JP3979124B2 - 回転角度検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車体制御システムに用いられる多回転のステアリングシャフトの回転角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のステアリングハンドルのように1回転以上数回転する軸等の回転角度を検出する装置として特表平11−500828号公報に開示されている回転体における角度測定方法および装置がある。この装置においては、主軸に係合された位相差を有する2つの回転体の角度から主軸の絶対回転角度を検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成された回転角度検出装置において、主軸に係合された2つの回転体の回転角度を求める検出器が何らかの異常により出力が出なくなった場合、回転体の角度検出に支障をきたす。また検出器からの信号は非常に小さく増幅回路を必要とするが、その増幅回路に異常が発生した場合、回転角度検出ができなくなる。
【0004】
そこで本発明は、角度位置を検出する検出手段の異常や不具合およびその信号を増幅する増幅回路部の異常や不具合を検出する機能を有する回転角度検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、外周に歯を有する多回転可能な第1の回転体と、この第1の回転体に係合する第2の回転体と、この第2の回転体に係合する第3の回転体と、前記第2の回転体の回転角度を検出する第1の検出手段と、前記第3の回転体の回転角度を検出する第2の検出手段と、前記第1、第2の検出手段の信号を増幅する第1、第2の増幅回路部と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子に自己診断用の基準電圧を印加する一定電圧供給手段と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子の一方に接続された中点電圧と接地電圧を切り替えて印加する第1、第2の電圧切替部と、これらの第1、第2の電圧切替部に接続された演算回路とを備えているので、第1、第2の増幅回路部からの出力をみることにより第1、第2の検出手段の異常を検出することが可能になる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1の検出手段、第2の検出手段をそれぞれ磁石と磁気検出素子とし、各々の磁石は第2の回転体、第3の回転体に固定されている構成としたので前記回転体の角度を非接触で検出でき長期間にわたり高い検出精度を維持できる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、周期が180度であるサイン波とコサイン波で出力するので、これら出力を演算しタンジェント波として演算処理することによって検出素子からの信号が受ける温度やノイズ等の影響をキャンセルすることができ、精度の高い角度検出が可能になる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載のいずれかの発明において、増幅回路部に基準電圧を印加してその出力電圧をみることにより増幅回路部の異常を検出することができる。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4に記載のいずれかの発明において、第1、第2の検出手段からの信号を第1、第2の切替スイッチに振り分けてから第1、第2の増幅回路に出力しているので、各々のスイッチが切替動作をしている間に演算処理を行うことができトータルの切替、演算に要する時間を低減することができ、精度の高い角度検出が可能になる。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、第1の回転体に係合した第4の回転体の回転角度を検出する第3の検出手段を設けたので第1、第2、第3、第4の回転体のうちどの回転体が機械的損傷を受けてもそれを検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1から4に記載の発明について説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態1における回転角度検出装置の回路図であり、第1の磁気センサ1の4本の出力端子1w,1x,1y,1zは第1の切替スイッチ2の入力端子2a,2b,2c,2dに、第2の磁気センサ3の4本の出力端子3w,3x,3y,3zは第2の切替スイッチ4の入力端子4a,4b,4c,4dにそれぞれ接続されており、抵抗21,22,23により設定される一定の電圧Vaは入力端子2e,4eに、一定の電圧Vbが入力端子2f,4fに接続されている。
【0013】
第1の切替スイッチ2、第2の切替スイッチ4は演算回路5からの信号を制御端子2k,4kで受けて、それぞれの内部の入力端子2a,2b,2c,2d,2e,2fと出力端子2i,2jおよび入力端子4a,4b,4c,4d,4e,4fと出力端子4i,4j間の接続を切り替えることができる。
【0014】
第1の切替スイッチ2の出力端子2i,2jは抵抗6,7を介して第1のオペアンプ10に、第2の切替スイッチ4の出力端子4i,4jは抵抗8,9を介して第2のオペアンプ11に接続されている。第1のオペアンプ10、第2のオペアンプ11の出力の一部は抵抗12,13を介して第1のオペアンプ10、第2のオペアンプ11に帰還され、残りは演算回路5に入力される。ここで抵抗6,7,8,9はそれぞれ同じ抵抗値R1であり、抵抗12,13,14,15もそれぞれ同じ抵抗値R2である。
【0015】
また第1のオペアンプ10、第2のオペアンプ11の+入力部にはそれぞれ抵抗14,15を介して第1の電圧切替部16、第2の電圧切替部17が接続されている。第1の電圧切替部16、第2の電圧切替部17の出力電圧は演算回路5からの信号によりVccの半分の電圧(中点電圧)と接地電圧とに切り替えられる。
【0016】
第1、第2の電圧切替部16,17は図2に示すように、2つの抵抗18,19と切替スイッチ20から構成されている。演算回路5から制御信号が制御端子20dに入力され、端子20aと端子20cとが接続、あるいは端子20bと端子20cとが接続されるようにスイッチが切り替わる。抵抗18と19は同じ抵抗値のものを用いることにより端子20aと端子20cが接続されたときは電源電圧Vccの半分の電圧すなわち中点電圧が、端子20bと端子20cが接続されたときは接地電圧が端子20cから出力される。
【0017】
次に回転角度検出装置の構造を説明する。図3(a)において、外周部に歯を有する第1の回転体30に第2の回転体31が係合されている。図3(b)において、第2の回転体31の軸32は軸受け33,34にて支えられ、軸32のウォームギア35は歯車36に係合され第3の回転体37を構成している。図3(b)と図3(c)において第2の回転体31の中央部分には磁石38が埋め込まれ、この磁石38に対向する位置に第1の磁気センサ1が固定されている。第3の回転体37の中央部分にも同様に磁石40が埋め込まれ、対向する位置に第2の磁気センサ3が固定されている。
【0018】
第1の磁気センサ1の構成は図4に示すように磁束の方向により抵抗値が変化する8個の異方性磁気抵抗素子1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hを組み込んだものである。なおこれら異方性磁気抵抗素子の抵抗値変化と磁束の極性は関係ないので、磁束の方向に対する抵抗値変化の周期は180度である。
【0019】
4つの磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dが一つのブリッジを構成し、磁気抵抗素子1a,1dの磁気に対する抵抗値変化特性は磁気抵抗素子1b,1cとは逆になっている。すなわち磁束の方向により磁気抵抗素子1a,1dの抵抗値が増加するときは磁気抵抗素子1b,1cは減少するように配置されているので、出力端子1wと1xの出力は位相が反転した信号を出力する。
【0020】
磁気センサ1は図4に示すように磁気抵抗素子1e,1f,1g,1hからなるもう一つのブリッジを有しており、これら磁気抵抗素子1e,1f,1g,1hのパターンは磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dに対し45度傾けて配置しているので磁気抵抗素子1a,1b,1c,1dの出力と磁気抵抗素子1e,1f,1g,1hの出力とは位相が45度ずれて出力される。
【0021】
前述したようにこれらの磁気抵抗素子1a〜1gの磁束の方向に対する抵抗値変化は180度周期であるので、出力の45度の位相のずれは丁度サイン波とコサイン波となる。すなわちブリッジのパターンを45度傾けて配置することにより磁気センサ1は出力端子1w,1xからはサイン波を、出力端子1y,1zからはコサイン波を出力する。
【0022】
図5(a)に示すようにサイン波(sin+と記す)と位相が反転したサイン波(sin−と記す)の差をとることにより図5(b)に示すように元のサイン波の2倍の振幅の信号が得られる。コサイン波(cos+と記す)についても同様に位相が反転したコサイン波(cos−と記す)の差をとることにより元のコサイン波の2倍の振幅の信号が得られる。
【0023】
なおここでは第1の磁気センサ1について説明したが、第2の磁気センサ3は第1の磁気センサ1とまったく同じものを用いているのでその動作や出力は同じである。
【0024】
以上の構成による回転角度検出装置の回転角度検出方法について説明する。図3(a)、図3(b)および図3(c)において第1の回転体30が回転するとそれに伴い第2の回転体31、第3の回転体37が回転する。第2の回転体31の回転の検出手段として磁石38と第1の磁気センサ1により、第3の回転体37の検出手段として磁石40と第2の磁気センサ3により第2の回転体31、第3の回転体37の回転が検出される。検出対象である第1の回転体30の1回転内のこまかな角度は第2の回転体31の回転角度により求められ、第1の回転体の1回転以上何回転したかはウォームギア35で回転される第3の回転体37の回転角度により求めることができる。
【0025】
また第2の回転体31、第3の回転体37の回転角度の検出手段として磁石38,40と第1、第2の磁気センサ1,3を用いて、非接触で検出しているので検出手段の磨耗等による劣化の心配がなく、高い検出精度を維持することが可能となる。
【0026】
次に第1、第2の磁気センサ1,3からの出力信号の流れについて説明する。図1において第1の磁気センサ1の出力端子1w,1xからのサイン波信号出力は第1の切替スイッチ2の端子2a,2bに入力される。これらの出力信号は第1の切替スイッチ2の出力端子2i,2jを通して第1のオペアンプ10に入力、増幅されて演算回路5に入る。この時第1の磁気センサ1の出力端子1wからはサイン波、出力端子1xからは位相が反転したサイン波が出力されて第1のオペアンプ10にて差動増幅される。
【0027】
次に図1において第1の切替スイッチ2の入力端子2cと出力端子2iが接続され、入力端子2dと出力端子2jが接続されるように、第1の切替スイッチ2が切り替えられ、第1の磁気センサ1の出力端子1y,1zからのコサイン波信号出力は切替スイッチ2の出力端子2i,2jを通り第1のオペアンプ10で差動増幅され、演算回路5に入る。
【0028】
次に第2の磁気センサ3の出力端子3w,3xからのサイン波信号出力は第2の切替スイッチ4の入力端子4a,4bに入力され、第2の切替スイッチ4の出力端子4i,4jを通り第2のオペアンプ11にて差動増幅され演算回路5に入る。
【0029】
次に第2の切替スイッチ4の入力端子4cが出力端子4iに接続され、入力端子4dが出力端子4jに接続されるように第2の切替スイッチ4が切り替えられ、第2の磁気センサ3の出力端子3y,3zからのコサイン波信号出力は切替スイッチ4の出力端子4i,4jを通り第2のオペアンプ11で差動増幅され、演算回路5に入る。
【0030】
以上に述べたように第1の切替スイッチ2を切り替えた後、次に第2の切替スイッチ4を切り替えて第2の回転体31、第3の回転体37の回転角度を求める1回のルーチンが完了する。このルーチンは1秒間に約200回程度行っている。ここで第1、第2の切替スイッチ2,4を切り替えるのは演算回路5の内部のA/D変換器の数の制約から複数入力を同時に処理することが困難であることによる。
【0031】
第1の磁気センサ1、第2の磁気センサ3の出力をサイン波、コサイン波にしている理由について説明する。磁気センサからのサイン波出力をVs、コサイン波出力をVcとし、磁石の回転角度をθとすると、ある温度での出力は(数1)にて表される。
【0032】
【数1】
Figure 0003979124
【0033】
第1、第2の磁気センサ1,3からの出力はアナログ出力であり、サイン波出力、コサイン波出力それぞれの信号の係数Aは周囲の温度変化やノイズ等によりAからAtに変化し、変化後の各々の出力Vst,Vctは(数2)に示すようになる。
【0034】
【数2】
Figure 0003979124
【0035】
サイン波出力とコサイン波出力の2種類の信号形態からタンジェントを計算することにより(数3)に示すように温度変化やノイズ等による出力信号の変化分をキャンセルでき、精度の高い角度検出ができる。
【0036】
【数3】
Figure 0003979124
【0037】
次に第1、第2の磁気センサ1,3の自己診断方法について説明する。図1において異方性磁気抵抗素子を用いた第1、第2の磁気センサ1,3が不具合になった場合、オペアンプ10,11からの電圧出力は、電源電圧に貼り付くか接地電圧に貼り付くかあるいは中点電圧近傍に貼り付くか、の三種類である。もし第1、第2の磁気センサ1,3のどちらかに不具合が発生しオペアンプ10,11の出力電圧が電源電圧あるいは接地電圧に貼り付いた場合、演算回路5部で特定電圧以上あるいは以下を第1、第2の磁気センサ1,3の不具合と判定するようにすれば第1、第2の磁気センサ1,3の自己診断を容易に行うことができる。
【0038】
第1、第2の磁気センサ1,3の不具合によりオペアンプ10,11の電圧出力が中点電圧(Vccを5VDCとするとほぼ2.5V)に貼り付いた場合の自己診断について説明する。この場合の不具合検出は、第1の電圧切替部16および第2の電圧切替部17の出力電圧を中点電圧と接地電圧に切り替えて抵抗14,15を介してオペアンプ10,11の+入力に印加してオペアンプ10,11の出力電圧をみることにより可能となる。
【0039】
第1、第2の磁気センサ1,3が正常に動作している時はオペアンプ10,11の+入力に中点電圧を印加すると、この中点電圧をセンターにした交流信号がオペアンプ10,11から出力される。この状態でオペアンプ10,11の+入力の電圧を接地電圧に切り替えるとこの接地電圧をセンターとする交流電圧すなわち交流波形の上半分の信号がオペアンプ10,11から出力される。オペアンプ10,11の増幅率は交流信号の振幅が最大値でも電源電圧以下になるように設定されているので、接地電圧をセンターとする交流電圧の平均電圧は中点電圧の半分以下の電圧になる。
【0040】
もし第1、第2の磁気センサ1,3がオープンとなった場合、オペアンプ10,11の+入力に中点電圧が印加されるとその電圧がそのままオペアンプ10,11から出力される。オペアンプ10,11の+入力に接地電圧を印加するとオペアンプの一般的な特性からオペアンプ10,11の出力は中点電圧近傍の電圧を出力する。従ってオペアンプ10,11の+入力に印加する電圧を中点電圧と接地電圧に切り替えた時のオペアンプ10,11の出力をモニタすれば第1、第2の磁気センサ1,3のオープンを検出できる。
【0041】
次にオペアンプ10,11の自己診断方法について説明する。図1において抵抗6,7,8,9の抵抗値は前述したようにすべてR1、抵抗12,13,14,15の抵抗値はすべてR2で、第1の切替スイッチ2の端子2iに電圧V1、端子2jに電圧V2を印加するとオペアンプ10の出力電圧は(数4)のようになる。すなわち中点電圧をセンターにし(R2/R1)倍に差動増幅されることになる。
【0042】
【数4】
Figure 0003979124
【0043】
抵抗21,22,23によって決まる基準電圧Va,Vb(GND≦Vb<Va≦Vcc)を第1の切替スイッチ2の端子2e,2fに接続し、スイッチを切り替えて端子2iに電圧Va、端子2jに電圧Vbを印加するとオペアンプ10の出力電圧は(数1)のV1,V2のかわりにVa,Vbの入った(数5)で表される。
【0044】
【数5】
Figure 0003979124
【0045】
基準電圧Va,Vbをオペアンプ10に入力した場合の出力電圧は(数5)により決まるのでその出力電圧が正しくでているかどうかを演算回路5で判定することによりオペアンプ10の自己診断ができる。
【0046】
基準電圧Va,Vbは第2の切替スイッチ4の端子4e,4fにも接続されているので、オペアンプ11の自己診断は第2の切替スイッチ4を切り替えて端子4iに電圧Va、端子4jに電圧Vbを印加することによりオペアンプ10の場合と同様に行うことができる。
【0047】
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項5に記載の発明について説明する。この実施の形態2は回転角度を検出する回転体の構造および磁気センサは実施の形態1で説明したものと同じであるが、回路部が実施の形態1の回路部と異なっている。この異なっている回路部について図6にて説明する。第1の磁気センサ1からコサイン波を出力する出力端子1y,1zは第2の切替スイッチ4の入力端子4e,4fに接続され、第2の磁気センサ3からサイン波を出力する出力端子3w,3xは第1の切替スイッチ2の入力端子2e,2fに接続されている。またオペアンプ10,11の自己診断用の基準電圧Va,Vbは第1の切替スイッチ2の入力端子2c,2dと第2の切替スイッチ4の入力端子4c,4dに入力される。
【0048】
第1、第2の磁気センサ1,3からの出力信号の流れについて説明する。図6において、まず第1の磁気センサ1の出力端子1w,1xからのサイン波信号は第1の切替スイッチ2の端子2a,2bから第1の切替スイッチ2の出力端子2i,2jを通して第1のオペアンプ10に入力され、差動増幅されて演算回路5に入り信号処理される。
【0049】
次に第1の磁気センサ1の出力端子1y,1zからのコサイン波出力は第2の切替スイッチ4の入力端子4e,4fから第2の切替スイッチ4の出力端子4i,4jを通して第2のオペアンプ11に入力され、差動増幅されて演算回路5に入り信号処理される。
【0050】
その次に第1の切替スイッチ2の各端子間の接続が切り替えられ、第2の磁気センサ3の出力端子3w,3xからのサイン波信号は第1の切替スイッチ2の入力端子2e,2fに入り、出力端子2i,2jを通って第1のオペアンプ10に入力され、差動増幅されて演算回路5に入り信号処理される。
【0051】
次に第2の切替スイッチ4の各端子間の接続が切り替えられ、第2の磁気センサ3の出力端子3y,3zからのコサイン波出力は第2の切替スイッチ4の入力端子4a,4bから出力端子4i,4jを通して第2のオペアンプ11に入力され、差動増幅されて演算回路5に入り信号処理される。
【0052】
以上に述べたように第1の磁気センサ1からのサイン波信号とコサイン波信号、第2の磁気センサからのサイン波信号とコサイン波信号、合計4種類の信号が順番に1回ずつ演算回路5に入力され、第2の回転体31、第3の回転体37の回転角度を求める1回のルーチンが完了する。
【0053】
第1、第2の切替スイッチ2,4の切替に要する時間はおよそ300μsecであり、その後の演算回路5ではA/D変換器への入力切替に数μsec、A/D変換に30μsec前後の時間を要している。
【0054】
本実施の形態2による回路構成の場合、第1、第2の磁気センサ1,3からのサイン波信号とコサイン波信号のうちサイン波信号を第1の切替スイッチ2に通し、コサイン波信号を第2の切替スイッチ4に通しているので、サイン波信号が第1のオペアンプ10による増幅および演算回路5による信号処理が完了した後、直ちに第2の切替スイッチ4を通してコサイン波信号の増幅と信号処理を行うことができ、このコサイン波信号の増幅と信号処理の間に第1の切替スイッチ2を切り替える動作を行うことにより1回のルーチンの時間を大幅に短縮することができる。
【0055】
1回のルーチンに要する時間は例えば実施の形態1の場合には、第1、第2のスイッチ2,4の切替時間が約300μsec、演算回路5の内部でのA/D変換器の入力切替に6μsec、A/D変換に要する時間を40μsecとすると1回のルーチンは第1、第2のスイッチを2回ずつ計4回切り替える時間に加えA/D変換器の入力切替およびA/D変換の時間を合計すると、合計時間1384μsec要することになる。本実施の形態2の場合では第1の切替スイッチ2が切り替わっている間に、増幅とA/D変換と第2のスイッチ切替の動作を行い、また第2の切替スイッチ4が切り替わっている間に同様の動作を行うことにより約半分の時間で1回のルーチンを完了することができる。
【0056】
従って短時間で第2、第3の回転体31,37の回転角度を測定できるのでより精度の高い回転角度検出が可能になる。
【0057】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項6に記載の発明について説明する。図7(a)において第4の回転体42が第1の回転体30に係合されており、この第4の回転体42の回転中心には磁石43が埋め込まれている。この第4の回転体42の歯車部分の形状寸法は第2の回転体31と同じである。図7(b)において、軸受け41によって支持された第4の回転体42の中心部の上方には第3の検出手段として第3の磁気センサ44が配置されている。
【0058】
また残りの部品の構成、動作および回転角度検出の方法は実施の形態1および実施の形態2で説明したのと同じである。
【0059】
次に本実施の形態3における回路について簡単に説明する。図8において第3の磁気センサ44からの出力のうちサイン波の出力端子44w,44xは第1の切替スイッチ2の入力端子2g,2hに、コサイン波の出力端子44y,44zは第2の切替スイッチ4の入力端子4g,4hに接続されている。第1、第2の切替スイッチ2,4以降の回路構成は実施の形態1と同じである。
【0060】
上記構成による回転角度検出装置の特徴は第2の回転体31と第4の回転体42の回転すなわち第1の磁気センサ1と第3の磁気センサ44の出力を比較することにより第1の回転体30、第2の回転体31、第4の回転体42の軸受け41や歯車等の機械的損傷を検出できることである。すなわちこれら第1の回転体30、第2の回転体31、第4の回転体42が正常に係合し回転している限り、第2の回転体31と第4の回転体42の歯車部分は同じ歯数のため双方とも同じ速度で同じ方向に回転し、従って第1の磁気センサ1と第3の磁気センサ44からの出力の位相差は常に一定となる。
【0061】
第1の回転体30、第2の回転体31、第4の回転体42の軸受けや歯車等が機械的損傷を受けて滑らかに回転しない場合は第1の磁気センサ1と第3の磁気センサ44からの出力の位相が異なるので、不具合ということを直ちに検出することができる。
【0062】
なお第3の回転体37の回転を検出する第2の磁気センサ3からの出力も同時にモニタすればすべての回転体の機械的損傷を検出することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように本発明は、外周に歯を有する多回転可能な第1の回転体と、この第1の回転体に係合する第2の回転体と、この第2の回転体に係合する第3の回転体と、前記第2の回転体の回転角度を検出する第1の検出手段と、前記第3の回転体の回転角度を検出する第2の検出手段と、前記第1、第2の検出手段の信号を増幅する第1、第2の増幅回路部と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子に自己診断用の基準電圧を印加する一定電圧供給手段と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子の一方に接続された中点電圧と接地電圧を切り替えて印加する第1、第2の電圧切替部と、これらの第1、第2の電圧切替部に接続された演算回路とを備えているので、角度位置を検出する検出手段とその信号を増幅する増幅回路部の異常や不具合を検出する自己診断機能を有する回転角度検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の回転角度検出装置の回路図
【図2】同回転角度検出装置の電圧切替部の構成を示す回路図
【図3】(a)〜(c)は同回転角度検出装置の構成を示す正面図、上面図、側面図
【図4】同回転角度検出装置の磁気抵抗素子の内部の回路構成を示す回路図
【図5】(a)(b)はともに同回転角度検出装置の磁気抵抗素子からの出力信号を説明する波形図
【図6】本発明の実施の形態2の回転角度検出装置の回路図
【図7】(a)(b)は本発明の実施の形態3の回転角度検出装置の構成を示す正面図、上面図
【図8】本発明の実施の形態3の回転角度検出装置の回路図
【符号の説明】
1 第1の磁気センサ
1a,1b,1c,1d 磁気抵抗素子
1e,1f,1g,1h 磁気抵抗素子
1w,1x,1y,1z 出力端子
2 第1の切替スイッチ
2a,2b,2c,2d,2e,2f 入力端子
2i,2j 出力端子
2k 制御端子
3 第2の磁気センサ
3w,3x,3y,3z 出力端子
4 第2の切替スイッチ
4a,4b,4c,4d,4e,4f 入力端子
4i,4j 出力端子
4k 制御端子
5 演算回路
6,8 抵抗
7,9 抵抗
10 第1のオペアンプ
11 第2のオペアンプ
12,13 抵抗
14,15 抵抗
16 第1の電圧切替部
17 第2の電圧切替部
18,19 抵抗
20 切替スイッチ
20a,20b 端子
20c 端子
20d 制御端子
21 抵抗
22 抵抗
23 抵抗
30 第1の回転体
31 第2の回転体
32 軸
33 軸受け
34 軸受け
35 ウォームギア
36 歯車
37 第3の回転体
38 磁石
40 磁石
41 軸受け
42 第4の回転体
43 磁石
44 第3の磁気センサ
44w,44x,44y,44z 出力端子

Claims (6)

  1. 外周に歯を有する多回転可能な第1の回転体と、この第1の回転体に係合する第2の回転体と、この第2の回転体に係合する第3の回転体と、前記第2の回転体の回転角度を検出する第1の検出手段と、前記第3の回転体の回転角度を検出する第2の検出手段と、前記第1、第2の検出手段の信号を増幅する第1、第2の増幅回路部と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子に自己診断用の基準電圧を印加する一定電圧供給手段と、前記第1、第2の増幅回路部の各一対の入力端子の一方に接続された中点電圧と接地電圧を切り替えて印加する第1、第2の電圧切替部と、これらの第1、第2の電圧切替部に接続された演算回路とを備えた回転角度検出装置。
  2. 第1の検出手段、第2の検出手段は、それぞれ磁石と磁気センサとからなり、前記磁石は第2の回転体、第3の回転体に固定されている請求項1に記載の回転角度検出装置。
  3. 磁気センサは複数のブリッジを構成する磁気抵抗素子からなり、この磁気抵抗素子は磁束の方向に対する抵抗値変化が180度周期であるとともに、一方のブリッジからの出力波形の位相が、残りのブリッジからの出力波形の位相と略45度ずれるように配置された請求項2に記載の回転角度検出装置。
  4. 第1、第2の増幅回路部の一方あるいは両方に一定電圧供給手段から自己診断用の基準電圧を入力し、前記基準電圧を入力された増幅回路部から出力された電圧により前記基準電圧を入力された増幅回路部の診断を行う請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転角度検出装置。
  5. 第1の検出手段に設けられた4つの磁気抵抗素子にて得られる4種類の波形の信号を、波形が互いに逆位相の関係である信号同士を一つの組とした二つの組に分け、いずれか一方の組の信号を第1の増幅回路へ、他方の組の信号を第2の増幅回路へそれぞれ第1、第2の切替スイッチにて入力し、第2の検出手段に設けられた4つの磁気抵抗素子にて得られる4種類の波形の信号を、波形が互いに逆位相の関係である信号同士を一つの組とした二つの組に分け、前記第1の増幅回路へ入力された信号と略同位相の組の信号を第1の増幅回路へ、他方の組の信号を第2の増幅回路へそれぞれ第1、第2の切替スイッチにて入力する構成とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転角度検出装置。
  6. 外周に歯を有する多回転可能な第1の回転体と、この第1の回転体に係合する第4の回転体と、この第4の回転体の回転角度を検出する第3の検出手段とを有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の回転角度検出装置。
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