JP3980101B2 - 結晶質アントラサイクリン抗生物質およびその製造方法 - Google Patents

結晶質アントラサイクリン抗生物質およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アントラサイクリン抗生物質の新規な結晶質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次式(I)
【0003】
【化2】
Figure 0003980101
【0004】
で表されるアントラサイクリン抗生物質[3′−デアミノ−3′−(4−モルホリニル)−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン:以下、「MX2」と略記する]は、次式(II)
【0005】
【化3】
Figure 0003980101
【0006】
で表される13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン(以下、「5C」と略記する)から化学合成的に転化されている化合物であり、その優れた抗腫瘍性が注目されている(例えば、特開平5−310772号公報参照)。
【0007】
しかし、提供されている固形MX2は、非晶質粉末であるか、あるいは一応結晶質に分類されるとしても吸湿性が高くしかも安定性に劣るものにすぎない。MX2を医薬品として製剤化するとの観点に立てば、その最終原末であるか否かを問わず、中間製品であっても、それらが備える性質は重要な意義をもつことになる。例えば、化学安定性に劣る場合には保存に厳重な注意を要することになり、吸湿性が高いと取り扱いが困難となり、また残存溶媒が認められる場合には、医薬品としての用途を考慮すると、致命的な短所にもなりかねないからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明の目的は少なくとも化学安定性に優れ、好ましくは、さらに吸湿性が低くしかも残存溶媒が実質的に認められないMX2の固形製品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねてきたところ、容易に製造できるMX2の特定の結晶形態が優れた化学安定性を示し、またその中の一種は吸湿性が低く、残存溶媒の問題も解消できることを見い出した。
【0010】
したがって、本発明によれば、MX2の結晶質であって、X線粉末回折法により測定した場合の特徴的な2θ値(°)として
(A) 少なくとも5.08、7,20、9.76および19.00またはそれらに近似した値を示すか、あるいは
(B) 少なくとも6.66、10.68、11.42、13.40、17.10、19.42、20.00および22.86またはそれらに近似した値を示す、
結晶質が提供される。
【0011】
また本発明によれば、MX2の含有溶液または懸濁液から上記結晶質を製造する方法であって、
前記含有溶液または懸濁液の溶媒が、メタノール、クロロホルム−メタノール(容量比、1:5以上)の混合液およびアセトンからなる群より選ばれ、そして前記含有溶液または懸濁液が晶析法に供される段階を含んでなる方法も提供される。
【0012】
【発明の具体的な記述】
本発明によるMX2の結晶質は、X線粉末回折法(デバイ−シェラー法)により測定した場合に、特徴的2θ値(°)として、
(A) 少なくとも5.08、7.20、9.76および19.00またはそれらに近似した値を示すか、あるいは
(B) 少なくとも6.66、10.68、11.42、13.40、17.10、19.42、20.00および22.86またはそれらに近似した値を示す点に特徴を有する(図1参照:図中の▲3▼が(A)に相当し、▲4▼及び▲5▼が(B)に相当する)。なお、本明細書において2θを記載する際に、「少なくとも」と規定するのは、本発明に従う結晶質は特徴的なピーク値として、少なくとも列挙した2θを示すことを意味し、また「それらに近似した値」とは、測定機器もしくは試料の調製条件等の相違に基いて、生じうる変動の範囲内にある値を意味する。なお、上記値は、JOEL JDX8030型X線回折装置(日本電子株式会社製)を使用し、ステップ角度0.02°、係数時間1.0秒、管電圧40.0kV、管電流20.0mAで測定したときの特徴的な値いである。
【0013】
これらの結晶質は、従来のMX2の無定形粉末(図1の▲1▼に相当)および一応結晶質と認められるもの(図1の▲2▼に相当)と、それらの結晶形態が明確に区別される。そして後述するように、(A)の結晶質は吸湿性においては、従来法によるものに比べて特に優れているとはいえないのにもかかわらず、化学的安定性に極めて優れた特性を有し、そして(B)の結晶質は、吸湿性および化学的安定性の両者において、極めて優れた特性を有する。したがって、本発明の目的上、(B)の結晶質が特に好ましい。
【0014】
上記本発明の結晶質は、もう一つの本発明である結晶質の製造方法によって、有利に提供できる。従来法によれば、相対純度が90%を超えるMX2含有濃厚溶液(クロロホルム溶液)へ単に過剰のヘキサンを加えて沈殿を得ることにより、主として実質的に無定形の粉末が提供されていた(特開平5−310772号公報参照)か、あるいは、MX2のクロロホルム(過剰)−メタノール溶液(例えば、容量比、9:1)に、それらの総容量を若干上回るメタノールを添加することにより晶析して結晶質(図1の▲2▼に相当)を得ていた(最終クロロホルム−メタノール容量比 13:14)。
【0015】
しかし本発明によれば、無定形MX2粉末をアセトンに懸濁させて(例えば、相対純度が90%を超えるMX2粉末対アセトンが重量比で、1:10〜1:100)結晶転移させるか、あるいはMX2粉末を熱メタノールに溶解(例えば、上記MX2粉末対メタノールが重量比で、1:400〜1:800)した後、放冷するか、またはMX2粉末をメタノールに懸濁させて(例えば、上記MX2粉末対メタノールが重量比で、1:10〜1:100)結晶移転させるか、あるいはMX2粉末をクロロホルムに溶解した後(例えば、上記MX2粉末対クロロホルムが重量比で、1:3〜1:50)、過剰のメタノール(クロロホルムの約10倍重量)を添加して晶析させることにより、上記本発明の結晶質MX2を得ることができる。なお、上記アセトンを使用する方法により、図1の▲3▼に示される結晶質が得られる。
【0016】
本発明にいう晶析法は、上記結晶転移を包含する概念で使用されていることを理解されたい。したがって、本発明の晶析法は、上記懸濁液を室温(18〜27℃)で数10分、好ましくは60分程度撹拌するか、あるいは上記溶液を氷冷(約5℃)下に静置することによって実施することができる。
【0017】
上記MX2は、通常、5Cから特開平5−310772号公報に記載される方法によって化学的に転化したものが使用できる。一方、5Cは、特開昭60−8300号公報に記載される発酵法により製造される、次式(III)
【0018】
【化4】
Figure 0003980101
【0019】
の13−デオキソ−10−カルボキシカルミノマイシンから、特公平2−12959号公報に記載の方法によって転化するか、あるいは特開昭61−76498号公報に記載の発酵法により直接得ることができる。
【0020】
したがって、MX2の製造原料である5Cは、通常の発酵法により副生する類縁アントラサイクリンやその他の夾雑物を伴う傾向があるので、培養液から5Cを回収する際には十分な注意が必要である。参考までに、5Cの回収に関して特開昭61−7649号公報に記載された方法の要約を以下に引用しておく。
【0021】
アクチノマジュラ ロゼオビオラセエ(Actinomadura roseoviolacea)R20×2(微工研菌寄第7138号)を、それ自体既知の栄養培地で好気的に培養して得られる培養物から菌体を除去して培養液を調製する。次いで、培養液を1N塩酸でpH2に調整した後、吸着性多孔質ポリマー[ダイヤイオンHP20(三菱化成社製)]のカラムに通して目的物を吸着させ、次いで蒸留水および50%メタノールで洗浄した後、メタノールで目的物を溶出し、さらに溶出液を濃縮し、濃縮液へのヘキサン添加により沈殿物として5C(該公報ではR20X2と称されている)の粗標品を得ている。そして、粗標品をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理し、次いでシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)にかけた後、目的画分からの溶出物をクロロホルム中での再結晶にて精製5Cを得ている。
【0022】
次に、こうして得られる5CからのMX2の製造法は、上述したとおり特開平5−310772号公報の記載に従って実施することができる。参考までに、上記方法を要約しておく。5Cを、例えば少量の酢酸を加えたメタノール溶媒中、ジメチルアミンボランやトリメチルアミンボランの存在下で1,4−ジオキサン−2,6−ジオールと反応させると高収率で5CをMX2に転化することができる。反応液からのMX2の回収は、クロロホルム抽出、抽出液の濃縮、濃縮液へのヘキサンの添加による沈殿の生成、次いで沈殿物の乾燥によりMX2を粗粉末として得ることができる。この粗粉末は必要によりシリカゲルクロマトグラフィー等を用いてさらに精製することができる。
【0023】
本発明の結晶質MX2を製造するために使用することのできるMX2粉末としては、本発明の目的に沿う限り、上記粗粉末を初めいずれの粉末であってもよいが、通常、92%以上の純度、好ましくは95%以上の純度をもつものを挙げることができる。
【0024】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
例1(参考):粗5Cの精製
粗5C粉末204mg(5C含量157mg、相対純度*92.7%、HPLCの分析結果、5Cより保持時間の大きい不純物含量4.65%)を酸性水(pH2.5、HCl)に溶解して、この溶液をHP−20のカラム(50ml)にかけた。同酸性水100mlで洗浄した後、メタノール−酸性水(pH2.5、HCl)(40:60)100mlおよびメタノール−酸性水(pH2.5、HCl)(70:30)300mlで溶出させた。得られた5C分画を4N水酸化ナトリウムでpH8.5とし、クロロホルムで抽出、濃縮後、ヘキサンを加えて沈殿を生じさせ88mgの粉末を得た。なお、以上の処理は室温下で行った。
【0026】
上記相対純度を質出するのに行ったHPLCの分析条件:
カ ラ ム:YMC A−312(ワイ・エム・シー社製)
移 動 相:アセトニトリル−水(35:65、pH2.0、H3PO4
流 速:1.0ml/min
検 出:UV(254nm)
*相対純度:該HPLC分析の結果得られる5Cのピーク面積の総ピーク面積に対する割合
例2(参考):5CからのMX2の製造
5C 200mg(0.39ミリモル)をメタノール(20ml)に溶解し、酢酸(20μl)を加えて5℃に冷却した。メタノール1.4mlに溶解した1,4−ジオキサン−2,6−ジオール140mg(1.17ミリモル)及びジメチルアミンボラン46mg(0.78ミリモル)を上記の溶液に加えて、室温で1時間反応させた。反応終了後、0.5%リン酸水溶液(pH1.8)40mlを加えて15分撹拌した後、水で希釈して100mlとした。この反応液を高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析系の移動相で10倍に希釈して定量分析を行なったところ、生成したMX2の収量は157mg(収率79%)であった。
【0027】
反応液100mlのうち96mlをクロロホルム100mlで洗浄した後、1規定の水酸化ナトリウム水溶液でpH8.0に調節し、これにクロロホルム200mlを加えて混合した。有機層を分離して水50mlで洗浄し、濃縮した後に、過剰のヘキサンを加えて沈殿を得た。この沈殿を真空乾燥することにより195mgの粗粉末を得た。186mgの粗粉末をシリカゲルクロマトグラフィー(和光ゲルC200;5g)に付し、クロロホルム−メタノール(100:1.35)の混合溶媒で溶出させて目的物を得た。目的物を含有する溶出分画にリン酸水溶液(pH2.5)20mlを加えて混合し、水層を分離した。この水層をクロロホルム10mlで洗浄した後、1規定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.0に調節し、クロロホルム20mlで目的物を抽出した。クロロホルム層を飽和塩化ナトリウム水溶液10mlで洗浄した後、少量に濃縮し、過剰のヘキサンを加えて沈殿を得た。この沈殿を60℃で真空乾燥し、純粋なMX2の橙色粉末11.4mgを得た。
【0028】
例3(比較例):無定形粉末の調製
45gのMX2をクロロホルム1lに溶解した。室温下、この溶液にヘキサン10lを添加して沈殿を生じさせた後、沈殿物を濾取、乾燥(60℃、3時間、減圧下)することにより赤褐色の粉末42gを得た。この粉末のX線粉末回折法の測定結果は、図1の▲1▼のとおりであった。なお、測定条件は、ステップ角度 0.02°、計数時間 1.0秒、管電圧 40.0kV、管電流 20.0mAによる(以下同じ)。
【0029】
例4(比較例):I型結晶質の調製
室温下、30gのMX2をクロロホルム−メタノール(9:1)200mlに溶解し、この溶液にメタノール250mlを加え、5℃にて14時間静置した。析出した沈殿を濾取、乾燥(例3に同じ)して、赤褐色の結晶性粉末26gを得た。こうして得られた生成物の結晶形態をI型と称する(X線粉末回折法の結果は図1の▲2▼を参照されたい)。
【0030】
例5(本発明):II型結晶質の調製
10gのMX2をアセトン200mlに懸濁し、室温下で1時間撹拌して結晶転移を起こさせた。沈殿を濾取、乾燥(例3に同じ)して、赤橙色の結晶性粉末7.7gを得た。こうして得られた生成物の結晶形態をII型と称する(X線粉末回折法の結果は図1の▲3▼を参照されたい)。
【0031】
例6(本発明):III型結晶質の調製
10gのMX2をメタノール200mlに懸濁し、室温下で1時間撹拌して結晶転移を起こさせた。沈殿を濾取、乾燥(例3に同じ)して、赤橙色の結晶性粉末8.9gを得た。こうして得られた生成物の形晶形態をIII型と称する(X線粉末回折法の結果は図1の▲4▼を参照されたい)。
【0032】
例7(本発明):III型結晶質の調製
50gのMX2をクロロホルム1lに溶解し、室温下でメタノール10lを添加した後、1時間撹拌して沈殿を生じさせた。沈殿物を濾取、乾燥(例3に同じ)して、赤橙色の結晶性粉末45gを得た。この結晶性粉末は、例6で得られたものと同様のX線粉末回折法の結果を示した。
【0033】
例8(本発明):III型結晶質の調製
1gのMX2を熱メタノール550mlに溶解した後、5℃にて10日間静置した。沈殿を濾取、乾燥(例3に同じ)して、赤橙色の結晶0.59gを得た。この結晶の形態も上記III型に分類できるものであった(X線粉末回折法の結果は図1の▲5▼を参照されたい)。
【0034】
例9:吸湿性試験
例3〜7で得られた粉末(または結晶)を、それぞれ25℃、相対湿度35%の条件下に14時間保存し、含湿度を測定した。結果を下記に示す(なお、例6〜8由来の結晶は同様の結果を与えた)。
【0035】

粉末の形態 非晶質 I型 II型 III型
含湿度(%) 1.4 2.6 3.2 0.3
上記より、III型は吸湿性が極めて低いことが認められる。
【0036】
例10:化学的安定性試験
例9で使用したのと同じ試料(III型については例6の結晶性粉末)を、それぞれ60℃の条件下に3ケ月間気密容器中で保存し、類縁化合物の出現量をHPLCで分析定量し、試料中の含量を算出した。結果を下記に示す。
【0037】

粉末の形態 非晶質 I型 II型 III型
類縁化合物の増加率 ( ) 0.8 4.0 0.1 0.2
上記より、II型およびIII型は優れた化学的安定性を有することが認められる。
【0038】
HPLC分析条件
カラム:YMC A−312(ワイ・エム・シー社製)
移動相:アセトニトリル−水(35:65)(pH2.0、H3PO4
流 速:約1.5ml/min
検 出:UV(254nm)
例11:残存溶媒
例10で使用したのと同じ試料を、それぞれガスクロマトグラフィー(GC分析)にかけ、残存溶媒量を測定した。結果を下記に示す。
【0039】
Figure 0003980101
上記より、III型は特に残存溶媒が少ないことが認められる。
【0040】
GC分析条件
操作条件
検 出 器 :水素炎イオン化検出器
カ ラ ム :内径約3mm、長さ約2mのガラス管に60〜80メッシュの多孔質高分子粒[Adsorb P−1(西尾工業)]を充填する。
【0041】
カラム湿度 :130°で5分間実施し、次いで2分間で170°に昇温維持する。
【0042】
気化室温度 :200°付近の一定温度
キャリア−ガス:窒素
流 量 :内標準物質の保持時間が約3.5分になるような一定流量(50ml/min)
例12:帯電性試験
例10で使用したのと同じ試料に、それぞれ金属製のスパーテルを近づけ静電気を調べた。非晶質およびI型結晶質では静電気による粉末の飛散が見られたが、II型およびIII型結晶質ではそのような飛散は生じなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、化学的安定性および/または抗吸湿性に優れたMX2の結晶質が提供される。さらに、そのような結晶質の簡易な製造方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】MX2の粉末および各種結晶形態のX線粉末回折法による測定結果を示すチャートである。

Claims (3)

  1. 次式(I)
    Figure 0003980101
    で表されるアントラサイクリン抗生物質の結晶質であって、X線粉末回折法により測定した場合の特徴的な2θ値(°)として
    (A) 少なくとも5.08、7.20、9.76および19.00またはそれらに近似した値を示すか、あるいは
    (B) 少なくとも6.66、10.68、11,42、13.40、17.10、19.42、20.00および22.86またはそれらに近似した値を示す、
    結晶質。
  2. 特徴的な2θ値(°)として、少なくとも6.66、10.68、11.42、13.40、17.10、19.42、20.00および22.86またはそれらに近似した値を示す、請求項1記載の結晶質。
  3. 式(I)で表されるアントラサイクリン抗生物質の含有溶液または懸濁液から請求項1記載の結晶質を製造する方法であって、
    前記含有溶液または懸濁液の溶媒が、メタノール、クロロホルム−メタノール(重量比、1:5以上)の混合液およびアセトンからなる群より選ばれ、そして
    前記含有溶液または懸濁液が晶析法に供される段階を含んでなる方法。
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