JP3975829B2 - 電線接続端子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線を端子板に接続するための電線接続端子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19に、従来の電線接続端子を用いたスイッチのような配線器具の断面図を示す。このスイッチの器体11は後端側のボディ12と、前端側のカバー13とで構成される。ボディ12には、端子板2と鎖錠ばね52と解除釦(図示せず)とで構成される電線接続端子1を収納する端子収納室14が設けられており、端子収納室14の底面には電線挿通孔15が開口している。
【0003】
端子板51は一端部にコ字状部51aを有し、このコ字状部51aに鎖錠ばね52を収納して速結端子を構成している。
【0004】
図20に示すように、鎖錠ばね52の鎖錠片52b及び押圧片52cは、例えばステンレスのような応力限界値の高い弾性材料の帯板の両端部を曲成することで、中央片52aの両端部に形成される。鎖錠ばね52の中央片52aはコ字状部51aの一方の側片51bに当接し、鎖錠片52bは中央片52aとの連結部位から先端縁に向かってコ字状部51aの他方の側片51cに近付く向き(斜め上向き)に傾斜する。また、鎖錠ばね52の押圧片52cは略S字状に形成されており、鎖錠ばね52に設けた鎖錠片52b及び押圧片52cがコ字状部51aの他方の側片51cに対向する。
【0005】
この電線接続端子1に電線60を接続する場合には、電線挿通孔15から電線60の被覆が剥かれた芯線61を挿入すると、鎖錠ばね52のばね力によって、鎖錠ばね52の鎖錠片52b及び押圧片52cと端子板51の側片51cとの間に芯線61の導体が挟持され、鎖錠片52bの先端縁が芯線61の導体に食い込むことによって、芯線61の脱落が防止されるようになっている。したがって、電線挿通孔15に電線60の芯線61を挿入するだけで、芯線61が保持されるとともに、端子板51への電気的接続がなされるのである。
【0006】
なお、電線接続端子1に接続された電線60の芯線61を外す場合は、ボディ12の底面に開口する工具挿入孔(図示せず)から工具の先端を挿入して解除釦を押し動かし、解除釦で鎖錠片52bを端子板51の側片51cから離れる向きに押圧することにより、電線60の鎖錠状態を解除して、電線60を容易に引き抜くことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の電線接続端子1では、鎖錠ばね52の両端部に電線60の芯線61を鎖錠する鎖錠片52bと、電線60の芯線61を側片51cに押圧する押圧片52cとを設けており、側片51cとの間に電線60の芯線61が挿入されると鎖錠片52b及び押圧片52cがそれぞれ別個に撓められる。図21は鎖錠片52b及び押圧片52cの撓み量x1,x2とばね荷重F1,F2との関係を示しており、鎖錠片52b及び押圧片52cに加わるばね荷重F1,F2は、それぞれ、撓み量x1,x2の増加に伴って線形的に増加する。尚、鎖錠片52b及び押圧片52cのばね定数をK1,K2とすると、鎖錠片52bに加わるばね荷重F1はF1=K1×x1、押圧片52cに加わるばね荷重F2はF2=K2×x2と表される。
【0008】
ここで、電線60の芯線61を鎖錠するばね部(鎖錠片52b)と、電線60の芯線61を押圧するばね部(押圧片52c)とは鎖錠ばね52の別々の部位から構成されているので、個々のばね部(鎖錠片52b及び押圧片52c)の応力限界値は、それぞれのばね部の形状、寸法に依存することになり、ばね部の形状、寸法がある程度決まっている場合は、応力限界値の関係から各ばね部の撓み量に制約があり、その結果接続可能な電線径の範囲を広げることができないという問題があった。
【0009】
また、電線挿入時に端子板51の側片51cと電線60の芯線61との間に異物が挟まって、端子板51と芯線61とが直接接触していない場合には、端子板51と電線60との間が鎖錠ばね52を介して電気的に接続されるのであるが、従来は鎖錠ばね52の応力限界値を高くするために、応力限界値の高いステンレス材料を用いて鎖錠ばね52を形成しており、ステンレス材料の導電率は銅合金などに比べて非常に低いため、端子部が異常発熱するという問題もあった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、接続可能な電線径の範囲を広げた電線接続端子を提供するにある。また、請求項9の発明の目的とするところは、上記目的に加えて、端子板と電線との間に異物が挟まった場合でも端子部が異常に発熱するのを防止した電線接続端子を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、導電材料により形成された端子板と、弾性材料により形成され、端子板に電線を押圧することによって電線と端子板との間を電気的に接続する押圧ばねとが、器体に設けた端子収納室内に収納される電線接続端子において、押圧ばねは、断面円弧状の曲がり部の両端から側片がそれぞれ延出された略U字状の一対のばね部を有し、両ばね部の一側片の先端が互いに連結されて略S字状に形成されており、一方のばね部の他側片先端部で、先端部が電線に食い込むことによって電線と鎖錠する電線鎖錠部を構成するとともに、他方のばね部の曲がり部で、電線を端子板に押圧する電線押圧部を構成して成り、電線を端子板と押圧ばねとの間に挿入した際に、押圧ばねから電線に加えられる荷重が所定値よりも小さい場合は一方のばね部の他側片先端部と他方のばね部の曲がり部とで電線と接触し、前記荷重が所定値を越えると押圧ばねのばね定数が小さくなるように、押圧ばね全体を回転させることで一方のばね部の曲がり部と他方のばね部の先端部とをそれぞれ移動させて、一方のばね部の他側片先端部のみで電線と接触させることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、押圧ばねの形状を、両ばね部の連結点に対して対称な形状としたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、一方のばね部のばね定数と、他方のばね部のばね定数とを異ならせたことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明では、請求項1の発明において、端子板又は器体の内の少なくとも何れか一方に、電線挿入時に押圧ばねと当接し、当接部位を支点として押圧ばねを回転させる支点部を設けて成ることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明では、請求項1乃至請求項5の何れか1つの発明において、弾性材料から細長の板状に形成され、長手方向の中間部が厚み方向における一方向に突出するように湾曲する反転部を具備した反転ばねを設け、電線の接続作業が完了した際に反転部を反対方向に湾曲させて成ることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、他方のばね部の曲がり部に、反転ばねの一部を挿通させる挿通孔を設けるとともに、他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成し、電線の接続作業が完了した際に他方のばね部の他側片先端部と当接するように反転ばねの反転部を配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明では、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、押圧ばねは少なくとも一部が端子板と接触しており、押圧ばねの材料を導電性の良好な弾性材料としたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態の電線接続端子は例えばスイッチやコンセントのような配線器具に電線を接続するために用いられるものである。図1は本実施形態の電線接続端子1を配線器具の器体11内に収納した状態を示し、器体11はそれぞれ合成樹脂成型品からなるボディ12とカバー13とを結合して形成される。尚、以下の説明では特にことわりが無い場合、図1に示す方向において上下左右の方向を規定して説明を行う。
【0022】
ボディ12には電線接続端子1を収納する端子収納室14が形成されており、この端子収納室14の底面には電線挿通孔15及び解除釦操作孔16が開口している。
【0023】
電線接続端子1は、端子板2と、端子板2に電線を押圧するとともに電線を鎖錠する押圧ばね4と、電線と押圧ばね4との鎖錠状態を解除する解除釦5とで構成される。
【0024】
端子板2は導電性の良好な銅合金などの板金により形成され、端子板2の一端部には押圧ばね4を保持するばね保持部3が一体に形成されている。ばね保持部3は、平行配置された一対の側片3a,3bの一端部間を連結片3cで連結することによって、断面コ字形に形成されている。また、連結片3cの一側縁からは押圧ばね4の側面を覆う側片3eが垂下されており、側片3eには解除釦5の押圧部5bが入り込む切欠3fを設けてある。
【0025】
押圧ばね4は、例えばステンレスのような弾性材料の帯板を曲成することによって形成され、断面円弧状の曲がり部4gの両端から側片4c,4dがそれぞれ延出された略U字状の一対のばね部4a,4bを有し、両ばね部4a,4bの一側片4cの先端が互いに連結されて略S字状に形成されている。
【0026】
また、解除釦5は絶縁性を有する合成樹脂により扁平な形状に形成され、一端側には先端が解除釦操作孔16から露出する押操作部5aが設けられ、他端側には断面形状が三角形状の押圧部5bが設けられている。
【0027】
ここで、この電線接続端子1を器体11の内部に組み込む際は、先ずボディ12の端子収納室14内に解除釦5を挿入して、解除釦5の押操作部5aを解除釦操作孔16から外部に露出させ、押圧ばね4をばね部4aの曲がり部4gを下側、ばね部4bの曲がり部4gを上側にして端子収納室14内に挿入した後、側片3a,3bと連結片3cとで押圧ばね4の周りを囲むようにして端子板2のばね保持部3をボディ12内に組み込むことで、組込作業が完了する。なお、電線接続端子1を端子収納室14内に組み込んだ状態では、押圧ばね4の一方のばね部4aの他側片4d先端部と、他方のばね部4bの曲がり部4gとが端子板2の一側片3aに対向するとともに、一方のばね部4aの曲がり部4gと、他方のばね部4bの他側片4d先端部とが端子板2の他側片3bに対向している。また解除釦5の押圧部5bが、押圧ばね4のばね部4aの他側片4dに当接している。
【0028】
この電線接続端子1に電線を接続する場合には、電線挿通孔15から電線の被覆が剥かれた芯線(図示せず)を挿入すると、電線の芯線が一方のばね部4aの他側片4d先端部と端子板2の側片3aとの間に挿入される。この状態から電線の芯線をさらに奧へ押し込むと、電線の芯線がばね部4aの他側片4d先端部を乗り越えて、他方のばね部4bの曲がり部4gと当接し、他方のばね部4bを電線挿入方向に押圧する。この時、図2(b)に示すように押圧ばね4の全体が図中左回りに回転しながら、他方のばね部4bの曲がり部4gと端子板2の側片3aとの間に挿入され、両ばね部4a,4bのばね力によって電線の芯線が側片3aとの間で挟持されると共に、ばね部4aの側片4d先端縁が芯線の導体に食い込むことによって、芯線の脱落が防止されるようになっている。したがって、電線挿通孔15に電線の芯線を挿入するだけで、芯線が機械的に保持されるとともに、端子板2への電気的接続がなされるのである。ここに、一方のばね部4aの側片4d先端部から電線鎖錠部が構成され、他方のばね部4bの曲がり部4gから電線押圧部が構成される。
【0029】
ここで、両ばね部4a,4bの撓み量xが所定値xthよりも小さい領域では、図2(a)に示すように、電線の芯線によって一方のばね部4bの側片4d先端部と、他方のばね部4bの曲がり部4gとがそれぞれ撓められるため、ばね部4a,4bに発生する荷重F1,F2は線形的に増加し、ばね全体に加わる荷重F(=F1+F2)も線形的に増加する。
【0030】
一方、ばね部4a,4bの撓み量xが所定値xthよりも大きい領域では、図2(b)に示すように、電線押圧部及び電線鎖錠部を構成するばね部4a,4bの可撓する部位の基端部(ばね部4aの曲がり部4g及びばね部4bの側片4d先端)がそれぞれ移動し、押圧ばね4の全体が図中左回りに回転して、押圧ばね4の全体が1つのばねとして作用するため、そのばね定数K3を、ばね部4a,4bのばね定数K1,K2に比べて小さい値とすることができる(K1>K3,K2>K3)。
【0031】
図3は押圧ばね4の撓み量と発生するばね荷重との関係を示しており、撓み量xが所定値xthよりも小さい領域では、ばね部4a,4bがそれぞれ撓められるので、ばね部4a,4bに加わるばね荷重F1,F2は、それぞれ、F1=K1×x、F2=K2×xと表され、押圧ばね4に発生する全ばね荷重Fは、F=F1+F2=(K1+K2)×xと表される。一方、撓み量が所定値xthよりも大きい領域では、上述のように押圧ばね4が回転することによって、押圧ばね4全体が1つのばねとして作用することになり、そのばね定数K3はばね部4a,4bのばね定数K1,K2よりも小さくなるので、押圧ばね4に発生するばね荷重Fは、F=F3=K3×xとなる。したがって、撓み量xの増加に応じてばね荷重Fが増加する割合は、撓み量xが所定値xthよりも大きい領域では、撓み量xが小さい領域に比べて緩やかになり、その結果、撓み量xが所定値xthよりも大きい領域において、押圧ばね4に発生するばね荷重Fを抑制することができ、電線接続端子1に接続可能な電線径の範囲を広げることができる。
【0032】
尚、本実施形態では押圧ばね4を、ばね部4aの曲がり部4gを下側、ばね部4bの曲がり部4gを上側にして端子収納室14に組み込んでいるが、押圧ばね4の形状を、図2(a)に示すように両ばね部4a,4bの連結点に対して対称な形状としているので、図4に示すように、ばね部4aの曲がり部4gを上側、ばね部4bの曲がり部4gを下側にして端子収納室14に組み込んでも良く、組込方向の制約がないので、組立ミスを防止できる。また、この場合はばね部4bの側片4d先端部から電線鎖錠部が構成され、ばね部4aの曲がり部4gから電線押圧部が構成される。
【0033】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図5〜図8に基づいて説明する。尚、押圧ばね4以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0034】
実施形態1の電線接続端子1では、押圧ばね4のばね部4aの曲がり部4gを下側、ばね部4bの曲がり部4gを上側にして端子収納室14内に組み込んでおり、一方のばね部4bの側片4d先端が斜め下向きに突出し、端子板2の側片3bと対向しているので、ばね部4bの側片4dの先端縁が側片3bに引っ掛かって、組込作業がやりにくくなる虞がある。そこで、本実施形態では、図5及び図6に示すように、組込時において先端が組込方向における前方に突出するばね部4bの側片4d先端に、先端が側片3bから離れる向きに突出する円弧状の曲がり部4hを設けており、押圧ばね4を組み込む際にばね部4bの曲がり部4hが側片3bと摺接するから、ばね部4bの側片4d先端が側片3bに引っ掛かって、組込作業がやりにくくなるのを防止できる。
【0035】
また電線挿入時には、ばね部4bの曲がり部4hが側片3b上を摺動することで、押圧ばね4が回転しやすくなり、押圧ばね4に加わるばね荷重をさらに低減することができる。
【0036】
ところで、本実施形態の電線接続端子1は例えばスイッチのような配線器具に使用されるものであり、この電線接続端子1を組み込んだスイッチ10の分解斜視図を図7に、一部破断せる側面図を図8に夫々示す。
【0037】
このスイッチ10の器体11は、前面が開口した略箱状の合成樹脂製のボディ12と、前面が略矩形状に形成されるとともに、ボディ12の前面に被着される合成樹脂製のカバー13とで構成される。ボディ12の長手方向の両側面にはそれぞれ一対の係止凸部12aが突設されるとともに、カバー13の後端縁からは係止凸部12aと係止離脱自在に係止する係止孔13bがそれぞれ穿設された舌片13aが突設されており、係止凸部12aと係止孔13bとを凹凸係止させることによってボディ12とカバー13とが組み立てられる。
【0038】
ボディ12の内部は隔壁によって複数の区画に仕切られており、電線接続端子1をそれぞれ収納する端子収納室14,14が両側に設けられ、後述の接点部18を収納する接点収納室17が略中央に設けられている。
【0039】
端子収納室14,14にはそれぞれ導電材料から形成された端子板2a,2bが収納されている。端子板2a,2bはそれぞればね保持部3,3を有し、各ばね保持部3に押圧ばね4が一対ずつ収納されて、電線接続端子1を構成してある。また、各端子収納室14内には、一対の押圧ばね4の間に解除釦6が収納されている。解除釦6は両側に押圧突起6aを有しており、解除釦6を押圧すると、解除釦6の両側に設けた押圧突起6a,6aが、各押圧ばね4,4のばね部4a,4aを端子板2a,2bの側片3a,3aから離れる向きに撓ませるので、ばね部4aが芯線の導体から離れて、芯線を容易に引き抜くことができる。
【0040】
このスイッチ10の接点部18は、上述した端子板2a,2bと可動接点板19とで構成される。一方の端子板2bの連結片3cからは、端部に固定接点(図示せず)が固着された略L字状の端子片21が延接されており、他方の端子板2aの側片3bの下端部からは、先端に可動接点板19の揺動支点となる凹溝22が形成された支持片23が突設されている。可動接点板19は導電材料の帯板から短冊状に形成され、一方の面には固定接点と接離自在に接触する可動接点19bが固着されている。
【0041】
而して、ボディ12の端子収納室14,14に、ばね保持部3,3に各一対の押圧ばね4を納めた端子板2a,2bを収納した状態で、可動接点板19を接点収納室17内に納めると、可動接点板19下端部が端子板2bの凹溝22と係合し、可動接点板19が凹溝22を中心として揺動自在に配置される。
【0042】
一方、カバー13は前面に略矩形状の開口24が形成され、開口24の長手方向略中央の開口縁には前方に突出する軸受け台25,25が突設されており、各軸受け台25の互いに対向する面には溝26が形成されている。また、カバー13の短幅方向の両側面には、カバー13の前面よりも一段高くなった段部27,27が形成されている。各段部27にはそれぞれ側方に突出する一対の係止爪28が突設されており、これらの係止爪28を用いて施工面に固定される取付枠(図示せず)に器体11を取り付けることができる。
【0043】
接点部の開閉操作を行うための合成樹脂製の反転ハンドル29は背面が開口した略箱状であって、前面が略矩形状に形成されており、長手方向の両側面にはカバー13の溝26に入り込む突起30がそれぞれ突設されている。また、反転ハンドル29前面の長手方向における一端側には側方に突出する爪31,31が両側に突設されるとともに、長手方向における他端側略中央には側方に突出する爪32が突設されており、さらに前面の裏側にはコイルスプリング33の端部が納められる円筒状の筒状突起(図示せず)が設けられている。
【0044】
反転ハンドル29の前面側には合成樹脂成形品よりなる操作ハンドル34が着脱自在に取り付けられる。操作ハンドル34は、反転ハンドル29の前面を覆う矩形状の主部34aと、主部34aの周縁から全周にわたって背方に突出する側壁34bとを連続一体に形成した略箱型のもので、主部34aの裏面に突設した弾性係止片34cと、反転ハンドル29の爪31,32とを係止させることによって、反転ハンドル29の前面に操作ハンドル34が取り付けられる。
【0045】
このスイッチ10を組み立てる手順について簡単に説明する。先ずボディ12の各端子収納室14内に、ばね保持部3,3に一対の押圧ばね4と解除釦6とをそれぞれ納めた端子板2a,2bを収納して、接点収納室17内に端子板2aの端子片21と端子板2bの支持片23とを配置するとともに、接点収納室17内に可動接点板19を収納した状態で、コイルスプリング33の一端を筒状突起の内部に納めた反転ハンドル29を、コイルスプリング33の他端が可動接点板19の上端部に設けた係止片19aに入り込むようにして、ボディ12に組み込んだ後、カバー13をボディ12の前面側から取り付けて、ボディ12の係止凸部12aとカバー13の係止孔13bとを凹凸係止させることにより、ボディ12とカバー13とを結合する。この時、可動接点板19と反転ハンドル29との間でコイルスプリング33が押し撓められ、コイルスプリング33のばね力によって反転ハンドル29の突起30が軸受け台25の溝26に押しつけられ、反転ハンドル29が一方向に傾斜した状態を保持する。そして、反転ハンドル29の爪31,32と操作ハンドル34の弾性係止片とを係止させて、反転ハンドル29の前面側に操作ハンドル34を取り付けることにより、スイッチ10の組立が完了する。
【0046】
次にこのスイッチ10の動作について以下に簡単に説明する。操作ハンドル34及び反転ハンドル29が図7中右下がりに傾斜している状態では、コイルスプリング33の中間部が図中左側に突出するように湾曲しているため、コイルスプリング33のばね力によって可動接点19bが固定接点に接触する。この状態から操作ハンドル34の図中左側を押圧すると、操作ハンドル34を押圧する力によって反転ハンドル29が反転動作し、図中左下がりに傾斜した状態となる。この時、コイルスプリング33は、反転ハンドル29の反転動作に応じて、その中間部が図中右側に突出するように湾曲するため、コイルスプリング33のばね力によって可動接点板19が凹溝22を支点として図中右回りに回動し、可動接点19bが固定接点と開離する。
【0047】
一方、操作ハンドル34及び反転ハンドル29が図中左下がりに傾斜し、可動接点19bが固定接点と開離している状態で、操作ハンドル34の図中右側を押圧すると、操作ハンドル34を押圧する力によって反転ハンドル29が反転動作し、図中右下がりに傾斜した状態となる。この時、コイルスプリング33は、反転ハンドル29の反転動作に応じて、その中間部が図中左側に突出するように湾曲するため、コイルスプリング33のばね力によって可動接点板19が凹溝22を支点として図中左回りに回動し、可動接点19bが固定接点と接触する。
【0048】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図9に基づいて説明する。尚、押圧ばね4以外の構成は実施形態2と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
【0049】
実施形態2では、押圧ばね4の両ばね部4a,4bの内、電線鎖錠部を構成するばね部4aと、電線押圧部を構成するばね部4bの幅寸法を略同じ幅寸法に形成しているが、本実施形態では、図9に示すように、電線鎖錠部を構成するばね部4aの幅寸法に比べて、電線押圧部を構成するばね部4bの幅寸法を幅狭に形成している。
【0050】
このように、電線押圧部を構成するばね部4bは、電線鎖錠部を構成するばね部4aよりも幅狭に形成されているので、電線押圧部のばね定数を電線鎖錠部のばね定数に比べて小さくでき、ばねの撓みが大きい領域で電線挿入力が過大になるのを防止できる。
【0051】
尚、本実施形態では、電線鎖錠部を構成するばね部4aの幅寸法と、電線押圧部を構成するばね部4bの幅寸法とを異ならせているが、ばね部4aとばね部4bの幅寸法を同じ寸法として、ばね部4bにスリットを形成しても良く、スリットを形成することで電線押圧部のばね定数を小さくして、ばねの撓みが大きい領域で電線挿入力が過大になるのを防止できる。
【0052】
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図10及び図11に基づいて説明する。尚、端子板2以外の構成は実施形態2と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、端子板2のばね保持部3を、端子板2の先端縁から下方に垂下され、電線鎖錠部を構成するばね部4aの側片4d先端部及び電線押圧部を構成するばね部4bの曲がり部4gに対向する側片3aと、端子板2の先端部の側縁から下方に垂下されて押圧ばね4の側面を覆う側片3eと、側片3eの一側縁から連続一体に延設され、ばね部4aの曲がり部4g及びばね部4bの側片4d先端部に対向する側片3bとで構成しており、電線の挿入方向から見て逆コ字形になっている。
【0054】
実施形態2で説明したように、電線挿入時に電線の芯線によって押圧ばね4のばね部4bが側片3b側に押圧されると、ばね部4aの曲がり部4gとばね部4bの先端に設けた曲がり部4hが電線挿入方向と反対方向へ移動することにより、押圧ばね4の全体が回転するのであるが、曲がり部4hは端子板2の側片3bと接触しているため、側片3bとの摩擦力などが抵抗となって、押圧ばね4が回転しにくいという問題がある。
【0055】
そこで、本実施形態では、ばね部4bの側片4d先端が対向する端子板2の側片3bに、押圧ばね4の曲がり部4dが当接する部位よりも上側の部位に、他方の側片3aに向かって突出する支点部3dを切り起こしにより形成してある。したがって、電線接続時には、電線挿通孔15から挿入された電線の芯線によって、先ずばね部4aが撓められ(図11(a)参照)、その後、芯線の先端がばね部4bの曲がり部4gと当接することで、ばね部4bが撓められる(図11(b)参照)。この時、ばね部4bの側片4dは端子板2に設けた支点部3dと当接し、支点部3dとの当接部位を支点として押圧ばね4の全体が回転するので、側片3bとの摩擦力による抵抗が小さくなり、押圧ばね4が回転しやすくなる。したがって、ばね部4a,4bに発生するばね荷重が過大になる前に(すなわち電線を挿入するのに必要な力が過大になる前に)、押圧ばね4が回転して、そのばね定数を小さくでき、電線を挿入するのに必要な力が過大になる前に電線の接続作業を行うことができる。
【0056】
尚、本実施形態では、端子板2の側片3bに、押圧ばね4の回転を補助する支点部3dを形成しているが、図12及び図13(a)〜(c)に示すように、先端がばね部4bの側片4dに当接する支点部13cをカバー13と一体に形成しても良く、上述と同様、電線挿入時にカバー13に設けた支点部13cにばね部4bの側片4dが当接し、支点部13cとの当接部位を支点として押圧ばね4の全体が回転するので、側片3bとの摩擦力による抵抗が小さくなり、押圧ばね4が回転しやすくなる。したがって、ばね部4a,4bに発生するばね荷重が過大になる前に(すなわち電線を挿入するのに必要な力が過大になる前に)、押圧ばね4が回転して、そのばね定数を小さくでき、電線を挿入するのに必要な力が過大になる前に電線の接続作業を行うことができる。
【0057】
また、電線接続端子1を器体11に組み込む際には、先ず図13(a)に示すように、ばね保持部3を端子収納室14内に納めるようにして端子板2をボディ12に組み込むとともに、解除釦5を端子収納室14の底部に納め、図13(b)に示すように、ばね部4aの曲がり部4gを下側、ばね部4bの曲がり部4gを上側にして押圧ばね4を端子収納室14内に組み込んだ後、図13(c)に示すようにボディ12とカバー13とを結合するのであるが、押圧ばね4を組み込む際にカバー13に設けた支点部13cがばね部4bの側片4dと当接することによって、押圧ばね4が所定の組込位置に位置決めされるので、組立作業の作業性が向上する。
【0058】
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図14〜図17に基づいて説明する。本実施形態では、実施形態4で説明した図12に示す電線接続端子1において、電線の接続完了時に操作感触あるいは音で接続完了を知らしめる反転ばね7を設けている。尚、反転ばね7以外の構成は実施形態4と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0059】
反転ばね7は、弾性を有する細長の帯板から形成され、図16(a)(b)に示すように、長手方向に沿ってスリット7b,7bを形成し、両側の連結片7c,7cをく字形に折曲することによって、厚み方向に反転する反転部7aを幅方向における略中央に設けている。また、反転ばね7の長手方向における一端側の幅方向中央部からは、他の部位よりも細幅の突片7dが連続一体に延設されている。このように、反転ばね7の連結片7c,7cはその中間部が厚み方向の一側に突出するように屈曲しているので、反転前の状態では、反転部7aは、図17(a)に示すように、その中間部が連結片7cと反対方向に突出するように湾曲して、その状態を保持する。そして、この状態から反転部7aが図中左側に押圧されると、図17(b)に示すように、反転部7aの中間部が連結片7cと同じ方向に突出するように湾曲して、その状態を保持する。
【0060】
一方、図15(b)に示すように、押圧ばね4のばね部4bの曲がり部4h先端には反転ばね7の反転部7aを押圧する押圧片4eが突設され、ばね部4bの曲がり部4gには、反転ばね7の突片7dを挿通するための挿通孔4fが貫設されている。而して、この押圧ばね4を器体11内に組み込む際には、図14及び図15(a)(b)に示すように、ばね部4bの両側片4c,4d間に反転ばね7を挿入し、反転ばね7の突片7dを曲がり部4gに設けた挿通孔4fを通して反対側に突出させており、反転ばね7の反転部7aにばね部4bの押圧片4eが対向して配置される。
【0061】
ここで、反転ばね7の動作について説明する。電線接続端子1に電線が接続されていない状態では、図14に示すように、反転部7aが連結片7cと反対側に突出している。一方、電線接続端子1に電線を接続すると、実施形態1で説明したように押圧ばね4の全体が回転し、押圧ばね4の押圧片4eが図14中右側へ移動するので、押圧片4eによって反転部7aが押圧される。反転部7aは押圧片4eによって押圧されると、連結片7cの両端部を結ぶ線を越えて反対側に反転し、反転した状態を維持する。ここで、反転部7aが反転する際に音が発生するとともに、反転する際の衝撃が電線に伝わるので、反転時に発生する音や操作感触で、作業者に電線が最後まで挿入されたことを知らしめることができる。一方、電線接続端子1から電線を外すと、押圧ばね4の押圧片4eが元の位置に戻って、反転ばね7の反転部7aを押圧する力が無くなるので、反転ばね7が電線挿入前の状態に反転する。
【0062】
尚、本実施形態では電線接続時に芯線の先端が反転ばね7に接触しておらず、押圧ばね4に設けた押圧片4eで反転ばね7の反転部7aを押圧することで、反転部7aを反転させているが、押圧ばね4に設けた挿通孔4fの位置を変更することによって、図18(a)(b)に示すように、電線接続時に芯線61の先端を反転ばね7の突片7dと当接させるようにしても良い。この場合、電線が接続されていない状態では、図18(a)に示すように、反転部7aの中間部が連結片7cと同じ方向に突出するように湾曲している。そして、図18(b)に示すように、電線60の芯線61を最後まで挿入すると、芯線61の先端によって突片7dが左側に押圧され、反転部7aは反対側へ撓もうとするので、反転部7aの中間部が連結片7cの両端部を結ぶ線を越えて反対側に湾曲し、反転部7aが反転した状態を保持する。ここで、反転部7aの反転時に音が発生するとともに、反転する際の衝撃が電線に伝わるので、上述と同様、反転時に発生する音や操作感触で、作業者に電線が最後まで挿入されたことを知らしめることができる。一方、電線接続端子1から電線を外すと、反転ばね7の突片7dを押圧する力が無くなるので、反転ばね7が電線挿入前の状態に反転する。
【0063】
ところで、上述した各実施形態の電線接続端子1では、押圧ばね4をステンレスのような高強度のばね材で形成しているが、線径の太い電線が接続された場合に押圧ばね4の全体を回転させることによって、押圧ばね4に加わるばね荷重を低減しているので、押圧ばね4の材料として、ステンレスの代わりに、ステンレスに比べて強度は低下するものの導電率の高いばね材(例えば銅合金など)を使用しても良い。ここで、電線接続時に電線と端子板2の側片3aとの間に異物が入り込んで、電線と端子板2との導通が得られなくなった場合、押圧ばね4を介して電線と端子板2との間が電気的に接続されるのであるが、押圧ばね4の材料としてステンレスよりも高導電率のばね材を用いているので、電線と端子板2との間の接触抵抗を小さくして、端子部の異常発熱を防止することができ、電気的接続の信頼性が向上する。
【0064】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、導電材料により形成された端子板と、弾性材料により形成され、端子板に電線を押圧することによって電線と端子板との間を電気的に接続する押圧ばねとが、器体に設けた端子収納室内に収納される電線接続端子において、押圧ばねは、断面円弧状の曲がり部の両端から側片がそれぞれ延出された略U字状の一対のばね部を有し、両ばね部の一側片の先端が互いに連結されて略S字状に形成されており、一方のばね部の他側片先端部で、先端部が電線に食い込むことによって電線と鎖錠する電線鎖錠部を構成するとともに、他方のばね部の曲がり部で、電線を端子板に押圧する電線押圧部を構成して成り、電線を端子板と押圧ばねとの間に挿入した際に、押圧ばねから電線に加えられる荷重が所定値よりも小さい場合は一方のばね部の他側片先端部と他方のばね部の曲がり部とで電線と接触し、前記荷重が所定値を越えると押圧ばねのばね定数が小さくなるように、押圧ばね全体を回転させることで一方のばね部の曲がり部と他方のばね部の先端部とをそれぞれ移動させて、一方のばね部の他側片先端部のみで電線と接触させることを特徴とし、電線押圧部及び電線鎖錠部から電線に加えられる荷重が所定値を越える領域では、電線押圧部及び電線鎖錠部の可撓する部位の基端部をそれぞれ移動させることで押圧ばねのばね定数が小さくしているので、撓み量の増加に応じてばね荷重が増加する割合を小さくでき、押圧ばねの応力限界値が同じであれば、電線接続端子に接続可能な電線径の範囲を広げることができるという効果がある。
【0066】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、押圧ばねの形状を、両ばね部の連結点に対して対称な形状としたことを特徴とし、組込方向の制約がないので、組立ミスを防止できるという効果がある。
【0067】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成したことを特徴とし、他方のばね部の他側片先端部が引っ掛かって、組込作業がやりにくくなるのを防止でき、且つ、電線挿入時に他方のばね部の他側片先端部が摺動するから、電線押圧部の基端部を移動させやすくできるという効果がある。
【0068】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、一方のばね部のばね定数と、他方のばね部のばね定数とを異ならせたことを特徴とし、各ばね部のばね定数を異ならせることで、押圧ばねに発生するばね荷重を所望の荷重に設定でき、電線挿入時に必要な力が過大になるのを防止できるという効果がある。
【0069】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、端子板又は器体の内の少なくとも何れか一方に、電線挿入時に押圧ばねと当接し、当接部位を支点として押圧ばねを回転させる支点部を設けて成ることを特徴とし、支点部を支点として押圧ばねを回転させることで、押圧ばねを回転させやすくでき、電線挿入時に必要な力が過大になるのを防止できるという効果がある。
【0070】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1つの発明において、弾性材料から細長の板状に形成され、長手方向の中間部が厚み方向における一方向に突出するように湾曲する反転部を具備した反転ばねを設け、電線の接続作業が完了した際に反転部を反対方向に湾曲させて成ることを特徴とし、電線接続作業の完了時に反転部を反対方向に湾曲させることによって、反転音や衝撃を発生させることができ、反転時に発生する音や衝撃で電線の接続作業が完了したことを作業者に知らしめることができる。
【0071】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、他方のばね部の曲がり部に、反転ばねの一部を挿通させる挿通孔を設けるとともに、他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成し、電線の接続作業が完了した際に他方のばね部の他側片先端部と当接するように反転ばねの反転部を配置したことを特徴とし、電線挿入時に押圧ばねが回転すると、他方のばね部の他側片先端が移動して、反転ばねの反転部と当接するので、反転部を反転させて音や衝撃を発生させることができるという効果がある。
【0072】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、押圧ばねは少なくとも一部が端子板と接触しており、押圧ばねの材料を導電性の良好な弾性材料としたことを特徴とし、電線挿入時に電線と端子板との間に異物が入り込んで、電線と端子板との導通が得られなくなった場合、押圧ばねを介して電線と端子板との間が電気的に接続されるのであるが、押圧ばねの材料として導電性の良好な弾性材料を用いているので、電線と端子板との間の接触抵抗を小さくして、端子部の異常発熱を防止することができ、電気的接続の信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の電線接続端子を器体に納めた状態の断面図である。
【図2】(a)(b)は同上に用いる押圧ばねに加わる荷重の説明図である。
【図3】同上に用いる押圧ばねの撓み量とばね荷重との関係を説明する説明図である。
【図4】同上の電線接続端子を、押圧ばねの向きを逆向きにして器体に納めた状態の断面図である。
【図5】実施形態2の電線接続端子を器体に納めた状態の断面図である。
【図6】同上に用いる押圧ばねの外観斜視図である。
【図7】同上を組み込んだスイッチの断面図である。
【図8】同上を組み込んだスイッチの分解斜視図である。
【図9】実施形態3の電線接続端子に用いる押圧ばねの外観斜視図である。
【図10】実施形態4の電線接続端子を器体に納めた状態の断面図である。
【図11】(a)〜(c)は電線挿入時の電線接続端子の動作を説明する断面図である。
【図12】同上の別の電線接続端子を器体に納めた状態の断面図である。
【図13】(a)〜(c)は同上の電線接続端子の組立工程を説明する断面図である。
【図14】実施形態5の電線接続端子を器体に納めた状態の断面図である。
【図15】同上に用いる反転ばねと押圧ばねとを示し、(a)は反転ばねを押圧ばねに組み込んだ状態の外観斜視図、(b)は組込前の状態の一部省略せる分解斜視図である。
【図16】同上に用いる反転ばねを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図17】同上に用いる反転ばねを示し、(a)は反転前の状態の側面図、(b)は反転した状態の側面図である。
【図18】同上の別の電線接続端子を器体に納めた状態を示し、(a)は反転ばねが反転する前の状態の断面図、(b)は反転ばねが反転した状態の断面図である。
【図19】従来の電線接続端子を組み込んだスイッチの断面図である。
【図20】同上の電線接続端子に用いる鎖錠ばねの側面図である。
【図21】同上の鎖錠ばねの撓み量とばね荷重の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 電線接続端子
2 端子板
3a 側片
4a,4b ばね部
11 器体
14 端子収納室
Claims (8)
- 導電材料により形成された端子板と、弾性材料により形成され、端子板に電線を押圧することによって電線と端子板との間を電気的に接続する押圧ばねとが、器体に設けた端子収納室内に収納される電線接続端子において、前記押圧ばねは、断面円弧状の曲がり部の両端から側片がそれぞれ延出された略U字状の一対のばね部を有し、両ばね部の一側片の先端が互いに連結されて略S字状に形成されており、一方のばね部の他側片先端部で、先端部が電線に食い込むことによって電線と鎖錠する電線鎖錠部を構成するとともに、他方のばね部の曲がり部で、電線を端子板に押圧する電線押圧部を構成して成り、電線を端子板と押圧ばねとの間に挿入した際に、押圧ばねから電線に加えられる荷重が所定値よりも小さい場合は一方のばね部の他側片先端部と他方のばね部の曲がり部とで電線と接触し、前記荷重が所定値を越えると押圧ばねのばね定数が小さくなるように、押圧ばね全体を回転させることで一方のばね部の曲がり部と他方のばね部の先端部とをそれぞれ移動させて、一方のばね部の他側片先端部のみで電線と接触させることを特徴とする電線接続端子。
- 前記押圧ばねの形状を、両ばね部の連結点に対して対称な形状としたことを特徴とする請求項1記載の電線接続端子。
- 前記他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電線接続端子。
- 前記一方のばね部のばね定数と、前記他方のばね部のばね定数とを異ならせたことを特徴とする請求項1記載の電線接続端子。
- 前記端子板又は前記器体の内の少なくとも何れか一方に、電線挿入時に押圧ばねと当接し、当接部位を支点として押圧ばねを回転させる支点部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の電線接続端子。
- 弾性材料から細長の板状に形成され、長手方向の中間部が厚み方向における一方向に突出するように湾曲する反転部を具備した反転ばねを設け、電線の接続作業が完了した際に反転部を反対方向に湾曲させて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の電線接続端子。
- 前記他方のばね部の曲がり部に、前記反転ばねの一部を挿通させる挿通孔を設けるとともに、前記他方のばね部の他側片先端部の断面形状を円弧状に形成し、電線の接続作業が完了した際に前記他方のばね部の他側片先端部と当接するように前記反転ばねの反転部を配置したことを特徴とする請求項6記載の電線接続端子。
- 前記押圧ばねは少なくとも一部が端子板と接触しており、前記押圧ばねの材料を導電性の良好な弾性材料としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の電線接続端子。
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