JP3974512B2 - 流体機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば半導体製造装置において、薬液の循環や移送のために使用される、ベローズを用いたベローズポンプや脈動減衰装置等の流体機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば半導体製造装置においては、薬液の循環や移送を行うためにベローズポンプや、このベローズポンプから吐出される薬液の脈動を減衰するための脈動減衰装置等の流体機器が使用されており、このような装置には、その主要構成要素として合成樹脂製のベローズが使用されている。
【0003】
従来のこの種のベローズは、一般的にブロー成形により製造されている。たとえば、特開平6−50265号公報に開示されているブロー成形においては、図6に示すように、合成樹脂製のチューブ80の一端を熱融着して塞ぎ、この熱融着部80aを半割りされた上下の金型82,83で挟んで固定するとともに、チューブ80の他端の開口部80bをブッシュ84を用いて金型82,83の空気注入口に固定する。次に、金型82,83全体を加熱した状態で加圧空気をチューブ80の開口部80b側から内部に注入して、当該チューブ80を金型82,83の内面に沿うよう膨張させる。そして、この加圧状態を保持して常温近くまで冷却し、冷却後は、膨張したチューブ80を金型82,83から取り出すことで、図7に示すような形状のベローズ90が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなブロー成形によって製造された従来のベローズ90は、各部分の肉厚が全て均一になっている。すなわち、ベローズ90の山部90e及び谷部90fのそれぞれの肉厚をB、山部90eと谷部90fとの間にある側面部90gの肉厚をAとすると、A=Bになっている。
ところが、このようにベローズ90の各部90e,90f,90gの肉厚が全て均一であると、ベローズ90が軸方向に伸長する毎に、山部90eの頂部及び谷部90fの最深部に、一点集約的に応力集中が生じて過剰な負荷がかかり、度重なる負荷により早期に強度が低下して亀裂が発生し易い。このため、ベローズ90が比較的短期間に破損するという問題があった。
この発明は、前記の問題点を解決するためになされたもので、応力集中に起因するベローズの亀裂が生じ難く、長寿命化を図ることができる流体機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、この発明は、移送液を流入路から取り込んで流出路へ流出させるポンプ用隔膜を備える流体機器において、前記ポンプ用隔膜が、ポリテトラフルオロエチレン製の円筒部材をステッキバイトで切削加工して山部と谷部とが交互に形成された軸方向に伸長可能なベローズで構成され、軸方向断面における前記山部の内周面及び前記谷部の外周面が第1の曲率半径の円弧状になっているとともに、前記山部の外周面及び前記谷部の内周面が前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の円弧状になっており、かつ、前記第1の曲率半径の円弧の中心から見た前記第2の曲率半径の円弧の中心は、前記山部の場合は外方へ、前記谷部の場合は内方へ、それぞれずれており、前記山部と谷部との間に位置する円板状の側面部の肉厚Aと、前記山部及び谷部のそれぞれの内外周面間での最大肉厚Bとの比率B/Aが、1.2〜2.5の範囲に設定され、隣り合う側面部の対向面間に所定のステッキ幅をもつ空間が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
また、この発明は、ポンプからの移送液を流入路から取り込んで一時的に貯留した後、流出路へ流出させる脈動減衰用隔膜を備える流体機器において、前記脈動減衰用隔膜が、ポリテトラフルオロエチレン製の円筒部材をステッキバイトで切削加工して山部と谷部とが交互に形成された軸方向に伸長可能なベローズで構成され、軸方向断面における前記山部の内周面及び前記谷部の外周面が第1の曲率半径の円弧状になっているとともに、前記山部の外周面及び前記谷部の内周面が前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の円弧状になっており、かつ、前記第1の曲率半径の円弧の中心から見た前記第2の曲率半径の円弧の中心は、前記山部の場合は外方へ、前記谷部の場合は内方へ、それぞれずれており、前記山部と谷部との間に位置する円板状の側面部の肉厚Aと、前記山部及び谷部のそれぞれの内外周面間での最大肉厚Bとの比率B/Aが、1.2〜2.5の範囲に設定され、隣り合う側面部の対向面間に所定のステッキ幅をもつ空間が形成されていることを特徴とする(請求項2)。
【0007】
上記のように構成された流体機器によれば、ベローズが軸方向に伸長するときに山部と谷部との間の側面部が撓み、その撓みによって山部と谷部への応力集中を、それらに各々連設される各側面部にかけて分散させることができるので、山部頂部及び谷部最深部への応力集中が可及的に防止されるとともに、山部及び谷部のそれぞれの最大肉厚Bと側面部の肉厚Aとの比率B/Aを1.2〜2.5の範囲に設定したことで山部及び谷部の径方向の強度補強がなされることと相まって、山部及び谷部の径方向の強度低下に伴う破損が確実に防止される。これにより、ベローズの長寿命化を図ることができ、流体機器の長期信頼性を高めることができるとともに、ベローズ損傷に伴う頻繁なベローズ交換作業を回避できる。
【0008】
また、上記の範囲内に比率B/Aを設定することにより、ベローズの山部及び谷部のそれぞれの肉厚を徒らに大きくすることなく、当該部分における応力集中が有効に緩和される。
【0009】
また、ベローズの山部・谷部の内外周面は共に円弧状であるため、ベローズの伸長に伴う前記山部及び谷部の応力集中が一層有効に緩和される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る流体機器としてのベローズポンプと脈動減衰装置とが併設されているポンプ装置の全体を示す縦断面図である。
このポンプ装置においては、ベローズポンプ4と脈動減衰装置5とが仕切壁1を隔てて互いに対向した状態で同軸状に配置されている。
仕切壁1内には、移送液の流入路2と流出路3とがそれぞれ形成されているとともに、ベローズポンプ4と脈動減衰装置5とを連通するための連通路21が形成されている。
【0011】
また、ベローズポンプ4には、仕切壁1の一方の側壁部に有底円筒状のポンプケーシング6が取り付けられており、このポンプケーシング6内にその軸方向に沿って伸縮するポンプ用隔壁としてのベローズ7が配設されている。このベローズ7の開口周縁部7aは、環状固定板8により仕切壁1の一方の側壁部に気密状態で押圧固定されており、これによりポンプケーシング6の内部空間が、ベローズ7内に位置するポンプ作用室9aとベローズ7外に位置するポンプ作動室9bとに密閉状に区画されている。
【0012】
前記ベローズ7は、フッ素樹脂、特にこの実施の形態ではポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のものであって、ブロー成形ではなく、PTFE製の円筒部材をステッキバイトやナイフ等を用いて旋盤で切削加工することにより形成されたものである。
このベローズ7の形状は、図2(a)に示すように、開口周縁部7aと閉鎖端部7bとの間に位置する胴部分7cにおいて、山部71と谷部72とが交互に設けられた蛇腹状のものであり、前記山部71と谷部72との間には、円板状の側面部73が連設されている。
【0013】
また、同図(b)に拡大して示すように、山部71の頂部と谷部72の最深部における肉厚、つまり山部71と谷部72のベローズ径方向における最小肉厚Bは、側面部73のベローズ軸方向における肉厚Aよりも大きくなるように設定されている。さらに、山部71の内周面(ベローズ7の内面)と谷部72の外周面(ベローズ7の外面)とは、鋭角部分が生じないように所定の半径Rを有する湾曲面で構成されている。
これにより、ベローズ7が軸方向に伸長するときに、図2(c)に示すように、側面部73が積極的に撓み、その撓みのために山部71と谷部72のそれぞれの最小肉厚部分或いはその付近において、主として湾曲内面側に発生する応力(図中、斜線で示す)が分散されて応力集中が緩和される。
【0014】
特に、山部71と谷部72のそれぞれの最小肉厚Bと側面部73の肉厚Aとの比率B/Aは、1.2〜2.5の範囲に収まるように設定するのが好ましい。これにより、山部71や谷部72の肉厚Bを徒らに大きくしなくても、その部分における応力集中を有効に緩和することができる。たとえば、A=1.4mm、B=3.0mmとすれば、B/A≒2.1となり適切な肉厚の範囲に設定される。また、B/Aが1.2未満であると応力緩和が不十分な場合があり、2.5を上回るとベローズが径大化し、コンパクト化に反する。
【0015】
また、図1に示す構成のベローズポンプ4においては、ベローズ7で区画されたポンプ作用室9a内にそれぞれ移送液の吸込口15aと吐出口15bとが開口されており、吸込口15aは前記流入路2に連通され、吐出口15bは連通路21を介して流出路3に連通されている。また、流入路2と流出路3の途中には、それぞれベローズ7の伸縮変形に伴って交互に開閉動作する樹脂製スプリング式逆止弁16a,16bが設けられている。
【0016】
さらに、ベローズ7の閉鎖端部7bには連結部材10がボルト31を用いて固定されており、この連結部材10はポンプ作動室9b内からポンプケーシング6の底壁部6aの中央を貫通して外側に突出され、その突出部分にピストン11が固定されている。
このピストン11は、ポンプケーシング6の底壁部6aに固定されたシリンダ12内に摺動可能に嵌合されており、このシリンダ12及びポンプケーシング6の底壁部6aに形成された各空気孔13a,13bを通して、図示しないエアコンプレッサから加圧空気をシリンダ12及びピストン11で囲まれた内部空間とポンプ作動室9b内とに交互に供給することによって、ベローズ7を伸縮駆動させる駆動手段としてのエアシリンダ14が構成されている。
【0017】
前記エアシリンダ14には近接センサ25a,25bが取り付けられている一方、ピストン11にはセンサ感知板26が取り付けられており、ピストン11の往復動に伴ってセンサ感知板26が近接センサ25a,25bに交互に近接することで、エアコンプレッサから送給される加圧空気の供給経路を、シリンダ12内とポンプ作動室9b内とに自動的に切り換えるようになっている。
【0018】
一方、図1において、脈動減衰装置5は、仕切壁1の他方の側壁部に有底円筒状のケーシング17が取り付けられており、このケーシング17内に、その軸方向に沿って伸縮する脈動減衰用隔壁として、PTFE製にて上記ベローズ7と同様に切削加工により形成されたベローズ18が配置されている。そして、このベローズ18の開口周縁部18aが環状固定板19により仕切壁1の他方の側面部に気密状態で押圧固定されることにより、ケーシング17の内部空間がベローズ18内に位置する液室20aとベローズ18外に位置する気室20bとに密閉状態に区画されている。
【0019】
前記ベローズ18は、ベローズポンプ4で使用されるベローズ7と基本的に同じ構成を有している。すなわち、このベローズ18に関しても、図2に示すように、開口周縁部18aと閉鎖端部18bとの間の蛇腹状の胴部分18cにおいて、山部181と谷部182のそれぞれ最小肉厚Bが、側面部183の肉厚Aよりも大きく、両者の比率B/Aが1.2〜2.5の範囲に収まるように設定されており、伸縮に応じた側面部183の撓みによって、山部181及び谷部182に発生する応力を分散するようになっている。また、山部181の内周と谷部182の外周は、鋭角部分が生じないように湾曲面で構成されている。
【0020】
さらに、この脈動減衰装置5においては、ベローズ18で区画された液室20a内に、前述の連通路21の一端が開口されて流出路3に連通される一方、ケーシング17のベローズ18の閉鎖端部18bに対向する位置には、所定の間隔を有してベローズ18の不測の事態により生ずる過度の伸長を規制するストッパ壁17bが設けられている。そして、ケーシング17のストッパ壁17bよりも外側に位置する底壁部17aには開口17cが形成され、この開口17cを通して気室20bの内部の封入圧を調整する自動給排気調整手段23がボルト24等によって着脱可能に取り付けられている。
【0021】
この自動給排気調整手段23は、液室20aの容量が所定範囲を越えて増大すると、気室20b内へ吸気して封入圧を上昇させる一方、液室20aの容量が所定範囲を越えて減少すると、気室20b内から排気を行って封入圧を下降させるように構成されており、液室20a内の液圧と気室20b内の気圧とをバランスさせることで、ベローズ18に過度の伸縮変形が起きないようにしている。
そして、この自動給排気調整手段23が備える吸気弁(図示省略)を開閉するための弁押し棒30及び排気弁(図示省略)を開閉するための弁引き棒27の先端に取り付けられたスライダ28が、それぞれストッパ壁17bに形成された貫通孔17dを通って気室20b内に臨んでおり、スライダ28はスプリング29によって常時ベローズ18側に向けて付勢されている。
【0022】
次に、図1に示すポンプ装置のベローズポンプ4と脈動減衰装置5のそれぞれの動作、及びこれら各装置4,5が備えるベローズ7,18の動作について説明する。
まず、ベローズポンプ4については、図外のコンプレッサ等から供給される加圧空気を、エアシリンダ14のシリンダ12とピストン11とで囲まれた内部空間に空気孔13bを介して供給すると、ベローズ7が図1のx方向に伸長されてポンプ作用室9aが負圧となり、これに伴って吸入口15a側の逆止弁16aが開いて、流入路2からの移送液がこの逆止弁16aを経てポンプ作用室9a内に吸入される。一方、加圧空気をポンプ作動室9b内に空気孔13aを介して供給すると、ベローズ7が図1のy方向に収縮され、これに伴って吐出口15b側の逆止弁16bが開いて、ポンプ作用室9a内に吸入されていた移送液が、この逆止弁16bから連通路21側に吐出される。
【0023】
このように、エアシリンダ14によってベローズ7を伸縮させると、そのポンプ作用室9a内の逆止弁16a,16bが交互に開閉動作して、移送液を流入路2からポンプ作用室9a内へ吸入する動作と、ポンプ作用室9a内から流出路3へ吐出する動作とが反復されて所定のポンプ作用が行われる。
ここに前記ベローズ7は、図2に示したように、開口周縁部7aと閉鎖端部7bとの間に位置する蛇腹状の胴部分7cにおいて、山部71と谷部72のそれぞれの最小肉厚Bが、側面部73の肉厚Aよりも大きくなっているので、ベローズ7が軸方向に伸長するときに、図2(c)に示したように側面部73が容易に撓み、その撓みのために山部71と谷部72のそれぞれの最小肉厚部分あるいはその付近において発生する応力が分散されて、応力集中が緩和されることになる。その結果、その部分での亀裂発生等による強度低下に伴う破損が防止され、ベローズ7の長寿命化を図ることができる。また、山部71の内周面と谷部72の外周面とが湾曲面で構成されているので、より一層効果的に応力集中が緩和される。
【0024】
ベローズポンプ4の吐出口15bから吐出された移送液は、ベローズポンプ4の往復動作のために脈動流となって、連通路21を介して脈動減衰装置5のベローズ18内部の液室20a内に送られ、ここで一時的に貯留された後、流出路3から外部に流出される。
その際、移送液の吐出圧が増加傾向にあるときには、脈動減衰装置5のベローズ18が伸長し、液室20aの容量を増大させて当該吐出圧を吸収する。このとき、液室20aから流出される移送液の液量は、ベローズポンプ4から吐出される液量よりも少なくなる。この状態で移送液の吐出圧が減少傾向に転じると、前記ベローズ18の伸長により圧縮された気室20b内の封入圧よりも移送液の圧力が低くなるので、ベローズ18が収縮し、液室20aの容量を減少させる。このとき、液室20aから流出される移送液の液量はベローズポンプ4から吐出される液量よりも多くなる。このようなベローズ18の伸縮に伴う液室20aの容量変化の繰り返し動作によって、移送液は脈動が減衰されて連続してスムーズに流出される。
【0025】
ここに脈動減衰装置5を構成するベローズ18は、ベローズポンプ4を構成するベローズ7と同様に、蛇腹状の胴部分18cにおいて、山部181と谷部182のそれぞれの最小肉厚Bが、側面部183の肉厚Aよりも大きくなっているので、ベローズ18が軸方向に伸長するときに側面部183が容易に撓み、その撓みのために山部181と谷部182のそれぞれの最小肉厚部分、或いはその付近において発生する応力が分散されて、応力集中が緩和される。その結果、その部分181,182での亀裂発生等が防止され、ベローズ18の長寿命化を図ることができる。また、山部71の内周面と谷部72の外周面とが湾曲面で構成されされているので、より一層効果的に応力集中が緩和される。
【0026】
前記の動作において、ベローズポンプ4における吐出圧の変動により、脈動減衰装置5の液室20aの容量が所定範囲を越えて増大すると、ベローズ18の閉鎖端部18bが、自動給排気調整手段23の弁押し棒30に当接してさらにこの弁押し棒30を左方に押すので、図示しない吸気弁が開いて気室20b内への吸気が行われて封入圧が上昇され、ベローズ18の過度の伸長変形が抑制されて液室20a内の容量が過剰に増大するのが防止される。一方、液室20aの容量が所定範囲を越えて減少すると、弁引き棒27の先端にスライダ28が係合してスプリング29によって弁引き棒27を右方に押すので、図示しない排気弁が開いて気室20b内から排気が行われて封入圧が下降され、ベローズ18の過度の収縮変形が抑制されて液室20a内の容量が過剰に減少されるのが防止される。このようにして、ベローズポンプ4の吐出圧の変動にかかわらずベローズ18の伸縮変形量が一定範囲内に規制されて脈動を小さくすることができる。
【0027】
なお、前記の実施の形態においては、図2に示したように、各ベローズ7,18は、山部71,181と谷部72,182の外側の稜線部分が角形になっているが、図3(a)に示すように、当該部分を円弧状に形成してもよい。また、図2及び図3(a)に示したベローズは、円筒部材をステッキバイト等で切削加工して製作されているために、側面部73,183の対向面間に所定のステッキ幅Cをもつ空間部分が形成されているが、図3(b)に示すように、ナイフやカッタで切断してステッキ幅Cが殆ど無い構成のベローズを製作することもできる。この構成のベローズにおいても、山部71,181と谷部72,182のそれぞれの肉厚Bが、側面部73,183の肉厚Aよりも大きくなるように形成して、山部71,181と谷部72,182への応力集中を有効に緩和させる。
【0028】
図4は、この発明の他の実施の形態に係る脈動減衰装置の全体を示す縦断面図であり、図1に示した箇所に対応する部分には同一の符号を付している。
図4に示す実施の形態では、図1に示した脈動減衰装置5がベローズポンプ4と独立して構成されたものであって、円筒状の周壁部材32の上下端にそれぞれ上壁部材33と下壁部材34とを固定してケーシング17が形成されており、このケーシング17内にその軸方向に沿って伸縮する脈動減衰用隔壁としてのベローズ18が配設されている。
【0029】
そして、このベローズ18の開口周縁部18aが環状固定板19により仕切壁1の他方の側面部に気密状態で押圧固定されることにより、ケーシング17の内部空間がベローズ18内に位置する液室20aとベローズ18外に位置する気室20bとに密閉状態で区画されている。また、下壁部材34には移送液の流入路2と流出路3とが形成されて、両者2,3が液室20aに連通する一方、上壁部材33には自動給排気調整手段23が設けられている。
前記のベローズ18は、図1に示した脈動減衰装置5で使用されたものと基本的に同じ構成を有している。また、自動給排気調整手段23の構成も図1に示した脈動減衰装置5のものと同じ構成であるので、ここではそれらの作用動作についての詳しい説明は省略する。
【0030】
図5は、この発明のさらに他の実施の形態に係るベローズポンプの全体を示す縦断面図である。
図5に示す実施の形態のベローズポンプは、左右一対のポンプ部分を対称に配置したものであって、各ポンプ部分が相補的に動作することで大きな移送量が得られるようになっている。
すなわち、この実施の形態のベローズポンプは、円筒状の周壁部材41の左右端にそれぞれ側壁部材42,43を固定してポンプケーシング40が形成されており、このポンプケーシング40内に仕切壁44を挟んで左右対称形に一対のベローズ45,46が配置されている。この場合の各ベローズ45,46は、図1及び図2に示したベローズポンプ4で使用されているポンプ用隔膜としてのベローズ7と基本的に同じ構成を有している。そして、各ベローズ45,46は、その開口周縁部が環状固定板48,49により仕切壁44の側壁部に気密状に押圧固定される一方、ベローズ45,46の閉鎖端部には、受圧板51,52が取り付けられている。
【0031】
また、仕切壁44には移送液の流入路54と流出路55とが形成されるとともに、流入路54と流出路55の途中にはそれぞれベローズ45,46の伸縮変形に伴って交互に開閉動作する逆止弁56a,56b,57a,57bが設けられている。さらに、ケーシング40の左右の側壁部材42,43には、図外のコンプレッサ等から供給される加圧空気をケーシング40内に供給するための空気孔42a,43aとケーシング40から排気するための空気孔42b,43bとがそれぞれ形成されている。
【0032】
したがって、この構成のベローズポンプにおいては、図外のコンプレッサ等から供給される加圧空気を、空気孔42a,43aから交互に供給して左右のベローズ45,46を交互に伸縮動作させると、たとえば、右側のベローズ46によって流入路2から逆止弁57bを経て移送液が吸入されるときには、左側のベローズ45によってその内部に貯留されている移送液が逆止弁56aを経て流出路55から流出される。また、左側のベローズ45によって流入路2から逆止弁56bを経て移送液が吸入されるときには、右側のベローズ46によってその内部に貯留されている移送液が逆止弁57aを経て流出路55から流出される。このようにして、左右のベローズ45,46の交互に伸縮されることによって流出路54からの移送液の吸入と流出路3への吐出とが反復されて所定のポンプ作用が行われる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1及び2記載の流体機器によれば、ベローズが軸方向に伸長するときに山部と谷部の間の側面部が積極的に撓んで、山部と谷部における応力集中が緩和されるので、これら山部や谷部における亀裂発生が防止され、ベローズの長寿命化を図ることができる。従って、当該流体機器の信頼性を高めることができる。
【0034】
また、山部と谷部の最大肉厚Bと側面部の肉厚Aとの比率B/Aが1.2〜2.5の範囲になるように設定しているので、山部や谷部のそれぞれの肉厚を徒らに大きくしなくても、その部分における応力集中を有効に緩和することができる。このため、ベローズの長寿命化をより効果的に図ることができる。
【0035】
また、山部・谷部の内外周面が共に円弧状であるので、ベローズの伸長に伴う応力集中を一層有効に防止することができ、ベローズの長寿命化をより効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るベローズポンプと脈動減衰装置とが併設されているポンプ装置の全体を示す縦断面図である。
【図2】ベローズポンプと脈動減衰装置にそれぞれ使用されるベローズの詳細を示す拡大断面図である。
【図3】ベローズの変形例を示す断面図である。
【図4】この発明の実施形態に係る脈動減衰装置の縦断面図である。
【図5】この発明の実施形態に係るベローズポンプの縦断面図である。
【図6】ベローズをブロー成形によって製作する従来例の説明図である。
【図7】ブロー成形によって得られるベローズの断面図である。
【符号の説明】
2 流入路
3 流出路
4 ベローズポンプ
5 脈動減衰装置
7 ベローズ(ポンプ用隔膜)
71 山部
72 谷部
73 側面部
14 エアシリンダ(駆動手段)
18 ベローズ(脈動減衰用隔膜)
181 山部
182 谷部
183 側面部
45,46 ベローズ
Claims (2)
- 移送液を流入路から取り込んで流出路へ流出させるポンプ用隔膜を備える流体機器において、前記ポンプ用隔膜が、ポリテトラフルオロエチレン製の円筒部材をステッキバイトで切削加工して山部と谷部とが交互に形成された軸方向に伸長可能なベローズで構成され、
軸方向断面における前記山部の内周面及び前記谷部の外周面が第1の曲率半径の円弧状になっているとともに、前記山部の外周面及び前記谷部の内周面が前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の円弧状になっており、かつ、前記第1の曲率半径の円弧の中心から見た前記第2の曲率半径の円弧の中心は、前記山部の場合は外方へ、前記谷部の場合は内方へ、それぞれずれており、
前記山部と谷部との間に位置する円板状の側面部の肉厚Aと、前記山部及び谷部のそれぞれの内外周面間での最大肉厚Bとの比率B/Aが、1.2〜2.5の範囲に設定され、
隣り合う側面部の対向面間に所定のステッキ幅をもつ空間が形成されていることを特徴とする流体機器。 - ポンプからの移送液を流入路から取り込んで一時的に貯留した後、流出路へ流出させる脈動減衰用隔膜を備える流体機器において、前記脈動減衰用隔膜が、ポリテトラフルオロエチレン製の円筒部材をステッキバイトで切削加工して山部と谷部とが交互に形成された軸方向に伸長可能なベローズで構成され、
軸方向断面における前記山部の内周面及び前記谷部の外周面が第1の曲率半径の円弧状になっているとともに、前記山部の外周面及び前記谷部の内周面が前記第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径の円弧状になっており、かつ、前記第1の曲率半径の円弧の中心から見た前記第2の曲率半径の円弧の中心は、前記山部の場合は外方へ、前記谷部の場合は内方へ、それぞれずれており、
前記山部と谷部との間に位置する円板状の側面部の肉厚Aと、前記山部及び谷部のそれぞれの内外周面間での最大肉厚Bとの比率B/Aが、1.2〜2.5の範囲に設定され、
隣り合う側面部の対向面間に所定のステッキ幅をもつ空間が形成されていることを特徴とする流体機器。
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