JP3977304B2 - 木材 - Google Patents

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本発明は、ログハウスや木造住宅等の木製建築物、カウンターや間仕切り等の木製屋内設備、遊具や柵等の木製屋外設備、或は木製家具等、各種の木製構造物の構成材として用いられる木材に関するものである。
従来、木製構造物の構成材として用いられる木材として、複数の木製部材を一体化して形成されたものがある。このような木材は、例えば、小径の間伐材、製材により生じた端材等、小寸の複数の木製部材を用いることで全体として大寸の木材とすることができ、木材資源を有効活用できるものである。そして、このような木材では、接着剤による接着やボルトによる締結等の種々の手法によって複数の木製部材が一体化されているが、中には、図5(a)及び(b)に示すように、クサビ部材120を用いて複数の木製部材110が一体化された木材100もある。具体的に、この木材100では、端面に溝部111が凹設された木製部材110同士が、その各溝部111が対向するように衝合されており、上記各溝部111によりに構成された孔部112に充填されて硬化した樹脂によってクサビ部材120が形成されており、このクサビ部材120によって、木製部材110同士が各溝部111の幅方向に分離しないように固定されている。
上記従来技術は、一般的な事項であり、本出願人は、本願出願時において、この従来技術を特定する文献を特に知見していない。
しかしながら、上記木材は、孔部に樹脂を充填して硬化させ、この硬化された樹脂によってクサビ部材を形成するといった簡便な手法によって複数の木製部材が一体化されてなるものではあるが、クサビ部材の構造上、孔部を構成する溝部の凹陥方向に木製部材同士が分離し易いものであり、全体として、木製部材同士が堅固に一体化されたものではなかった。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、孔部に樹脂を充填して硬化させ、この硬化された樹脂によってクサビ部材を形成するといった簡便な手法によって複数の木製部材が一体化されてなるのに加えて、全体として、木製部材同士が堅固に一体化された木材の提供を課題とする。
上記課題を解決するための主要な手段は、
「第1溝部を有する第1木製部材と、
前記第1溝部に対向し、該第1溝部とで孔部を構成する第2溝部を有する第2木製部材と、
前記孔部に充填されて硬化した樹脂により形成されたクサビ部材と、
前記第1木製部材または前記第2木製部材の一方に設けられた被係止部と、
前記第1木製部材または前記第2木製部材の他方に設けられ、前記被係止部を係止して第1木製部材及び第2木製部材の相互における前記第1溝部及び前記第2溝部の凹陥方向への分離を規制する係止部と
を備えることを特徴とする木材」
である。
ここで、係止部及び被係止部の形態としては、特に限定するものでなく、相互に係止し合って、第1溝部及び第2溝部の凹陥方向に分離しないように、第1木製部材と第2木製部材とを互いに固定できる形態であればよい。このような係止部及び被係止部としては、互いに嵌合するように、一方が凸状に形成され、他方が凹状に形成されたもの、互いに噛合するように、双方が凹凸状やセレーション状に形成されたもの、一方が他方を挟持するように、一方に挟持片が設けられたもの、一方が他方を引掛けるように、一方に引掛け片が設けられたもの等を例示することができる。
また、クサビ部材を形成する樹脂としては、第1溝部と第2溝部とによって構成された孔部に充填可能であり、充填後はクサビ部材としての強度を十分に確保できるように硬化されるものであればよく、例えば、充填前は、ゾル状又はゲル状等の良好な流動体であり、充填後に、冷却、酸化、吸湿等により硬化して剛体となるものであればよい。具体的には、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、2種或は3種以上の材料の混合により硬化樹脂となる混合硬化樹脂等を例示することができる。
なお、クサビ部材を形成する樹脂について、100℃以上の高温処理を必要とするものを用いると、クサビ部材の形成に際して、木質材料である第1木製部材や第2木製部材に変質や変形を来す虞がある。よって、樹脂としては、100℃未満にて処理できるものを採用することが好適である。この点から、クサビ部材を形成する樹脂としては、100℃未満にて単独では良好な流動体であり、混合により硬化が促進される混合硬化樹脂を採用するのが好ましく、具体的には、イソシアネート基を含有する化合物と、水酸基を含有する化合物との混合によりウレタン結合する2液混合タイプの樹脂、より具体的には、イソシアネート基を含有する化合物として、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、水酸基を含有する化合物として、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオール類を例示することができる。また、水酸基を含有する化合物の代わりに、カルボキシル基を含有する化合物、アミノ基を含有する化合物を用いてもよい。
上述のように構成された木材では、第1溝部及び第2溝部により構成された孔部に樹脂を充填して硬化させ、これによってクサビ部材を形成して第1木製部材と第2木製部材との一体化を実現できるため、簡便な手法によって製造することができる。また、クサビ部材によって、第1木製部材と第2木製部材とを、第1溝部及び第2溝部の幅方向に堅固に固定することができる。
一方、クサビ部材によってのみでは、第1木製部材と第2木製部材とが、第1溝部及び第2溝部の凹陥方向に分離し易く、全体としては、第1木製部材と第2木製部材とを堅固に一体化できない。これに対して、上記構成の木材では、第1木製部材または第2木製部材の一方の係止部と他方の被係止部との互いの係止によって、第1木製部材と第2木製部材とが、第1溝部及び第2溝部の凹陥方向に容易には分離しない。すなわち、第1木製部材と第2木製部材とは、第1溝部及び第2溝部の幅方向ばかりでなく、凹陥方向にも堅固に固定されることになる。よって、木材全体としては、第1木製部材と第2木製部材とが堅固に一体化されたものとなる。
上述の手段において、
「前記係止部または前記被係止部の一方は、前記第1溝部及び前記第2溝部の凹陥方向とは異なる方向に突出する凸部を有するものとして構成されており、
前記係止部または前記被係止部の他方は、前記凸部に嵌合する凹部を有するものとして構成されていることを特徴とする木材」
としてもよい。
上記構成は、係止部及び被係止部の形態を具体的に限定したものであり、凸部と凹部との嵌合により、第1木製部材と第2木製部材とは、第1溝部及び前記第2溝部の凹陥方向とは異なる方向に分離することなく、適確に固定される。
ところで、第1木製部材と第2木製部材とは、一方の凸部と他方の凹部とを嵌合させるために、凸部の突出方向及び凹部の凹陥方向に相互に組み付けられることになる。ここで、上記構成の木材では、その製造に際して、第1木製部材と第2木製部材とを相互に組み付けた上で、孔部に樹脂を充填してクサビ部材を形成し、このクサビ部材によって、第1木製部材と第2木製部材とを、組み付け方向と反対方向である取り外し方向に互いに分離しないように固定するのであるが、孔部に樹脂を充填する際には、樹脂の充填圧力が孔部の内壁面に付加されるため、第1木製部材及び第2木製部材に取り外し方向の応力が加わり、第1木製部材に対して第2木製部材が不用意に外れてしまう虞がある。
そこで、上述した構成において、凸部及び凹部を、夫々、第1溝部及び第2溝部の凹陥方向と略直交する方向に突出または凹陥するものとするのが好適である。何故ならば、このような態様では、第1溝部及び第2溝部の凹陥方向が、第1木製部材と第2木製部材との相互の取り外し方向に略直交することになり、孔部に樹脂を充填する際に、孔部の内壁面に充填圧力が付加されても、第1木製部材及び第2木製部材に、取り外し方向の応力が加わり難くなるからである。
上述の手段において、
「前記第1木製部材及び前記第2木製部材は、夫々長尺状に形成されており、
前記第1溝部、前記第2溝部、前記凸部及び前記凹部は、夫々第1木製部材または第2木製部材に、その長手方向の全長に渡って延設されていることを特徴とする木材」
としてもよい。
上記構成では、第1溝部及び第2溝部が、夫々、第1木製部材または第2木製部材の長手方向の全長に渡って延設されているため、これら第1溝部及び第2溝部により構成された孔部内のクサビ部材によって、第1木製部材と第2木製部材とが、全長に渡って堅固に固定される。また、凸部及び凹部が、夫々、第1木製部材または第2木製部材の長手方向の全長に渡って延設されているため、これら凸部と凹部との嵌合により、第1木製部材と第2木製部材とが、全長に渡って堅固に固定される。よって、第1木製部材と第2木製部材とが、より一層、堅固に一体化された木材となる。
また、第1溝部、第2溝部、凸部及び凹部は、夫々、第1木製部材または第2木製部材の長手方向の全長に渡って延設されているため、その形成に際しては、第1木製部材または第2木製部材の長手方向に沿って切削加工等の成形加工を行えばよく、これら第1溝部、第2溝部、凸部及び凹部を容易に形成することができる。しかも、長尺状の材木から所望の断面形状の第1木製部材及び第2木製部材を得るために、材木を長手方向に成形加工するに際して、同時に、第1溝部、第2溝部、凸部及び凹部を形成することも可能であり、この点からも、第1溝部、第2溝部、凸部及び凹部を容易に形成することができる。
上述の手段において、
「離間して対向配置された一対の前記第1木製部材と、
各第1木製部材の離間方向と交差する方向に離間して対向配置された前記第2木製部材と
を備えることを特徴とする木材」
としてもよい。
上記構成の木材では、一対の第1木製部材の裏面と一対の第2木製部材の裏面とによって、中空部分が形成されることになり、内部に貫通状の中空部を備える木材となる。このような木材では、同寸の中空部を備えない木材と比べて重量を軽減することができる。また、中空部の分だけ、断面の寸法が大きくなることから、小寸の第1木製部材及び第2木製部材から、より大寸の木材を形成することができる。
なお、ログハウスの構成材、木造住宅の軸組み、建築物の内装材等の建材として用いられる木材であれば、中空部によって、建材として有効な断熱効果、遮音効果を向上させることができる。また、内部の中空部の分だけ、空気に触れる面積が広がることから、建材として有効な吸湿性や加湿性を向上させることができる。しかも、内部の中空部分を、電線や電話線等の配線領域、水道管やガス管等の配管領域として使用することも可能となる。
上述の通り、本発明によれば、孔部に樹脂を充填して硬化させ、この硬化された樹脂によってクサビ部材を形成するといった簡便な手法によって複数の木製部材が一体化されてなるのに加えて、全体として、木製部材同士が堅固に一体化された木材を提供することができる。
本発明に係る木材の実施形態を、以下に、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係る木材10の一例を示す。この木材10は、原木から製材された材木を成形加工して所望の断面形状に形成された0.5〜5m程度、より具体的には1〜3m程度の複数の木製部材を相互に組み付けて、全体として単一の木材10とされたものであり、木製構造物の柱材、壁面材、梁材、桁材等の長尺状の構成材として好適に用いられるものである。また、この木材10は、4つの木製部材、具体的には、一対の第1木材部材20及び一対の第2木製部材30を相互に組み付けて、全体として角柱状に形成されたものである。なお、本発明に係る木材10は、長尺状のものに限らず、短尺状のものであってもよく、また、角柱状のものに限らず、円柱状等の柱状のものであってもよく、さらに、柱状のものに限らず、板状やブロック状のものであってもよい。
一対の第1木製部材20は、夫々、断面形状が略方形状に形成されており、互いに離間して対向配置されている。また、一対の第2木製部材30は、夫々、断面形状が略方形状に形成されており、第1木製部材20の離間方向に交差する方向、具体的には略直交する方向に互いに離間して対向配置されている。これにより、本例の木材10では、各第1木製部材20の裏面と各第2木製部材30の裏面とにより、木材10の全長に渡って貫通する略方形の中空部60が形成されている。
なお、第2木製部材30は、第1木製部材20の側端面(図示では、上下の端面)と面一となるように、一対の第1木製部材20の間に埋設状に組み付けられている。よって、第1木製部材20の表面側には、第2木製部材30との接合線が露呈せず、建築物の表側に露呈する面に第1木製部材20が配設されるように使用することで、この木材10を、建材としての外装材や内装材として好適に用いることができる。
ところで、第1木製部材20と第2木製部材30とは、相互に組み付けられて一体化されているのであるが、第1木製部材20と第2木製部材30との間に介在されたクサビ部材50、及び、第1木製部材20に設けられた被係止部21と、第2木製部材30に設けられた係止部31との係止により、互いに分離しないように堅固に固定されている。次に、この第1木製部材20と第2木製部材30との固定について、詳細に説明する。
第1木製部材20の裏面の両側部分には、第1木製部材20の厚さ方向に凹陥し、長手方向の全長に渡って延設された第1溝部22が凹設されている。一方、第2木製部材30の両側面には、第1木製部材20の第1溝部22と対向するように、第2木製部材30の幅方向に凹陥し、長手方向の全長に渡って延設された第2溝部32が凹設されている。そして、上記第1溝部22と上記第2溝部32とで、木材10の全長に渡って貫通する略方形状の孔部40が構成されている。
この孔部40には、第1木製部材20と第2木製部材30とを組み付けた状態にて充填されて硬化した樹脂によってクサビ部材50が形成されており、第1木製部材20と第2木製部材30とは、このクサビ部材50によって、第1溝部22及び第2溝部32の幅方向に、相互に分離せず、固定されている。
また、この木材10では、第1木製部材20に被係止部21が設けられ、第2木製部材30に係止部31が設けられている。そして、第1木製部材20と第2木製部材30とは、上述のクサビ部材50による固定に加えて、上記被係止部21と上記係止部31との係止によって、第1溝部22及び第2溝部32の凹陥方向に相互の分離が規制されて固定されている。詳しくは、以下の通りである。
第1木製部材20の裏面の中央部分は略凸状となっており、この略凸状部分の側面には、第1木製部材20の幅方向であり、第1溝部22の凹陥方向とは略直交する方向に凹陥する凹部21b、及び、第1木製部材20の幅方向であり、第1溝部22の凹陥方向とは略直交する方向に突出する凸部21aが、夫々、第1木製部材20の長手方向全長に渡って延設されている。そして、これら凹部21b及び凸部21aにより被係止部21が構成されている。一方、第2木製部材30の裏面の両側部分には、第2木製部材30の厚さ方向であり、第2溝部32の凹陥方向とは略直交する方向に凹陥し、第1木製部材20の凸部21aと嵌合する凹部31b、及び、第2木製部材30の厚さ方向であり、第2溝部32の凹陥方向とは略直交する方向に突出し、第1木製部材20の凹部21bと嵌合する凸部31aが、夫々、第2木製部材30の長手方向全長に渡って延設されている。そして、これら凹部31b及び凸部31aにより、第1木製部材20の被係止部21を係止する係止部31が構成されている。このように、第1木製部材20と第2木製部材30とには、夫々互いに嵌合する凹部21b,31b及び凸部21a,31aが設けられており、これら凹部21b,31b及び凸部21a,31aの相互の嵌合により、第1木製部材20及び第2木製部材30は、相互に、凹部21b,31bの凹陥方向や凸部21a,31aの突出方向とは異なる方向に分離せず、ガタツキも少なく、良好に固定されている。
なお、本例のように、第1木製部材20の被係止部21を、凹部21b及び凸部21aの双方を有するものとして構成し、第2木製部材30の係止部31を、凸部31a及び凹部31bの双方を有するものとして構成するに限らず、被係止部21または係止部31の一方を、凹部21b、31bを少なくとも有するものとして構成し、他方を、この凹部21b、31bに嵌合する凸部21a,31aを少なくとも有するものとして構成してもよく、或は、被係止部21及び係止部31を、凹凸嵌合ではなく、引掛けや挟持等の他の手法により係止を実現できる形態のものとしてもよい。また、係止部31及び被係止部21は、相互に係止し合うものであればよく、第1木製部材20側を係止部、第2木製部材30側を被係止部としてもよい。
次に、上述した木材10の形成方法について、図2に基いて説明する。まず、一つの第2木製部材30(図2における下側の第2木製部材30)の裏面側に、二つの第1木製部材20を、第2木製部材30の両側部分の係止部31に被係止部21が係止されるように組み付ける。すると、各第1木製部材20は、互いに離間して対向配置された状態となる。次いで、第1木製部材20の被係止部21を係止部31が係止するように、離間して対向配置された一対の第1木製部材20間に別の第2木製部材30(図2における上側の第2木製部材30)を組み付ける。すると、第1木製部材20に対して先に組み付けられた第2木製部材30と、後に組み付けられた第2木製部材30とは、互いに離間して対向配置された状態となる。
そして、このような状態では、各第1木製部材20と各第2木製部材30との裏面にて、中空部60が形成される。また、この状態では、各第1木製部材20及び各第2木製部材30が、相互に、組み付け方向とは逆の取り外し方向には分離可能ではあるが、組み付け方向と略直交する方向、すなわち第1溝部22及び第2溝部32の凹陥方向には分離不能な状態となる。さらに、この状態では、第1木製部材20の第1溝部22と第2木製部材30の第2溝部32とが互いに対向し、第1溝部22と第2溝部32とで孔部40が構成される。
次に、一対の第1木製部材20と一対の第2木製部材30とを組み付けた状態にしたままで、孔部40に樹脂を充填して硬化させる。すると、硬化した樹脂によりクサビ部材50が形成され、このクサビ部材50によって、各第1木製部材20及び各第2木製部材30が、相互に、取り外し方向にも分離不能な状態となり、各第1木製部材20及び各第2木製部材30が相互に堅固に固定され、全体で堅固に一体化された木材10となる。
ここで、クサビ部材50を形成するための樹脂材料としては、孔部40への充填後に硬化するものであればよいが、本例では、2種類の材料の混合により硬化樹脂となる混合硬化樹脂を採用している。具体的には、イソシアネート基を含有する化合物と、水酸基を含有する化合物との混合によりウレタン結合する2液混合タイプの樹脂材料を採用している。また、充填の際には、樹脂材料を70〜80℃にて加熱して、流動性を高めると共に硬化速度を促進させている。また、孔部40に充填する際の充填圧力を10〜20MPa程度に設定して、樹脂材料を高圧力で孔部40に充填しており、孔部40の形状が複雑なものであっても、また、孔部40の長さが長くても、孔部40全域に良好に樹脂材料が充填できるようにしている。なお、上述の樹脂材料を採用すると、樹脂材料が木質材料に浸透し、この樹脂材料が硬化してなるクサビ部材50は、接着剤としても機能する。よって、第1木製部材20と各第2木製部材30とを、より一層、堅固に固定することができる。
また、樹脂材料を充填する際には、第1木製部材20及び第2木製部材30を、夫々表面側からクランプしている。具体的には、図2に示すように、第2木製部材20に対しては、各第2木製部材20の表面中央部分にクランプ力を付与しており(図2の矢印P1)、樹脂材料の充填の際に、第1木製部材20に対して第2木製部材30が不用意に外れないようにしてある。ここで、本例では、第1木製部材20及び第2木製部材30の相互の組み付け方向が第1溝部22及び第2溝部32の凹陥方向に略直交するため、樹脂材料の充填圧力が孔部40に加わっても、第1木製部材20と第2木製部材30とに、取り外し方向の応力が加わり難く、第1木製部材20に対して第2木製部材30が外れ難くなっているのに加えて、上述のようなクランプ力によって第2木製部材30の組み付け状態が良好に維持されるため、第1木製部材20に対する第2木製部材30の不用意な外れが、より確実に防止されている。
また、第1木製部材20に対しては、各第1木製部材20の表面中央部分にクランプ力を付与しており(図2の矢印P2)、樹脂材料の充填の際に、孔部40から第1木製部材20と第2木製部材30との接合面に樹脂材料が滲み出し難くなっている。しかも、不用意な外れを防止するための第2木製部材30に対するクランプ力(P1)よりも、第1木製部材20に対するクランプ力(P2)を大きく設定してあり、より一層、樹脂材料が滲み出し難くなっている。なお、第1木製部材20に対するクランプについては、孔部40に対応する部位にクランプ力が付与されるようにすると(図2の矢印P3)、孔部40の周辺において、第1木製部材20と第2木製部材30とを良好に密着させることができ、樹脂の滲み出しを、より一層確実に防止することができる。
以上、本発明に係る木材10の最良の実施形態としての一例を説明したが、本発明に係る木材10は、これに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その構成が適宜変更されたものであってもよい。
例えば、図3に示すように、一対の第1木製部材20として、夫々、形状が異なるものを採用したり、一対の第2木製部材30として、夫々、形状が異なるものを採用してもよい。
具体的に、この木材10では、一方の第1木製部材20(図3の左側の第1木製部材20)として、表面が平面状に形成されたものを用いているの対して、他方の第1木製部材20(図3の右側の第1木製部材20)として、表面が略円柱状に形成されたものを用いている。また、一方の第2木製部材30(図3の上側の第2木製部材30)として、表面が平面状に形成されたものを用いているの対して、他方の第2木製部材30(図3の下側の第2木製部材30)として、表面に、木製構造物の他の構成材等を連結するための例えばホゾ穴やアリ溝等の連結部70が設けられたものを用いている。
また、本発明に係る木材10は、一対の第1木製部材20と一対の第2木製部材30との4つの木製部材を一体化してなるものに限らず、他の木製部材を含めて、5つ以上の木製部材を一体化してなるものであってもよく、また、2つ或は3つの木製部材を一体化してなるものであってもよい。
例えば、図4に、単一の第1木製部材20と単一の第2木製部材30とを組み付けて一体化してなる木材10を示す。この木材10では、第1木製部材20が略凹形状に形成され、第2木製部材30が略凸形状に形成されている。そして、第1木製部材20の凹み部分により被係止部21が構成されており、第2木製部材30の突出部分によって、上記被係止部21を係止する(より具体的には嵌合する)係止部31が構成されている。また、第1木製部材20の凹み部分の側面には、凹み部分の凹陥方向と略直交する方向に凹陥する第1溝部22が凹設されており、第2木製部材30の突出部分の側面には、突出部分の突出方向と略直交する方向に凹陥し、上記第1溝部22とで孔部40を構成する第2溝部32が凹設されている。そして、第1溝部22と第2溝部32とで構成された孔部40には、充填されて硬化した樹脂によりクサビ部材50が形成されている。このような木材10でも、クサビ部材50のみによってはなし得ない第1木製部材20及び第2木製部材30の相互の第1溝部22及び第2溝部32の凹陥方向への堅固な固定が、被係止部21と係止部31との係止によって良好に実現されている。また、被係止部21と係止部31との係止によってのみではなし得ない第1木製部材20及び第2木製部材30の相互の取り外し方向への堅固な固定が、クサビ部材50によって良好に実現されている。すなわち、この木材10でも、第1木製部材20と第2木製部材30とが堅固に一体化されている。
本発明に係る木材の一例を示す断面正面図である。 図1に示した木材を形成する状態を示す断面正面図である。 本発明に係る木材の別例を示す断面正面図である。 本発明に係る木材の別例を示す断面正面図である。 従来の木材を示す図面であり、(a)は部分斜視図、(b)は(a)のA部拡大図である。
符号の説明
10 木材
20 第1木製部材
21 被係止部
21a 凸部
21b 凹部
22 第1溝部
30 第2木製部材
31 係止部
31a 凸部
31b 凹部
32 第2溝部
40 孔部
50 クサビ部材
60 中空部
70 連結部

Claims (4)

  1. 第1溝部を有する第1木製部材と、
    前記第1溝部に対向し、該第1溝部とで孔部を構成する第2溝部を有する第2木製部材と、
    前記孔部に充填されて硬化した樹脂により形成されたクサビ部材と、
    前記第1木製部材または前記第2木製部材の一方に設けられた被係止部と、
    前記第1木製部材または前記第2木製部材の他方に設けられ、前記被係止部を係止して第1木製部材及び第2木製部材の相互における前記第1溝部及び前記第2溝部の凹陥方向への分離を規制する係止部と
    を備えることを特徴とする木材。
  2. 前記係止部または前記被係止部の一方は、前記第1溝部及び前記第2溝部の凹陥方向とは異なる方向に突出する凸部を有するものとして構成されており、
    前記係止部または前記被係止部の他方は、前記凸部に嵌合する凹部を有するものとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木材。
  3. 前記第1木製部材及び前記第2木製部材は、夫々長尺状に形成されており、
    前記第1溝部、前記第2溝部、前記凸部及び前記凹部は、夫々第1木製部材または第2木製部材に、その長手方向の全長に渡って延設されていることを特徴とする請求項2に記載の木材。
  4. 離間して対向配置された一対の前記第1木製部材と、
    各第1木製部材の離間方向と交差する方向に離間して対向配置された前記第2木製部材と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の木材。
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