、周波数領域または時間領域を共用しうる無線通信を行う無線通信装置において、
受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割拡散信号再生手段と、
受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割非拡散信号再生手段と、
前記受信信号から、前記共用時分割拡散信号を除去し出力する共用時分割拡散信号除去手段と、
前記受信信号から、前記共用時分割非拡散信号を除去し出力する共用時分割非拡散信号除去手段と、
前記共用時分割非拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割拡散信号再生手段と、
前記共用時分割拡散信号が除去された受信信号から、前記時分割非拡散信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割非拡散信号再生手段と、
を有することを特徴とする無線通信装置。 - 複数の移動局と少なくとも1つの基地局との各通信局間で複数の多元接続方式の中から所定の方式の通信信号を用いて無線通信を行い、各方式の通信信号が周波数領域または時間領域を共用しうる移動通信システムにおいて、
前記通信信号は、
TDMA方式に基づき、同一周波数でかつ同一タイムスロットに割り当てられ、異なる同期ワードを付加した同期ワード識別共用TDMA信号と
CDMA方式に基づき、拡散符号により周波数拡散され、時間分割されたタイムスロットに割り当てられた時分割CDMA信号と、
を含み、
前記同期ワード識別共用TDMA信号と時分割CDMA信号とは、周波数領域または時間領域を共用しうる通信信号であって、
前記通信局は、
受信した前記通信信号から、前記同期ワード識別共用TDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用TDMA信号再生手段と、
受信した前記通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、共用波信号として出力する共用時分割CDMA信号再生手段と、
前記通信信号から前記共用TDMA信号を除去し出力する共用TDMA信号除去手段と、
前記通信信号から前記共用時分割CDMA信号を除去し出力する共用時分割CDMA信号除去手段と、
前記共用時分割CDMA信号が除去された通信信号から、前記同期ワード識別TDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望TDMA信号再生手段と、
前記共用TDMA信号が除去された通信信号から、前記時分割CDMA信号を再生し、希望波信号として出力する希望時分割CDMA信号再生手段と、
を有することを特徴とする移動通信システム。 - 前記基地局は、
当該基地局のサービスエリア内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶する基地局内管理データ記憶手段と、
前記管理データに基づき、当該基地局のサービスエリア内の複数の移動局と当該基地局との間の多元接続方式の管理を行う基地局内接続方式管理手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 前記基地局に接続され当該移動通信システム内で使用される多元接続方式の管理を行う移動交換局
を有し、
前記移動交換局は、
当該移動通信システム内で使用される通信信号に関し、少なくとも前記同期ワード識別共用TDMA信号に付加された同期ワードと前記時分割CDMA信号の生成に用いられた拡散符号とに係わる接続方式識別情報を管理データとして記憶するシステム内管理データ記憶手段と、
前記管理データに基づき、当該移動通信システム内の複数の移動局と少なくとも1つの基地局との間の多元接続方式の管理を行うシステム内接続方式管理手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 基地局内接続方式管理手段またはシステム内接続方式管理手段は、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、基地局の送信電力、移動局の受信電力、移動局の送信電力、移動局の受信電力に係わる送受信電力情報を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の移動通信システム。
- 多元接続方式に対応した複数個の共用波再生手段と希望波再生手段とを有するとともに、管理データとして、同期ワードおよび拡散符号に係わる接続方式識別情報により識別されるそれぞれの接続方式毎に、前記複数個の共用波再生手段と希望波再生手段の稼働状態の管理情報を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の移動通信システム。
- 基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
- 基地局において受信された移動局からの通信信号の受信電力および基地局から前記移動局へ送信された通信信号の送信電力の大きさに応じて、前記移動局のハンドオフの要否を判断し、
この判断に基づき当該基地局に隣接する基地局にて前記移動局の通信信号を受信し、
この隣接基地局での受信電力の大きさに応じてハンドオフ先の基地局を設定するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。 - 時分割CDMA信号と周波数を共用しているTDMA信号へハンドオフする場合、ハンドオフ先の基地局において受信された前記時分割CDMA信号およびTDMA信号の各通信信号の受信電力の大きさに応じて、この通信信号の多元接続方式に対応した共用波再生手段または希望波再生手段を前記通信信号に割り当てるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
- 前記移動局は前記同期ワード識別共用TDMA信号を用いて前記基地局と通信を行い、ハンドオフに際し、前記同期ワード識別共用TDMA信号とは異なる同期ワードを用いた同期ワード識別共用TDMA信号を用いて隣接する基地局と通信を行う
ことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 前記基地局が構成する無線覆域は、基地局を中心とする複数の同心円状ゾーンに分割され、
この複数の同心円状ゾーンは、前記同期ワード識別共用TDMA信号、時分割CDMA信号の少なくとも1つの通信信号のタイムスロットと対応付けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。 - 無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、他の同心円状ゾーンに移動した場合には、前記移動先の他の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号が割り当てられる、
ことを特徴とする請求項11に記載の移動通信システム。 - 移動局が無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置する場合には、前記移動局は隣接する基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号へのハンドオフを行う、
ことを特徴とする請求項11に記載の移動通信システム。 - 移動局が最大の送信電力で通信信号を送信し、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定のしきい値以下で受信した場合には、前記移動局は基地局が構成する無線覆域の最も外側の同心円状ゾーンに位置すると判断される、
ことを特徴とする請求項13に記載の移動通信システム。 - 無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局が、所定の数を超えた場合には、前記タイムスロットとは別の同心円状ゾーンに対応付けられていない新たなタイムスロットを対応させ、この新たなタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てる、
ことを特徴とする請求項11に記載の移動通信システム。 - 無線覆域内の同心円状ゾーンに位置し、この同心円状ゾーンに対応したタイムスロットを有する時間分割された通信信号を割り当てられた移動局の送信電力を、基地局が前記通信信号を基地局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記移動局の送信電力を調整し、
前記基地局の送信電力を、移動局が前記通信信号を移動局における当該通信信号の最小受信感度に基づく所定の受信レベル範囲内で受信できるように、前記基地局の送信電力を調整する、
ことを特徴とする請求項11に記載の移動通信システム。
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