JP3975527B2 - 表示パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と称す。)を用いたガス放電型表示パネルに係り、特に、PDPに電磁波シールド材を一体化させることにより表示パネル自体に電磁波シールド性等の機能を付与し、表示パネルの軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコストの低減を可能とした表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
放電現像を利用したPDP(plasma display panel)は、液晶ディスプレイ(LCD)やブラウン管(CRT)に比べて、次のような利点を有することから、近年、テレビやパソコン、ワープロ等のOA機器、交通機器、看板、その他の表示板等の表示パネルとして研究開発及び実用化が進められている。
▲1▼ 放電光利用であり自発光である。
▲2▼ 0.1〜0.3mmの放電ギャップであるのでパネル型にできる。
▲3▼ 螢光体を利用してカラー発光できる。
▲4▼ 大画面パネルが作り易い。
【0003】
PDPの基本的な表示機構は、2枚のガラス板間に隔成した多数の放電セル内の螢光体を選択的に放電発光させることで文字や図形を表示するものであり、例えば、図2に示すような構成とされている。図2において21は前面板(フロントガラス)、22は背面板(リヤガラス)、23は隔壁、24は表示セル(放電セル)、25は補助セル、26は陰極、27は表示陽極、28は補助陽極であり、各表示セル24の内壁には、赤色螢光体、緑色螢光体又は青色螢光体(図示せず。)が膜状に設けられ、これらの螢光体が電極間に印加された電圧による放電で発光する。
【0004】
PDPの前面からは、電圧印加、放電、発光により、周波数:数kHz〜数GHz程度の電磁波が発生するため、これを遮蔽する必要がある。また、表示コントラスト向上のためには、前面における外部光の反射を防止する必要がある。
【0005】
このため、従来においては、PDPからの電磁波等を遮蔽するために、電磁波シールド性等の機能を有する透明板をPDPの前面に配置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
PDPと別体の透明板をPDPの前面に設けたものでは、次のような欠点がある。
▲1▼ 2つの板材を配置するため構造が複雑となる。
▲2▼ PDPにも電磁波シールド性の透明板にも、ガラス等の透明基板を必要とするため、PDPと電磁波シールド性の透明板とを設けることで厚肉となり、また、重量が重くなる。
▲3▼ 部品点数、生産工程数が増え、コストアップを招く。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決し、PDPに電磁波シールド材を一体化させることにより表示パネル自体に電磁波シールド性等の機能を付与し、表示パネルの軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコストの低減を可能とした表示パネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示パネルは、プラズマディスプレイパネル本体と、該プラズマディスプレイパネル本体の前面に透明接着剤により接着された電磁波シールド材とを備えてなり、該電磁波シールド材が開口率50〜90%の導電性メッシュであり、該透明接着剤は、加熱架橋のための架橋剤を含む透明弾性接着剤であり、該電磁波シールド材の前面に、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート又はポリカーボネートよりなる透明基板が透明弾性接着剤によって接着されており、該透明基板の前面に反射防止膜が形成されており、該導電性メッシュの大きさは該透明基板よりも大面積であり、該導電性メッシュの縁部が該透明基板からはみ出してなる回り込み幅が3〜20mmであることを特徴とする。
【0009】
本発明の表示パネルは、PDPと電磁波シールド材とが透明接着剤で一体化されているため、表示パネルの軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコストの低減を図ることができる。
【0010】
本発明においては、この電磁波シールド材の前面に透明接着剤により透明基板を接着するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の表示パネルの実施の形態を示す模式的な断面図である。
【0013】
この表示パネル1は、透明基板2とPDP本体20(このPDP本体としては図2に示す構成、その他の一般的なPDP本体を適用できる。)の間に、接着剤となる接着用中間膜4A,4B,4Cを用いて、導電性メッシュ3と熱線カットフィルム5を積層させて接着一体化し、透明基板2の周縁部からはみ出した導電性メッシュ3の周縁部を透明基板2の周縁に沿って折り込むと共に、導電性粘着テープ7で透明基板2に貼り付けたものである。
【0014】
本実施の形態において、導電性粘着テープ7は、透明基板2,導電性メッシュ3,熱線カットフィルム5及びPDP本体20の積層体の全周において、端面の全体に付着すると共に、この積層体の表裏の角縁を回り込み、透明基板2の板面の端縁部とPDP本体20の背面板の板面の端縁部の双方にも付着している。
【0015】
導電性粘着テープ7は、例えば、金属箔7Aの一方の面に導電性の粘着層7Bを形成してなるものである。導電性粘着テープ7の金属箔7Aとしては、厚さ1〜100μm程度の銅、銀、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の箔を用いることができる。
【0016】
また、導電性の粘着層7Bは、導電性粒子を分散させた接着剤をこのような金属箔7Aの一方の面に塗工して形成される。
【0017】
この接着剤としては、エポキシ系又はフェノール系樹脂に硬化剤を配合したもの、或いは、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤などを用いることができる。
【0018】
接着剤に分散させる導電性粒子としては、電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、酸化錫、インジウム錫酸化物、酸化亜鉛等の金属酸化物粉体、このような金属又は金属酸化物で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレット状、球状、星状、こんぺい糖状(多数の突起を有する粒状)等の任意の形状をとることができる。
【0019】
この導電性粒子の配合量は、接着剤に対し0.1〜15容量%であることが好ましく、また、その平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。
【0020】
粘着層7Bの厚さは、通常の場合、5〜100μm程度である。
【0021】
透明基板2の構成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)又はポリカーボネート(PC)が挙げられる。
【0022】
透明基板2の厚さは得られる表示パネルの用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、0.1〜10mmの範囲とされる。
【0023】
この透明基板2の表面に反射防止膜6が形成されている。この透明基板2の表面側に形成される反射防止膜6としては、高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との積層膜、例えば、次のような積層構造の積層膜が挙げられる。
【0024】
(a) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層ずつ合計2層に積層したもの
(b) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を2層ずつ交互に合計4層積層したもの
(c) 中屈折率透明膜/高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの
(d) 高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で各層を交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの
高屈折率透明膜としては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZnO、AlをドープしたZnO、TiO2 、SnO2 、ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜、好ましくは透明導電性の薄膜を形成することができる。また、低屈折率透明膜としてはSiO2 、MgF2 、Al2 O3 等の屈折率が1.6以下の低屈折率材料よりなる薄膜を形成することができる。これらの膜厚は光の干渉で可視光領域での反射率を下げるため、膜構成、膜種、中心波長により異なってくるが4層構造の場合、透明基板側の第1層(高屈折率透明膜)が5〜50nm、第2層(低屈折率透明膜)が5〜50nm、第3層(高屈折率透明膜)が50〜100nm、第4層(低屈折率透明膜)が50〜150nm程度の膜厚で形成される。
【0025】
また、このような反射防止膜6の上に更に汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を高めるようにしても良い。この場合、汚染防止膜としては、フッ素系薄膜、シリコン系薄膜等よりなる膜厚1〜1000nm程度の薄膜が好ましい。
【0026】
表面側となる透明基板2には、更に、シリコン系材料等によるハードコート処理、或いはハードコート層内に光散乱材料を練り込んだアンチグレア加工等を施しても良い。
【0027】
導電性メッシュ3としては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率50〜90%のものが好ましい。この導電性メッシュにおいて、線径が1mmを超えると開口率が下がるか、電磁波シールド性が下がり、両立させることができない。1μm未満ではメッシュとしての強度が下がり、取り扱いが非常に難しくなる。また、開口率は90%を超えるとメッシュとして形状を維持することが難しく、50%未満では光透過性が低く、ディスプレイからの光線量が低減されてしまう。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は60〜90%である。
【0028】
導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
【0029】
導電性メッシュを構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、亜鉛、鉛、鉄、銀、クロム、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
【0030】
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
【0031】
本発明においては、特に、導電性メッシュの縁部を折り返すことから、靭性の高い金属被覆有機繊維よりなる導電性メッシュを用いるのが好ましい。
【0032】
熱線カットフィルム5としては、ベースフィルム上に酸化亜鉛や銀薄膜等の熱線カットコートを施したものを用いることができ、このベースフィルムとしては、好ましくは、PET、PC、PMMA等よりなるフィルムを用いることができる。このフィルムは、得られる表示パネルの厚さを過度に厚くすることなく、取り扱い性、耐久性を確保する上で10μm〜20mm程度とするのが好ましい。またこのベースフィルム上に形成される熱線カットコートの膜厚は、通常の場合、500〜5000Å程度である。
【0033】
本発明において、透明基板2,導電性メッシュ3,熱線カットフィルム5及びPDP本体20を接着する接着樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体が挙げられる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。
【0034】
本発明においては、この接着樹脂として透明で弾性のあるものを用いる。このような透明弾性接着剤樹脂としては、通常、合せガラス用接着剤として用いられているものが挙げられ、特に、性能面で最もバランスがとれ、使い易いのはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。また、耐衝撃性、耐貫通性、接着性、透明性等の点から自動車用合せガラスで用いられているPVB樹脂も好適である。
【0035】
EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと耐候性及び透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生ずる。
【0036】
加熱架橋のための架橋剤としては、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは0.5〜5.0重量部の割合で使用される。
【0037】
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
【0038】
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。この目的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
【0039】
より具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜5重量部用いられる。
【0040】
EVAを光により架橋する場合、上記過酸化物の代りに光増感剤が通常EVA100重量部に対して5重量部以下、好ましくは0.1〜3.0重量部使用される。
【0041】
この場合、使用可能な光増感剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
また、この場合、接着促進剤としてシランカップリング剤が併用される。このシランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0043】
これらのシランカップリング剤は通常EVA100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部の割合で1種又は2種以上が混合使用される。
【0044】
一方、PVB樹脂は、ポリビニルアセタール単位が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重量%で、平均重合度が200〜3000、好ましくは300〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
【0045】
PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐酸系可塑剤が挙げられる。
【0046】
一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコールとの反応によって得られるエステルが好ましく、より好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、トリエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等である。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコールとのエステルも使用可能である。
【0047】
多塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエステルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート等が挙げられる。
【0048】
燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0049】
PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が少ないと製膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部とする。
【0050】
本発明に係る接着用中間膜の樹脂組成物は、更に劣化防止のために、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助材、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
【0051】
また、接着性改良の手段として、シート化された接着用中間膜面へのコロナ放電処理、低温プラズマ処理、電子線照射、紫外光照射などの手段も有効である。
【0052】
本発明に係る接着用中間膜は、例えば、EVA又はPVBと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。成膜に際してはブロッキング防止、透明基板又はPDP本体の前面板との圧着時の脱気を容易にするためエンボスが付与される。
【0053】
このような本発明の表示パネルは、例えば、上記の如くシート成形された接着用の中間膜4A,4B,4Cを用い、この接着用中間膜4A,4B,4Cの間に各々導電性メッシュ3,熱線カットフィルム5を挟んだものを透明基板2とPDP本体20との間に介在させ、減圧、加温下に脱気して予備圧着した後、加熱又は光照射により接着層を硬化させて一体化することにより容易に製造することができる。
【0054】
なお、接着用中間膜4A,4B,4Cは、接着層の厚さが過度に厚くなることがないように1μm〜1mm厚さに成形される。
【0055】
また、導電性メッシュ3としては、その周縁部が透明基板2の周縁部からはみ出るように、透明基板2よりも大面積のものを用いるが、この導電性メッシュ3の大きさは、導電性メッシュの縁部が透明基板2の表面側に回り込み、透明基板2の表面側縁部の回り込み幅が3〜20mm程度となるような大きさであることが好ましい。
【0056】
透明基板2,導電性メッシュ3,熱線カットフィルム5及びPDP本体20を一体化した後は、導電性メッシュ3の周縁のはみ出し部分を折り返し、導電性粘着テープ7を積層体の周囲に周回させて該折り返し部分を留め付け、用いた導電性粘着テープ7の硬化方法等に従って加熱圧着するなどして接着固定する。
【0057】
このようにして導電性粘着テープ7を取り付けた表示パネル1は、筐体に単にはめ込むのみで極めて簡便かつ容易に筐体に組み込むことができ、同時に、導電性粘着テープ7を介して導電性メッシュ3と筐体との良好な導通をその外周方向に均一にとることができる。このため、良好な電磁波シールド効果が得られる。
【0058】
なお、図1に示す表示パネルは本発明の表示パネルの一例であって、本発明は図示のものに限定されるものではない。例えば、導電性メッシュ3はその全周縁部において透明基板2からはみ出させて折り返すようにする他、対向する2側縁部においてのみ透明基板2からはみ出させて折り返すようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の表示パネルによれば、PDPに電磁波シールド材を一体化させることにより表示パネル自体に電磁波シールド性等の機能を付与し、表示パネルの軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコストの低減を図ることができる。また、リモコンの誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示パネルの実施の形態を示す模式的な断面図である。
【図2】一般的なPDPの構成を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 表示パネル
2 透明基板
3 導電性メッシュ
4A,4B,4C 中間膜
5 熱線カットフィルム
6 反射防止膜
7 導電性粘着テープ
7A 金属箔
7B 粘着層
20 PDP本体
21 前面板
22 背面板
23 隔壁
24 表示セル
25 補助セル
26 陰極
27 表示陽極
28 補助陽極
Claims (1)
- プラズマディスプレイパネル本体と、該プラズマディスプレイパネル本体の前面に透明接着剤により接着された電磁波シールド材とを備えてなり、該電磁波シールド材が開口率50〜90%の導電性メッシュであり、該透明接着剤は、加熱架橋のための架橋剤を含む透明弾性接着剤であり、
該電磁波シールド材の前面に、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート又はポリカーボネートよりなる透明基板が透明弾性接着剤によって接着されており、
該透明基板の前面に反射防止膜が形成されており、
該導電性メッシュの大きさは該透明基板よりも大面積であり、該導電性メッシュの縁部が該透明基板からはみ出してなる回り込み幅が3〜20mmであることを特徴とする表示パネル。
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