JP3981711B2 - 二酸化炭素治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化炭素治療装置に関する。
手足の循環を担っている末梢動脈において、血液の流れが悪くなったり、その動脈が詰まったりすると、血液循環が悪くなって末梢循環障害といわれる病的状態に陥ることがある。その原因の多くは、人口の高齢化に伴って増加してきた動脈硬化症といわれているものである。末梢循環障害(閉塞性動脈硬化症)の症状がひどい場合、足の指先などから壊死が始まるため、最終的には例えば足首や膝上といった箇所で足を切断し、壊死部分を除去しなければならないこともある。また、切断面に菌が入り腐敗し始め、さらに上部で切断をしなければならないことも少なくはない。
末梢循環障害に対する治療法としては、従来、炭酸浴療法が良いといわれている。炭酸浴は、炭酸泉や浴用炭酸粉を溶かしたお湯など、二酸化炭素を含んだ温水(以下、炭酸温水という。)に患部を浸ける治療法である。このような炭酸浴を行うことにより、炭酸温水中に含まれる二酸化炭素が皮膚から吸収され、皮膚の血管が開いて血行が良くなる。その結果、血行の良くない手足や床ずれなどの場所におけるしびれ等の症状が緩和されたり、治りが早くなったりする効果がある。
このような炭酸浴療法を実施するに当たって、炭酸温水を得るために用いる装置としては、例えば下記特許文献1,2に記載のものなどが公知である。
特開2002−143867号公報 特開2003−53169号公報
ところで、上記末梢循環障害(閉塞性動脈硬化症)によって壊死した患部の炭酸浴を行う場合、まず包袋やガーゼを取り外し、その上で炭酸浴を行い、その後、清潔なガーゼで水気を拭き取り、消毒をしてからガーゼと包帯で患部を覆う、といった手順で適切な処置を行う必要がある。
そのため、上記のような消毒その他の適切な処理ができるスタッフのいる病院やクリニックでないと、壊死した患部に対する炭酸浴療法を実施することはできず、例えば、家庭で手軽に炭酸浴療法を実施するようなことは困難であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、炭酸浴療法よりも手軽に同等の治療効果を得ることができる二酸化炭素治療装置を提供することにある。
上記目的を達成するために構成された本発明の二酸化炭素治療装置は、
二酸化炭素源と、
治療対象箇所を囲む空間を形成可能な空間形成部材と、
前記二酸化炭素源から前記空間内へ二酸化炭素を送る流路を形成する流路形成部材と
を備えてなる二酸化炭素治療装置であって、
前記流路形成部材が、前記流路となる内腔を有するチューブであり、
前記空間形成部材が、前記チューブの先端を前記空間内へ導入するためのチューブ導入口を有する袋であり、
前記チューブは、前記チューブ導入口から引抜可能な状態で該チューブ導入口に挿し込まれていて、該チューブ導入口には、前記チューブが引き抜かれると前記チューブ導入口を封鎖する封鎖部材が設けられており、
前記封鎖部材は、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から一対の挟持部にて挟み込む構造で、しかも、前記挟持部が弾性変形可能に構成され、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から挟み込んだ際に、前記挟持部が弾性変形することによって前記チューブを通過させており、該チューブが引き抜かれた際には、前記挟持部の弾性変形していた部分が復元することによって前記チューブ導入口を封鎖する
ことを特徴とする。
また、本発明の二酸化炭素治療装置は、さらに次のような構成を備えていると望ましい。
まず、前記空間形成部材が、前記空間内から外部へ気体を逃がす気体放出口を有する構造で、治療中は前記気体放出口を閉鎖できるように構成されているとよい。
また、前記空間形成部材または前記流路形成部材に、前記空間内の気体を吸引して外部へと排出する排気手段が設けられているとよい。
また、前記二酸化炭素源が、二酸化炭素ボンベであるとよい。
また、前記空間内の圧力に応じて、前記二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御されるとよい。
また、前記空間内の二酸化炭素濃度に応じて、前記二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御されるとよい。
また、前記空間内へ水蒸気を供給可能な水蒸気供給手段
を備えているとよい。
また、前記空間形成部材が、前記治療対象箇所を前記空間内へ導入するための開口を有する袋であり、該開口の周縁部には、患者の身体側または相互に粘着することによって前記開口を閉鎖可能な粘着面が設けられているとよい。
あるいは、前記空間形成部材が、前記治療対象箇所を前記空間内へ導入するための開口を有する袋であり、該開口の周縁部には互いに係合して前記開口を閉鎖可能な一対の雄部材および雌部材からなるファスナーが設けられていてもよい。
以上のように構成された本発明の二酸化炭素治療装置において、空間形成部材によって治療対象箇所を囲む空間を形成しておき、その状態で流路形成部材の形成する流路を介して、二酸化炭素源から空間内へ二酸化炭素を送ると、治療対象箇所を囲む空間内は二酸化炭素濃度がきわめて高い状態になり、この空間内にある治療対象箇所は、二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになる。
このとき、治療対象箇所の表面がある程度湿った状態になっていれば、治療対象箇所表面に存在する水分に二酸化炭素が溶け込む。また、治療対象箇所が比較的乾燥した状態になっている場合は、何らかの付加的手段で治療対象箇所が湿った状態になるようにすればよく、例えば、治療対象箇所表面に水分を含む軟膏を塗布しておく、治療対象箇所表面が湿り気を帯びる程度の高湿度状態となるように水蒸気を供給する、といった手段を併用することにより、治療対象箇所が湿った状態になり、治療対象箇所表面に存在する水分に二酸化炭素が溶け込む。
その結果、治療対象箇所表面に存在する水分に溶け込んだ二酸化炭素(炭酸)が皮膚から吸収されて、治療対象箇所の血行が改善される。
このような二酸化炭素治療装置を利用すれば、炭酸温水を用いる炭酸浴療法とは異なり、気体である二酸化炭素を用いて治療を実施できるので、治療対象箇所を炭酸温水に浸漬する必要がない。そのため、壊死した患部に対する治療を行うような場合、治療前に包袋やガーゼを取り外す必要はなく、治療後にガーゼで水気を拭き取ったり消毒したりといった処置も不要である。したがって、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施でき、例えば家庭においてでも簡単に治療を実施することができる。
また、空間形成部材が、空間内から外部へ気体を逃がす気体放出口を有する構造で、治療中は気体放出口を閉鎖できるように構成されている場合、最初に気体放出口を開放した状態で二酸化炭素を空間内へ導入することにより、空間内に存在する空気を気体放出口から排出し、もって、空間内の空気を二酸化炭素に置き換えることにより、短時間で十分な濃度の二酸化炭素を空間内に満たして治療を行うことができる。
また、空間形成部材または流路形成部材に、空間内の気体を吸引して外部へと排出する排気手段が設けられている場合、この排気手段を使って空間内に存在する空気を排出できる。したがって、この場合も短時間で十分な濃度の二酸化炭素を空間内に満たして治療を行うことができる。
また、二酸化炭素源が、二酸化炭素ボンベである場合、最も簡便に二酸化炭素を供給できる。なお、二酸化炭素ボンベを用いる以外にも、二酸化炭素は様々な手法によって得ることができ、例えば、ドライアイスや炭酸水を、二酸化炭素源として利用してもよい。ドライアイスまたは炭酸水の入った容器内で発生する二酸化炭素を供給する場合、容器内のドライアイスまたは炭酸水に対して熱を加える加熱手段を備えているとよい。このようにすれば、加熱手段からの熱によって二酸化炭素の発生量を増大させることができるので、同種の加熱手段を備えていない場合よりも短時間で二酸化炭素濃度を高めることができる。また、化学反応により二酸化炭素を発生させる物質、例えば重曹と酸を反応させて二酸化炭素を発生させてもよい。酸としては、任意の酸を利用できるが、安全性が高くて取り扱いが容易で価格的にも安価な酸としては、クエン酸を用いるとよい。さらに、炭素電極を用いて水を電気分解しても二酸化炭素を得ることができる。
また、空間内の圧力に応じて、二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御される場合、空間内に供給される二酸化炭素の量が過大になって、無駄に漏出する二酸化炭素の量が増大したり、空間内に供給される二酸化炭素の量が過小になって、治療効果が弱まってしまうといったことがないので望ましい。
また、空間内の二酸化炭素濃度に応じて、二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御される場合も、空間内に供給される二酸化炭素の量が過大になって、無駄に漏出する二酸化炭素の量が増大したり、空間内に供給される二酸化炭素の量が過小になって、治療効果が弱まってしまうといったことがないので望ましい。
また、空間内へ水蒸気を供給可能な水蒸気供給手段を備えていると、治療対象箇所の表面が湿った状態となり、その水分に二酸化炭素が溶け込みやすくなるので、二酸化炭素による治療効果を高めることができる。なお、このような水蒸気供給手段を備えていない場合でも、他の方法で治療対象箇所の表面を湿った状態とすることは可能である。例えば、水分を含む軟膏を治療対象箇所の表面に塗っておくとよい。
加えて、空間形成部材は、患部を囲む空間を形成できるものであれば、その材料や具体的な形態は任意であるが、比較的汎用性が高く、例えば手足を包み込むような場合に便利ものとしては、空間形成部材が、治療対象箇所を空間内へ導入するための開口を有する袋であるとよい。この場合、袋が、ディスポーザブルタイプであると、汚損した袋が再利用されてしまうようなことがなくなるので清潔である。
このような袋には、治療対象箇所を空間内へ導入するための開口があるので、治療中には、この開口を閉鎖する必要がある。したがって、この開口を閉鎖するための手段を備えているとよく、例えば、開口の周縁部に、患者の身体側または相互に粘着することによって開口を閉鎖可能な粘着面が設けられているとよい。あるいは、開口の周縁部に、互いに係合して開口を閉鎖可能な一対の雄部材および雌部材からなるファスナーが設けられていてもよい。
なお、流路形成部材としては、例えば可撓性のあるチューブを用いることができ、この場合、治療対象箇所とともに空間形成部材が動かされた場合でも、ある程度はチューブが湾曲することになるので、二酸化炭素供給源が動かされることはない。したがって、二酸化炭素供給源が予期しない方向へ動かされてトラブルを招くようなことはなく、また、そのようなトラブルを防止するために、患部の静置を強いられるようなこともない。
また、本発明の二酸化炭素治療装置は、前記流路形成部材が、前記流路となる内腔を有するチューブであり、前記空間形成部材が、前記チューブの先端を前記空間内へ導入するためのチューブ導入口を有する袋であり、前記チューブは、前記チューブ導入口から引抜可能な状態で該チューブ導入口に挿し込まれていて、該チューブ導入口には、前記チューブが引き抜かれると前記チューブ導入口を封鎖する封鎖部材が設けられており、前記封鎖部材は、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から一対の挟持部にて挟み込む構造で、しかも、前記挟持部が弾性変形可能に構成され、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から挟み込んだ際に、前記挟持部が弾性変形することによって前記チューブを通過させており、該チューブが引き抜かれた際には、前記挟持部の弾性変形していた部分が復元することによって前記チューブ導入口を封鎖する構造とされている
このような構成を採用しているので、チューブを二酸化炭素供給のために使用した後は、空間形成部材から取り外すことができるので、空間形成部材とともに二酸化炭素供給源が動かされてしまうようなことがない。しかも、チューブ導入口からチューブが引き抜かれると、封鎖部材がチューブ導入口を封鎖するので、チューブ導入口から二酸化炭素が漏出することもない。
さらに、前記空間形成部材が、二酸化炭素の供給に伴って膨らむ袋であり、前記空間形成部材の外側には、前記それ以上外側へ前記空間形成部材が膨らむのを阻止する拡張阻止部材が設けられていてもよい。
このような構成を採用すれば、治療対象箇所を出し入れしやすい大きな袋を空間形成部材として採用した場合でも、その内部に二酸化炭素を充填する際には、空間形成部材がある程度膨らんだ時点で、拡張阻止部材が空間形成部材が膨らむのを阻止するので、空間形成部材に過剰な量の二酸化炭素を充填する必要はなく、二酸化炭素の使用量を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の二酸化炭素治療装置によれば、炭酸温水を使用する炭酸浴療法よりも手軽に同等の治療効果を得ることができる。
次に、本発明の実施形態について、いくつかの例を挙げて説明する。
[参考例1]
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図1に示すように、二酸化炭素源である二酸化炭素ボンベ1と、治療対象箇所(本実施形態の場合は足)を囲む空間を形成可能な空間形成部材である袋3と、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素を送る流路を形成する流路形成部材であるチューブ5とを備えている。チューブ5の途中には三方弁7が設けられ、この三方弁7には、袋3の内部の気体を吸引して外部へと排出する吸引ポンプ9が接続されている。袋3の開口には、患者の身体側または相互に粘着することによって開口を閉鎖可能な粘着テープ11が設けられている。
袋3は、開口を絞って患者の体にほぼ密着するように取り付けることができ、開口の周囲に設けられた粘着テープ11を患者の体に貼り付けることにより、開口から気体が漏れるのを抑制できる。なお、この袋3は、ディスポーザブルタイプのもので、使用後はコネクタ13からチューブ5が取り外されて、袋3だけが廃棄される。
以上のように構成された二酸化炭素治療装置によって治療を行うには、まず、患部を(図示した患部は足)を袋3によって包み込み、粘着テープ11で開口を閉鎖する。なお、患部が比較的乾燥している場合には、水分を含んだ軟膏をあらかじめ患部に塗布しておくなどの方法で、患部を湿った状態にしておく。
続いて、三方弁7を操作して袋3と吸引ポンプ9とを結ぶ流路を連通させ、吸引ポンプ9を操作して、袋3の内部の空気を外部へと排出する。この操作により、以後の操作で二酸化炭素を供給した際に、最初に袋3の内部にあった空気によって二酸化炭素濃度が低下してしまうのを防止することができる。
続いて、再び三方弁7を操作して二酸化炭素ボンベ1と袋3とを結ぶ流路を連通させ、二酸化炭素ボンベ1のバルブ15を操作して、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素を送り込む。これにより、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態になり、患部は二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになる。その結果、より多くの二酸化炭素が皮膚から吸収されて、患部の血行が改善される。
なお、袋3の内部の二酸化炭素は、一部が患部に吸収されるし、別の一部は袋3の隙間から外部に漏れるので、袋3の内部の二酸化炭素濃度をあるレベル以上に維持するためには、二酸化炭素ボンベ1のバルブ15の開度を調節することにより、常時少量の二酸化炭素が袋3に供給されるようにしておくか、適当なタイミングで二酸化炭素ボンベ1のバルブ15の開閉操作を行い、不定期に二酸化炭素を袋3の内部に補充するようにするとよい。
以上のような二酸化炭素治療装置の治療効果を確認するため、以下のような治療試験を実施した。
被験者は、61歳の男性、糖尿病(インスリン使用)、糖尿病性腎症にて維持透析中、糖尿病のため末梢血管の循環不全があり、強い下肢冷感の訴えがある。
この被験者の両下肢に保湿剤(ヒルロイド)を含む軟膏を塗布し、左下肢に上記二酸化炭素治療装置の袋3を被せ、その状態で袋3の内部に二酸化炭素を供給し、また、比較のため、右下肢には空気の入った袋を被せ、そのままの状態で静置し、40分経過後に、両下肢の袋を取り去った。
被験者は、二酸化炭素の充填を開始してから数分後、左下肢に温感を認め、この温感は、袋3を取り外した後も数時間持続した。
また、以上の処置を実施する前後における血行動態を、レーザー・ドップラー式血流画像化装置(英国 Moor Instruments社製)を使用して測定した。このレーザー・ドップラー式血流画像化装置は、レーザー光を組織上でスキャニングさせて、その散乱光の解析により微小循環の血行動態をカラーで画像化する血流計で、測定対象箇所の血流分布を無侵襲で画像化することができる。血行動態の測定は、上記処置の開始前、上記処置の完了直後(処置開始から40分後)、処置完了から10分経過後、処置完了から20分経過後に実施した。
この測定の結果、左下肢において、上記処置の完了後に処置の開始前よりも大幅に血行が改善されている様子が確認できた。また、血行が良好な状態は、処置の完了直後はもちろんのこと、処置完了から10分経過後、20分経過後においても持続していた。一方、右下肢においても、処置の開始前に比べると若干血行が良くなっている様子が確認できたが、その程度は左下肢との比較で言えば僅かであり、左下肢ほどの有意な差異は認められなかった。
以上説明したような二酸化炭素治療装置であれば、炭酸温水を用いる炭酸浴療法とは異なり、気体である二酸化炭素を用いているので、患部を炭酸温水に浸漬する必要がない。そのため、壊死した患部に対する治療を行うような場合、治療前に包袋やガーゼを取り外す必要はなく、治療後にガーゼで水気を拭き取ったり消毒したりといった処置も不要である。したがって、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施でき、例えば家庭においてでも簡単に治療を実施することができる。
また、本参考例の二酸化炭素治療装置の場合、二酸化炭素ボンベ1から袋3へ二酸化炭素を送り込む前に、あらかじめ吸引ポンプ9を利用して袋3の内部の空気を排出しておくことができるので、袋3の内部の空気を抜くための機構を備えていない場合に比べ、袋3の内部の二酸化炭素濃度を瞬時に高濃度にすることができる。
[参考例2]
以下の説明においては、先に説明した参考例と異なる部分について詳述し、先に説明した参考例と差異のない構成については、先に説明した参考例において使用した符号と同じ符号を付すだけで、その詳細な説明については省略する。
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図2に示すように、参考例1と同様の二酸化炭素ボンベ1、袋3、およびチューブ5などを備えているが、参考例1とは異なり、三方弁7、および吸引ポンプ9が設けられておらず、その代わりに、空間形成部材である袋3が、内部から外部へ気体を逃がす気体放出口17を有する構造とされている。この気体放出口17は、手で操作して任意に開閉できるものである。
以上のように構成された二酸化炭素治療装置によって治療を行う場合、最初は気体放出口17を開放しておき、その状態で二酸化炭素ボンベ1のバルブ15を操作して、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素を送り込む。これにより、袋3の内部にある空気は気体放出口17から押し出され、袋3の内部は徐々に二酸化炭素濃度の高い状態になってゆく。
その後は、適当なタイミングで気体放出口17を閉鎖し、以後の治療中は気体放出口17を閉鎖したままとする。この状態においては、気体放出口17から二酸化炭素が漏れることはなく、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態になるので、患部は二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになり、患部の血行が改善される。
以上説明したような二酸化炭素治療装置でも、上記参考例1で説明した装置と同等な作用、効果があるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、本参考例の二酸化炭素治療装置の場合、二酸化炭素ボンベ1から袋3へ二酸化炭素を送り込む際に、袋3の内部の空気を気体放出口17から排出できるので、このような気体放出口を備えていない場合に比べ、袋3の内部の二酸化炭素濃度を瞬時に高濃度にすることができる。
[参考例3]
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図3に示すように、参考例1,2と同様の二酸化炭素ボンベ1、袋3、およびチューブ5などを備えている。また、参考例1,2とは異なり、袋3の内圧を検出する圧力センサ21と、二酸化炭素ボンベ1からの二酸化炭素の供給量を増減調節可能な電動バルブ23と、圧力センサ21によって検出した袋3の内圧に応じて電動バルブ23を開閉することにより、袋3の内圧が事前に設定した数値範囲内に収まるように制御する制御装置25とを備えている。なお、図3においては要部のみを示すために省略してあるが、本参考例においても、参考例1,2において示した吸引ポンプ9や気体放出口17を設けておいてもよい。
以上のように構成された二酸化炭素治療装置によって治療を行う場合、圧力センサ21によって検出される圧力が十分に上昇していない場合は、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御され、電動バルブ23が開く方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素が送り込まれる。これにより、袋3の内部は徐々に二酸化炭素濃度の高い状態になってゆく。
その後、圧力センサ21によって検出される圧力が十分に上昇すると、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御され、電動バルブ23が閉まる方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部への二酸化炭素の供給量が減少、もしくは供給が停止する。この状態においては、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態になるので、患部は二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになり、患部の血行が改善される。
さらに、その後の時間経過に伴って二酸化炭素が患部に吸収され、あるいは袋3の外部に漏れる結果、袋3の内圧が低下した場合には、その内圧の低下が圧力センサ21によって検出され、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御されて、電動バルブ23が開く方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素が補充される。このような補充が継続的または断続的に実施される結果、袋3の内圧は事前に設定した数値範囲内を保つように維持され、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態が維持されることになる。
以上説明したような二酸化炭素治療装置でも、上記参考例1,2で説明した装置と同等な作用、効果があるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、本参考例の二酸化炭素治療装置の場合、袋3の内圧に応じて、二酸化炭素ボンベ1からの二酸化炭素の供給量が制御されるので、袋3の内部に供給される二酸化炭素の量が過大になって、無駄に漏出する二酸化炭素の量が増大したり、空間内に供給される二酸化炭素の量が過小になって、治療効果が弱まってしまうといったことがない。
[参考例4]
参考例3として示した二酸化炭素治療装置において、圧力センサ21に代えて、二酸化炭素濃度センサ21’を採用しても、二酸化炭素の供給量を自動制御することができる。
すなわち、図3に示した装置構成において、圧力センサ21を二酸化炭素濃度センサ21’に代替した場合、二酸化炭素濃度センサ21’によって検出される二酸化炭素濃度が十分に上昇していない場合は、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御され、電動バルブ23が開く方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素が送り込まれる。これにより、袋3の内部は徐々に二酸化炭素濃度の高い状態になってゆく。
その後、二酸化炭素濃度センサ21’によって検出される二酸化炭素濃度が十分に上昇すると、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御され、電動バルブ23が閉まる方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部への二酸化炭素の供給量が減少、もしくは供給が停止する。この状態においては、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態になるので、患部は二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになり、患部の血行が改善される。
さらに、その後の時間経過に伴って二酸化炭素が患部に吸収され、あるいは袋3の外部に漏れ、袋3の内部の二酸化炭素濃度が低下した場合には、その二酸化炭素濃度の低下が二酸化炭素濃度センサ21’によって検出され、制御装置25によって電動バルブ23の開閉レベルが制御されて、電動バルブ23が開く方向へ作動する結果、二酸化炭素ボンベ1から袋3の内部へ二酸化炭素が補充される。このような補充が継続的または断続的に実施される結果、袋3の内部の二酸化炭素濃度は事前に設定した数値範囲内を保つように維持され、袋3の内部は二酸化炭素濃度の高い状態が維持されることになる。
以上説明したような二酸化炭素治療装置でも、上記参考例1〜3で説明した装置と同等な作用、効果があるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、本参考例の二酸化炭素治療装置の場合、袋3の内部の二酸化炭素濃度に応じて、二酸化炭素ボンベ1からの二酸化炭素の供給量が制御されるので、袋3の内部に供給される二酸化炭素の量が過大になって、無駄に漏出する二酸化炭素の量が増大したり、空間内に供給される二酸化炭素の量が過小になって、治療効果が弱まってしまうといったことがない。
[参考例5]
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図4に示すように、参考例1〜4と同様の二酸化炭素ボンベ1、袋3、およびチューブ5などを備えている他、袋3の内部へ水蒸気を供給可能な水蒸気供給手段である加湿装置27を備えている。加湿装置27は、ホース29を介して袋3のコネクタ31に接続され、加湿装置27が生成する水蒸気を袋3の内部へ送り込むことができる。
以上説明したような二酸化炭素治療装置でも、袋3の内部へ二酸化炭素を送り込むことにより、上記参考例1〜4で説明した装置と同等な作用、効果が得られるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、本参考例の二酸化炭素治療装置の場合、二酸化炭素と同時に水蒸気を袋3の内部へ送り込むことができるので、患部の表面が湿った状態となりやすく、その水分に二酸化炭素が溶け込みやすくなるので、二酸化炭素による治療効果を高めることができる。
[参考例6]
図5(a)および同図(b)に示したものは、上述した参考例1〜5の二酸化炭素治療装置において利用可能な袋33である。
袋33は、先に参考例1〜5において説明した袋3と同じく、開口を閉じるための粘着テープ11備えているが、さらに、袋33の中程を絞り込むために、粘着テープ35,37を備えている。これらの粘着テープ35,37は、図5(b)に示すように、袋33に患部を入れた後、袋33を絞るようにして袋33の周囲に巻き付けられるもので、これにより、袋33の実質的な容積を減少させることができる。
このような袋33を利用すれば、袋33を大きめに設計しておくことにより、袋33をゆったりと患部に装着することができるので、小さな袋よりも患部に装着する際の作業性が高くなる。また、患部に装着した後は、袋33を絞り込んで容積を削減できるので、過剰に大量の二酸化炭素を送り込まなくても、袋33の内部に二酸化炭素を満たすことができる。
[参考例7]
図6(a)〜同図(d)は、上述した参考例1〜5の二酸化炭素治療装置において利用可能な袋41の開口付近を示す図である。
先に説明した袋3,33は、開口を閉じるための手段として、粘着テープ11備えていたが、本参考例の袋41は、開口を閉じるための手段として、粘着テープ11の代わりに、ファスナー43を備えている。
ファスナー43は、互いに係合して袋41の開口を閉鎖可能な一対の雄部材45および雌部材47からなり(図6(b)参照)、何度でも任意に開閉操作をできるものである。
このような袋41を利用すれば、図6(c)に示すように、開口を通した部分の周囲に開口の一部を密着させた際に、残りの一部についてはファスナー43を利用して開口を閉鎖できるので、きわめて簡単に袋41の開口を閉鎖することができる。なお、図6(d)に示すように、留め具49で開口部分を挟んでおけば、ファスナー43にて閉鎖した開口が開いてしまうのを、より確実に防止することができる。
[参考例8]
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図7に示すように、炭酸水の入った瓶51と、瓶51の口に取り付け可能な栓53と、患部を囲む空間を形成可能な袋55と、瓶51内で発生する二酸化炭素を袋55内へと案内する流路を構成するチューブ57と、瓶51の周囲を加温する加温器59とを備えている。
瓶51は、市販の瓶入り炭酸水の瓶であり、スクリューキャップによって口が閉じられているものである。栓53は、上記スクリューキャップと同形状同寸法の螺合部を有し、瓶51の口にぴったりと取り付けることができる。袋55は、開口を絞って患者の体にほぼ密着するように取り付けることができるものである。チューブ57の途中には、気体を通過させて液体を通過させないために設けられたトラップ61が設けられている。加温器59は、電熱線を内蔵しており、内側に収容した容器の温度を約30度程度まで温めることができる。
以上のように構成された二酸化炭素治療装置によって治療を行うには、市販の炭酸水の瓶51に栓53を取り付け、患部を(図示した患部は足)を袋55によって包み込み、瓶51を加温器59により加温して、瓶51内の炭酸水から発生する二酸化炭素を袋55の中へ送り込む。これにより、袋55の内部は二酸化炭素濃度の高い状態になり、患部は二酸化炭素濃度の高い雰囲気中に晒されることになる。その結果、二酸化炭素が皮膚から吸収されて、患部の血行が改善される。このような二酸化炭素治療装置でも、上記参考例1で説明した装置と同等な作用、効果があるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、加温器59で加温して二酸化炭素の発生を促しているので、同種の加熱手段を備えていない場合よりも短時間で二酸化炭素濃度を高めることができる。
また、チューブ57の両端間にトラップ61が設けられているので、瓶51が倒れた場合でも炭酸水が袋55内に流入することはなく、また、チューブ57内で水蒸気が結露したとしても、その水が袋55内に流入することもない。
[実施例]
以下に説明する二酸化炭素治療装置は、図8(a)に示すように、袋71、カバー72、チューブ73,75,77、Tジョイント79,チューブクランプ81,83、ピンチ85等を備えている。
袋71は、治療対象箇所(本実施形態の場合は足)を囲む空間を形成可能な空間形成部材で、患者の足を出し入れしやすい十分な大きさを有するものである。
カバー72は、袋71の外側に巻き付けるように装着されるもので、図8(b)に示すように、伸縮性のある布87と、無数のループ部材を有する雌面ファスナ88と、無数のフック部材を有する雄面ファスナ89とで構成されている。
本実施形態の場合、治療対象箇所として足を想定しているため、布87は、足に巻き付けるのに適した形状に裁断されており、具体的には、下腿部の周囲に巻き付ける下腿包囲部87a、中足部の周囲に巻き付ける中足包囲部87b、下腿包囲部87aと中足包囲部87bとを連結するための連結部87cとを有する形状に裁断されている。
雌面ファスナ88は、帯状のもので、下腿包囲部87aに2本、中足包囲部87bに1本設けられ、それぞれが布87に縫い付けられている。雄面ファスナ89は、雌面ファスナ88よりも長さが短い小片状のもので、下腿包囲部87aに2つ、中足包囲部87bに1つ、それぞれ雌面ファスナ88と対応する位置に設けられている。なお、これら雌面ファスナ88および雄面ファスナ89は、一方が布87の表、他方が布87の裏に設けられ、布87を足の周囲に巻き付けた際に、互いが係合するようになっている。
このように構成されたカバー72は、図8(a)に示したように、2つの連結部87cの間に踵部が来る状態で、下腿包囲部87aを下腿部の周囲に巻き付け、中足包囲部87bを中足部の周囲に巻き付け、各雌面ファスナ88および雄面ファスナ89を係合することにより、袋71の外側に装着される。このとき、下腿包囲部87aの膝寄りの位置にある雌面ファスナ88および雄面ファスナ89については、袋71の開口を絞り込んで下肢部に密着させるようにして係合させ、これにより、袋71の開口から二酸化炭素が漏れるのを抑制できる。また、他の雌面ファスナ88および雄面ファスナ89については、比較的ゆったりと巻かれた状態で係合させるが、袋71の外周寸法よりも小さい外周寸法となるように巻かれ、これにより、二酸化炭素の供給に伴って膨らむ袋71が過剰に膨らむのを阻止する。すなわち、このカバー72が、本発明でいう拡張阻止部材に相当する。
このようなカバー72を採用すれば、治療対象箇所を出し入れしやすい大きな袋71を採用した場合でも、その内部に二酸化炭素を充填する際には、袋71がある程度膨らんだ時点で、袋71が膨らむのをカバー72が阻止するので、袋71に過剰な量の二酸化炭素を充填する必要はなく、二酸化炭素の使用量を抑制することができる。
チューブ73,75およびTジョイント79は、二酸化炭素源から袋71の内部へ二酸化炭素を送るための流路を形成する流路形成部材である。また、Tジョイント79には、チューブ77が接続され、チューブ77側から袋71の内部の気体を吸引して外部へ排出するための流路を形成している。
チューブクランプ81,83は、チューブ73,77を側面から圧迫してチューブ73,77の内腔を閉じる部材である。これらチューブクランプ81,83は、常時は双方がチューブ73,77の内腔を閉じる側へ操作されていて、二酸化炭素の供給を行う際にチューブクランプ81だけがチューブ73の内腔を開く側へ操作される。また、袋71の内部の気体を外部へ排出する際にチューブクランプ83だけがチューブ77の内腔を開く側へ操作される。
ピンチ85は、図9(a)に示すように、一対の挟持部91,91を有し、これら挟持部91,91が常時はバネ93の付勢力で密着する一方、バネ93の付勢力に抗して操作部94を操作すると、挟持部91,91間が開かれる構造になっている。また、挟持部91,91は、僅かな外力を加えるだけで弾性変形するゴムスポンジによって形成されている。
このように構成されたピンチ85は、袋71のチューブ導入口を封鎖する部材(本発明でいう封鎖部材に相当)として機能する。より詳しく説明すると、袋71の先端には小さな開口(チューブ導入口)が形成されていて、その開口からチューブ75の先端部75aが袋71に挿し込まれている。そして、上記ピンチ85は、袋71の外側から袋71およびチューブ75の先端部75aを、挟持部91,91で挟み込むように装着される。袋71も薄くて変形しやすいものであり、一方、チューブ75の先端部75aは、先端部以外の部分とは異なり、側面から圧迫しても潰れにくい硬質チューブによって構成されている。そのため、ピンチ85の挟持部91,91で袋71の外側から袋71およびチューブ75の先端部75aを挟み込むと、チューブ75の先端部75aは押し潰されず、且つ、袋71は押し潰され、その結果、挟持部91,91に挟み込まれた部分は、チューブ75の内腔を残して密閉される。したがって、この状態でチューブ75を介して二酸化炭素を袋71内に供給すれば、袋71の先端にある開口(チューブ導入口)から二酸化炭素が漏出することはない。また、チューブ75は、ピンチ85を装着したままの状態で袋71から引き抜くことができる。チューブ75を引き抜くと、チューブ75の側面に沿う形状に変形していた挟持部91,91が復元し、チューブ75の通過していた空間が挟持部91,91によって埋められる。したがって、チューブ75を引き抜いても、袋71の先端にある開口(チューブ導入口)から二酸化炭素が漏出することはない。
このような構造にすれば、チューブ75を二酸化炭素供給のために使用した後は、袋71から取り外すことができるので、患者が足を動かしてもチューブ75や二酸化炭素供給源が動かされてしまうようなことがない。
以上説明したような二酸化炭素治療装置でも、袋71の内部へ二酸化炭素を送り込むことにより、上記各参考例で説明した装置と同等な作用、効果が得られるので、炭酸浴療法よりも手軽に治療を実施できる。
また、チューブ75を引き抜くことができ、且つ、チューブ75を引き抜いても二酸化炭素が漏出しないので、袋71に二酸化炭素を充填した後はチューブ75を取り外すことにより、患者が多少動いても問題が起きないようにすることができる。
さらに、カバー72によって、袋71が過剰に拡張しないようにしているので、袋71としては患部を出し入れしやすい大きめの袋を利用した場合でも、過剰に二酸化炭素を充填する必要がない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
なお、上記実施例においては、チューブ75を引き抜いたときに、ピンチ85で袋71の開口を封鎖する例を示したが、袋の開口を封鎖できる構造の参考例としては、以下のような封鎖構造を考えることもできる
えば、図9(b)に示すような逆止弁95を袋96の開口に設けてもよい。この逆止弁95は、薄くて張りのある2枚のフィルム材を重ねて、内面側が相互に密着する状態のまま、図9(b)中に斜線で示した熱融着部97,98において熱融着させたものである。このような逆止弁95の熱融着部97,98間にチューブ(図示略)を挿し込めば、袋96内に二酸化炭素を供給することができる。また、袋96内に二酸化炭素を供給した後、チューブを熱融着部97,98間から引き抜くと、薄くて張りのある2枚のフィルム材は、内面側が相互に密着する状態に戻るので、二酸化炭素の漏出を防止することができる。したがって、実施例9で示したピンチ85に代えて、このような逆止弁95を採用しても、チューブを引き抜いて取り外し可能とすることができる。
参考例1の二酸化炭素治療装置の概略構成図である。 参考例2の二酸化炭素治療装置の概略構成図である。 参考例3,4の二酸化炭素治療装置の概略構成図である。 参考例5の二酸化炭素治療装置の概略構成図である。 参考例6の袋を示す図である。 参考例7の袋の一部を示す図である。 参考例8の二酸化炭素治療装置の概略構成図である。 (a)は実施例の二酸化炭素治療装置の概略構成図、(b)はカバーを示す図である。 (a)はピンチを示す図、(b)は逆止弁を示す図である。
符号の説明
1・・・二酸化炭素ボンベ、3,33,41,55,71・・・袋、5,57,73,75,77・・・チューブ、7・・・三方弁、9・・・吸引ポンプ、11,35,37・・・粘着テープ、13,31・・・コネクタ、15・・・バルブ、17・・・気体放出口、21・・・圧力センサ、21’・・・二酸化炭素濃度センサ、23・・・電動バルブ、25・・・制御装置、27・・・加湿装置、29・・・ホース、43・・・ファスナー、45・・・雄部材、47・・・雌部材、49・・・留め具、51・・・瓶、53・・・栓、59・・・加温器、61・・・トラップ、72・・・カバー、79・・・Tジョイント、75a・・・先端部、81,83・・・チューブクランプ、85・・・ピンチ、87・・・布、87a・・・下腿包囲部、87b・・・中足包囲部、87c・・・連結部、88・・・雌面ファスナ、89・・・雄面ファスナ、91・・・挟持部、93・・・バネ、94・・・操作部、95・・・逆止弁、97,98・・・熱融着部。

Claims (10)

  1. 二酸化炭素源と、
    治療対象箇所を囲む空間を形成可能な空間形成部材と、
    前記二酸化炭素源から前記空間内へ二酸化炭素を送る流路を形成する流路形成部材と
    を備えてなる二酸化炭素治療装置であって、
    前記流路形成部材が、前記流路となる内腔を有するチューブであり、
    前記空間形成部材が、前記チューブの先端を前記空間内へ導入するためのチューブ導入口を有する袋であり、
    前記チューブは、前記チューブ導入口から引抜可能な状態で該チューブ導入口に挿し込まれていて、該チューブ導入口には、前記チューブが引き抜かれると前記チューブ導入口を封鎖する封鎖部材が設けられており、
    前記封鎖部材は、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から一対の挟持部にて挟み込む構造で、しかも、前記挟持部が弾性変形可能に構成され、前記袋の内部に前記チューブが通されている部分を前記袋の外側から挟み込んだ際に、前記挟持部が弾性変形することによって前記チューブを通過させており、該チューブが引き抜かれた際には、前記挟持部の弾性変形していた部分が復元することによって前記チューブ導入口を封鎖する
    ことを特徴とする二酸化炭素治療装置。
  2. 前記空間形成部材が、前記空間内から外部へ気体を逃がす気体放出口を有する構造で、治療中は前記気体放出口を閉鎖できるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素治療装置。
  3. 前記空間形成部材または前記流路形成部材に、前記空間内の気体を吸引して外部へと排出する排気手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の二酸化炭素治療装置。
  4. 前記二酸化炭素源が、二酸化炭素ボンベである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  5. 前記空間内の圧力に応じて、前記二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  6. 前記空間内の二酸化炭素濃度に応じて、前記二酸化炭素源からの二酸化炭素の供給量が制御される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  7. 前記空間内へ水蒸気を供給可能な水蒸気供給手段
    を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  8. 前記空間形成部材が、前記治療対象箇所を前記空間内へ導入するための開口を有する袋であり、該開口の周縁部には、患者の身体側または相互に粘着することによって前記開口を閉鎖可能な粘着面が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  9. 前記空間形成部材が、前記治療対象箇所を前記空間内へ導入するための開口を有する袋であり、該開口の周縁部には互いに係合して前記開口を閉鎖可能な一対の雄部材および雌部材からなるファスナーが設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
  10. 前記空間形成部材が、二酸化炭素の供給に伴って膨らむ袋であり、
    前記空間形成部材の外側には、前記空間形成部材がある程度膨らんだ時点で、それ以上外側へ前記空間形成部材が膨らむのを阻止する拡張阻止部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の二酸化炭素治療装置。
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