JP3982589B2 - 紡糸可能溶液のための遠心紡糸法 - Google Patents

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Description

本発明は、壁が一つ又はそれ以上の紡糸オリフィスを有するところの遠心機を使用して紡糸可能溶液からファイバー又はフィラメントを紡糸するための方法に関し、紡糸溶液がジャケットの内側の凝固剤中に遠心機から噴出される方法である。
そのような方法は公知である。日本国特開昭54-27021号公報において、どのようにして、パラ-アラミド、例えばポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の光学的に異方性の紡糸溶液が遠心機により紡糸されるかについて述べられている。四つの例が、どのようにして、該溶液が、直径0.08又は0.1mmの25又は50個の紡糸オリフィスを持つ遠心機中に導入されるか、そして1分間当り70〜1000回転(rpm)の範囲の回転速度で紡糸オリフィスを通過して押し出されるかについて説明するために役に立つ。該溶液は次に、遠心機から2又は5cm離れた下方に流れる凝固剤中に至る。凝固されたファイバーは、バッチ式で集められ、そして24時間洗浄される。得られたファイバーの性質は、ある工業的価値をそれらに与えるであろうようなものである。
そのような方法は、なかんずく、ファイバーがバッチ式で処理される故に、低い生産能力及び多くの回数の移動を有する。
生産能力を増加させる一つの方法は、遠心機の回転速度を上げることから成る。しかし、そのようにすることは、上記の特許出願の実施例において比較的低い回転速度の理由を説明するところの他の大いに不利益な効果を有する。まずまずの質のファイバーが、上記の技術を用いて実際に紡糸され得るところの最大の回転速度は、1000rpmのオーダーである。この推奨された値を超える回転速度は、容認できないほど多数のファイバーの破損を生ずる。更に、エーロゾルが、遠心機と、ジャケットに沿って流れる凝固剤との間に形成される。そのような条件は、悪くかつ不規則なファイバー特性(タバコ様外観)、並びにエーロゾルがしばしば強酸を含むために危険かつ汚染された作業環境を生み出す。
ファイバー特性は、常により高い要求を満足しなければならない。米国特許第4,320,081号明細書において述べられたような慣用の湿式紡糸法において、得られたファイバーは、上記の日本国特許出願に従う方法により得られるファイバーの性質より実質的に優れた性質(より高い強度及びモジュラス)を有する。慣用の湿式紡糸法は、紡糸口金1個当り非常に多数の紡糸オリフィス(例えば、1000)を使用し、それ故、生産能力はまた高い。しかし、紡糸オリフィス1個当りの生産能力に匹敵するところの比較的低い巻取速度(1分間当り数百メートル)、及び紡糸溶液中の異物に対する該方法の高い感受性(完全な濾過及び一つ又はそれ以上の紡糸オリフィスが詰った時のプロセス停止を必要とする)の故に、この方法はまた、高価な製品を生産する。特に、例えば、摩擦及びパッキング物質として使用されるところのパルプに加工されるべき時、そのようなファイバーは実際的に余りにも高価である。
言い換えれば、要求されることは、現存する湿式紡糸法より高い生産能力を持つ方法であり、かつそれにより、余り高価ではなくかつ特定の目的、例えばパルプのために匹敵する又は優れた性質を持つところのファイバーが作られ得ることである。好ましくは、より低い純度の紡糸溶液並びにそのような方法により既にいくぶんか凝固されたポリマーから作られた紡糸溶液を紡糸することができなければならない。
これらの目的は、ジャケットの内側の半径が遠心機の外周の半径より少なくとも35%大きいという条件下に、紡糸可能溶液を遠心的に紡糸することによる本発明に従う方法を使用して達成される。
好ましくは、ジャケットの内側の半径は、遠心機の外周の半径より少なくとも50%大きい、かつ350%、又はより好ましくは200%を超えない。
これは、遠心機の回転速度を実質的に増加させること、1分間当り5000rpm又はそれ以上にさえ増加させることを可能にするであろうことが分かった。更に、本発明に従う方法はより大きな延伸比を可能とし、及び平均ファイバー長は任意に設定されることができ、従って、エンドレスフィラメントの製造がまた可能になる。
(液体凝固剤を用いる時に)エーロゾルの形成は、多分、ファイバーが、それらが置かれた時に凝固剤の表面を殆ど乱さない故に、著しく減じられた。
大韓民国特許第9208999号公報は、液晶プレポリマーが回転装置に供給され、そして次いで、該装置の壁の紡糸オリフィスを通過して四散するように押し出されるところのポリアラミドのステープルファイバーを製造するための方法を開示していることが注意されなければならない。言い換えれば、これは、調製されたポリマーの紡糸可能溶液の場合ではない。プレポリマーは、容器の壁に沿って下方へ流れる重合促進媒体中に入る。容器の直径は、回転装置の直径の1.1〜5.0倍である。該プロセスは、それが良好なファイバー紡糸、凝固、及び排出ばかりでなく、適切な重合プロセス及びその満足のいく結果を要求する故に、制御することが困難である。更に、得られたステープルファイバーは、低い引張強度及びフィブリル化するためにより不確実な構造を有する。
比較的に大きなジャケット直径を選択することによるばかりでなく、かつ遠心機の角速度にジャケットの内側の半径を乗じた積が20m/秒を超えるという条件下に紡糸可能溶液を遠心的に紡糸することにより、ファイバー特性及びプロセスの生産能力を増大し得ることが証明された。
遠心機の角速度(rad/秒)とジャケットの内側の半径(m)の積は、下記において「テイクオフ速度」(m/秒)と言われる。
好ましくは、テイクオフ速度は、40m/秒より高く、又は更に60m/秒より高く、かつ600m/秒より低く、より好ましくは400m/秒より低い。
本発明の構成の範囲内で、術語「紡糸可能溶液」は、押出し及び続く固化により人造ファイバー又はフィラメントに転換され得るところのポリマーの溶液を示すために使用される。好ましくは、紡糸可能溶液は、適切な溶媒中に調製されたポリマーを溶解することにより作られる。
日本国特許出願公開第27021/79号公報において述べられたポリマーの溶液に加えて、術語「紡糸可能溶液」は、なかんずく、メタアラミド、セルロース、及びセルロース誘導体の溶液を含む。
好ましくは、紡糸可能溶液は光学異方性を示す。溶液は、もし、複屈折が静止の状態において観察されるなら、異方性であると考えられる。一般的には、これは、測定が室温で実行された間保持する。しかし、本発明の構成の範囲内において、室温未満の温度で処理されることができ、かつ該より低い温度において異方性を示すところの溶液は、また異方性であると考えられる。室温で異方性であるところの溶液が好ましい。
等方性又は異方性の視覚による決定は、偏光顕微鏡(Leitz Orthoplan-Pol(100x))により達成される。この目的で、明確にされるべき溶液の約100ミリグラムが、二つのスライドグラスの間に配置され、そしてMettler FP82ホットステージプレート上に置かれ、その後、加熱が開始され、そして試験片は約5℃/分の速度で加熱された。異方性から等方性への変化、即ち、色付きから黒への変化において、温度は、実質的な黒において読み取られる。
13cN/dtexより大きな、更に20cN/dtexより大きな強度、2〜5%の伸び、及び40〜50GPaのモジュラスを持つ、20m/秒より高いテイクオフ速度で紡糸されたポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)のファイバーが、慣用の湿式紡糸法により紡糸されたファイバーと比較された。更に、これらは、パルプを作るために非常に適していること、慣用の湿式紡糸法により得られたファイバーより実際により一層適していることが分かった(実施例、特に表3参照)。
本発明はまた、低い回転速度の場合に生産能力がまた低いであろうけれども、低い回転速度において上記の利点をまた持つことが、多分余計に観察される。
驚くべきことに、今得られる減じられたファイバー破損(又はファイバー破損が全くない)及び増加された生産能力の結合の故に、凝固剤と同時にジャケットの底部から「落下する」ところのファイバーは、スライバーを形成するために一緒に結合され得ることが分かった。二つのパラメーター、即ち、十分な数のファイバー及び十分なファイバー長は、そのようなスライバーの凝集において主要な役割を演ずる。もし、高い生産能力(十分な数のファイバー)及び減じられたファイバー破損又はファイバー破損が全くない(長いファイバー)故に、スライバーが十分な凝集を有するなら、それは連続プロセスにおいて、中和され、洗浄され、乾燥され、そして切断され得る。
該スライバーから直接的に製造され得るところの製品の一例は、たばこ用フィルターである。窒素雰囲気中にセルロースアセテートの溶液を紡糸することにより(この場合において、凝固剤はガスである)、溶媒が蒸発され、たばこ用フィルターに直接に作られることができるところの固化されたスライバーが得られる。
ジャケットの内側の半径と遠心機の外側の半径との間の差(いわゆる空隙)が好ましくは7cmより大きいことが、最終製品(織物、複合体、パッキング、ブレーキシュー等)に関係なく利点を保持する。
20cmより大きく、かつ60cmより小さい直径を持つ遠心機が、本発明に従う方法に使用されるために大いに適している。そのような遠心機は、良好な生産能力を保証するために十分に大きく、その上紡糸機械の構造を単純に保つために十分に小さい。
遠心機の回転速度は好ましくは、1000〜5000rpmの範囲である。前に述べたように、1000rpmより低い回転速度は、余りに低い生産能力を生じさせる。良好なファイバーは、5000rpmを超える回転速度でなお作られ得る。しかし、そのような速度において、該プロセスは制御することが余り容易ではなく、かつ遠心機は高い機械的荷重を受ける。
加えて、遠心機は好ましくは、紡糸溶液が加圧下で供給されることを可能にするところの手段(例えば、いわゆる粘性シール(viscous seal))が備えられている。これは、紡糸溶液の処理量を増大することを可能にし、そしてそれは、プロセスの制御性、とりわけ延伸比の制御性を改善するであろう。
しばしば強酸を含むところの紡糸溶液が、紡糸オリフィスのみを通過して出ていくことができ、ここでそれは、ジャケットにより集められそして通常の方法で排出される故に、それは改善された安全性のために有利であろう。
紡糸オリフィスの数は、それ自体必須ではなく、かつ一般的考慮事項(紡糸オリフィス間の十分な空間、フィラメント又はファイバーがくっつく危険性、生産能力)に基いて選ばれることができる。
本発明に従う方法において、その数は通常、40〜1000の範囲であろう。しかし、例えば、10000の数は(とりわけ、大きな直径を持つ遠心機のために)除外されない。
紡糸オリフィスの直径は、本発明に従う遠心紡糸法において重要な役割を担う。この直径が増加するにつれて、紡糸溶液中の異物の結果としての詰まりの危険性が減じられ、そして従って、濾過の必要性が少ない。更に、直径がより大きくなる時、既にいくぶんか凝固されているところのポリマーが全体的に又は部分的に作られた紡糸溶液、例えば該紡糸プロセス残渣を紡糸することができる。
既に述べられたように、本発明に従う方法により製造されたファイバーから作られたパルプは、好ましい性質を持っている。これは、なかんずく、このパルプにより作られた高強度の製品から明らかである。驚くべきことに、これらの性質は、紡糸オリフィスの直径を増加することにより、更に一層増大され得ることが分かった。これらの理由のために、紡糸オリフィスの直径が好ましくは30μmを超えることである。最適な結果は、直径が120μmより大きく、かつ500μmより小さい時、得られる。
このようにして作られたパルプの性質は、慣用の湿式紡糸法により製造されたファイバーから作られたパルプの性質より優れており、かつ該パルプはまたはるかに高価ではない。より優れた性質のための理由は、十分には知られていないが、本発明に従う方法により作られたファイバーが以前に観察されなかった多数の特徴を有することは事実である。例えば、ファイバーは、(通常ファイバー直径の約30〜40%の範囲の直径及び例えば0.1〜0.2の範囲の全ファイバー体積に関する体積部分を持つ)多数の細長い及び/又は球形の空隙を持っていることが分かった。加えて、当業者が予測するであろうことと反対に、ファイバー表面及びそのすぐ下のポリマーの構造は、ファイバーコアにおけるポリマー構造と実質的に同一であり、かつファイバー直径の範囲(線密度範囲)は、より大きな紡糸オリフィスの直径で大きい。2dtexより高くかつ好ましくは4dtexより高い、より大きな平均線密度がまた、本発明に従う方法により作られたファイバーの場合におけるパルプの性質において好ましい効果を有することが分かった。
2dtexより小さな線密度を持つファイバーは、これらのより細いファイバーが、例えば繊維目的のために非常に適する故に、本発明の範囲からけっして除外されないことが注意されなければならない。
本発明は更に、図及び多数の実施例において描かれた実施態様に関して下記において説明されるであろう。図は、本発明に従う方法において使用するために適する構造の概略断面図を示す。しかし、もちろん、本発明はそのような構造に限定されない。
30cmの直径を持つ遠心機1は、紡糸溶液のための供給管2に接続される。遠心機1が供給管2に移行するところの箇所に、シール3(いわゆる粘性シール)がある。遠心機1は、ステンレス鋼でつくられており、かつ紡糸口金の回りに高温の液体流を持つことにより特定の温度に(70/30 Au/Pt合金により作られているところの)紡糸口金9を保持するために二重壁となっている。多数の紡糸口金9が、遠心機の周囲を横切って一様に一定の間隔に並べられる。各々の紡糸口金9はいくつかの紡糸オリフィスを有している。紡糸オリフィスは、円錐形部分(流入部)及びシリンダー状部分(流出部)から作られ、かつ紡糸オリフィスの全高さ対シリンダー状部分の直径の比が、1.5である。遠心機1の回りに、50cmの内径を持つジャケット4が備え付けられている。ジャケット4は、塩化ビニル(PVC)により作られており、かつ上部に環状のチャンネル5を有している。この環状のチャンネルに凝固剤が供給され得るところの供給管6が接続されている。もし、凝固剤の供給があるなら、それは環状のチャンネル5を満たすであろう。凝固剤は、また環状であるところのオリフィス7を通過することを除けばを環状のチャンネル5を出ることができない。オリフィス7の幅及び供給される凝固剤の量に依存して、カーテン又はフィルム8がジャケット4上に形成されるであろう。紡糸口金9を通過する押し出しの後に、ファイバー又はフィラメントが、凝固剤中に入る。凝固剤は、ファイバー又はフィラメントが固体状態に達することを確保し、かつまたこれらの排出をうまくいくようにする。ジャケット4の開放された底部に、傾斜容器10が据えられている。該容器10は先細になっており、そしてその端において該容器10からの水が廃水に流れる。この先細りためにいくぶんかより狭くなったところのスライバーが洗浄プラントに通過される。
実施例1-純粋なポリマーのファイバー
a)純粋なポリマーの調製
米国特許第4,308,374号明細書の実施例6に開示された手順において明記されているように、ポリ(パラ-フェニレンテレフタルアミド)(PPTD)は、N-メチルピロリジン及び塩化カルシウムの混合物を使用して調製された。中和、洗浄、及び乾燥の後に、5.4の固有粘度を持つポリマーが得られた。
b)純粋なポリマーの紡糸溶液の調製
使用された溶媒は、99.8%の濃度の硫酸であった。該溶媒は、米国特許第4,320,081号明細書の実施例3において明記されているようにして調製された。紡糸溶液の最終的なPPTD濃度は、19.4%であった。紡糸溶液は光学的異方性を示した。
c)紡糸溶液の遠心紡糸
紡糸溶液は、上記において述べられた装置構成において紡糸された。選ばれた凝固剤は、15℃の温度を持つ水であり、かつ3000リットル/時間の体積流量であった。遠心機の外径が30cmであり、かつジャケットの内径が50cmであるという条件で、いわゆる空隙は10cmであった。ジャケットの内側の半径は、遠心機の外側の半径より67%大きかった。紡糸オリフィスの数は48であった。スライバーは、全て上記の条件において連続法で、排出され、中和され、洗浄され、そして巻き取られた。
他のパラメーター(回転=回転速度、Dorf=紡糸オリフィスの直径、圧力=遠心機における過剰圧力、流量=紡糸溶液の質量流量、延伸=ファイバー又はフィラメントの延伸比)は表1に掲げられている。加えて、この実施例において遠心機における過剰圧力は、設定された回転速度及び流量と無関係であるところのいわゆる出力パラメーターであることが注意されなければならない。
実施例2-紡糸プロセス残渣から作られたファイバー
a)紡糸プロセス残渣の紡糸溶液の調製
330グラムの粗く潰された紡糸プロセス残渣は、約5分間の間隔で二つの部分でIKA複式ニーダーに供給された。87℃で30分間真空で混練され、その後、18.4グラムの硫酸(99.8%)が加えられた。次に、更に30分間混練され、その後、紡糸溶液の全てが、溶融された。計算されたアラミド含有量は、18.4%であった。
b)紡糸溶液の遠心紡糸
a)に従って調製された紡糸溶液は、開放型遠心機が使用されたことを除き、上記の装置構成において紡糸された。凝固剤の温度は13℃であり、紡糸オリフィスの数は300であった。他のパラメーターは表1の実験番号15に掲げられている。
実施例3-高いフィラメント番手を持つファイバー
実施例2の紡糸溶液が、紡糸オリフィスの数が72であったことを除き、該実施例のために規定された条件において紡糸された。他のパラメーターは、表1の実験番号16に掲げられている。
実施例4-低いフィラメント番手を持つファイバー
実施例1の紡糸溶液が、紡糸オリフィスの数が144であったことを除き、該実施例のために規定された条件において紡糸された。他のパラメーターは、表1の実験番号17に掲げられている。紡糸された後、この実施例のファイバーは、水分含有量8%まで90℃の温度で3分間エプロン乾燥器により乾燥された。
実施例5-高流量で紡糸されたファイバー
実施例1の紡糸溶液は、紡糸オリフィスの数が576であったことを除いて、該実施例のために規定された条件において紡糸された。凝固剤は、17.2%の硫酸を含む水からなっており、かつジャケットの内側の直径は60cmであった(即ち、遠心機の外側の半径より100%幅広い)。他のパラメーターは、表1の実験番号18に掲げられている。
実施例6-高回転で紡糸されたファイバー
実施例1の紡糸溶液は、紡糸オリフィスの数が60であったことを除き、該実施例のために規定された条件において紡糸された。他のパラメーターは、表1の実験番号19に掲げられている。
表1中の術語「延伸」は、(紡糸オリフィス中の溶液の速度によりテイクオフ速度を割ることにより)計算された延伸比を表示するために使用される。
Figure 0003982589
実施例5、12、14、及び19のフィラメント強度は、ASTM/DIN D2256-90に従って測定され、夫々13.75、15.24、14.20、及び20.00cN/dtexを与えた。
実施例7-スライバーのパルプへの加工
実施例1、2、3、4及び5に従って得られたスライバー及び中和されかつ洗浄された後の慣用の湿式紡糸法(実験番号v1〜v4)を経て得られたファイバーの4個の試料は、カッター(Neumag NMC 150)に通過され、そして長さ6mmの片に分けられた。該片は精砕機においてフィブリル化され、そしてパルプ化された。パルプ及び該パルプから作られたガスケットの両方が、非常に好ましい性質を有する。夫々、表2及び3を参照せよ(SR=ショッパーリグラー数、SSA=比表面積、AL=平均ファイバー長、WL=検量されたファイバー長(weighed fibre length)、GP=ガス透過性、Ql=ファイバーの長手方向におけるガスケット強度、Qw=ファイバーを横切る方向におけるガスケット強度、Sieve=ふるい部分、Wet dens.=湿式密度、注意:パルプの性質に関する測定法は、未だ標準化されていなかった。可能である場合に、採用された測定法は製紙工業に由来するものである(TAPPI標準))。
Figure 0003982589
Figure 0003982589
ガスケット又は摩擦物質のための原料としてのパルプの適性を測定する時、Qw及びふるい部分のパラメーターがとりわけ重要である。Qwは、それが常にQ1より低い故に、そのような物質の強度に関して基準となる。ふるい部分は、パルプの粒子が保有する容積の直接の測定であり、それ故、最終製品(パッキン、ブレーキシュー等)における該物質の結合の間接的表示を与える。表は、パルプの質がテイクオフ速度の増加により改善されることを非常に明瞭に示している。高いテイクオフ速度において、この質は、慣用の湿式紡糸法からのファイバーから作られたパルプの質にさえまさる。

Claims (10)

  1. 壁が一つ又はそれ以上の紡糸オリフィスを有するところの遠心機を使用し、かつ紡糸溶液がジャケットの内側の凝固剤中に遠心機から噴出されるところの、紡糸可能溶液からファイバー又はフィラメントを紡糸する方法において、ジャケットの内側の半径が、遠心機の外周の半径より少なくとも35%大きいことを特徴とする方法。
  2. 遠心機の角速度にジャケットの内側の半径を乗じた積が、20m/秒より大きいことを特徴とする請求項記載の方法。
  3. 紡糸可能溶液が、光学的に異方性な溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 全体的に又は部分的に凝固された複数のファイバー又はフィラメントが一緒に合わせられてスライバーを形成し、その後、該スライバーが、連続法において中和され、そして/又は乾燥されそして/又は洗浄されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. ジャケットの内側の半径と遠心機の外側の半径との間の差が、7cmより大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 遠心機の直径が、20cmより大きく、かつ60cmより小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 遠心機が、1000〜5000rpmの範囲の回転速度を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 遠心機が、紡糸可能溶液が加圧下に供給されることを可能にするような手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
  9. ファイバー又はフィラメントが、ファイバー又はフィラメント直径の30〜40%の範囲の直径を持つ多数の細長い又は球形の空隙を含み、該空隙の直径がファイバー又はフィラメントの直径方向での直径であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法により得られうるファイバー又はフィラメント。
  10. 請求項9記載のファイバーより作られたパルプ。
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