JP3980846B2 - 手動変速機のチェンジ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セレクト操作に応じた軸方向移動ならびにシフト操作に応じた軸線まわりの回動を可能としたシフトセレクトシャフトにシフトアームが固定され、前記セレクト操作に応じて択一的にシフトアームに係合され得る複数のシフトピースが、前記シフトセレクトシャフトの軸線に沿う方向に並列配置される手動変速機のチェンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる装置は、たとえば特開2001−116142号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
リバース変速段を確立するためにエンジンおよびメインシャフト間の変速クラッチを遮断した後のメインシャフトの慣性回転中にリバースアイドルギヤの摺動噛合が行なわれるとギヤ鳴きと呼ばれる異音が生じ、乗員に不快感を与えるので、上記従来の手動変速機では、メインシャフトを制動するための機構が変速クラッチとは反対側のメインシャフトの端部に設けられている。このため、メインシャフトの軸線に沿う方向で手動変速機が大型化してしまう。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リバース変速段確立時のギヤ鳴きを防止しつつメインシャフトの軸線に沿う方向での手動変速機のコンパクト化を可能とした手動変速機のチェンジ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、セレクト操作に応じた軸方向移動ならびにシフト操作に応じた軸線まわりの回動を可能としたシフトセレクトシャフトにシフトアームが固定され、前記セレクト操作に応じて択一的にシフトアームに係合され得る複数のシフトピースが、前記シフトセレクトシャフトの軸線に沿う方向に並列配置される手動変速機のチェンジ装置において、前記シフトアームには、リバース位置へのシフト操作時に該シフトアームに一体的に追従回動してシフト初期に所定の前進変速段用シフトピースを所定量駆動するとともにシフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピースを元に戻す連動アームが連動、連結され、この連動アームには、前記シフト初期に前記所定の前進変速段用シフトピースの第1係合アーム部と係合して同シフトピースを変速位置側に所定量、強制的に押す第1駆動アーム部と、この第1駆動アーム部に対しシフトセレクトシャフトの周方向に間隔をあけた位置で外側方に張出していて、前記シフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピースの第2係合アーム部と係合して同シフトピースをニュートラル位置に強制的に押し戻す第2駆動アーム部とが一体に設けられることを特徴とする
【0006】
また請求項2の発明は、上記請求項1の発明の構成に加えて、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレートが、前記シフトアームおよび前記連動アームの一部を覆って前記シフトセレクトシャフトに装着され、該インターロックプレートには、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピースの一部を収容する凹部が設けられることを特徴とる。
【0007】
さらに請求項3の発明は、セレクト操作に応じた軸方向移動ならびにシフト操作に応じた軸線まわりの回動を可能としたシフトセレクトシャフトにシフトアームが固定され、前記セレクト操作に応じて択一的にシフトアームに係合され得る複数のシフトピースが、前記シフトセレクトシャフトの軸線に沿う方向に並列配置される手動変速機のチェンジ装置において、前記シフトアームには、リバース位置へのシフト操作に伴なうシフト初期に所定の前進変速段用シフトピースを所定量駆動するとともにシフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピースを元に戻す連動アームが、連動、連結され、前記シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレートが、前記シフトアームおよび前記連動アームの一部を覆って前記シフトセレクトシャフトに装着され、該インターロックプレートには、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピースの一部を収容する凹部が設けられることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図15は本発明の一実施例を示すものであり、図1は前進変速段が6段の車両用手動変速機の縦断面図、図2はチェンジレバーのチェンジパターンを示す図、図3は図1の車両用手動変速機の要部横断面図、図4は図3の4−4に沿う車両用手動変速機の要部縦断面図、図5はインターロックプレート、シフトアームおよび連動アームの側面図、図6はインターロックプレート、シフトアームおよび連動アームの斜視図、図7は連動アームおよび3−4速シフトピースの関係を示すための図5の7−7線に沿う断面図、図8はリバースセレクト位置での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図9はリバース位置側へのシフト操作初期での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図10はリバース位置側へのシフト操作途中での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図11はリバース位置側へのシフト操作完了時の連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図12はリバース位置からニュートラル位置へのシフト操作完了時の連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図13はニュートラル位置でシフトアームが3−4速セレクト位置に戻ったときの連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図14はニュートラル位置でシフトアームが3−4速セレクト位置にあるときのインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにニュートラル位置でシフトアームがリバースセレクト位置に移動したときのインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図、図15は前進5段である手動変速機に適用するときのインターロックプレート、シフトアームおよび連動部材を図5に対応させて示す側面図である。
【0010】
先ず図1において、前進段数が偶数段たとえば6段であるとともに後進1段である車両用手動変速機Mのミッションケース11は、車体の前後方向に延びる割り面で分割される右ケース半体12および左ケース半体13から成る。エンジンEは変速用クラッチCLを介してメインシャフトSMの一端部に連結されており、該メインシャフトSMは、右および左ケース半体12,13にボールベアリング14,15を介して回転自在に支持される。またメインシャフトSMと平行であるカウンタシャフトSCの軸方向一端部がローラベアリング16を介して右ケース半体12に回転自在に支持され、前記カウンタシャフトSCの軸方向他端部がボールベアリング17を介して左ケース半体13に回転自在に支持される。
【0011】
ところでカウンタシャフトSCは、潤滑油の流通を可能として円筒状に形成されるものであり、該カウンタシャフトSCの一端部には、右ケース半体12内に形成されているオイル通路18からオイルをカウンタシャフトSC内に導くガイド部材19が装着される。また左ケース半体13内には、カウンタシャフトSCの他端部を連通させるオイル通路20が形成されており、ボールベアリング17の内輪をカウンタシャフトSCの他端側外周に形成される段部21との間に挟持する鍔部22aを有するボルト22が螺合される。而してボールベアリング17の内輪を固定するために、潤滑油の流通を可能とする円筒状のボルト22をカウンタシャフトSCの他端部内周にねじ込むようにしたことにより、カウンタシャフトSCの他端および左ケース半体13間の間隔を小さく設定し、ミッションケース11の小型化に寄与することができる。さらにメインシャフトSMには、一端を閉じるとともに他端を該メインシャフトSMの他端に開口したオイル通路23が同軸に設けられており、左ケース半体13内のオイル通路20からのオイルを前記オイル通路23に導くガイド部材24が、メインシャフトSMの他端部に装着される。
【0012】
変速用クラッチCLは、エンジンEのクランクシャフトに固定的に連結されるクラッチホイール25と、該クラッチホイール25の一側に配置されるプレッシャプレート26と、両面にフェーシング27,27を有してクラッチホイール25およびプレッシャプレート26間に介在配置されるとともにダンパ29を介してメインシャフトSMに連結されるクラッチディスク28と、前記クラッチホイール25およびプレッシャプレート26との間でフェーシング27,27を挟圧する方向にプレッシャプレート26を付勢するダイヤフラムスプリング30とを備える。このような変速用クラッチCLは、通常状態にあってはダイヤフラムスプリング30に弾発力でフェーシング27,27をクラッチホイール25およびプレッシャプレート26間で挟圧することで、クランクシャフトおよびメインシャフトSM間を接続しており、変速時にレリーズフォーク31でレリーズベアリング32を図1の左方向に作動せしめることによりクランクシャフトおよびメインシャフトSM間が遮断される。
【0013】
メインシャフトSMには、メイン1速ギヤ34およびメイン2速ギヤ35が固設されるとともに、メイン3速ギヤ36、メイン4速ギヤ37、メイン5速ギヤ38およびメイン6速ギヤ39が相対回転自在に支持される。一方、カウンタシャフトSCには、メイン1速ギヤ34およびメイン2速ギヤ35にそれぞれ噛合するカウンタ1速ギヤ40およびカウンタ2速ギヤ41が相対回転自在に支持されるとともに、メイン3速ギヤ36、メイン4速ギヤ37、メイン5速ギヤ38およびメイン6速ギヤ39にそれぞれ噛合するカウンタ3速ギヤ42、カウンタ4速ギヤ43、カウンタ5速ギヤ44およびカウンタ6速ギヤ45が固設される。
【0014】
右および左ケース半体12,13には、メインシャフトSMおよびカウンタシャフトSCと平行なリバースアイドルシャフトSRの両端部が固定的に支持されており、このリバースアイドルシャフトSRにスライド可能に支持されたリバースアイドルギヤ46は、メインシャフトSMに固設されたメインリバースギヤ47と、カウンタシャフトSCに相対回転不能に支持されたカウンタリバースギヤ48とに同時に噛合可能である。
【0015】
カウンタシャフトSCに装着される1−2速同期機構S1は、カウンタシャフトSCの軸線方向に制限された範囲での移動を可能とするとともにカウンタシャフトSCとの相対回転を不能としたスリーブ49を備えるものであり、このスリーブ49を保持する1−2速シフトフォーク50を図1の左右に作動せしめることにより、カウンタ1速ギヤ40およびカウンタ2速ギヤ41が択一的に選択されてカウンタシャフトSCに結合される。すなわち図1でスリーブ49を右動させるとカウンタ1速ギヤ40がカウンタシャフトSCに結合されることにより1速変速段が確立し、図1でスリーブ49を左動させるとカウンタ2速ギヤ41がカウンタシャフトSCに結合されることにより2速変速段が確立する。而して前記カウンタリバースギヤ48はスリーブ49に一体に形成される。
【0016】
メインシャフトSMに装着される3−4速同期機構S2は、メインシャフトSMの軸線方向に制限された範囲での移動を可能とするとともにメインシャフトSMとの相対回転を不能としたスリーブ51を備えるものであり、このスリーブ51を保持する3−4速シフトフォーク52を図1の左右に作動せしめることにより、メイン3速ギヤ36およびメイン4速ギヤ37が択一的に選択されてメインシャフトSMに結合される。すなわち図1でスリーブ51を右動させるとメイン3速ギヤ36がメインシャフトSMに結合されることにより3速変速段が確立し、図1でスリーブ51を左動させるとメイン4速ギヤ37がメインシャフトSMに結合されることにより4速変速段が確立する。
【0017】
メインシャフトSMに装着される5−6速同期機構S3は、メインシャフトSMの軸線方向に制限された範囲での移動を可能とするとともにメインシャフトSMとの相対回転を不能としたスリーブ53を備えるものであり、このスリーブ53を保持する5−6速シフトフォーク54を図1の左右に作動せしめることにより、メイン5速ギヤ38およびメイン6速ギヤ39が択一的に選択されてメインシャフトSMに結合される。すなわち図1でスリーブ53を右動させるとメイン5速ギヤ38がメインシャフトSMに結合されることにより5速変速段が確立し、図1でスリーブ53を左動させるとメイン6速ギヤ39がメインシャフトSMに結合されることにより6速変速段が確立する。
【0018】
リバースアイドルギヤ46は、リバースシフトフォーク55で回転自在に保持されており、図1の実線で示す位置から鎖線で示す位置へとリバースシフトフォーク55によりリバースアイドルギヤ46をスライドさせることにより、該リバースアイドルギヤ46がメインリバースギヤ47およびカウンタリバースギヤ48に噛合することでリバース変速段が確立する。
【0019】
このようにして1〜6速変速段およびリバース変速段の1つが選択的に確立されると、カウンタシャフトSCの回転が、ファイナルドライブギヤ56およびファイナルドリブンギヤ57を介して差動装置58に伝達され、さらに該差動装置58から右側の車軸65および左側の車軸66に伝達される。
【0020】
1〜6速変速段およびリバース変速段の1つを選択的に確立するためのチェンジ装置のチェンジレバーLは、図2で示す操作パターンで操作されるものであり、SEで示すセレクト操作方向に操作することで、1−2速セレクト位置P1、3−4速セレクト位置P2、5−6速セレクト位置P3およびリバースセレクト位置P4のいずれかにチェンジレバーLを動かすことができる。また1−2速セレクト位置P1で前記セレクト操作方向SEとは直交するシフト操作方向SHにチェンジレバーLを操作することで第1速位置D1および第2速位置D2のいずれかを選択することができ、3−4速セレクト位置P2でシフト操作方向SHにチェンジレバーLを操作することで第3速位置D3および第4速位置D4のいずれかを選択することができ、5−6速セレクト位置P3でシフト操作方向SHにチェンジレバーLを操作することで第5速位置D5および第6速位置D6のいずれかを選択することができ、さらにリバースセレクト位置P4でシフト操作方向SHにチェンジレバーLを操作することでリバース位置Rを選択することができる。
【0021】
図3および図4において、ミッションケース11における左ケース半体13の上部には、左ケース半体13に設けられている開口部70を覆うカバー部材71が結合され、該カバー部材71の中央部にはガイド孔72が設けられる。このガイド孔72には上端部をカバー板71から上方に突出させるようにしてシフトセレクトシャフト73の上部が、その軸線まわりの回動および軸線方向の摺動を可能として嵌合され、カバー部材71およびシフトセレクトシャフト73間にはシール部材74が介装される。
【0022】
カバー部材71から上方に突出した部分でシフトセレクトシャフト73には、係合孔75が設けられ、該係合孔75にセレクトレバー76が係合される。このセレクトレバー76はシフトセレクトシャフト73の軸線と直交する方向に延びる回動軸77に固着されており、この回動軸77は、カバー部材71に固設されたケーシング78で回動可能に支持される。
【0023】
セレクトレバー76は、チェンジレバーLのセレクト操作方向SE(図2参照)への操作に応じて回動するものであり、チェンジレバーLが1−2速セレクト位置P1、3−4速セレクト位置P2、5−6速セレクト位置P3およびリバースセレクト位置P4のいずれかに動くことで、セレクトレバー76は、図3で示すように、1−2速セレクト位置、3−4速セレクト位置、5−6速セレクト位置およびリバースセレクト位置のいずれかに回動する。このセレクトレバー76の回動に応じて、シフトセレクトシャフト73もその軸方向に直線的に移動することになる。
【0024】
ケーシング78内で回動軸77には第1カム79が固定されており、第1カム79に噛合し得る第2カム80が、回動軸77と平行な軸線を有してケーシング78で回動可能に支承される軸81に固設される。第1カム79には、回動軸77と一体的に回動するセレクトレバー76の回動位置が5−6速セレクト位置となったときに前記軸81の軸線を含む一平面と直交する平坦な第1当接面79aと、その第1当接面79aに直角に連なる第2当接面79bとが、第2カム80側に臨むように形成される。また第2カム80は、セレクトレバー76の回動位置が5−6速セレクト位置となったときに第1カム79の第1および第2当接面79a,79bに当接、係合し得るように形成されている。
【0025】
ケーシング78には、セレクトレバー76の回動位置が5−6速セレクト位置となったときに第1カム79の第1当接面79aとほぼ平行となる軸線を有するソレノイド84が取付けられる。このソレノイド84は、該ソレノイド84の通電状態で突出位置に突出し、ソレノイド84の非通電状態では引き込まれるロッド83を備えており、このロッド83の先端が前記第2カム80に当接される。しかもケーシング78および第2カム80間には、第2カム80を前記ロッド83の先端に押し当てる方向のばね力を発揮する捩じりばね82が設けられる。
【0026】
而して前記ソレノイド84は、車速がたとえば15km/hを超えるときには通電状態とされるものであり、この状態では、突出位置に在るロッド83によって第2カム80が第1カム79に係合可能な位置まで捩りばね82のばね力に抗して回動されており、セレクトレバー76の回動位置が5−6速セレクト位置となったときに第1カム79の第1および第2当接面79a,79bに第2カム80が係合することで、5−6速セレクト位置からリバース位置へのセレクトレバー76の回動が阻止される。すなわち車速がたとえば15km/hを超える状態ではリバース位置を選択することはできなくなる。
【0027】
この際、ソレノイド84の作動軸線と、5−6速セレクト位置からリバース位置にセレクトレバー76が回動しようとするときに、第1カム79から第2カム80に作用する力の方向とはほぼ直交する配置となっているので、5−6速セレクト位置からリバース位置にセレクトレバー76が回動しようとするときの力がソレノイド84側に作用することはなく、ソレノイド84は比較的小さな電磁力を発揮するものであればよい。
【0028】
なお車速がたとえば15km/hを超えるときに、5−6速セレクト位置に在るセレクトレバー76が3−4速セレクト位置側に回動したときには、第1カム79がソレノイド84のロッド83を押込みつつ第2カム80を図3の時計方向に回動させることが可能であり、5−6速セレクト位置から3−4速セレクト位置側へのセレクトレバー76の回動は許容されている。
【0029】
一方、車速がたとえば15km/h以下の低速状態にあるとき、ならびにエンジンEの点火スイッチが遮断されているときには、ソレノイド84が非通電状態となることによりロッド83が引き込まれ、そのロッド83の変位に追随して第2カム80も第1カム79とは係合しない位置(図3の鎖線で示す位置)に回動するので、セレクトレバー76の回動位置が5−6速セレクト位置となったときに第1カム79に第2カム80が係合することはなく、5−6速セレクト位置からリバース位置へのセレクトレバー76の回動が許容されることになる。
【0030】
セレクトレバー76の下方でシフトセレクトシャフト73には、シフトレバー85が固定されており、このシフトレバー85は、チェンジレバーLをシフト操作方向SHに操作するのに応じてシフトセレクトシャフト73とともに回動する。而してチェンジレバーLが、1−2速セレクト位置P1、3−4速セレクト位置P2、5−6速セレクト位置P4またはリバースセレクト位置P4に在るときに、シフトセレクトシャフト73はニュートラル位置に在り、チェンジレバーLを第1速位置D1、第3速位置D3または第5速位置D5に操作するのに応じてシフトセレクトシャフト73はニュートラル位置から図4の反時計方向に回動し、チェンジレバーLを第2速位置D2、第4速位置D4、第6速位置D6またはリバース位置Rに操作するのに応じてシフトセレクトシャフト73はニュートラル位置から図4の時計方向に回動する。
【0031】
図5および図6を併せて参照して、シフトセレクトシャフト73には、インターロックプレート86が装着される。このインターロックプレート86は、シフトセレクトシャフト73の軸線方向に間隔をあけた位置に配置されてシフトセレクトシャフト73を貫通させる一対の上、下の側板86a,86bと、それらの側板86a,86bにそれぞれ連なる一対のロック爪86c,86dとを備えており、両ロック爪86c,86d間には、シフトセレクトシャフト73の軸線に直交する平面に沿うスリット87が形成される。
【0032】
インターロックプレート86には、シフトセレクトシャフト73の軸線に沿って延びるガイド溝88が設けられており、このガイド溝88に嵌合する回り止めピン89がミッションケース11の左ケース半体13に固定される。したがってシフトセレクトシャフト73の軸線に沿う方向でのインターロックプレート86の移動は許容されるもののシフトセレクトシャフト73の軸線まわりのインターロックプレート86の回動は阻止される。
【0033】
インターロックプレート86の両側板86a,86b間には、該インタロックプレート86で一部を覆われるようにしてシフトアーム90および連動アーム91が介装される。シフトセレクトシャフト73はシフトアーム90および連動アーム91を貫通しており、シフトアーム90は、ボルト92によってシフトセレクトシャフト73に固定され、連動アーム91は、シフトアーム90に連動、連結される。
【0034】
シフトアーム90およびインタロックプレート86間には、シフトセレクトシャフト73の軸線に直交する軸線を有してインタックプレート86に装着される有底円筒状の保持筒93と、該保持筒93の軸線に沿う方向の移動を可能として保持筒93に保持されるボール94と、該ボール94をシフトアーム90側に付勢するばね力を発揮して保持筒93およびボール94間に縮設されるばね95と、前記ボール94の一部を収容可能としてシフトアーム90の周方向に等間隔をあけた3箇所に設けられる凹部96,97,98とで構成されるディテント機構99が設けられる。
【0035】
このディテント機構99により、シトアーム90およびシフトセレクトシャフト73は、第1速位置、第3速位置および第5速位置のいずれかの位置と、ニュートラル位置と、第2速位置、第4速位置、第4速位置およびリバース位置のいずれかの位置との3つの位置に節度をもって停止可能である。
【0036】
シフトアーム90は駆動部90aを一体に有しており、該駆動部90aは、インターロックプレート86の両ロック爪86c,86d間に形成されているスリット87に配置される。
【0037】
シフトセレクトシャフト73の軸線に沿う方向に1─2速用シフトピース101、所定の前進変速段用シフトピースである3─4速用シフトピース102、5─6速用シフトピース103およびリバース用シフトピース104が並列されており、各シフトピース101〜104の先端部は、切欠き101a,102a,103a,104aをそれそれ形成するようにして略U字状に形成されており、前記シフトアーム90の駆動部90aを前記各切欠き101a〜104aに択一的に係合することを可能として、前記インターロックプレート86のロック爪86c,86dを両側から挟むように配置される。
【0038】
図3に特に注目して、インターロックプレート86の上面すなわち側板86aの上面にはリテーナ124が当接されており、このリテーナ124およびカバー部材71間にはばね125が介装される。またシフトセレクトシャフト73には、インターロックプレート86側に臨む環状の段部73aが設けられており、この段部73aで受けられるばね受け板126および前記リテーナ124間にはばね127が介装される。而してシフトレバー85をニュートラル位置とし、セレクトレバー76に操作力を加えていない状態では、シフトセレクトシャフト73に作用する前記2つのばね125,127が発揮するばね力により、セレクトレバー76は3−4速位置側に付勢され、チェンジレバーLは3−4速セレクト位置P2に保持される。
【0039】
図7を併せて参照して、連動アーム91は、シフトアーム90と、インターロックプレート86の側板86aとの間に挟まれるものであり、シフトセレクトシャフト73を貫通させる円筒部91aがシフトアーム90に先端部を摺接させるようにして連動アーム91に一体に設けられる。また連動アーム91には、シフトセレクトシャフト73の周方向に間隔をあけた第1および第2突起105,106が、前記円筒部91aの外側でシフトアーム90側に向けて突設されており、突起105,106間に対応する位置でシフトアーム90には突起107が連動アーム91側に向けて突設される。
【0040】
シフトアーム90および連動アーム91間には連動アーム91の円筒部91aを囲繞するねじりばね108が設けられており、このねじりばね108は、連動アーム91の突起105にシフトアーム90の突起107を係合させる方向にシフトアーム90および連動アーム91を付勢するばね力を発揮する。これによりニュートラル位置から第2速位置、第4速位置、第4速位置およびリバース位置のいずれかの位置側、ならびに第1速位置、第3速位置および第5速位置のいずれかの位置からニュートラル位置側にシフトアーム90がシフト回動したときには、突起107で突起105が押されることにより連動アーム91がシフトアーム90に連動して回動することになる。また第2速位置、第4速位置、第4速位置およびリバース位置のいずれかの位置からニュートラル位置側、ならびにニュートラル位置から第1速位置、第3速位置および第5速位置のいずれかの位置側にシフトアーム90がシフト回動したときには、ねじりばね108のばね力で連動アーム91がシフトアーム90に連動して回動することになる。
【0041】
1─2速用シフトピース101は、カウンタシャフトSCの軸線と平行な方向に移動可能としてミッションケース11に支持されるとともに1─2速シフトフォーク50を備える1─2速シフトロッド(図示せず)に固定され、3─4速用シフトピース102は、メインシャフトSMの軸線と平行な方向に移動可能としてミッションケース11に支持されるとともに3─4速シフトフォーク52を備える3─4速シフトロッド110に固定され、5─6速用シフトピース103は、メインシャフトSMの軸線と平行な方向に移動可能としてミッションケース11に支持されるとともに5─6速シフトフォーク54を備える5─6速シフトロッド111に固定される。
【0042】
リバース用シフトピース104は、リバースアイドルシャフトSRの軸線と平行な方向に移動可能としてミッションケース11に支持されるリバースシフトロッド112に固定される。一方、リバースシフトフォーク55は、ミッションケース11の右ケース半体12に固定された支持板113に、シフトセレクトシャフト73と平行な軸114を介して回動可能に支承されており、リバース用シフトピース104と一体的に形成された駆動アーム115が、リバースシフトロッド112とともにリバース用シフトピース104が作動するのに応じて、リバースシフトフォーク55を回動駆動するようにして該リバースシフトフォーク55に係合される。
【0043】
連動アーム91は、リバース位置へのシフト操作に伴なうシフトアーム90のシフト回動に連動した回動時に、そのシフト初期には所定の前進変速段用シフトピースたとえば3−4速用シフトピース102を所定量駆動するとともにシフト終期には前記3−4速用シフトピース102を元に戻すようにして、メインシャフトSMを一時的に制動することでギヤ鳴きの発生を防止しつつリバース変速段を確立させる働きをするものである。
【0044】
連動アーム91には、シフトセレクトシャフト73の周方向に間隔をあけた位置で外側方に張出す第1および第2駆動アーム部116,117が一体に設けられており、3−4速用シフトピース102には、第1駆動アーム部116に係合可能な第1係合アーム部118と、第2駆動アーム部117に係合可能な第2係合アーム部119とが、切欠き102aを相互間に挟むようにして一体に設けられる。
【0045】
第1駆動アーム部116は、ニュートラル位置にあるチェンジレバーLをリバースセレクト位置P4にもたらすように操作するのに応じたシフトアーム90および連動アーム91のセレクト移動に伴って、第1係合アーム部119に切欠き102a側から係合し得るように形成される。また第2駆動アーム部117は、リバースセレクト位置P4でチェンジレバーLをリバース位置R側に操作するのに応じたシフトアーム90および連動アーム91のシフト回動に伴って、第2係合アーム部119に切欠き102a側から係合し得るように形成される。
【0046】
而してチェンジレバーLをリバースセレクト位置P4にもたらしたときには、図8(A)で示すように第1駆動アーム部116が第1係合アーム部118に係合し、この際、シフトアーム90の駆動部90aは図8(B)で示すようにリバース用シフトピース104に対応した位置にある。
【0047】
リバースセレクト位置P4でチェンジレバーLをリバース位置R側にシフト操作すると、そのシフト初期には図9(A)で示すように連動アーム91の回動に伴って第1駆動アーム部116で第1係合アーム部118が押されることにより、図9(B)で示すように3−4速用シフトピース102が第4速位置側に所定量だけ押されることになる。この際、3−4速用シフトピース102の第4速位置側への移動を確実なものとするために、インターロックプレート86には、所定量駆動された3−4速シフトピース102の一部を収容する凹部120が設けられる。
【0048】
チェンジレバーLのリバース位置R側へのシフト操作がさらに進行すると、図10(A)で示すように、第1駆動アーム部116の第1係合アーム部118への係合が解除され、第1駆動アーム部116から3−4速用シフトピース102への押圧力の作用は解除される。一方、第2駆動アーム部117が第2係合アーム部119に切欠き102a側から係合し、連動アーム91のリバース位置側へのシフト回動に伴って、第2駆動アーム部117で第2係合アーム部119が押されることになる。これにより、図10(B)で示すように、3−4速用シフトピース102が第4速位置側からニュートラル位置側に戻される。
【0049】
チェンジレバーLのリバース位置R側へのシフト操作終期には、図11(A)で示すように、第2駆動アーム部117で第2係合アーム部119がさらにおされることになり、図11(B)で示すように、3−4速用シフトピース102がニュートラル位置に戻ることになる。
【0050】
さらにチェンジレバーLをリバース位置Rからニュートラル位置側にシフト操作すると、図12(A)で示すように、第1駆動アーム部116が第1係合アーム部118に外側から当接し、連動アーム91の回動が阻止されるので、シフトアーム90はねじりばね108を圧縮しつつ連動アーム91を置き去りにして回動し、図12(B)で示すように、シフトアーム90の駆動部90aがニュートラル位置に戻る。
【0051】
次いでチェンジレバーLがリバースセレクト位置P4から3−4セレクト位置P2に戻ると、図13(A),(B)で示すように、第1駆動アーム部116の第1係合アーム部118への当接が解除されることにより、連動アーム91はねじりばね108のばね力で突起105を突起107に当接させるまで回動し、リバースシフトを開始する前の状態に戻る。
【0052】
ところで、リバース変速段を確立する際に上述のようにメインシャフトSMを一旦制動した後に、1−2速同期機構S1のスリーブ49に設けられたカウンタリバースギヤ48と、メインシャフトSMに固着されたメインリバースギヤ47とに、メインシャフトSMおよびカウンタシャフトSCと平行な方向にスライド可能なリバースアイドルギヤ46の同時噛合が開始されるのであるが、リバースアイドルギヤ46のカウンタリバースギヤ48への摺動噛合に伴って前記スリーブ49が移動すると、1−2速同期機構S1の作用によりメインシャフトSMが回転し難くなり、メインリバースギヤ47にリバースアイドルギヤ46が噛合する際のかき分け荷重が増大する。
【0053】
そこで、図14で示すように、チェンジレバーLのリバース位置R側へのセレクト作動に伴なうインターロックプレート86の作動方向123とは反対側のインターロックプレート86の端部に規制面121が形成される。この規制面121は、第2速位置、第4速位置、第6速位置およびリバース位置側に臨むインターロックプレート86の側面のうち、前記作動方向123とは反対側の端部側面を突出量dだけ残余の側面から突出させるようにして形成されるものである。而して図14(A)で示すように、シフトアーム90の駆動部90aがリバース用シフトピース104以外のシフトピース101,102,103に対応する位置にあるときに、前記規制面121は各シフトピース101〜104のいずれにも対向しない。しかるに図14(B)で示すように、駆動部90aをリバース用シフトアーム104に対応させる位置にシフトアーム90がセレクト駆動せしめられたときに、前記規制面121は、1−2速用シフトピース101の切欠き101aのうち第2速位置側の側面にごくわずかな間隙をあけて対向する。
【0054】
したがってシフトアーム90のリバース位置側へのシフト作動に伴って、リバースアイドルギヤ46がカウンタリバースギヤ48に摺動噛合するのに応じて、カウンタリバースギヤ48が設けられたスリーブ49に、カウンタ1速ギヤ40側への力が作用したとしても、1−2速用シフトピース101が前記規制面121に当接することで該1−2速用シフトピース101に連動、連結された1─2速シフトフォーク50の移動が阻止されているので、1─2速シフトフォーク50で保持されたスリーブ49のカウンタ1速ギヤ40側への移動が阻止される。
【0055】
ところで、前進6段の手動変速機では、上述のようにインターロックプレート86の両側板86a,86b間に、シフトアーム90と、そのシフトアーム90に連動する連動アーム91とが介装されたのであるが、前進段数が奇数段たとえば5段である手動変速機では、図15で示すように、インターロックプレート86の両側板86a,86b間に、シフトアーム90と、前記連動アーム91とは形状を異にしてシフトアーム90に連動するリバースロックカム部材128とが介装される。
【0056】
このリバースロックカム部材128は、前進側最高変速位置である第5速位置からリバース変速位置へのシフトアーム90の回動を阻止する働きをする誤操作防止用のものであり、前記前進6段の手動変速機におけるシフトアーム90および連動アーム91の連動、連結構造と同様の連動、連結構造でシフトアーム90に連動、連結される。
【0057】
而して相互に形状の異なる連動アーム91およびリバースロックカム部材128を予め準備しておき、手動変速機が前進6段であるか、前進5段であるかに応じて択一的に選択することが可能である。
【0058】
次にこの実施例の作用について説明すると、前進変速段が6段である手動変速機のときには、シフトセレクトシャフト73に装着されるインターロックプレート86が備える一対の側板86a,86b間に、シフトアーム90と、シフトアーム90に連動する連動アーム91とが介装され、また前進変速段が5 段である手動変速機のときには、前記両側板86a,86b間に、シフトアーム90と、シフトアーム90に連動するリバースロックカム部材128とが介装される。
【0059】
したがって前進変速段数が異なる複数の手動変速機のチェンジ装置にシフトアーム90を共用化することで、コスト低減を図ることができる。しかも前進変速段の段数に応じた形状を有する連動アーム91およびリバースロックカム部材128を前記段数に応じて選択してシフトアーム90に連動、連結させるようにしているので、前進変速段数に応じて異なるようにしてシフトアーム90に要求される機能を、連動アーム91およびリバースロックカム部材128で果たさせることにより、不要部分がシフトアーム90に残されたままとなることに起因した重量増加が生じるのを防止することができる。
【0060】
また前進変速段が6段である手動変速機のときに用いる連動アーム91は、リバース変速段を確立させるために作動するものであり、前進変速段が5段である手動変速機で用いるリバースロックカム部材128はニュートラル位置からリバース位置へのシフトアーム90の回動を阻止する働きをするものであり、前進変速段が偶数でるか奇数であるかに応じて連動アーム91およびリバースロックカム部材128を択一的に選択するようにしているので、前進変速段の段数に適切に対応して、各チェンジ装置で充分な機能を発揮させることができる。
【0061】
また連動アーム91は、リバース位置へのシフト操作に伴なうシフト初期に所定の前進変速段である3−4速用シフトピース102を所定量駆動するとともにシフト終期には3−4速用シフトピース102を元に戻す働きをするものであり、シフトアーム90がリバース位置側にシフト駆動されるときに、3−4速用シフトピース102が3速変速段を確立するときと同様にメインシャフトSMが制動され、シフト終期にはメインシャフトSMの制動が解除されることになる。
【0062】
したがってリバース変速段専用の機構を不要としてリバース変速段確立時にメインシャフトSMを一時的に制動してギヤ鳴きの発生を防止することができ、メインシャフトSMの軸線に沿う方向での手動変速機のコンパクト化を可能とするとともに、専用機構が不要となる分だけ手動変速機の軽量化を図ることができる。
【0063】
しかもインターロックプレート86には、シフト初期に所定量駆動された3−4速用シフトピース102の一部を収容する凹部120が設けられているので、3−4速用シフトピース102を、リバース変速段確立時に所定量だけ確実に作動せしめるようにして、メインシャフトSMの制動を確実なものとすることができる。
【0064】
さらにインターロックプレート86が、リバース用シフトピース104に駆動部90aを係合させたシフトアーム90をリバース変速段の確立のためにシフト回動させるときにリバースアイドルギヤ46のスライド方向と同一方向への1−2速シフトピース101の移動を阻止する形状に形成されているので、リバース変速段を確立するためにシフトアーム90をリバース位置側にシフト回動する際に、リバースアイドルギヤ46のスライド方向と同一方向に1−2速用シフトピース101が移動することはインターロックプレート68によって阻止される。したがってカウンタリバースギヤ48にリバースアイドルギヤ46を摺動噛合させる際に、1−2速同期機構S1のスリーブ49に該スリーブ49を移動させる力が作用したとしても、スリーブ49を保持する1−2速シフトフォーク50に連動、連結された1−2速シフトピース101の移動が阻止されていることによりスリーブ49が移動することはない。この結果、メインシャフトSMを一旦制動した後に、カウンタリバースギヤ48およびメインリバースギヤ47にリバースアイドルギヤ46の同時噛合が開始されるにあたって、1−2速同期機構S1の同期作用によってメインシャフトSMが回転し難くなる現象が生じることはなく、メインシャフトSMに固定されているメインリバースギヤ47にリバースアイドルギヤ46が噛合する際のかき分け荷重が増大することもないので、リバースシフト操作荷重を低減することができる。
【0065】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、リバース変速段を確立するためにシフトアームがリバース位置側にシフト駆動されるときに、そのシフトアームに一体的に追従回動する連動アームの第1駆動アーム部で所定の前進変速段用シフトピースの第1係合アーム部が強制的に押されることでそのシフト初期に所定の前進変速段用シフトピースが所定量駆動されるので、所定の前進変速段を確立するときと同様にメインシャフトが制動され、またそのシフト終期には連動アームの第2駆動アーム部で所定の前進変速段用シフトピースの第2係合アーム部が強制的に押し戻されることでメインシャフトの制動が解除されることになる。これにより、リバース変速段専用の機構を不要としてリバース変速段確立時にメインシャフトを一時的に制動してギヤ鳴きの発生を防止することができ、メインシャフトの軸線に沿う方向での手動変速機のコンパクト化を可能とするとともに、専用機構が不要となる分だけ手動変速機の軽量化を図ることができる。
【0067】
また請求項2の発明によれば、シフトセレクトシャフトの軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレートが、シフトアームおよび連動アームの一部を覆ってシフトセレクトシャフトに装着され、該インターロックプレートには、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピースの一部を収容する凹部が設けられるので、所定の前進変速段用シフトピースを、リバース変速段確立時に所定量だけ確実に作動せしめるようにして、メインシャフトの制動を確実なものとすることができる。
【0068】
また請求項3の発明の構成によれば、リバース変速段を確立するためにシフトアームがリバース位置側にシフト駆動されるときに、そのシフト初期に所定の前進変速段用シフトピースが、シフトアームに連動する連動アームで所定量駆動されるので、所定の前進変速段を確立するときと同様にメインシャフトが制動され、シフト終期にはメインシャフトの制動が解除されることになり、これにより、リバース変速段専用の機構を不要としてリバース変速段確立時にメインシャフトを一時的に制動してギヤ鳴きの発生を防止することができ、メインシャフトの軸線に沿う方向での手動変速機のコンパクト化を可能とするとと もに、専用機構が不要となる分だけ手動変速機の軽量化を図ることができる。しかもシフトセレクトシャフトの軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレートが、シフトアームおよび連動アームの一部を覆ってシフトセレクトシャフトに装着され、該インターロックプレートには、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピースの一部を収容する凹部が設けられるので、所定の前進変速段用シフトピースを、リバース変速段確立時に所定量だけ確実に作動せしめるようにして、メインシャフトの制動を確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 前進変速段が6段の車両用手動変速機の縦断面図である。
【図2】 チェンジレバーのチェンジパターンを示す図である。
【図3】 図1の車両用手動変速機の要部横断面図である。
【図4】 図3の4−4に沿う車両用手動変速機の要部縦断面図である。
【図5】 インターロックプレート、シフトアームおよび連動アームの側面図である。
【図6】 インターロックプレート、シフトアームおよび連動アームの斜視図である。
【図7】 連動アームおよび3−4速シフトピースの関係を示すための図5の7−7線に沿う断面図である。
【図8】 リバースセレクト位置での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図9】 リバース位置側へのシフト操作初期での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図10】 リバース位置側へのシフト操作途中での連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図11】 リバース位置側へのシフト操作完了時の連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図12】 リバース位置からニュートラル位置へのシフト操作完了時の連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図13】 ニュートラル位置でシフトアームが3−4速セレクト位置に戻ったときの連動アームおよび3−4速用シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図14】 ニュートラル位置でシフトアームが3−4速セレクト位置にあるときのインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(A)で示すとともにニュートラル位置でシフトアームがリバースセレクト位置に移動したときのインターロックプレート、シフトアームおよび各シフトピースの相対位置を(B)で示す図である。
【図15】 前進5段である手動変速機に適用するときのインターロックプレート、シフトアームおよび連動部材を図5に対応させて示す側面図である。
【符号の説明】
73・・・シフトセレクトシャフト
86・・・インターロックプレート
90・・・シフトアーム
91・・・連動アーム
101,103,104・・・シフトピース
102・・・所定の前進変速段用シフトピースとしての3−4速用シフトピース
120・・・凹部
M・・・手動変速機

Claims (3)

  1. セレクト操作に応じた軸方向移動ならびにシフト操作に応じた軸線まわりの回動を可能としたシフトセレクトシャフト(73)にシフトアーム(90)が固定され、前記セレクト操作に応じて択一的にシフトアーム(90)に係合され得る複数のシフトピース(101,102,103,104)が、前記シフトセレクトシャフト(73)の軸線に沿う方向に並列配置される手動変速機のチェンジ装置において、
    前記シフトアーム(90)には、リバース位置へのシフト操作時に該シフトアーム(90)に一体的に追従回動してシフト初期に所定の前進変速段用シフトピース(102)を所定量駆動するとともにシフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピース(102)を元に戻す連動アーム(91)が連動、連結され
    この連動アーム(91)には、前記シフト初期に前記所定の前進変速段用シフトピース(102)の第1係合アーム部(118)と係合して同シフトピース(102)を変速位置側に所定量、強制的に押す第1駆動アーム部(116)と、この第1駆動アーム部(116)に対しシフトセレクトシャフト(73)の周方向に間隔をあけた位置で外側方に張出していて、前記シフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピース(102)の第2係合アーム部(119)と係合して同シフトピース(102)をニュートラル位置に強制的に押し戻す第2駆動アーム部(117)とが一体に設けられることを特徴とする、手動変速機のチェンジ装置。
  2. 前記シフトセレクトシャフト(73)の軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレート(86)が、前記シフトアーム(90)および前記連動アーム(91)の一部を覆って前記シフトセレクトシャフト(73)に装着され、該インターロックプレート(86)には、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピース(102)の一部を収容する凹部(120)が設けられることを特徴とする、請求項1記載の手動変速機のチェンジ装置。
  3. セレクト操作に応じた軸方向移動ならびにシフト操作に応じた軸線まわりの回動を可能としたシフトセレクトシャフト(73)にシフトアーム(90)が固定され、前記セレクト操作に応じて択一的にシフトアーム(90)に係合され得る複数のシフトピース(101,102,103,104)が、前記シフトセレクトシャフト(73)の軸線に沿う方向に並列配置される手動変速機のチェンジ装置において、
    前記シフトアーム(90)には、リバース位置へのシフト操作に伴なうシフト初期に所定の前進変速段用シフトピース(102)を所定量駆動するとともにシフト終期には前記所定の前進変速段用シフトピース(102)を元に戻す連動アーム(91)が連動、連結され、
    前記シフトセレクトシャフト(73)の軸線方向への移動を可能とするとともに軸線まわりの回動を不能としたインターロックプレート(86)が、前記シフトアーム(90)および前記連動アーム(91)の一部を覆って前記シフトセレクトシャフト(73)に装着され、
    該インターロックプレート(86)には、前記シフト初期に所定量駆動された前記所定の前進変速段用シフトピース(102)の一部を収容する凹部(120)が設けられることを特徴とする、手動変速機のチェンジ装置。
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