JP3979187B2 - 一輪車型トレーニングマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一輪車型トレーニングマシンに関し、詳しくは特に腰周りの筋肉を重点的に強化する為の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一輪車型トレーニングマシンは、使用者が着座するサドル部や左右のペダルに両脚を載せて漕ぐことで回転運動を行うペダルクランク部を支持部により所定個所に保持して構成したものであって、使用者がバランスを崩すことに伴って前記支持部が傾倒し、直立状態を保持するようにバランスをとりながらペダルを漕ぐことで特に腰周りの筋肉強化を図るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の一輪車型トレーニングマシンにおいては、元来バランス感覚の優れた者やトレーニングによりバランス感覚の向上した者にとっては支持部が傾倒することが殆どなくなり、良好なトレーニング効果が望めなくなるといった問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、バランス感覚の優れた者であっても良好なトレーニング効果を得ることのできる一輪車型トレーニングマシンを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明を、使用者が着座するサドル部Aと、左右に設けた一対のペダル8,8に両脚を載せて漕ぐことで回転運動を行うペダルクランク部Bとを、床面等に載置する設置部D上に設けた支持部Cにより支持させて成る一輪車型トレーニングマシンにおいて、設置部Dに対する揺動運動を支持部Cに行わせる駆動機構Eとして、ペダルクランク部Bの回転運動と連動して支持部Cに揺動運動を行わせるカム22,24と、カム22,24とペダルクランク部Bの動力結合及び動力切断を切換える第一クラッチ19と、ペダルクランク部Bと相関無くカム22,24を回転させて支持部Cに揺動運動を行わせるモータ34と、カム22,24とモータ34の動力結合及び動力切断を切換える第二クラッチ13と、第一クラッチ19及び第二クラッチ13を操作する操作スイッチ36を具備し、前記駆動機構Eがペダルクランク部Bの回転運動と連動して支持部Cに揺動運動を行わせるか又はペダルクランク部Bの回転運動と相関無くモータ34により支持部Cに揺動運動を行わせるかを、操作スイッチ36により選択可能にしたものとする。このようにすることで、使用者がサドル部Aに着座してペダル8,8を漕ぐ際に支持部C全体が強制的に揺動運動を行うこととなって、バランス感覚の優れた者であってもこの強制的な揺動運動に対してバランスをとりながらトレーニングを行うことで特に腰周りの筋肉を強化する良好なトレーニング効果を得ることができる。
【0006】
加えて、本発明にあっては、例えば使用者が最初慣れないときはペダルクランク部の回転運動と連動させて揺動運動を調整しながら安全にトレーニングを行い、慣れてくると操作スイッチを操作し、ペダルクランク部の回転運動とは相関無くモータにより揺動運動を行わせて楽しみながらトレーニングを行うことができ、またモータにより脚力の弱い者であってもトレーニングを行うことができる。
【0007】
また、前記駆動機構Eが支持部Cに前後方向の揺動運動を行わせることも好ましく、このようにすることで、特に腹筋や背筋の筋肉を強化することができる。
【0008】
また、ペダルクランク部Bを奇数回転させたときに支持部Cが二往復するように駆動機構Eを設定することも好ましく、このようにすることで、右側のペダル8を踏み込む場合と左側のペダル8を踏み込む場合とで支持部Cの傾斜の頻度を同一としてトレーニング中に左右の脚に偏った負荷をかけず均等に鍛えることができる。
【0009】
また、ペダルクランク部Bを整数回転させたときに支持部Cが一往復するように駆動機構Eを設定することも好ましく、このようにすることで、支持部Cの揺動方向における一方の最大傾斜時と他方の最大傾斜時とでペダル8,8を漕ぐ際にかかる負荷に違いを設けておく等すれば、トレーニング中に左右の脚にかかる負荷を偏らせてどちらか一方を集中して鍛えることができる。
【0010】
また、ペダルクランク部Bの回転位置に対応する支持部Cの傾斜状態を調節可能にすることも好ましく、このようにすることで、左右の脚のうちどちらをどの程度集中して鍛えるかを前記調整により簡単に変更することができる。
【0011】
また、ペダルクランク部Bの回転数とこれに対応する支持部Cの往復数との比を、予め設定した複数の比から選択可能にすることも好ましく、このようにすることで、使用者の好みによってトレーニング中の左右の脚への負荷のかかり方を切換えることができる。
【0012】
また、支持部Cの状態を、駆動機構Eにより揺動駆動される状態と、揺動不能な固定状態と、使用者の体重移動により揺動自在の状態とのいずれかに切換える切換手段を設けることも好ましく、このようにすることで、一つの一輪車型トレーニングマシンを用いて使用者の都合に合った様々なトレーニングを実践することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。図1〜図4には本発明の実施の形態における一例の一輪車型トレーニングマシンを示している。なお、以下の説明文中に用いる前後左右方向は図中に示す通りである。
【0014】
本例において使用者が腰を掛けるサドル部Aは、サドル1及び該サドル1から下方に突設した円筒状の支持棒2により形成している。フレーム3の上側は円筒状を成す連結部3aになっており、該連結部3aの上端開口に前記支持棒2の下端側をスライド自在に嵌入させると共に締緩自在のクランプ28により適当なスライド位置で固定することで、フレーム3上にサドル部Aを高さ調節自在に支持している。
【0015】
フレーム3はその連結部3aの下側にて左分岐部3bと右分岐部3cとに分岐させており、左右分岐部3b,3cには夫々プレート4,4を固定させている。前記一対のプレート4,4は左右方向を向いて平行に設置されるものであって、互いの対向部分にベアリング5,5を設けると共にこのベアリング5,5を介してペダルクランク部Bを回転自在に保持している。前記ペダルクランク部Bは、ベアリング5,5により水平に軸支される主軸6と、該主軸6の両端から略垂直方向に且つ180°位相をずらして延設される一対のクランク7,7と、夫々のクランク7,7の先端に設けたペダル8,8とから構成している。そして、上記したフレーム3及びプレート4,4により、サドル部Aとペダルクランク部Bとを支持する支持部Cの主体を構成している。
【0016】
また、床面等に載置する設置部Dとして、本例においては平板状のベース9、及び、該ベース9の下側に着脱自在に装着される傾斜ベース10を設けている。なお、前記傾斜ベース10はその下面10aを下方に向けて凸状に湾曲形成したものである。ベース9の上面には一対の支持板11,11を左右方向に対向させて立設しており、両支持板11,11にて夫々左右方向に軸支した支持軸12,12を左右のプレート4,4に貫通させることで、設置部Dに対して支持部C全体を、支持軸12,12を中心として前後方向に揺動自在に連結させている。
【0017】
支持部Cの左右両プレート4,4間には主軸6の下方において負荷軸14を該主軸6と平行に架設しており、左側のプレート4の内側面に固定した負荷装置15の中心に前記負荷軸14を貫通させている。そして、主軸6には大径の負荷伝達用第一スプロケット16を固定すると共に、負荷軸14の前記負荷伝達用第一スプロケット16の略鉛直下方となる位置には負荷装置15と連結した小径の負荷伝達用第二スプロケット17を設け、負荷伝達用第一スプロケット16と負荷伝達用第二スプロケット17とに両者を連結する負荷伝達用チェーン18を巻装している。
【0018】
右側のプレート4には、下端近傍の前後二箇所において連結アーム21,21を左側(即ち内側)に突出させて軸支している。後側の連結アーム21には後側カム22と揺動伝達用第二スプロケット23とを円盤面が左右方向を向くように平行に固定すると共に、前側の連結アーム21には前側カム24と揺動伝達用第三スプロケット25とを円盤面が左右方向を向くように平行に固定している。主軸6には第一クラッチ19を介して揺動伝達用第一スプロケット20を固定しており、揺動伝達用第一スプロケット20と揺動伝達用第二スプロケット23と揺動伝達用第三スプロケット25とに三者を連結する揺動伝達用チェーン26を巻装している。前側カム24と後側カム22とは互いに逆側に偏心させて接続させており、両者ともベース9の上面にその側周面を摺動自在に接触させている。
【0019】
従って、支持部Cは支持板11,11及び支持軸12,12により該支持軸12,12を中心として設置部Dと前後揺動自在に連結されると共に、前記揺動の範囲内における任意の傾斜状態にて前側カム24及び後側カム22によりその傾斜状態を保持するように設置部D上に支持されている。使用者はサドル部Aに腰を掛けて左右のペダル8,8に両脚を載せて漕ぐことでペダルクランク部Bを回転させることができ、このペダルクランク部Bの回転運動は順に負荷伝達用第一スプロケット16、負荷伝達用チェーン18、負荷伝達用第二スプロケット17、負荷装置15へと伝達される。また、ペダルクランク部Bの回転運動は負荷装置15への伝達とは別に、第一クラッチ19、揺動伝達用第一スプロケット20、揺動伝達用チェーン26へと順に伝達され、前記揺動伝達用チェーン26から更に揺動伝達用第二スプロケット23及び後側の連結アーム21を介して後側カム22に伝達されると共に、揺動伝達用第三スプロケット25及び前側の連結アーム21を介して前側カム24に伝達されるものである。本例においては上記のようにペダルクランク部Bの回転運動を動力源として各スプロケット20,23,25や揺動伝達用チェーン26を介してこれを後側カム22及び前側カム24に伝達し、後側カム22及び前側カム24の回転により支持部Cを揺動駆動する機構を駆動機構Eとしている。
【0020】
負荷装置15の負荷力は支持部Cの上端部後側に設けた負荷調整ダイヤル27の操作によって調整可能であり、使用者がペダル8,8を漕ぐ際にかかる負荷は負荷装置15の前記調整により適当に設定可能となっている。また、負荷伝達用第一スプロケット16のプレート4と近接した右側の円盤面には磁石29を設置すると共に、前記負荷伝達用第一スプロケット16が所定の回転位置にあるときに磁石29と対向するプレート4の箇所にはセンサ30を設置している。支持部Cの上端部前側に蝶番31を介して接続させた表示パネル32と前記センサ30とをセンサコード33で接続させており、センサコード33を通じて入力される信号により磁石29がセンサ30の対向位置を通過する回数つまり負荷伝達用第一スプロケット16の回転数をカウントし、表示パネル32内の計時機能や記憶された距離換算定数等から仮想距離や仮想速度等を計算して表示するようになっている。
【0021】
上記のように本例においては駆動機構Eによりペダルクランク部Bの回転運動から供給される動力によって互いに逆側に偏心した前側カム24及び後側カム22をベース9の上面と摺接しながら同期回転させて、支持部C全体に支持軸12,12を中心とした前後方向の揺動運動を行わせることができるものであるが、前記駆動機構Eには更に、ペダルクランク部Bの回転運動以外から供給される動力で支持部Cを揺動駆動する機構として後側の連結アーム21に第二クラッチ13を介してモータ34を接続させている。
【0022】
従って、例えば設置部Dとして傾斜ベース10を装着せずベース9を直接床面等に載置し、第一クラッチ19で動力結合させると共に第二クラッチ13で動力切断させた場合には、使用者はペダル8,8を漕ぐ速度に応じて強制的に円弧状の前後往復動を行うサドル部Aに着座してバランスをとりつつサイクル運動を行うことができ、バランス感覚の優れた者であっても強制的な揺動運動により腰周りの筋力強化やバランス感覚の向上を図ることができる。そして、支持部Cの揺動速度が使用者のペダル8,8を漕ぐ速度に応じて調節自在であることから初心者であっても安心してトレーニングを行うことができるものである。
【0023】
また、設置部Dとして同様にベース9を直接床面等に載置して、第一クラッチ19で動力切断させると共に第二クラッチ13で動力結合させた場合には、モータ34の稼動により連結アーム21や揺動伝達用チェーン26を介して後側カム22と前側カム24を回転させてペダルクランク部Bの回転運動と相関無く支持部Cに強制的に揺動運動を行わせることができる。これによれば、使用者が揺動運動を制御できないことから意外性があって楽しみながら運動することができ、ペダルクランク部Bの回転運動以外から揺動運動の動力を供給するものであることから筋力の弱い人であってもトレーニングを行うことができる。
【0024】
また、設置部Dとして同じくベース9を直接床面等に載置して、第一クラッチ19で動力切断させると共に第二クラッチ13で動力結合させ、モータ34を強制停止させた場合には、設置部Dに対して支持部Cを揺動不能に固定することができる。更に、設置部Dとしてベース9の下側に傾斜ベース10を装着し、該傾斜ベース10の湾曲した下面10aを床面等に載置することで、使用者がバランスを崩すことに伴って支持部Cが傾倒し、直立状態を保持するようにバランスをとりながらペダル8,8を漕ぐといったトレーニングが可能になる。
【0025】
上記第一クラッチ19及び第二クラッチ13の動力結合と動力切断の切換えは右側のプレート4の外側面に設置された操作部35の操作スイッチ36に基づく制御信号を制御コード37で送ることにより行われる。つまり、上記操作部35による第一クラッチ19及び第二クラッチ13の切換えや傾斜ベース10の着脱から成る切換手段を用いることにより、支持部Cの状態は駆動機構Eにより揺動駆動される状態と、揺動不能な固定状態と、使用者の体重移動により揺動自在の状態とのいずれかに容易に切換可能となっており、更に、駆動機構Eにより揺動駆動される状態の中でも前記駆動機構Eがペダルクランク部Bの回転運動と連動して支持部Cに揺動運動を行わせるか又はペダルクランク部Bの回転運動と相関無くモータ34の動力により支持部Cに揺動運動を行わせるかが選択可能となっている。
【0026】
なお、揺動伝達用第一スプロケット20は異なる複数のスプロケットから一つを選択可能な構造であって、支持部Cがペダルクランク部Bの回転運動と連動して揺動運動を行う状態にあるとき、前記選択によりペダルクランク部Bの回転数とこれに対応する支持部Cの往復数との比が予め設定した複数の比から選択可能となっている。例えば、揺動伝達用第一スプロケット20、揺動伝達用第二スプロケット23、揺動伝達用第三スプロケット25の各歯数が夫々40、60、60の場合にはペダルクランク部Bを三回転させた際に支持部Cは連動して二往復し、同じく各歯数が夫々60、60、60の場合にはペダルクランク部Bを一回転させた際に支持部Cは連動して一往復するものである。
【0027】
そして前者の場合のようにペダルクランク部Bを奇数回転させたときに支持部Cが二往復するように設定することで、右側のペダル8を踏み込む場合と左側のペダル8を踏み込む場合とで支持部Cの前方傾斜と後方傾斜の頻度を同一として、仮に支持部Cの最大前方傾斜時にかかる負荷と最大後方傾斜時にかかる負荷とが異なる場合であってもトレーニング中に左右の脚に偏った負荷をかけず均等に鍛えることができる。
【0028】
これに対して後者の場合のようにペダルクランク部Bを整数回転させたときに支持部Cが一往復するように設定することで、支持部Cの最大前方傾斜時と最大後方傾斜時の夫々におけるペダルクランク部Bの回転位置が不変となる。従って、支持部Cの最大前方傾斜時と最大後方傾斜時とでかかる負荷に違いを設けておく等すれば、トレーニング中に左右の脚にかかる負荷を偏らせてどちらか一方を集中して鍛えることができる。なお、第一クラッチ19及び第二クラッチ13を動力切断すればペダルクランク部Bの回転位置に対応する支持部Cの傾斜状態が調節可能となるので、この調整により両脚の鍛え方を適宜変更することができる。
【0029】
また、図示はしていないが、前記駆動機構Eと同様の駆動機構を左右両側に一対設けるといった手段により支持部C全体を前後方向のみならず左右方向に揺動駆動することも可能であるし、前側カム24と後側カム22の偏心方向を同一に設定するといった手段により支持部C全体を上下方向に往復駆動することも可能である。
【0030】
図5〜図8には、本発明の実施の形態における他例の一輪車型トレーニングマシンを示している。なお、上記した一例と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、他例の特徴的な構成についてのみ以下に述べる。
【0031】
他例においては、設置部Dとしてベース9を床面等に載置しており、ベース9の上面に一対設けた円柱状の突起38,38をフレーム3の左分岐部3b及び右分岐部3cの下端開口に夫々スライド自在に挿入することで、設置部Dと支持部Cとを連結させている。
【0032】
支持部Cには両プレート4,4の下端を連結するプレートベース39を設けており、このプレートベース39上には制御ボックス40とポンプ41と切換弁42とを設置すると共に、プレートベース39とベース9との間には高さ変更自在の可動支持体としてエアバッグ43を前側に一つ及び後側に左右方向に並設して二つの、都合三つだけ三角形の頂点を成す位置に介在させている。各エアバッグ43はチューブ47によって切換弁42に夫々接続させており、更にこの切換弁42をポンプ41に接続させている。
【0033】
負荷軸14には負荷伝達用第二スプロケット17と連結した動力伝達用第一スプロケット44を設けており、ポンプ41と連結して設けた動力伝達用第二スプロケット45と前記動力伝達用第一スプロケット44には両者を連結させる動力伝達用チェーン46を巻装している。
【0034】
従って、使用者がペダル8,8を漕ぐことでペダルクランク部Bの回転運動は順に負荷伝達用第一スプロケット16、負荷伝達用チェーン18、負荷伝達用第二スプロケット17、動力伝達用第一スプロケット44、動力伝達用チェーン46、動力伝達用第二スプロケット45へと伝達され、この動力伝達用第二スプロケット45の回転力がポンプ41を駆動するものである。そして、前記駆動によりポンプ41内で圧縮されたエアが切換弁42とチューブ47を介してエアバッグ43に供給されると該エアバッグ43は膨張(即ち高さが増大)し、逆にチューブ47を介して切換弁42で排気されると該エアバッグ43は収縮(即ち高さが減少)する。これら切換弁42の制御は制御ボックス40にて行い、各々のエアバッグ43が独立に膨張収縮自在となっている。
【0035】
以下、エアバッグ43のなかでも前側、左後側、右後側に位置するものに夫々43a,43b,43cを付して説明すると、例えば前側と右後側のエアバッグ43a,43cを収縮させて左後側のエアバッグ43bを膨張させることで図示の場合のように支持部Cを右斜め前方に傾斜させることができる。また、前側と左後側のエアバッグ43a,43bを収縮させて右後側のエアバッグ43cを膨張させることで支持部Cを左斜め前方に傾斜させたり、右後側のエアバッグ43cを収縮させて前側と左後側のエアバッグ43a,43bを膨張させることで支持部Cを右斜め後方に傾斜させたり、左後側のエアバッグ43bを収縮させて前側と右後側のエアバッグ43a,43cを膨張させることで支持部Cを左斜め後方に傾斜させたりすることができる。更に、支持部Cは、前側のエアバッグ43aを膨張させて左右後側のエアバッグ43b,43cを収縮させれば後方に傾斜すると共に、前側のエアバッグ43aを収縮させて左右後側のエアバッグ43b,43cを膨張させれば前方に傾斜する。そして、このような上記エアバッグ43a,43b,43cの膨張収縮のパターンを連続的に組み合わせて行えば支持部Cを前後左右に自在に揺動駆動することができるものである。
【0036】
また、前側のエアバッグ43aに給排気せず固定状態に保持したままで左右後側のエアバッグ43b,43cだけを膨張収縮させる場合であっても、例えば左後側のエアバッグ43bを膨張させて右後側のエアバッグ43cを収縮させれば支持部Cが右方に傾斜し、左右後側のエアバッグ43b,43cを共に収縮させれば支持部Cが後方に傾斜するといったように、前後左右に揺動駆動することが可能である。更に、三つのエアバッグ43a,43b,43cを全て膨張させるか若しくは全て収縮させることで支持部Cを自在に上下動させることも可能である。
【0037】
本例においては上記のようなペダルクランク部Bの回転運動を動力源として各スプロケット16,17,44,45及び各チェーン18,46を介してポンプ41に伝達し、該ポンプ41からの給排気により各エアバッグ43a,43b,43cを膨張収縮させることで支持部Cを揺動駆動する機構を駆動機構Eとしており、このようにエアバッグ43を用いて形成した駆動機構Eにより支持部Cを前後左右に揺動駆動するばかりでなく上下動させることが可能となっている。
【0038】
また、図示はしていないが、可動支持体としてエアバッグ43の代りに高さが可変である突起等を支持部Cと設置部Dとの間に三つ介在させた場合であっても同様に前後左右の揺動運動及び上下運動を行わせることができるし、支持部Cと設置部Dの間にエアバッグ等から成る一対の可動支持体と固定支持体とを三角形の頂点を成すように介在させた場合であっても、上記の前側のエアバッグ43aを固定状態に保持した場合と同様に前後左右に揺動駆動することができるものである。
【0039】
なお、可動支持体や固定支持体の個数及び配置に関しては上記構成に限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明にあっては、使用者がサドル部に着座してペダルを漕ぐ際に支持部全体が強制的に揺動運動を行うこととなって、バランス感覚の優れた者であってもこの強制的な揺動運動に対してバランスをとりながらトレーニングを行うことで特に腰周りの筋肉を強化する良好なトレーニング効果を得ることができるという効果がある。
【0041】
加えて、請求項1記載の発明にあっては、例えば使用者が最初慣れないときはペダルクランク部の回転運動と連動させて揺動運動を調整しながら安全にトレーニングを行い、慣れてくると操作スイッチを操作し、ペダルクランク部の回転運動とは相関無くモータにより揺動運動を行わせて楽しみながらトレーニングを行うことができ、またモータにより脚力の弱い者であってもトレーニングを行うことができるという効果がある。
【0042】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、特に腹筋や背筋の筋肉を強化することができるという効果がある。
【0043】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、右側のペダルを踏み込む場合と左側のペダルを踏み込む場合とで支持部の傾斜の頻度を同一としてトレーニング中に左右の脚に偏った負荷をかけず均等に鍛えることができるという効果がある。
【0044】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、支持部の揺動方向における一方の最大傾斜時と他方の最大傾斜時とでペダルを漕ぐ際にかかる負荷に違いを設けておく等すれば、トレーニング中に左右の脚にかかる負荷を偏らせてどちらか一方を集中して鍛えることができるという効果がある。
【0045】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載の発明の効果に加えて、左右の脚のうちどちらをどの程度集中して鍛えるかを支持部の傾斜状態の調整により簡単に変更することができるという効果がある。
【0046】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1〜5のいずれか記載の発明の効果に加えて、使用者の好みによってトレーニング中の左右の脚への負荷のかかり方を切換えることができるという効果がある。
【0047】
また、請求項7記載の発明にあっては、請求項1〜6のいずれか記載の発明の効果に加えて、一つの一輪車型トレーニングマシンを用いて使用者の都合に合った様々なトレーニングを実践することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における一例の一輪車型トレーニングマシンを示す斜視図である。
【図2】 同上の背面図である。
【図3】 同上の側面図である。
【図4】 同上の平面図である。
【図5】 本発明の実施の形態における他例の一輪車型トレーニングマシンを示す斜視図である。
【図6】 同上の背面図である。
【図7】 同上の側面図である。
【図8】 同上の正面図である。
【符号の説明】
8 ペダル
43 エアバッグ
A サドル部
B ペダルクランク部
C 支持部
D 設置部
E 駆動機構
Claims (7)
- 使用者が着座するサドル部と、左右に設けた一対のペダルに両脚を載せて漕ぐことで回転運動を行うペダルクランク部とを、床面等に載置する設置部上に設けた支持部により支持させて成る一輪車型トレーニングマシンにおいて、設置部に対する揺動運動を支持部に行わせる駆動機構として、ペダルクランク部の回転運動と連動して支持部に揺動運動を行わせるカムと、カムとペダルクランク部の動力結合及び動力切断を切換える第一クラッチと、ペダルクランク部と相関無くカムを回転させて支持部に揺動運動を行わせるモータと、カムとモータの動力結合及び動力切断を切換える第二クラッチと、第一クラッチ及び第二クラッチを操作する操作スイッチを具備し、前記駆動機構がペダルクランク部の回転運動と連動して支持部に揺動運動を行わせるか又はペダルクランク部の回転運動と相関無くモータにより支持部に揺動運動を行わせるかを、操作スイッチにより選択可能にしたことを特徴とする一輪車型トレーニングマシン。
- 前記駆動機構が支持部に前後方向の揺動運動を行わせることを特徴とする請求項1記載の一輪車型トレーニングマシン。
- ペダルクランク部を奇数回転させたときに支持部が二往復するように駆動機構を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の一輪車型トレーニングマシン。
- ペダルクランク部を整数回転させたときに支持部が一往復するように駆動機構を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の一輪車型トレーニングマシン。
- ペダルクランク部の回転位置に対応する支持部の傾斜状態を調節可能にしたことを特徴とする請求項4記載の一輪車型トレーニングマシン。
- ペダルクランク部の回転数とこれに対応する支持部の往復数との比を、予め設定した複数の比から選択可能にしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の一輪車型トレーニングマシン。
- 支持部の状態を、駆動機構により揺動駆動される状態と、揺動不能な固定状態と、使用者の体重移動により揺動自在の状態とのいずれかに切換える切換手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の一輪車型トレーニングマシン。
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