JP3984223B2 - 加湿装置及び空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥した空気を吸引して湿った空気を吐出する加湿装置及びその加湿装置を備える空気調和機に関する。
一般に、加湿装置は、送風機によって風路内に送り出された乾燥した空気を加熱機によって加熱し、加熱された空気を湿潤状態の気化フィルターに通過させることで、湿った空気を発生させる装置である。気化フィルターに加熱された空気が通過すると、加熱された空気の熱によって気化フィルターに浸透された水分が気化して蒸気となり、蒸気と乾燥した空気とが混合されることで湿った空気が発生する。気化フィルターはトレー(水槽)内に貯められた水の中に浸漬されており、気化フィルターはトレー内の水を毛細管現象により吸い上げて湿潤される(例えば、特許文献1参照。)。
加湿装置は気化フィルターの面積を大きくすることで加湿容量を上げることができるが、気化フィルターが水分を吸い上げる高さには限度があるため、加湿装置の加湿容量を大幅に上げるには気化フィルターの横幅を大きくする必要がある。しかし、例えば、床置型の空気調和機に加湿装置を搭載させる場合には、空気調和機自体が縦長である場合が多いため、加湿装置の横幅が制限され、気化フィルターの横幅を大きくすることができない場合がある。したがって、このような場合、従来は送風機、加熱機及び気化フィルターとからなる加湿装置を複数搭載させて、加湿装置の加湿量を大幅に上げている。
している(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003-056870号公報 (第3−5頁、第2図) 特開2001-317795号公報 (第3−4頁、第1図)
しかしながら、上記した従来の加湿装置では、気化フィルター毎に送風機や加熱機が必要であるため、複数の気化フィルターにより加湿量を増加させる場合には複数の送風機及び加熱機が必要であり、送風機及び加熱機を複数搭載させると、加湿装置全体のサイズが大きくなるとともに、相当のコストが懸かるという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、加湿量を大幅に上げるとともに、小型化とコストダウンを図ることができる加湿装置及び空気調和機を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、乾燥した空気を取り入れる吸込口と、湿った空気を吐き出す吹出口と、前記吸込口から前記吹出口に空気を送る送風機と、前記吸込口と前記送風機との間に介装された吸込風路と、前記送風機と前記吹出口との間に介装された吹出風路と、該吹出風路に設けられて前記送風機から送り出された乾燥した空気を加熱する加熱機と、該加熱機の先の前記吹出風路に介在されて乾燥した空気が湿った空気となって通過する湿潤状態の気化フィルターとが備えられている加湿装置において、前記吹出風路の中間部には、前記加熱機の先で分岐されて前記吹出口の手前で合流する複数の分岐風路が形成され、該複数の分岐風路には、前記気化フィルターがそれぞれ介在されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加湿装置において、前記複数の分岐風路のうち少なくとも一方の分岐風路には、通過する空気の送風量を減少させる第1の送風抵抗体が介在されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の加湿装置において、前記複数の分岐風路のうち、一方の分岐風路は他方の分岐風路よりも長く形成され、前記一方の分岐風路に介在された一方の気化フィルターは、前記他方の分岐風路に介在された他方の気化フィルターに比べて、空気の透過量が多いことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか記載の加湿装置において、前記複数の分岐風路のうち、一方の分岐風路は他方の分岐風路よりも長く形成され、前記一方の分岐風路の断面積は、前記他方の分岐風路の断面積よりも大きく形成されていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか記載の加湿装置において、複数の前記分岐風路は、それぞれ同一の形状に形成されていることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか記載の加湿装置において、複数の前記気化フィルターの下方には、前記気化フィルターの下端部に浸漬される水が貯留されたトレーがそれぞれ配置され、前記複数の分岐風路のうち少なくとも一方の分岐風路の底面は、前記トレーに向かって傾斜されていることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の加湿装置において、前記吸込風路には、前記吸込口から取り入れられる空気を洗浄する空気洗浄体が介在されていることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか記載の加湿装置において、前記吹出風路には、前記気化フィルターを迂回して前記送風機の送風口と前記吹出口とを連通させるバイパス風路が形成されていると共に、該バイパス風路と前記分岐風路とを択一的に閉塞して送風方向を切り換える切換手段が設けられていることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の加湿装置において、複数の前記分岐風路は、室状に形成された前記吹出風路中間部の中央を仕切部材で上下に区画して形成され、前記送風機の送風口に直結された前記吹出風路の一端部は前記仕切部材の下方に形成され、前記吹出口に直結された前記吹出風路の他端部は前記仕切部材の側方に形成され、複数の前記気化フィルターは前記仕切部材の両端下方にそれぞれ配置され、前記バイパス風路は前記吹出風路の一端部の直上に位置する前記仕切部材の中央に形成され、前記切換手段は、複数の前記気化フィルターの間に配置されている中空状のシャッターと、該シャッターを上下に往復移動させる駆動機構とから構成され、前記シャッターは、上端が閉塞されているとともに下端が開放され、側壁の上端部には開口部が形成され、前記シャッターが下降位置にあるとき前記バイパス風路は前記シャッターの上端により閉塞されるとともに前記分岐風路内と前記シャッター内とは前記開口部を介して連通され、前記シャッターが上昇位置にあるとき前記分岐風路の入口は前記シャッターの側壁により閉塞されるとともに前記仕切部材上方の前記分岐風路内と前記シャッター内とは前記開口部を介して連通されることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の加湿装置において、複数の前記開口部のうち少なくとも一方には、通過する空気の送風量を減少させる第2の送風抵抗体が嵌め込まれていることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の加湿装置において、前記シャッターの上端は、前記トレーに向かって傾斜されていることを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項1から11のいずれか記載の加湿装置が備えられていることを特徴としている。
本発明に係る加湿装置及び空気調和機によれば、送風機と吹出口との間に介装された吹出風路の中間部には、加熱機の先で分岐されて吹出口の手前で合流する複数の分岐風路が形成され、複数の分岐風路には、気化フィルターがそれぞれ介在されているため、一つの送風機及び加熱機に対して複数の気化フィルターが備えられ、一つの送風機から送り出されて一つの加熱機によって加熱される空気は、複数の分岐風路内を通って複数の気化フィルターに至り、複数の気化フィルターによってそれぞれ湿気が含まれる。これによって、送風機及び加熱機を増加させることなく気化フィルターを増加させることで加湿量は増加させることができ、装置の小型化及びコストダウンを図ることができる。
以下、本発明に係る加湿装置及び空気調和機の第1,第2,第3,第4,第5の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、室内の乾燥した空気Aを吸引して室内に湿った空気A´を吐出する加湿装置1について説明する。図1に示すように、加湿装置1は、乾燥した空気Aを取り入れる吸込口2と、湿った空気A´を吐き出す吹出口3と、吸込口2から吹出口3に空気を送る送風機4と、吸込口2と送風機4との間に介装された吸込風路5と、送風機4と吹出口3との間に介装された吹出風路6と、送風機4から送り出された乾燥した空気Aを加熱する加熱機7と、乾燥した空気Aが湿った空気A´となって通過する湿潤状態の気化フィルター8と、吸込口2から取り入れられる乾燥した空気Aを洗浄する空気洗浄体9と、湿った空気A´を通過させて送風量を減少させる第1の送風抵抗体10とから構成されている。
吸込口2及び吹出口3は、送風機4や吸込風路5や吹出風路6を格納する加湿装置1のケース12にそれぞれ嵌合されており、吸込風路5と加湿装置1の外部とは吸込口2を介して連通され、吹出風路6と加湿装置1の外部とは吹出口3を介して連通されている。吸込風路5と吹出風路6とは送風機4を介して連通されており、吸込風路5は送風機4の吸引口4aに接続されており、吹出風路6は送風機4の送風口4bに接続されている。
空気洗浄体9は吸込口2側の吸込風路5の内部に設けられており、吸込口2から流入する乾燥した空気Aは空気洗浄体9を通過して吸込風路5内に至る。空気洗浄体9は例えば、不織布や活性炭シート,静電フィルター等から構成されており、乾燥した空気Aは空気洗浄体9を通過する際に塵等が除去されて洗浄される。加熱機7は、送風機4の送風口4bに直結された吹出風路6の一端部の内部に配置されている。加熱機7は、気体加熱用のヒーターであり、送風機4の送風口4bから送り出された乾燥した空気Aは加熱機7を通過する際に加熱機7の熱によって加熱される。
送風機4の送風口4bは上向きに形成されており、送風機4の送風口4bに直結された吹出風路6の一端部は、送風機4の上方に鉛直に延在されている。吹出風路6の中間部には、加熱機7の先で二股に分岐されて吹出口3の手前で合流する2本の分岐風路13が形成されている。分岐風路13は、室状に形成された吹出風路6の中間部中央を仕切部材14で上下に区画して形成されており、一方の分岐風路13aは他方の分岐風路13bよりも長く形成されている。具体的には、送風機4の送風口4bに直結された吹出風路6一端部は、仕切部材14中央の下方に形成され、吹出口3に直結された吹出風路6他端部は、仕切部材14の側方に形成されている。
気化フィルター8は、2本の分岐風路13a、13bの内部にそれぞれ介在されており、仕切部材14の両端下方にそれぞれ配置されている。2枚の気化フィルター8は、厚み及び面積がそれぞれ同一のものが使用されており、2枚の気化フィルター8の下方には、水が貯留されたトレー15がそれぞれ配置されている。気化フィルター8の下端部は、トレー15内に貯められた水に浸漬されており、トレー15は室状に形成された吹出風路6の中間部の底面に嵌め込まれている。また、仕切部材14は断面形状三角形に形成されており、一方の分岐風路13aの底面を形成する仕切部材14の上面は両側のトレー15に向かって傾斜されている。
送風量を減少させる第1の送風抵抗体10は、例えばルーバーやフィルターなどからなり、他方の分岐風路13bの内部に介在されている。第1の送風抵抗体10は、気化フィルター8の先のトレー15上方に配置されており、一方の分岐風路13aとの合流点の手前に配置されている。
次に、上記した構成からなる加湿装置1及び空気調和機16の使用方法について説明する。
図1に示すように、予めトレー15内に水を供給しておき、毛細管現象により気化フィルター8を湿潤させる。次に、送風機4をそれぞれ稼動させる。送風機4が稼動すると、加湿装置1の外部の乾燥した空気Aは吸込口2から空気洗浄体9を介して吸込風路5内に流入する。空気洗浄体9によって乾燥した空気A内に含まれる塵等を除去し、吸込風路5内に流入する空気Aを洗浄する。
吸込風路5内に流入した空気Aは送風機4の吸引口4aから送風機4内に入り、送風口4bから吹出風路6の一端部内に流出する。送風口4bから流出した空気Aは加熱機7を通過し、この加熱機7の熱によって熱風となる。加熱され熱風となった乾燥した空気Aは吹出風路6の中間部に形成された2本の分岐風路13a、13bにそれぞれ流入し、気化フィルター8を通過する。気化フィルター8に加熱された乾燥した空気Aが通過する際、気化フィルター8に含まれる水分は加熱された空気Aの熱によって蒸発する。そして、乾燥した空気Aに蒸発した水分が混合されて湿った空気A´となる。
一方(長い方)の分岐風路13a内を流通する空気A´は気化フィルター8を通過した後、一旦上昇してその後に仕切部材14の上方を水平方向に流通する。一方、他方(短い方)の分岐風路13b内を流通する空気A´は気化フィルター8を通過した後、上昇して第1の送風抵抗体10を通過する。第1の送風抵抗体10は、通過する空気A´の風量を抑えて空気A´の風量を制御し、一方の分岐風路13a内を流通した空気A´の風量と他方の分岐風路13b内を流通する空気A´の風量とは、ほぼ均等となる。そして、一方の分岐風路13a内を流通した空気A´と他方の分岐風路13b内を流通する空気A´とは第1の送風抵抗体10の上方で合流し、吹出口3から加湿装置1の外部に吹き出る。
次に、上述した加湿装置1が備えられている空気調和機16について説明する。図2に示すように、空気調和機16は縦長の置床式の機器であり、上端部には、熱交換器17や送風機18が備えられて冷房又は暖房を行う空気調和装置本体19が備えられ、下端部には、上記した加湿装置1が備えられている。
空気調和機16の使用方法としては、空気調和装置本体19を稼動させるとともに、加湿装置1を稼動させて、空気調和装置本体19で室内の空気を冷暖房するとともに、加湿装置1で室内の空気を加湿する。
上記した構成からなる加湿装置1及び空気調和機16によれば、吹出風路6の中間部には、加熱機7の先で分岐されて吹出口3の手前で合流する2本の分岐風路13a,13bが形成され、分岐風路13a、13bには気化フィルター8がそれぞれ介在されているため、一つの送風機4及び加熱機7に対して2つの気化フィルター8が備えられ、一つの送風機4から送り出されて一つの加熱機7によって加熱される空気Aは、2つの分岐風路13a,13b内を通って2つの気化フィルター8に至り、2つの気化フィルター8によってそれぞれ湿気が含まれる。これによって、送風機4及び加熱機7を増加させることなく気化フィルター8を増加させることができ、気化フィルター8を増加させることで加湿量は増加させることができ、加湿装置1の小型化及びコストダウンを図ることができる。
また、他方(短い方)の分岐風路13b内を流通する空気A´は、一方(長い方)の分岐風路13a内を流通する空気A´に比べて、流通長さが短い分、風量が大きくなるが、上記した加湿装置1では、他方(短い方)の分岐風路13bには、通過する空気A´の送風量を減少させる第1の送風抵抗体10が介在されているため、他方(短い方)の分岐風路13b内を流通する空気A´の風量は抑えられて制限され、2方向から流通して合流する空気A´の風量は、ほぼ均一となる。これによって、2つの気化フィルター8を均等に使用して加湿を行うことができ、加湿の効率を向上させることができる。
また、2つの気化フィルター8の下方には、気化フィルター8の下端部に浸漬される水が貯留されたトレー15がそれぞれ配置され、一方の分岐風路13aの底面を形成する仕切部材14の上面は、トレー15に向かって傾斜されているため、湿った空気A´が水平方向に延在する一方の分岐風路13a内を流通することで一方の分岐風路13aの内面に結露が生じ、水滴が一方の分岐風路13aの底面に流れ落ちるが、一方の分岐風路13aの底面上の水滴はトレー15に流れ落ちる。これによって、結露によって生じた水滴を処理する必要がなく水を再利用することができる。
また、吸込風路5には、吸込口2から取り入れられる空気Aを洗浄する空気洗浄体9が介在されているため、加湿装置1内に供給される空気Aは洗浄されたきれいなものとなり、加湿装置1から吹出される湿った空気A´は洗浄されたものとなる。これによって、湿った空気A´を供給する室内を加湿するとともに、室内の空気をきれいにすることができる。
[第2の実施の形態]
図3に示すように、加湿装置100は、吸込口101,吹出口102,送風機103,吸込風路104,吹出風路105,加熱機106,気化フィルター107,空気洗浄体108から構成されている。吹出風路105の中間部には、加熱機106の先で二股に分岐されて吹出口102の手前で合流する2本の分岐風路110が形成されており、一方の分岐風路110aは他方の分岐風路110bよりも長く形成されており、2本の分岐風路110a,110bの内部に気化フィルター107がそれぞれ介在されている。一方(長い方)の分岐風路110a内に介在された一方の気化フィルター107aは、他方(短い方)の分岐風路110b内に介在され他方の気化フィルター107bよりも厚みが小さく、空気の透過量が多いものが使用されている。
上記した加湿装置100によれば、2つの気化フィルター107のうち、一方(長い方)の分岐風路110aに介在された一方の気化フィルター107aは、他方(短い方)の分岐風路110bに介在された他方の気化フィルター110bに比べて空気の透過量が多いため、一方の分岐風路110aに空気A´が流れ易くなり、他方の分岐風路110bに流れ込む空気A´は適量に抑えられ、他方の気化フィルター107bを通過する空気A´の風量は適量に抑えられる。これによって、他方の分岐風路110bに流れ込む空気A´の風量が他方の気化フィルター107bの処理能力限界量(他方の気化フィルター107bが加湿処理することができる最大風量)に合わせられ、また一方の分岐風路110aに流れ込む空気A´の風量を一方の気化フィルター107bに合わせられる。これによって、双方の分岐風路110a,110b内を流通する空気A´が合流したときの加湿量が一番多くなる最適のバランスに合わせられ、加湿効率を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
図4に示すように、加湿装置200は、吸込口201,吹出口202,送風機203,吸込風路204,吹出風路205,加熱機206,気化フィルター207,空気洗浄体208から構成されている。吹出風路205の中間部には、加熱機206の先で二股に分岐されて吹出口202の手前で合流する2本の分岐風路210が形成されている。分岐風路210は、室状に形成された吹出風路205の中間部中央を仕切部材211で上下に区画して形成されており、2本の分岐風路210a、210bは同一形状に形成されている。具体的には、送風機203の送風口203aに直結された吹出風路205一端部は、仕切部材211中央の下方に形成され、吹出口202に直結された吹出風路205他端部は、仕切部材211中央の上方に形成されている。
上記した加湿装置200によれば、2つの分岐風路210a,210bはそれぞれ同一の形状に形成されているため、2方向から流通して合流する空気A´の風量は、ほぼ均一となる。これによって、どちらか一方の分岐風路210のみに空気Aが流れることが防止され、2つの気化フィルター207を均等に使用して加湿を行うことができ、加湿効率を向上させることができる。
[第4の実施の形態]
図5に示すように、加湿装置300は、吸込口301,吹出口302,送風機303,吸込風路304,吹出風路305,加熱機306,気化フィルター307,空気洗浄体308から構成されている。吹出風路305の中間部には、加熱機306の先で二股に分岐されて吹出口302の手前で合流する2本の分岐風路310が形成されている。分岐風路310は、室状に形成された吹出風路305の中間部中央を仕切部材311で上下に区画して形成されており、一方の分岐風路310aは他方の分岐風路310bよりも長く形成されている。具体的には、送風機303の送風口303aに直結された吹出風路305一端部は、仕切部材311中央の下方に形成され、吹出口302に直結された吹出風路305他端部は、仕切部材311の側方に形成されている。
吹出風路305の内部には、気化フィルター307を迂回して送風機303の送風口303aと吹出口302とを連通させるバイパス風路312が形成されている。バイパス風路312は、吹出風路305一端部の直上に位置する仕切部材311の中央に形成されており、仕切部材311の中央を上下方向に貫通している。
また、吹出風路305には、バイパス風路312と分岐風路310とを択一的に閉塞して送風方向を切り換える切換手段313が設けられている。切換手段313は、2つの気化フィルター310a,310bの間に配置されているシャッター314と、シャッター314を上下に往復移動させる駆動機構315とから構成されている。シャッター314は、中空箱状に形成されており、上端が閉塞されているとともに下端が開放され、側壁の上端部には気化フィルター307に対向する開口部314aが形成されている。
また、シャッター314の外形は、吹出風路305一端部の内周面及びバイパス風路312により若干小さい形状に形成されており、シャッター314は、吹出風路305一端部及びバイパス風路312の中に緩挿されている。シャッター314の上端面は、仕切部材311の上端面と同様に、中央から両側のトレー316に向かってそれぞれ傾斜されている。また、他方(短い方)の分岐風路310b側の開口部314aの枠内には、通過する空気の送風量を減少させる例えばルーバーやフィルター等からなる第2の送風抵抗体317が嵌め込まれている。
駆動機構315は、吹出風路305の上端面(一方の分岐風路310aの上端面)に搭載されたモーター318と、モーター318の図示せぬ回転軸に取り付けられて鉛直方向に回転する滑車319と、一端がシャッター314の上端に固定されているとともに他端が滑車319に巻回されているワイヤー320とから構成されている。ワイヤー320は、吹出風路305の上端面に形成された貫通孔321に挿通されており、吹出風路305内のシャッター314はワイヤー320に吊設されている。
図6は、ワイヤー320が巻き取られてシャッター314が上昇位置にあるときの状態を表す断面図である。図5に示すように、シャッター314が下降位置にあるとき、バイパス風路312はシャッター314の上端により閉塞されるとともに、分岐風路305の入口は開口部317に対向され、分岐風路305内とシャッター314内とは開口部314aを介して連通される。また、図6に示すように、シャッター314が上昇位置にあるとき、分岐風路305の入口はシャッター314の側壁の下端部により閉塞されるとともに、仕切部材311上方の分岐風路305内には開口部317が配置され、仕切部材311上方の分岐風路305内とシャッター314内とは開口部317を介して連通される。
次に、上記した加湿装置300の使用方法について説明する。
図5に示すように、加湿を行う場合について説明する。まず、モーター318を回転させてシャッター314を下降位置に配置する。次に、送風機303を稼動させ、乾燥した空気Aを吸込口301から吸込風路304内に取り入れ、送風機303を介して吹出風路305内に送り出す。吹出風路305内に流入した空気Aはシャッター314の下端からシャッター314内に入り、2つの分岐風路310a,310b内にそれぞれ流入する。一方(長い方)の分岐風路310a内には開口部317を通り抜けて流入し、他方(短い方)の分岐風路310b内には開口部317に嵌め込まれた第2の送風抵抗体317を通過して流入する。2つの分岐風路310a,310b内にそれぞれ流入した空気Aは、気化フィルター307をそれぞれ通過して湿った空気A´となり、吹出口302の手前で合流し、加湿装置300の外部に吹き出る。
次に、図6に示すように、加湿を行わずに送風のみを行う場合について説明する。まず、モーター318を回転させてワイヤー320を巻き上げることでシャッター314を上昇させて上昇位置に配置する。次に、送風機303を稼動させ、加湿装置300の外部の空気Aを吸込口301から吸込風路304内に取り入れ、送風機303を介して吹出風路305内に送り出す。このとき、加熱機306の稼動を停止させておく。吹出風路305内に流入した空気Aは、シャッター314の下端からシャッター314内に入り、開口部317に嵌め込まれた第2の送風抵抗体317を通過して、気化フィルター307の先の一方の分岐風路310a内に流入する。一方の分岐風路310a内に流入した空気Aは、加湿装置300の外部に吹き出る。なお、加熱機306を稼動させることで温風を送り出すこともできる。
上記した加湿装置300によれば、吹出風路305には、気化フィルター307を迂回して送風機303の送風口303aと吹出口302とを連通させるバイパス風路312が形成されていると共に、バイパス風路312と分岐風路310とを択一的に閉塞して送風方向を切り換える切換手段313が設けられているため、バイパス風路312を閉塞している場合、分岐風路310は開放され、送風機303によって送り出された空気Aは気化フィルター307の手前の分岐風路310内に流入する。また、分岐風路310を閉塞している場合、バイパス風路312は開放され、送風機303によって送り出された空気Aは気化フィルター307の先の分岐風路310内に流入する。これによって、切換手段313によって加湿又は送風を選択することができる。
また、分岐風路305は、室状に形成された吹出風路305中間部の中央を仕切部材311で上下に区画して形成され、送風機303の送風口303aに直結された吹出風路305の一端部は仕切部材311の下方に形成され、吹出口302に直結された吹出風路305の他端部は仕切部材311の側方に形成され、2つの気化フィルター307は仕切部材311の両端下方にそれぞれ配置され、バイパス風路312は吹出風路305の一端部の直上に位置する仕切部材311の中央に形成され、切換手段313は、2つの気化フィルター307の間に配置されている中空状のシャッター314と、シャッター314を上下に往復移動させる駆動機構315とから構成され、シャッター314は、上端が閉塞されているとともに下端が開放され、側壁の上端部には開口部314aが形成され、シャッター314が下降位置にあるときバイパス風路312はシャッター314の上端により閉塞されるとともに分岐風路305内とシャッター314内とは開口部314aを介して連通され、シャッター314が上昇位置にあるとき分岐風路305の入口はシャッター314の側壁の下端部により閉塞されるとともに仕切部材311上方の分岐風路305内とシャッター314内とは開口部317を介して連通されるため、シャッター314が上下に移動することでバイパス風路312と分岐風路310とを択一的に閉塞される。これによって、加湿又は送風を選択することができる。
また、シャッター314が下降位置にあるとき、他方(短い方)の分岐風路13b内を流通する空気A´は、一方(長い方)の分岐風路310a内を流通する空気A´に比べて流通長さが短い分、風量が大きくなるが、上記した加湿装置300では、他方(短い方)の分岐風路310b側の開口部314aには、通過する空気Aの送風量を減少させる第2の送風抵抗体317が嵌め込まれているため、他方(短い方)の分岐風路310b内を流通する空気A´の風量は抑えられて制限され、2方向から流通して合流する空気A´の風量は、ほぼ均一となる。これによって、他方(短い方)の分岐風路310bのみに空気Aが流れることが防止され、2つの気化フィルター307を均等に使用して加湿を行うことができ、加湿の効率を向上させることができる。
[第5の実施の形態]
図7に示すように、加湿装置400は、吸込口401,吹出口402,送風機403,吸込風路404,吹出風路405,加熱機406,気化フィルター407,空気洗浄体408から構成されている。図8は、図7に示すX−X間の断面図である。図7,図8に示すように、吹出風路405の中間部には、2本の分岐風路410が形成されている。一方の分岐風路410aは他方の分岐風路410bよりも長く形成されており、一方(長い方)の分岐風路410aの断面積は他方(短い方)の分岐風路410bの断面積よりも大きく形成されている。
上記した加湿装置400によれば、一方(長い方)の分岐風路410aの断面積は他方(短い方)の分岐風路410bの断面積よりも大きく形成されているため、一方(長い方)の分岐風路410a内を流通する空気A´の風量と他方(短い方)の分岐風路410b内を流通する空気A´の風量とは、ほぼ均一となる。これによって、2つの気化フィルター8を均等に使用して加湿を行うことができ、加湿の効率を向上させることができる。
以上、本発明に係る加湿装置及び空気調和機の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、分岐配管13,110,210,310は2本設けられているが、本発明は、分岐配管13,110,210,310を2本以上設けてもよく、分岐配管13,110,210,310を増加させることで、加湿量を増加させることができる。
また、上記した実施の形態では、加湿装置1,100,200,300のケース12の中に吸込風路5,104,204,304を別個に設けているが、本発明は、ケースの内部空間を吸込風路として使用し、吸込口をケースに設けて、吸込口からケースの中に空気Aを取り入れ、ケース内の空気Aを送風機の吸引口から吸い込むような構成でもよい。これによって、吸込風路5,104,204,304として別個に配管を設ける必要がなく、装置の製作コストを低減することができる。
また、上記した第1の実施の形態では、第1の送風抵抗体10は、気化フィルター8の先に配置されているが、本発明は、気化フィルター8の手前に第1の送風抵抗体10を配置してもよく、他方(短い方)の分岐風路13bの入口に配置してもよい。また、第1の送風抵抗体10を気化フィルター8に重ね合わせてもよく、第1の送風抵抗体10を設ける位置は他方(短い方)の分岐風路13b内であればよい。
また、上記した第2の実施の形態では、一方(長い方)の分岐風路110bに介在された一方の気化フィルター107aの空気透過量を他方(短い方)の分岐風路110aに介在された他方の気化フィルター107bに比べて多くするため、一方の気化フィルター107aの厚みを他方の気化フィルター107bより小さくしているが、本発明は、一方の気化フィルター107aの密度を他方の気化フィルター107bに比べて小さくして、空気Aが通過する隙間面積を大きくすることで、一方の気化フィルター107aの空気透過量を他方の気化フィルター107bに比べて多くしてもよい。つまり、一方の気化フィルター107aの空気透過量が他方の気化フィルター107bに比べて多ければ、一方の気化フィルター107aの厚みが、他方の気化フィルター107bと同一又は大きくてもよい。
また、上記した第3の実施の形態では、吹出口202は加湿装置200の上端面に形成されているが、吹出風路205の他端部を図4における奥行き方向に延在させて、吹出口202を加湿装置200の側面に形成してもよい。また、上記した第3の実施の形態では、仕切部材211の上端面はフラットに形成されているが、無論傾斜させてもよいことは言うまでもないことである。
また、上記した第4の実施の形態では、駆動機構315にモーター318と滑車319とワイヤー320を使用しているが、本発明は、駆動機構にシリンダーやピニオン及びラック等を使用してシャッター314を上下動させてもよく、或いはリンク機構を使用してシャッター314を上下動させてもよい。上記した第4の実施の形態では、シャッター314の開口部314aに第2の送風抵抗体317を嵌め込んで風量の調節を行っているが、本発明は、第1の送風抵抗体を他方(短い方)の分岐風路310bに設けて、第2の送風抵抗体317を省略してもよく、第1,第2の送風抵抗体の両方を設けてもよい。
また、上記した実施の形態では、送風機4,103,203,303,403は吸込風路5,104,204,304,404と吹出風路6,105,205,305,405との間に介装されているが、本発明は、送風機を、吹出口の手前に位置する吹出風路の他端部内に設けてもよい。この場合、吸込風路は、吸込風路や吹出風路を格納するケースの内部に連通されており、外部の乾燥した空気Aは吸込口から吸込風路を介してケースの内部に吸い込まれる。また、吹出風路の一端部は、ケース内に配置され、ケースの内部に連通されている。ケース内に吸い込まれた乾燥した空気Aは、吹出風路を介して吹出口から外部に吐出される。
本発明に係る加湿装置の第1の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る空気調和機の第1の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第2の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第3の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第4の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第4の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第5の実施の形態を表す断面図である。 本発明に係る加湿装置の第5の実施の形態を表す断面図である。
符号の説明
1,100,200,300,400 加湿装置
2,101,201,301,401 吸込口
3,102,202,302,402 吹出口
4,103,203,303,403 送風機
4b,203a,303a 送風口
5,104,204,304,404 吸込風路
6,105,205,305,405 吹出風路
7,106,206,306,406 加熱機
8,107,207,307,407 気化フィルター
9,108,208,308,408 空気洗浄体
10 第1の送風抵抗体
13,110,210,310,410 分岐風路
15,316 トレー
16 空気調和機
311 仕切部材
312 バイパス風路
313 切換手段
314 シャッター
314a 開口部
315 駆動機構
317 第2の送風抵抗体
A 乾燥した空気
A´ 湿った空気

Claims (10)

  1. 乾燥した空気を取り入れる吸込口と、
    湿った空気を吐き出す吹出口と、
    前記吸込口から前記吹出口に空気を送る送風機と、
    前記吸込口に連通されている吸込風路と、
    該吸込風路に連通されているとともに前記吹出口に連通されている吹出風路と、
    該吹出風路に設けられて前記吸込風路から送り出された乾燥した空気を加熱する加熱機と、該加熱機の先の前記吹出風路に介在されて乾燥した空気が湿った空気となって通過する湿潤状態の気化フィルターとが備えられている加湿装置において、
    前記吹出風路の中間部には、前記加熱機の先で分岐されて前記吹出口の手前で合流する複数の分岐風路が形成され、
    該複数の分岐風路には、前記気化フィルターがそれぞれ介在され、
    前記吹出風路には、前記気化フィルターを迂回して前記送風機の送風口と前記吹出口とを連通させるバイパス風路が形成されていると共に、該バイパス風路と前記分岐風路とを択一的に閉塞して送風方向を切り換える切換手段が設けられ、
    複数の前記分岐風路は、室状に形成された前記吹出風路中間部の中央を仕切部材で上下に区画して形成され、
    前記送風機の送風口に直結された前記吹出風路一端部は前記仕切部材の下方に形成され、
    前記吹出口に直結された前記吹出風路他端部は前記仕切部材の側方に形成され、
    複数の前記気化フィルターは前記仕切部材の両端下方にそれぞれ配置され、
    前記バイパス風路は、前記吹出風路の一端部の直上に位置する前記仕切部材の中央に形成され、
    前記切換手段は、
    複数の前記気化フィルターの間に配置されている中空状のシャッターと、
    該シャッターを上下に往復移動させる駆動機構と、から構成され、
    前記シャッターは、上端が閉塞されているとともに下端が開放され、側壁の上端部には開口部が形成され、
    前記シャッターが下降位置にあるとき前記バイパス風路は前記シャッターの上端により閉塞されるとともに前記分岐風路内と前記シャッター内とは前記開口部を介して連通され、
    前記シャッターが上昇位置にあるとき前記分岐風路の入口は前記シャッターの側壁により閉塞されるとともに前記仕切部材上方の前記分岐風路内と前記シャッター内とは前記開口部を介して連通されることを特徴とする加湿装置。
  2. 請求項1記載の加湿装置において、
    前記複数の分岐風路のうち少なくとも一方の分岐風路には、通過する空気の送風量を減少させる第1の送風抵抗体が介在されていることを特徴とする加湿装置。
  3. 請求項1に記載の加湿装置において、
    前記複数の分岐風路のうち、一方の分岐風路は他方の分岐風路よりも長く形成され、
    前記一方の分岐風路に介在された一方の気化フィルターは、前記他方の分岐風路に介在された他方の気化フィルターに比べて、空気の透過量が多いことを特徴とする加湿装置。
  4. 請求項1に記載の加湿装置において、
    前記複数の分岐風路のうち、一方の分岐風路は他方の分岐風路よりも長く形成され、
    前記一方の分岐風路の断面積は、前記他方の分岐風路の断面積よりも大きく形成されていることを特徴とする加湿装置。
  5. 請求項1に記載の加湿装置において、
    複数の前記分岐風路は、それぞれ同一の形状に形成されていることを特徴とする加湿装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の加湿装置において、
    複数の前記気化フィルターの下方には、前記気化フィルターの下端部に浸漬される水が貯留されたトレーがそれぞれ配置され、
    前記複数の分岐風路のうち少なくとも一方の分岐風路の底面は、前記トレーに向かって傾斜されていることを特徴とする加湿装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の加湿装置において、
    前記吸込風路には、前記吸込口から取り入れられる空気を洗浄する空気洗浄体が介在されていることを特徴とする加湿装置。
  8. 請求項に記載の加湿装置において、
    複数の前記開口部のうち少なくとも一方には、通過する空気の送風量を減少させる第2の送風抵抗体が嵌め込まれていることを特徴とする加湿装置。
  9. 請求項または請求項8に記載の加湿装置において、
    前記シャッターの上端は、前記トレーに向かって傾斜されていることを特徴とする加湿装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の加湿装置が備えられていることを特徴とする空気調和機。
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