JP3978387B2 - ラック式昇降装置の装着方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装着されたリーダに沿って昇降するラック式昇降装置について、特に上下2台のラック式昇降装置を一体的に連結してリーダに沿って昇降させる当該ラック式昇降装置の装着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、オーガ等の作業装置を装着した作業機による施工では、図16に示す特公平6−78617号公報に開示されたもののように、ベースマシンである杭打機101の前部にリーダ102が立設され、そのリーダ102にオーガ110とラック式昇降装置120とが昇降可能に装着して行われる。この作業機100は、オーガ110によって回転を与え、ラック式昇降装置120の昇降によってオーガ110に取り付けたオーガスクリュウなどによる掘削が行われる。
【0003】
図17は、その作業機100におけるラック式昇降装置120の装着状態を示した平面図である。杭打機101のリーダ102は、一対のガイドパイプ104,104の中間位置にラック105が固定され、ラック式昇降装置120は、そのガイドパイプ104,104をガイドギブ121,121が摺動可能に挟み込み、ラック105には両側から一対のピニオンギヤ122,122が噛み合っている。そして、油圧モータ123,123の駆動によって各ピニオンギヤ122,122が歯車減速機構を介して回転してラック105を転動し、ラック式昇降装置120がオーガ110を昇降する。
【0004】
ところで、こうした作業機100を使用した施工では、従来からオーガスクリューの圧入や引抜き力などを大きくするため、ラック式昇降装置120の昇降力を上げることの要求があった。昇降力を上げるための手段としては、油圧モータ123,123の容量を大きくしたり、油圧モータ123,123を駆動させる作動油の供給圧力を大きくすることが考えられる。しかし、それではピニオンギヤ122,122やラック105の歯車強度が不足し、その歯幅やモジュールを大きくするなどの設計変更が必要になる。そのため、現在所有しているラック式昇降装置を利用して昇降力を上げる方法として、2台のラック式昇降装置を上下に連結することが行われる。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−78617号公報(第2−3頁、図2、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、リーダに対して連結した2台のラック式昇降装置を装着させる場合、上下に位置するピニオンギヤをラックに対して同時に噛み合わせるのが非常に困難で、手間のかかる作業であった。つまり従来のやり方は、予め上下に連結した2台のラック式昇降装置をクレーンによって吊り上げ、それをリーダ正面からはめ合わせるように二対のピニオンギヤをラックに噛み合わせていた。しかし、ラックに対して同時に噛み合うように各ピニオンギヤの位相を揃えなければならず、簡単に噛み合わせられるものではなかったため、ラック式昇降装置の装着は手間のかかる作業であった。
【0007】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、ラック式昇降装置を2台上下に連結した状態でリーダへ装着することを簡単に行うための方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るラック式昇降装置の装着方法は、リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降するラック式昇降装置を、上下に2台連結してリーダに装着するための方法であって、ガイドギブをガイドパイプに摺動可能にした状態で吊り下げた上部のラック式昇降装置を引き上げることにより、そのピニオンギヤをリーダのラックに噛み合わせて、当該上部のラック式昇降装置をピニオンギヤの回転によるリーダに沿った昇降を可能にし、ガイドギブをガイドパイプに摺動可能にした状態で下部のラック式昇降装置を前記上部の昇降装置に吊り下げ、前記上部のラック式昇降装置によって当該下部のラック式昇降装置を引き上げ、ピニオンギヤをラックに噛み合わせて当該下部のラック式昇降装置をピニオンギヤの回転によるリーダに沿った昇降を可能にし、その後、前記上部及び下部のラック式昇降装置をリーダに沿って一体的に昇降させるべく連結手段によって連結するようにしたことを特徴とする。
【0009】
よって本発明では、2台を一体的に連結したままクレーンで吊って正面から装着させるような方法に比べて、上部及び下部の順にラック式昇降装置を段階的に装着するため作業手順は多くなるものの一つ一つの作業が簡単であり、特にピニオンギヤをラックに噛み合わせることが格段に容易になることから、ラック式昇降装置を2台上下に連結した状態でリーダに装着することを簡単に行うことができるようになる。
【0010】
また、本発明に係るラック式昇降装置の装着方法は、連結された前記上部及び下部のラック式昇降装置は、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給され、リーダに沿って昇降するようにしたものであって、前記上部のラック式昇降装置の上昇によって引き上げ、前記下部のラック式昇降装置のピニオンギヤをラックに噛み合わせる場合に、前記下部のラック式昇降装置の油圧モータに前記上部のラック式昇降装置とは別のラインから作動油を供給するようにしたことを特徴とする。
【0011】
上部及び下部のラック式昇降装置は常に一体的に昇降するので、複雑な油圧回路を使って別駆動させる必要がないため同一ラインによって作動油を供給すればよい。しかし、上部のラック式昇降装置によって下部のラック式昇降装置を引き上げる際、ラックにピニオンギヤが噛み合っていない下部のラック式昇降装置にばかり作動油が流れてしまう。そこで、この工程では一旦作動油を供給するラインを別にすることで上部のラック式昇降装置による上昇を可能とし、ラック式昇降装置への油圧供給ラインを単純化したままで装着を実行することができる。
【0012】
また、本発明に係るラック式昇降装置の連結構造は、リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置を一体的に昇降させるべく上下に連結するための構造であって、前記ラック式昇降装置は、作業装置を下方に連結する連結ブラケットを取り付けるための取付部が装置本体に形成され、上部のラック式昇降装置には2連用の連結ブラケットが取り付けられ、下部のラック式昇降装置には作業装置取付用の連結ブラケットが取り付けられ、上下の両連結ブラケットが連結部材によって連結されたものであることを特徴とする。
【0013】
よって本発明によれば、前述した装着方法を実行する際、連結ブラケットを取り付けたままでも上部及び下部のラック式昇降装置をリーダに対して装着することができ、装着後も連結部材によって簡単に上下のラック式昇降装置を一体的に連結させることができる。また、この連結構造によれば、ラック式昇降装置自体に変更を加えることもなく前述した装着方法を実行することができる。
【0014】
また、本発明に係るラック式昇降装置への作動油供給ラインは、リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置が一体的に昇降できるように上下に連結され、連結された当該上部及び下部のラック式昇降装置には、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給されるものであって、前記下部のラック式昇降装置を上昇させるための作動油を供給する上昇ライン上に、絞りが設けられたものであることを特徴とする。
【0015】
前述した装着方法では、上部及び下部のラック式昇降装置への作動油を供給を同一ラインによって行うものの場合、一時的に下部のラック式昇降装置へ作動油を供給するラインを別に設けなければならないが、本発明によれば、下部のラック式昇降装置側に送られる作動油に絞りによる抵抗を生じさせ、上部のラック式昇降装置の油圧モータを駆動させるのと同じ負荷をかけることにより、下部のラック式昇降装置への上昇ラインを切り離すことなく上部のラック式昇降装置へ作動油を供給することができ、前述した装着方法の実行が可能となる。
【0016】
また、本発明に係るラック式昇降装置の油圧回路は、リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置が一体的に昇降できるように上下に連結され、連結された上部及び下部のラック式昇降装置には、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給されるものであって、前記下部のラック式昇降装置に対し、油圧モータを駆動させる作動油の供給によってブレーキを解除するネガブレーキに、シャトル弁と切換弁を介してブレーキ解除のための圧力油を供給するようにし、油圧モータが外力によって回転する際に流れる作動油が循環するように形成された循環流路に切換弁が設けられたものであることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、各切換弁が切り換えられてシャトル弁を介して送られた圧力油によってネガブレーキが解除され、またピニオンギヤがラックと噛み合うことによって油圧モータに働く外力によって送られた作動油が循環流路を流れて油圧モータが空回りする。従って、前述した装着方法では一時的に下部のラック式昇降装置へ作動油を供給するラインを別にしなければならないが、本発明によれば、下部のラック式昇降装置へのラインを一旦切り離して油圧モータを空回りさせることにより、前述した装着方法の実行が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るラック昇降装置の装着方法及びそれを実行するための連結構造などについて、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、上下に連結した本実施形態のラック昇降装置1,2を示した側面図であり、図2はその正面図である。2台のラック昇降装置1,2は同じ構造をしたものであり、リーダのラックを両側から挟むように各一対のピニオンギヤ11又は21を有し、それを各々2台の油圧モータによって回転駆動させるように構成されている。そして、リーダに装着された場合、そのピニオンギヤ11又は21がラックに噛み合い、その外側にあって上下二対のガイドギブ12,13又は22,23がリーダのガイドパイプを摺動可能に挟み込むようにしている。
【0019】
ラック昇降装置1,2は上下に取付孔14a,14b又は24a,24bが形成され、これに連結ブラケットがピン止めされてオーガ等の作業装置が取り付けられるようになっている。本実施形態では2台のラック昇降装置1,2を一体のものとするため、上方のラック昇降装置(以下、「上部昇降装置」とする)1には2連用の連結ブラケット3が、下方のラック昇降装置(以下、「下部昇降装置」とする)2には作業装置用の連結ブラケット4がそれぞれ取り付けられ、両者が連結パイプ5によって連結されている。そして、上部及び下部昇降装置1,2を連結する連結パイプ5は、上方の連結ブラケット3に対して前後方向に揺動可能に軸着され、下方の連結ブラケット4に対しては直交方向に軸着される。
【0020】
上部及び下部昇降装置1,2の油圧モータにはベースマシンである杭打機から作動油が送り込まれ、また回収されるように油圧ポンプやタンクに、上昇側油圧ホース及び下降側油圧ホース、更に油圧モータからのドレン油を回収するドレンホースが接続される。ここで図13は、上部及び下部昇降装置1,2のモータ駆動回路を示した図である。上部及び下部昇降装置1,2は、いずれも図示するように同じ左右一対の油圧モータ25,25又は35,35を備え、各油圧モータ25,25,35,35ごとにモータ駆動回路20,20,30,30が構成されている。
【0021】
杭打機には作動油の供給を行うべく油圧ポンプ及びタンクが設けられ、それに接続された各油圧ホースが上昇ライン6及び下降ライン7を構成すべく上部及び下部昇降装置1,2に分岐して接続されている。そして、その上昇ライン6及び下降ライン7は、更にそれぞれ一対のモータ駆動回路20,20又は30,30ごとに分岐して接続されている。ドレンライン8も同じように、上部及び下部昇降装置1,2に分岐し、更に各油圧モータ25,25又は35,35ごとに分岐して直接接続されている。本実施形態では上昇ライン6、下降ライン7及びドレンライン8はすべて同一ラインによって上部及び下部昇降装置1,2の油圧モータ25,25,35,35へ接続されているが、これは2連の上部及び下部昇降装置1,2を常に同じ昇降操作させるため、複雑な油圧回路を使って別駆動させる必要がないからである。
【0022】
上昇ライン6及び下降ライン7は、モータ駆動回路20,30のブレーキ弁26,36に接続され、そのブレーキ弁26,36から油圧モータ25,35までを往復する流路にクロスリリーフ弁27,28又は37,38が逆向き並列に接続されている。ブレーキ弁26又は36は、油圧モータ25又は35の逆転防止と昇降をホールドするためのものであり、またクロスリリーフ弁27,28又は37,38は、油圧モータ25又は35の過負荷時に油圧が過大になることを防止するためのものである。更に、ブレーキ弁26又は36にはネガブレーキ29,39が接続され、油圧モータ25,35を回転させようとする作動油の圧力によってブレーキが解除できるようになっている。
【0023】
次に、2台のラック昇降装置をリーダに装着するための方法について作業手順を追って説明する。図3乃至図12は、上部昇降装置1と下部昇降装置2とをリーダに対して一体的に装着する方法を作業手順に従って示した図である。本実施形態では上部及び下部昇降装置1,2は別々に装着され、先ず連結ブラケット3に連結パイプ5を軸着した状態の上部昇降装置1が杭打機のリーダに装着される。そこで、上部昇降装置1は、図3に二点鎖線で示すようにして4点吊りされ、不図示のリーダの前に倒した状態で置かれる。
【0024】
リーダには上端のシーブを掛け渡してウインチからのワイヤロープ51が前方に送られ、それが上部昇降装置1の吊上ブラケット41につながれる。杭打機本体のウインチが稼働してワイヤロープ51が巻き上げられると、上部昇降装置1は図4に示すように上側が持ち上げられ、ローラ42を支点に傾いて徐々に姿勢が起こされていく。軸着された連結パイプ5は下端側を地面に当て、軸の高さが変化するのに応じて傾きをかえるが、このとき下側のブラケット5bが折れてしまわないようにパイプ下端に枕木43を当て、ブラケット5bに荷重がかからないように浮かせるのがよい。
【0025】
そして更にワイヤロープ51が巻上げられると、上部昇降装置1は図5に示すように起立するが、このときリーダ60下端部分のガイドパイプ61を上方のガイドギブ12によって挟み込む。上部昇降装置1は、そこから更にワイヤロープ51によって引っ張り上げられ、ガイドギブ12がガイドパイプ61を摺動してリーダ60に沿って上昇し、図6に示すように下方のガイドギブ13によってガイドパイプ61を挟み込む。なお、リーダ60の下端部分にはラック62は形成されていないため、まだピニオンギヤ11は噛み合っていない。
【0026】
そこで、ピニオンギヤ11の位相を合わせて上部昇降装置1をゆっくりと引き上げ、ピニオンギヤ11を回転させてラック62に噛み合わせる。ピニオンギヤ11がラック62に噛み合った後に作動油の供給が止められると、ネガブレーキ29がかかって非回転のピニオンギヤ11がロック状態となるため、ワイヤロープ51を外しても上部昇降装置1は落ちることなくリーダ60に装着された状態を保つことができる。その後、上部昇降装置1は、次に下部昇降装置2を装着させるためピニオンギヤ11を回転させてリーダ60を上昇し、上方に一旦退避する。
【0027】
下部昇降装置2は、図8に二点鎖線で示すように4点吊りされ、不図示のリーダ前方に倒された状態で配置される。そして、上部昇降装置1をかわして降ろされたワイヤロープ51が吊上ブラケット45につながれ、杭打機本体のウインチによってワイヤロープ51が巻き上げられると、下部昇降装置2は、図9に示すように起立し、上方のガイドギブ22によってリーダ60下端部分のガイドパイプ61を挟み込む。このとき、下部昇降装置2には上昇ライン6、下降ライン7及びドレンライン8は接続されておらず、その代わりに油圧ホース65などによる別ラインが接続される。
【0028】
これは、この段階で図13に示すように上昇ライン6、下降ライン7及びドレンライン8を接続すると、ラック62に一対のピニオンギヤ11,11が噛み合った上部昇降装置1に比べ、まだラック62にピニオンギヤ21が噛み合っていないために負荷のかからない下部昇降装置2側にばかり作動油が流れてしまい、上部昇降装置1の昇降ができなくなるからである。そこで、下部昇降装置2には作動油を供給するラインを一旦別に設け、油圧モータ25,25と油圧モータ35,35とをそれぞれ別ラインで供給される作動油によって駆動させるようにする。
【0029】
次に、図10に示すように一旦上昇させた上部昇降装置1が降ろされ、それに下部昇降装置2が吊込ワイヤ46によってつながれる。そして、上部昇降装置1は上昇ライン6(図1313参照)からの作動油の供給によってゆっくりと上昇し、それに引き上げられ、下部昇降装置2もリーダ60を上昇してピニオンギヤ21,21がラック62に噛み合うことになる。このとき、ピニオンギヤ21,21とラック62との位相が合っている場合は、そのまま上昇させて噛み合わせが行われる。対になっているピニオンギヤ21,21同士に位相のずれが生じている場合にはバールなどを使って位相合わせが行われ、その後、下部昇降装置2には別ラインとして接続された油圧ホース65から作動油が供給され、ゆっくりと回転するピニオンギヤ21,21がラック62に噛み合わされる。
【0030】
ピニオンギヤ21,21がラック62に噛み合った後は、作動油の供給を停止すればネガブレーキがかかってピニオンギヤ21,21がロック状態となるため、図11に示すように吊込ワイヤ46を外してもその高さで下部昇降装置2が停止する。その後、図1212に示すように上部昇降装置1が降ろされ、その連結パイプ5が下部昇降装置2の連結ブラケット4に軸着されて上下2台のラック式昇降装置が一つになる。そして、下部昇降装置2にも上昇ライン6、下降ライン7及びドレンライン8が接続され、モータ駆動回路20,20,30,30の間には図13に示すように同一ラインによる作動油の供給が行われるようになる
【0031】
そこで、杭打機の操縦席で上昇操作が行われると(図13参照)、上昇ライン6に作動油が流れ、そこから流れ込んだ作動油の圧力によって先ずネガブレーキ29,39が解除される。その後、ブレーキ弁26,36が切り換えられるため、作動油は油圧モータ25,35を通って下降ライン7へと流れ出る。これにより油圧モータ25,35が作動油の油圧エネルギによって回転を出力し、同じラック62に噛み合ったピニオンギヤ11,11,21,21がそれぞれ転動することで上部及び下部昇降装置1,2が同じ速度で一体となって上昇する。
【0032】
逆に、杭打機の操縦席で下降操作が行われると、下降ライン7に作動油が流れ、そこから流れ込んだ作動油の圧力によってやはり先ずネガブレーキ29,39が解除される。その後、ブレーキ弁26,36が逆に切り換えられるため、作動油は油圧モータ25,35を通って上昇ライン6へと流れ出る。これにより油圧モータ25,35が作動油の油圧エネルギによって逆回転を出力し、同じラック62に噛み合ったピニオンギヤ11,11,21,21がそれぞれ転動することで上部及び下部昇降装置1,2が同じ速度で一体となって下降する。
【0033】
こうして本実施形態では、連結した2台の昇降装置1,2を同時に駆動させるようにしたので、ピニオンギヤ11,21やラック62を既存のサイズにしたまま油圧モータなど従来の構造に変更を加えることなく昇降力を大きくすることができた。
【0034】
そして本実施形態では、2台を一体に連結したままクレーンで吊って正面から装着させるような方法に比べ、作業手順は多くなるものの一つ一つの作業が簡単であり、特にピニオンギヤ11をラック62に噛み合わせことが格段に容易になったため、2台の昇降装置1,2をリーダ60に対して簡単に装着することができるようになった。
また、下部昇降装置2をリーダ60に装着させる場合、上部昇降装置1で吊り上げるようにしたので、クレーン車を使うと上部昇降装置1が邪魔になって困難な作業も容易に行うことができる。
【0035】
更に本実施形態のラック昇降装置は、取付孔14a,14b又は24a,24bが形成され、下部昇降装置2にオーガなどの作業装置を取り付けるための連結ブラケット4と上部昇降装置1に取り付けられている2連用の連結ブラケット3は着脱が可能になっている。そのため、この2つの連結ブラケット3,4を連結パイプ5で連結させる連結構造は、昇降装置自体に変更を加えることなく、簡単に2台のラック昇降装置を一体化させることができた。
【0036】
ところで、前記実施形態では下部昇降装置2のピニオンギヤ21をラック62に噛み合わせる場合に、油圧ホース65などを使用して上部昇降装置1とは別ラインで作動油を取り込むようにしたが、次のような変更を加えることで別ラインで作動油を取り込みを不要とすることが可能となる。図14及び図15は、そうした昇降装置1,2のモータ駆動回路を示した図である。
【0037】
図14に示すモータ駆動回路は、上部及び下部昇降装置1,2について前述した図13のものと同じ構成をしているが、下部昇降装置2側へ作動油を送る上昇ライン6に絞り47が設けられている。従って、上昇ライン6に油圧ポンプから作動油が送り込まれれば、油圧モータ35,35が空回りする下部昇降装置2側にも、絞り47の抵抗によって上部昇降装置1の油圧モータ25を通るときと同じように負荷がかかる。従って、別ラインで下部昇降装置2側へ作動油を供給しなくても、ラック62に噛み合っていない下部昇降装置2側のピニオンギヤ21を回転させながら、上部昇降装置1の油圧モータ25を駆動させ、ラック62に噛み合ったピニオンギヤ11を転動させて上昇させることができる。従って、これによれば別ラインを構成する油圧ホースを必要とせず、接続の手間も省くことができる。
【0038】
次に、図15に示すモータ駆動回路は、下部昇降装置2側に変更を加え、ネガブレーキ39,39にシャトル弁48,48を介してソレノイド弁49が接続され、更に油圧モータ35,35を作動油が循環するように接続された流路にソレノイド弁50,50が接続されている。従って、図10に示すように下部昇降装置2のピニオンギヤ21をラック62に噛み合わせる場合、その下部昇降装置2には上昇ライン6、下降ライン7そしてドレインライン8を接続しない状態で、操縦席からの操作によってソレノイド弁49,50,50を切り換える。
【0039】
これによりソレノイド弁49をからシャトル弁48を通って送られた圧力油によってネガブレーキ39が解除され、外力によって油圧モータ35から送られた作動油がソレノイド弁50を通る回路を循環することができる。そこで上部昇降装置1が上昇ライン6から送られる作動油の供給によってゆっくりと上昇し、下部昇降装置2が吊込ワイヤ46によって引き上げられてリーダ60を上昇する。このとき下部昇降装置2では、油圧モータ35が空回りするため、ラック62に当たったピニオンギヤ21がそのラック62にならって転動して噛み合う。
【0040】
下部昇降装置2は、ピニオンギヤ21がラック62に噛み合った後再び図示するようにソレノイド弁49,50,50の切り換えを戻せば、ネガブレーキ39がかかって油圧モータ35の回転が制限されるため、ピニオンギヤ21がロック状態となる。そして上部昇降装置1が降ろされ、その連結パイプ5が下部昇降装置2の連結ブラケット4に軸着されて上下2台の装置が一つになる。そして、その後、下部昇降装置2に対して図13に示すように上昇ライン6、下降ライン7及びドレンライン8が接続される。
【0041】
以上、ラック式昇降装置の装着方法について、またその方法を実行するための連結構造などについて実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない限り様々な変更が可能である。
例えば、上部及び下部昇降装置1,2へ同一の上昇ライン6及び下降ライン7で作動油を供給するようにしたが、コントロール弁などを設けて上部及び下部昇降装置1,2へ別々に或いは同時に作動油を供給するよにしたものであってもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、先ず吊り下げた上部のラック式昇降装置を引き上げ、そのピニオンギヤをリーダのラックに噛み合わせてリーダに沿った昇降を可能にし、次に下部のラック式昇降装置を上部の昇降装置に吊り下げ、上部のラック式昇降装置によって下部のラック式昇降装置を引き上げ、ピニオンギヤをラックに噛み合わせてリーダに沿った昇降を可能にし、その後、上部及び下部のラック式昇降装置をリーダに沿って一体的に昇降させるべく連結手段によって連結するようにしたので、ラック式昇降装置を2台上下に連結した状態にしてリーダに装着することを簡単に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】上下に連結したラック昇降装置を示した側面図である。
【図2】上下に連結したラック昇降装置を示した正面図である。
【図3】上部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図4】上部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図5】上部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図6】上部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図7】上部昇降装置をリーダに装着した状態を示した図である。
【図8】下部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図9】下部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図10】下部昇降装置をリーダに装着する工程を示した図である。
【図11】下部昇降装置をリーダに装着した状態を示した図である。
【図12】リーダに装着した上部及び下部昇降装置を連結する工程を示した図である。
【図13】上部及び下部昇降装置のモータ駆動回路を示した図である。
【図14】上部及び下部昇降装置のモータ駆動回路を示した図である。
【図15】上部及び下部昇降装置のモータ駆動回路を示した図である。
【図16】ラック式昇降装置を使った作業機を示した図である。
【図17】ラック式昇降装置の装着状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1,2 ラック式昇降装置
3,4 連結ブラケット
5 連結パイプ
6 上昇ライン
7 下降ライン
11,21 ピニオンギヤ
20,30 モータ駆動回路
25,35 油圧モータ
60 リーダ
62 ラック

Claims (5)

  1. リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降するラック式昇降装置を、上下に2台連結してリーダに装着するための方法であって、
    ガイドギブをガイドパイプに摺動可能にした状態で吊り下げた上部のラック式昇降装置を引き上げることにより、そのピニオンギヤをリーダのラックに噛み合わせて、当該上部のラック式昇降装置をピニオンギヤの回転によるリーダに沿った昇降を可能にし、
    ガイドギブをガイドパイプに摺動可能にした状態で下部のラック式昇降装置を前記上部の昇降装置に吊り下げ、前記上部のラック式昇降装置によって当該下部のラック式昇降装置を引き上げ、ピニオンギヤをラックに噛み合わせて当該下部のラック式昇降装置をピニオンギヤの回転によるリーダに沿った昇降を可能にし、
    その後、前記上部及び下部のラック式昇降装置をリーダに沿って一体的に昇降させるべく連結手段によって連結するようにしたことを特徴とするラック式昇降装置の装着方法。
  2. 請求項1に記載するラック式昇降装置の装着方法において、
    連結された前記上部及び下部のラック式昇降装置は、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給され、リーダに沿って昇降するようにしたものであって、
    前記上部のラック式昇降装置の上昇によって引き上げ、前記下部のラック式昇降装置のピニオンギヤをラックに噛み合わせる場合に、前記下部のラック式昇降装置の油圧モータに前記上部のラック式昇降装置とは別のラインから作動油を供給するようにしたことを特徴とするラック式昇降装置の装着方法。
  3. リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置を一体的に昇降させるべく上下に連結するための構造であって、
    前記ラック式昇降装置は、作業装置を下方に連結する連結ブラケットを取り付けるための取付部が装置本体に形成され、
    上部のラック式昇降装置には2連用の連結ブラケットが取り付けられ、下部のラック式昇降装置には作業装置取付用の連結ブラケットが取り付けられ、上下の両連結ブラケットが連結部材によって連結されたものであることを特徴とするラック式昇降装置の連結構造。
  4. リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置が一体的に昇降できるように上下に連結され、連結された当該上部及び下部のラック式昇降装置には、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給されるものであって、
    前記下部のラック式昇降装置を上昇させるための作動油を供給する上昇ライン上に、絞りが設けられたものであることを特徴とするラック式昇降装置への作動油供給ライン。
  5. リーダに形成されたラックにピニオンギヤを噛み合わせ、ピニオンギヤの回転によってガイドパイプにガイドギブを摺動させながらリーダに沿って昇降する2台のラック式昇降装置が一体的に昇降できるように上下に連結され、連結された上部及び下部のラック式昇降装置には、ピニオンギヤを回転させる各々の油圧モータに対して同一のラインから作動油が供給されるものであって、
    前記下部のラック式昇降装置に対し、油圧モータを駆動させる作動油の供給によってブレーキを解除するネガブレーキに、シャトル弁と切換弁を介してブレーキ解除のための圧力油を供給するようにし、油圧モータが外力によって回転する際に流れる作動油が循環するように形成された循環流路に切換弁が設けられたものであることを特徴とするラック式昇降装置の油圧回路。
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