JP3984967B2 - 容量可変回転圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転圧縮機に関し、さらに詳細には、冷媒の圧縮能力を可変させられる容量可変回転圧縮機に関する。
一般に、圧縮機は冷サイクルを用いて所定の空間内の空気を冷却する機能を持っている空気調和機及び冷蔵庫などの冷却装置に組み込まれる。冷却装置において圧縮機は、冷却装置の冷凍回路を通じて循環する冷媒を圧縮させる機能を有している。かかる圧縮機の圧縮容量によって冷却装置の冷却能力が決定される。したがって、圧縮機がその圧縮容量を望むとおりに可変させられるように構成された場合、冷却装置を周囲温度と設定された基準温度間の差に基づいて最適の条件で動作させるのが可能であり、これにより、所定の空間内の空気を効率的に冷却させ得ると同時に、エネルギーが節減できる。
上記のような冷却装置では、回転圧縮機、往復圧縮機などの様々な圧縮機が使用されてきたが、本発明は後述するように回転圧縮機に関する。
従来の回転圧縮機は、内部に固定子と回転子が設置された密閉容器を含む。回転子を貫通して回転軸が延長されており、回転軸の外面には偏心カムが一体に備えられている。圧縮室にはローラが偏心カムの外周に結合された状態に設けられている。このように構成された回転圧縮機は、次のように動作する。回転軸が回転すると偏心カムとローラが圧縮室内で偏心回転するようになり、このとき、圧縮室内に冷媒ガスが吸入され、圧縮された後密閉容器の外部に吐出される。
しかし、かかる従来の回転圧縮機は、圧縮容量が固定されているため、周囲温度と設定された基準温度との差に基づいて圧縮容量が可変できないといった問題があった。
つまり、周囲の温度が設定された基準温度より非常に高い場合、周囲の温度を迅速に下げるためには大容量圧縮モードで圧縮機を動作させる必要がある。一方、周囲温度と設定された基準温度との差が大きくない場合には、エネルギー節減のために小容量の圧縮モードで圧縮機を動作させる必要がある。しかし、周囲の温度と設定された基準温度との差に基づいて回転圧縮機の容量を可変させるのが不可能であり、その結果、従来の回転圧縮機は温度変化に有効に対処できず、エネルギーの浪費を招いてきた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転軸に取付けられた偏心装置により異なる容積を有する2つの圧縮室のうちいずれか一方でのみ圧縮動作が行えるようにすることによって、圧縮容量を望むとおりに可変させられるように構成した容量可変回転圧縮機を提供することにある。
本発明の他の目的は、圧縮動作を行うさい偏心ブッシュのスリップが発生しなくすることよって騒音を防止でき、機器の耐久性が高められるようにした容量可変回転圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る容量可変回転圧縮機は、異なる容積を持つ第1圧縮室と第2圧縮室が形成されるハウジングと、前記第1及び第2圧縮室の内部に配設される回転軸と、前記第1及び第2圧縮室内の回転軸の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏心カムと、前記第1及び第2偏心カムの外面に回転可能に取り付けられた第1及び第2偏心ブッシュと、前記回転軸の回転方向の変化にしたがって前記第1及び第2偏心ブッシュが互いに相反して偏心されたり偏心解除された状態でかかるようにするロック装置と、前記回転軸が回転するさい遠心力により前記回転軸の外側へ突出しながら前記偏心ブッシュを拘束する拘束装置とを含む。
また、前記拘束装置は、前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記回転軸の半径方向に進退可能に設けられる拘束部材と、前記拘束部材が突出するとき前記偏心ブッシュがかかって拘束されるように前記偏心ブッシュに形成されるロック部と、前記回転軸が回転しないとき前記拘束部材を前記回転軸の中心側に加圧して前記偏心ブッシュの拘束を解除するように前記回転軸に取り付けられるリターンバネとを含むことを特徴とする。
また、前記拘束装置は、前記拘束部材の進退案内及び進退範囲の制限のために前記拘束部材を進退方向に貫いて前記回転軸に固定される支持ピンをさらに含み、前記リターンバネは前記支持ピンが貫通する前記拘束部材の内面と前記支持ピンの外面との間に配設されることを特徴とする。
また、前記ロック装置は、前記回転軸の外面に結合され、その外面から突出されるロックピンと、前記回転軸の回転にしたがって前記ロックピンが前記偏心ブッシュの偏心位置と偏心解除位置でそれぞれかかるように、前記偏心ブッシュの対向する両側に設けられた2箇所のロック部とを含む。
また、前記拘束装置は、前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記ロックピンの反対側に前記回転軸の半径方向に沿って進退可能に設けられ、前記2箇所のロック部のうち前記ロックピンの反対側に位置するロック部を拘束する拘束部材と、前記拘束部材の進退案内及び進退範囲の制限のために前記拘束部材を進退方向に貫いて前記回転軸に固定される支持ピンと、前記回転軸が回転しないとき前記拘束部材を前記回転軸の中心側に加圧して前記偏心ブッシュの拘束を解除するように、前記支持ピンが貫通する前記拘束部材の内面と前記支持ピンの外面との間に配設されるリターンバネとを含むことを特徴とする。
また、前記第1及び第2偏心ブッシュは、お互い反対方向に偏心されるように配置され、円筒形の連結部を介して相互一体に連結され、前記ロック装置は、前記回転軸の外面に結合され、その外面から突出されるロックピンと、前記ロックピンが進入して所定区間回動するように前記連結部に円周方向に長く形成され、その両端のロック部のうちいずれか一方に前記ロックピンがかかるとき前記第1及び2偏心ブッシュのうち一つが偏心され、残りの一つが偏心解除されるようにするロック溝とを含むことを特徴とする。
前記拘束装置は、前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記ロックピンの反対側に前記回転軸の半径方向に沿って進退可能に設けられ、前記ロックピンの反対側に位置する前記ロック溝のロック部を拘束する拘束部材を含むことを特徴とする。
また、前記リターンバネは、一端が、前記支持ピンの端部に外径が大きくなるように形成された段差型止め部に支持され、他端が、前記拘束部材の内面に形成される段差型止め部に支持されることを特徴とする。
また、前記拘束部材は、前記回転軸半径方向の外側へ行くほど外径が大きくなる段差型の外面を有し、前記回転軸には前記拘束部材を進退可能に収容するように前記拘束部材の外面と同形状の段差型の結合部が形成されたことを特徴とする。
また、前記連結部内の前記回転軸の外面には前記ロック装置と前記拘束装置とが取付けられる偏心部が設けられたことを特徴とする。
本発明に係る容量可変回転圧縮機は、第1または第2方向に回転する偏心装置によって容積の異なる2つの圧縮室のうち一方で圧縮動作が行えるようにしたため、圧縮容量を所望のとおりに変化させることができる。
本発明に係る容量可変回転圧縮機は、圧縮動作を行うさい回転軸の回転に伴う遠心力によって拘束部材が偏心部の外側へ突出しながら回転軸の回転方向に応じて第1または第2偏心ブッシュを拘束して第1または第2偏心ブッシュのスリップ現象を防止できるため、衝突による騒音を防止でき、且つ、機器の耐久性と信頼性を高めることができる。
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図面中、同一の構成要素には可能な限り同一の参照番号及び符号を共通使用し、周知技術については適宜説明を省略するものとする。
本発明に一実施例による容量可変回転圧縮機は、図1に示すように、密閉容器10と、密閉容器10の内部に設けられ、回転力を発生させる上側の駆動部20と、駆動部20と回転軸21を介して連結される下側の圧縮部30とを含めてなる。駆動部20は、密閉容器10の内面に固定される円筒形の固定子22と、固定子22の内部に回転可能に設けられ、その中心部の回転軸21に結合される回転子23とから構成される。この駆動部20は回転軸21を正回転または逆回転させる。
圧縮部30は、上部と下部に異なる容積を有する円筒形の第1圧縮室31と第2圧縮室32がそれぞれ形成された上部ハウジング33aと下部ハウジング33bとを備える。また、上部ハウジング33aの上面と下部ハウジング33bの下面には第1圧縮室31の上部と第2圧縮室32の下部を閉鎖すると同時に、回転軸21を回転可能に支持する2つのフランジ35、36がそれぞれ設けられ、上部及び下部ハウジング33a、33bの間には第1圧縮室31と第2圧縮室32を区画する仕切り板34が配設される。
第1圧縮室31と第2圧縮室32内部の回転軸21には、図2ないし図4に示すように、上部の第1偏心装置40と下部の第2偏心装置50がそれぞれ設けられ、これら偏心装置40、50の外面には第1ローラ37と第2ローラ38がそれぞれ回転可能な状態に結合される。また、各圧縮室31、32の吸入口63、64と吐出口65、66との間には各ローラ37、38の外面と接した状態で半径方向に進退しながら圧縮動作がなされるようにする第1ベーン61と第2ベーン62がそれぞれ設けられ、第1及び第2ベーン61、62はそれぞれ、ベーンバネ61a、62aにより支持される。また、第1及び第2圧縮室31、32の吸入口63、64と吐出口65、66はベーン61、62を基準に相互対向する位置に配置される。
第1及び第2偏心装置40、50は、第1及び第2圧縮室31、32に対応する位置の回転軸21の外面に同方向に偏心されるように形成される第1偏心カム41と第2偏心カム51を備え、第1及び第2偏心カム41、51の外面に回転可能に結合される上部の第1偏心ブッシュ42と下部の第2偏心ブッシュ52とを備える。ここで、上部の第1偏心ブッシュ42と下部の第2偏心ブッシュ52は、図2に示すように、円筒形からなる連結部43を介して一体に連結され、偏心方向は相互反対となるように構成される。そして、上述した第1及び第2ローラ37、38は第1及び第2偏心ブッシュ42、52の外面に回転可能に結合される。
また、図2及び図3に示すように、第1偏心カム41と第2偏心カム51との間の回転軸21の外面には偏心カム41、51と同方向に偏心された偏心部44が設けられ、この偏心部44には、回転軸21の回転方向の変化に応じて第1及び第2偏心ブッシュ42、52が回転軸21と偏心状態に回転したり偏心解除された状態で回転できるようにするロック装置80と、回転軸21の回転により発生する遠心力によって回転軸21の半径方向外側へ突出しながら偏心ブッシュ42、52を拘束する拘束装置90が配設される。
ロック装置80は、偏心部44の一側外面に形成される平面部にねじ結合方式により固定され、その平面部から突出されるロックピン81と、回転軸21の回転とともにロックピン81が偏心ブッシュ42、52の偏心位置と偏心解除位置でそれぞれかかるように、第1偏心ブッシュ42と第2偏心ブッシュ52を連結する連結部43に円周方向に長く形成されるロック溝82とを含む。この構成によれば、回転軸21の偏心部44に結合されたロックピン81が連結部43のロック溝82に進入した状態で回転軸21の回転にしたがって所定区間回動してロック溝82のロック部82a、82bのうちいずれか一方にかかり、これにより、第1及び第2偏心ブッシュ42、52が回転軸21とともに回転できるようになる。且つ、ロックピン81がロック溝82のロック部82a、82bのうちいずれか一方にかかるとき、第1及び第2偏心ブッシュ42、52のいずれか一つは偏心した状態になり、残りの一つは偏心解除された状態になるので、第1及び第2圧縮室31、32のうちいずれか一方では圧縮動作がなされ、残りの一方では空回転がなされる。勿論、回転軸21の回転方向が変わると、第1及び第2偏心ブッシュ42、52の偏心状態も上述の場合と反対になる。
拘束装置90は、図2及び図7に示すように、ロックピン81の反対側に設けられ、回転軸21の回転により発生する遠心力によって偏心部44の外側に突出されるように回転軸21の半径方向に進退可能に設けられる拘束部材91と、拘束部材91の進退を案内すると同時に進退範囲を制限する支持ピン92と、回転軸21が回転しないとき拘束部材91を回転軸21の中心側に加圧するリターンバネ93とを含む。
拘束部材91は、回転軸21の半径方向の外側へ行くほど外径が大きくなる段差型の外面を有し、この拘束部材91が進退可能に収容され得るように回転軸21の偏心部44には拘束部材91の外面形状と同形状に形成された段差型の結合部94が形成される。また、拘束部材91の中心部には進退方向に沿って貫通穴91aが形成され、この貫通穴91aには拘束部材91の進退を案内する支持ピン92が貫かれ、該支持ピン92は結合部94の内側にねじ結合方式により固定される。そして、リターンバネ93は、拘束部材91の内面と支持ピン92の外面との間に設けられるが、リターンバネ93は、一端が、支持ピン92の端部において外径が大きくなるように形成された段差型止め部92aに支持され、他端が、拘束部材91の内面に突出するように形成される段差型止め部91bに支持される。
図8に示すように、拘束装置90では、回転軸21が回転する時に発生する遠心力により拘束部材91が半径方向に突出しながらロックピン81の反対側に位置するロック溝82の一側ロック部82bを拘束することによって偏心ブッシュ42、52が拘束される。つまり、ロック部8a、8bのいずれか一つによりロックピン81がかかった状態でロック部8a、8bのうち残りの一つにより拘束部材91がかかることによって回転軸21が回転されるとき偏心ブッシュ42、52が完全に拘束されるのである。そして、回転軸21が回転しない時には拘束部材91がリターンバネ93の弾性により偏心部44の内側に進入し、偏心ブッシュ42、52の拘束は解除される。
また、本発明に係る容量可変回転圧縮機は、図1に示すように、吸入配管69の冷媒が第1圧縮室31の吸入口63と第2圧縮室32の吸入口64のうち、圧縮動作が行われる吸入口側にのみ流入されるように吸入流路を可変させる流路可変装置70を備える。
この流路可変装置70は、円筒形の胴体部71と、胴体部71内に設けられるバルブ装置を含む。ここで、胴体部71の上部中央の入口72には吸入配管69が連結され、胴体部71の下部両側の第1出口73と第2出口74には第1圧縮室31の吸入口63と第2圧縮室32の吸入口64にそれぞれ連結される第1及び第2配管67、68が連結される。胴体部71内部のバルブ装置は、中央に設けられる円筒形のバルブシート75、このバルブシート75両端を開閉するために胴体部71の両側内部に進退可能に設けられる第1開閉部材76及び第2開閉部材77、そして第1及び第2開閉部材76、77が一緒に動くように第1及び第2開閉部材76、77をお互い連結する連結部材78から構成される。このように構成される流路可変装置70では、第1圧縮室31と第2圧縮室32のうちいずれか一方で圧縮動作が行われるとき、第1及び第2出口73、74側に作用する圧力差により胴体部71の内部の第1開閉部材76と第2開閉部材77が圧力の低い側に移動しながら自動で吸入流路を転換する。
次に、本発明に係る容量可変回転圧縮機の動作を説明する。
図3に示すように、回転軸21がある方向に回転する場合は、第1圧縮室31の第1偏心ブッシュ42の外面が回転軸21と偏心された状態でロックピン81がロック溝82の一側のロック部82aにかかった状態になるので、第1ローラ37が第1圧縮室31の内面と接して回転しながら第1圧縮室31の圧縮動作がなされる。この時、第2圧縮室32では、図4に示すように、第1偏心ブッシュ42と反対方向に偏心された第2偏心ブッシュ52の外面が回転軸21と同心を持つ状態になり、第2ローラ38が第2圧縮室32の内面から離隔された状態になるので空回転がなされる。また、第1圧縮室31で圧縮動作がなされる際には流路可変装置70の動作により第1圧縮室31の吸入口63の方へ冷媒が吸入される必要があり、流路可変装置70の動作により第1圧縮室31の方にのみ冷媒が流入されるように吸入流路が形成される。
このような動作は、第1偏心カム41と第2偏心カム51が同方向に偏心され、第1偏心ブッシュ42と第2偏心ブッシュ52は相互反対の方向に偏心される構造であるゆえに可能である。つまり、第1偏心カム41の最大偏心部と第1偏心ブッシュ42の最大偏心部の方向が一致するとき、第2偏心カム51の最大偏心部と第2偏心ブッシュ52の最大偏心部の方向は相互反対になるためである。
また、図8に示すように、上記のような圧縮動作がなされる時には回転軸21の回転に伴う遠心力によって拘束部材91が回転軸21の外側方向に突出しながらロックピン81の反対側に位置するロック溝82のロック部82bにかかり、偏心ブッシュ42、52を拘束するようになる。そして、このような拘束部材91の作用によれば、偏心ブッシュ42、52が偏心カムより早く回転することから起こるスリップ(Slip)現象を防止することができ、結果としてロックピン81とロック溝82両端の2つのロック部82a、82bとの衝突現象を防止できるようになる。つまり、従来の容量可変回転圧縮機では、圧縮がなされる側の偏心ブッシュが吐出口とベーンの位置を経由し吸入口側へ回転する時点で吐出口側の圧縮ガスの一部が圧縮室の内部に再膨脹してしまい、偏心ブッシュが偏心カムより瞬間的に早く回転することからスリップ現象が発生したが、本発明は、拘束部材91が偏心ブッシュ42、52を拘束した状態であるのでスリップ及び衝突現象が発生しなくなり、その結果、騒音が減少し、且つ、機器の耐久性と信頼性が向上する。
圧縮機の動作が停止する時、拘束装置90では、リターンバネ93の弾性により拘束部材91が偏心部44の内側に進入しながら偏心ブッシュ42、52の拘束を解除する。そして、この状態で回転軸21が上述した場合と反対方向に回転すると、ロックピン81がロック溝82に沿って反対側へ移動する間、拘束部材91が偏心部44内に進入した状態であるので、拘束部材91は連結部43との干渉無しに回転するようになり、その結果、ロックピン81の位置と拘束部材91の位置が容易に変わる。ロックピン81の位置と拘束部材91の位置が変わる間には、回転軸21だけが偏心ブッシュ42、52の回転無しに所定区間を回転する。
回転軸21が図3に示した場合と反対に回転しながら圧縮動作を行う時には、図5に示すように、第1圧縮室31の第1偏心ブッシュ42の外面が回転軸21と偏心解除された状態でロックピン81がロック溝82の他側のロック部82bにかかった状態になるので、第1ローラ37が第1圧縮室31の内面から離隔された状態で回転し、第1圧縮室31では空回転がなされる。この時、第2圧縮室32では、図6に示すように、第2偏心ブッシュ52の外面が回転軸21と偏心された状態になり、第2ローラ38が第2圧縮室32の内面と接して回転する状態になるので、圧縮動作がなされる。
また、第2圧縮室32で圧縮動作がなされる時には、第2圧縮室32の吸入口64側に冷媒が吸入される必要があり、流路可変装置70の動作により第2圧縮室32側にのみ冷媒が吸入されるように吸入流路が形成される。また、この時も同様に、回転軸21の回転に伴う遠心力によって拘束部材91が回転軸21の外側方向へ突出しながらロックピン81の反対側に位置するロック溝82のロック部82aにかかりながら偏心ブッシュ42、52の拘束がなされる。
図9は、本発明に係る容量可変回転圧縮機の偏心装置の他の実施例を示す図であって、第1偏心ブッシュ420と第2偏心ブッシュ520が相互分離され、第1偏心ブッシュ410と第2偏心ブッシュ510のためのロック装置810、820と拘束装置910、920がそれぞれ別途構成された例を示す。図9に示した容量可変回転圧縮機は、第1偏心ブッシュ410と第2偏心ブッシュ510が別途構成され、ロック装置810、820と拘束装置910、920がそれぞれ別途構成される点を除いては図1ないし図8に示した圧縮機と同様に構成される。
また、図9の実施例では回転軸210に取り付けられる第1偏心カム410と第2偏心カム510の偏心方向が同方向に配置され、第1及び第2ロック装置810、820と第1及び第2拘束装置910、920の取付け方向もまた同方向となっている例を示しているが、第1偏心カム410の位置と第2偏心カム510の偏心位置が相互反対となるように配置し、第1及び第2ロック装置810、820の位置及び第1及び第2拘束装置910、920の位置も相互反対となるように配置する場合にも、上述した場合と実質的に同じ作用・効果が発揮できる。
本発明の一実施例による容量可変回転圧縮機の構成を示す縦断面図である。 図1の容量可変回転圧縮機における偏心装置の構成を示す斜視図である。 図1の容量可変回転圧縮機において回転軸が第1方向に回転する時、第1圧縮室の圧縮動作を示す断面図である。 図1の容量可変回転圧縮機において回転軸が第1方向に回転する時、第2圧縮室の空回転動作を示す断面図である。 図1の容量可変回転圧縮機において回転軸が第2方向に回転する時、第1圧縮室の空回転動作を示す断面図である。 図1の容量可変回転圧縮機において回転軸が第2方向に回転する時、第2圧縮室の圧縮動作を示す断面図である。 図1の容量可変回転圧縮機における拘束装置の構成を示す断面図であり、拘束解除状態を示す図である。 図1の容量可変回転圧縮機における拘束装置の構成を示す断面図であり、拘束状態を示す図である。 本発明に係る容量可変回転圧縮機偏心装置の他の実施例を示す斜視図である。
符号の説明
10 密閉容器
20 駆動部
21 回転軸
22 固定子
23 回転子
30 圧縮部
31 第1圧縮室
32 第2圧縮室
33a 上部ハウジング
33b 下部ハウジング
34 仕切り板
35、36 フランジ
37 第1ローラ
38 第2ローラ
40 第1偏心装置
41 第1偏心カム
42 第1偏心ブッシュ
43 連結部
44 偏心部
50 第2偏心装置
51 第2偏心カム
52 第2偏心ブッシュ
61 第1ベーン
62 第2ベーン
63 第1吸入口
64 第2吸入口
65 第1吐出口
66 第2吐出口
67 第1配管
68 第2配管
69 吸入配管
70 流路可変装置
71 胴体部
72 入口
73 第1出口
74 第2出口
75 バルブシート
76 第1開閉部材
77 第2開閉部材
78 連結部材
80 ロック装置
81 ロックピン
82 ロック溝
82a、82b ロック部
90 拘束装置
91 拘束部材
92 支持ピン
93 リターンバネ
94 結合部

Claims (20)

  1. 異なる容積を持つ第1圧縮室と第2圧縮室が形成されるハウジングと;
    前記第1及び第2圧縮室の内部に配設される回転軸と;
    前記第1及び第2圧縮室内の回転軸の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏心カムと;
    前記第1及び第2偏心カムの外面に回転可能に取り付けられた第1及び第2偏心ブッシュと;
    前記回転軸の回転方向の変化にしたがって前記第1及び第2偏心ブッシュが互いに相反して偏心されたり偏心解除された状態でかかるようにするロック装置と;
    前記回転軸が回転するさい遠心力により前記回転軸の外側へ突出しながら前記偏心ブッシュを拘束する拘束装置とを含む容量可変回転圧縮機。
  2. 前記拘束装置は、
    前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記回転軸の半径方向に進退可能に設けられる拘束部材と;
    前記拘束部材が突出するとき前記偏心ブッシュがかかって拘束されるように前記偏心ブッシュに形成されるロック部と;
    前記回転軸が回転しないとき前記拘束部材を前記回転軸の中心側に加圧して前記偏心ブッシュの拘束を解除するように前記回転軸に取り付けられるリターンバネと;を含むことを特徴とする請求項1に記載の容量可変回転圧縮機。
  3. 前記拘束装置は、前記拘束部材の進退案内及び進退範囲の制限のために前記拘束部材を進退方向に貫いて前記回転軸に固定される支持ピンをさらに含み、
    前記リターンバネは、前記支持ピンが貫通する前記拘束部材の内面と前記支持ピンの外面との間に配設されることを特徴とする請求項2に記載の容量可変回転圧縮機。
  4. 前記ロック装置は、
    前記回転軸の外面に結合され、その外面から突出されるロックピンと;
    前記回転軸の回転にしたがって前記ロックピンが前記偏心ブッシュの偏心位置と偏心解除位置でそれぞれかかるように、前記偏心ブッシュの対向する両側に設けられた2箇所のロック部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の容量可変回転圧縮機。
  5. 前記拘束装置は、
    前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記ロックピンの反対側に前記回転軸の半径方向に進退可能に設けられ、前記2箇所のロック部のうち前記ロックピンの反対側に位置するロック部を拘束する拘束部材と;
    前記拘束部材の進退案内及び進退範囲の制限のために前記拘束部材を進退方向に貫いて前記回転軸に固定される支持ピンと;
    前記回転軸が回転しないとき前記拘束部材を前記回転軸の中心側に加圧して前記偏心ブッシュの拘束を解除するように、前記支持ピンが貫通する前記拘束部材の内面と前記支持ピンの外面との間に配設されるリターンバネとを含むことを特徴とする請求項4に記載の容量可変回転圧縮機。
  6. 異なる容積を有する第1及び第2圧縮室が形成されたハウジングと;
    前記第1及び第2圧縮室の内部に配設される回転軸と;
    前記第1及び第2圧縮室内の回転軸外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏心カムと;
    前記第1及び第2偏心カムの外面に回転可能に取り付けられた第1及び第2偏心ブッシュと;
    前記第1及び第2偏心ブッシュの偏心位置が相互反対となるように前記第1及び第2偏心ブッシュを連結する円筒形連結部と;
    前記回転軸の回転方向の変化にしたがって前記第1及び第2偏心ブッシュが互いに相反して偏心されたり偏心解除された状態でかかるようにするロック装置と;
    前記回転軸が回転するとき遠心力により前記回転軸の外側へ突出しながら前記偏心ブッシュを拘束する拘束装置とを含む容量可変回転圧縮機。
  7. 前記ロック装置は、
    前記回転軸の外面に結合され、その外面から突出されるロックピンと;
    前記ロックピンが進入して所定区間回動するように前記連結部に円周方向に長く形成され、その両端のロック部のいずれか一端に前記ロックピンがかかる時、前記第1及び第2偏心ブッシュのうち一つが偏心され、残りの一つが偏心解除されるようにするロック溝とを含むことを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  8. 前記ロックピンは、前記回転軸にねじ結合方式により固定されることを特徴とする請求項7に記載の容量可変回転圧縮機。
  9. 前記拘束装置は、
    前記回転軸の回転に伴う遠心力により前記回転軸の外側へ突出するように前記ロックピンの反対側に前記回転軸の半径方向に沿って進退可能に設けられ、前記ロックピンの反対側に位置する前記ロック溝のロック部を拘束する拘束部材と;
    前記回転軸が回転しないとき前記拘束部材を前記回転軸の中心側に加圧して前記偏心ブッシュの拘束を解除するように前記回転軸に取り付けられるリターンバネとを含むことを特徴とする請求項7に記載の容量可変回転圧縮機。
  10. 前記拘束装置は、
    前記拘束部材の進退案内及び進退範囲の制限のために前記拘束部材を進退方向に貫通して前記回転軸に固定される支持ピンをさらに含み、前記リターンバネは、前記支持ピンが貫通する前記拘束部材の内面と前記支持ピンの外面との間に配設されることを特徴とする請求項9に記載の容量可変回転圧縮機。
  11. 前記拘束装置は、前記支持ピンの端部に外径が大きくなるように形成された段差型止め部と;前記拘束部材の内面に形成される段差型止め部と;をさらに含み、
    前記リターンバネは、一端が前記支持ピンの段差型止め部に支持され、他端が前記拘束部材の段差型止め部に支持されることを特徴とする請求項10に記載の容量可変回転圧縮機。
  12. 前記拘束部材は、前記回転軸半径方向の外側へ行くほど外径が大きくなる段差型の外面を有し、
    前記回転軸には前記拘束部材を進退可能に収容するように前記拘束部材の外面と同形状に形成された段差型の結合部が形成されたことを特徴とする請求項9に記載の容量可変回転圧縮機。
  13. 前記連結部内側の前記回転軸外面には、前記ロック装置と前記拘束装置とが取付けられる偏心部が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  14. 回転軸を回転可能に支持する上部及び下部フランジと;
    前記ハウジング内部に配設されて第1圧縮室と第2圧縮室を区画する仕切り板とをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  15. 前記第1及び第2偏心カムの外面にそれぞれ回転可能に取り付けられる第1及び第2ローラと;
    前記第1圧縮室の吸入口と吐出口との間に設けられて第1ローラの外面と接した状態で半径方向に進退する第1ベーンと;
    前記第2圧縮室の吸入口と吐出口との間に設けられて第2ローラの外面と接した状態で半径方向に進退する第2ベーンと;
    前記第1及び第2ベーンをそれぞれ支持する第1及び第2ベーンバネと;をさらに含み、
    前記第1及び第2圧縮室の吸入口と吐出口は第1及び第2ベーンを基準に相互対向する位置にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  16. 前記第1及び第2偏心カムは、前記第1及び第2圧縮室内に配設された回転軸の外面に、前記回転軸と同方向に偏心されるようにそれぞれ取り付けられたことを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  17. 前記第1及び第2ローラは、前記第1及び第2偏心ブッシュの外面に回転可能にそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項15に記載の容量可変回転圧縮機。
  18. 前記偏心部は、前記第1偏心カムと第2偏心カムとの間の回転軸の外面に、前記第1及び第2偏心カムと同方向に偏心されるように取り付けられることを特徴とする請求項13に記載の容量可変回転圧縮機。
  19. 吸入配管からの冷媒が第1圧縮室の吸入口または第2圧縮室の吸入口に流入されるように吸入流路を可変させる流路可変装置をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の容量可変回転圧縮機。
  20. 異なる容積を有する第1及び第2圧縮室が形成されたハウジングを含む容量可変回転圧縮機において、
    前記第1及び第2圧縮室の内部に配設される回転軸と;
    前記第1及び第2圧縮室内の回転軸の外面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2偏心カムと;
    前記第1及び第2偏心カムの外面に回転可能に取り付けられた第1及び第2偏心ブッシュと;
    前記回転軸の外周に設けられたロックピンと、前記第1偏心ブッシュと前記第2偏心ブッシュとの間を連結する連結部の周方向に設けられ前記ロックピンの端部が挿入されたロック溝と有し、前記回転軸の回転方向に応じて前記ロックピンの端部が前記ロック溝の周方向に形成された一方のロック部に当接するロック装置と
    前記ロック装置と反対側となる前記回転軸の外周に設けられ、前記回転軸が回転して圧縮動作がなされるとき遠心力により前記回転軸の外側へ突出して前記ロック溝の周方向に形成された他方のロック部に当接し、前記回転軸の回転方向に応じて前記第1または前記第2偏心ブッシュを拘束する拘束装置と;を含む容量可変回転圧縮機。
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