JP3977176B2 - 耐火断熱下地材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐火性能に優れ、かつ断熱性能に優れた屋根、壁等の下地材に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋根下地材に求められる機能として、一般的には下記▲1▼〜▲5▼の機能が要求される。
▲1▼屋根葺材、断熱材、ルーフィング材などの下葺材、パーライトモルタル、葺土などに対する支持を行う機能
▲2▼積雪荷重および風荷重に対する支持を行う機能
▲3▼屋根葺材との緊結を行う機能
▲4▼防火、断熱、防露、遮音、吸音の各機能
▲5▼施工用足場としての機能
【0003】
また、床面積が2000m2を超える観覧場や公会堂、床面積が合計2000m2以上の学校の体育館等のように公共性が増した建物では、屋根下地材の性能として、▲4▼の防火に関する耐火性能が絶対的に必要となる。
【0004】
例えば、図5のように鉄骨の建物における屋根構造は、所定間隔で並ぶ母屋1上に垂木2を交差する方向に一定の間隔で並べて設け、この垂木2上に木毛セメント板3を葺設した後、木毛セメント板3の上にアスファルトルーフィング4等の防水層を設け、その上にパッド7を介して金属製の屋根葺材5を重ねて葺設する構成になっている。なお、図中6は吊子、8はシース溶接ラインを示す。
【0005】
図5に示す構成によって、前記▲1▼〜▲3▼の要件は満足することができる。しかし、この構成では、火災時の800〜1000℃にも達する火熱に耐えて屋外に火炎を出さない耐火構造を得ることはできない。耐火構造にするには、鉄骨の母屋に金網下地を取り付け、この上にモルタルを塗るなどの耐火被覆を行わなければならない。また、単なる木毛セメント板を下地材とするだけでは不十分であり、火災で屋内温度が800〜1000℃になった場合でも、30〜60分くらいでは裏面のアスファルトルーフィングに着火することがないよう、裏面の温度上昇を防ぐ下地材でなければならない。
【0006】
さらに、火災発生時に下地材の端部突き合わせ部分から外部に火炎が吹き出すことのない下地材を使用しなければならない。また、これらの屋根は、観覧場、公会堂、学校の体育館等に使われるため、充分な断熱性と耐火性を有するものでなければならない。断熱材として硬質ウレタンフォームが使用されることがあったが、硬質ウレタンフォームは310℃で着火するため、火災を助長してしまう。現在、下地材には木毛セメント板、高圧木毛セメント板、木片セメント板、スレート/木毛セメント積層板等の種々のものがあるが、充分な耐火性能を有し、しかも高い断熱性を有する下地材はない。
【0007】
図6は従来の屋根下地材の一例を示す。この屋根下地材9は、厚さ20mmの木毛セメント板11と、厚さ20mmの合板10とがエポキシ系接着剤12により接着されたものである。この下地材9は、図7に示すように、下地材9の側端部13同士を突き合わせて鉄骨の垂木にドリルビス等で取り付けて施工する。
【0008】
図7のように側端部の突き合わせ部13を中央にした試験体を作り、木毛セメント板11側(屋内側)からISO−834の試験法で加熱し、30分の耐火試験を行ったところ、25分が経過して加熱温度が815℃になった時に、下地材9の突き合わせ部13より火炎が吹き上げ合板に着火した。また、下地材9自体の性能を確認すべく、同じ材料構成で突き合わせ部をなくした図6に示すような試験体を作り、ISO−834の30分の耐熱試験を行った。その結果、加熱温度が842℃に達した時の加熱面と反対側の合板表面中央部の温度は206.6℃となっていた。建築基準法第2条第7号および平成12年度建設省告示第1432号では、壁については加熱面以外の面のうち最も高い部分の温度が200℃以上に上昇することがないよう定められており、可燃物の燃焼温度を最高温度200℃、平均温度160℃としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
建築基準法第2条第7号(耐火構造)の規定に基づく認定に係る性能評定では、屋根に関しては屋内側より30分加熱したときに842℃に至る温度に対する耐火性能が求められる。しかし、従来技術では、断熱と耐火の両性能を同時に満足させることができる屋根、壁等の下地材は存在しなかった。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、優れた断熱性能と耐火性能を併有する耐火断熱下地材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため、ISO−834の耐火試験において、屋内側からの加熱により60分で945℃になる加熱を行っても、屋外に火炎を出す原因となる亀裂その他の損傷を生じず、特に下地材の端部同士の繋ぎ部より火炎が屋外側へ噴出することのない耐火断熱下地材を得るべく鋭意検討を行った。
【0012】
本発明は、上記検討の結果なされたもので、下記(1)〜()に示す耐火断熱下地材を提供する。
(1)屋根、壁等の下地材であって、板状の無機フォームと、該無機フォームの支持体として機能する取付板とを、無機系の接着剤により積層してなり、前記無機フォームが、結石性無機成分、アルカリ性領域で前記結石性成分の硬化をする水含有第2成分、耐火性付与第3成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させたもの(B組成の無機フォーム)であり、前記B組成の無機フォームにおいて、結合性無機成分がアルミナセメント、メタカオリンおよびポルトランドセメントからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分が1モルのK Oおよび/またはNa O当たり1〜3モルの二酸化珪素を有する金属珪酸塩溶液であり、耐火性付与第3成分が金属水和物であり、発泡性成分が過酸化水素水であり、前記B組成の無機フォームの成形材料における各成分の配合量は、結石性無機成分100重量部に対し、水含有第2成分が150〜450重量部、耐火性付与第3成分が50〜300重量部、発泡性成分が5〜50重量部であることを特徴とする耐火断熱下地材。
(2)前記無機フォームは、前記B組成の無機フォームと、結石性無機成分、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させたH組成の無機フォームとを組み合わせた積層構造を有することを特徴とする(1)の耐火断熱下地材。
(3)前記無機フォームおよび取付板が同じ幅、長さを有し、これら無機フォームおよび取付板を幅方向、長さ方向とも所定距離ずらして積層することにより、幅方向両端部および長さ方向両端部にそれぞれ継ぎ手部が形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の耐火断熱下地材。
【0017】
本発明の耐火断熱下地材は、無機フォームと取付板とを無機系の接着剤により積層したので、これら無機フォーム、取付板および無機系の接着剤の相乗作用により、優れた断熱性能と耐火性能を併有する。また、無機フォームの支持体として機能する取付板を無機フォームに積層したので、この取付板を利用して鉄骨等の施工箇所にドライブビス等を用いて容易に取り付けることができる。
【0018】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明の耐火断熱下地材は、無機フォームの支持体として機能する取付板を有している。この取付板は、該取付板を鉄骨等の施工箇所にドライブビス等の固定用部材を用いて取り付けることにより、耐火断熱下地材が施工箇所にしっかりと取り付けられるものであればよい。取付板の材質に特に限定はないが、高圧木毛セメント板、木片セメント板、木毛セメント板および合板から選ばれる1種、または2種以上の積層板であることが適当である。
【0019】
次に、無機フォームについて説明する。本発明において、無機フォームは、結石性無機成分、アルカリ性領域で前記結石性成分の硬化をする水含有第2成分、耐火性付与第3成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させた耐火性能の高いもの(B組成の無機フォーム)であることが好ましい。無機フォームとしてB組成のものを用いた場合、B組成の無機フォームは高温時に含有する結晶水を放出し、さらに気化熱を奪うため、より優れた耐火性能、耐熱性能、断熱性能を有する耐火断熱下地材を得ることができる。
【0020】
また、上記B組成の無機フォームにおいて、結合性無機成分がアルミナセメント、メタカオリンおよびポルトランドセメントからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分が1モルのK2Oおよび/またはNa2O当たり1〜3モルの二酸化珪素を有する金属珪酸塩溶液であり、耐火性付与第3成分が金属水和物であり、発泡性成分が過酸化水素水であることが好適である。ここで、結石性無機成分にアルミナセメント、メタカオリン、ポルトランドセメントを用いているのは、アルミナセメントは硬化反応を早くする効果、ポルトランドセメントは長期の圧縮強度向上効果、メタカオリンはポゾラン反応によるポルトランドセメントの組織強化効果を有するためである。
【0021】
上記B組成の無機フォームにおける各成分の配合量は、結石性無機成分を100重量部に対し、アルカリ性領域で前記結石性成分の硬化をする水含有第2成分を150〜450重量部、耐火性付与第3成分を50〜300重量部、発泡性成分を5〜50重量部とすることが適当である。結石性無機成分100重量部に対し水含有第2成分を150〜450重量部としているのは、150重量部より少ないと硬化反応に必要なアルカリ量が不足して製造時に硬化不良が発生しやすく、450重量部を超えると得られる無機フォームの耐水性が悪くなるからである。耐火性付与第3成分を50〜300重量部としているのは、50重量部より少ないと得られる無機フォームの十分な耐火性が得られず、300重量部を超えると無機フォームが硬化しにくくなるからである。発泡性成分を5〜50重量部としているのは、5重量部より少ないと十分な発泡倍率(断熱性)が得られず、50重量部より多いと気泡の破れが多くなりすぎ、無機フォームの強度が低下するからである。
【0022】
より具体的には、B組成の無機フォームは、例えば、結合性無機成分としてアルミナセメント、メタカオリンおよびポルトランドセメントから選ばれるもの、好ましくはこれら3種全てを適宜割合で100重量部、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分として1モルのK2Oおよび/またはNa2O当たり1〜3モルの二酸化珪素を有する金属珪酸塩溶液を150〜450重量部、耐火性を付与するための第3成分として結晶水を有する水酸化アルミニウムおよび/または結晶水を有する水酸化マグネシウムを50〜300重量部、および発泡剤として過酸化水素水(10〜20%濃度)を5〜50重量部使用して成形材料を調製し、この成形材料を発泡成形後、加熱硬化乾燥して得ることができる。
【0023】
本発明では、無機フォームをB組成1層としてもよいが、多層からなる積層構造を有するものとし、少なくとも1層の無機フォームは前記B組成の無機フォーム、他層の無機フォームは結石性無機成分、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させた断熱性能の高いもの(H組成の無機フォーム)とすることができる。このようにB組成の無機フォームとH組成の無機フォームとを組み合わせた場合には、B組成の無機フォームで耐火性能を向上させ、H組成の無機フォームで断熱性能を向上させることにより、無機フォームの総厚さを薄くすることができる。
【0024】
上記H組成の無機フォームにおいては、結合性無機成分がアルミナセメント、フライアッシュ、活性アルミナおよびポルトランドセメントからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分が1モルのK2Oおよび/またはNa2O当たり1〜3モルの二酸化珪素を有する金属珪酸塩溶液であり、発泡性成分が過酸化水素水(好適には10〜20%濃度)であることが適当である。ここで、結石性無機成分をアルミナセメント、フライアッシュ、活性アルミナ、ポルトランドセメントとしているのは、アルミナセメントで硬化反応を早め、ポルトランドセメントで長期の圧縮強度を確保し、フライアッシュ、活性アルミナでポゾラン反応によるポルトランドセメントの組織強化と、組成の混合時、発泡時の流動性向上を図るためである。なお、フライアッシュは火力発電所の廃材であり、産業廃棄物として処理に困っているものであるが、H組成ではこのようなフライアッシュを有効に利用することができる。
【0025】
また、H組成の無機フォームにおける各成分の配合量は、結石性無機成分を100重量部、アルカリ性領域で前記結石性成分の硬化をする水含有第2成分を100〜200重量部、発泡性成分を5〜50重量部とすることが適当である。
【0026】
本発明において、B組成の無機フォームとH組成の無機フォームとを組み合わせて無機フォームを形成する場合、例えば下記に示す積層構造を採ることができるが、これらに限定されるものではない。
▲1▼屋外側B組成、屋内側H組成よりなる2層構造
▲2▼屋外側H組成、屋内側B組成よりなる2層構造
▲3▼屋外側B組成、中央H組成、屋内側B組成よりなる3層構造
▲4▼屋外側H組成、中央B組成、屋内側H組成よりなる3層構造
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。本例の耐火断熱下地材18は、高圧木毛セメント板(取付板)14と板状の無機フォーム(B組成)15とを無機系接着剤16により積層したものである。無機フォーム15は、無機硬化反応により堅く硬化しており、この点でそれ自体が耐熱性を有するばかりでなく、結晶水を有する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを含有することにより、この無機フォーム15が積層された耐火断熱下地材18は全体として著しい耐火性能を発揮する。本例の耐火断熱下地材18の無機フォーム15を屋内側に配置し、屋内側より火災が発生した場合、加熱された無機フォーム15が結晶水を放出し、気化熱を奪うことにより、高圧木毛セメント板14へ伝わる火災による熱を著しく減ずることができる。また、無機フォーム15の断熱性、高圧木毛セメント板14の断熱性により、その上のアスファルトルーフィングに伝わる熱を著しく下げることができる。そして、無機フォーム15単体ではドリルビスによる鉄骨への取り付けはできないが、本例では高圧木毛セメント板14が耐火断熱下地材18を施工箇所に取り付ける際の支持体として機能するため、木毛セメント板14により耐火断熱下地材18を鉄骨にしっかりと取り付けることができるようになる。
【0029】
本例の耐火断熱下地材18を作製し、下記試験を行った。この場合、高圧木毛セメント板14としては、厚さ20mm、嵩密度0.95g/cm3、重さ18.5kg/m2のもの(竹村工業株式会社製TSボード)を用い、無機系接着剤16としてはモルタルを用いた。
【0030】
また、B組成の無機フォーム15の成形材料の組成は下記の通りとした。この無機フォーム15の厚さは20mm、密度は440kg/m3、熱伝導率は0.128kcal/mh℃であった。
・結石性無機成分として
アルミナセメント 7.3重量%
メタカオリン 4.4重量%
ポルトランドセメント 2.7重量%
・アルカリ性領域内で結石性成分の硬化をする水含有第2成分として
水ガラス 40.0重量%
・耐火性能付与第3成分として
水酸化アルミニウム 23.8重量%
・発泡性成分として
過酸化水素水 3.9重量%
・無機フィラー 15.8重量%
【0031】
2枚の本例の耐火断熱下地材18の側端面同士を突き合わせ、突き合わせ部を中央にした試験体を作製し、ISO−834の試験法で30分の耐火試験を行った。この場合、無機フォーム15側から加熱を行った。その結果、30分経過時に加熱温度は842℃に達していたが、高圧木毛セメント板14の加熱面と反対側の中央部の温度は38℃と低い温度であった。すなわち、突き合わせ部よりの熱の通過が、B組成中の水酸化アルミニウムが結晶水を放出し、気化熱を奪うことにより防げられている。本例の耐火断熱下地材18の熱貫流率はK=2.89kcal/m2h℃であった。
【0032】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。本例では、厚さ60mmの板状のH組成の無機フォーム17を作り、図2のような積層品を作製した。具体的には、厚さ20mmの高圧木毛セメント板(取付板)14、厚さ60mmのH組成の無機フォーム17、厚さ20mmのB組成の無機フォーム15を無機系接着剤16で接着して本例の耐火断熱下地材18を作製した。
【0033】
本例におけるB組成の無機フォーム15の成形材料の組成は実施例1と同様である。また、H組成の無機フォーム17の成形材料の組成は下記の通りである。本例におけるH組成の無機フォーム17の密度は270kg/m3、熱伝導率は0.084kcal/mh℃であった。
・結石性無機成分として
アルミナセメント 11.0重量%
フライアッシュ 8.5重量%
活性アルミナ 5.9重量%
ポルトランドセメント 2.7重量%
・アルカリ性領域内で結石性成分の硬化をする水含有第2成分として
水ガラス 36.0重量%
・発泡性成分として
過酸化水素水 6.5重量%
・無機フィラー 24.3重量%
【0034】
本例の耐火断熱下地材18は、熱貫流率K=0.94kcal/m2h℃の優れた断熱材となっている。
【0035】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。本例の耐火断熱下地材18は、同じ幅、長さを有する高圧木毛セメント板(取付板)14と無機フォーム(B組成)15とを、幅方向、長さ方向とも所定距離ずらして無機系接着剤(モルタル)16で積層することにより、幅方向両端部および長さ方向両端部にそれぞれ継ぎ手部を形成し、隣接する耐火断熱下地材18の横方向、縦方向の接続時に継ぎ手構造で接続できる積層体となっている。すなわち、長さ方向には長さ方向凸継ぎ手部20を作り、長さ方向凹継ぎ手部21と嵌めあえる構造となっている。幅方向には幅方向凸継ぎ手部22を作り、幅方向凹継ぎ手部23と嵌めあえる構造となっている。高圧木毛セメント板14は厚さ20mm、無機フォーム15は厚さ20mmとした。耐火断熱下地材18を鉄骨に貼って行くときに、単なる突き合わせであると火災時に突き合わせ部から熱が裏側へ伝わり易い。実施例3の場合は、耐火断熱下地材料の切れ目をなくし、熱が裏側へ伝わりにくいようにしている。
【0036】
耐火試験のため、図4のように1個所の継ぎ手部24を中央に設けた試験体を作り、ISO−834の試験を行った。この場合、無機フォーム15の側から加熱を行い、60分で946℃まで加熱した。このときの木毛セメント板14の反加熱側の表面中央部温度は42℃であった。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る耐火断熱下地材は、優れた断熱性能と耐火性能を併有し、しかも鉄骨等の施工箇所にドライブビス等を用いて容易に取り付けることができるものである。より具体的には、本発明に係る耐火断熱下地材は、下記に示すような効果を奏する。
▲1▼鉄骨等にドライブビス等で容易に取り付けられる。
▲2▼ISO−834の60分でほぼ1000℃(946℃)に加熱する耐火試験では、反対面の温度も50℃以下の低温に抑えられる。すなわち、建築基準の火災時の屋根に対する屋内側からの30分で842℃までの加熱に耐えられるばかりでなく、60分で1000℃(946℃)までの加熱に耐えることができる。
▲3▼B組成の無機フォームの厚さを調整すれば、さらに高レベルの耐火性能を実現できる(ISO−834の加熱で120分で1029℃に耐えることもできる)。
▲4▼施工時の取り付け方や火災時の状況によっては、下地同士の接合部から熱が突き上げることがあるため、耐火性を向上した接合部が得られる。
▲5▼断熱性能において熱貫流率k=1kcal/m2h℃以下を容易に実現できる屋根、壁の下地材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例2に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例3に係る耐火断熱下地材を示す斜視図である。
【図4】耐火試験用の試験体の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の鉄骨の建物における屋根構造の一例を示す斜視図である。
【図6】従来の屋根下地材の一例を示す斜視図である。
【図7】耐火試験用の試験体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 母屋
2 垂木
3 木毛セメント板
4 アスファルトルーフィング
5 屋根葺材
6 吊子
7 パッド
8 シース溶接ライン
9 屋根下地材
10 合板
11 木毛セメント板
12 エポキシ系接着剤
13 突き合わせ部
14 高圧木毛セメント板(取付板)
15 無機フォーム(B組成)
16 無機系接着剤
17 無機フォーム(H組成)
18 耐火断熱下地材
20 長さ方向凸継ぎ手部
21 長さ方向凹継ぎ手部
22 幅方向凸継ぎ手部
23 幅方向凹継ぎ手部
24 継ぎ手部

Claims (3)

  1. 屋根、壁等の下地材であって、板状の無機フォームと、該無機フォームの支持体として機能する取付板とを、無機系の接着剤により積層してなり、前記無機フォームが、結石性無機成分、アルカリ性領域で前記結石性成分の硬化をする水含有第2成分、耐火性付与第3成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させたもの(B組成の無機フォーム)であり、前記B組成の無機フォームにおいて、結合性無機成分がアルミナセメント、メタカオリンおよびポルトランドセメントからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分が1モルのK Oおよび/またはNa O当たり1〜3モルの二酸化珪素を有する金属珪酸塩溶液であり、耐火性付与第3成分が金属水和物であり、発泡性成分が過酸化水素水であり、前記B組成の無機フォームの成形材料における各成分の配合量は、結石性無機成分100重量部に対し、水含有第2成分が150〜450重量部、耐火性付与第3成分が50〜300重量部、発泡性成分が5〜50重量部であることを特徴とする耐火断熱下地材。
  2. 前記無機フォームは、前記B組成の無機フォームと、結石性無機成分、アルカリ性領域で結石性成分の硬化をする水含有第2成分および発泡性成分を含む成形材料を発泡させたH組成の無機フォームとを組み合わせた積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の耐火断熱下地材。
  3. 前記無機フォームおよび取付板が同じ幅、長さを有し、これら無機フォームおよび取付板を幅方向、長さ方向とも所定距離ずらして積層することにより、幅方向両端部および長さ方向両端部にそれぞれ継ぎ手部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の耐火断熱下地材。
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