JP3983484B2 - リフロー炉内温度プロファイル測定用装置およびそれを用いたリフロー炉加熱能力診断方法 - Google Patents

リフロー炉内温度プロファイル測定用装置およびそれを用いたリフロー炉加熱能力診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装したプリント基板等の被加熱物の半田をリフロー加熱するリフロー炉の加熱能力を診断するためのリフロー炉内温度プロファイル測定用装置およびそれを用いたリフロー炉加熱能力診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5を用いて、従来のリフロー装置を説明する。従来のリフロー装置は、図5に示すように、駆動部107が、コンベアからなる搬送装置109と共通の駆動源(図示略)を有している。そして、駆動源からの駆動力を熱電対コネクタからなる入力端子108aの移動に変換している。また、駆動部107が搬送装置109によるプリント基板106の搬送速度と熱電対コネクタからなる入力端子108aの移動速度とが同じになるように構成されている。
【0003】
なお、図5において、装置本体101に固定された演算装置であるターミナル110は、装置本体101の余熱部およびリフロー部等の加熱部の熱影響のない場所に配置されている。そして、ターミナル110は螺旋巻きで延長可能としたコード110aを介して、熱電対コネクタからなる入力端子108aからの入力を受信可能となっている。
【0004】
また、図5に示すように、プリント基板106には、弱耐熱部品であり、その温度プロファイルが管理の対象となるアルミ電解コンデンサ111と、熱容量が大きく温度が上がりにくい大型QFP112等とが装着されており、通常、これらのポイントが温度測定場所として選ばれるため、これらに熱電対を取付けている。また、最も温度の上がりやすいポイントのプリント基板106の表面には熱電対113を取付けている。
【0005】
また、これらの熱電対は熱電対コネクタからなる温度センサーの出力端子108bに接続されており、この出力端子108bは入力端子108aに接続できるようになっていて、熱電対113を取り付けた箇所の起電力を出力するようになっている。
【0006】
図5に示すように、装置本体101の排出部にはテーパ板からなる分離手段114が配置されていて、接続されている入力端子108aと出力端子108bとがこの分離手段114により出力端子108bに取付けられたピン115で、排出部を通過するときに完全に分離されるように構成されている。
【0007】
また、従来のリフロー装置には、搬送装置109と駆動部107との同期移動のスタートを指示する制御手段であるコントローラ118が設けられている。このコントローラ118にはデータ処理マイコン119が接続されている。そして、このデータ処理マイコン119により装置本体101内におけるプリント基板106の位置と温度との関係を温度プロファイル120として得ることが可能になっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のリフロー炉内の温度測定においては、温度測定部の追走機構をリフロー炉内に設置する必要があるため、リフロー炉内の構造が複雑になるのみならず、追走機構が温風や赤外線ヒータによる加熱を阻害するため加熱効率が低下するとともに、製造コストも高くなっている。
【0009】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、温度測定部の追走機構をリフロー炉内に設置しなくてもよい構造とすることが可能なリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、被加熱物を搬送する搬送部と被加熱物を加熱するための加熱部とを備えたリフロー炉において、搬送部により搬送可能であって、加熱部の加熱による被加熱物が搬送される経路近傍の温度プロファイルを測定するために用いられる温度センサが搭載されている。
【0011】
上記の構成によれば、リフロー炉内温度プロファイル測定用装置はリフロー炉の搬送部を用いて搬送可能であるため、リフロー炉内に温度プロファイルを測定するための温度測定部の追走機構を別途設けることなく、リフロー炉内の温度プロファイルを測定することができる。
【0012】
本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、被加熱物が搬送される経路近傍を所定の部材が搬送され、かつ、所定の部材の温度プロファイルが検出されるように温度センサが配置されている。
【0013】
上記のような構成によれば、所定の部材の温度プロファイルを測定することができるため、所定の部材を被加熱物と類似する部材にすれば、リフロー炉内を搬送される被加熱物の温度プロファイルを推定することが可能となる。
【0014】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、所定の部材が熱放射率の異なる表面を有する複数の部材からなり、かつ、複数の部材それぞれの温度プロファイルが検出されるように温度センサが配置されている。
【0015】
上記の構成によれば、熱放射率の大きな部材を用いて熱放射および熱対流による加熱量の変化を測定することができるとともに、熱放射率の小さな部材を用いて熱対流による加熱量の変化を測定することができる。
【0016】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の複数の部材には、プレート状をなし、該プレート状の主表面の一方のみがリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された部材が含まれている。
【0017】
上記の構成によれば、主表面の一方のみの熱放射、または、熱放射および熱対流による加熱量の変化を測定することができる。
【0018】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の複数の部材には、プレート状をなし、該プレート状の主表面の双方がリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された部材が含まれている。
【0019】
上記の構成によれば、主表面の双方の熱放射、または、熱放射および熱対流による加熱量の変化を測定することができる。
【0020】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材が、プレート状をなし、該プレート状の主表面のうち一方の面のみがリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された第1部材と、プレート状をなし、該プレート状の主表面のうち一方の面のみがリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置され、一方の面が第1部材の一方の主表面よりも熱放射率が小さな第2部材と、プレート状をなし、該プレート状の主表面の双方がリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された第3部材と、プレート状をなし、該プレート状の主表面の双方がリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置され、第3部材よりも主表面の双方の熱放射率が小さな第4部材とを備えている。
【0021】
上記の構成によれば、4種類の部材により、主表面の一方の熱放射、または、熱放射および熱対流による加熱量の変化、あるいは、主表面の双方の熱放射または熱放射および熱対流による加熱量の変化を測定することができるので、様々な条件での温度プロファイルを得ることができる。
【0022】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材が、銀、銅およびアルミニウムからなる群より選ばれた1の物質または2以上の物質の組合せにより構成されている。
【0023】
上記の構成によれば、複数の部材に他の物質に比較して熱伝導率の大きな物質を用いているため、部材内部に温度格差が生じることが抑制され、部材全体で平均化された条件で温度プロファイルを測定することができる。
【0024】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の複数の部材には、熱放射率が0.1以下の部材と熱放射率が0.9以上の部材とが含まれている。
【0025】
上記の構成によれば、複数の部材の中に熱放射率が極端に異なる部材を用いることにより熱放射の影響を受け易い部材と熱放射の影響を受け難い部材とでどのように温度プロファイルが異なるかを把握することができる。
【0026】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の複数の部材には、アルミニウム蒸着、金蒸着、ニッケルメッキおよび表面研磨のうち少なくともいずれかが施されている部材が含まれている。
【0027】
上記の構成によれば、熱放射率の小さな部材を温度プロファイルの測定に用いることができる。
【0028】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の複数の部材には、セラミック溶射、塗料、黒色メッキおよび酸化処理のうち少なくともいずれかが施されている部材が含まれている。
【0029】
上記の構成によれば、熱放射率の大きな部材を温度プロファイルの測定に用いることができる。
【0030】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材それぞれのリフロー炉内雰囲気に晒される面以外の面が断熱材で囲まれている。
【0031】
上記の構成によれば、複数の部材はリフロー炉内雰囲気に晒される面以外の面から熱が伝達され難くなるため、ほぼリフロー炉内雰囲気に晒される面からのみの加熱による温度プロファイルを測定することができる。
【0032】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材を搭載し、搬送部と接触して複数の部材を搬送するための搬送台の表面に、アルミニウム蒸着、金蒸着および金属研磨のうち少なくともいずれかが施されている。
【0033】
上記の構成によれば、熱放射率が比較的小さな物質を搬送台に用いることにより、搬送台の表面からの熱が、測定結果として得られる温度プロファイルに与える影響を極力小さくすることができる。
【0034】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材と断熱材との間および搬送台と断熱材との間の少なくともいずれか一方の間の接触は、点接触または線接触となっている部分がある。
【0035】
上記の構成によれば、接触していない空間部分に熱伝導率の小さな物質を挿入することで、リフロー炉内雰囲気に晒される面以外の面からの受熱をさらに小さくすることが可能となる。
【0036】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材と断熱材との間および搬送台と断熱材との間の少なくともいずれか一方の間は空気層となっている。
【0037】
上記の構成によれば、熱伝導率が小さな空気層が介在することで、リフロー炉内雰囲気に晒される面以外の面からの受熱をさらに小さくすることが可能となっている。
【0038】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、複数の部材の外表面の近傍に第2の温度センサの温感部がさらに設けられている。
【0039】
上記の構成によれば、第2の温度センサによりリフロー炉内雰囲気の温度プロファイルを測定することも可能になるため、リフロー炉内の雰囲気の温度プロファイルに対応した複数の部材の温度プロファイルを得ることができる。
【0040】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、温度センサの温感部が複数の部材それぞれに設けられた穴に挿入され、該穴の内周面と温度センサとの間にはRTVゴムおよびグリスのうち少なくともいずれか一方が充填されている。
【0041】
上記の構成によれば、RTVおよびグリスは比較的熱伝導率が大きいため、複数の部材の温度変化が温度センサに伝達される速度が比較的大きくなるので、複数の部材の温度プロファイルの測定の時間的なずれを極力小さくすることができる。
【0042】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、温度センサの温感部が複数の部材それぞれに対し接触した状態を維持することが可能に構成されている。
【0043】
上記の構成によれば、複数の部材の温度プロファイルを測定するための温度センサの温感部は複数の部材から直に熱伝達を受けるため、複数の部材の温度プロファイルの測定の時間的なずれを極力小さくすることができる。
【0044】
また、本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、温度プロファイルの検出値を外部のコンピュータへ出力可能に構成されている。
【0045】
上記の構成によれば、温度プロファイルをリフロー炉内温度プロファイル測定用装置の外部のコンピュータに転送して、コンピュータで処理することができる。
【0046】
本発明のリフロー炉加熱能力診断方法は、被加熱物を搬送する搬送部と被加熱物を加熱するための加熱部とを備えたリフロー炉の搬送部に、上記のいずれかのリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を載置して搬送させて、リフロー炉内の加熱部の加熱による被加熱物が搬送される経路近傍の温度プロファイルを測定し、その測定結果に基づいて、リフロー炉の加熱能力を診断する。
【0047】
上記の方法によれば、リフロー炉内に温度プロファイルを測定するための温度測定部の追走機構を設けなくとも、リフロー炉内の加熱能力を診断することができる。
【0048】
本発明の加熱力診断方法により診断されるリフロー炉は、上記リフロー炉内温度プロファイル測定用装置を搬送可能である。
【0049】
このような構成にすることにより、リフロー炉内に温度プロファイルを測定するための温度測定部の追走機構を設ける必要がなくなるため、リフロー炉の構造を簡単にすることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0051】
まず、図1〜図3を用いて、本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を説明する。本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置13は、従来技術において示したような被加熱物を搬送する搬送部と被加熱物を加熱するための加熱部とを備えたリフロー炉において、搬送部により搬送可能な構造となっている。また、リフロー炉内温度プロファイル測定用装置13は、被加熱物が搬送される経路近傍において加熱部の加熱により生じ得る温度プロファイルを検出し、検出された温度プロファイルを外部のコンピュータに出力することが可能なように、センサ1a,1b,1c,1d,1e,1fとコンピュータとが電気的に接続されている。そして、センサから出力された温度プロファイルの検出値が、電気信号としてコンピュータ等に入力されて、コンピュータの記憶手段により記憶されるとともに、画像表示またはプリンタなどにより出力可能となっている。これにより、この温度プロファイルを検討することにより、リフロー炉の加熱能力を診断することができるのである。本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置13は、リフロー炉の加熱能力診断する目的で使用されるものであるが、以下のような構成となっている。
【0052】
本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置13は、図1に示すように、熱電対からなる温度測定センサー1c,1d,1e,1fを内装した4枚の銅製円盤状のプレート2a,2b,2c,2dが、テフロンからなる断熱材3a,3bで部分的に覆われて搬送台4上に搭載されている。具体的に言うと、プレート2aとプレート2bとは、図2に示す断熱材3aで上面を除く周囲が覆われており、プレート2cとプレート2dとは、図2に示す断熱材3bで上下面を除く周囲が覆われている。
【0053】
なお、プレート2aの上面は黒色セラミック溶射コーティング処理が施されて、表面の熱放射率が1.0に近い状態になっているとともに、他の面はアルミ蒸着処理が施されて、表面の熱放射率が0.0に近い状態になっている。また、プレート2bには全面にアルミ蒸着処理が施されて、表面の熱放射率が0.0に近い状態になっている。また、プレート2cには上下面に黒色セラミック溶射コーティング処理が施されて、表面の熱放射率が1.0に近い状態になっており、かつ、他の面にアルミ蒸着処理が施されて、表面の熱放射率が0.0に近い状態になっている。また、プレート2dには全面にアルミ蒸着処理が施されて、表面の熱放射率が0.0に近い状態になっている。
【0054】
また、図2に示すように、プレート2a,2bと断熱材3aとの間では、プレート2a,2bの側面および底面が断熱材3aと対向することになるが、断熱材3aとプレート2a,2bとの間での熱の受け渡しを起こりにくくするために、基本的には、断熱材3aとプレート2a,2bとの間を点接触、または、線接触させて、断熱材3aとプレート2a,2bとの間に熱伝導率の小さな空気層を介在させる構造としている。プレート2c,2dと断熱材3bとは、プレート2c,2dの側面が断熱材3bと対向することになるが、同様の理由で、断熱材3bとプレート2c,2dとの間を点接触、または、線接触させて、断熱材3bとプレート2c,2dとの間に熱伝導率の小さな空気層を介在させる構造としている。また、断熱材3a,3bと搬送台4との接触においても、接触面積を極力小さくするように点接触または線接触となる構造とし、断熱材3a,3bと搬送台4との間に熱伝導率の小さな空気の層が中間に介在するようにしている。なお、プレート2c,2dの下面に当たる搬送台4の部分はプレート2c,2dの下面が直接リフロー炉内雰囲気(空気)に直接触れるようにプレート2c,2dの面積より若干大きめの穴が開いている。
【0055】
また、図3に示すように、搬送台4は、全周縁有り帽子を逆さにしたような断面形状をしており、縁5の部分がチェーン等から構成された搬送部6に乗ってリフロー炉内を移動するように構成されている。
【0056】
また、プレート2a,2b,2c,2d上を覆うカバー7は、図1〜図3に示すように、プレート2a,2b,2c,2dの上面がリフロー炉内空気に直接触れるようにプレート2a,2b,2c,2dの面積より若干大きめの穴が開いている。また、搬送台4上に設けられているカバー支持台8は、カバー7がプレート2a,2b,2c,2dの上面側において僅かな空間を介して位置するためものであり、位置決めピン9により位置決めされている。また、搬送台4の底面高さ位置、縁5の高さ位置、位置決めピン9の上端の高さ位置は、これらがリフロー炉内を搬送する場合に、リフロー炉内の構造に引っかかることのないような位置としている。また、搬送台4およびカバー7は、リフロー炉内で熱を吸収して炉内温度が低下することを極力抑制する目的および強度的に適切な構造とする目的から、ステンレスの薄肉材が用いられているが、それにより、搬送台4およびカバー7の熱容量を小さくすることが可能となっている。また、搬送台4およびカバー7は、放射熱を吸収しにくくするために、表面にアルミ蒸着が施されている。
【0057】
また、図1および図2に示すように、温度測定センサー1c,1d,1e,1fは、4つ有るプレート2a,2b,2c,2dそれぞれの各中心近傍の上空温度を測定し、温度測定センサー1bは、カバー7上でプレート2aとプレート2bとの間の上空近傍の空気温度を測定し、温度測定センサー1aは、カバー7上でプレート2cとプレート2dとの間の上空近傍の空気温度を測定するため、本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は計6点の温度が測定可能である。
【0058】
また、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれに内装される温度測定センサー1c,1d,1e,1fがプレート2a,2b,2c,2dそれぞれの温度を正確に測定できるように小ネジ10で温度測定センサー1c,1d,1e,1fの温感部11c,11d,11e,11fをプレート2a,2b,2c,2dそれぞれに押しつけて密着させている。また、温度測定センサー1c,1d,1e,1fを挿入するための挿入穴12内に、熱伝導率の大きなサーマルグリスやサーマルラバーを充填してプレート2a,2b,2c,2dそれぞれと温度測定センサー1c,1d,1e,1fの温感部11c,11d,11e,11fとの間において、温度差が発生し難い構造としている。また、カバー7上に設置される空気温度測定用の温度測定センサー1a,1bの温感部11a,11bはそれぞれカバー7の温度影響を受けにくくするためにカバー7上に所定距離(5mm)以上浮かして設置されている。
【0059】
これらの構造からなるリフロー炉内温度プロファイル測定用装置13をリフロー炉に投入搬送するとともに合計6本の温度測定センサー1a,1b,1c,1d,1e,1fにより測定された温度プロファイルのデータを、コンピュータに出力して記録するとともにディスプレイ表示することにより、リフロー炉内の各部位における加熱能力分布を把握することができる。そして、この温度プロファイルのデータを基にリフロー炉の設定温度を変化させた場合の加熱能力分布予測をして、基板上のパーツの温度プロファイルを推測することができる。逆に言うと、理想的な基板上パーツの温度プロファイルを得るための必要なリフロー炉温度設定条件を得ることができるとともに、リフロー炉の改造効果を把握することもできる。
【0060】
上記の構造からなるリフロー炉内温度プロファイル測定用装置13をリフロー炉内で実際に搬送して温度プロファイルを測定した場合の結果を、図4を用いて説明する。
【0061】
図4において、曲線14は、温度測定センサー1aにより測定された温度変化を示すもの、すなわちリフロー炉内のプレート2c,2dの搬送経路近傍の上空における空気温度変化を示す温度プロファイルである。また、図4において、曲線15は、プレート2c自体の温度変化を示すものであり、プレート2cの上下面は熱放射率が1.0に近い状態であるため、リフロー炉内において上下面で熱対流および熱放射による加熱を受ける場合の温度プロファイルである。また、図4において、曲線16は、プレート2d自体の温度変化であり、プレート2dの上下面は熱放射率が0.0に近いため、リフロー炉内において上下面で熱対流のみによる加熱を受けた場合の温度プロファイルである。また、図4において、曲線17は、温度測定センサー1bの温度変化、すなわちプレート2a,2bの搬送経路近傍の上空におけるリフー炉内の空気の温度プロファイルである。
【0062】
また、図4において、曲線18は、プレート2aの温度変化を示すものであり、プレート2aの上面は熱放射率が1.0に近いため、リフロー炉内において上面で熱対流および熱放射による加熱を受ける場合の温度プロファイルである。プレート2aの下面は断熱構造になっているため外部からの熱影響を受け難くなっている。また、図4において、曲線19は、プレート2bの温度変化を示すものであり、プレート2bの上面は熱放射率が0.0に近いため、リフロー炉内において上面でおおよそ熱対流のみによる加熱を受ける場合の温度プロファイルである。プレート2bの下面は断熱構造になっているため外部からの熱影響を受け難くなっている。
【0063】
またさらに、図1から分かるように、温度測定センサー1a(曲線14)の温感部11a、プレート2cの温度測定センサー1c(曲線15)の温感部11c、プレート2dの温度測定センサー1d(曲線16)の温感部11dにより測定される3つ温度プロファイルと、温度測定センサー1b(曲線17)の温感部11b、プレート2aの温度測定センサー1e(曲線18)の温感部11e、プレート2bの温度測定センサー1f(曲線19)の温感部11fの3温度プロファイルとは搬送方向に対して位置がズレているため実際には次の式から求められる時間だけグラフがズレることになるが、図4のグラフはズレた時間を調整して表現している。すなわち図4では、あたかも全て温度測定センサー1a,1b,1c,1d,1e,1fの温感部11a,11b,11c,11d,11e,11fが、同一時間条件、すなわち搬送方向に同一の位置で熱影響を受けたかのような表現となっている。
【0064】
図4のグラフを作成するにあたっての温度測定の時間的なズレを補正するための条件式は、次のようなものである。
【0065】
VE:搬送速度 m/sec
ds:ズレ時間 sec
dl:温度測定センサーのズレ距離 m
ds=dl/VE (sec)
次に、図4に示す温度プロファイルの測定結果を示す曲線から得られる加熱能力の算出方法に関して説明する。
【0066】
プレート2a,2b,2c,2dが微少時間に温度変化する場合の伝熱量は次式から求めることができる。
【0067】
Q:伝熱量 W/K
dt:温度差 K
熱対流の伝熱量を求める場合
{(プレート2a,2b,2c,2dの近傍の空気温度)−(プレート2a,2b,2c,2dの温度)}
熱放射の伝熱量を求める場合
{(パネルヒーター設定温度)−(プレート2a,2b,2c,2dの温度)}
なお、パネルヒータの無いリフロー炉については対流による伝熱量の場合と同様に、以下の式で算出される。
【0068】
dt:プレート2a,2b,2c,2dの温度変化量 K/sec
V :プレート2a,2b,2c,2dの体積 m3
ρ :プレート2a,2b,2c,2dの密度 Kg/m3
CP:プレート2a,2b,2c,2dの比熱 J/kg・K
A :プレート2a,2b,2c,2dの表面積 m2
Q=dt×ρ×CP×V/dt (W/K)
プレート2a,2b,2c,2dが4種類であるため、上式から得られる伝熱量も4種類得られる。
【0069】
Q1:プレート2cの温度変化から求められる伝熱量
上下面からの熱対流および熱放射の伝熱量
Q2:プレート2dの温度変化から求められる伝熱量
上下面からの熱対流の伝熱量
Q3:プレート2aの温度変化から求められる伝熱量
上面からの熱対流および熱放射の伝熱量
Q4:プレート2bの温度変化から求められる伝熱量
上面からの熱対流の伝熱量
上記、Q1,Q2,Q3,Q4の値を基に上下各面における熱対流および熱放射の伝熱量を次のように分けて考えることができる。
【0070】
QUC:上面からの熱対流の伝熱量 W/K
QUC=Q4
QUR:上面からの熱放射の伝熱量 W/K
QUR=Q3−Q4
QBC:下面からの熱対流の伝熱量 W/K
QBC=Q2−Q4
QBR:下面からの熱放射の伝熱量 W/K
QBR=Q1−Q2−Q3+Q4
上記の各伝熱量とプレート2a,2b,2c,2dとリフロー炉内空気との温度差、および、プレート2a,2b,2c,2dとリフロー炉パネルヒータの設定温度とから各熱伝達率を求めることができる。
【0071】
αUC:上面からの対流熱の伝達率 W/m2・K
AU :プレート2a,2b,2c,2d上面の伝熱面積 m2
αUC=QUC/AU
αUR:上面からの放射熱伝達率 W/m2・K
αUR=QUR/AU
αBC:下面からの対流熱伝達率 W/m2・K
AB :プレート2a,2b,2c,2d下面の伝熱面積 m2
αBC=QBC/AB W/m2・K
αUR:下面からの放射熱伝達率 W/m2・K
αBR=QBR/AB
任意の基板上に配設されたパーツの温度プロファイルは、上記の各熱伝達率を微少経過時間毎に求めておき、パーツの初期温度から微少時間毎のパーツの温度上昇分を積算していくことにより求めることができる。
【0072】
DTP:微少時間におけるパーツの温度上昇値 K/sec
ρP :パーツの密度kg/m3
CPP:パーツの比熱 J/kg・K
VP :パーツの体積 m3
VA :パーツの伝熱面積 m2・K
dTA:パーツと、空気(対流伝熱の場合)、または、パネルヒータ(放射伝熱の場合)との温度差
dTP=(αUC+αUR+αBC+αBR)×VA×dTA/(ρP×CPP×VP)
上式の分子は伝熱面積VAと温度差dTAの値は各熱伝達率について共通としているが空気温度とパネルヒーターの温度が異なる設定になっている場合には個別に考えることになる(パネルヒーターが無い場合には上式から温度上昇を求めることができる)。
【0073】
以上、パーツの温度変化を求める方法について説明したが、リフロー炉の設定条件が測定したものと異なる場合には単純に温度変化を求めることができない。リフロー炉の設定条件が種々な場合にも対応させるためには、予想される変化条件の上限と下限との範囲内で測定し各熱伝達率を内挿法により決める事により同様に温度上昇を知ることができる。また、外挿法を用いればリフロー炉の設定条件以外の場合にも温度変化を算出すことができ、リフロー炉改造の効果予測を知ることができる。
【0074】
上記のような本実施の形態のリフロー炉温度プロファイル測定装置においては、以下のような効果がある。本実施の形態のリフロー炉は、電子部品が実装されたプリント基板等の被加熱物を搬送する搬送部と、被加熱物を加熱する加熱部とを備えたリフロー炉において、温度測定センサー1a,1b,1c,1d,1e,1fを備えるとともに、表面の熱放射率が大きなものと表面の熱放射率が小さなものとからなる複数のプレート2a,2b,2c,2dを備えたリフロー炉温度プロファイル測定装置13を、搬送部6を用いて搬送できるようにしている。
【0075】
そのため、熱放射率の値の両極端なものを含むプレート2a,2b,2c,2dがリフロー炉内において搬送されることにより、熱放射率の小さなプレート2b,2dでは、熱対流の加熱による温度プロファイルを、また、熱放射率の大きなプレート2a,2cでは、熱放射および熱対流の両加熱による温度プロファイルを測定することができる。
【0076】
また、片面だけがリフロー炉内雰囲気に解放された、熱放射率が小さなプレート2aと熱放射率が大きなプレート2b、および、両面がリフロー炉内雰囲気に解放された、熱放射率が小さなプレート2cと熱放射率が大きなプレート2dの合計4個のプレートを分割、または、1セットにしてリフロー炉中に搬送できるようにしている。
【0077】
そのため、4種類のプレート2a,2b,2c,2dについてリフロー炉中を搬送させた場合の温度プロファイルを知ることにより、熱放射率が小さく片面解放プレート2aからは片面からの熱対流による加熱量変化を、また、熱放射率が大きく片面解放プレート2bからは片面からの熱放射および熱対流による加熱量変化、熱放射率が小さく両面解放プレート2cからは両面からの熱対流による加熱量変化を、また、熱放射率が大きく両面解放プレート2dからは両面からの熱放射および熱対流による加熱量変化を知ることができる。
【0078】
また、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれを構成する物質は、たとえば、銀、銅、または、アルミニウム等の熱伝導率の大きな物質である。そのため、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれの表面が加熱された場合、熱伝導率の小さな物質を用いれば、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれの表面と内部とに温度差が発生して温度測定センサー1c,1d,1e,1fの温感部11c,11d,11e,11fの位置によって温度が高めに表示されたり低めに表示されたりするが、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれに熱伝導率の大きな物質を用いることにより、プレート2a,2b,2c,2dそれぞれを、全体として均一な温度分布が発生するようにすることができるのである。
【0079】
なお、熱放射率の小さなプレート表面を得る手段としては、プレート表面にアルミ蒸着、金蒸着、もしくはニッケルメッキを施す手段、または、プレート材の表面を研磨する手段がある。これらの手段により、熱放射率を0.1以下とすることができる。また、熱放射率の大きなプレート表面を得る手段としては、プレート表面にセラミック等の溶射、塗料、もしくは黒色メッキするか、または、プレート材の表面に酸化処理を施す手段がある。これらの手段により、熱放射率を0.9以上とすることができる。
【0080】
そのため、プレート表面の熱放射率を大小両極端に異なる値とすることにより、熱放射の影響を受け易い場合と受け難い場合とのプレート2a,2b,2c,2dの温度プロファイルを把握することができるのである。
【0081】
また、プレート2a,2b,2c,2dはテフロンなど熱伝導率の小さな断熱材3a,3bで受熱面以外の面が囲われていることにより、プレート2a,2b,2c,2dは受熱面以外の面からの熱進入を受けにくくなり、受熱面からの加熱だけによる温度プロファイルを測定することが可能となっている。
【0082】
また、一部が断熱材3a,3bに囲まれたプレート2a,2b,2c,2dを搬送する搬送台4は、熱放射率の小さな金属、たとえば、アルミ蒸着または金蒸着された表示面を有するものなど放射率の小さな表面性状からなる板材であるため、プレート2a,2b,2c,2dは受熱面以外の面からの熱進入を受け難く、ほぼ受熱面のみからの受熱による影響を受ける場合の温度プロファイルを測定することが可能となっている。
【0083】
また、プレート2a,2b,2c,2dと断熱材3a,3bとの接触、または、断熱材3a,3bと搬送台4との接触は、点接触または線接触とし、プレート2a,2b,2c,2dと断熱材3a,3bとの間、および、断熱材3a,3bと搬送台4との間の大部分に、非常に熱伝導率の小さな空気層を介在させることで、プレート2a,2b,2c,2dは、受熱面以外の面からの熱進入を受け難くなるため、ほぼ受熱面のみからの加熱により温度上昇するのである。
【0084】
また、搬送方向に対してプレート2aとプレート2bとの間の中央位置およびプレート2cとプレート2dとの間の中央位置それぞれの搬送台4上空に空気温度測定用の温度測定センサー1a,1bを設置しているため、リフロー炉内空気温度分布に対するプレート2a,2b,2c,2dの温度プロファイルを知ることが可能となっている。
【0085】
さらに、熱電対、サーミスタまたは測温抵抗体からなる温度測定センサ1c,1d,1e,1fは、プレート2a,2b,2c,2d側面から中央部に向かって設けられた挿入穴12に挿入されるが、挿入穴12と温度測定センサ1c,1d,1e,1fとの隙間に熱伝導率の大きなRTVゴムまたはグリスなどを充填するとともに、温感部11c,11d,11e,11fをセットネジ状のようなものでプレート2a,2b,2c,2dそのものに押しつけているため、温感部11c,11d,11e,11fとプレート2a,2b,2c,2dとの間の熱抵抗を小さくすることで、プレート2a,2b,2c,2d自身の温度変化が大きな時間的遅れをともなって温感部11c,11d,11e,11fに伝達されることを抑制して測定することができるようになっている。
【0086】
また、前述の実施の形態においては、プレート2a,2b,2c,2dが4個セットされたものが用いられたが、リフロー炉中の搬送位置とプレート2a,2b,2c,2dそれぞれの温度変化の時間的な対応が取れるのであれば1個セット、または、それ以上のセットでリフロー炉に投入搬送しても同様な効果を得ることができる。
【0087】
また、前述の実施の形態では、プレート2a,2b,2c,2dの材料として銅を用いたが、プレート2a,2b,2c,2d内で温度分布を発生させない程度の熱伝導率の大きななものであれば、金、銀、または、アルミニウムなどの材料を用いても同様な効果を得ることができる。
【0088】
また、前述の実施の形態では、プレートの表面の熱放射率を1.0に近づける手段として黒色セラミック溶射の例を示したが、熱放射率の大きな塗料、黒色メッキ、または、金属酸化処理を用いても同様な効果を得ることができる。また、プレートの表面の熱放射率を0.0に近づける手段としてアルミ蒸着の例を示したが、熱放射率の小さな金蒸着、金属研磨面、または、ニッケルメッキ等を用いても同様な効果を得ることができる。
【0089】
また、前述の実施の形態では、断熱材3a,3bの材料としてテフロンを使用した例を示したが、リフロー炉内温度に耐えて、かつ、熱伝導率の小さな材料であれば、ベークライトまたはグラスファイバー等の材料でも同様な効果を得ることができる。
【0090】
また、前述の実施の形態では、搬送台4およびカバー9の材料としてステンレスを用いた場合について示したが、熱伝導率が小さくて熱容量の小さな材料であればベークライトまたはグラスファイバーであってもよい。さらに、搬送台4の表面にはアルミ蒸着または光沢のある金属メッキ、金蒸着、金属研磨等を施して熱放射率を小さくしても同様な効果を得ることができる。
【0091】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0092】
【発明の効果】
本発明のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置は、リフロー炉の搬送部を用いて搬送可能であるため、リフロー炉内に温度プロファイルを測定するための温度測定部の追走機構を別途設けることなく、リフロー炉内の温度プロファイルを測定することができる。
【0093】
本発明のリフロー炉加熱能力診断方法は、上述のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を載置して搬送させて、リフロー炉内の加熱部の加熱による被加熱物が搬送される経路近傍の温度プロファイルを測定し、その測定結果に基づいて、リフロー炉の加熱能力を診断するため、リフロー炉内に温度プロファイルを測定するための追走機構を設けなくとも、リフロー炉内の加熱能力を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置が搬送部に搭載された状態を上面側から見た図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 本実施の形態のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を、実際にリフロー炉で搬送して温度を測定したときの温度プロファイルである。
【図5】 従来の温度測定部の追走機構を内部に有したリフロー炉を説明するための図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1f 温度センサー、2a,2b,2c,2d プレート、3a,3b 断熱材、4 搬送台、5 縁、6 搬送部、7 カバー、8 カバー支持台、9 位置決めピン、10 小ネジ、11a,11b,11c,11d,11f 温感部、12 挿入穴、13 リフロー炉内温度プロファイル測定用装置。

Claims (16)

  1. 被加熱物を搬送する搬送部と被加熱物を加熱するための加熱部とを備えたリフロー炉において、前記被加熱物が搬送される経路近傍を前記搬送部により搬送可能な所定の複数の部材を有し、さらに前記複数の部材のそれぞれの温度プロファイルを検出する温度センサが前記複数の部材のそれぞれに配置され、
    前記複数の部材は、
    プレート状をなし、該プレート状の主表面のうち一方の面のみがリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された第1部材と、
    プレート状をなし、該プレート状の主表面のうち一方の面のみがリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置され、前記一方の面が前記第1部材の一方の主表面よりも熱放射率が小さな第2部材と、
    プレート状をなし、該プレート状の主表面の双方がリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置された第3部材と、
    プレート状をなし、該プレート状の主表面の双方がリフロー炉内雰囲気に晒されるように配置され、前記第3部材よりも前記主表面の双方の熱放射率が小さな第4部材と、
    を備えた、リフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  2. 前記複数の部材には、銀、銅およびアルミニウムからなる群より選ばれた1の物質または2以上の物質の組合せにより構成された部材が含まれている、請求項1に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  3. 前記複数の部材には、熱放射率が0.1以下の部材と熱放射率が0.9以上の部材とが含まれている、請求項1に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  4. 前記複数の部材には、アルミニウム蒸着、金蒸着、ニッケルメッキおよび表面研磨のうち少なくともいずれかが施されている部材が含まれている、請求項1に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  5. 前記複数の部材には、セラミック溶射、塗料、黒色メッキおよび酸化処理のうち少なくともいずれかが施されている部材が含まれている、請求項1に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  6. 前記複数の部材それぞれのリフロー炉内雰囲気に晒される面以外の面は断熱材で囲まれている、請求項1に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  7. 前記複数の部材を搭載し、前記搬送部と接触して前記複数の部材を搬送するための搬送台を備え、前記搬送台の表面には、アルミニウム蒸着、金蒸着および金属研磨のうち少なくともいずれかが施されている、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  8. 前記複数の部材と前記断熱材との間の接触は、点接触または線接触となっている部分がある、請求項6に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  9. 前記複数の部材を搭載し、前記搬送部と接触して前記複数の部材を搬送するための搬送台を備え、前記搬送台の表面には、アルミニウム蒸着、金蒸着および金属研磨のうち少なくともいずれかが施されており、
    前記搬送台と前記断熱材との間の接触は、点接触または線接触となっている部分がある、請求項に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  10. 前記複数の部材と前記断熱材との間は、空気層となっている請求項6に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  11. 前記複数の部材を搭載し、前記搬送部と接触して前記複数の部材を搬送するための搬送台を備え、前記搬送台の表面には、アルミニウム蒸着、金蒸着および金属研磨のうち少なくともいずれかが施されており、
    前記搬送台と前記断熱材との間は、空気層となっている請求項に記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  12. 前記複数の部材の外表面の近傍に第2の温度センサの温感部がさらに設けられた、請求項1〜請求項11のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  13. 前記温度センサの温感部が前記複数の部材それぞれに設けられた穴に挿入され、
    該穴の内周面と前記温度センサとの間にはRTVゴムおよびグリスのうち少なくともいずれか一方が充填されている、請求項1〜請求項12のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  14. 前記温度センサの温感部が前記複数の部材それぞれに対し接触した状態を維持することが可能に構成されている、請求項1〜請求項13のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  15. 前記温度プロファイルの検出値を外部のコンピュータへ出力することが可能に構成された、請求項1〜請求項14のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置。
  16. 被加熱物を搬送する搬送部と被加熱物を加熱するための加熱部とを備えたリフロー炉の前記搬送部に、請求項1〜請求項15のいずれかに記載のリフロー炉内温度プロファイル測定用装置を載置して搬送させて、前記リフロー炉内の前記加熱部の加熱による前記被加熱物が搬送される経路近傍の温度プロファイルを測定し、その測定結果に基づいて、リフロー炉の加熱能力を診断する、リフロー炉加熱能力診断方法。
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