JP3975274B2 - D−アロースの結晶化法による分別法とその大量生産への応用 - Google Patents
D−アロースの結晶化法による分別法とその大量生産への応用 Download PDFInfo
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、操作全体が簡便な高純度D-アロースの分離回収法およびその方法を利用して高純度D-アロースを連続的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
D-プシコース等のD-アロースへの変換に関する酵素反応法による本発明者らによるこれまでの製造法は、D-アロースの分離回収に関して完全に満足できるものではなく、従って工業的製造をするには未だ不経済な作業を必要としている。特許文献1に以下のように記載されているように、糖の精製分離には脱塩、脱イオン、濃縮、結晶化等の各工程を順次行う複雑で不経済な作業を必要としている。
酵素反応液は、通常、常法にしたがって、活性炭を用いて脱色し、H形、OH形イオン交換樹脂を用いて脱塩し、精製し、濃縮してシラップ状製品とする。更に必要ならば、このシラップ状製品を、例えば、アルカリ金属型又はアルカリ土類金属型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより、D-アロース高含有画分と、未反応のD-プシコース高含有画分とに分画し、更に、必要に応じて濃縮してシラップ状のD-アロース高含有物とすることも随意である。
従って、工業的に許容される大量生産方法を確立するために、分離過程を大幅に省力化し、効率化するというD-アロースの分離回収に関して、改良する必要性が残っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−17392号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、操作全体が非常に簡便である高純度D-アロースの工業的に許容される製造方法を提供することを目的とする。
より詳細には、本発明の目的は、操作全体が簡便な高純度D-アロースの分離回収法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の分離回収法を組み込んだ高純度D-アロースの連続的製造法を提供することにある。
【0005】
希少糖を大量に生産することは、本発明者らによる希少糖の研究にとって根幹である。しかし、本発明者らによる、D-プシコース等のD-アロースのへの変換に関する酵素反応法によるこれまでの製造法は、D-アロースの分離回収に関して完全に満足できるものではなく、従って工業的製造をするには未だ不経済な作業を必要としている。
従って、本発明の目的は、D-アロースを分離回収することに関する従来技術の不利な点「最もエネルギーの必要な過程」を克服すること、すなわち、効率よく分離回収する方法を提供すること、ならびに、高純度D-アロースの製造に関して技術的に実行可能な連続的製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の高純度D−アロースの分離回収法を要旨としている。
(1)D-アロースに変換可能な基質の一部分をD-アロースに変換した酵素反応産物からD−アロースを回収するに際し、D-アロースのアルコール、より具体的にはエタノールおよび/またはメタノールに難溶性の性質を利用してD-アロースを結晶化させ、該D-アロースの結晶を分離することを特徴とする高純度D-アロースの分離回収法。
(2)上記の酵素反応産物が、D-アロース生産固定化酵素および/または固定化微生物を用いたバイオリアクターを用いて、D-アロースに変換可能な基質を含む供給溶液を通液することで得られたものであることを特徴とする上記(1)の高純度D-アロースの分離回収法。
(3)上記の酵素反応産物にアルコールを作用させて、アルコールに難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離することを特徴とする上記(1)または(2)の高純度D-アロースの分離回収法。
(4)アルコールを作用させるに際し、酵素反応液に含まれる緩衝液等、たとえばグリシン緩衝液(pH9.0)と1mM MnCl2を除く必要がないことを特徴とする上記(1)、(2)または(3)の高純度D-アロースの分離回収法。
(5)D-アロースに変換可能な基質がD-プシコースであり、酵素反応産物がD-プシコースとD-アロースの混合溶液であることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかの高純度D-アロースの分離回収法。
(6)上記の混合溶液が35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液であることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかの高純度D-アロースの分離回収法。
(7)アルコールがエタノールおよび/またはメタノールであることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかの高純度D-アロースの分離回収法。
【0007】
また、本発明は、以下の高純度D-アロースを連続的に製造する方法を要旨としている。
(8)D-アロース生産固定化酵素および/または固定化微生物を用いたバイオリアクターを用いて、D-アロースに変換可能な基質を含む溶液を通液するに際し、通液する基質を含む溶液として基質のアルコールを含む溶液を用いること、前記基質の一部分をD-アロースに変換するために、前記基質を含む溶液と固定化粒子を前記基質をD-アロースに変換するのに適当な条件下で接触させること、通液後の前記基質の一部分をD-アロースに変換した溶液からD-アロースのアルコールに難溶性の性質を利用してD-アロースを結晶化させて回収することを特徴とする高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(9)結晶化後、D-アロース結晶を分離回収し、そのろ液をアルコール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加することをことを特徴とする上記(8)の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(10)D-アロースに変換可能な基質がD−プシコースであることをことを特徴とする上記(8)または(9)の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(11)上記の通液後の前記基質の一部分をD-アロースに変換した溶液にアルコールを作用させて、アルコールに難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離することをことを特徴とする上記(8)、(9)または(10)の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(12)アルコールを作用させるに際し、酵素反応液に含まれる緩衝液等、たとえばグリシン緩衝液(pH9.0)と1mM MnCl2を除く必要がないことを特徴とする上記(8)ないし(11)のいずれかの高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(13)50%アルコール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを用いて、50%アルコールを含むD-プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールすることによりD-アロースの結晶を連続的に製造することを特徴とする上記(8)ないし(12)のいずれかの高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
(14)アルコールがエタノールおよび/またはメタノールであることを特徴とする上記(8)ないし(13)のいずれかの高純度D−アロースを連続的に製造する方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
D-アロースは、希少糖研究の中で特に各種生理活性を有することが判明してきた希少糖である。希少糖とは、自然界に微量にしか存在しない単糖および糖アルコールと定義づけることができる。自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L-アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は全て希少糖である。また糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD-ソルビトールが比較的多いがそれ以外のものは量的には少ないので、これらも希少糖と考えられる。本発明で分離回収の対象となるD-アロース(D-アロヘキソース)は、アルドース(アルドヘキソース)に分類されるアロースのD体であり、融点が178℃の六炭糖(C6H12O6)である。
【0009】
このD-アロースの製法としては、D-アロン酸ラクトンをナトリウムアマルガムで還元する方法による製法や、また、シェイクワット・ホセイン・プイヤン等による「ジャーナル・オブ・ファンメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング」第85巻、539ないし541頁(1993年)において記載されている、L-ラムノース・イソメラーゼを用いてD-プシコースから合成する製法がある。さらに近年では、特開2002-17392号公報に記載されている。D-プシコースを含有する溶液にD-キシロース・イソメラーゼを作用させて、D-プシコースからD-アロースを生成する製法が発明されている。前記特開2002-17392号公報に記載されている製法によれば、D-アロースを生成する場合には、未反応のD-プシコースと共に、新たに生成したD-アロースを含有している酵素反応液として得られる。
本発明では、基質を含む溶液を原料にして酵素反応でD-アロースを含む溶液として得られるD-アロースの製造方法を利用して、D-アロースを分離回収することができ、また連続的に製造することができる。
【0010】
D-アロースに変換可能な基質を酵素反応でD-アロースに変換する際に用いる酵素の種類は限定されないが、本発明ではD-プシコースからD-アロースを生産することができる酵素「L-ラムノースイソメラーゼ」を好ましいものとして例示される。L-ラムノースイソメラーゼは、「ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)」第85巻、539乃至541頁(1998年)で発表された公知酵素である。L-ラムノースからL-ラムニュロースへの異性化反応ならびにL-ラムニュロースからL-ラムノースへの異性化を触媒する酵素である。L-ラムノースイソメラーゼは、D-アロースとD-プシコースの間の異性化にも作用するので、D-プシコースからD-アロースを生産することができる酵素である。
【0011】
L-ラムノースイソメラーゼは、Pseudomonas stutzerii 由来の酵素が例示できるが、その由来、起源を問わず、天然であろうと遺伝子組換え型であろうと、何れの酵素も利用できる。上記のPseudomonas stutzeriiに属する菌株(LL172a)は、上記文献に記載された公知菌であり、香川大学農学部生物資源食糧化学科 何森健研究室に保存されている。L−ラムノースイソメラーゼは各種の微生物から容易に入手が可能である。財団法人発酵研究所から同一のPseudomonas stutzeriiは得られる。Pseudomonas stutzerii IFO 3773, Pseudomonas stutzerii IFO 13596 が同一の活性を持っていると思われる。通常、得られた培養菌体からL-ラムノースイソメラーゼを抽出し、そのままで反応に用いることができるが、本発明では固定化した形態で用いる。固定化の対象とするL-ラムノースイソメラーゼそのものは、使用目的に応じて、必ずしも高純度に精製されたものでなくてもよく、粗酵素であっても用いることができる。粗酵素の具体的例としては、上記のL-ラムノースイソメラーゼ産生能を有する微生物自体を、また、その培養物や部分精製した培養物を用いることができる。
【0012】
本発明の分離回収の原理を説明する。D-プシコース、D-アロースはともに水に易溶性である。D-プシコースはメタノール、エタノールに対して10%程度溶解性があるがD-アロースはいずれのアルコールにも難溶性である。温度の影響もある。両アルコールに対するD-プシコースの溶解度は高い温度で上がる。また、高いアルコール濃度ではD-アロースは結晶化しやすい。以上の物性を応用した分離手法である。アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)を作用させて、アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)に難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離する高純度D-アロースの製造方法である。
アルコール(エタノールおよび/またはエタノール)を作用させるに際し、酵素反応液に含まれるグリシン緩衝液(pH9.0)と1mM MnCl2を除かない場合も同様の結果が得られる。
【0013】
本発明の連続法について、好ましい態様について説明する。
50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いる。固定化酵素は、本発明者らの別の特許出願に係る、例えばL-ラムノースイソメラーゼを共有結合法によって固定化したものを用いる。これは、酵素を菌体から抽出したものを用いる場合は沈殿させた後に、菌体そのものを用いる場合はそのまま、グルタルアルデヒドにより架橋する。これは共有結合が起こり架橋されるもので、これにリジンを添加することでさらに強度が増すこととなる。この固定化法によって、これまで1週間ほどの安定性であったものが数ヶ月の安定性を持つ固定化酵素を得ることができる。L-ラムノースイソメラーゼを共有結合法によって固定化した固定化酵素および/または固定化微生物を使用するバイオリアクターに通液し50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを構築することができる。50%エタノール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを用いて、50%エタノールを含むD-プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールすることによりD-アロースの結晶を連続的に製造する。結晶化後のろ液をエタノール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加する
【0014】
【作用】
具体的態様において説明をすると、本発明は、D-プシコースとD-アロースの混合溶液に、エタノールを添加することでD-アロースのみを分離することができる画期的な方法である。しかも酵素反応に用いる緩衝液を除く必要もなく、分離過程を大幅に省力化し、効率化できるという非常に大きなメリットがある。50%D-プシコースを原料にして酵素反応でD-アロースを生産した場合、生産物は、35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液として得られる。酵素反応産物から迅速にD-プシコースとD-アロースを分離し高純度のD-アロースを得ることが可能である。D-アロース生産における最も大きな障害を取り除くことが可能となった。
【0015】
D-プシコース等のD-アロースのへの変換に関する酵素反応法による本発明者らによるこれまでの製造法は、D-アロースの分離回収に関して完全に満足できるものではなく、従って工業的製造をするには未だ不経済な作業を必要としている。これまでD-アロースの生産はD-プシコースからL-ラムノースイソメラーゼを用いて、D-プシコースとD-アロースの混合した反応液から、緩衝液を除く操作の後に、擬似移動層クロマトグラフィーを用いて分離する方法によって行われてきた。D-プシコースは分離カラム中での挙動が幅広いブロードなピークとなるため分離する際に多量の水を要するため、濃縮を多量の水を蒸発させるという全体として非常にコストが高く一番エネルギーを消費する過程である。また酵素反応溶液から緩衝液などの分離工程も煩雑であり、脱イオン反応はエネルギーを要する操作である。この過程を改善すべく、本発明者らは、最もエネルギーの必要な過程をいかに効率よく行うかを検討するという、希少糖生産に最も重要な課題を解決する研究開発の中で生まれた。この発明の特徴は、濃縮という過程をほとんど経ないこと、および酵素反応における緩衝液を除く操作も必要でないということ、操作全体が非常に簡便であると言う大きな利点がある。
【0016】
バイオリアクターを用いた酵素反応の生産物を直接エタノール溶液に滴下することにより、D-アロースの結晶を得ることが可能であり、一定時間ごとにエタノール溶液を入れ換えるシステムにより、D-プシコースを通液する段階からD-アロースの結晶を得る段階までの全自動化が可能である。さらに、50%アルコール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを構築できれば、50%エタノールを含むD-プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールだけでD-アロースの結晶を連続的に得ることができるとともに、結晶化後のろ液をアルコール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加できるようになる。
D-プシコースからD-アロースへの反応を行った後、適当な温度に冷却することでD-アロースのみが析出する。上清のエタノールを含む緩衝液中に存在するD-プシコースを再び反応に用いることができる。この時に新たに原料となるD-プシコースを添加することで連続的にD-アロースが生産可能である。
【0017】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0018】
実施例1
酵素反応産物からのD-アロースの分離
D-プシコースからD-アロースの生産は、Pseudomonoasu stutzerii LL172aの生産するL-ラムノースイソメラーゼをグルタルアルデヒドを用いた架橋法で固定化酵素を作成したのち、約20000単位の固定化酵素を100mlの50%D-プシコース溶液(1mM MnCl2を含むグリシン緩衝液pH9に溶解したもの)へ添加して反応させ酵素反応液を得る。この反応液は終濃度35%のD-プシコースと15%のD-アロースを含有する。
このように、50%D-プシコースを原料にして酵素反応でD-アロースを生産した場合、生産物は、35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液として得られる。本件はこの酵素反応産物から迅速にD-プシコースとD-アロースを分離し高純度のD-アロースを得る新規の方法である。Pseudomonoasu stutzerii に属する菌株は、上記文献に記載された公知菌であり、香川大学農学部生物資源食糧化学科の何森健研究室に保存されている。
【0019】
分離作業例
(1)あらかじめ高純度の99%エタノールを十分冷却しておく。糖濃度は50%以上が必要であるのでD-プシコースからD-アロースを生産するバイオリアクターを確認しておく。
(2)バイオリアクターの出口に、1Lのビーカーを置き、あらかじめ冷99%エタノール500mlを添加して氷中で撹拌しておく。
(3)バイオリアクターで生産される産物の溶液を直接冷エタノール中に滴下し、十分に撹拌することにより沈殿が生じる。
(4)エタノールの終濃度が60%以下になると沈殿は溶解するので、結晶化を促進するためにD-アロースの種結晶を一粒冷エタノールに加える。終濃度が50%を下回らない条件で、新しいエタノール溶液に取り換える。
(5)作業の終わったエタノールと糖液の混合溶液は4℃で一晩置く。生じた糖の結晶を3G1ガラスフィルターでろ集し、99%エタノールで数回洗浄後、減圧乾燥してエタノールを完全除く。
(6)得られた糖の結晶の純度はHPLCで分析し99%以上のD−アロースの結晶が得られる。ろ過したろ液にはD-プシコースが含まれるのでエタノールを除去、濃縮後バイオリアクターに再利用する。
【0020】
【発明の効果】
D-アロースの分離と同時に脱塩、脱イオン、そして濃縮、結晶化が行え、従来、すべて別々の工程で行っていた分離方法をワンステップに統合処理できる。したがって、短時間に大量の処理が可能である。
希少糖D-アロースの生産法としての用途が大きい。
Claims (14)
- D-アロースに変換可能な基質の一部分をD-アロースに変換した酵素反応産物からD-アロースを回収するに際し、D-アロースのアルコールに難溶性の性質を利用してD-アロースを結晶化させ、D-アロースの結晶を分離することを特徴とする高純度D−アロースの分離回収法。
- 上記の酵素反応産物が、D-アロース生産固定化酵素および/または固定化微生物を用いたバイオリアクターを用いて、D-アロースに変換可能な基質を含む供給溶液を通液することで得られたものである請求項1の高純度D-アロースの分離回収法。
- 上記の酵素反応産物にアルコールを作用させて、アルコールに難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離する請求項1または2の高純度D−アロースの分離回収法。
- アルコールを作用させるに際し、酵素反応産物に通常含まれる緩衝液等を除く必要がない請求項3の高純度D-アロースの分離回収法。
- D-アロースに変換可能な基質がD-プシコースであり、酵素反応産物がD-プシコースとD-アロースの混合溶液である請求項1ないし4のいずれかの高純度D-アロースの分離回収法。
- 上記の混合溶液が35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液である請求項5の高純度D-アロースの分離回収法。
- アルコールがエタノールおよび/またはメタノールである請求項1ないし6のいずれかの高純度D-アロースの分離回収法。
- D-アロース生産固定化酵素および/または固定化微生物を用いたバイオリアクターを用いて、D-アロースに変換可能な基質を含む溶液を通液するに際し、通液する基質を含む溶液として基質のアルコールを含む溶液を用いること、前記基質の一部分をD-アロースに変換するために、前記基質を含む溶液と固定化粒子を前記基質をD-アロースに変換するのに適当な条件下で接触させること、通液後の前記基質の一部分をD-アロースに変換した溶液からD-アロースのアルコールに難溶性の性質を利用してD-アロースを結晶化させて回収することを特徴とする高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- 結晶化後、D-アロース結晶を分離回収し、そのろ液をアルコール除去、濃縮することなしにバイオリアクターに再添加する請求項8の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- D-アロースに変換可能な基質がD-プシコースである請求項8または9の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- 上記の通液後の前記基質の一部分をD-アロースに変換した溶液にアルコールを作用させて、アルコールに難溶性のD-アロースを結晶化させてD-アロースの結晶を分離する請求項8、9または10の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- アルコールを作用させるに際し、酵素反応液に含まれるグリシン緩衝液(pH9.0)と1mM MnCl2を除く必要がない請求項11の高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- 50%アルコール溶液中でも安定な固定化酵素を用いたバイオリアクターを用いて、50%アルコールを含むD−プシコース溶液を通液することで、反応時は42℃、結晶化時は4℃と温度をコントロールすることによりD-アロースの結晶を連続的に製造する請求項8ないし12のいずれかの高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
- アルコールがエタノールおよび/またはメタノールである請求項8ないし13のいずれかの高純度D-アロースを連続的に製造する方法。
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