JP3978492B2 - 半凝固金属及び微細球状化された組織を有する金属素材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半凝固金属等の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、金属に高エネルギー振動力を付与して金属組織を球状化する方法、及び当該球状化方法を用いて、半溶融状態での鍛造、圧延、押出、加圧成形等の加工に供する微細球状化された組織を有する金属素材及びその成形品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半溶融加工に使用される金属素材は、インゴット素材の状態で初晶結晶が粒状で、かつ球状に近い粒子になっていることが必要である。この組織を得るために、従来の方法では、撹拌させながら金属材料を凝固させることにより、粒状の組織を得ていた。この撹拌方式としては、電磁撹拌、機械撹拌、又は単ロール撹拌が用いられている。これらのうち、電磁撹拌は、回転する磁界により溶融金属を撹拌する方法であり、円柱状の金属素材の円周方向に水平に撹拌する場合、円柱の軸方向に回転撹拌する場合、円柱の斜め軸方向に回転撹拌する場合の各方式が開発されている。しかし、このいずれの方式も、金属素材の凝固に伴う固相率の増加により、固相率が30%を越えると粘性が急速に増加し、撹拌が十分に行えなくなり、粒状の組織を得ることが難しくなるという問題がある。このため、現在、市販されている、半溶融加工に供される金属素材は、いずれも完全な球状粒子ではなく、不定形の粒子を多数含んでおり、成形加工条件に大きな制約を受けると言う問題がある。
【0003】
また、機械撹拌は、棒状の撹拌子を用いて半凝固金属を撹拌する方法であり、この方法の場合も固相率が約30%を越えると、粘性が急速に増加し、固液共存体中に周囲の雰囲気が大量に巻き込まれ、使用に耐える金属素材が製造できなくなるという問題がある。更に、単ロール撹拌は、内部を水冷した回転ロールと固定板の間に挟んだ金属溶湯を回転ロールで撹拌しながら凝固させる方法であるが、回転ロールによる撹拌のために、凝固中の金属が均質に撹拌されないことから、均質な金属素材が得られないこと、及び固相率が大きくなると撹拌効果がなくなること、等の問題がある。
【0004】
ここで、従来の方法を幾つか例示してみると、従来、半凝固金属を製造する方法として、例えば、非樹枝状初晶が金属融体中に分散した固体−液体金属混合物(半凝固金属)の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、非樹枝状初晶が金属融体中に分散した固体−液体金属混合物(半凝固金属)を連続的に製造するための方法が提案されている(特許文献2)。
更に、非樹枝状初晶が金属融体中に分散した固体−液体金属混合物(半凝固金属)を電磁誘導撹拌方式によって製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−170629号公報
【特許文献2】
特開平3−142040号公報
【特許文献3】
特開平3−170629号公報
【0006】
しかし、上記方法は、撹拌子の回転、撹拌用回転子の回転により、あるいは回転磁界によって溶融金属を回転流動させるものであり、金属素材の凝固に併う固相率の増加により、粒状の組織を得ることが難しくなるという問題を解消するには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術における諸問題を抜本的に解決するためになされたものであって、電磁撹拌や機械撹拌等の撹拌操作を行うことなく、また、何ら他の元素、成分や物質等を添加することなく、凝固中の金属材料に、電場と磁場を印加するだけで、生成する固体結晶を球状化する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、金属材料の成分や種類に依ることなく球状化を可能にする方法を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、上記方法を用いて、微細球状化した組織を有する金属素材を製造することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して生成する固体結晶を球状化すること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、を特徴とする金属組織の球状化方法。
(2)電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法を用いて微細球状化した半凝固金属を製造する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して金属組織を微細球状化し、次いで、この状態から所定の冷却速度で冷却することにより半凝固金属を製造すること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、を特徴とする半凝固金属の製造方法。
(3)金属材料が、純金属、合金、又は金属間化合物である、上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法を用いて微細球状化した組織を有する金属素材を製造する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して金属組織を微細球状化し、次いで、この状態から所定の冷却速度で冷却を開始し、凝固させること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、により金属素材を製造することを特徴とする金属素材の製造方法。
(5)金属組織を微細球状化する工程、及び所定の冷却速度で冷却、凝固させる工程を、連続的に行い、所定の断面形状を有する金属素材の連続体を製造する、上記(4)に記載の方法。
(6)円柱状、直方体状、又はスラブ状の断面形状を有する金属素材の連続体を製造する、上記(5)に記載の方法。
(7)上記(5)又は(6)に記載の方法により作製した金属素材を、半溶融状態での鍛造、圧延、押出、又は加圧成形に代表される加工手段に供して成形加工することを特徴とする上記金属素材の成形品の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明では、完全溶融状態、又は部分溶融状態(部分凝固も含む)の金属材料に対して、直流磁場を印加すると共に、交流電場を同時に印加することにより、電磁振動力を発生させる。完全溶融状態の金属材料では、その後、凝固を進行させる途中で磁場と電場を同時に印加する。この電磁振動力の作用により、液体金属中に共存している固体結晶が微細粒状に生成する。更に、この時の電磁振動条件として、特定の電磁振動条件を採用し、印加することにより、微細粒状結晶が球状化させることが可能となる。
【0010】
金属組織を球状化するための電磁振動条件としては、電流密度は0.3×106〜7×106A/m2、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラ、が好適である。上記条件を採用することにより、金属組織を微細球状化することが可能となる。次に、本発明では、この状態から所定の冷却速度で冷却を開始し、半凝固金属を製造し、更に、完全に凝固完了するまで冷却を行い、微細球状化された組織を有する金属素材を製造する。これにより、高い固相率においても、高い割合で微細で、かつ均一に球状化された組織を有する金属素材を製造することが可能となる。
【0011】
この時、半凝固金属及び金属素材の内部組織は、初晶結晶の球状化度と固相率で規定される。初晶結晶の球状化度は、電磁振動条件、すなわち、電流強度、電流周波数、磁場強度に依存する。また、初晶結晶の固相率は、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で規定される。冷却速度が大きい場合には、微細な球状粒子が得られ、冷却速度が小さい場合には、粗大な球状粒子が得られる。プロセスの冷却速度は、溶融金属材料の温度とプロセス部との温度差及びプロセス部とその直下の水冷急冷帯との距離により規定される。対象金属合金に対して、これらの諸条件を最適化することにより、種々の断面形状をもつ連続半凝固金属素材を製造することができる。
本発明では、上記方法における金属組織を微細球状化する工程、及び所定の冷却速度で冷却、凝固させる工程を連続的に行い、所定の断面形状を有する金属素材の連続体を製造することができる。また、この金属素材を、半溶融状態での鍛造、圧延、押出、加圧成形等の加工に供して二次加工することにより適宜の形状を有する金属素材成形品を製造することができる。
【0012】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
Al−7%Si合金に対して、本発明のプロセスを適用した。セラミックス容器に挿入した合金試料を、超電導マグネットの磁場空間内の中央部に固定し、可動式の加熱炉により700℃まで加熱溶解し、2分間等温保持し、試料の均質化を行った。その後、10テスラの磁場強度を発生させると共に、60Hzで4.24×106A/m2の交流電流を印加して電磁振動力を付与した。この状態から30〜40℃/secの冷却速度で冷却を開始し、半凝固金属を製造し、更に、完全に凝固完了するまで冷却を行った。得られた金属素材の組織を図1に示す。通常の凝固組織で見られる初晶のデンドライト組織と大きく異なり、初晶アルミニウムのデンドライト組織が顕著に球状化した粒子組織が得られた。類似の球状化組織は、この他の電磁振動条件、例えば、60Hzで2.83×106A/m2の交流電流を印加した場合等にも確認された。
【0013】
実施例2
AZ91Dマグネシウム合金に対して、本発明のプロセスを適用した。石英ガラス容器に挿入した合金試料を、常電導マグネットの磁場空間内の中央部に固定し、可動式の加熱炉により650℃まで加熱溶解し、2分間等温保持し、試料の均質化を行った。その後、1.6テスラの磁場強度を発生させると共に、150Hzで1.42×106A/m2の交流電流を試料両端の電極を介して印加し、電磁振動力を付与した。この状態から2℃/secの冷却速度で冷却を開始し、所定の時間電磁振動を付与し、半凝固金属を製造した後、更に、水冷(約100℃/sec)による急冷を行った。得られた金属素材の組織を図2に示す。同じ冷却速度における通常の凝固組織で見られる初晶のデンドライト組織とは大きく異なり、初晶マグネシウムのデンドライト組織が球状化した粒子組織が得られた。
【0014】
実施例3
灰鋳鉄に対して、本発明のプロセスを適用した。使用した灰鋳鉄は、砂型鋳造材と連続鋳造材であり、試料の組成を表1に示す。砂型鋳造材は亜共晶組成であり、連続鋳造材はほぼ共晶組成である。セラミックス容器に挿入した合金試料を超電導マグネットの磁場空間内の中央部に固定し、可動式の加熱炉により1350℃まで加熱溶解し、その温度で保持することにより試料の均質化を行った。その後、10テスラの磁場を印加すると共に、200Hzで3.54×106A/m2の交流電流を印加して電磁振動力を付与した。この状態から7℃/secの冷却速度で冷却を開始し、半凝固金属を製造し、更に、完全に凝固完了するまで冷却を行った。
【0015】
【表1】
【0016】
砂型鋳造材の灰鋳鉄に対して得られた金属素材の組織を図3に示す。従来の鋳造法と同程度の冷却速度における凝固組織では、オーステナイトの柱状デンドライトが発達した組織となるのに対して、初晶オーステナイトが顕著に球状化した粒子が得られた。類似の球状化組織は、この他の電磁振動条件、例えば、200Hzで4.95×106A/m2の交流電流を印加した場合等にも確認された。また、連続鋳造材の灰鋳鉄についても、同様の電磁振動条件で類似の組織が得られた。
【0017】
実施例4
Al−7%Si合金、AZ91D合金、灰鋳鉄等のインゴット片を、本プロセス装置の導入部に挿入して、電磁振動印加部直前で完全溶解した。その溶解試料を、超電導マグネット内に移動させて、電磁振動力を印加した。ここで初晶結晶が微細球状化した試料を、そのプロセス部から下方に移動させ、直ちに凝固させて、金属素材とした。この金属素材は、プロセス部内の容器の形状により、円柱状、直方体状、スラブ状等種々の断面形状を有す連続体の金属素材となった。
【0018】
実施例5
AC4CH等のアルミニウム合金に対して、本発明のプロセスを適用することにより製造された金属素材を、半溶融状態に再加熱し、所定の金型により加圧成形し、自動車部品を成形した。その結果、従来の半凝固金属材料素材を使用した場合に較べて、金型内の流動性が大きく改善された。また、初晶結晶が球状化しているため、高固相率においても加圧成形による良好な金型充填性が得られた。その結果、ダイカスト成形品と同程度の複雑形状部品の成形加工が可能となった。この場合、ダイカスト製品とは異なり、半凝固金属を充填するため、内部欠陥が著しく減少し、熱処理の可能な製品の製造が可能となった。
【0019】
実施例6
AZ91D等のマグネシウム合金に対して、本発明のプロセスを適用することにより製造された金属素材を、半溶融状態に再加熱し、金型により加圧成形し、情報通信機器、音響・画像機器部品を成形した。その結果、従来のチクソモールディングプロセスによる半凝固金属材料素材に較べて、金型内の流動性が大きく改善された。また、薄肉製品においても湯廻り不良、ブローホール等の内部欠陥が著しく減少した。
【0020】
実施例7
AC8A合金等のアルミニウム合金に対して、本発明のプロセスを適用することにより製造された金属素材を、半溶融状態に再加熱し、金型により加圧成形し、家電製品におけるクーラー用コンプレッサー部品を成形した。その結果、従来の半凝固金属材料素材を使用した場合に較べて、金型内の流動性が大きく改善された。この場合にも、高固相率の半凝固金属材料素材を加圧成形することにより、内部欠陥を著しく減少することが可能となった。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、金属に高エネルギー振動力を付与することにより金属組織を微細球状化する方法、及び当該方法を用いて微細球状化した組織を有する金属素材を製造する方法に係るものであり、本発明により、高い固相率においても高い球状化率を有する金属素材を製造することができる。本発明によれば、例えば、自動車の足廻り部品やエンジン廻り部品やコンプレッサー部品、家電製品におけるモーター周囲部品や情報通信機器・音響機器・画像機器のケースやCRTケース、小型軽量機械部品等を製造するための、半溶融状態での鍛造、圧延、押出、加圧成形等の半溶融加工及び半溶融成形加工に必要な金属素材を工業的規模で効率よく生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Al−7%Si合金の電磁振動付与による、初晶アルミニウム結晶の微細球状化された組織を示す。
【図2】 AZ91D合金の電磁振動付与による、初晶マグネシウム結晶の微細球状化された組織を示す。
【図3】 砂型鋳造した灰鋳鉄の電磁振動付与による、初晶オーステナイト結晶の微細球状化された組織を示す。
Claims (7)
- 電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して生成する固体結晶を球状化すること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、を特徴とする金属組織の球状化方法。 - 電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法を用いて微細球状化した半凝固金属を製造する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して金属組織を微細球状化し、次いで、この状態から所定の冷却速度で冷却することにより半凝固金属を製造すること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、を特徴とする半凝固金属の製造方法。 - 金属材料が、純金属、合金、又は金属間化合物である、請求項1又は2に記載の方法。
- 電磁振動力の高エネルギー振動力を溶融金属に直接付与することにより、溶融金属中にキャビテーション(空孔)を生じさせ、その消滅時に発生する衝撃圧力で、生成してくる固体金属結晶を破砕分断すると共に、振動により金属組織を球状化する方法を用いて微細球状化した組織を有する金属素材を製造する方法であって、
1)前記溶融金属に電流と磁場を同時に印加すること、2)初晶結晶の球状化度を電磁振動条件で調整すること、3)金属組織を球状化するための電磁振動条件が、電流密度は0.3×10 6 〜7×10 6 A/m 2 、電流周波数は10Hz〜1000Hz、磁場強度は0.5〜15テスラであること、4)それにより、金属に高エネルギー振動力を付与して金属組織を微細球状化し、次いで、この状態から所定の冷却速度で冷却を開始し、凝固させること、5)初晶結晶の固相率を、電磁振動力を印加するプロセス部での冷却速度で調整すること、により金属素材を製造することを特徴とする金属素材の製造方法。 - 金属組織を微細球状化する工程、及び所定の冷却速度で冷却、凝固させる工程を、連続的に行い、所定の断面形状を有する金属素材の連続体を製造する、請求項4に記載の方法。
- 円柱状、直方体状、又はスラブ状の断面形状を有する金属素材の連続体を製造する、請求項5に記載の方法。
- 請求項5又は6に記載の方法により作製した金属素材を、半溶融状態での鍛造、圧延、押出、又は加圧成形に代表される加工手段に供して成形加工することを特徴とする上記金属素材の成形品の製造方法。
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