JP3975522B2 - 感材固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば露光装置に設けられる感材固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板などの製作では一般的にフォトリソグラフという手法が用いられ、そのプロセスでは、感材であるフォトレジスト層を備えたガラス基板上に予め回路パターンを描画(露光)する露光処理、回路パターンのみを定着させる現像処理、回路パターン以外の部分を除去するエッチング処理が行われる。回路パターンの露光装置としては、レーザビームを用いたレーザ描画装置が挙げられる。このレーザ描画装置では所定の回路パターンを感材上に精密に描画するために、描画動作前に露光装置の描画テーブルに対する感材の相対位置を決定する位置決めが行われる。この位置決めは感材が不透明であるため、感材の例えば4隅に位置決め用の穴を穿設し、描画テーブル側に照明装置を設けて、透過した照明光によって位置決め穴を小型カメラによって計測することにより行われる。
【0003】
一方、レーザ描画装置は描画テーブルと感材との密着を強固にするために、描画テーブルと感材とを真空吸着させる構成を備えている。この真空吸着機構は、描画テーブル表面が凹凸がなく平滑になるように構成され、例えば描画テーブル表面に形成された多数個の微少開口(吸引口)と、これら多数の吸引口を吸引する吸引ポンプとを備える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように多数個の吸引口が描画テーブル表面全体にわたって設けられるため、位置決め用穴を照らす照明はこの吸着機構に干渉しないように描画テーブルの外縁側に設けられる。しかし感材の大きさは様々であり、このように照明の位置が制限されると、例えば描画テーブルより小さい基板を載置した場合、4隅のいずれかの位置決め穴を照明できなくなる。
【0005】
本発明は、この様な点に鑑みてなされたものであり、様々な大きさの感材に対応した位置決めが確実に行える感材固定装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による感材固定装置は、本体と、この本体に固定され感材を載置するための載置面に、開口する複数個の吸引孔が形成された第1の板部材と、複数個の吸引口から本体内部側へ空気を吸引する吸引手段と、第1の板部材における載置面と反対側の面に密着する第2の板部材と、第1の板部材と第2の板部材を密着させることにより、複数個の吸引孔と吸引手段とを連通する連通手段と、本体内部に設けられ、第1および第2の板部材とともに感材を照射する照明手段とを備え、第1および第2の板部材が、照明手段からの照明光を透過する材料により形成されることを特徴としている。
【0007】
感材固定装置において、好ましくは、連通手段が第2の板部材に形成され、複数個の吸引孔と吸引手段とを連通する吸引溝を備える。
【0008】
感材固定装置において、好ましくは第1および第2の板部材の材料が白濁した樹脂を含む。また好ましくは、照明手段がLEDを備える。
【0009】
感材固定装置において、好ましくは、複数の吸引孔が本体の長手方向および幅方向に各々複数ならべて配置される。さらに好ましくは、吸引溝によって、長手方向あるいは幅方向のどちらか一方の方向に並べられる吸引孔同士が互いに連通されて、同一の吸引手段に連通される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による感材固定装置の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1には実施形態である感材固定装置を備えたレーザ描画装置の概略構成が示される。このレーザー描画装置はプリント基板等を製造するための基板上のフォトレジスト層に回路パターンを直接描画し得るように構成される。
【0012】
レーザー描画装置は床面上に据え付けられた基台10を備え、この基台10の上面には一対のレール12が平行に設置される。一対のレール12上にはXテーブル14が搭載され、このXテーブル14は図示しない適当な駆動モータによりレール12に沿って副走査方向(X軸)に移動し得る。Xテーブル14上にはθテーブル16を介して感材固定装置である描画テーブル100が設置される。Xテーブル14とθテーブル16との間には微調整駆動器20が対向する側辺のそれぞれに2つ設けられ、描画テーブル100の水平面内での回転位置が微調整される。図1では図示の複雑化を避けるために一方の側辺に設けられた2つの微調整駆動器20のみを示す。描画テーブル100は、Xテーブル14の副走査方向の移動に伴いθテーブル16と共に副走査方向に移動させられる。
【0013】
描画テーブル100上にはフォトレジスト層を有するガラス基板、即ち感材が例えばベルトコンベア等で搬送されて載置され、描画テーブル100上に適当なクランプ手段により固定される。図1にはそのクランプ手段の一部であるクランプ部材22を示す。描画テーブル100の上方には小型のCCDカメラ32が2個所においてレーザ描画装置に固定されており、これらCCDカメラ32は感材が描画テーブル100上に載置された際に、この描画テーブル100に対する相対位置を正確に検出するために用いられる。即ち、Xテーブル14を適時副走査方向に移動するなどして、それぞれの位置決め穴について描画テーブルの移動量を求めて感材の4隅に設けられた位置決め穴が撮影されると、そのときのXテーブルの移動量と映像信号とに基づいて位置決め穴の座標データが求められる。CCDカメラ32自体はレーザ描画装置の所定位置に支持固定されているので、感材の位置決め穴の座標データを求めることにより描画テーブル100に対する感材の相対位置を特定することができる。
【0014】
基台10にはレーザ光源、例えばアルゴンレーザ発振器24が設置されレーザビームLBが出射される。また描画テーブル100の上方側には走査光学系を含む種々の光学要素30が設置され、これらの光学要素30によってレーザビームLBが回路パターンに基づいて変調され、レーザビームLB’として描画テーブル100上の感材に導かれる。感材はレーザビームLB’によって主走査方向(Y方向)に1ライン分走査されるとともに、副走査方向に順次1ライン毎に移動させられることにより、感材のフォトレジスト層表面には所定の回路パターンが描画される。
【0015】
図2は描画テーブル100の吸着機構を模式的に示す平面図である。図3は図2のIII−III線における描画テーブル100の断面図、図4は吸着孔近傍を示す部分拡大斜視図である。
図3に示すように描画テーブル100は一面が開口した箱型の本体102を備える。この本体102の内部には照明源であるLED104が載置される。LED104は本体102底面のほぼ全体に渡って設けられる。一方、本体102の開口部には、透明な樹脂または白濁した樹脂からなる第1の板部材110と、第2の板部材120とが設けられ、この2つの板部材110、120はボルト108によって本体102に固定される。第1の板部材110に感材Pが載置される。
【0016】
図2に示すように、第1の板部材110にはX方向(副走査方向)に9個ずつ、Y方向(主走査方向)に7個ずつ、計63個の吸引孔Hijがマトリクス状に形成される。iはX方向における位置即ち列を示す変数であり、図2の左から1,2,・・・,9である。jはY方向における位置即ち行を示す変数であり、図2の上から1,2,・・・,7である。図4に示すように、吸引孔Hijは底面における径が最も大きく、高さの2/3程は上方に向かうに従って徐々に径が小さくなる円錐状を呈し、上面から1/3程は径が変化しない管状を呈している。
【0017】
第2の板部材120にはX方向に延びる吸引溝Dが形成される。X方向に一列に並んだ吸引孔H1j〜H9jは、この吸引溝Dj(Dの変数jはこれに連通された吸引孔Hの変数jと一致)によって相互に連通している。これに対して別の吸引孔列に属する吸引孔相互間は、互いから独立している。各吸引溝Djの一方の端部にはそれぞれ電磁弁Bj(Bの変数jはこれに連通された吸引孔Hの変数jと一致)が設けられる。各電磁弁Bjは吸引管130に連結され、1個の吸引ポンプ140に接続される。吸引ポンプ140は一般的なロータリーポンプであり、常時全ての吸引孔Hijから空気の吸引を行う。
【0018】
電磁弁Biは、制御装置142によって各々独自に制御信号を受けることにより、各吸引溝Djの開閉を行う。即ち、各電磁弁Bjを全て開ければ全ての吸引孔Hijから吸引を行うことができるが、一部の電磁弁Bj例えば電磁弁B5 を選択的に開放し他を閉じると、開放された電磁弁B5 に吸引溝D5 を介して連通している吸引孔列H15〜H95のみから吸引が行われ、他の吸引孔列からの吸引は行われない。
【0019】
図5を参照して、描画テーブルの動作について説明する。
描画テーブル100より小さい面積、例えば縦7列、横5行の吸引孔Hのみを覆う程度の大きさの感材Pを描画テーブル100に載置する。感材Pには4隅に位置決め穴Mが形成される。図5に示すように吸引孔Hij(1≦i≦7,2≦j≦6)の上に、位置決め穴Mが位置しないように感材Pが載置される。その後、感材に覆われている吸引孔Hijに対応した電磁弁B2 〜B6 を開く制御信号、および電磁弁B1 、B7 を閉じる制御信号を制御装置142から出力させ、吸引を行う。感材Pを真空吸着した後に、LED104(図3参照)の電源をONにし感材Pを下側から照射する。描画テーブル100をレール12に沿って移動させ、感材Pの4つの位置決め穴MをCCDカメラ32(図1参照)によって撮影し、撮影された画像に所定の画像処理を施して、それぞれの描画テーブルの移動量とからこの感材の描画テーブル100に対する相対位置を求める。この相対位置に基づいてXテーブル14、θテーブル16(図1参照)を調整して、この感材Pの露光開始位置を調整する。
【0020】
このように感材が位置決めされた後、レーザ発振器24からレーザビームを発振させ、光学要素30により変調されたレーザビームによって感材が走査されるとともに、描画テーブル100が副走査方向に移動され、感材表面への描画が行われる。
【0021】
以上のように、本実施形態の描画テーブ100の表面全体に吸入孔Hijが設けられているので、確実に且つ均等な力で感材が描画テーブルに固定される。さらに描画テーブル100の内部にはほぼ全面にわたってLED104が設けられており、描画テーブル100表面に照明光を透過する樹脂層110、120が設けられる。従って、感材をどの位置においても4隅の位置決め穴を照明光により強調でき、感材の大きさによらず常に描画テーブル100に対する正確な相対位置が求められる。このように描画テーブルに対する感材の相対位置が正確に求められるので、感材への描画精度が向上する。
【0022】
なお、本実施形態では第1の樹脂層110に形成された吸引孔Hijを連結する吸引溝Di を、第2の樹脂層120に設けているが、特にこれに限定されることはない。第1の樹脂層に吸引孔とともに吸引溝を形成し、この第1の樹脂層を平板状の第2の樹脂層に密着させることにより吸引溝同士の連通を防止するという構成にしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると様々な大きさの感材に対応して位置決めを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による感材固定装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す感材固定装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図2に示す感材固定装置のIII−III線における断面図である。
【図4】図3に示す第1の板部材と第2の板部材との部分拡大斜視図である。
【図5】感材Pを載置したときの感材固定装置を示す模式図である。
【符号の説明】
100 描画テーブル(感材固定装置)
102 本体
104 LED
108 ボルト
110 第1の板部材
120 第2の板部材
130 吸引管
140 吸引ポンプ
Claims (6)
- 本体と、
この本体に固定され感材を載置するための載置面に、開口する複数個の吸引孔が形成された第1の板部材と、
前記複数個の吸引口から前記本体内部側へ空気を吸引する吸引手段と、
前記第1の板部材における前記載置面と反対側の面に密着する第2の板部材と、
前記第1の板部材と前記第2の板部材を密着させることにより、前記複数個の吸引孔と前記吸引手段とを連通する連通手段と、
前記本体内部に設けられ、前記第1および第2の板部材とともに前記感材を照射する照明手段とを備え、
前記第1および第2の板部材が、前記照明手段からの照明光を透過する材料により形成されることを特徴とする感材固定装置。 - 前記連通手段が、前記第2の板部材に形成され、前記複数個の吸引孔と前記吸引手段とを連通する吸引溝を備えることを特徴とする請求項1に記載の感材固定装置。
- 前記材料が、白濁した樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の感材固定装置。
- 前記照明手段がLEDを備えることを特徴とする請求項3に記載の感材固定装置。
- 前記複数の吸引孔が前記本体の長手方向および幅方向に各々複数ならべて配置されることを特徴とする請求項1に記載の感材固定装置。
- 前記連通手段によって、長手方向あるいは幅方向のどちらか一方の方向に並べられる吸引孔同士が互いに連通されて、同一の吸引手段に連通されることを特徴とする請求項5に記載の感材固定装置。
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1997
- 1997-09-18 JP JP27211297A patent/JP3975522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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