JP3977348B2 - 導電性組成物、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアニオンと共役系導電性高分子とを含有する導電性組成物、及びその製造方法に関する。
共役系導電性高分子は、電解重合法や化学酸化重合法にて製造できる。
これら重合法のうち、電解重合法は、共役系導電性高分子を構成するモノマーと、ド−パントとなる電解質とを含む液中に電極を浸漬させ、この表面で共役系導電性高分子をフィルム状に合成する方法であり、大量生産には不向きである。
対して、化学酸化重合法は、共役系導電性高分子を構成するモノマーを、酸化剤及び/又は酸化重合触媒の存在下、溶液中で重合する方法であり、電解重合法のような制約がなく、理論上は大量生産可能である。しかしながら、現実には以下のような問題を有している。
共役系導電性高分子は主鎖に発達したπ共役系を有し、これによって溶剤溶解性や他の樹脂への相溶性を示さないものが多い。したがって、化学酸化重合法では、主鎖の共役系の成長に伴い、溶剤に対する溶解性が乏しくなるため、溶剤に対して不溶な固形粉体として得られるものが多く、そのままの状態では他の固体表面への均一な膜形成が困難である。
加えて、化学酸化重合法では、高電気伝導度を有する共役系導電性高分子を得ることが困難な傾向にある。これは、酸化剤等による副反応によって、共役性の低い(すなわち電気伝導度の低い)高分子が副生されること、また生成された高分子が酸化剤等によって再酸化反応を受けて過度に酸化されること、生成された高分子が、反応性モノマーの脱水素反応により生成されたプロトンによってアタックされ、構造規則性の低い(すなわち電気伝導度の低い)高分子になること等による。従来、かかる問題を解消すべく、遷移金属イオンを触媒として用いる、低温長時間反応を実施する等の対策を講じているが、特にプロトンアタックによる構造規則性の低い高分子の生成に対しては充分ではない。
共役系導電性高分子の可溶化手段としては、共役系導電性高分子に特定の官能基(一般には長鎖アルキル基、カルボニル基、スルホン酸基等)を導入する、バインダを分散させる、ポリアニオンを共存させる等が検討されている。また、共役系導電性高分子に特定の官能基を導入すると共に、ポリアニオンを共存させることで、電気伝導度の良好な導電性組成物が得られることが開示されている(特許文献1)。
その他、酸化剤や酸化重合触媒等として用いたアニオンやカチオンが、生成された高分子に同時ドープしたり、これらイオンが残留する等の問題も指摘されている。
共役系導電性高分子の電気伝導度やその熱安定性(電気伝導度の熱劣化が小さいこと)はドーパントの種類によって大きく変動する。さらに、イオンサイズの小さい無機アニオンやカチオンは分子中で拡散しやすく、特に高温高湿下では脱ドープが起こりやすい。そのため、アニオンやカチオンのドープや、これらの残留は、得られる共役系導電性高分子の耐熱性(耐熱劣化性)、耐湿性、長期安定性等の低下を招いてしまう。従来、かかる問題を解消するべく、ヒドロキシアリールスルホネートとトルエンスルホネート等のアニオンをドーパントとして併用することが提案されている(特許文献2)。
特開平06−208198号公報 特開平07−238149号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、耐熱性等の低下や残留イオンの問題に対しては効力がない。また、特許文献2に記載の技術では、ドーパントとして併用するヒドロキシアリールスルホネート等の分子サイズが大きく水に溶解しにくいため、これを高分子に導入するのが難しく、電気伝導度の向上は望めない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、高電気伝導度を有すると共に、電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れ、耐熱性、耐湿性、長期安定性等が良好な導電性組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。また、残留イオンを低減する導電性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意研究し、本発明に到達した。
本発明の導電性組成物は、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含むポリアニオン(A)と、ポリピロール類又はポリチオフェン類を含む共役系導電性高分子(B)とを含有することを特徴とする。
本発明の導電性組成物においては、共役系導電性高分子(B)がポリピロールからなることが好ましい。
本発明の導電性組成物はさらに、ポリアニオン(A)以外のアニオン化合物(E)を含有することが好ましい。
本発明の導電性組成物の製造方法は、ポリアニオン(A)の存在下に、溶剤に溶解又は分散した共役系導電性高分子(B)のモノマーを化学酸化重合する工程(1)と、該工程後に、限界濾過法にて遊離イオンを除去する工程(2)とを有することを特徴とする。
本発明の導電性組成物の製造方法はさらに、プロトン含有溶液を添加する工程(3)を有することが好ましい。
本発明によれば、高電気伝導度を有すると共に、電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れ、耐熱性、耐湿性、長期安定性等が良好な導電性組成物、及びその製造方法を提供することができる。また、残留イオンを低減する導電性組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。
「導電性組成物」
本発明の導電性組成物は、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含むポリアニオン(A)と、ポリピロール類又はポリチオフェン類を含む共役系導電性高分子(B)とを含有することを特徴とする
本発明の組成物は、ポリアニオン(A)の存在下に、共役系導電性高分子(B)のモノマーを化学酸化重合して得られるものであることが好ましい。
本発明の組成物では、共役系導電性高分子(B)が高電気伝導度を呈しつつ、その溶剤溶解性や他の樹脂との相溶性が著しく良好なものとなっている。この理由は以下のように推察される。
ポリアニオン(A)の存在下に、共役系導電性高分子(B)のモノマーを化学酸化重合すると、共役系導電性高分子(B)主鎖の成長と共に、ポリアニオン(A)のアニオン基が共役系導電性高分子(B)へのドーピングを生じ、共役系導電性高分子(B)と塩を生成する。特に、スルホン酸基等のアニオン基では、強いイオン結合が生成される。これによって、共役系導電性高分子(B)がポリアニオン(A)主鎖に強く引き寄せられ、共役系導電性高分子(B)主鎖がポリアニオン(A)主鎖に沿って成長し、規則正しく配列した共役系導電性高分子(B)が得られる。このように合成された共役系導電性高分子(B)がポリアニオン(A)と無数の塩を生成し、ポリアニオン(A)主鎖に固定される。
本発明では、ポリアニオン(A)において、主鎖とアニオン基との間にエステル基を介在させることで、エステル基の優れた溶剤溶解性及び他の樹脂への良好な相溶性によって、ポリアニオン(A)と一体化した共役系導電性高分子(B)の溶剤溶解性及び他の樹脂への相溶性が格段に改善されると推察される。
本発明ではさらに、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含むポリアニオン(A)を用いることで、電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れ、耐熱性、耐湿性、長期安定性等が著しく良好なものとなっている。
すなわち、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体が有するエステル基は酸や塩基下において化学的に不安定であり、加水分解を起こしやすい性質がある。例えば、酸性下ではエステル基は加水分解されカルボン酸になり、安定化に向う。そして、導電組成物中において、高温環境下等にて発生したラジカルによって、共役系導電性高分子(B)が攻撃される前に、結合エネルギーの弱いポリアニオン(A)のエステル基が犠牲となって攻撃されることで、ラジカルが消失して安定化し、電気伝導性を担う共役系導電性高分子(B)の熱等による劣化が抑えられると推察される。
また、同じ理由により、酸化剤等による再酸化反応や、反応性モノマーの脱水素反応により生成されたプロトンによるアタックに対しても、ポリアニオン(A)のエステル基が犠牲となることで、電気伝導度の低い高分子の生成が抑制され、電気伝導度の高い良好な共役系導電性高分子(B)が安定的に製造される。
(ポリアニオン(A))
ポリアニオン(A)の基本骨格は特に制限されないが、ポリアルキレン、ポリアルケニレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル等(これらは置換基を有していても良い。)が挙げられる。
ポリアルキレンは、主鎖に繰り返し単位としてメチレン基を含むもので、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ3,3,3−トリフルオロプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、及びこれらの共重合体等が挙げられる。本発明では特にポリ(メタ)アクリレート及び/又はその共重合体が好ましく用いられる。
ポリアルケニレンは、主鎖に不飽和結合を1個以上含む構成単位を含む重合体である。その構成単位としては、プロペニレン、1−メチル−プロペニレン、1−ブチル−プロペニレン、1−デシル−プロペニレン、1−シアノ−プロペニレン、1−フェニル−プロペニレン、1−ヒドロキシ−プロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等が挙げられる。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4′−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとの縮合物等が挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド11、ポリアミド12、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリビニルエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
ポリアニオン(A)は、主鎖のアニオン基が結合しない部位に必要に応じて他の置換基を含むものであっても良い。さらに、主鎖に結合した置換基に対してさらに置換基を導入することも差し支えない。
かかる置換基としては特に制限はないが、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、アルコキシ基、カルボニル基等が挙げられ、1種又は2種以上を導入することができる。
上記置換基の中でも、アルキル基は、極性溶剤又は非極性溶剤に対する溶解性や分散性、他の樹脂への相溶性や分散性に優れ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすく、有機溶剤に対する溶解性、他の樹脂への相溶性や分散性、接着性に優れ、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性や溶解性に優れ、しかも耐熱性にも優れることから、これら置換基を導入することが好ましい。特に、アルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基を導入することが好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の非環式アルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環式アルキル基等が挙げられる。中でも、有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
ヒドロキシ基の導入態様としては、ポリアニオンの主鎖にヒドロキシ基を直接結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端にヒドロキシ基を結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端にヒドロキシ基を結合したもの等が挙げられる。中でも、有機溶剤への溶解性、他の樹脂への相溶性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端にヒドロキシ基を結合したものが好ましい。
同様に、シアノ基の導入態様としては、ポリアニオンの主鎖にシアノ基を直接結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端にシアノ基を結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端にシアノ基を結合したもの等が挙げられる。
同様に、ヒドロキシフェニル基の導入態様としては、ポリアニオンの主鎖にヒドロキシフェニル基を直接結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端にヒドロキシフェニル基を結合したもの、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜6のアルケニル基の末端にヒドロキシフェニル基を結合したもの等が挙げられる。
ポリアニオン(A)が、主鎖に対してエステル基を介してアニオン基が結合したものである場合には、アニオン基との間に主鎖とアニオン基との間に介在するエステル基の種類やその導入態様は特に制限はないが、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基や芳香族系エステル基、主鎖にアルキレン基、芳香族環、アルケニレン基等(これらは置換基を有していても良い。)の他の官能基を介して結合したアルキル系エステル基や芳香族系エステル基等が挙げられる。
発明では、必要に応じてアニオン基が結合しないエステル基を導入することは差し支えない。
アニオン基としては特に制限はないが、一般式−O−SO 、−SO 、−O−PO −COO(各式中、Xは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。)で表される基が好ましい。中でも、スルホン酸基はドーパント効果に優れ、しかも共役系導電性高分子(B)との間で強いイオン結合を生成するので、好適である。
アニオン基のエステル基への結合態様は特に制限はなく、直接結合の他、アルキレン基、芳香族環、アルケニレン基等(これらは置換基を有していても良い。)の他の官能基を介して間接的に結合したものであっても良い。特にアニオン基が、アルキレン基又は芳香族環(これらは置換基を有していても良い。)等の他の官能基を介してエステル基に結合していると、共役系導電性高分子(B)主鎖をポリアニオン(A)主鎖から引き離すことができ、ポリアニオン(A)の溶剤溶解性及び樹脂相溶性を充分に確保でき、好ましい。
発明では、ポリアニオン(A)が、必要に応じてエステル基に結合しないアニオン基を含むものであっても良い。
以上示したポリアニオンのうち、本発明では、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含有する。
メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体等の、主鎖に対してエステル基を介してアニオン基が結合したポリアニオン(A)は、例えば、(1)側鎖にエステル基を有する高分子化合物のアニオン化、(2)側鎖にカルボン酸基を有する高分子化合物のエステル化及びアニオン化、(3)アニオン基が結合したエステル基を有する重合性モノマー(MX)の重合等により得られる。
(1)側鎖にエステル基を有する高分子化合物のアニオン化方法としては、例えば、アニオン基含有化合物を用いたエステル交換、発煙硫酸や濃硫酸によるスルホン酸基や硫酸基の導入、スルホン酸化合物によるスルホン酸基の導入、燐酸による燐酸基の導入等が挙げられる。
(2)カルボン酸基を有する高分子化合物のエステル化及びアニオン化方法としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート又はその共重合体のカルボン酸基を、アニオン基含有ヒドロキシ化合物等と反応させエステル化する等が挙げられる。
(3)ポリアニオン(A)を重合する場合、溶剤溶解性、他の樹脂への相溶性、成膜性等の向上等を目的として、上記重合性モノマー(MX)以外の他のモノマー(MY)を共重合することもできる。重合方法は特に制限はないが、例えば、原料モノマー(モノマー混合物を含む)を溶剤に溶解又は分散させ、酸化剤及び/又は酸化重合触媒等の存在下で重合する方法が挙げられる。
重合性モノマー(MX)としては特に制限はないが、アクリル酸エチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH22-SO3H)、及びその塩(CHCH-COO-(CH22-SO3 )、アクリル酸プロピルスルホン酸(CHCH-COO-(CH23-SO3H)、及びその塩(CHCH-COO-(CH23-SO3 )、アクリル酸-t-ブチルスルホン酸(CHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)、及びその塩(CHCH-COO-C(CH32CH-SO3 )、アクリル酸-n-ブチルスルホン酸(CHCH-COO-(CH2-SO3H)、及びその塩(CHCH-COO-(CH2-SO3 )、アリル酸エチルスルホン酸(CHCHCH-COO-(CH22-SO3H)、及びその塩(CHCHCH-COO-(CH22-SO3 )、アリル酸-t-ブチルスルホン酸(CHCHCH-COO-C(CH32CH-SO3H)、及びその塩(CHCHCH-COO-C(CH32CH-SO3 )、4−ペンテン酸エチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH22-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-(CH22-SO3 )、4−ペンテン酸プロピルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH23-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-(CH23-SO3 )、4−ペンテン酸-n-ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-(CH2-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-(CH2-SO3 )、4−ペンテン酸-t-ブチルスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C(CH32CH-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-C(CH32CH-SO3 )、4−ペンテン酸フェニレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C64-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-C6-SO3 )、4−ペンテン酸ナフタレンスルホン酸(CHCH(CH22-COO-C108-SO3H)、及びその塩(CHCH(CH22-COO-C108-SO3 )、メタクリル酸エチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH22-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-(CH22-SO3 )、メタクリル酸プロピルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH23-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-(CH23-SO3 )、メタクリル酸-t-ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C(CH32CH-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-C(CH32CH-SO3 )、メタクリル酸-n-ブチルスルホン酸(CHC(CH3)-COO-(CH2-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-(CH2-SO3 )、メタクリル酸フェニレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C64-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-C6-SO3 )、メタクリル酸ナフタレンスルホン酸(CHC(CH3)-COO-C108-SO3H)、及びその塩(CHC(CH3)-COO-C108-SO3 )(各式中、Xは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
必要に応じて併用する重合性モノマー(MY)としては特に制限はなく、エチレン、プロぺン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−ブチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−メトキシスチレン、α―メチルスチレン、2−ビニルナフタレン、6−メチル−2−ビニルナフタレン、1−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルアセテート、アクリルアルデヒド、アクリルニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸i-オクチル、(メタ)アクリル酸i-ノニルブチル、(メタ)アクリ酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、アクリロイルモルホリン、ビニルアミン、N,N−ジメチルビニルアミン、N,N−ジエチルビニルアミン、N,N−ジブチルビニルアミン、N,N−ジ−t−ブチルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン、N−ビニルカルバゾール、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2−メチルシクロヘキセン、ビニルフェノール、1,3−ブタジエン、1−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、2−ヒドロキシ−1,3−ブタジエン、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、メタクリルスルホン酸及びその塩、スチレンスルホン酸及びその塩、メタクリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩、アリルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩、α−メチルスチレンスルホン酸及びその塩、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩、シクロブテン−3−スルホン酸及びその塩、イソプレンスルホン酸及びその塩、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸及びその塩、1−メチル−1,3−ブタジエン−2−スルホン酸及びその塩、1−メチル−1,3−ブタジエン−4−スルホン酸及びその塩等が挙げられる。
重合に用いる溶剤としては、原料モノマーを溶解又は分散し、酸化剤及び/又は酸化触媒の酸化力を阻害しないものであれば特に制限はないが、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の極性溶剤、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
酸化剤、酸化重合触媒としては、原料モノマーを酸化するものであれば特に制限はないが、白金触媒、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム、ぺルオキソ二硫酸カリウム等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
(共役系導電性高分子(B))
共役系導電性高分子(B)は、ポリピロール類又はポリチオフェン類を必須成分として含有し、ポリチオフェンビニレン類、ポリアニリン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、及びこれらの共重合体等が含まれてもよい。ポリピロール類、ポリチオフェン類は、空気雰囲気下で化学的に安定で、取り扱い性に優れる
本発明では、ポリアニオン(A)を共存させているので、共役系導電性高分子(B)に特段の官能基を導入しなくても、共役系導電性高分子(B)の溶剤溶解性や他の樹脂との相溶性(分散性)は良好である。但し、アルキル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基を共役導電性高分子(B)に導入することは、溶剤溶解性や他の樹脂との相溶性(分散性)をより向上させることができ、好適である。
役系導電性高分子(B)の具体例としては、
ポリピロール、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)等のポリピロール類、
ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)等のポリチオフェン類、
ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等のポリアニリン類等が挙げられる。
これらのうち、本発明の導電性組成物では、ポリピロール類又はポリチオフェン類を必須成分として含有する。
共役系導電性高分子(B)は、例えば、重合性共役モノマー(MZ)を溶剤に溶解又は分散させ、酸化剤及び/又は酸化重合触媒を用いて重合する化学酸化重合等によって得られる。必要に応じて、重合性共役モノマー(MZ)以外の他のモノマーを共重合することもできる。
重合性共役モノマー(MZ)としては、ポリピロール類又はポリチオフェン類が得られるものであれば特に制限はなく、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3、4−ジメチルピロール、3、4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール等のピロール類、
チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3、4−ジメチルチオフェン、3、4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3、4−ジヒドロキシチオフェン、3、4−ジメトキシチオフェン、3、4−ジエトキシチオフェン、3、4−ジプロポキシチオフェン、3、4−ジブトキシチオフェン、3、4−ジヘキシルオキシチオフェン、3、4−ジヘプチルオキシチオフェン、3、4−ジオクチルオキシチオフェン、3、4−ジデシルオキシチオフェン、3、4−ジドデシルオキシチオフェン、3、4−エチレンジオキシチオフェン、3、4−プロピレンジオキシチオフェン、3、4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン等のチオフェン類等が挙げられる。
また、重合性共役モノマーとしては、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等のアニリン類等が含まれてもよい。
これらは1種又は2種以上を用いることができる。
重合に用いる溶剤や、酸化剤・酸化重合触媒としては、ポリアニオン(A)の合成で例示したものが使用できる。
電気伝導度の調整等を目的として、本発明の導電性組成物には必要に応じて、ポリアニオン(A)以外のアニオン化合物(E)、すなわち、アクセプタ性又はドナー性のドーパントをドーピングし、共役系導電性高分子(B)の共役電子の酸化還元電位を変化させることができる。
アクセプタ性ドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物等が挙げられ、ドナー性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アミン化合物等が挙げられる。
アクセプタ性ドーパントとして好適なハロゲン化合物としては、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸類、フェノール類、有機スルホン酸類等の有機酸が挙げられる。ドーピング効果の点で、有機酸の中では、有機カルボン酸類や有機スルホン酸類が好ましく用いられる。
有機カルボン酸類としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボン酸基が一つ以上結合したものが使用でき、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸類としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホン酸基が一つ以上結合したものが使用できる。
スルホン酸基を一つ含むものとしては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフト−ル−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフト−ル−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、へキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸 、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸 、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物等が挙げられる。
スルホン酸基を二つ以上含むものとしては、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ドデシルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフト−ル−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフト−ル−2,7−ジスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、ブチルアントラセンジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−イソチオシアナトスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4′−マレイミジルスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、1−アセトキシピレン−3,6,8−トリスルホン酸、7−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、3−アミノ−1,5,7−ナフタレントリスルホン酸等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物、例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
本発明の導電性組成物は、必要に応じて他の成分を含むものであっても良い。
例えば、成膜性や膜強度の調整等を目的として、他の有機樹脂(F)を併用することができる。
有機樹脂(F)としては、導電性組成物に相溶又は混合分散するものであれば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれを用いても良い。
その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;アラミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリウレア樹脂;メラミン樹脂;フェノール樹脂;ポリエーテル;アクリル樹脂、及びこれらの共重合樹脂等が挙げられる。
本発明では、メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含むポリアニオン(A)と、ポリピロール類又はポリチオフェン類を含む共役系導電性高分子(B)とを含有する構成としたので、上記した如く、高電気伝導度を有すると共に、電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れ、耐熱性、耐湿性、長期安定性等が良好な導電性組成物が得られる。
「導電性組成物の製造方法」
次に、本発明の導電性組成物の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、ポリアニオン(A)の存在下に、溶剤に溶解又は分散した共役系導電性高分子(B)のモノマー(1種又は2種以上の重合性共役モノマー(MZ)、及び必要に応じて他の共重合モノマー)を化学酸化重合する工程(1)を有する。
従来、ドーピングされた共役系導電性高分子は、まず、共役系導電性高分子を重合してから、これにドーパントを添加し製造されることが一般的であった。この場合、共役系導電性高分子は塊状にかたまりやすく、すなわち分散性が悪く、組成物に対する導電性付与の効率が良くなかった。
本発明では、ポリアニオン(A)の存在下に、共役系導電性高分子(B)を化学酸化重合することで、先に述べたように、共役系導電性高分子(B)主鎖がポリアニオン(A)主鎖に沿って成長し、規則正しく配列した共役系導電性高分子(B)が得られ、共役系導電性高分子(B)が規則正しく良好に分散し、高電気伝導度を呈し、しかも電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れた導電性組成物が安定的に得られる(段落[0013]参照)。
「背景技術」の項で述べたように、一般に共役系導電性高分子は溶剤溶解性が不良であるが、本発明ではポリアニオン(A)を共存させているので、上記した如く、溶剤溶解性が良好であり、重合によって成長する共役系導電性高分子(B)を溶解させつつ、重合を進めることができる。それ故、共役系導電性高分子(B)の分散性が良好で、高電気伝導度を示す組成物が安定的に得られ、しかも得られた組成物は液状であるので、成膜等も容易である。
工程(1)には、原料(ポリアニオン(A)、共役系導電性高分子(B)のモノマー、酸化剤及び/又は酸化重合触媒等)を準備し混合する工程、及び混合液中で共役系導電性高分子(B)のモノマーを重合させる工程等が含まれる。
ポリアニオン(A)の合成方法は上記したので説明は省略する(段落[0026]〜[0031]参照)。原料の混合に際しては、各成分を一括して溶剤に溶解し混合しても良いし、あらかじめモノマーや酸化剤及び/又は酸化重合触媒を各々溶剤に溶解してから、各成分を混合しても良い。
重合条件は特に制限はなく、その例については「実施例」の項で述べる。
本発明の製造方法ではさらに、工程(1)後に、ポリアニオン(A)と生成された共役系導電性高分子(B)を含む溶液に対して、限界濾過法にて遊離イオンを除去する工程(2)を有する。
限外濾過法は膜分離法の1種で、例えば多孔質支持基材上にそれよりも小さい細孔を有する高分子膜を有した限外濾過膜を用いて成分の分離を行う手法である。本発明では、必要な高分子成分が膜を透過しないので、クロスフロー式を採用することが好ましい。必要に応じて希釈しながら、限外濾過処理を1回又は複数回実施することで、小さい粒子及び残留イオンを含む不純物のみを膜透過させ除去することができる。本発明では、例えば分画分子量1〜1000Kの限外濾過膜を用いることが好ましい。
本発明の製造方法はさらに、プロトン含有溶液を添加する工程(3)を有することが好ましい。工程(3)は、工程(2)と同時に実施しても良いし、工程(2)後に実施しても良い。
工程(3)で用いるプロトン含有溶液としては特に制限はないが、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸化合物等を含む溶液が挙げられる。必要に応じて工程(3)を実施することで、アニオン基と錯体形成されているカチオンをプロトンに交換することができる。これによって、より高い電気伝導度が得られると共に、遊離金属イオンが除去され、好適である。
以上の本発明の製造方法によれば、ポリアニオン(A)の存在下に、溶剤に溶解又は分散した共役系導電性高分子(B)のモノマーを化学酸化重合する工程(1)を有するので、上記した如く、高電気伝導度を有すると共に、電気伝導度の外部環境に対する安定性に優れ、耐熱性、耐湿性、長期安定性等が良好な導電性組成物が安定的に得られる。
また、本発明の製造方法は、限外濾過処理工程(2)を有するので、残留イオンを含む不純物を良好に除去することができる。したがって、本発明によれば、残留イオンに起因する共役系導電性高分子(B)の耐熱性、耐湿性、長期安定性等の低下も抑制することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(製造例1〜5)ポリアニオン(A1)〜(A4)、(D1)の合成
(製造例1)
イオン交換水100mlに、メタクリル酸エチルスルホン酸ナトリウム(日本乳化剤社製 商品名:アントックス)43.4gを加えた。攪拌下80℃に保ち、イオン交換水10mlに過硫酸アンモニウム0.114gと硫酸第二鉄0.04gとを溶解した複合酸化剤溶液を加え、同温度に保ちながら3時間攪拌した。
反応終了後、反応液を室温まで冷却した。その後、イオン交換水1000ml及び30%硫酸水溶液30gを順次添加し、溶液を300mlまで限外濾過法にて濃縮する操作(X)を計5回繰り返した。さらに、イオン交換水2000mlを添加し、限外濾過法にて300mlまで濃縮する操作(Y)を濾過液が略中性になるまで繰り返した。
限外濾過条件は以下の通りとした(他の例でも同様)。
限外濾過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3000cc/min
膜分圧:0.114Pa
得られた濃縮液を100℃のオーブン中で加熱乾燥し、ポリアニオン(A1)(ポリメタクリル酸エチルスルホン酸)を得た。
(製造例2)
仕込み組成をメタクリル酸エチルスルホン酸ナトリウム21.7g及びスチレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)20.6gとした以外は、製造例1と同様にして、ポリアニオン(A2)(ポリ(メタクリル酸エチルスルホン酸−スチレンスルホン酸)共重合体)を得た。
(製造例3)
仕込み組成をメタクリル酸エチルスルホン酸ナトリウム21.7g及びN−ビニル−2−ピロリドン(東京化成工業社製)11.1gとし、濃縮操作(X)で添加する硫酸水溶液量を20gとした以外は、製造例1と同様にして、ポリアニオン(A3)(ポリ(メタクリル酸エチルスルホン酸−N−ビニル−2−ピロリドン)共重合体)を得た。
(製造例4)
イオン交換水100mlの代わりに、イオン交換水60mlとメタノール40mlの混合溶剤を用い、仕込み組成をメタクリル酸ブチルスルホン酸ナトリウム(旭化成ファインケム社製)24.5g及びアクリル酸ヒドロキシエチル(大阪有機化学工業社製)13gとした以外は、製造例3と同様にして、ポリアニオン(A4)(ポリ(メタクリル酸ブチルスルホン酸−アクリル酸ヒドロキシエチル)共重合体)を得た。
(製造例5)
仕込み組成をスチレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)41.2gとした以外は、製造例1と同様にして、比較用のポリアニオン(D1)(ポリスチレンスルホン酸)を得た。
(実施例1)
ポリアニオン(A1)2.91g(0.015mol)、及びピロール0.68g(0.01mol)をイオン交換水300mlに溶解した。この混合液を0℃に保ち、攪拌下、イオン交換水100mlに過硫酸アンモニウム2.85g(0.0125mol)と硫酸第二鉄0.1gを溶解した酸化重合触媒溶液をゆっくり加え、同温度で3時間攪拌した(工程(1))。
得られた反応液にイオン交換水2000mlを添加し、限界濾過法にて溶液を300mlまで濃縮する操作を2回繰り返し、酸化重合触媒の遊離イオンを除去した(工程(2))。さらに、濃縮液にイオン交換水100ml及び10%硫酸水溶液20gを順次添加し、限界濾過法にて溶液を300mlまで濃縮する操作を計5回繰り返し、プロトン交換を行った(工程(3)及び(2))。さらに、イオン交換水3000mlを添加し、限界濾過法にて300mlまで濃縮する操作を濾過液が略中性になるまで繰り返し(工程(2))、黒青色液状の導電性組成物(C1)を得た。
得られた組成物をガラス板上に塗布し、125℃のオーブン中で乾燥し、0.005mm厚の導電膜(M1)を得た。
(実施例2〜4)
ポリアニオンとして、同モル数のポリアニオン(A2)〜(A4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(C2)〜(C4)及び導電膜(M2)〜(M4)を得た。
(実施例5)
実施例1の導電性組成物(C1)に対して、アニオン化合物(E)であるp−トルエンスルホン酸0.1gを添加し、導電性組成物(C5)を得た。これを用い、実施例1と同様にして導電膜(M5)を得た。
(比較例1)
ポリアニオンとして、同モル数のポリアニオン(D1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較用の導電性組成物(C6)及び導電膜(M6)を得た。
(比較例2)
p−トルエンスルホン酸3.80g(0.02mol)、及びピロール1.36g(0.02mol)とをイオン交換水300mlに溶解した。この混合液を0℃に保ち、攪拌下、イオン交換水100mlに過硫酸アンモニウム5.70g(0.025mol)と硫酸第二鉄0.1gを溶解した酸化重合触媒溶液をゆっくり加え、同温度で3時間攪拌した。
得られた反応液にエタノール100mlを添加し、沈殿物を減圧濾過し、固形物を得た。得られた固形物をイオン交換水200mlに均質に分散させた後、エタノール100mlを添加して沈殿物を減圧濾過し、固形物を洗浄する操作を計3回行った。これを圧縮してペレット状に加工し、さらに真空乾燥して、黒青色固状(ペレット状)の導電性組成物(C7)を得た。これを10mm×30mmの金型に装填し、100MPaの圧力で圧縮成形し、0.1mm厚の導電膜(M7)を得た。
(評価項目及び評価方法)
<電気伝導度(S/cm)>
各例で得られた導電膜を10mm×30mmとし、ローレスタ(三菱化学製)にて25℃における電気伝導度を測定した。
<電気伝導度維持率(%)>
上記の如く、25℃における初期電気伝導度R25Bを測定した後、導電膜を125℃下に500時間静置して25℃に戻した。電気伝導度R25Aを再測定し、下記式により電気伝導度維持率を算出した。
電気伝導度維持率(%)=100×(R25B−R25A)/R25B
<残留イオン量>
各例で得られた導電性組成物の固形物0.5gを超純水50mlに浸漬し、95℃で16時間処理した。溶出液中の硫酸イオン量をイオンクロマトグラフで測定した。
(結果)
結果を表1に示す。
表に示すように、構成成分としてメタクリル酸アルキルスルホン酸を含むポリアニオン(A)の存在下で、共役系導電性高分子(B)であるポリピロールを重合し、限外濾過処理を行った実施例1〜5ではいずれも、共役系導電性高分子(B)の溶剤への溶解性が良好であり、電気伝導度が高く、その熱安定性に優れ、残留イオン量が検出限界以下の液状導電組成物が得られた。この組成物は成膜性も良好であり、電気伝導度が高く、その熱安定性に優れた導電膜が得られた。
対して、エステル基を含まない比較用のポリアニオン(D)を用いた比較例1では、電気伝導度の熱安定性が著しく不良であった。また、ポリアニオンを用いず、限外濾過処理を行わなかった比較例2では、電気伝導度の熱安定性が著しく不良であり、さらには残留イオン量も著しく多く、不良であった。
Figure 0003977348
本発明の導電性組成物及びその製造方法は、導電性が必要な各種用途、例えば、導電性塗料や帯電防止剤、電磁波遮蔽材料、透明性を必要とする導電材料、電池材料、コンデンサ材料、導電性接着材料、センサや電子デバイス材料、半導体材料、静電式複写部材、プリンタ等の感光部材、転写体、中間転写体、搬送部材、電子写真材料等に好ましく利用することができる。

Claims (5)

  1. メタクリル酸エチルスルホン酸の(共)重合体又はメタクリル酸ブチルスルホン酸の(共)重合体を含むポリアニオン(A)と、ポリピロール類又はポリチオフェン類を含む共役系導電性高分子(B)とを含有することを特徴とする導電性組成物。
  2. 共役系導電性高分子(B)がポリピロールからなる請求項1に記載の導電性組成物。
  3. さらに、ポリアニオン(A)以外のアニオン化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性組成物の製造方法であって、
    ポリアニオン(A)の存在下に、溶剤に溶解又は分散した共役系導電性高分子(B)のモノマーを化学酸化重合する工程(1)と、
    該工程後に、限界濾過法にて遊離イオンを除去する工程(2)とを有することを特徴とする導電性組成物の製造方法。
  5. さらに、プロトン含有溶液を添加する工程(3)を有することを特徴とする請求項に記載の導電性組成物の製造方法。
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