JP3981999B2 - 2サイクルエンジン用潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2サイクルエンジン用潤滑油組成物に関し、詳しくは環境保護に寄与できる、生分解性、排気煙の低減、および排気系閉塞防止に優れた2サイクルエンジン用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
2サイクルエンジン油はエンジンの機構上、排気ガスとともに未燃焼オイルが排出される。環境保護のため、エンジンメーカーはオイル消費を少なくするエンジンの設計や触媒の装着によって、環境への影響を最小限に抑えている。一方オイルメーカーも環境への影響を少しでも小さくするため、生分解性を有する基油を使用した生分解性2サイクルエンジン油を使用するなどの努力をしている。
【0003】
しかしながら、このような生分解性2サイクルエンジン油は、水質汚濁に係わる船外機やモーターボート用としては市販されているが、モーターサイクルをはじめとする陸上エンジン用としては、国内では市販されていない。
その理由としては、このような生分解性2サイクルエンジン油は、現在、二輪メーカーが推奨するJASO(Japanese Automobile Standard Organization:日本自動車規格協会)基準のFC性能規格に、排気煙および排気系閉塞性が不合格であるためと考えられる。
一方で、現行のJASO基準のFC性能規格合格品は、生分解性を備えていない。このため、生分解性を備え、なお且つJASO基準のFC性能規格に排気煙および排気系閉塞性が合格する2サイクルエンジン油が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生分解性を有するとともに、低排気煙、および耐排気系閉塞性、潤滑性などにも優れた2サイクルエンジン用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(1)トリメチロールプロパンプロピレンオキシド付加物の末端エステル化物60〜90質量%、(2)(A)ポリブテンおよび/または(B)ペンタエリストールエステル5〜30質量%、ならびに(3)希釈剤1〜15質量%、を含有する基油を使用してなる2サイクルエンジン用潤滑油組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の必須成分であるトリメチロールプロパンプロピレンオキシド付加物の末端エステル化物(以下、「成分(1)」という)の構造は特に制限されるものではないが、好適な例として以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0007】
【化1】
Figure 0003981999
【0008】
式中、R1 、R2 およびR3 は炭素数1〜18、好ましくは5〜17の直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。またn1、n2およびn3は、それぞれ個別に1〜20の整数を表し、通常n1+n2+n3の値は3〜50、好ましくは3〜20である。
【0009】
1 、R2 およびR3 の脂肪族炭化水素基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝のブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖または分枝のオクタデシル基などのアルキル基;8−ヘプタデセニル基などのアルケニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基などのアルカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基などのアルカトリエニル基が挙げられ、これらの中でも生分解性に優れる点から直鎖脂肪族基が好ましく、その中でも特に直鎖ペンチル基、直鎖ヘキシル基、直鎖ヘプチル基、直鎖オクチル基、直鎖ノニル基、直鎖デシル基、直鎖ウンデシル基、直鎖ドデシル基、直鎖トリデシル基、直鎖テトラデシル基、直鎖ペンタデシル基、直鎖ヘキサデシル基、直鎖ヘプタデシル基、8−ヘプタデセニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基および8,11,14−ヘプタデカトリエニル基が好ましい。
【0010】
基油中における成分(1)の割合は、基油全量を基準として60質量%以上、好ましくは70質量%以上であり、且つ90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。成分(1)の配合割合が60質量%未満である場合は十分な生分解性が得られないので好ましくなく、また成分(1)の配合割合が90質量%を超える場合は排気煙が多くなったり、十分な潤滑性が得られないなどの問題が発生するため好ましくない。
【0011】
本発明でいうポリブテン(以下、「成分(A)」という)とは、通常、ナフサ分解でエチレン、プロピレンを生産する際に生成するC4留分からブタジエンを抽出した残りの留分、即ち、ブタン−ブテン留分を例えばフリーデルクラフツ触媒である塩化アルミニウムなどの触媒を用いてカチオン重合することにより得られる共重合物質またはこの共重合物質が有する二重結合を水素化して飽和化したものをいう。ここでいうブタン−ブテン留分とは、イソブタン、n−ブタン、イソブチレン、1−ブテン、trans−2−ブテン、cis−2−ブテンなどを含むものである。
【0012】
成分(A)の数平均分子量は400以上、好ましくは500以上であり、且つ1000以下、好ましくは700以下であることが望ましい。成分(A)の数平均分子量が400以上にすることによって十分な潤滑性が得られ、また成分(A)の数平均分子量を1000以下とすることによって成分(A)の成分(1)への溶解性が十分となるため好ましい。
【0013】
本発明でいうペンタエリスリトールエステル(以下、「成分(B)」という)の構造は特に制限されるものではないが、以下の一般式(2)で表されるものが好適に用いられる。
【0014】
【化2】
Figure 0003981999
【0015】
式中、R4 、R5 、R6 およびR7 は炭素数8〜20、好ましくは11〜17の直鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。
脂肪族炭化水素基の具体例としては直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖または分枝のオクタデシル基、直鎖または分枝のノナデシル基、直鎖または分枝のイコシル基などのアルキル基;8−ヘプタデセニル基などのアルケニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基などのアルカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基などのアルカトリエニル基が挙げられ、これらの中でも直鎖ウンデシル基、直鎖トリデシル基、直鎖ペンタデシル基および直鎖ヘプタデシル基またはこれらと同程度の炭素数を有し、主としてメチル分枝を有する分枝型アルキル基が好ましい。
【0016】
成分(B)は通常、ペンタエリスリトールと脂肪族カルボン酸のエステルであり、脂肪族カルボン酸としては飽和脂肪族カルボン酸も不飽和脂肪族カルボン酸も使用できるが、飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、特にn−ドデカン酸(ラウリン酸)、n−テトラデカン酸(ミリスチン酸)、n−ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、n−オクタデカン酸(ステアリン酸)などの直鎖型飽和脂肪族カルボン酸;これらと同程度の炭素数を有し、主としてメチル分枝を有する分枝型飽和脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が好ましい。
【0017】
基油中における成分(A)および/または成分(B)(以下、「成分(2)」という)の割合は、基油全量を基準として5質量%以上、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、且つ30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。成分(2)の配合割合が5質量%未満である場合は排気煙の低減効果が十分でないため好ましくなく、また成分(2)の配合割合が30質量%を超える場合は生分解性が十分でなかったり、排気系閉塞防止性を低下させるため好ましくない。
【0018】
本発明でいう希釈剤(以下、「成分(3)」という)としては炭化水素系溶剤および/または潤滑基油を使用することができる。
炭化水素系溶剤としては、通常2サイクルエンジン油に用いられるものであればよく、通常、初留点100〜250℃、好ましくは150〜190℃、90%留出温度が150〜300℃、好ましくは190〜250℃の石油系および/または合成系炭化水素溶剤を使用することができる。
【0019】
具体的にはストッダードソルベント、ミネラルスピリット、灯油留分、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、プロピレンオリゴマーなどが用いられ、これらの中でも灯油留分が好ましい。
潤滑基油としては、通常潤滑油の基油として使用されている、100℃における動粘度が1〜1000mm2 /sの範囲のものであればよく、例えば原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を精製して得られたパラフィン系、ナフテン系の鉱油、ポリ−α−オレフィン(1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマーなど)またはその水素化物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリグリコール、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケートなど)、脂肪酸の炭素数が直鎖でかつ7以下または13以上、あるいは分枝のポリオールエステル(トリメチロールプロパンステアレート、トリメチロールプロパンオレエートなど)、ポリフェニルエーテルなどが使用できる。
【0020】
基油中における成分(3)の割合は、基油全量を基準として1〜15質量%、好ましくは5〜15質量%である。成分(3)の配合割合が1質量%未満である場合は十分な低温流動性が得られず、潤滑油組成物と燃料の混和性が十分でなく、排気煙の問題があるため好ましくなく、また成分(3)の配合割合が15質量%を超える場合は十分な潤滑性が得られないため好ましくない。
【0021】
さらに、本発明の組成物においては、その性能をさらに向上させる目的で、必要に応じて公知の各種添加剤を使用することができる。この添加剤としては例えば、塩基性カルシウムスルホネートおよびそのホウ素化物、塩基性カルシウムフェネート、塩基性カルシウムサリシレートおよびそのホウ素化物、ポリブテニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンなどの清浄分散剤、ポリメタクリレートなどの流動点降下剤、その他さび止め剤、消泡剤などが挙げられる。
【0022】
これら添加剤は単独で添加してもよく、また数種類併用して添加してもよい。添加量も任意であるが、通常、個々の添加量は基油100重量部に対して30重量部以下、好ましくは0.5〜15重量部である。
【0023】
本発明の潤滑油組成物は、モペット、モーターサイクルなどの二輪車をはじめ、船外機、刈り払い機、チェインソーなどの2サイクルエンジンに好ましく用いることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0025】
(使用した基油および添加剤)
1.TMPのPO付加物デカン酸エステル
以下の一般式(3)で表されるトリメチロールプロパンプロピレンオキシド付加物のデカン酸エステル
【0026】
【化3】
Figure 0003981999
【0027】
(式中、n1、n2およびn3は1〜13の整数であり、n1+n2+n3は3〜15である。)
2.TMP,nC8 +nC10
トリメチロールプロパンとオクタン酸およびデカン酸の混合酸とのエステル
3.TMP,C18
トリメチロールプロパンとオクタデカン酸とのエステル
4.TMP,nC10+nC18
トリメチロールプロパンとデカン酸およびオクタデカン酸の混合酸とのエステル
5.NPG,nC18
ネオペンチルグリコールとオクタデカン酸とのエステル
6.PETエステル
ペンタエリスリトールとn−ドデカン酸(ラウリン酸)、n−テトラデカン酸(ミリスチン酸)、n−ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、n−オクタデカン酸(ステアリン酸)およびこれらと同程度の炭素数を有し、主としてメチル分枝を有する分枝型飽和脂肪族カルボン酸の混合酸とのエステル
7.ポリブテン
数平均分子量540のポリブテン
8.希釈剤
灯油
【0028】
(実施例1)
TMPのPO付加物デカン酸エステル80質量%、ポリブテン15質量%、希釈剤5質量%からなる基油に組成物全量基準で1.2質量%の市販清浄剤を配合した本発明の2サイクルエンジン用潤滑油組成物を調製して、下記の各種エンジン試験および生分解性試験を行った。結果を表1に示す。
【0029】
(実施例2)
TMPのPO付加物デカン酸エステル70質量%、PETエステル20質量%、希釈剤10質量%からなる基油に組成物全量基準で1.2質量%の市販清浄剤を配合した本発明の2サイクルエンジン用潤滑油組成物を調製して、実施例1と同様にして各種エンジン試験および生分解性試験を行った。結果を表1に示す。
【0030】
(比較例1〜5)
表1に示した配合の基油に組成物全量基準で1.2質量%の市販清浄剤を配合して比較のための2サイクルエンジン用潤滑油組成物を調製し、実施例1と同様にして各種エンジン試験および生分解性試験を行った。結果を表1に示す。
【0031】
(比較例6)
JASO基準のFC性能規格合格品を用いて実施例1と同様にして各種エンジン試験および生分解性試験を行った。結果を表1に示す。
【0032】
(比較例7)
市販生分解性2サイクルエンジン油を用いて実施例1と同様にして各種エンジン試験および生分解性試験を行った。結果を表1に示す。
【0033】
1.排気煙試験(エンジン試験)
JASO M342―92の試験方法に準拠した。排気量69cc単気筒強制空冷の発電機を用い、マフラーから排出する排気煙濃度をスモークメーター(透過率)で計測する。比較標準油(JATRE−1)の排気煙濃度を100として指数(排気煙指数)で表す。100より大きい指数の時は、比較標準油より優れているとされる。
【0034】
2.排気系閉塞性試験(エンジン試験)
JASO M343−92の試験方法に準拠した。排気量69cc単気筒強制空冷の発電機を用い、排気系へのカーボンなどの堆積による出力低下の度合いを評価する。比較標準油(JATRE−1)の排気系閉塞到達時間を100として指数(排気系閉塞性指数)で表す。100より大きい指数の時は、比較標準油より優れているとされる。
【0035】
3.潤滑性試験(エンジン試験)
JASO M340−92に準拠した。排気量49cc単気筒強制空冷の2サイクルエンジンを用い、エンジン回転数4000rpm、全負荷、燃料:油混合比50:1、プラグ座温200℃に達した時の出力トルクを測定し、さらにプラグ座温300℃になった時に再び出力トルクを測定する。その間の出力トルク低下量を計測する。比較標準油(JATRE−1)の出力トルク低下量を100として指数(潤滑性指数)で表す。100より大きい指数の時は、比較標準油より優れているとされる。
初期トルクはプラグ座温200℃に達した時の出力トルクで、比較標準油(JATRE−1)を100として指数(初期トルク指数)で表す。100より大きい指数の時は、比較標準油より優れているとされる。
【0036】
4.清浄性試験(エンジン試験)
JASO M341―92に準拠した。排気量49cc単気筒強制空冷の2サイクルエンジンを用い、エンジン回転数6000rpm、全負荷、燃料:油混合比100:1、プラグ座温240℃、運転時間1h、の試験条件で行った。ピストンリング膠着(Top、2nd)、ピストンランド(Top、2nd)、ピストングルーブ(Top、2nd)、ピストンスカート、ピストンアンダーサイド、ピストンヘッド、シリンダヘッドの清浄性をJPI−5S―34―91(2サイクルエンジン清浄性評価法)により評価を行う。比較標準油(JATRE−1)の評点を100として指数(清浄性指数)で表す。100より大きい指数の時は、比較標準油より優れているとされる。
【0037】
5.生分解性試験
クーロメーター法(閉鎖系酸素消費測定装置、通常化審法のうちのMITI法と呼ばれている)で行った。この方法は培養温度が25℃で培養期間が14日間の試験である。分解度は、
分解度=[(BOD−B)/TOD]×100
BOD:供試物質の生物学的酸素要求量(測定値)mg
B:基礎培養基に活性汚泥を接種したものの酸素消費量(測定値)mg
TOD:供試物質が完全に酸化された場合に必要とされる理論的酸素要求量(計算値)mg
で求められる。またTODは供試油の元素分析値から分子式を計算して求めた。
【0038】
【表1】
Figure 0003981999
【0039】
(試験結果)
1.排気煙試験(エンジン試験)
本発明品である実施例1および2は、市販生分解性2サイクルエンジン油である比較例7と較べて低排気煙であり、排気煙指数が100より大きく、JASO基準のFC性能規格(排気煙指数85以上)を満足した。また実施例1と比較して、ポリブテンを添加しなかった比較例1は排気煙指数が低かった。
【0040】
2.排気系閉塞性試験(エンジン試験)
本発明品である実施例1および2は、市販生分解性2サイクルエンジン油と較べて排気系閉塞性に優れ、排気系閉塞性指数が100より大きく、JASO基準のFC性能規格(排気系閉塞性指数90以上)を満足した。生分解性基油を使用した比較例2〜5は、いずれも排気系閉塞性がJASO基準のFC性能規格を満足できなかった。
【0041】
3.潤滑性試験(エンジン試験)
本発明品である実施例1および2は、潤滑性指数が100より大きく、JASO基準のFC性能規格(潤滑性指数95以上)を満足した。
本発明品である実施例1および2は、初期トルク指数が100より大きく、JASO基準のFC性能規格(初期トルク指数98以上)を満足した。
【0042】
4.清浄性試験(エンジン試験)
本発明品である実施例1および2は、市販生分解性2サイクルエンジン油と較べて優れており、清浄性指数が100より大きく、JASO基準のFC性能規格(清浄性指数95以上)を満足した
【0043】
5.生分解性試験
前記生分解性試験に基づいて分解度が35〜40%を示す供試物質は、ほとんど生分解されるものと考えられており、本発明の組成物の生分解性基準もこの値に準じた。
本発明品である実施例1および2は十分な生分解性を有するものであったが、市販のJASO基準のFC性能規格合格品はほとんど生分解性を示さなかった。
【0044】
以上のように、本発明の2サイクルエンジン用潤滑油組成物は生分解性を備え、尚かつ低排気煙で排気系閉塞防止性に優れたものである。
【0045】
【発明の効果】
本発明の2サイクルエンジン用潤滑油組成物は生分解性、排気煙の低減、排気系閉塞防止に優れたものである。

Claims (1)

  1. (1)トリメチロールプロパンプロピレンオキシド付加物の末端エステル化物60〜90質量%、(2)(A)ポリブテンおよび/または(B)ペンタエリストールエステル5〜30質量%、ならびに(3)希釈剤1〜15質量%、を含有する基油を使用してなる2サイクルエンジン用潤滑油組成物。
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