JP3984388B2 - 動圧軸受モータ - Google Patents

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JP3984388B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク駆動装置(HDD)などの記録媒体駆動装置に使用され、ハードディスクなどの記録媒体を回転駆動させる動圧軸受モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動圧軸受モータとして、スラスト板が同心状に固設された軸体と、スラスト板と軸体とに微小間隙を有して周設されたスリーブ体とを有し、スラスト板とスリーブ体との微小間隙および軸体とスリーブ体との微小間隙に潤滑油が充填された流体動圧軸受モータがある。
【0003】
このような流体動圧軸受モータでは、スラスト板の上面に動圧発生溝が形成されて上部スラスト動圧軸受部が構成されると共に、スラスト板の下面に動圧発生溝が形成されて下部スラスト動圧軸受部が構成される一方、スリーブ体の軸体に対向する面に動圧発生溝が形成されてラジアル動圧軸受部が構成され、これら各流体動圧軸受部で支持されてスリーブ体と軸体とが相対回転可能になっている。このスリーブ体の外周側にロータハブが一体的に設けられており、ロータハブには、記録ディスクの中心孔が嵌装されて記録ディスクを所要枚数積層方向に多段状に保持するためのディスク保持面が形成されている。
【0004】
一方、相対運動しながら互いに干渉(例えば摩擦や焼き付きなど)し合う2面に関する技術を扱うトライボロジー的な見地から、ラジアル動圧軸受部を構成する軸体やスラスト板は硬いステンレス材で、スリーブ体は軟らかい銅系やアルミニウム系の材料の組み合わせが適しているとされて利用されている。これにより、2つの金属が同種の金属である場合における、各金属面間の摩擦によって生じる各金属面間の焼き付き現象を防止している。
【0005】
また、軸体やスラスト板は剛性の関係からも硬いステンレス材で、スリーブ体は加工性との関係から軟らかい銅系やアルミニウム系の材料が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の構成では、モータの起動、停止時および低速回転時においては、流体動圧軸受部において軸支持するのに十分な流体圧力を得難く、軸線方向に対向するスラスト板の下面とスリーブ体の上面とが接触してしまうことがある。
【0007】
流体動圧軸受部を構成する各部材は、高い回転精度を得るために、高精度に加工される必要があり、焼き付きに至らない場合でも、スリーブ体側に摩耗、損傷が生じると、回転振れが生じて、軸線方向に対向するスラスト板の下面とスリーブ体の上面とが接触し、流体動圧軸受としての信頼性を損なう原因になる。また、スリーブ体の摩耗、損傷を防止するために、スラスト板をスリーブ体と同等の軟らかい材料から構成すると、加工性は向上する一方、剛性および組立精度(軸体とスラスト板の直角度など)は低下するという相反性があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、モータの起動、停止時および低速回転時にも、スラスト動圧軸受の対向部の各面の損傷を防止することができる動圧軸受モータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の動圧軸受モータは、静止部材に対して回転する回転部材をスラスト動圧軸受を介してスラスト方向に支持する動圧軸受モータにおいて、
回転部材を軸方向一方側に付勢する付勢手段と、
回転部材の軸方向の第1の位置であって静止部材と回転部材との第1の対向部材間に形成された第1のスラスト軸受と、
回転部材の軸方向の第1の位置に対して一方側の第2の位置であって静止部材と回転部材との第2の対向部材間に形成された第2のスラスト軸受とを備え、第1のスラスト軸受は、第1の対向部材としてそれぞれ耐久性を有する異種材料で形成されたことを特徴とするものである。
また、この付勢手段は、磁気バイアスを用いる。
また、第1の対向部材は、好ましくは、一方側の部材に永久磁石を備え、他方側の部材に磁性体を備えるようにしてもよい。
【0010】
この構成により、第1の対向部材の一方が永久磁石で他方が磁性体で構成されているので、モータの起動、停止時および低速回転時にも、永久磁石と磁性体による磁気力で第1の対向部材の間隙が縮小するように作用しても、第1の対向部材はそれぞれ異種材料の耐久性部材で構成されているので、第1の対向部材において互いの摩擦面による損傷や焼き付き現象は起こりにくい。また、永久磁石と磁性体による磁気力で間隙が縮小する側の第1の対向部材とは反対側の第2の対向部材の間隙は広がるので、焼き付き現象防止の観点から良好な組み合わせである、第2の対向部材の一方に他方よりも剛性のある堅牢な材料で構成し、かつ第2の対向部材の他方を加工性のよい軟らかい材料で構成しても、堅牢な材料の第2の対向部材の一方による他方の対向面への損傷は防止されることになる。
【0011】
さらに、好ましくは、本発明の動圧軸受モータにおいて、永久磁石は、径方向両側に磁極面を設けている。また、好ましくは、永久磁石は、径方向に磁化されている。つまり、永久磁石は回転部材の回転に対する径方向に磁化されている。
【0012】
この構成により、永久磁石と磁性体との間に形成される磁気回路からの漏洩磁束がより少なくなる。
【0013】
さらに、好ましくは、永久磁石は、径方向両側であって第1の対向部材による対向面の外側に磁極端面を設けている。つまり、永久磁石の磁極端面は、スラスト軸受の径方向外側および内側に配置されている。
【0014】
この構成により、永久磁石の両磁極端面が、スラスト軸受よりも外側に配置されていれば、両磁極端面に摩耗粉が引き寄せられて付着してもスラスト軸受への噛み込みは抑制される。
【0015】
さらに、好ましくは、本発明の動圧軸受モータにおいて、回転部材の外周面は少なくとも磁性材料で構成されている。つまり、回転部材としてロータハブが設けられ、ロータハブは磁性材料で構成されて永久磁石を覆うように内部に収容して磁気シールドしている。
【0016】
この構成により、回転部材の外周面が磁性材料で構成されているので、永久磁石からの磁束が磁気シールドされて、永久磁石からの磁束による悪影響が回転部材の外部に及ばない。
【0017】
以下にさらに具体的に詳細に説明すると、本発明の動圧軸受モータにおいて、静止部材は軸体とこの軸体に同心状に固設されたスラスト板とを有し、回転部材は、軸体およびスラスト板に対し微小間隙を有して周設されたスリーブ体を有し、その微小間隙の少なくとも一部に潤滑流体が充填され、この潤滑流体が充填された箇所に形成された流体動圧軸受を介してスリーブ体が軸体の回りに回転自在に構成されている。また、本発明の動圧軸受モータにおいて、回転部材は軸体とこの軸体に同心状に固設されたスラスト板とを有し、静止部材は、軸体およびスラスト板に対し微小間隙を有して周設されたスリーブ体を有し、微小間隙の少なくとも一部に潤滑流体が充填され、この潤滑流体が充填された箇所に形成された流体動圧軸受を介して軸体およびスラスト板がスリーブ体に支持されて回転自在に構成されている。
【0018】
この構成により、モータの起動、停止時および低速回転時にも、スラスト板によるスリーブ体の対向面への損傷を防止する本発明の構成を流体動圧軸受モータに適応させることができる。
【0019】
さらに、より具体的には、本発明の流体動圧軸受モータは、軸体と、この軸体に同心状に固設されたスラスト板と、軸体およびスラスト板に対し微小間隙を有して周設されたスリーブ体と、微小間隙の少なくとも一部に充填された潤滑流体と、この潤滑流体が充填された箇所に形成された流体動圧軸受とを備え、スリーブ体が軸体の回りに流体動圧軸受を介して相対的に回転可能に構成されると共に、軸体およびスリーブ体の一方がロータマグネットを有したロータに固着され、その他方がステータとともに固定部材をなす流体動圧軸受モータにおいて、流体動圧軸受は、スラスト板の一面とスリーブ体の一面との対向面間に形成された第1のスラスト動圧軸受部と、スラスト板の他面とスリーブ体の他面との対向面間に形成された第2のスラスト動圧軸受部とを有し、スラスト板の一面および他面の何れかが軸体の軸線方向に対向するスリーブ体の面側に相対的に付勢されるように対向部材の一方が永久磁石で他方が磁性体で構成されて磁気バイアスされ、スリーブ体と軸体およびスラスト板とは、異なる金属材質の材料で構成されると共に、磁気バイアスされて付勢される側のスリーブ体の面部分は耐久性材料で構成したことを特徴とするものである。この対向部材の永久磁石と磁性体による磁気バイアスと共にまたは代りにロータが磁気バイアスされるように構成してもよい。
【0020】
この構成により、スリーブ体と軸体およびスラスト板との相対回転時、特に、モータの起動、停止時および低速回転時に、永久磁石による磁気力によってスラスト板面に対して吸引する側のスリーブ体の面部分が耐久性材料であるため、スラスト板にスリーブ体よりも堅牢な材料を用いても、スラスト板の外周エッジによってスリーブ体の上面部分が損傷を起こしにくく、互いの摩擦面による焼き付き現象も起こりにくい。また、磁気力で付勢される側のスリーブ体の面部分以外のスリーブ体を、従来のように軟らかい材料で構成しても、スラスト板の外周エッジによって接触する側のスリーブ体の上面部分は、磁気力で接触しない側に付勢されて浮くようになっているので、堅牢な材料のスラスト板の外周エッジによるスリーブ体の対向面への損傷は防止されることになる。
【0021】
また、好ましくは、本発明の流体動圧軸受モータにおけるスリーブ体は、軸体およびスラスト板に対し微小間隙を有して一部が周設されたスリーブ本体と、このスリーブ本体に固設されスリーブ本体内に収容されたスラスト板を覆うスラストブッシュとを有し、スリーブ本体と共にスラストブッシュをスラスト板側に磁気力で付勢する。
【0022】
この構成により、軸体およびスラスト板に対して周設されたスリーブ体を、スリーブ本体とスラストブッシュで構成したため、スリーブ体を簡単に構成することができると共に、付勢する側のスリーブ体を永久磁石のスラストブッシュで構成し、かつスラストブッシュを耐久性材料で容易に構成可能で、かつスリーブ体と軸体およびスラスト板とを、異なる金属材質の材料で容易に構成可能である。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の流体動圧軸受モータにおいて、軸体およびスラスト板は磁性体のステンレス材で構成され、スリーブ本体はブロンズ材やアルミニウム材で構成され、スラストブッシュは永久磁石用材料で構成されている。また、好ましくは、本発明の流体動圧軸受モータにおいて、スラストブッシュの永久磁石材料はスラスト板のステンレス材とは異なる種類の材料である。
【0024】
この構成により、軸体およびスラスト板を磁性体のステンレス材で構成すると共にスリーブ本体をそれよりも軟らかいブロンズ材で構成すれば、焼き付きが起こりにくい材料の組み合わせとなる。また、スラストブッシュを耐久性材料でかつ永久磁石用材料で構成すれば、スラストブッシュをスラスト板側に付勢し、しかも、スラストブッシュの永久磁石用材料がスラスト板のステンレス材とは異なる種類の材料であるので、共に融点が異なる種類の材料であって焼き付き現象が起こりにくい。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態のスピンドルモータに適した流体動圧軸受モータの縦断面図である。図1において、流体動圧軸受モータ1は、基盤2と、この基盤2の中央孔に下端部が固定された固定軸体(以下単に軸体という)3と、この軸体3の上部に同心状に固設された所要厚みを有する円盤状のスラスト板4と、軸体3およびスラスト板4に対し微小間隙を有して周設され、軸体3の回りを回転可能にされたスリーブ体5と、軸体3とスリーブ体5との微小間隙およびスラスト板4とスリーブ体5との微小間隙に充填された潤滑流体6とを備えている。また、流体動圧軸受モータ1は、スリーブ体5の外周側に固設された回転側のロータハブ7と、軸体3の外周側に同心状に設けられ、基盤2上に固設された環状のステータ8と、ロータハブ7に固設され、内周面がステータ8の外周面に対向するように配設された環状のロータマグネット9とを備えている。
【0026】
軸体3はステンレス(SUS)材で構成され、上部側であってスラスト板4が固設される箇所の上方に外周方向に沿って形成された第1の環状溝31と、軸心方向の略中央部に形成された第2の環状溝32と、下部側であって基盤2の上方に形成された第3の環状溝33と、内部に軸心方向に沿って形成され、第2の環状溝32と第3の環状溝33の間を連通する通気孔(呼吸孔)34とを備えている。
【0027】
第1の環状溝31は、縦断面が凹形状を有する環状空間として形成されて潤滑流体6が外部(上部)に流出するのを阻止するようになっている。
【0028】
第2の環状溝32は、外径が下方に向かって比較的急激に減少し、軸心方向の距離が短い上傾斜壁と、外径が上方に向かって比較的緩やかに減少し、軸心方向の距離が長い下傾斜壁とを有しており、スリーブ体5側の後述する環状溝とで後述する上部ラジアル軸受部57と下部ラジアル軸受部58の潤滑流体6を分離する気体介在部を構成している。
【0029】
第3の環状溝33は、外径が下方に向かって比較的緩やかに減少し、軸心方向の距離が長い上傾斜壁を有しており、スリーブ体5とで後述する下部ラジアル軸受部58の潤滑流体6のシール部を構成している。
【0030】
通気孔34は、軸体3の外周面に開口する上開口部が第2の環状溝32の上傾斜壁と下傾斜壁との境界部に位置し、軸体3の外周面に開口する下開口部が第3の環状溝33の上傾斜壁の上部(軸体3とスリーブ体5間の隙間のできるだけ狭い箇所)に位置することで第2の環状溝32と第3の環状溝33を連通している。
【0031】
スラスト板4は軟磁性体のステンレス材で構成され、中央に上下面を貫通する軸体3用の取付孔を有している。また、スラスト板4は、図2に示すように、その取付孔の外周側近傍の180°対称位置に上下面を貫通する2個の流体循環孔41が形成されると共に、上下両板面には動圧発生溝42,43がそれぞれ形成されている。これらの動圧発生溝42,43は、周方向に配列された「く」の字状のヘリングボーン溝からなっている。これによって、スラスト板4の上下面とその対向面との相対回転時に、径方向両側からヘリングボーン溝の「く」の字の中間側に潤滑流体6を移動させて流体動圧を発生させる上側(第1)と下側(第2)のスラスト動圧軸受44,45を構成するものである。
【0032】
上側のスラスト動圧軸受44のヘリングボーン溝は、「く」の字の内周側の傾斜溝の径方向寸法が外周側の傾斜溝の径方向寸法よりも長くなるように設定されている。これによって、スラスト板4の外周側への流体加圧力が内周側への流体加圧力よりも大きくなってスラスト板4の上面とその対向面(後述するスラストブッシュの下面)間に存在する潤滑流体6が内周側から外周側へ移動するように構成されている。
【0033】
また、下側のスラスト動圧軸受45のヘリングボーン溝は、「く」の字の内周側の傾斜溝の径方向寸法が外周側の傾斜溝の径方向寸法よりも短くなるように設定されている。これによって、外周側への流体加圧力が内周側への流体加圧力よりも小さくなってスラスト板4の下面とスリーブ体5の上端面間に存在する潤滑流体6が外周側から内周側へ移動するように構成されている。
【0034】
スリーブ体5は、筒状に形成され、上部には異なる径を有する二段の大径部51aおよび中径部51bが同心状に形成されている。このスリーブ体5は、スリーブ本体51と、上側の大径部51aと共回り可能に内嵌され、軸体3が遊嵌可能な貫通孔が中央部に設けられた環状のスラストブッシュ52と、上側の大径部51aの最上部に共回り可能に内嵌され、軸体3が遊嵌可能な貫通孔が中央部に設けられた環状のカバー板53とを有している。これらスリーブ本体51およびスラストブッシュ52が、軸体3およびスラスト板4に対し微小間隙を有して周設されている。
【0035】
スリーブ本体51はブロンズ(銅または銅合金)材(またはアルミニューム材)で構成されている。回転による摩擦によって焼き付き現象を防ぐために、スリーブ本体51(可動側)は軸体3およびスラスト板4(固定側)に対して異なる材料で構成されている。即ち、可動側と固定側の材料の関係は、融点温度が異なる金属材料であって、固定側と回転側の一方が融点に達しても他方融点に達しないようにして、摩擦に伴う焼き付き現象の発生に至りにくい金属材料の組み合わせた点である。上記したように、軸体3およびスラスト板4をステンレス材で構成すると共にスリーブ本体51をブロンズ(銅)材で構成すれば、焼き付き現象が起こりにくい金属材料の組み合わせとなる。
【0036】
スリーブ本体51の筒状部中央にある貫通孔の内周面には、下側の中径部51bと環状溝54との間に形成された動圧発生溝55と、環状溝54と貫通孔下端部近傍との間に形成された動圧発生溝56とが設けられている。
【0037】
動圧発生溝55は「く」の字状のヘリングボーン溝からなり、軸体3とスリーブ本体51の内周面との対向面間にラジアル動圧軸受57を形成するものである。また、動圧発生溝56は、動圧発生溝55と同様に「く」の字状のヘリングボーン溝からなり、軸体3とスリーブ本体51の内周面との対向面間にラジアル動圧軸受58を形成するものである。
【0038】
この動圧発生溝55は、ヘリングボーン溝の軸心方向上部側の傾斜溝の軸心方向寸法が軸心方向下部側の傾斜溝の軸心方向寸法よりも少し短くなるように設定されたもので、スリーブ本体が軸体3の回りを回転するときに潤滑流体6に対して軸心方向下部側から上部側へ移動させる方向の力を加えるようになっている。また同様に、動圧発生溝56も、潤滑流体6に対して軸心方向下部側から上部側へ移動させる方向の力を加えるようになっている。
【0039】
また、スリーブ本体51の貫通孔の軸心方向における略中央位置で軸体3の第2の環状溝32に対向する位置に形成された環状溝54は、外径が下方に向かって比較的急激に増大し、軸心方向の距離が短い上傾斜壁と、外径が上方に向かって比較的緩やかに増大し、軸心方向の距離が長い下傾斜壁とを有しており、上述した第2の環状溝32と対向して気体介在部を形成している。
【0040】
この気体介在部は、上部ラジアル軸受部57と下部ラジアル軸受部58とを分離するもので、ラジアル動圧軸受57との境界部となる箇所の軸体3とスリーブ体5とのなす角(上開口角)が上部ラジアル軸受部57の潤滑流体6の下側界面を気体介在部側に移動不能な大きさに形成されている。また、この気体介在部において、下部ラジアル軸受部58との境界部となる箇所の軸体3とスリーブ体5とのなす角(下開口角)が下部ラジアル軸受部58の潤滑流体6の上側界面を気体介在部側に移動可能な大きさに形成されている。
【0041】
スラストブッシュ52は永久磁石で構成され、硬い耐久性材料(耐摩耗性材料)としての永久磁石用材料(セラミック磁性体材料などセラミック材料)で構成されている。また、スラストブッシュ52の下面はスラスト板4の上面と対向しており、永久磁石のスラストブッシュ52によって磁性体のスラスト板4を磁気的に吸引する構成となっている。さらに、スラストブッシュ52の永久磁石用材料は、回転時の摩擦による焼き付き防止のためにスラスト板4のステンレス材とは異なる種類の材料で構成している。異なる種類の材料とには、互いに融点の異なる材料のことであって、スラストブッシュ52には硬磁性体で耐摩耗性に優れたセラミック材料を用い、スラスト板4には軟磁性体のステンレス材を用いている。
【0042】
また、スラストブッシュ52の下面は、図3に示すように、スラスト板4の上面と所定間隔を置いて対向する対向平面部521と、対向平面部521の内径方向に連設され、溝31側に開く傾斜面部522とで構成されている。この傾斜面部522には周方向に亘って永久磁石の磁極面が構成され、スラスト動圧軸受44よりも外周側の平面部521aには周方向に亘って永久磁石の磁極面が構成されている。例えば、スラストブッシュ52の磁化方向を軸線方向に直交する径方向にすることで径方向両側に磁極を形成するようにしている。これによって、スラストブッシュ52との対向部材部分で、N極の平面部521aから出た磁束Φをスラスト板4の半径方向を通過させてS極の傾斜面部522に戻すための磁気通路を構成して互いに吸引する磁気力が作用する構成となっていると共に、スラスト板4とスラストブッシュ52から発生した摩耗粉をスラスト動圧軸受44外の両磁極面に吸引して更なる摩耗進行を防止するようになっている。
【0043】
なお、磁気吸引力だけを考慮する場合には、その磁化方向を軸線方向(径方向両側にそれぞれ永久磁石を配置してもよく、また、1つの永久磁石を軸線方向に配置してもよい。)としてもよいが、本実施形態のように、外部への漏洩磁束を考慮する観点からは磁化方向を軸線方向に直交する径方向にして、磁束通路をループとして形成するようにしておけば漏洩磁束が大幅に抑制されるというメリットがある。
【0044】
カバー板53もスラスト板4と同様に、軸体3が貫通する中央貫通孔を有し、下面の内周側角部が切除されて切欠き部531を形成するもので、上述したように軸体3の第1の環状溝31と切欠き部531とで潤滑流体6の外部への流出阻止部を構成している。
【0045】
潤滑流体6は、潤滑油などからなり、スラスト板4の周囲の微小間隙、動圧発生溝55,56が形成されたスリーブ本体51の内周面と軸体3の外周面間の微小間隙に充填されている。また、軸体3の外周面と動圧発生溝56の形成されたスリーブ本体51の内周面間の微小間隙に充填される潤滑流体6は、スリーブ体5の回転停止時にはその下側界面が通気孔54の下側の開口部よりも下方に位置し、その開口部を塞いだ状態になっている。
【0046】
ロータハブ7はスリーブ本体51の外周側に別体に固着して設けられ、記録ディスクAの中心孔が上側から嵌装されて記録ディスクAを多段状に保持するためのディスク保持面7aが形成された外筒部7bを設けている。
【0047】
ステータ8は、基盤2に取り付けられた支持部21に固設された円筒状のコア81の極歯部にコイル82を巻回して構成され、スリーブ本体51の筒状部とロータハブ7の外筒部7bの空間部内に収納されて配置されている。
【0048】
ロータマグネット9は円筒状(または環状)をなし、ロータハブ7の外筒部7bの内側に固設された円筒状のヨーク91の内周面であってステータ8に対向する位置に固設されている。
【0049】
上記構成により、以下、その動作を説明する。まず、ステータ8のコイルに通電されると、スリーブ体5およびロータハブ7は、スラスト動圧軸受部44,45およびラジアル動圧軸受57,58に支持されて軸体3の回りを高速回転する。
【0050】
このとき、磁性体のスラスト板4の上面と永久磁石のスラストブッシュ52の下面との間に形成されたスラスト動圧軸受部44における潤滑流体6が動圧発生溝42に生じる流体差圧により内周側から外周側に流動する一方、スラスト板4の下面とこの下面とのスリーブ本体51の対向面間に形成されたスラスト動圧軸受部45における潤滑流体6は動圧発生溝43に生じる流体差圧により外周側から内周側に流動する。
【0051】
この結果、スラスト板4の上面の潤滑流体6はスラスト板4の外周端面を介してスラスト板4の下面側に流動する一方、スラスト板4の下面の潤滑流体6はスラスト板4の内周側の流体循環孔41を介してスラスト板4の上面側に流動して、上面と下面間を循環することになる。
【0052】
また、スリーブ体5およびロータハブ7の回転起動時あるいは回転停止時、さらには低速回転時にも、磁性体のスラスト板4の上面と永久磁石のスラストブッシュ52の下面とは互いに吸引されることで、スラストブッシュ52の下面が、これに対向するスラスト板4の上面側に付勢されてその間隔に対して多少狭められると共に、スラスト板4の下面側に対向するスリーブ本体51の上端面側も下側に多少下げられてその間隔が広がる。なお、上述したように、スリーブ体5およびロータハブ7が回転している時は、両スラスト動圧軸受部44,45において、スラスト板4の上面とスラストブッシュ52の下面との間およびスラスト板4の下面とスリーブ本体51の上面との間にそれぞれ動圧発生溝42,43による潤滑流体6の流体膜が形成されるため、これら対向面が互いに直接接触しにくい。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、上側のスラスト動圧軸受44の対向部材のスラストブッシュ52が永久磁石でスラスト板4が磁性体(ステンレス材)で構成されているため、対向部材のスラストブッシュ52とスラスト板4とが互いに吸引されるように磁気力を受けてスラストブッシュ52の下面とスラスト板4の上面との間隙をより小さくするように作用すると共に、スラスト方向の基準位置の変化をより抑制することができる。これによって、下側のスラスト動圧軸受45では、スラスト板4の下面とスリーブ本体51の上面との間隙がより広がるように作用するため、モータの起動、停止時および低速回転時、さらには、モータの姿勢、特にロータが傾き安いモータ横置きや、ロータの自重が働くモータ逆さ置きなどの悪条件時にも、スラスト板4とスリーブ本体51との対向部材が互いに接触することがなくその対向面への損傷を防止することができる。
【0054】
また、上側のスラスト動圧軸受44において、互いに吸引される側の永久磁石用材料のスラストブッシュ52とステンレス材のスラスト板4とが異種材料の耐久性部材で構成されているため、対向部材の互いの摩擦面による損傷や焼き付き現象を防止することができる。
【0055】
さらに、下側のスラスト動圧軸受45において、スラスト板4は剛性のある堅牢な材料のステンレス材で構成し、これに対向するスリーブ本体51は加工性のよい軟らかい材料のブロンズ系材料(またはアルミニューム系材料)で構成したため、焼き付き現象防止のトライボロジー的な観点から良好な組み合わせとすることができる。
【0056】
さらに、スラストブッシュ52を構成する永久磁石はロータの回転方向に対する径方向に磁化されているため、スラストブッシュ52からスラスト板4、スラスト板4からスラストブッシュ52に至る漏洩磁束がより少なくなる。
【0057】
さらに、スラストブッシュ52の磁極端面をスラスト動圧軸受44の径方向両側よりも外側に配置したため、磁極端面に摩耗粉が引き寄せられて付着しても摩耗粉のスラスト軸受への噛み込みを防止することができる。
【0058】
以上のように、永久磁石の磁気力によってスラスト板4の上面を引き付ける側のスラストブッシュ52に永久磁石用材料として硬い耐久性材料を用いたため、スラスト板4にスリーブ本体51よりも堅固な金属材料を使用しても、スリーブ本体51を損傷させることなく、全体の信頼性を向上させることができる。また、従来は、スリーブ本体51の上端面の損傷を懸念してスリーブ本体51の材料よりも耐久性の劣る材料を使用せざるを得なかったが、その制限を緩和させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ロータハブ7の材質については特に説明しなかったが、ロータハブ7を2パーツとして少なくとも外径側のディスク保持部側をステンレス材などの磁性体材料(導電性材料)で構成した場合には、スラストブッシュ52を構成する永久磁石からの漏洩磁束が磁気シールドされるため、永久磁石からの漏洩磁束による悪影響がロータハブ7の径外には及ばなくなり、ディスクの磁気データへの損傷などが防止される。
【0060】
なお、本実施形態では、スラストブッシュ52全体を永久磁石で構成したが、これに限らず、スラストブッシュ52のスラスト板4との対向面部分に永久磁石を配置してもよい。また、本実施形態では、永久磁石用材料を摩耗に対する耐久性材料で構成したが、永久磁石用材料のスラスト板4との対向面部分に耐久性材料の膜部材や薄板などを配置してもよい。この場合、スラストブッシュ52の永久磁石用材料の下面(スラストブッシュ52の一部分)に耐久性材料を蒸着したりメッキしたり耐久性材料の薄板を貼付るようにすればよい。
【0061】
なお、本実施形態では、磁性体とは永久磁石に吸引される材料とし、磁性体は永久磁石をも含む概念で用いている。したがって、スラスト動圧軸受44の対向部材の両方が永久磁石で構成されている場合をも含んでいる。また、スラスト動圧軸受45の対向部材の両方が永久磁石で構成されていてもよく、また、その対向部材の一方が永久磁石で他方が磁性体で構成されていてもよい。
【0062】
なお、本実施形態では、永久磁石の磁気力によってロータハブ7を下側に付勢してスラスト板4の上面に対してスラストブッシュ52の下面を付勢するようにしたが、軸体の上端部分にロータハブが固着されロータハブと共に軸体が回転する回転軸体の場合には、回転軸体を支持するスリーブ本体とスラストブッシュは固定側となるため、永久磁石の磁気力によってロータハブを上側に付勢してスラスト板の上面をスラストブッシュの下面に対して付勢する必要がある。このようなモータの起動、停止時および低速回転時にも、スラスト板によるスリーブ体の対向面への損傷を防止する本発明の効果を得ることができる。
【0063】
さらに、スラスト板4によるスリーブ体5の対向面への損傷を防止するための本発明の構成を、図4に示すような動圧流体軸受モータ101にも適応することもできる。このモータ101は、図2において、高さが扁平でスラスト板103の外周端面にラジアル動圧軸受部109を有すると共に、スラスト板4の上下面側に各スラスト動圧軸受部110,111を有するようになっている。
【0064】
この場合、図4において、図1と略同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略している。動圧流体軸受モータ101は、回転軸体102と、この回転軸体102の下端部に中央部が外嵌固定された円盤状の磁性体で構成されたスラストプレート103と、このスラストプレート103を回転軸体102と共に回転自在に支持する支持部材104と、この支持部材104の内周下端部に嵌合固定された円盤蓋状のスラストキャップ105とを有している。この支持部材104は、円筒状のスリーブ部材106と、このスリーブ部材106の上部に外周縁部が嵌合され、回転軸体102が貫通可能な孔が中央部に設けられた円形の永久磁石で構成されたスラストブッシュ107とで構成されている。スラストプレート103の外周端面とスリーブ部材106の内周面とが微小間隙を形成して対向配設され、スラストブッシュ107の下面とスラストプレート103の一面(図中では上面)とが微小間隙を形成して対向配設され、さらに、スラストプレート103の他面(図中では下面)とスラストキャップ105の外周側上面とが微小間隙を形成して対向配設されている。これらのスリーブ部材106、スラストブッシュ107およびスラストキャップ105と、それらの内部に位置するスラストプレート103との微小間隙の適所には毛細管現象で保持され得る潤滑油などの潤滑流体108が充填されている。
【0065】
この実施形態の場合にも、スラストプレート103をステンレス材などの磁性体で構成し、スラストブッシュ107を永久磁石で構成してスラストプレート103とスラストブッシュ107とを吸引させるような磁気力を作用させるようにしているが、スラスト動圧軸受部110を構成するスラストプレート103およびスラストブッシュ107は焼き付き現象防止の観点から異種金属材料でかつ耐久性部材で構成されている。
【0066】
なお、図1および図4で説明した本実施形態では、スラストブッシュを永久磁石で構成し、これに対向するスラスト板をステンレス材などの磁性体で構成してスラストブッシュとスラスト板を吸引する磁気力が作用する構成としたが、これに限らず、図1を例に取って説明すると、永久磁石と磁性体の磁気力発生手段と共にまたは代りにステータ8とロータマグネット9の軸方向の中心位置を若干ずらせて磁気バイアス力を発生させるように構成してもよい。つまり、この場合、ステータ8とロータマグネット9の位置関係は、それぞれの軸方向の中心位置を若干ずらして設けており、ステータ8によってロータマグネット9と共にロータハブ7が図1で下側(モータ内側)に磁気バイアスで付勢されるようになっている。これによって、スラストブッシュ52の下面が、軸体3の軸線方向に対向するスラスト板4の上面側に付勢するようにステータ8によってロータマグネット9が磁気バイアスされるようになっている。
【0067】
また、これに限らず、ロータマグネット9の直下に鉄片などの磁性体材料を配置して磁気バイアス力を発生させるように構成してもよく、要は、ロータハブ7を下側または上側に磁気力で付勢する手段を設けていればよい。
【0068】
本実施形態において、ステータ8およびロータマグネット9による磁気バイアス力を用いなかったのは、磁気吸引力に限度があって不足気味であるからであり、かつ、この磁気吸引力を大きくすると、回転トルク変動やノイズ増大などの不具合が発生しやすいからである。
【0069】
なお、本実施形態では、永久磁石用材料としてセラミック材料を用いたが、錆びないように鍍金処理が必要であるが、鉄または鉄系金属であってもよく、要は、磁化させて永久磁石として使用できる材料であればよい。
【0070】
なお、本実施形態では、スラストブッシュ52の材料として永久磁石用材料(セラミック材料)を一体として用い、かつスラスト板4の材料として磁性体材料(ステンレス材)を一体として用いたが、これに限らず、スラストブッシュ52の材料と永久磁石用材料(セラミック材料)を別体として用い、また、スラスト板4の材料として磁性体材料(ステンレス材)を別体として用いる場合には、永久磁石用材料(セラミック材料)および磁性体材料(ステンレス材)の少なくとも何れかを、周方向に全面ではなく周方向に等間隔に分散配置してもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、請求項によれば、第1の対向部材の一方が永久磁石で他方が磁性体で構成されているため、モータの起動、停止時および低速回転時にも、永久磁石と磁性体による磁気バイアス力で第1の対向部材の間隙が縮小するように作用しても、第1の対向部材はそれぞれ異種材料の耐久性部材で構成されているため、第1の対向部材において互いの摩擦面による損傷や焼き付き現象が起こりにくい。また、永久磁石と磁性体による磁気バイアス力で間隙が縮小する側の第1の対向部材とは反対側の第2の対向部材の間隙は広がるため、焼き付き現象防止の観点から良好な組み合わせである、第2の対向部材の一方を他方よりも剛性のある堅牢な材料で構成し、かつ第2の対向部材の他方を加工性のよい軟らかい材料で構成しても、堅牢な材料の第2の対向部材の一方による他方の対向面への損傷を防止することができる。
【0072】
さらに、請求項によれば、永久磁石は径方向両側に磁極面を設けて径方向に磁化されているため、永久磁石と磁性体との間に形成される磁気回路からの漏洩磁束がより少なくなる。
【0073】
さらに、請求項によれば、永久磁石の磁極端面がスラスト軸受よりも外側に配置されていれば、磁極端面に磨耗紛が引き寄せられて付着しても磨耗紛のスラスト軸受への噛み込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の流体動圧軸受モータの縦断面図である。
【図2】図1のスラスト板の上面構成を示す拡大横断面図である。
【図3】図1のスラスト板とスラストブッシュとの対向面部の縦断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の流体動圧軸受モータの縦断面図である。
【符号の説明】
1,101 流体動圧軸受モータ
3 固定軸体
4,103 スラスト板
44,45,110,111 スラスト動圧軸受部
5 スリーブ体
51 スリーブ本体
52 スラストブッシュ
521 対向平面部
521a 平面部
522 傾斜面部
57 上部ラジアル軸受部
58 下部ラジアル軸受部
109 ラジアル動圧軸受部
6,108 潤滑流体
7 ロータハブ
8 ステータ
9 ロータマグネット
102 回転軸体
103 スラストプレート
104 支持部材
105 スラストキャップ
106 スリーブ部材
107 スラストブッシュ

Claims (3)

  1. 静止部材に対して回転する回転部材をスラスト動圧軸受を介してスラスト方向に支持する動圧軸受モータにおいて、
    前記静止部材は軸体と該軸体に同心状に固設されたスラスト板とを有し、
    前記回転部材は、前記スラスト板の軸方向一方側に位置し且つ前記スラスト板に対し微小間隙を介して対向する第1の部材と、前記スラスト板の軸方向他方側に位置し且つ前記スラスト板に対し微小間隙を介して対向する第2の部材と、を有し、
    前記各微小間隙には潤滑流体が充填され、
    前記スラスト動圧軸受は、前記スラスト板と前記第1の部材との間に形成された第1のスラスト軸受と、前記スラスト板と前記第2の部材との間に形成された第2のスラスト軸受とからなり、
    前記第1のスラスト軸受における前記微小間隙を小さくするように前記回転部材を軸方向に付勢する磁気バイアス手段を備え、
    該磁気バイアス手段は、前記スラスト板と前記第1の部材との一方及び他方それぞれ永久磁石及び磁性体で構成されることで形成されており、
    前記スラスト板と前記第1の部材及び前記第2の部材とは、それぞれ異種材料で構成され、且つ前記第2の部材よりも前記第1の部材の方が硬い材質で形成されていることを特徴とする動圧軸受モータ。
  2. 前記永久磁石は、径方向に磁化されていることを特徴とする、請求項1に記載の動圧軸受モータ。
  3. 前記永久磁石を径方向両側に設置することで、前記第1の対向部材における対向面外側に磁極端面を設けることを特徴とする、請求項1又は2に記載の動圧軸受モータ。
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