JP3980299B2 - トンネルの構築方法およびトンネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネルの構築方法およびトンネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来シールド工法で施工されていた都市部の未固結地盤においても、山岳トンネル工法の採用が増加している。都市部での山岳トンネル工法の採用にあたっては、地山をあらかじめ補強しておく補助工法が必要不可欠となる。
補助工法のうち、地表面沈下抑制や切羽安定向上などを目的に、先受け工法が行われる。それでも、支保工脚部が沈下することが多く、先受け工法と併用して、脚部補強工法が採用されることが多い。
【0003】
脚部沈下を抑制する脚部補強工としては、従来から地山注入工法、脚部補強ボルト工法、レッグパイル工法、高圧噴射式レッグパイル工法(ジェットグラウト)などの工法が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの脚部補強工法は、既に上半部を掘削した箇所の下半部を改良する脚部補強であり、これから掘削する切羽奥の支保工脚部を補強するものはほとんどない。また、切羽奥の支保工脚部を改良する工法であっても、切羽から外側斜め下方向を改良するために、切羽奥近傍の改良となり、さらに斜め方向の改良であることから効果的に支保工を載せることができない。従って、無駄な改良部が多くなるうえ、沈下抑制効果は小さい。
【0005】
また、従来技術のほとんどは、先受けおよび支保工からの荷重をハの字状の脚部改良体で支持するような構造である。このため、脚部地盤が強固で上載荷重がそれほど大きくない場合には効果を示すが、脚部地盤の地質が悪く上載荷重が大きい場合は、地表面沈下の発生が懸念され、特に側部のはらみだし、盤ぶくれの発生、路盤の泥濘化などの問題が顕在化してくる。このような場合には、ハの字の改良長を長くしなければならず不経済となる。また、ハの字状であるため、側部からやや離れているため、下半部掘削時に側部地山の崩落が生じることが多い。
【0006】
上記の問題を解決するために、従来技術のうち、ベンチ長を短くしてできるだけ早く閉合を行う場合があるが、トンネルの全断面掘削後のインバート施工あるいは、上半部掘削後の仮インバート施工による閉合であり、掘削前に予め施工するよりは効果が小さい。なお、仮インバート施工は、脚部補強工とは別に実施されるため、コストや工期のロスにつながる。
更に、従来工法では、下半部掘削時に上半部支保工直下を一時的に掘削することになるので、安定性、安全性に問題があり、下半部の支保工設置によるコスト、工期のロスが大きい。
【0007】
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものでその目的とするところは、未掘削部分である切羽前方の支保工脚部を補強するとともに、下半部の側部、インバート部の地盤を改良し、必要に応じて、下半部の支保工部、覆工部の施工を兼ねる改良体を構築するトンネルの構築方法およびトンネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した問題を解決するための第1の発明は、トンネルの上半部の切羽底部両端から未掘削部分である前方斜め下向きに、内側に湾曲し、下半部の掘削線の周辺地山に位置する削孔を設け、前記削孔を用いて、未掘削部分である下半部の掘削線の周辺地山に改良体を設け、内側に湾曲した前記改良体は、前記下半部の底部中央付近で閉合することを特徴とするトンネルの構築方法である。
ここで、内側に湾曲した削孔とは、クワガタの刃のような形状を有し、下半部の底部中央付近で閉合する。
第1の発明では、切羽底部の両端から斜め下向きから内側に向く削孔を設け、この削孔を用いて、下半部掘削線の周囲の地山に内側に湾曲閉合した改良体を構築する。このため、上半部を掘削する場合、地盤の沈下等を防止し、上半部の支保工脚部の沈下を抑制し、トンネルの下半部を掘削する場合、壁面の崩落等が防止できる。また、予め下半部の支保工部、覆工部まで改良する場合は、下半部の構築時に、支保工、覆工を省略できる。
【0009】
第2の発明は、トンネルの上半部の切羽手前の底部両端から、鉛直下向きから内側に湾曲して、又は内側に向けて直線状に、下半部の掘削線の周辺地山に位置する削孔を設け、前記削孔を用いて、未掘削部分である下半部の掘削線の周辺地山に改良体を設けることを特徴とするトンネルの構築方法である。
ここで、内側に湾曲した削孔とは、クワガタの刃のような形状を有する削孔である。また、内側に向けて直線状の削孔とは、逆ハの字状の削孔である。
第2の発明では、トンネルの上半部を掘削した後、上半部の切羽手前両側側部の下部から、下方内側に向き下半部の計画線の周囲の地山に、削孔を設け、注入材等を注入して改良体を設ける。
このため、上半部の支保工脚部の沈下を抑制し、トンネルの下半部を掘削する場合、壁面の崩落等が防止でき、予め下半部の支保工部、覆工部まで改良する場合は、下半部の構築時に、支保工、覆工を省略できる。
【0011】
第3の発明は、トンネルの切羽から前方の未掘削部分に、切羽より下方側に、ほぼ水平に向かう削孔を設け、前記削孔を用いて、前記トンネルの脚部の計画位置の下部に改良体を設け、トンネルの下半部切羽から前方の未掘削部分に、下半部切羽より下方側に、ほぼ水平に向かう複数の削孔を設け、前記削孔を用いて、前記トンネルの下半部の掘削部周辺に改良体を設けることを特徴とするトンネルの構築方法である。
【0012】
第3の発明では、下半部切羽より下半部の計画線周辺に切羽の近くでは曲がっており、計画トンネルの上半部の下方では略水平である複数の削孔を設け、この削孔を用いて、改良体を設ける。このため、上半部の支保工脚部の沈下を抑制し、トンネルの下半部を掘削する場合、壁面の崩落等が防止でき、予め下半部の支保工部、覆工部まで改良する場合は、下半部の構築時に、支保工、覆工を省略できる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明、第2の発明又は第3の発明のトンネルの構築方法で構築されたことを特徴とするトンネルである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態を示すトンネル1の縦断面図であり、図2は、図1のA−A断面図であり、図3は、第1の実施の形態を示すトンネル1の斜視図である。また、図4は、改良体15aおよび下半部掘削線20aを示すトンネル1の縦断面図であり、図5は、改良体15bおよび下半部掘削線20bを示すトンネル1の縦断面図であり、図6は、改良体15cおよび下半部掘削線20cを示すトンネル1の縦断面図である。
【0015】
図1、図2、図3に示すように、上半部5を掘削し、上半部5の切羽9から後方で下半部7を掘削しトンネル1が構築される。図1、図2、図3に示すトンネル1では、補助工法である先受工13、改良体15−(n−1)を設けた後、地山3の上半部5を切羽9までを掘削し、改良体15−(n−1)を脚部補強として支保工11−nが建て込まれている。
【0016】
上半部5の切羽9の底部の両端あたりから、前方の未掘削部分の地山3に、斜め下方内側に向かってクワガタの刃のように曲がる削孔17−nを設ける。
この削孔17−nは、図2に示すように、左右対称に設けられる。
【0017】
削孔17−n内に、注入管(有孔管)を挿入して注入剤の注入を行う地山注入工法や、削孔17−n奥からセメントミルクを高圧噴射するジェットグラウトにより、図1、図2、図3に示す改良体15−nを設ける。
この改良体15−nは、地山3の切羽9奥の未掘削部分の下半部7の計画線の横断面に、シェル状に閉合した状態に設けられる。改良体15―nは、支保工11―(n+1)設置予定位置脚部、下半部7の下半部掘削線20(図4、図5、図6に示す)の内側と外側に施工される。
【0018】
次に、切羽9の前方の地山3をLだけ掘削し、既に構築されている改良体15−nの上部に支保工11−(n+1)を設ける。
改良体15−nは、支保工11−(n+1)の建て込み前に構築されているため、支保工11−(n+1)の建て込み時から支保工11−(n+1)の脚部を補強し、支保工11−(n+1)の脚部沈下を抑制する。
【0019】
以上のように、改良体15を構築し、地山3をLだけ掘削し、支保工11を建て込む工程を繰り返して、トンネル1の上半部5を所定長さ構築する。その後、下半部7を掘削する。
図4から図6は、この下半部7の掘削時の、改良体15および下半部掘削線20の計画位置を示す図である。
【0020】
図4に示すように、下半部掘削線20aは、改良体15aの内部の下半部支保工16の設置位置の外側に計画されている。下半部掘削線20aより内側部分の改良体15aおよび地山3を掘削後、下半部支保工16を設け、下半部7aの覆工14aを設ける。
この時、シェル状の改良体15aによりインバート部19aの施工前に閉合効果が得られるので、仮インバート施工が省略できる。
また、下半部7aの掘削時以前に、下半部7aの下半部支保工16周辺の地山3に改良体15aが既に構築されているため、地山3の下半部支保工16の周辺部分の崩落を防ぐことが出来る。
【0021】
図5に示す下半部掘削線20bは、図4に示す下半部支保工16の設置位置の内側に計画されている。下半部掘削線20bより内側部分の改良体15bおよび地山3を掘削後、下半部7bの覆工14bを設ける。
この時、前記の下半部掘削線20aの掘削時の利点である仮インバート施工の省略や、地山3の下半部支保工16の周辺部分の崩落の防止に加え、下半部支保工16の設置を省略できる。
【0022】
図6に示す下半部掘削線20cは、改良体15cの内側面に計画されている。また、改良体15cの一部は、計画されている覆工14cの一部あるいは全部を含んでいる。下半部掘削線20cより内側部分の地山3を掘削後、下半部7cの覆工14cを設ける。
この時、前記の下半部掘削線20bの掘削時の利点である仮インバート施工の省略や、地山3の下半部支保工16の周辺部分の崩落の防止、下半部支保工16の設置の省略に加え、下半部7cの覆工14cの一部または全部を先に施工でき、掘削時の沈下抑制のためにも役立てることができる。
【0023】
このように、第1の実施の形態によれば、支保工11脚部の沈下を支保工11の建て込み時から抑制することができ、土砂地山に山岳トンネルを建設する際の掘削能率を向上し、安全性を確保することができる。
また、下半部7の掘削前に下半部7の側部18、インバート部19にシェル構造の改良体15を構築することにより、従来のアーチ構造よりも地表面の沈下、側部のはらみだし、盤ぶくれの発生、路盤の泥濘化などのトラブルを防止できる。
【0024】
また、掘削前に切羽9奥の支保工11の脚部、側部18、インバート部19にシェル状の改良体15を構築することにより、八の字型の従来型脚部補強や掘削後に改良する場合に比べて、地表面の沈下、側部のはらみだし、盤ぶくれの発生、路盤の泥濘化などのトラブルを防止できる。
更に、改良体15および下半部掘削線20の位置によっては、下半部7の横断面にシェル状に構築された改良体15により、下半部7の下半支保工16、下半部7の覆工14を一部または全部先に施工できる。
尚、改良体15の構築方法は、前述の地山注入工法やジェットグラウトに限らず、他の工法を用いてもよい。また、先受工13は、必ずしも必要ではない。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。図7、第2の実施の形態を示すトンネル21の縦断面図であり、図8は、図7のB−B断面図である。
図7、図8に示すように、トンネル21は、補助工法である先受工33を設けた後、地山23の上半部25を切羽29までを掘削し、支保工31−(n−1)が建て込まれている。
【0026】
切羽29手前の底部両端より、地山23の未掘削部分である下半部27に、鉛直下向きにクワガタの刃のように曲がる削孔37−nを設ける。
この削孔37−nは、図5に示すように、左右対称に設けられる。削孔37−nを用いて、第1の実施の形態と同様に、改良体35−nを設ける。
【0027】
この改良体35−nは、地山23の切羽29手前下部の未掘削部分である下半部27の計画線の横断面にシェル状に設けられる。改良体35―nは、支保工31―n設置予定位置脚部、下半部27の側部38、インバート部39および下半部27の側部38、インバート部39の周辺地山23に施工される。
この後、上半部35に支保工31−nを建て込む。
【0028】
改良体35−nは、支保工31−nの建て込み前に構築されているため、支保工31−nの建て込み時から支保工31−nの脚部を補強し、支保工31−nの脚部沈下を抑制する。
以上のように、改良体35を構築し、地山23をLだけ掘削し、支保工31を建て込む工程を繰り返して、トンネル21の上半部25を所定長さ構築する。その後、下半部27を掘削し、下半部27を構築する。
【0029】
この下半部27の構築時、第1の実施の形態と同様に、下半部27横断面に構築された改良体35により仮インバートの施工が省略できる。また改良体35および下半部掘削線の位置により下半支保工、下半部27の覆工を一部または全部先に施工できる。
【0030】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、支保工31の建て込み時からの脚部沈下の抑制、地表面の沈下、側部のはらみだし、盤ぶくれの発生、路盤の泥濘化などのトラブルを防止等の効果を得る。
尚、第2の実施の形態においても、改良体35の構築方法は、前述の地山注入工法やジェットグラウトに限らず、他の工法を用いてもよい。また、先受工33は、必ずしも必要ではない。
【0031】
図9、図10、図11は、第1、第2の実施の形態における改良体15、改良体35の別の形状を示す図である。図9は、改良体55を設けたトンネル41の横断面図、図10は、改良体75を設けたトンネル61の横断面図、図11は、改良体95を設けたトンネル81の横断面図である。
【0032】
図9に示すように、左右の改良体55は、中央部分で完全に閉合せず分離している。この場合、下半部47の施工時にインバート部59を施工することにより、第1、第2の実施の形態と同様の効果を得つつ、トンネル41の下半部47を構築できる。
43は地山、45は上半部、51は支保工(設置予定位置)、53は先受工を示す。
【0033】
また、図10に示すように、改良体75は、逆ハの字形の直線状の形状でもよい。改良体75の大部分は、下半部67の掘削線76の外側に設けられる。改良体75の下半部67の掘削線76の内側部分は、下半部67の掘削時に、地山63と同様に掘削し、インバート部79を施工することにより、第1、第2の実施の形態と同様の効果を得つつ、トンネル61の下半部67を構築できる。
65は上半部、71は支保工(設置予定位置)、73は先受工を示す。
【0034】
また、図11に示すように、改良体95は、下半部87の掘削線96の外側部分と内側部分にわたって設けられ、改良体95の大部分は、下半部87の掘削線96の外側に設けられる。下半部87の掘削線96より内側の改良体95は、下半部87の掘削時に、地山83と同様に掘削し、第1、第2の実施の形態と同様の効果を得つつ、トンネル81の下半部87を構築できる。
85は上半部、91は支保工(設置予定位置)、93は先受工を示す。
【0035】
次に、本発明の第3の実施の形態を詳細に説明する。図12は、第3の実施の形態を示すトンネル101の縦断面図であり、図13は、図12のC方向矢視図であり、図14は、図12のD−D断面図である。
図12、図13、図14に示すように、トンネル101は、補助工法である先受工113を設けた後、地山103の上半部105を切羽109までを掘削し、支保工111−nが建て込まれている。
【0036】
計画トンネルの支保工111の脚部の予定位置に沿うように地山103に、切羽109手前の上半部105より、削孔117―mを設ける。
即ち、図12、図13、図14に示すように、この削孔117―mは、計画トンネルの上半部105の支保工111設置予定位置の脚部に、1対設けられ、切羽109の近くでは曲がっており、計画トンネルの上半部105の下方では略水平である。
【0037】
この削孔117―mを用いて、第1の実施の形態と同様に、改良体である支保工脚部補強115−mを設ける。この支保工脚部補強115−mは、計画トンネルの上半部105の支保工111設置予定位置の脚部に、1対設けられる。
この後、地山103をLだけ掘削し、支保工111−(n+1)を建て込む。
【0038】
支保工脚部補強115−mは、支保工111−(n+1)の建て込み前に構築されているため、支保工111−(n+1)の建て込み時から支保工111−(n+1)の脚部を補強し、支保工111−(n+1)の脚部沈下を抑制する。
以上のように、支保工脚部補強115−mを構築し、地山103をLだけ掘削し、支保工111を建て込む工程を繰り返して、トンネル101の上半部105を所定長さ構築する。その後、下半部107を掘削し、下半部107を構築する。
【0039】
尚、前述した実施の形態では、上半部と下半部とに分けて掘削を行っているが、多段ベンチ工法の場合には、上段ベンチと下段ベンチに対して、本発明を用いることもできる。
また、第3の実施の形態においても、改良体である支保工脚部補強115の構築方法は、前述の地山注入工法やジェットグラウトに限らず、他の工法を用いてもよい。
また、先受工113は、必ずしも必要ではない。
【0040】
次に、本発明の第4の実施の形態を詳細に説明する。図15は、第4の実施の形態を示すトンネル121の縦断面図であり、図16は、図15のE方向矢視図であり、図17は、図15のF−F断面図である。
図15、図16、図17に示すように、トンネル121は、補助工法である先受工133を設けた後、地山123の上半部125を切羽129までを掘削し、支保工131−nが建て込まれている。
【0041】
第3の実施の形態と同様に、支保工131の設置予定位置の脚部に沿うように地山123に、切羽129手前の上半部125より、削孔137―mを設け、この削孔137―mを用いて、改良体である支保工脚部補強135−mを設ける。
この後、地山123をLだけ掘削し、支保工131−(n+1)を建て込む。
以上のように、支保工脚部補強135−mを構築し、地山123をLだけ掘削し、支保工131を建て込む工程を繰り返して、トンネル121の上半部125を所定長さ構築する。
【0042】
次に、または、前述の工程と同時進行して、下半部127の下半部切羽128より、前方の地山123の未掘削部分の下半部127の計画線の横断面の周囲に、既に構築されている支保工脚部補強135−mの下に並ぶように、複数の削孔136−(m−1)を設ける。この削孔136−(m−1)は、下半部切羽128の近くでは曲がっており、計画トンネルの上半部125の下方では略水平である。
【0043】
各々の削孔136−(m−1)を用いて、第1の実施の形態と同様に、改良体であるインバート改良体134−(m−1)を設ける。このインバート改良体134−(m−1)は、下半部127の下半部切羽128より、前方の地山123の未掘削部分の下半部127の計画線の横断面の周囲に、既に構築されている支保工脚部補強135−mの下にシェル状に一体となって連なって並び、下半部127のインバート部139部分に構築される。
【0044】
その後、下半部127を掘削し、下半部127を構築する。
この下半部127の構築時、第1の実施の形態と同様に、下半部127横断面に並ぶように構築された支保工脚部補強135−m、インバート改良体134−(m−1)により仮インバートの施工が省略できる。また下半部掘削線の位置により下半支保工、下半部127の覆工を一部または全部先に施工できる。
【0045】
また、第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、支保工31の建て込み時からの脚部沈下の抑制、地表面の沈下、側部のはらみだし、盤ぶくれの発生、路盤の泥濘化などのトラブルを防止等の効果を得る。
【0046】
尚、第4の実施の形態においても、改良体である支保工脚部補強135、インバート改良体134の構築方法は、前述の地山注入工法やジェットグラウトに限らず、他の工法を用いてもよい。
また、先受工133は、必ずしも必要ではない。
【0047】
このように、本発明によれば、土砂地山に山岳トンネルを建設する際に、支保工脚部を掘削前に改良することにより、内空変位、地表面沈下を抑制する。
また、シェル状の改良体を下半部に設けることにより、内空変位、地表面沈下を抑制し、下半部の側壁崩落を防止し、更に、下半部の仮インバートンバート等の施工を省略できる。また改良体および下半部掘削線の位置により下半支保工、下半部の覆工を一部または全部先に施工できる。
これにより、土砂地山に山岳トンネルを建設する際に、品質、安全性が向上し、工期、コストの軽減が図れる。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、未掘削部分である切羽前方の支保工脚部を補強するとともに、下半部の側部、インバート部の地盤を改良し、側部、必要に応じて、下半部の支保工部、覆工部の施工を兼ねる改良体を構築するトンネルの構築方法およびトンネルを提供することができる。
また、従来シールド工法を適用していた地山に対しても、本発明を利用して土砂NATMを用いてトンネルを構築できるようになり、コストを縮減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態を示すトンネル1の縦断面図
【図2】 図1のA―A断面図
【図3】 第1の実施の形態を示すトンネル1の斜視図
【図4】 改良体15aおよび下半部掘削線20aを示すトンネル1の縦断面図
【図5】 改良体15bおよび下半部掘削線20bを示すトンネル1の縦断面図
【図6】 改良体15cおよび下半部掘削線20cを示すトンネル1の縦断面図
【図7】 第2の実施の形態を示すトンネル21の縦断面図
【図8】 図7のB―B断面図
【図9】 改良体55を設けたトンネル41の横断面図
【図10】 改良体75を設けたトンネル61の横断面図
【図11】 改良体95を設けたトンネル81の横断面図
【図12】 第3の実施の形態を示すトンネル101の縦断面図
【図13】 図12のC方向矢視図
【図14】 図12のD−D断面図
【図15】 第4の実施の形態を示すトンネル121の縦断面図
【図16】 図15のE方向矢視図
【図17】 図15のF―F断面図
【符号の説明】
1、21、41、61、81、101、121…トンネル
5、25、45、65、85、105、125…上半部
27、47、67、87、107、127…下半部
9、29、49、69、89、109、129…切羽
11、31、51、71、91、111、131…支保工
15、35、55、75、95、115、…改良体
17、37、57、77、97、117、136、137…削孔
18、38、58、78、98、118、138…側部
39、59、79、99、119、139…インバート部
20…下半部掘削線
128…下半部切羽
134…インバート改良体
135…支保工脚部補強

Claims (11)

  1. トンネルの上半部の切羽底部両端から未掘削部分である前方斜め下向きに、内側に湾曲し、下半部の掘削線の周辺地山に位置する削孔を設け、
    前記削孔を用いて、未掘削部分である下半部の掘削線の周辺地山に改良体を設け、内側に湾曲した前記改良体は、下半部の底部中央付近で閉合することを特徴とするトンネルの構築方法。
  2. トンネルの上半部の切羽手前の底部両端から、鉛直下向きから内側に湾曲し、又は内側に向けて直線状に、下半部の掘削線の周辺地山に位置する削孔を設け、
    前記削孔を用いて、未掘削部分である下半部の掘削線の周辺地山に改良体を設けることを特徴とするトンネルの構築方法。
  3. 内側に湾曲した前記改良体は、下半部の底部中央付近で閉合することを特徴とする請求項2記載のトンネルの構築方法。
  4. 前記改良体は、下半部の底部では分離されることを特徴とする請求項2記載のトンネルの構築方法。
  5. 前記改良体は、下半部の掘削線の外側および内側に設けられ、下半部の掘削線の内側部分の前記改良体は、下半部の掘削時に掘削されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネルの構築方法。
  6. 前記改良体を設けた後、切羽を掘削して、前記改良体の上部に支保工を構築することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネルの構築方法。
  7. トンネルの切羽から前方の未掘削部分に、切羽より下方側に、ほぼ水平に向かう削孔を設け、
    前記削孔を用いて、前記トンネルの脚部の計画位置の下部に改良体を設け、
    トンネルの下半部切羽から前方の未掘削部分に、下半部切羽より下方側に、ほぼ水平に向かう複数の削孔を設け、
    前記削孔を用いて、前記トンネルの下半部の掘削部周辺に改良体を設けることを特徴とするトンネルの構築方法。
  8. 前記改良体の掘削線の内側部分を掘削し、前記改良体の前記掘削線の外側部分を支保工部または覆工部とすることを特徴とする請求項7記載のトンネルの構築方法。
  9. 前記改良体は、前記削孔に有孔管を挿入し、周囲に注人材を注入したものであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載のトンネルの構築方法。
  10. 前記改良体は、前記削孔にジェットグラウトを注入したものであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載のトンネルの構築方法。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載のトンネルの構築方法で構築されたことを特徴とするトンネル。
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