JP3979579B2 - 安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器及び相互位相変調型波長変換器の安定制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器及び相互位相変調型波長変換器の安定制御方法に関するものである。更に詳細には、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信方式に基づく光波ネットワーク内で、信号波長の衝突回避や波長パスルーティング(波長による経路決定)等を目的として使用される相互位相変調型波長変換器において、相互位相変調型波長変換器に入力される信号光のパワーが変動しても、安定して波長変換動作ができるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信ネットワークには情報伝達量を向上させるため、高速化・大容量化及び長距離伝送化が求められている。このうち、大容量化を飛躍的に増大させる技術として波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信方式が開発された。このWDM通信方式は、波長の異なる多数の光(n本のビーム)を波長合波器で多重して1本の光ファイバに結合し、長距離伝送した後に、波長分波器で波長ごとに分離して信号を取り出す方式である。このように、波長の異なるn本のビームを同じ1本の光ファイバ中に通すことにより光ファイバ当りの総伝送容量をn倍にすることができる。例えば各波長の伝送ビットレートを10Gb/s、用いる波長数を32とすれば、1本の光ファイバで320Gb/sという極めて大きな伝送容量を得ることができる。
【0003】
上記WDM通信方式を用いたWDMネットワークには種々のものがあり、それぞれのネットワークで使用する波長は異なるため、ネットワーク間を接続する際に、一方のネットワークで使用する波長から他方のネットワークで使用する波長へ信号光を変換する波長変換器が必要となる。
【0004】
この波長変換器のうち、光電変換することなく、信号光を光のままで波長変換する全光方式の波長変換器の変調方式としては、次の4種類が知られている。
(1)相互位相変調(XPM:Cross Phase Modulation)
(2)相互利得変調(XGM:Cross Gain Modulation)
(3)発信抑圧型
(4)4波混合(FWM:Four Wave Mixing)
【0005】
上記波長変換器のうち、相互位相変調(XPM:Cross Phase Modulation)を利用した従来の相互位相変調型波長変換器を、図6を参照して説明する。
【0006】
図6に示す相互位相変調型波長変換器1は、ハイブリッド集積回路により構成したものである。この相互位相変調型波長変換器1では、プラットホーム2の面上に形成した平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)による光導波路と、プラットフォーム2の面上に配置された半導体光増幅器アレイ3により、マッハツェンダ型光干渉回路が形成されている。このマッハツェンダ型光干渉回路は、入力ポート11,12と、出力ポート13,14と、光合分波器21,22,23,24を有している。また出力ポート13に接続した状態で光フィルタ30が備えられている。
【0007】
半導体光増幅器アレイ3は、2つの半導体光増幅器3a,3bを有しており、各半導体光増幅器3a,3bは、SOA部(活性層部)と入力端面および出力端面に形成したスポットサイズ変換部(SS部)とをモノリシックに集積したSS−SOA素子である。しかも、マッハツェンダ型光干渉回路の第1のアーム導波路に半導体光増幅器3aが介装され、第2のアーム導波路に半導体光増幅器3bが介装される状態で、半導体光増幅器アレイ3が実装されている。
【0008】
このような構成となっている相互位相変調型波長変換器1では、例えば、波長がλsの信号光Psを入力ポート11に入力し、波長がλcの連続光である制御光Pcを入力ポート12に入力する。
【0009】
そうすると、入力ポート12に入力された制御光Pcは、光合分波器21にて2分岐されて、半導体光増幅器3a,3bに入射され、この半導体光増幅器3a,3bを通過した後に再び光合分波器24にて合波されて、出力ポート13または出力ポート14から出力される。
【0010】
また、信号光Psは光合分波器22を介して一方の半導体光増幅器3aにのみ入射され、他方の半導体光増幅器3bには入射されない。そうすると、半導体光増幅器3aの利得飽和によってキャリア密度が減少し、これによって屈折率変化が引き起こされる。この結果、両方の半導体光増幅器3a,3bを通過した制御光Pcが光合分波器24で合波したときに、屈折率変化による位相変化が強度変化となって現れる。
【0011】
このため、出力ポート13からは、波長成分がλsとλcであると共に、信号光Psのデータ波形に対して強度が反転した変換信号光P が出力される。また出力ポート14からは、波長成分がλsとλcであると共に、信号光Psのデータ波形に対して強度が非反転となっている変換信号光P が出力される。
【0012】
出力ポート13に接続された光フィルタ30は、波長がλcの波長成分光のみを通過させるフィルタリング特性を有している。このため、変換信号光P を、光フィルタ30に通すことにより、波長がλcで、信号光Psのデータ波形に対して強度が反転した波長変換信号光Pc-outが得られる。
なお、光フィルタ30を出力ポート14に接続すれば、出力ポート14から出力された変換信号光P が、光フィルタ30を通過することにより、波長がλcで、信号光Psのデータ波形に対して強度が非反転となっている波長変換信号光Pc-outが得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような相互位相変調型波長変換器における安定動作制御技術は実用的に重要な課題である。これまで入力信号光パワーの許容度を拡大する回路については幾つか提案されているが、実際に安定動作を確認するためには出力されてきた波長変換信号光Pc-outのアイパタンを直接観測するしかなく、現実的な提案はなされていなかった。
【0014】
一般的に相互位相変調型波長変換器は、入力光(信号光、制御光(=連続光))のパワーレベル変動や、半導体光増幅器の利得変動、ファイバ損失の変動等の種々の要因によって不安定な動作となる。これは半導体光増幅器への入力光のパワー配分が最適条件からずれるためである。このため、安定動作条件からずれていないことを確認し、ずれた場合には安定動作するようフィードバック制御する監視機能が必要となる。
【0015】
図7は、図6に示すような構成となっている相互位相変調型波長変換器において、安定制御することなく入力される信号光Psの光パワーを変化させたときのパワーペナルティの変化を示す。図7から、パワーペナルティ1dB以内を確保できる入力信号光パワーの範囲はせいぜい2〜3dBしかなく、入力信号光パワーの変動に対し不安定な動作となることがわかる。
【0016】
本発明は、上記従来技術に鑑み、相互位相変調型波長変換器に入力される信号光のパワーが変動しても安定して波長変換動作ができる、安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器及び相互位相変調型波長変換器の安定制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器の構成は、連続光用の入力ポートと、信号光用の入力ポートと、2つの出力ポートと、連続光用の入力ポートに入力された連続光を分岐して第1のアーム導波路と第2のアーム導波路に入射する第1の光合分波器と、信号光用の入力ポートから入力された信号光を第1のアーム導波路に入射する第2の光合分波器と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路を通過してきた光を合波してから出力する第3の光合分波器とからなるマッハツェンダ型光干渉回路と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波にそれぞれ個別に介装された半導体光増幅器を有しており、信号光が前記信号光用の入力ポートに入力されると共に連続光が前記連続光用の入力ポートに入力されると、前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記連続光の波長となっている波長変換信号光と前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記信号光の波長となっている出力信号光を前記出力ポートから出力する相互位相変調型波長変換器と、
前記相互位相変調型波長変換器の前記出力ポートから出力された光のうち、前記信号光と同じ波長成分のみの光でなる出力信号光の平均光強度を検出する受光器と、
前記相互位相変調型波長変換器の前記連続光用の入力ポートに入力される連続光の光強度を制御する光パワーレベル制御器と、
前記受光器で検出した出力信号光の平均光強度が、予め設定した設定値となるように、前記光パワーレベル制御器による前記連続光の光強度制御を行わせる制御系とを備え、
前記波長変換信号光の光強度が極値になるように前記信号光の光強度を最適化した条件下で前記出力信号光の光強度を検知して、前記出力信号光の光強度が変動した場合に前記連続光の光強度を変化させて信号光の光強度を前記最適化した光強度にすることを特徴とする。
【0018】
また上記課題を解決する本発明の相互位相変調型波長変換器の安定制御方法は、連続光用の入力ポートと、信号光用の入力ポートと、2つの出力ポートと、連続光用の入力ポートに入力された連続光を分岐して第1のアーム導波路と第2のアーム導波路に入射する第1の光合分波器と、信号光用の入力ポートから入力された信号光を第1のアーム導波路に入射する第2の光合分波器と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路を通過してきた光を合波してから出力する第3の光合分波器とからなるマッハツェンダ型光干渉回路と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波にそれぞれ個別に介装された半導体光増幅器を有しており、信号光が前記信号光用の入力ポートに入力されると共に連続光が前記連続光用の入力ポートに入力されると、前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記連続光の波長となっている波長変換信号光と前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記信号光の波長となっている出力信号光を前記出力ポートから出力する相互位相変調型波長変換器の安定制御方法であって、
前記相互位相変調型波長変換器の前記出力ポートから出力された光のうち、前記信号光と同じ波長成分のみの光でなる出力信号光の平均光強度が、予め設定した設定値となるように、前記相互位相変調型波長変換器の前記連続光用の入力ポートに入力される連続光の光強度を制御し、
前記波長変換信号光の光強度が極値になるように前記信号光の光強度を最適化した条件下で前記出力信号光の光強度を検知して、前記出力信号光の光強度が変動した場合に前記連続光の光強度を変化させて信号光の光強度を前記最適化した光強度にすることを特徴とする。
【0019】
また、前記設定値は、前記光増幅器の飽和出力強度の値からある値Xを引いた値であったり、
前記値Xは、1.5〜4.5(dB)であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る、安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器を示す。本実施の形態は、相互位相変調型波長変換器1及び光フィルタ30の他に、光フィルタ101と、受光器102と、制御系103と、光パワーレベル制御器104と、光源105を備えて構成されている。
【0022】
相互位相変調型波長変換器1は、ハイブリッド集積回路により構成したものである。この相互位相変調型波長変換器1では、プラットホーム2の面上に形成した平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)による光導波路と、プラットフォーム2の面上に配置された半導体光増幅器アレイ3により、マッハツェンダ型光干渉回路が形成されている。このマッハツェンダ型光干渉回路は、ポート11,12,13,14と、光合分波器21,22,23,24を有している。またポート13に接続した状態で光フィルタ30が備えられている。
【0023】
半導体光増幅器アレイ3は、2つの半導体光増幅器3a,3bを有しており、各半導体光増幅器3a,3bは、SOA部(活性層部)と入力端面および出力端面に形成したスポットサイズ変換部(SS部)とをモノリシックに集積したSS−SOA素子である。しかも、マッハツェンダ型光干渉回路の第1のアーム導波路に半導体光増幅器3aが介装され、第2のアーム導波路に半導体光増幅器3bが介装される状態で、半導体光増幅器アレイ3が実装されている。
【0024】
このような構成となっている相互位相変調型波長変換器1において、例えば、波長がλsの信号光Ps-in をポート11に入力し、波長がλcの連続光である制御光Pc-in をポート12に入力する。なお、詳細は後述するが、ポート12に入力される制御光Pc-in は、光源105から発生した連続光の強度を、光パワーレベル制御器104にて最適化した光である。
【0025】
入力ポート12に入力された制御光Pc-in は、光合分波器21にて2分岐されて、半導体光増幅器3a,3bに入射され、この半導体光増幅器3a,3bを通過した後に再び光合分波器24にて合波されて、ポート13またはポート14から出力される。
【0026】
また、信号光Ps-in は光合分波器22を介して一方の半導体光増幅器3aにのみ入射され、他方の半導体光増幅器3bには入射されない。そうすると、半導体光増幅器3aの利得飽和によってキャリア密度が減少し、これによって屈折率変化が引き起こされる。この結果、両方の半導体光増幅器3a,3bを通過した制御光Pc-in が光合分波器24で合波したときに、屈折率変化による位相変化が強度変化となって現れる。
【0027】
このため、ポート13からは、波長成分がλsとλcであると共に、信号光Ps-in のデータ波形に対して強度が反転した変換信号光P1が出力される。また、ポート14からは、波長成分がλsとλcであると共に、信号光Ps-in のデータ波形に対して強度が非反転となっている変換信号光P2が出力される。そこで、ポート13から出力された変換信号光P1を、波長がλcの波長成分光のみを通過させる光フィルタ30に通すことにより、波長がλcで、信号光Ps-in のデータ波形に対して強度が反転した波長変換信号光Pc-outが得られる。つまり、波長がλcで、信号光Ps-in の信号情報と同じ信号情報を有する波長変換信号光Pc-outが得られる。
【0028】
更に本実施例では、ポート14に光フィルタ101が接続されている。この光フィルタ101は、波長がλsの波長成分光、つまり信号光Ps-in の波長成分光のみを通過させるフィルタリング特性を持っている。このため、ポート14から出力された波長成分がλsとλcである変換信号光P2が、光フィルタ101を通過すると、光フィルタ101からは、波長成分がλsのみとなっている出力信号光Ps-outが出力される。
【0029】
光フィルタ101から出力された出力信号光Ps-outは、受光器102にて受光される。受光器102は、出力信号光Ps-outの平均パワー(平均光強度)を検出し、この平均パワーを示す検出信号Kを制御系103に送る。
【0030】
制御系103は、検出信号Kにより表される出力信号光Ps-outの平均パワーが、予め設定した設定値となるように、光パワーレベル制御器104による光パワーレベル制御量を調整する。つまり、出力信号光Ps-outの平均パワーが予め設定した設定値よりも小さくなる場合には、ポート12に入力される制御光Pc-in の光パワーレベル(光強度)を上げ、逆に、出力信号光Ps-outの平均パワーが予め設定した設定値よりも大きくなる場合には、ポート12に入力される制御光Pc-in の光パワーレベルを下げるように、レベル調整器104による光パワーレベル制御を調整する。
【0031】
なお、制御系103に「予め設定した設定値」としては、例えば、半導体光増幅器3a,3bの飽和出力強度から、ある値(1.5〜4.5dB)を引いた値とする。このようにする理由は後述する。
【0032】
ここで、出力信号光Ps-outを監視して、この出力信号光Ps-outの光パワーレベルが設定値となるように、入力される制御光Pc-in に対してフィードバック制御することにより、安定した波長変換動作ができる理由を説明する。
【0033】
図2(a)に波長変換入出力静特性(反転出力)を示す。ある一定強度の制御光(連続光)Pc-in を入力し、入力している信号光Ps-in のパワーを増加していった時、出力される波長変換信号光Pc-outのパワーが極小となる信号光Ps-in のパワーを動作光パワーPs-in(conv)とする。点線は片側のSOA電流を0mAにした時の出力で、この場合は相互利得変調(XGM)による出力強度変化を示す。この時、Pc-in (一定)+Gc(連続光に対する利得)=Pc-outの関係からΔPc-out=ΔGc である。
【0034】
図2(b)は制御光Pc-in を最適化した各動作光パワーPs-in(conv) に対する減少利得ΔGc を示す。同図からΔGc は常にほぼ4dBであることが分かる。これはΔGc ∝ΔN(キャリア密度)∝Δn(屈折率)の関係から、減少利得ΔGc が一定であれば一定の屈折率変化Δnが半導体光増幅器内で生じていることを示す。この減少利得一定の条件は、もう1つの出力光である波長変換信号光Pc-out自身にも適用できる。
【0035】
図3は半導体光増幅器(図1の3a)の入力信号光Ps-in のパワーに対する利得Gs(左軸)及び出力信号光Ps-outのパワー(右軸)を示す。点線は連続光未入射時(w/o)、実線は連続光パワー5dBm 入射時(Pc5)の特性を示す。ここでは次の関係が成り立つ。
Ps-out(w/o) =Ps-in +Gs(w/o) (1)
Ps-out(Pc5) =Ps-in +Gs(Pc5) (2)
(1)−(2)より、
Ps-out(w/o) −Ps-out(Pc5)=Gs(w/o) −Gs(Pc5) (3)
となる。
【0036】
ここで、波長変換最適条件では、
▲1▼減少利得ΔGs(=Gs(w/o)−Gs(Pc5)が一定、
▲2▼飽和領域でPs-out(w/o)=一定である。
つまり、式(3)においてPs-out(Pc5)=一定となる。この関係は制御光Pc-in の値が変化しても変わらない。つまり、出力信号光Ps-outのパワーが一定であれば最適動作条件を監視できることになる。
【0037】
図4に各動作光パワーPs-in(conv)に対する、最適な制御光Pc-in のパワーと、その時の出力信号光Ps-outのパワーおよびペナルティ劣化量を示す。動作光パワーPs-in(conv)の増加に伴い制御光Pc-in のパワーを増加、動作光パワーPs-in(conv)の減少に伴い制御光Pc-in のパワーを減少することにより、出力信号光Ps-outのパワーは一定という条件で、パワーペナルティは0.5dB以下であった。つまり、出力信号光Ps-outをモニタしながら、制御光Pc-in のパワーを制御することにより、最適動作チューニングが可能となる。出力信号光Ps-outの値としては、式(3)から、半導体光増幅器の飽和出力強度Ps-out(w/o) を測定し、この値からある値ΔGs(1.5〜4.5dB)を引いた値となる。
【0038】
図5は本発明の第2の実施の形態を示す。第2の実施の形態では、光源105から発生し、光パワーレベル制御器104にて光パワーが最適化された制御光Pc-in は、ポート13から入力される。つまり、信号光Ps-in の進行方向に対して、制御光Pc-in の進行方向が逆方向となるように、制御光Pc-in を入力している。このため波長変換信号光Pc-outはポート12から出力され、出力信号光Ps-outはポート14から出力される。
【0039】
第2の実施の形態では、信号光Ps-in と制御光Pc-in の進行方向が逆となっているので、ポート12から出力される波長変換信号光Pc-outの光波長成分はλcのみであり波長λsの光波長成分は混入することはない。また、ポート14から出力される出力信号光Ps-outの波長成分はλsのみであり波長λcの光波長成分は混入することはない。したがって、第1の実施の形態で用いていた光フィルタ30及び光フィルタ101は不要である。
【0040】
他の部分の構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。この第2の実施の形態においても、出力信号光Ps-outの平均パワーが、予め設定した設定値になるように、制御光Pc-in の光パワーを制御することにより、信号光Ps-in の光パワーが変動しても、安定して波長変換動作をすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明では、相互位相変調型波長変換器の最適動作時の出力信号光Ps-outの平均パワー(平均光強度)をモニタとして使用する。何らかの原因により入力信号光のパワーレベルに変動が生じると、出力信号光Ps-outはある最適な一定値からずれる。これを元に戻すように入力連続光(制御光)のパワーにフィードバックをかけることによりペナルティ劣化のない安定した動作を保持することができる。
また、本発明の方法であれば、出力される波長変換信号光は見ずに別のポートから出力する出力信号光のパワーを測定すれば安定動作を確認でき、より実用に適した構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器を示す構成図である。
【図2】図2(a)は波長変換入出力静特性を示す特性図であり、図2(b)は各動作光パワーPs-in(conv)に対する減少利得ΔGc の変化を示す特性図である。
【図3】信号光入出力特性とその利得変化を示す特性図である。
【図4】各動作光パワーPs-in(conv)に対する最適連続光パワーPc-in ,出力信号光パワーPs-out及びペナルティ劣化量の変化を示す特性図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器を示す構成図である。
【図6】従来の相互位相変調型波長変換回路を示す構成図である。
【図7】従来の相互位相変調型波長変換回路(安定制御なし)における、入力光パワー許容度を示す特性図である。
【符号の説明】
1 相互位相変調型波長変換器
2 プラットホーム
11〜14 ポート
21〜24 光合分波器
30 光フィルタ
101 光フィルタ
102 受光器
103 制御系
104 光パワー制御器
105 光源
Claims (6)
- 連続光用の入力ポートと、信号光用の入力ポートと、2つの出力ポートと、連続光用の入力ポートに入力された連続光を分岐して第1のアーム導波路と第2のアーム導波路に入射する第1の光合分波器と、信号光用の入力ポートから入力された信号光を第1のアーム導波路に入射する第2の光合分波器と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路を通過してきた光を合波してから出力する第3の光合分波器とからなるマッハツェンダ型光干渉回路と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波にそれぞれ個別に介装された半導体光増幅器を有しており、信号光が前記信号光用の入力ポートに入力されると共に連続光が前記連続光用の入力ポートに入力されると、前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記連続光の波長となっている波長変換信号光と前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記信号光の波長となっている出力信号光を前記出力ポートから出力する相互位相変調型波長変換器と、
前記相互位相変調型波長変換器の前記出力ポートから出力された光のうち、前記信号光と同じ波長成分のみの光でなる出力信号光の平均光強度を検出する受光器と、
前記相互位相変調型波長変換器の前記連続光用の入力ポートに入力される連続光の光強度を制御する光パワーレベル制御器と、
前記受光器で検出した出力信号光の平均光強度が、予め設定した設定値となるように、前記光パワーレベル制御器による前記連続光の光強度制御を行わせる制御系とを備え、
前記波長変換信号光の光強度が極値になるように前記信号光の光強度を最適化した条件下で前記出力信号光の光強度を検知して、前記出力信号光の光強度が変動した場合に前記連続光の光強度を変化させて信号光の光強度を前記最適化した光強度にすることを特徴とする安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器。 - 請求項1において、前記設定値は、前記半導体光増幅器の飽和出力強度の値からある値Xを引いた値であることを特徴とする安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器。
- 請求項2において、値Xは、1.5〜4.5(dB)であることを特徴とする安定制御機能付き相互位相変調型波長変換器。
- 連続光用の入力ポートと、信号光用の入力ポートと、2つの出力ポートと、連続光用の入力ポートに入力された連続光を分岐して第1のアーム導波路と第2のアーム導波路に入射する第1の光合分波器と、信号光用の入力ポートから入力された信号光を第1のアーム導波路に入射する第2の光合分波器と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路を通過してきた光を合波してから出力する第3の光合分波器とからなるマッハツェンダ型光干渉回路と、第1のアーム導波路と第2のアーム導波にそれぞれ個別に介装された半導体光増幅器を有しており、信号光が前記信号光用の入力ポートに入力されると共に連続光が前記連続光用の入力ポートに入力されると、前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記連続光の波長となっている波長変換信号光と前記信号光の信号情報と同じ信号情報を有すると共に波長が前記信号光の波長となっている出力信号光を前記出力ポートから出力する相互位相変調型波長変換器の安定制御方法であって、
前記相互位相変調型波長変換器の前記出力ポートから出力された光のうち、前記信号光と同じ波長成分のみの光でなる出力信号光の平均光強度が、予め設定した設定値となるように、前記相互位相変調型波長変換器の前記連続光用の入力ポートに入力される連続光の光強度を制御し、
前記波長変換信号光の光強度が極値になるように前記信号光の光強度を最適化した条件下で前記出力信号光の光強度を検知して、前記出力信号光の光強度が変動した場合に前記連続光の光強度を変化させて信号光の光強度を前記最適化した光強度にすることを特徴とする相互位相変調型波長変換器の安定制御方法。 - 請求項4において、前記設定値は、前記光増幅器の飽和出力強度の値からある値Xを引いた値であることを特徴とする相互位相変調型波長変換器の安定制御方法。
- 請求項5において、値Xは、1.5〜4.5(dB)であることを特徴とする相互位相変調型波長変換器の安定制御方法。
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