JP3981788B2 - 希土類元素含有合金の鋳造装置および製造方法 - Google Patents

希土類元素含有合金の鋳造装置および製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は希土類元素含有合金の鋳造装置および製造方法に関するものであり、更に詳しくは、希土類元素含有合金のストリップキャスト法による急冷鋳片の鋳造装置およびその鋳造装置による希土類元素含有合金の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばサマリウム・コバルト合金や鉄・ネオジウム・硼素合金に代表される希土類元素含有合金は高性能な磁石、水素吸蔵合金、二次電池用負極の材料として注目を浴びているが、高性能な合金を得るには希土類元素が微細に分散した均質な結晶組織を必要とすることから、その製造方法、製造装置について種々の提案がなされている。例えば、特開昭63−317643号公報には、結晶粒の粗大化、偏折、α−Feの残留を防止するために、100〜1000℃/秒の冷却速度で冷却するべく、その実施例1においては、互いに内側へ向かって逆回転する直径300mmの銅製の双ロールによって鉄・ネオジウム・硼素合金の溶湯を冷却して厚さ1.1mmの鋳片を得る方法が開示されている。
【0003】
また、特開平5ー222488号公報、特開平6ー84624号の各公報には、同じく鉄・ネオジウム・硼素合金の溶湯をストリップキャスト法、すなわち、前方へ回転する単ロール面にタンディッシュから注湯して急冷鋳片を製造する方法が提案されている。例えば、特開平6ー84624号の実施例1においては、1350℃に保持された溶融物をタンディッシュから約1m/秒で回転する冷却ロールへ注湯し、冷却速度500℃/秒、過冷度200℃で急冷して厚さ0.2〜0.4mmの急冷鋳片を得ている。また、特開平5ー320832号公報には、同様なストリップキャスト法によって鉄・サマリウム合金の製造方法が開示されており、その実施例1においては、1500℃に保持された溶融物をタンディッシュから約1m/秒で回転する冷却ロールへ注湯し、冷却速度1000℃/秒、過冷度200℃で急冷して厚さ0.5mmの鋳片を得ている。
【0004】
更には、特開平8ー229641号公報には、ストリップキャスト法において、タンディッシュの先端部と冷却ロールとの間に介在させていたアルミナ等によるクッション材を取り除いて空隙をあけ、かつ冷却ロールに対するタンディッシュのノズルの角度位置を特定範囲内とする製造方法が開示されており、その実施例1においては、タンディッシュの先端部のノズルと冷却ロールとの間の空隙を0.3mmとし、鉄・ネオジウム・硼素合金の溶湯をタンディッシュから回転数130rpmで回転する直径300mmの水冷銅ロールに注湯して、板厚0.23〜0.35mmの鋳片を得ている。
【0005】
そのほか、特開平9ー155507号公報には、ストリップキャスト、および得られる急冷鋳片の粉砕と収納容器への収納を行なう第1チャンバーと、収納容器の密閉と外部への取り出しを行なう第2チャンバーとからなる製造システムが提案されている。また、冷却方法の異なるものとして、本願出願人の出願による特開平5ー237635号公報には、水冷回転円板形状の鋳型に注湯して急冷する装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ストリップキャスト法によって溶湯をタンディッシュの先端部から冷却ロールへ供給して冷却する場合、冷却ロール上の溶湯の厚さを薄くすることができれば急冷が効果的に進行し微細な結晶が得られるが、実際の装置においては、冷却ロールは回転時に振動するので、タンディッシュの先端部が冷却ロールの冷却面と接触して疵を付ける怖れがあり、そのためにアルミナ等のクッション材を介在させると、そのクッション材が鋳片中に不純物として混入するという問題があって、タンディッシュの先端部と冷却ロールの冷却面との間隔を、希望するような狭い間隔、例えば0.3mm以下にすることは困難であった。従って、得られる急冷鋳片の厚さも0.3mm前後となり、片面冷却であるために厚さ方向に冷却速度が異なり結晶粒径も一定しないものとなる。そして、この結晶粒径の変動は希土類元素含有合金の特性を変動させるという問題があった。
【0007】
また、冷却ロールは疵付き易く、比較的高い頻度で交換されるが、その交換を容易にして、装置の稼動率を低下させないことも実際の装置では必要な事項である。更には、急冷鋳片は粉砕されて使用されるが、粉砕によって表面積が増大することにより、酸化され易くなるという問題もある。
【0008】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ストリップキャスト法において、得られる急冷鋳片の厚さを薄くして厚さ方向に均一に冷却し得ると共に、冷却ロールの交換が容易であり、かつ得られる急冷鋳片を酸化させることなく粗粉砕することが可能な希土類元素含有合金の鋳造装置を提供することを課題とする。また、そのような鋳造装置を使用する希土類元素含有合金の製造方法を提供することを課題とする
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、請求項1の構成によって解決されるが、その解決手段を説明すれば、本発明の鋳造装置は、真空中または不活性ガス中で溶解炉内の希土類元素含有合金の溶湯をタンディッシュから単一の冷却ロールに注湯して急冷鋳片を得る希土類元素含有合金の鋳造装置においてタンディッシュは、箱形状であって底面の下流側に該底面と同等の幅で下向き傾斜の注湯板を有し、注湯板と溶湯の温度低下を防ぐカバーとによってスリット状の出湯口が形成され、更に冷却ロールからの高さを調節可能とされたものであり冷却ロールは、注湯されて冷却ロールの冷却面に接する溶湯の厚さに比して(1/2)以下の厚さの急冷鋳片が得られるように高速回転されるものである。すなわち、タンディッシュから冷却ロールの冷却面へ注がれた溶湯が冷却固化されるまでの間において引き伸ばされることにより、得られる急冷鋳片の厚さは冷却ロールへ注湯された溶湯の厚さに対して(1/2)以下となる。更には、冷却ロールへ注湯される合金溶湯の溶湯供給速度と冷却ロールの回転周速度に大小を設けることによって、得られる急冷鋳片の厚さを薄くし得ると共に、冷却が厚さ方向に均一化されて微細な結晶が得られる。
【0010】
また、冷却ロールは、冷却面が疵付き易く冷却むらを生じ易いので、比較的多い頻度で交換されるが、タンディッシュと冷却ロールは一般的には近接して配置されるので、その交換作業を容易とするために、タンディッシュは側方へスライド可能に設置される。更には冷却ロールから剥離され飛翔する急冷鋳片を衝突させて粗粉砕する衝突粉砕面が鋳造装置の壁面に設けられる。そして、好ましくはその衝突粉砕面は上方から見て、冷却ロール側へ凸の曲面形状に形成される。すなわち、急冷鋳片は真空中または不活性ガス中で粗粉砕されるので、粉砕され表面積が増大することによる酸化の増大を防ぐことができ、かつ凸の曲面形状とすることにより、衝突粉砕された後、広い角度範囲内に拡がって跳ね返り落下するので、落下箇所での重なりが抑制され、冷却が効果的に進行する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態による希土類元素含有合金の鋳造装置の全体を示す部分破断側面図である。すなわち、真空排気され、必要に応じて窒素ガスやアルゴン・ガス等の不活性ガスが流入される真空室1内には、希土類元素含有合金を溶解させる誘導加熱式溶解炉2が支柱3に回動可能に支持されている。また、誘導加熱式溶解炉2からの溶湯を受けて、これを下流側の冷却ロール5の冷却面へ注ぐためのタンディッシュ4と、注がれる溶湯を急冷するための高速で前方へ回転する冷却ロール5とが設けられ、冷却ロール5の下流側の冷却面に接してスクレーパ6が設けられている。また、スクレーパ6で剥離されて飛翔する急冷鋳片が衝突する真空室1の側壁は衝突粉砕面7とされている。なお、真空室1内は、真空排気した後に不活性ガスの雰囲気としてもよい。
【0012】
誘導加熱式溶解炉2は支柱3に設けた回動軸の回りに回動可能とされ、溶解炉2で温度1000〜1500℃で溶解した希土類元素含有合金を定量的にタンディッシュ4へ供給するようになっている。勿論、希土類元素含有合金の溶解には誘導加熱以外の方法を採用してもよく、例えば、電子ビームやレーザビームを照射して加熱溶解させることができ、また、アーク放電も採用し得る。
【0013】
タンディッシュ4の形状は、特に限定されないが、一定量の溶湯を溜める形状であることが好ましく、箱形状として底面の下流側に出湯口を設けるか、または下向き傾斜のノズルや注湯板が設けられる。溶湯は可及的に整流化させて冷却ロール5面へ注湯することが好ましい。また、タンディッシュ4は高さ調整が可能とされると共に、冷却ロール5の交換時等には、タンディッシュ4を側方へ移動し得るように設置する。
【0014】
冷却ロール5は水冷された金属表面を有しており、高速で前方へ回転される。冷却面の金属としては熱伝導係数が大きい銅、銅・ベリリウム合金等が使用されるが、勿論、これら以外の金属としてもよい。冷却ロール5は通常的には直径300〜400mmφとし、例えば50〜1000rpmの回転速度で前方へ回転されるが、冷却ロール5が高速で回転されるので、タンディッシュ4から冷却ロール5へ注湯される溶湯は冷却ロール5に接した後、冷却固化されるまでの間に引されて厚さが薄くなる。すなわち、得られる帯状の急冷鋳片の厚さは溶湯が固化される時の体積収縮による厚さ減少以上に薄くなるが、それに伴って冷却が厚さ方向に均一化されて微細な結晶が得られる。このような冷却によって急冷鋳片の厚さを冷却ロール5へ供給される溶湯の厚さの1/2以下とすることは容易であり、冷却ロール5上の溶湯の厚さと冷却ロール5の回転速度とを調整することによって厚さ0.3〜0.2mm程度は勿論、厚さ0.05mm程度の急冷鋳片を得ることができる。すなわち、冷却ロール5の回転周速度(m/秒)を冷却ロールに注がれる溶湯の供給速度(m/秒)の2〜100倍にすればよい。
【0015】
冷却ロール5の下流側には帯状の急冷鋳片を冷却ロール5から剥離するために、冷却ロール5より大きい幅のスクレーパ6が冷却ロール5の冷却面に接して設けられている。帯状の急冷鋳片は冷却ロール5と共に回転され、スクレーパ6に至って剥離されるが、高速回転する冷却ロール5の遠心力によって急冷鋳片は前方、すなわち、下流側へ飛翔する。
【0016】
その飛翔する急冷鋳片を衝突させて粗粉砕させる衝突粉砕面7が真空室1の壁面を兼ねて形成される。衝突粉砕面7は水冷されていることが好ましい。図4は衝突粉砕面7の一例を示す平面図であるが、衝突粉砕面7を冷却ロール5側へ凸の曲面形状とすることにより、急冷鋳片は衝突し粗粉砕された後、広い角度範囲に拡がって跳ね返り落下する。従って、落下した箇所における急冷鋳片の重なりが抑制されるので放冷が促進される。冷却ガスによって急冷鋳片を更に冷却する場合にも効果的な冷却が可能となる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の希土類元素含有合金の鋳造装置を具体的に説明する。
【0018】
(実施例1) 図1は前述したように本発明の希土類元素含有合金の鋳造装置の全体を示す部分破断側面図であり、図2は図1に示した真空室1内の誘導加熱式溶解炉2、タンディッシュ4、冷却ロール5の拡大図、図3は図2に対応する平面図である。
【0019】
図2、図3を参照して、誘導加熱式溶解炉2は支柱3の回動軸31に支持されており、図示を省略した油圧シリンダによって、実線で示す位置から一点鎖線で示す位置を経て二点鎖線で示す位置まで回動可能とされている。そして、溶解炉2のルツボ21で1400℃程度の温度で溶解された希土類元素含有合金、例えば鉄・ネオジウム・硼素の合金の溶湯を出湯口22から定量的にタンディッシュ4へ供給する。
【0020】
タンディッシュ4の内部には、溶湯が下流側の上部から上流側の底部へ逆流させるように、下流側から上流側へ向かって下向き傾斜の傾斜受板41が設けられており、溶湯は傾斜受板41を流下してタンディッシュ4の底面42の上流部分へ供給され、次いで下流側へ底面42のほぼ全長に沿って流れるようにしており、長い流路によって溶湯の整流化を図ると共に、温度の高い傾斜受板41によって底面42を流れる溶湯の輻射による温度低下が防がれている。また、底面42の下流端には下向き傾斜の注湯板43が一体的に形成されており、同じく温度低下を防ぐためのカバー44が取り付けられており、図2、図3 に示すようにスリット状の出湯口が形成されている
【0021】
また、タンディッシュ4は高さ調整が可能な支柱45に支持されており、冷却ロール5の冷却面から注湯板43の先端までの高さを調節し得るようになっている。すなわち、薄い急冷鋳片を得んとする場合には注湯板43の高さを低くすることが望ましいが、冷却ロール5は熱膨張するほか回転時に振動するので、注湯板43の先端の高さを低くすると、冷却ロール5の冷却面に接触し疵をつけ易くなる。従って、冷却ロール5の回転速度との関係において、最も適した高さを選択し調節し得るようになっている。そして、架台48上において、支柱45はその下端部の両側方において軸支された一対の車輪46と架台48に固定された走行レール47とによって、例えば冷却ロール5の交換時やタンディッシュ4の予熱時に、タンディッシュ4を側方へ移動させ得るようになっている。なお、説明は省略したが、図3においてタンディッシュ4の両側に設けられた部材は溶湯が溢れる場合に対する安全用機器である。
【0022】
冷却ロール5は直径400mmφとし、外周の冷却面を銅製として、図示しない機構によって水冷される。そして、駆動軸52のみを示したモータによって駆動されて前方へ回転され、通常的には50〜600rpmの回転速度が採用される。冷却ロール5が高速で回転されるので、注湯板43の先端から冷却ロール5へ注湯される溶湯は、冷却ロール5に接した後、冷却固化されるまでの間に引されて厚さが薄くなると共に流動配向される。すなわち、急冷鋳片の厚さは溶湯が固化される時の体積収縮による厚さ減少以上に薄くなり、冷却が厚さ方向に均一化されると共に微細な結晶が得られるようになる。このような冷却によって、例えば、供給する溶湯の厚さを3mm、その速度は0.4m/秒として、直径400mmφの冷却ロール5を回転速度600rpmで回転させた時には、速度が約30倍加速されるので厚さ0.1mmの急冷鋳片が得られる。ちなみに、この時の、冷却ロール5の冷却面の周速は約750m/分、およそ12.5m/秒である。
【0023】
冷却ロール5の下流側には帯状の急冷鋳片を冷却ロール5から剥離するために、冷却ロール5以上の幅のスクレーパ6が冷却ロール5の冷却面に接して設けられている。勿論、冷却ロール5の交換時には冷却ロール5から離隔される。
【0024】
帯状の急冷鋳片は冷却ロール5から剥離されると、高速回転する冷却ロール5の遠心力を受けて前方へ飛翔するが、その飛翔する急冷鋳片を衝突させて粗粉砕するための衝突粉砕面7が真空室1の壁面を兼ねて形成されている。図4は図1における[4]−[4]線方向の断面図であるが、その衝突粉砕面7は、図4に示すように、冷却ロール5側へ凸の曲面形状とされており、急冷鋳片が衝突し粗粉砕された後、矢印で示すように、広い角度範囲に拡がって跳ね返るようにされている。また、衝突冷却面7は図示しない機構によって水冷されている。そして、急冷鋳片が拡がって跳ね返り落下する床面には回収トレイ8が設けられており、かつ図示を省略したノズルから冷却したアルゴン・ガスが回収トレイ8内に向けて吹き付けられ、急冷鋳片を更に冷却するようになっている。
【0025】
本実施の形態による希土類元素含有合金の鋳造装置は以上のように構成されるが、その作用を以下に説明する。
【0026】
図1に示す希土類元素含有合金の鋳造装置の真空室1内を真空とし、図2、図3にも示す誘導加熱式溶解炉2のルツボ21において高性能な永久磁石を得るための鉄・ネオジウム・硼素合金の原料を約1400℃の温度で加熱溶解して溶湯とした。次いで溶解炉2を油圧シリンダによって支柱3の回動軸31の回りに回動させて、溶湯をタンディッシュ4内へ定量的に供給した。溶湯はタンディッシュ4内で傾斜受板41を流下し、底面42の上流端部から下流端へ向い、傾斜受板41によって温度低下を防がれつつ流れ、注湯板43の先端から600rpmの回転速度で前方へ回転する直径400mmφの冷却ロール5の冷却面へ溶湯の厚さが3mmとなるように注湯された。溶湯は急冷され、冷却ロール5上で帯状の急冷鋳片を形成し、スクレーパ6に到達して剥離された。この時に得られた急冷鋳片の厚さは0.1mmであった。
【0027】
帯状の冷却鋳片は高速回転する冷却ロール5の遠心力を受けてそのまま飛翔し、水冷した凸曲面の衝突粉砕面7に衝突して粗粉砕され、図4に矢印で示すように、跳ね返って真空室1の床面に設置した回収ケース8内へ拡がって落下した。この回収ケース8内の粗粉砕された急冷鋳片に向けて冷却したアルゴン・ガスを吹き付けて冷却を行った。そして、所定量の鋳造の完了後、粗粉砕された急冷鋳片を酸化させないように大気との接触を避けて外部へ取り出すことにより希土類元素含有合金の急冷鋳片が製造された。上記の粗粉砕された急冷鋳片は後の工程で更に平均粒径3〜4μmに微粉砕され、磁場内で成型された後、加熱焼結されて、最大エネルギー積の大きい高性能の永久磁石とされた。
【0028】
(実施例2) 図1に示した希土類元素含有合金の鋳造装置を使用し、実施例1とほぼ同様にして二次電池の負極とするための希土類元素含有合金の急冷鋳片を鋳造した。その急冷鋳片による負極、急冷鋳片に熱処理を加えて作製した負極、および従来の鋳造装置による負極をそれぞれ使用した3種の二次電池の充放電特性を比較して図5に示した。図5において、縦軸は放電容量、横軸は充放電の回数の相対値であり、本発明の鋳造装置で得た急冷鋳片による負極を使用した二次電池の充放電特性をA、その急冷鋳片に熱処理を加えた負極による二次電池の充放電特性をB、従来の鋳造装置による負極を使用した二次電池の充放電特性をCとして示した。
【0029】
従来の鋳造装置による負極を使用した二次電池に比較して、本発明の鋳造装置で得た急冷鋳片の負極による二次電池は約1.4倍の寿命を示し、その急冷鋳片に熱処理を加えて作製した負極による二次電池の寿命は少なくとも2倍以上になることが推測された。
【0030】
本発明の実施の形態による希土類元素含有合金の鋳造装置は以上のように構成され作用するが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0031】
例えば本実施の形態においては、タンディッシュ4の下流端部に設けたカバー44付きの注湯板43から溶湯を冷却ロール5へ注湯するようにしたが、注湯板43を使用することなくタンディッシュ4の下流端に設けられる例えばスリット状の出湯口から注湯するようにしてもよい。
【0032】
また本実施の形態においては、冷却ロール5、衝突粉砕面7を水冷としたが、少なくとも何れか一方を水以外の冷媒、例えばグリコール類を使用して0℃以下の温度で冷却するようにしてもよい。
【0033】
また本実施の形態においては、単一の冷却ロール5によって溶湯を片面から冷却するようにしたが、必要に応じて、冷却ロール5上の溶湯へ上方から冷却用不活性ガスを吹き付けるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したような形態で実施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0035】
本発明によれば、冷却ロールを高速回転させて、タンディッシュから注湯された冷却ロールの冷却面における溶湯の厚さに比して、得られる急冷鋳片の厚さが(1/2)以下となるようにしているので、冷却ロールの回転速度および冷却ロールへの溶湯の供給速度を調整することにより、厚さ0.3〜0.05mm程度で広幅の急冷鋳片が得られるまた、 タンディッシュの注湯板に溶湯の温度低下を防ぐカバーを設けてスリット状の出湯口としていることによって、冷却ロールによる溶湯の冷却時における溶湯温度の変動、すなわち冷却条件の変動を抑制し、得られる急冷鋳片の結晶粒径等の特性を管理するこができる
【0036】
また、タンディッシュの高さ位置を調節可能としているので、冷却ロールの冷却面とタンディッシュの注湯板等の先端との間隔の大きさを調節して、振動し熱膨張する冷却ロールの冷却面が注湯板等の先端と接触して冷却ロールの冷却面に疵が付くのを防ぐことができる。また、タンディッシュを側方へ移動可能に設置しているので、疵が付いた冷却ロールの交換作業が容易となり短時間で完了することから装置を停止する時間が短くなって稼動率の低下を軽減させる
【0037】
更にまた、冷却ロールから飛翔する急冷鋳片を衝突させて粗粉砕するための水冷の衝突粉砕板を冷却ロールより下流側の鋳造装置の壁面に、上方から見て冷却ロール側へ凸の曲面に形成しているので、粗粉砕された鋳片が広い角度範囲内に跳ね返って回収トレイ内に拡げられ、冷却したアルゴン・ガスを吹き付ける更なる冷却が均等に行われる
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態による希土類元素含有合金の鋳造装置の部分破断側面図である。
【図2】 図1内の誘導加熱式溶解炉、タンディッシュ、冷却ロールの拡大図である。
【図3】 図2に対応する平面図である。
【図4】 図1における[4]−[4]線方向の断面図である。
【図5】 実施の形態の鋳造装置による希土類元素含有合金の急冷鋳片の負極を使用した二次電池の充放電特性を示す図である。
【符号の説明】
1 真空室
2 誘導加熱式溶解炉
3 支柱
4 タンディッシュ
5 冷却ロール
6 スクレーパ
7 衝突粉砕面
8 回収トレイ
41 傾斜受板
42 底面
43 注湯板
44 カバー
45 支柱

Claims (8)

  1. 真空中または不活性ガス中で溶解炉内の希土類元素含有合金の溶湯をタンディッシュから単一の冷却ロールに注湯して急冷鋳片を得る希土類元素含有合金の鋳造装置において、
    前記タンディッシュは、箱形状であって底面の下流側に該底面と同等の幅で下向き傾斜の注湯板を有し、前記注湯板と前記溶湯の温度低下を防ぐカバーとによってスリット状の出湯口が形成され、更に前記冷却ロールからの高さを調節可能とされたものであり
    前記冷却ロールは、注湯されて前記冷却ロールの冷却面に接する前記溶湯の厚さに比して(1/2)以下の厚さの前記急冷鋳片が得られるように高速回転されるものであることを特徴とする希土類元素含有合金の鋳造装置。
  2. 注湯されて前記冷却面に接する前記溶湯の厚さと、前記冷却ロールの回転速度とを調整することにより、厚さが0.3〜0.05mmの範囲内前記急冷鋳片を鋳造し得る請求項1に記載の希土類元素含有合金の鋳造装置。
  3. 前記冷却ロールが水冷されている請求項1または請求項
    2に記載の希土類元素含有合金の鋳造装置。
  4. 前記溶湯が前記タンディッシュ内で、前記溶解炉から遠い側から近い側へ向かって下向き傾斜に設けられた傾斜受板を流れ、続いて前記タンディッシュの底面のほぼ全長に沿って流れ前記冷却ロールへ注湯される請求項1から請求項3までの何れかに記載の希土類元素含有合金の鋳造装置。
  5. 前記冷却ロールの交換等に際して、その作業を容易ならしめるように、前記タンディッシュが側方へスライド可能に設置されている請求項1から請求項4までの何れかに記載の希土類元素含有合金の鋳造装置。
  6. 前記冷却ロールから剥離され、高速回転する前記冷却ロールの遠心力を受けて飛翔する前記急冷鋳片を衝突させて粗粉砕し落下させる衝突粉砕面が、前記冷却ロールの下流側となる前記鋳造装置の壁面に、上方から見て前記冷却ロール側へ凸の曲面に形成されて水冷されている請求項1から請求項5までの何れかに記載の希土類元素含有合金の鋳造装置。
    前記冷却ロールの下流側となる前記鋳造装置の壁面に
  7. 粗粉砕された前記急冷鋳片に対して冷却用不活性ガスが吹き付けられて強制的に冷却される請求項1から請求項6までの何れかに記載の希土類元素含有合金の鋳造装置
  8. 請求項1から請求項7までの何れかの鋳造装置を用いた希土類含有合金の製造方法において、前記冷却ロールの回転周速度が、前記冷却ロールへ注湯される前記溶湯の速度の2から100倍であることを特徴とする希土類元素含有合金の製造方法
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