JP3985024B2 - 核融合発電システム - Google Patents

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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核融合炉を使った発電システムに関し、特により高い発電効率を有する核融合発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
世界のエネルギー需要が増大している一方、化石燃料の枯渇が心配される近い将来のエネルギー情勢に対して、海水中に殆ど無尽蔵に存在する重水素と炉内で生成するトリチウムを燃料とする核融合発電システムの開発が進んでおり、実用化の検討がされている。
特に磁場閉じ込め方式のトカマク型核融合炉に関しては、日本原子力研究所の臨界プラズマ試験装置(JT-60)や、EU、日本、ロシア、米国の4極が参加していた国際熱核融合実験炉計画(ITER)など、研究が先行している。ITERの実験が順調に進行すれば、以降、原型炉、実証炉の段階を経て実用化に向かう予定である。
【0003】
トカマク型核融合炉は、真空容器の外に設けられたポロイダルコイルにより発生する垂直方向の垂直磁場、トロイダルコイルにより発生する周に沿った動径方向のトロイダル磁場、およびソレノイドコイルにより誘起されるプラズマ電流が作り出すポロイダル磁場とにより、トーラス状に形成されたプラズマを安定に閉じ込めて核融合反応を起こさせる磁気閉じ込め型プラズマ格納用真空容器である。
図3は代表的なトカマク型核融合炉の断面を示す図面である。
図3に見るように、真空容器の内部には、リチウムを含むブランケットがプラズマ領域を囲むように形成されている。ブランケットは核融合反応で発生する中性子を減速して運動エネルギーを熱に変え、水などの冷媒により搬出する機能を有する。
ブランケットに含まれるリチウムは、プラズマから放射される中性子を取り込んで天然には存在しないトリチウムを生産する。このようにして得たトリチウムと海水などから分離した重水素を原料として、核融合反応を行う。
【0004】
ブランケットの表面には、高融点の耐熱材料で構成し内部に水などの冷却媒体を流通させる第1壁が形成されている。第1壁は、ブランケットをプラズマの高温から保護すると共に、プラズマ内の核融合反応により発生する熱を冷却材を介して回収する。
冷却水は、第1壁の中で高圧蒸気になるので、この高圧蒸気を直接利用し蒸気タービンを駆動して発電することができる。また、放射化物質が発電プラントに侵入すると高度な管理が必要となり管理コストが高騰する結果になることに配慮して、第1壁で製造された1次冷却水の蒸気を2次冷却水と熱交換して、放射化物質が混入しない2次冷却水の蒸気により蒸気タービン発電をするようにした間接サイクルを採用することもできる。
【0005】
蒸気タービン発電では、過熱蒸気を蒸気タービンで膨張させ復水器で冷却して飽和水とし給水ポンプで昇圧して核融合炉あるいは蒸発器に送って再び過熱蒸気にして利用する。蒸気圧力が高く蒸気温度が高いほど熱効率が高く、また復水器で冷やすほど熱効率が上昇する。
復水器では、海水などで蒸気を冷却して凝縮するが、吸収した蒸気の熱を海などに廃棄するので、幾分でも廃熱量を減少させることが好ましい。このため、タービンに入る蒸気の一部を給水加熱器に送り復水器を通らないようにして熱効率を向上させる、再生サイクルを採用することができる。
また、蒸気圧力が高いとタービンを通って膨張した後の蒸気の湿り度が増加して、タービンの効率が低下し、またタービン翼の腐食浸食をするので、ある圧力まで膨張したところで蒸発器で適当な温度に再熱して再びタービンに戻す再燃サイクルも採用されている。なお、高圧高温の蒸気タービン発電機では、これらを複合した再熱再生サイクルがよく用いられている。
【0006】
特許文献1には、加圧水型原子炉プラントや核融合炉プラントの発電システムにおいて、安全性の観点から炉の取り扱い上の制約を重視して、蒸気発生器と蒸気タービンの間に過熱器を設け、さらにガスタービン発電機を別途設置して、ガスタービンの排ガスを過熱器の熱源として蒸気の温度を上昇させることにより湿り度の増加を図り熱効率の向上を図るようにした複合発電装置が開示されている。
特許文献1に開示された複合発電装置は、核融合炉とは別に、化石燃料であるガス燃料の供給を必要とする点で、システムの複雑性を増加させていることに問題がある。
【0007】
ところで、トカマク型核融合炉の真空容器内部の底に1周に亘ってダイバータが設置されている。ダイバータは、核融合反応の結果生じたヘリウム灰やプラズマ性能を劣化させる不純物を集めて排気溝を通して排出してプラズマの純度を維持するものである。また、ダイバータは、真空容器の壁をプラズマの高温から保護すると共にプラズマを中性化する機能も有する。
コイル電流を制御することにより、真空容器内で生成された1億度を超える高温プラズマの周辺部がダイバータのターゲットに導かれる。したがって、ターゲットはプラズマの一部と接触して大きな負荷を受けることになる。このため、たとえば日本原子力研究所の臨界プラズマ試験装置では図4に斜視図で示したようなW字形のダイバータを使用して、ターゲットの熱負荷を緩和している。
【0008】
ターゲットは、たとえば、図5に示すように、スワール冷却管など効率のよい冷却管を埋めたステンレス鋼製背板の上に、冷却管を埋めた純銅製のヒートシンクを配置し、その表面を炭素繊維で強度と熱伝導性を高めた黒鉛材料などを使ったアーマタイルで覆って構成する。ダイバータは300℃程度に保持して、不純物の排出を能率よく行うようにする。したがって、ターゲットの冷却管に流通させる冷却水は、高温高圧蒸気に変態させることができないので、蒸気タービン発電機の駆動流体として直接利用することはできない。
通常運転においてダイバータが受ける熱負荷は、定常状態で約5MW/mから10MW/m、非定常状態では最大20MW/mに達するとされる。
核融合原型炉計画によれば、ブランケットで2420MWに対してダイバータで490MWの熱負荷になり、ダイバータが受ける熱エネルギーは全体の約16.8%にもなる。
【0009】
このような大量の熱を単に廃棄するのでは核融合発電の熱効率が低下してしまう。この低温熱源を活用するものとして、特許文献2に、ダイバータに熱電対を仕込み冷却用パイプを組み込んでおいて、熱電対の端子間に大きな温度勾配を生じさせて得られる起電力を利用して直接発電を行うことによりエネルギーを回収して、核融合炉の熱効率を向上させる方法が開示されている。なお、熱電対のゼーベック効果に代えて、熱流が流れている導体に磁場が係るときに電場が生ずるネルンスト効果を利用してもよいとされる。
しかし、特許文献2に開示された方法は、蒸気タービン発電システムとは異質の機構を利用したもので、直接電気エネルギーに変換するが、変換効率が高くなく、また十分成熟した技術ではないため、さらに克服すべき種々の課題が残っている。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−209714号公報
【特許文献2】
特開平6−242275号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、核融合炉の発生熱をより有効に回収する効率の高い核融合発電システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の核融合発電システムは、核融合炉のブランケットを主熱源として高温高圧の冷却材により蒸気タービン発電する発電システムにおいて、プラント復水配管に熱交換器を設けて、この熱交換器に低圧低温のダイバータ冷却材を循環させて復水を加熱することを特徴とする
【0013】
核融合炉のブランケットは、第1壁で被覆され超高温プラズマに直接接触しないように保護されているが、核融合反応で発生する中性子は第1壁を透過して入射しブランケット内部で運動エネルギーを熱に変換する。また、第1壁はプラズマからの熱を受けて昇温する。
これらの熱は冷却管を通る冷却水、たとえば、290℃,25.0MPaの高圧の給水を加熱して510℃,25.0MPaの超臨界圧水にする。こうすることにより大量の熱エネルギーを給水に伝達することができる。
こうしてブランケットで発生する超臨界圧水は、直接サイクルあるいは間接サイクルの蒸気タービン発電システムにおける直接あるいは間接の駆動媒体として作用して発電する。
【0014】
一方、核融合炉のダイバータには周辺プラズマが流入して加熱されるが、冷却水によって運転中約300℃に保たれている。ダイバータは比較的低温に保持しなければならないため、液相における熱交換が好ましく、ダイバータ内に設置された冷却管に大量の冷却水を供給して冷却する。冷却配管には、たとえば、ほぼ200℃,10MPaの大量の冷却水を流入させて、250℃に加熱して排出する。この250℃に加熱された大量の水は、復水後のブースタポンプの後ろに設置された熱交換器の熱源として供給され、33℃の給水を176℃まで加熱する。
【0015】
再生サイクルの蒸気タービンを使った従来の核融合発電では、蒸気タービンから蒸気を抽気して給水加熱器に供給することにより復水器で冷却水に捨てる熱量の割合を減少させて熱効率を向上させている。
本発明の核融合発電システムは、核融合炉で発生する熱のうちダイバータに分配される10数%に及ぶ熱エネルギーを活用して給水温度を上昇させるため、さらに熱効率を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を用いて本発明の核融合発電システムを詳細に説明する。
図1は本発明を直接サイクルの核融合発電システムに適用した第1の実施例のブロック図、図2は間接サイクルのシステムに適用した第2の実施例のブロック図である。
【0017】
【実施例1】
本発明の核融合発電システムは、核融合炉のブランケットにおける発生熱を回収して給水を過熱蒸気に変換し、この過熱蒸気で蒸気タービン発電機を駆動して発電する。本発明の特徴は、復水器で水に戻って低温の給水になったところで、ダイバータで暖まった冷却水で加熱することにより、従来廃棄していたダイバータの発生熱を有効に利用し、核融合発電の熱効率を向上させたところにある。
本実施例は、最も使用可能性の高い再熱再生システムの蒸気タービンに適用したもので、特にブランケットで発生させた超臨界圧水を直接に蒸気タービンに導いて発電する直接サイクルの発電システムに適用した例であるが、本発明はその他各種の蒸気タービン発電機に適用できることはいうまでもない。
【0018】
図1を参照すると、給水は核融合炉のブランケット1の内部に設けられた冷却配管中を流れてブランケットで発生する熱を吸収し、高温高圧の超臨界状態となって高圧タービン11に送られる。
ブランケットの発生熱がたとえば、ITERの計画に従って2420MWとするとき、25.0Pa290.0℃で供給される給水から生成する超臨界圧水は、たとえば25.0Pa510℃の高圧高温になる。
高圧タービン11は中圧タービン12および発電機13と共軸に結合されていて、高圧タービン11と中圧タービン12を合わせた回転出力で発電機13を駆動して発電する。
【0019】
ブランケットを出た冷却材は高圧タービン11を駆動して、たとえば7.6Pa334.5℃の中圧蒸気になり、さらに中圧タービン12に供給される。なお、中圧蒸気は一部が引き出され、再熱器14と最終段の給水加熱器27の加熱用蒸気となる。
中圧タービン12は中間の2カ所に抽気ノズルが設けられていて、減圧途中の蒸気が一部抽気されて給水加熱器に熱源として供給されるが、供給された中圧蒸気の大部分は1.5Pa198.3℃の低圧蒸気になって排出される。
排出された低圧蒸気は、一部が脱気器22に供給されるが、残りは再熱器14で320.0℃まで昇温して低圧タービン15に送られる。
【0020】
再熱器14で低圧蒸気から分離した水は脱気器22に送られて給水に加えられる。また、再熱器14の加熱用蒸気は熱交換後にさらに給水加熱器の熱源として利用される。
再熱器14で昇温した低圧蒸気は、低圧タービン15を回転させ発電機16を駆動して発電し、0.005Pa33.1℃、11.8%のの湿り蒸気になって復水器17に供給される。
高圧中圧タービンによる発電と低圧タービンによる発電で、たとえば1157.2MWの電力を製造することができる。
【0021】
復水器17では、海水を冷媒として1724.3MWの熱を吸収して海に放出する。復水器17で復水した冷却水は復水ポンプ18で昇圧して、復水ろ過装置19と復水脱塩装置20を通り、さらに復水ブースタポンプ21でさらに昇圧して脱気器22に送られる。
【0022】
本実施例では、復水ブースタポンプ21と脱気器22の間に加熱装置10が設けられることを特徴とする。
加熱装置10は、熱交換器3とダイバータ2と冷却水循環ポンプ4で構成される閉路配管系である。熱交換器3は給水配管中に設けられ、熱交換器3の熱媒体としてダイバータ2の冷却水を供給し、冷却水循環ポンプ4で熱媒体を循環させる。
10.0Pa200℃の冷却水が、たとえばITERの計画に従って、490MWの熱を発生するダイバータを冷却する間に250℃まで昇温して、熱交換器3で33.4℃の給水を176.4℃まで昇温させる。
【0023】
脱気器22では、給水や給水加熱器の冷却水や再熱器の復水を集めて棚から落下させて加熱蒸気を吹き込むことにより水に混入したガスを脱気させて器外に排出し、水を下部の貯水槽に溜めて給水に返す。
貯水槽の給水は、給水ポンプ24で昇圧して3段の給水加熱器25,26,27を通してブランケット1に供給する。
給水ポンプ24は小型の蒸気タービン23で駆動される。蒸気タービン23は再熱器14で昇温した低圧蒸気で駆動される。蒸気タービン23から排出される蒸気は復水器17に供給されて水に戻る。
給水加熱器25,26,27は、それぞれ蒸気タービンで抽気された蒸気で加熱するもので、復水器17で冷却水に捨てる熱量を減少させてサイクルの熱効率を向上させる働きをする。
【0024】
なお、ブランケットで発生するトリチウムは給水中に含まれて循環するので、復水ポンプ18の吐出側で一部をトリチウム処理装置30に抜き出して給水から抽出し、トリチウムを分離した給水は再び循環する給水に戻す。
また、図中参照番号31で示すバルブは流量制御弁、参照番号32で示すバルブは減圧弁である。
【0025】
本実施例によれば、従来活用できなかったダイバータで発生する低温の熱エネルギーをタービン駆動蒸気の循環系に取り込んで給水の昇温に有効に利用するため、核融合発電の熱効率が向上し、また熱廃棄量が減少して環境の負担が低減する効果を有する。
たとえば核融合原型炉計画では、ブランケットで発生する熱エネルギーが2420MWのときに、ダイバータで発生する熱エネルギーは490MWにもなることが予定されていることに鑑みても、本発明の効果は大きい。
【0026】
【実施例2】
本実施例は、図2に示したとおり、核融合炉で放射化した物質が拡散することを防止するために、直接サイクルに代えて間接サイクルを採用したもので、その他の構成は第1の実施例と差異がないので、図1と同じ機能を有する機器には同じ参照番号を付して説明を省略し、本実施例全体の構成を明瞭にする。
【0027】
図2を参照すると、核融合炉のブランケットに設けられた1次冷却水系と蒸気タービンを駆動する給水系が別々の循環系を形成し、両者が熱交換器を介して間接的に熱的接続を行ってブランケットの熱を蒸気タービンに伝達するようになっている。
ブランケットの発生熱が、たとえば原型炉の計画に従って2420MWとするとき、ブランケット冷却系では、たとえば25.0Pa290.0℃で供給される1次冷却水がブランケット1の内部に設けられた冷却配管中を流れて、たとえば25.0Pa510℃の超臨界圧水となり、過熱器41と蒸発器42を直列に通過して1次冷却材ポンプ43で再びブランケット1に戻される。
【0028】
1次冷却水系の配管は閉鎖系になっているため、温度変化による冷却水の容積変化を吸収するため加圧器44が設けられていて、異常圧が発生したときには圧力逃がし弁45から放出して保護することができる。
また、ブランケット1で発生するトリチウムを回収するため、1次冷却材ポンプ43の吸引側と吐出側にノズルを設けて、化学体積制御装置(CVCS)46を設ける。化学体積制御装置46はさらにトリチウム処理装置47に接続されて、1次冷却水からトリチウムを分離回収して、分離後の1次冷却水をブランケット冷却系に戻すようになっている。
【0029】
蒸発器42には蒸気タービン駆動系の16.3Pa220.0℃の給水が供給され、370.0℃の蒸気となって、さらに過熱器41に供給されて480.0℃の過熱蒸気となって高圧タービン11を駆動し、5.5Pa326.2℃の蒸気になり、さらに中圧タービン12に供給される。中圧タービン12を駆動した蒸気は1.2Pa188.0℃の蒸気となって再熱器14に送られ、300.0℃に昇温して低圧タービン15に供給される。
高圧タービン11と中圧タービン12により、発電機13で480.7MWの電力を生成する。
【0030】
なお、高圧タービン11では7.5Paで蒸気を抽気して、高圧タービン11に供給される蒸気と一緒に、再熱器14に熱媒として供給する。また、中圧タービン12でも2.4Paの位置で抽気して、給水加熱器28の熱媒として供給し蒸発器42に送る給水を190.0℃から220.0℃に加熱する。さらに、中圧タービン12で排出される蒸気の一部は脱気器22の作動蒸気として供給される。
第1実施例では3段の給水加熱器を使用したが、本実施例では蒸気タービン系に供給される高圧高温蒸気の圧力温度が低いため、給水加熱器を1段としている。これに伴い、再熱器14の2種の加熱用蒸気のいずれも熱交換後にこの給水加熱器28に供給される。
【0031】
低圧タービン15では300℃の低圧蒸気を0.005Pa33.1℃の湿り蒸気とする間に、発電機16でたとえば608.1MWの電気を発生する。高圧中圧タービンによる発電と低圧タービンによる発電で、1088.8MWの電力を製造することができる。
低圧タービン15で排出された蒸気は、復水器17に供給し海水で冷却して水に戻し、復水ポンプ18で吸い出して復水ろ過装置19と復水脱塩装置20を通し、復水ブースタポンプ21で1.2Paに昇圧し加熱装置10を通して加熱し171.1℃の給水にして脱気器22に送られる。
【0032】
復水器17では、海水を冷媒として1796.9MWの熱を海に放出する。再熱器14で蒸気から分離した水と給水加熱器28で凝縮した水は脱気器22に送られて給水に加えられる。
加熱装置10は、第1実施例と同様、熱交換器3とダイバータ2と冷却水循環ポンプ4で構成され、熱交換器3の熱媒体としてダイバータ2の冷却水を供給し、冷却水循環ポンプ4で熱媒体を循環させる。
10.0Pa200℃の冷却水が、たとえば原型炉の計画に従って、490MWの熱を発生するダイバータを冷却する間に250℃まで昇温して、熱交換器3で33.2℃の給水を171.1℃まで昇温させる。
【0033】
脱気器22で脱気した給水は、給水ポンプ24で昇圧し、給水加熱器28を通して220.0℃まで加熱し、蒸発器42に供給する。
給水ポンプ24は、再熱器14で昇温した低圧蒸気で駆動される蒸気タービン23で駆動され、蒸気タービン23から排出される蒸気は復水器17で水に戻る。
給水加熱器28は、蒸気タービンの抽気で加熱するもので、駆動蒸気の一部が復水器17を回避できるようにして復水器17で冷却水に捨てる熱量を減少させて、サイクルの熱効率を向上させる。
【0034】
本実施例によっても第1実施例と同じように、ダイバータで発生する熱エネルギーをタービン駆動蒸気の循環系に取り込んで給水の昇温に利用し、核融合発電の熱効率を向上させ、また熱廃棄量を減少させて環境の負担が低減する。
なお、発明の実施の形態の説明において具体的な数値を挙げたが、これら数値は説明を明確にするため、一つの計画数値に基づいて本実施例の実施可能性を証明した例に過ぎず、本願発明の技術的思想をこの数値に制約するものではないことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の核融合発電システムにより、従来活用できなかったダイバータで発生する低温の熱エネルギーをタービン駆動蒸気の循環系に取り込んで給水の昇温に有効に利用するので、核融合発電の熱効率が向上し、また熱廃棄量が減少して環境の負担が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の核融合発電システムの1実施例の構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の核融合発電システムの別の実施例の構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明を適用するトカマク型核融合炉の断面図である。
【図4】本発明に利用するダイバータの斜視図である。
【図5】ダイバータのターゲットの側面図と断面図である。
【符号の説明】
1 核融合炉ブランケット
2 核融合炉ダイバータ
3 熱交換器
4 冷却水循環ポンプ
10 加熱装置
11 高圧タービン
12 中圧タービン
13 発電機
14 再熱器
15 低圧タービン
16 発電機
17 復水器
18 復水ポンプ
19 復水ろ過装置
20 復水脱塩装置
21 復水ブースタポンプ
22 脱気器
23 給水ポンプ用蒸気タービン
24 給水ポンプ
25,26,27 給水加熱器
28 給水加熱器
30 トリチウム処理装置
31 流量制御弁
32 減圧弁
41 過熱器
42 蒸発器
43 1次冷却材ポンプ
44 加圧器
45 圧力逃がし弁
46 化学体積制御装置(CVCS)
47 トリチウム処理装置

Claims (3)

  1. ブランケットとダイバータを備えた核融合炉のブランケットを主熱源として高温高圧のブランケット冷却材を用いて蒸気タービンで発電する発電システムにおいて、プラント復水配管に液相同士で熱交換する熱交換器を設けて低圧低温のダイバータ冷却材を循環させて復水を加熱することを特徴とする核融合発電システム。
  2. 前記発電システムが、前記ブランケット冷却材を前記蒸気タービンに直接導く直接サイクル式発電システムであることを特徴とする請求項1記載の核融合発電システム。
  3. 前記発電システムが、蒸気発生器と蒸気過熱器を備えて、前記ブランケット冷却材を熱源として過熱蒸気を生成し、該過熱蒸気で前記蒸気タービンを駆動する間接サイクル式発電システムであることを特徴とする請求項1記載の核融合発電システム。
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