JP3976253B2 - ケーソンの沈設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤に沈設して橋梁等の基礎や地下タンク等に使用するケーソンの沈設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地上で構造物を構築して、構造物の自重や付加荷重等の重力によって地盤に構造物を沈設するケーソンaの沈設が従来から行われている。
ケーソン工法には、圧入ケーソン工法、オープンケーソン工法、ニューマチックケーソン工法等があり、工法により掘削方法、荷重の載荷方法などが異なる。
いずれの工法によってケーソンaを沈設するにしても、軟弱地盤dなどのような柔らかい地盤d中にケーソンaを沈設する場合、ケーソンaの刃口部bを支持地盤に着底させないで沈設を完了することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のケーソンの沈設方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>ケーソンaの沈降中又は沈設直後は、ケーソンaの外周面と地盤dの摩擦係数が、静止摩擦係数よりも小さい動摩擦係数になっている。このため、ケーソンaを支持するのに必要な周面摩擦抵抗を得ることができず、ケーソンaの沈降が予想以上に大きくなる場合やケーソンaの沈降が収まらずに継続する場合がある。ケーソンが設計深度より深い位置に設置されると、ケーソンを構築するための費用が増加する。
<ロ>底版cを構築するために底ざらい掘削を行うと、支持面積の狭い刃口部bでケーソンaを支持することになり、一旦沈降が収まっていた場合でも再び沈降が始まる場合がある。ケーソンaが移動中であれば、底版cの構築も困難になる。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、沈降を制御できるケーソンの沈設方法を提供することを目的とする。特に、計画した深度以上にケーソンを沈降させることのないケーソンの沈設方法を提供することを目的とする。
また、安全かつ容易に底版の構築がおこなえるケーソンの沈設方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明のケーソンを地盤に沈設する方法は、ケーソンレベルを調整可能な調整部と、該調整部より深い部位の支持部と、該調整部より浅い部位のケーソンの沈下を制御可能な過沈下制御部からなる置換材で構成した置換柱体を、地盤のケーソン躯体が配置される位置に予め設置し、ケーソンを前記置換柱体に沿って沈設し、ケーソンの刃口部を前記調整部まで沈下させ、前記支持部を介してケーソンを支持することを特徴としたものである。
ここで、置換柱体とは、地表から地盤内へ向けて軟弱地盤に置き換えて置換材を配置してなる柱体である。この置換材は深度毎に異なる種類とでき、それぞれに必要な支持力、抵抗力等を備えたものとすることできる。
また、ケーソンが沈設される位置とは、地盤内におけるケーソンの壁面が配置する位置であって、置換柱体はケーソンの断面に沿って略垂直に配置され、その配置形態はケーソンの周方向に連続して配置しても、また周方向に所定の間隔を保ちながら断続的に配置する何れの形態をとるかは任意とできる。
【0006】
ここで、ケーソンレベルを調整可能な調整部とは、ケーソンを支持しつつ、ケーソンの沈下、停止を任意によって操作できる部分である。
【0007】
さらに、前記するケーソンの沈設方法において、調整部の置換材として砂または砕石を配置し、支持部の置換材として砂、砕石又は固化材を混入した混合材料を配置したことを特徴としたものである。
ここで、固化材とは、たとえばコンクリート、モルタル、ソイルセメント等である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
<イ>ケーソン
本発明により構築するケーソン10は、橋梁等の基礎や地下タンク等に使用する公知のケーソン10である。
例えば断面形状が、円形、矩形、小判形、多角形、楕円形、扇形などをしたケーソン10が使用できる。
ケーソン10は、所定の高さ毎に構築と沈設を繰り返して段階的に構築していくことができる。また、地上で一度に構築して、一度に沈設することも可能である。
【0010】
<ロ>置換柱体
置換柱体20はケーソン10が沈降する途上に沿って配置し、ケーソン10の沈降を抑制、さらにはケーソン10を支持する部材である。
そのため、置換柱体20はケーソン10に先行して地盤60に配置される。
置換柱体20は地盤60内に複数配置され、置換柱体20の配置形態はケーソン10断面の周方向に沿って連続、または図1に示すように断続する形態の何れであってもよい。
【0011】
置換柱体20はケーソン10の沈設深度より長い形状を呈し、深度毎にそれぞれ所望の置換材を配置してなる。たとえば地表から先端に向けて順に、過沈下制御部50、調整部30、支持部40となる置換材を配置する。
過沈下制御部50はケーソン10の沈降経路にかかり配置する部位で、ケーソン10の過度の沈下を抑制し得る軟弱地盤60よりも抵抗の大きい砂等を使用する。
調整部30はケーソン10を下方より支持しつつ、ケーソン10刃口部の内側をグラブバケット等で掘り下げることによってケーソン10を沈下させ、一方、底版を構築するための底ざらい掘削ではケーソン10の沈下が再開しない程度の強度を備える置換材である。
つまり、調整部30のケーソン10沈下に対する抵抗値は、上部に配置する過沈下制御部50より大きいものとし、調整部30の置換材としては、たとえば砂または砕石等が使用できる。
ケーソン10の刃口部は、最終的に調整部30の範囲内に納まる。
支持部40はケーソン10に伝わる応力を地盤60へ伝播すると共に、それ以深へのケーソン10の沈降を防止する部位である。
支持部40はケーソン10壁体の真下へ配置し、調整部30を介してまたは直接、ケーソン10を支持する。
支持部40は、必ずしも下方に位置する支持層まで達している必要はなく、充分な支持力が得られれば、その途中に配置する形態としてもよい。支持部40には砂、砕石、又はコンクリート、モルタル、ソイルセメント等の固化材を混入した混合材料等が使用できる。
なお、連続する置換材は相互に応力を伝播可能な材料とする。
【0012】
夫々に配置する置換材はできるだけ排水がよく、地下水位にも充分に支持力が確保できる材料を選択することが望ましい。
置換柱体20の断面の形状や大きさは、各置換材の所望の目的を果たすことができれば、特に制約を受けない。
【0013】
以下、ケーソンの沈設方法について説明する。
【0014】
【実施例】
<イ>置換柱体の設置
ケーソン10周壁が沈設する位置に沿って置換柱体20を設置する。
置換柱体20の構築には、例えば、ケーシングを使用して所定の深さまで削孔を行い、置換材を充填する方法を用いることができる。
置換柱体10は深度毎に所望の置換材を配置する。
置換柱体20は先端、つまり掘削孔の奥部から順に、砂、砕石、または固化材を混入した混合材料からなる支持部40、砕石を配置した調整部30、そして砂を配置した過沈下制御部50を所定の長さだけ配置して構成する。
置換材の充填時にケーシングを引き抜き、同様の手順でケーソン10周壁に沿って順に置換柱体20を配置する。
この置換柱体20の設置にあたり、支持部40は地盤60との周面摩擦によってケーソン10を支持する部分となり、特に調整部30においてはケーソン10レベルを調整する重要な位置となるため、全部の置換柱体20に亘って共通した水平位置となるように充分に注意を払う。
ケーソン10の断面形状が円形である場合、置換柱体20の配置形態は円形となる。
この配置形態は必ずしも連続して配置する必要はなく、図2のように断続した配置形態としてもよい。
【0015】
置換柱体20は、ケーソン10の設置に先行して配置されるため、その途上に転石などの障害物があれば未然に撤去することができ、ケーソン10沈降中の妨げを予め除去できる。
【0016】
<ロ>ケーソンの沈降
地盤60に設置された各置換柱体20の頭部に沿って、ケーソン10の刃口部を配置する。
刃口部の内側の地盤60をグラブバケットなどで掘削すると、刃口部が自重で沈降し始める。
沈降するケーソン10には、軟弱地盤60より大きな上向きの抵抗力が過沈下制御部50より及ぶため、軟弱地盤60に沈下するケーソン10と比してケーソン10の沈降速度は緩まる。
所定の深さまで刃口部が沈降した後に、上部に中間部を継ぎ足して沈降させる。
所定の数だけ中間部の継ぎ足し及び沈降を繰り返し、ケーソン10の先端を置換柱体20の調整部30へ到達させる。
【0017】
<ハ>ケーソンレベルの調整
その後、ケーソン10の沈設レベルに向けて、少しずつケーソン10刃口部の内側を掘削し、ケーソン10を沈降させる。
ケーソン10が所定のレベルに達した後、ケーソン10が調整部30で支持された状態で、底版を構築するための底ざらい掘削を行う。このとき、ケーソン10は調整部30によって支持されているため、掘削によって沈降を再開することはない。
最後に底版構築用のコンクリートを打設してケーソン10の沈設を完了する。
【0018】
【発明の効果】
本発明のケーソンの沈設方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>置換柱体は、地表から過沈下制御部、調整部、支持部を構成する置換材よりなる。
このため、ケーソンの沈降を所定の位置で止めることができる。設計深度にケーソンを設置できればケーソンの構築費用が増加しない。
<ロ>ケーソンは調整部を介して支持部によって支持されているので、底版用の掘削を行っても再びケーソンが沈降を再開することはない。このため、安全かつ容易に底版を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーソンの沈設方法の実施例の説明図。
【図2】地盤に配置した置換柱体に向けてケーソンを打設する実施例の説明図。
【図3】従来のケーソンの沈設方法の実施例の説明図。
【符号の説明】
10・・ケーソン
20・・置換柱体
30・・調整部
40・・支持部
50・・過沈下制御部
60・・地盤
Claims (2)
- ケーソンを地盤に沈設する方法において、
ケーソンレベルを調整可能な調整部と、該調整部より深い部位の支持部と、該調整部より浅い部位のケーソンの沈下を制御可能な過沈下制御部からなる置換材で構成した置換柱体を、地盤のケーソン躯体が配置される位置に予め設置し、
ケーソンを前記置換柱体に沿って沈設し、ケーソンの刃口部を前記調整部まで沈下させ、前記支持部を介してケーソンを支持することを特徴とする、
ケーソンの沈設方法。 - 請求項1のケーソンの沈設方法において、
前記調整部の置換材として砂または砕石を配置し、
前記支持部の置換材として砂、砕石又は固化材を混入した混合材料を配置したことを特徴とする、ケーソンの沈設方法。
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