JP3977269B2 - カルチベータ類に装着される株元除草装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作物の畦間を走行中において、その株元の雑草を除草するために、カルチベータ類に装着された複数本の中耕爪のうち、最も外側の中耕爪の背面に後方に向けて装着される株元除草装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
畑作における株元除草を行う装置として、カルチベータ類に装着して中耕と同時に除草を行うものが知られている。例えば、細いバネから成る除草杆を熊手状に配置して牽引することにより株元除草を行う装置(例えば、特許文献1)、或いは回転輪の全周に除草杆を装着して、前記回転輪を傾斜軸を中心に回転させて株元除草を行う装置(例えば、特許文献2)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3370080号公報
【特許文献2】
特開2002−305905号公報
【0004】
しかし、上記した牽引式、或いは傾斜回転式の各除草装置においては、いずれも除草作用深さが浅く、除草杆の接触により作物を損傷させる恐れがあり、しかもその除草杆の移動軌跡が表土全体に及ぶものではなくて、除草杆が作用しない部分が残り、表土全体を撹拌できないために、未除草の部分が残って、除草が不完全となる不具合があった。なお、従来の各除草装置は、除草時において除草杆により土が大きく飛散され、その飛散状態により恰もきれいに除草されたように見えるが、現実には、上記理由によって、その除草効果は不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来の除草装置の上記不具合に鑑み、作物を損傷させることなく、作物の株元、及び株間の除草作業を機械的に効率よく行うことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、作物の畦間を走行中において、その株元の雑草を除草するために、カルチベータ類に装着された複数本の中耕爪のうち、最も外側の中耕爪の背面に後方に向けて装着される株元除草装置であって、外側中耕爪の土中作用部の上部位置に、所定の後退角とすくい角を有して、前記外側中耕爪の更に外側に向けて片持ち状に配設される水平除草刃と、外側中耕爪の前記上部位置に、後方に向けて略水平に配設された支持具と、前記水平除草刃の直後方に、前記株元の雑草を除草可能とすべく配設された弾性バネ除草体とを備え、前記弾性バネ除草体は、その基端部が前記支持具に固定された片持ち状態となって、所定の後退角と、その先端が前記水平除草刃の先端よりも更に外側に配置される長さとを有していることを特徴としている。
【0007】
カルチベータ類により牽引されて除草装置が作物の畦間を走行すると、これを構成する水平除草刃が、最も外側の中耕爪の外側を作物の株元近くまで、土を略水平に浅く切ることにより、表土と、その下方の下層土との連続が完全に切り離されると共に、水平除草刃のすくい角によって、浅い表土は破砕される。これにより、下層土からの水分の上昇が阻止されるので、破砕された表土は直ちに乾燥状態となって、この部分の雑草は全て枯死することになる。
【0008】
また、表土を切断する水平除草刃の後方には、所定の後退角を有して弾性バネ除草体が、その基端部を支持具に固定した片持ち状態となって配設されているため、前記弾性バネ除草体によって、作物と接触すると弾性変形して作物を損傷させることなく、作物の株元近くの土、或いは株間の土が切り取られて、表土が下層土から切り離される。このようにして、下層土から切り離された表土は薄いため、土の動きによって砕土される。この結果、下層土からの水分上昇が阻止されるために、表土は短時間で乾燥状態となって、作物の株元近くの雑草までも完全に枯死されるため、株元除草の効果は極めて高い。
【0009】
また、外側中耕爪の側方への突出長の異なる水平除草刃、及び弾性バネ除草体によって、外側中耕爪から作物の株元までの除草範囲の全幅が全て除草されるので、除草残しがなくなって、完全なる除草が可能となる。また、請求項1の発明に係る除草装置は、これを構成する水平除草刃、及び弾性バネ除草体のいずれもが、除草中においては、その大部分が土中に入り込んでおり、しかも除草装置を装着している外側中耕爪の後爪支持竿は、作物から離れているために、作物がある程度成長して地上に伸びたり、或いは側方に拡がっても、地上に伸びた作物の影響を殆ど受けることなく、除草作業を行える利点がある。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記弾性バネ除草体は、相前後して複数本だけ配設されて、相前後する2本の弾性バネ除草体は、後方のものの先端が、前方のものの先端よりも外側に配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、相前後して配置される複数本の各弾性バネ除草体の担当除草範囲が狭められる。即ち、水平除草刃の直後の弾性バネ除草体は、前記水平除草刃の先端から当該弾性バネ除草体の先端までの間の除草を担当し、相前後する各弾性バネ除草体のうち後方の弾性バネ除草体は、両除草体の先端の間の除草を担当することになる。また、土を切り開く力が複数本の弾性バネ除草体に分散されると共に、後方の弾性バネ除草体が有効に作用するので、除草効果が高くなる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、相前後する2本の弾性バネ除草体は、作物の株元に近い後方のものが、前方のものよりも柔軟性を高めて変形し易いようにしてあることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明によれば、弾性バネ除草体の接触による作物の株元の損傷を最少限に抑えたうえで、除草残しをなくして、作物の株元の除草が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、複数の実施形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の株元除草装置A1,A1'を備えた2畦用カルチベータBの全体斜視図であり、図2は、同じく平面図であり、図3は、同じく左側面図であり、図4は、横桁19に対する前側の中耕爪N1 の取付構造を示す斜視図であり、図5は、最も外側に配置された後側の中耕爪N2 の背面に装着された株元除草装置A1 の斜視図であり、図6は、同じく分解斜視図であり、図7は、株元除草装置A1 の支持板40の部分の縦断面図である。
【0015】
図1ないし図3に示されるカルチベータBは、2畦用のものであって、左右の中心線Cに対して対称に配置された一対の中耕作業機Mを備えており、各中耕作業機Mの最も外側に配置された後側の一対の中耕爪N2 の背面に、それぞれ株元除草装置A1,A1'が後方に向けて略左右対称に装着されている。このカルチベータBは、歩行型2輪トラクタTの機枠1の後端に固設された断面(側面) 形状がコの字形をした取付具2に連結される。前記取付具2を構成する上下の各板部2aには、それぞれ上下方向の軸挿通孔3が穿設されていると共に、ヒッチ金具4の先端の連結部4aには、上下方向にピン挿通孔5が穿設されており、ヒッチ金具4の先端の連結部4aを、前記取付具2を構成する上下の各板部2aの間に挿入して、これらに形成された前記各ピン挿通孔3,5を合致させて、各ピン挿通孔3,5に連結ピン6を挿通させると、前記機枠1の後端に固設された取付具2に対してヒッチ金具4が連結ピン6を介して連結される。
【0016】
また、前記ヒッチ金具4の後端部には、上下方向に沿って角孔7が形成されている。カルチベータBの前部に横方向に配設されたツールバー8の中央部には、前方に向けて縦桁9が略水平となって固設されていて、前記縦桁9の前端には、取付棒11が上方に向けて直角となって一体に延設され、前記取付棒11を前記ヒッチ金具4の後端部の角孔7に下方から挿通して、押しボルト12により前記取付棒11を前記角孔7の内側面に押し付けることにより、カルチベータBは、歩行型2輪トラクタTの機枠1の後端の取付具2にヒッチ金具4を介して連結される。これにより、歩行型2輪トラクタTの後方において、これに連結されたカルチベータへのツールバー8は、その進行方向Pに対して直交した状態で略水平に配置される。
【0017】
また、ツールバー8の両端部には、箱金状(角筒状)をした作業機取付具13がそれぞれ嵌め込まれて、各作業機取付具13は、その上板部に螺合された押しボルト14により前記ツールバー8の両端部の所定位置に固定されている。作業機取付具13の背面側には、上下方向に角孔が形成された箱金15が一体に固設されている。カルチベータBの走行方向Pに沿って各作業機取付具13の背面側に配置される一対の主桁16の前端部には、取付棒17が上方に向けて直角となって一体に固設されている。主桁16は、平鋼の長辺面が垂直に配置された構成であって、その前端部の取付棒17は、箱金15の角孔に下方から挿通されて、その側板部に螺合された押しボルト18により、前記箱金15に固定されている。
【0018】
また、横桁19は、上下一対の平鋼製の横桁材19aで構成されて、平鋼の長辺面が垂直に配置された主桁16の前端部に、前記主桁16を上下から挟持するようにして一対の横桁材19aが横方向(ツールバー8と平行な方向)に水平配置されて固設されている。また、図1及び図4に示されるように、各中耕作業機Mにおいて、前側の一対の中耕爪N1 は、前記主桁16に対して左右対称に配置され、しかも前記横桁19の背面に接して上下方向に配置された前爪支持竿21の略下半部の前面に着脱可能に取付けられている。前爪支持竿21は、側面視においてその下半部がわん曲されていて、その上部は、箱型の取付具22に挿通されて、前記取付具22の前端面には、固定ボルト23が前方に向けて一体に取付けられている。固定ボルト23は、横桁19の前面に当てがわれた後述の箱金25及び側桁24の固定板部24aにも挿通され、その前端部は、箱金25及び側桁24の固定板部24aから前方に突出していて、この突出部にナット27を螺合して締め上げることにより、横桁19の背面側及び前面側にそれぞれ配置された前爪支持竿21、並びに箱金25及び側桁24の固定板部24aを一体に固定している。
【0019】
また、各中耕作業機Mにおいて、一対の側桁24が、主桁16に対して対称であって、しかも一対の前爪支持竿21の外側に、僅かに後開きの形状となって配置されている。一対の側桁24の前端部は、それぞれ内側に折り曲げられて固定板部24aとなっている。断面コの字形をした箱金25は、横桁19の前面側に、この横桁19を上下から挟持する形状となって配置される(図1及び図4参照)。側桁24の固定板部24a、及び箱金25の前面板部25aには、それぞれ横方向に所定間隔をおいて爪ピッチ変更用のボルト挿通孔26a,26bがそれぞれ設けられている。各ボルト挿通孔26a,26bに挿通された固定ボルト23とナット27との螺合によって、前爪支持竿21及び側桁24とが一体となって横桁19に同時固定される構造は、上記した通りである。
【0020】
また、各中耕作業機Mにおいて、前後方向に配置された各側桁24の後端には、上下方向に角孔が形成された箱金28がそれぞれ固設されていて、この角孔に後爪支持竿29の上部が下方から挿通されて、前記箱金28の背面板部に形成されたボルト螺通孔30に押しボルト31を螺合させて、後爪支持竿29を前記角孔の内側面に押圧させることにより、後爪支持竿29は、その上端部が箱金28に固定される。左右一対の後爪支持竿29の前面に後側の中耕爪N2 が左右対称となって固設されている。このように、後側の一対の中耕爪N2 は、前側の一対の中耕爪N1 の後方であって、しかも外側に配置されているため、一対の中耕爪N1 を基準にすると、外斜後方に配置されている。
【0021】
また、図5及び図6に示されるように、後側の左右一対の中耕爪N2 の背面側には、それぞれ株元除草装置A1,A1'がそれぞれ装着されている。即ち、後側の中耕爪N2 の背面側であって、その長手方向の略中央部には、ボルト33が小さな角度で斜下方に向けて一体に固設されていると共に、後爪支持竿29の下端部における前記ボルト33に対応する位置には、ボルト挿通孔34が穿設されている。一方、株元除草装置A1,A1'の前端には、後爪支持竿29の下端部の傾斜形状に対応した後傾姿勢となった取付板35が設けられていて、前記取付板35には、斜上下方向に長孔状となったボルト挿通孔36が形成されている。後爪支持竿29及び取付板35の各のボルト挿通孔34,36に、後側の中耕爪N2 の背面に固設されたボルト33が挿通されて、前記取付板35の背面側に突出したボルト33とナット37とを螺合させて、後側の中耕爪N2 と取付板35により後爪支持竿29を強固に挟持することにより、左右一対の後側の各中耕爪N2 の背面に株元除草装置A1,A1'がそれぞれ装着されている。
【0022】
次に、株元除草装置A1,A1'について詳細に説明する。なお、株元除草装置A1 と同A1'とは、これを構成する弾性バネ除草体42,43の前後方向に沿った取付位置が異なるのみで、その構成は同一である。この株元除草装置A1 は、後方に向けて略水平に配置される平板状の支持板40と、前記支持板40の前端部に所定後退角を有して基端部が固設された水平除草刃39と、前記水平除草刃39の直後方に、これと略平行となって配置される2本の弾性バネ除草体42,43とを備えている。前記支持板40の内側の端面には、基板38が略垂直となって固設されて、前記基板38の前端部が前記取付板35の側端面に一体に固設されている。支持板40の前端部に所定の後退角(θ)〔図1参照〕を有して、全体が略水平となって基端部が固設された水平除草刃39には、土面に対する切り込みを確実にするために、所定のすくい角(α)〔図7参照〕が形成されている。
【0023】
また、水平除草刃39の直後方には、弾性バネ除草体42が前記水平除草刃39と略平行となって〔即ち、所定の後退角(θ)を有して〕配置され、弾性バネ除草体42の直後方には、更に別の弾性バネ除草体43が前記水平除草刃39と略平行となって配置されている。各弾性バネ除草体42,43は、その全長が異なるのみで、その構成、及び取付構造は同一である。即ち、各弾性バネ除草体42,43は、接触しても作物Dを損傷しない程度の柔軟なバネ鋼線で形成されていて、その基端部に近い部分は、柔軟性を高めるために、数回だけコイル状に巻回されてコイル巻部42a,43aとなっていると共に、その先端部は、株元に対する接触時に株元の損傷を少なくするために、配置状態で前後方向(進行方向)Pと略平行となるか、或いは内側を向くように屈曲されている。また、支持板40には、その前後方向に2個の各ボルト挿通孔41が形成されていて、各弾性バネ除草体42,43の基端部は、ボルト45の本体部が挿通される程度にU字状に屈曲されており、各弾性バネ除草体42,43の基端部を支持板40の裏面側に配置すると共に、各弾性バネ除草体42,43の基端部よりも更に下方に座金44を配置して、この座金44の下方から挿通されて、支持板40のボルト挿通孔41を通って、その上面に突出したボルト45とナット46とを螺合させて、ボルト45の頭部とナット46とで、支持板40、各弾性バネ除草体42,43の基端部、及び座金44の三者を強固に締め上げることにより、支持板40に対して各弾性バネ除草体42,43の基端部が固定される。
【0024】
そして、株元除草装置A1 を構成する支持板40に水平除草刃39と2本の弾性バネ除草体42,43が取付けられた状態では、図8に示されるように、水平除草刃39の直後方の弾性バネ除草体42の先端は、水平除草刃39に対して幅方向に沿ってW1 だけ外側に突出しており、後方の弾性バネ除草体43は、その先端部が前方の弾性バネ除草体42の先端部に対して幅方向にW2 だけ外側に突出している。また、作物Dと接触し易い後方の弾性バネ除草体43は、前方の弾性バネ除草体42よりも一層柔軟性が高められていて、接触による作物Dの損傷を防止している。
【0025】
この構成により、図8及び図9に示されるように、作物Dの株元Daに近い部分の土面は、水平除草刃39ではなくて、その後方に配置された2本の弾性バネ除草体42,43により切り起こされるために、仮に、各弾性バネ除草体42,43の先端部が作物Dの株元Daに接触しても、図9で2点鎖線で示されるように、前記先端部は弾性変形するため、作物Dの株元Daの損傷が殆どなくなる。また、各弾性バネ除草体42,43は、土面における前記突出幅W1,W2 の部分のみを切り込むのみで済み、担当除草範囲が狭くなる。しかも、作物Dの株元Daに接触する機会の多い後方の弾性バネ除草体43は、その前方の弾性バネ除草体42よりも柔軟性が高められているため、作物Dの株元Daの損傷がなくなるか、或いは少なくなる。
【0026】
また、第1実施形態の株元除草装置A1 を備えたカルチベータBは、その左右の中心線に対して対称に2連の中耕作業機Mが配置されていて、各中耕作業機Mは、隣接する畦間を走行する。この際に、各中耕作業機Mの内方に配置されて相隣接する各株元除草装置A1 は、同一畦の作物Dの株元Daの両側の土面を切り込むために、株元Da、或いはこれに近い部分まで先端が達する弾性バネ除草体42,43に関しては、その先端同士が干渉する恐れがある。そこで、図8及び図9に示されるように、各中耕作業機Mにおいて、相隣接する各株元除草装置A1,A1'の各弾性バネ除草体42,43は、カルチベータBの進行方向Pに沿って僅かにずらして配置されて、前記干渉を防止している。
【0027】
また、図1ないし図3に示されるように、各中耕作業機Mにおいて、主桁16の後端部の側面には、中央爪支持竿47がボルト48を介して固設されていて、中央爪支持竿47の下半部の前面には、中央の中耕爪N3 が取付けられている。中央の中耕爪N3 は、中耕作業機Mにおいて幅方向の中央であって、しかもカルチベータの進行方向(前後方向)Pに沿って一対の後側の中耕爪N2 よりも更に後方に配置されている。また、主桁16の前端部の側面には、接地輪支持桁49が前方に向けて略水平に取付けられて、その先端には、上下方向に角孔を有する箱金51が一体に固設されている。接地輪52を支持している支持アーム53は、斜後方に向けて配置され、その斜上端部には、支持棒54が上下方向に沿って取付けられて、前記支持棒54が前記箱金51の角孔に下方から挿通されて、ボルト55により固定されている。これにより、カルチベータBは、その前部に横方向に配置されたツールバー8の両端部の前方に一対の接地輪52が配置された形態となる。
【0028】
そして、図8及び図9に示されるように、カルチベータBの左右一対の各中耕作業機Mが畦間Kに配置されて、歩行型2輪トラクタTにより牽引されると、畦間Kにおいて幅方向、及び進行方向(前後方向)Pの双方に対して所定間隔をおいて配置された多数本の中耕爪N1 ,N2 ,N3 によって、畦間Kの表土が中耕されて除草される。そして、各中耕作業機Mにおいて、最も外側に配置された一対の後側の中耕爪N2 の後方に、中耕作業機Mの左右対称線Cに対して略対称配置された各除草装置A1 が作物Dの株元Daの近傍を走行すると、これを構成する水平除草刃39が、最も外側の中耕爪N2 の外側を作物Dの株元Da近くまで、土を略水平に浅く切ることにより、表土と、その下方の下層土との連続が完全に切り離されると共に、水平除草刃39のすくい角(α)によって、浅い表土は破砕される(図10参照)。これにより、下層土からの水分の上昇が阻止されるので、破砕された表土は直ちに乾燥状態となって、この部分の雑草は全て枯死することになる。なお、図10において、Sは表土の表面を示す。
【0029】
また、表土を切断する水平除草刃39の後方には、所定の後退角(θ)を有して長さの異なる2本の弾性バネ除草体42,43が、その基端部を支持板40に固定した片持ち状態となって配設されているため、各弾性バネ除草体42,43の先端部が作物Dの株元Daに接触すると、その先端部が弾性変形して作物Dを損傷させることなく、作物Dの株元Da近くの土、或いは株間の土が切り取られて、表土が下層土から切り離される。このようにして、下層土から切り離された表土は薄いために、土の動きによって砕土される。この結果、下層土からの水分上昇が阻止されるために、表土は短時間で乾燥状態となって、作物の株元近くの雑草までも完全に枯死されるため、株元除草の効果は極めて高い。
【0030】
また、図11及び図12に、他の実施形態の株元除草装置A2 ,A3 が示されている。図11に示される株元除草装置A2 は、支持板40に基端部が固定された弾性バネ除草体56の全体が波状になっていて、その株元Daの側(外側)への突出部56a,56b,56cが3個形成されていて、相前後する各突出部56a,56b,56cの突出長が後方に配置されたもの程、順次長くなっていると共に、内側への突出部にそれぞれコイル巻部56d,56eが形成され、各突出部56a,56b,56cは、接触による作物Dの損傷を防止すべく、後方のもの程、柔軟性が高められて弾性変形し易くしてある。株元除草装置A3 を構成する弾性バネ除草体57は、前記株元除草装置A2 の弾性バネ除草体56においてコイル巻部56d,56eを欠落させて、外側への各突出部57a,57b,57cを備えている。この弾性バネ除草体57においても、各突出部57a,57b,57cは、後方のもの程、柔軟性が高められて弾性変形し易くしてある。
【0031】
なお、図4において、横桁19に対する箱金25及び側桁24の位置を固定したままで、ボルト23を挿通するボルト挿通孔26a,26bを変更することにより、図13に示されるように、一対の前側の中耕爪N1 のピッチQ1 は同Q1'に変更されると共に、一対の後側の中耕爪N2 のピッチQ2 は同Q2'に変更される。一方、ボルト23を挿通するボルト挿通孔26a,26bを変更せずに、横桁19に対する箱金25及び側桁24の位置を変更させると、一対の後側の中耕爪N2 のピッチQ2 はそのままで、一対の前側の中耕爪N1 のピッチQ1 が同Q1'' に変更される。また、上記した爪ピッチの2種類の変更態様を組み合わせると、爪ピッチの変更範囲が更に広くなる。
【0032】
また、上記実施形態の中耕作業機Mは、計5本の中耕爪N1,N2,N3 を備えているが、畦幅が狭くて、前側の一対の中耕爪N1 が不要な場合には、これを取り外して使用することがある。また、作物Dに近い部分の土の切り開きにより、その根部が損傷されるのを防止するために、最も外側に配置された一対の後側の中耕爪N2 に関しては、これを取り外して株元除草装置A1 〜A3 のみを使用したり、或いは前記中耕爪N2 の土中作用部を浅くすることも可能である。
【0033】
また、上記実施形態では、2連の中耕作業機Mを備えたカルチベータに本発明を実施したものであるが、3連以上の多連の中耕作業機Mを備えたカルチベータに本発明を実施することも可能である。また、本発明に係る株元除草装置は、中耕除草を行うカルチベータに限られず、牽引方式の作業機であれば、如何なるものであってもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る株元除草装置をカルチベータ類に装着された複数本の中耕爪のうち最も外側の中耕爪の背面に後方に向けて装着して、畦間の中耕作業を行うと、作物を損傷させることなく、作物の株元、及び株間の除草作業を機械的に効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の株元除草装置A1,A1'を備えた2畦用カルチベータBの全体斜視図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく左側面図である。
【図4】横桁19に対する前側の中耕爪N1 の取付構造を示す斜視図である。
【図5】最も外側に配置された後側の中耕爪N2 の背面に装着された株元除草装置A1 の斜視図である。
【図6】同じく分解斜視図である。
【図7】株元除草装置A1 の支持板40の部分の縦断面図である。
【図8】カルチベータBの各中耕作業機Mが畦間Kに配置された状態の概略平面図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】作物Dの両側に配置された各株元除草装置A1,A1'を前方から見た図である。
【図11】株元除草装置A2 の平面図である。
【図12】株元除草装置A3 の平面図である。
【図13】爪ピッチの変更を示す平面図である。
【符号の説明】
A1 〜A3 :株元除草装置
B:カルチベータ
D:作物
Da:作物の株元
K:畦間
N1 :前側の中耕爪
N2 :後側の中耕爪(外側中耕爪)
N3 :中央の中耕爪
α:水平除草刃のすくい角
θ:水平除草刃の後退角
39:水平除草刃
40:支持板(支持具)
42,43,56,57:弾性バネ除草体
Claims (3)
- 作物の畦間を走行中において、その株元の雑草を除草するために、カルチベータ類に装着された複数本の中耕爪のうち、最も外側の中耕爪の背面に後方に向けて装着される株元除草装置であって、
外側中耕爪の土中作用部の上部位置に、所定の後退角とすくい角を有して、前記外側中耕爪の更に外側に向けて片持ち状に配設される水平除草刃と、外側中耕爪の前記上部位置に、後方に向けて略水平に配設された支持具と、前記水平除草刃の直後方に、前記株元の雑草を除草可能とすべく配設された弾性バネ除草体とを備え、
前記弾性バネ除草体は、その基端部が前記支持具に固定された片持ち状態となって、所定の後退角と、その先端が前記水平除草刃の先端よりも更に外側に配置される長さとを有していることを特徴とするカルチベータ類に装着される株元除草装置。 - 前記弾性バネ除草体は、相前後して複数本だけ配設されて、相前後する二本の弾性バネ除草体は、後方のものの先端が、前方のものの先端よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカルチベータ類に装着される株元除草装置。
- 相前後する2本の弾性バネ除草体は、作物の株元に近い後方のものが、前方のものよりも柔軟性を高めて変形し易いようにしてあることを特徴とする請求項2に記載のカルチベータ類に装着される株元除草装置。
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