JP3972426B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子カメラやビデオカメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子カメラなどの撮像装置においては、被写体の画像を撮影レンズで固体撮像素子に結像させ、この結像された画像光を固体撮像素子の各受光画素で受光して電気信号に変換し、その出力信号を被写体の画像データとして形成している。
このような撮像装置では、図6に示すように、固体撮像素子1に照射される光を各受光画素2に入射させるために、固体撮像素子1の光入射面にほぼ半球状のマイクロレンズ3を各受光画素2に対応させて設け、これら各マイクロレンズ3によって画像光をそれぞれ各受光画素2に向けて集光させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような撮像装置では、マイクロレンズ3がそれぞれほぼ半球状に形成されているので、光軸O上に位置するマイクロレンズ3では光軸Oにほぼ平行な光が入射するため、この入射光を対応する受光画素2に確実に集光させることはできるが、光軸Oから周辺側に離れたマイクロレンズ3では入射する光が光軸Oに対し角度をもっているため、その角度が図6に示すように所定角度φ以上であると、入射した光を集光しても、これに対応する受光画素2から外れてしまい、対応する受光画素2に入射させることができず、光の入射効率が低下するという問題がある。
【0004】
この発明の課題は、光軸に対し角度をもった光を効率良く受光画素に入射させて、光の入射効率を高めることができるようにすることである。
【0007】
また、請求項1記載の発明は、被写体の画像を撮影レンズで固体撮像素子に結像させ、この結像された画像光を前記固体撮像素子の各受光画素で受光して電気信号に変換し、その出力信号を前記被写体の画像データとして形成する撮像装置において、
前記固体撮像素子の光入射側に、前記撮影レンズからの画像光のうち、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を取り込むほぼ半球状の球面の一部に傾斜面を有するマイクロレンズを前記受光画素に対応させて設けるとともに、前記マイクロレンズは光軸から周辺側に向かうに従って次第に前記傾斜面の傾斜角度が小さくなるように形成され、光軸側に位置する前記マイクロレンズが、光軸に対し所定角度以上でかつ特定角度未満の傾いた光を前記傾斜面から取り込んで屈折により前記対応する受光画素に入射させ、また、周辺側に位置する前記マイクロレンズが、光軸に対し特定角度以上の傾いた光を前記傾斜面から取り込んで前記マイクロレンズの球状面の内面に形成された反射膜での反射により前記対応する受光画素に入射させることを特徴とする。したがって、この発明によれば、固体撮像素子の光入射側に受光画素と対応して設けられたマイクロレンズがそれぞれ傾斜面を有し、かつこの傾斜面の傾斜角度が光軸側に位置するマイクロレンズと周辺側に位置するマイクロレンズとで異なっているので、光軸側に位置するマイクロレンズの傾斜面によって、撮影レンズからの画像光のうち、光軸に対し所定角度以上でかつ特定角度未満の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズの屈折により対応する受光画素に入射させることができ、また周辺側に位置するマイクロレンズの傾斜面によって、光軸に対し特定角度以上の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ内に形成された反射膜で反射させて対応する受光画素に入射させることができ、このため光軸に対し所定角度以上の傾いた光を効率良く受光画素に入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【0008】
さらに、請求項2記載の発明は、被写体の画像を撮影レンズで固体撮像素子に結像させ、この結像された画像光を前記固体撮像素子の各受光画素で受光して電気信号に変換し、その出力信号を前記被写体の画像データとして形成する撮像装置において、
前記固体撮像素子の光入射側に、光軸にほぼ平行な光を前記受光画素に集光させる、ほぼ半球状に形成されたマイクロレンズの中心部に凹んだ状態で形成された集光レンズ部と、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を前記集光レンズ部の凹んだ部分の側面から取り込み、この取り込んだ光を前記マイクロレンズの半球状の球面内面に形成された反射膜での反射により前記受光画素に入射させる反射レンズ部とを有するマイクロレンズを前記受光画素に対応させて設けたことを特徴とする。したがって、この発明によれば、固体撮像素子の光入射側に受光画素と対応して設けられたマイクロレンズの集光レンズ部によって光軸にほぼ平行な光を受光画素に集光させることができ、またマイクロレンズの反射レンズ部によって光軸に対し所定角度以上の傾いた光を取り込んで反射により対応する受光画素に入射させることができるので、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を効率良く受光画素に入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1〜図4を参照して、この発明の撮像装置の第1実施形態について説明する。
図1は撮像装置の概略構成図である。この撮像装置は、被写体側から順に、撮影レンズ10、水晶フィルタ11、および固体撮像素子12が光軸O上に配置されている。
撮影レンズ10は、被写体の画像を固体撮像素子12に結像させるものであり、複数のレンズから構成されている。
固体撮像素子12は、被写体からの画像光を受光して電気信号に変換し、画像データとして出力するものであり、図2に示すように、受光画素12aがドットマトリックス状に配列され、各受光画素12aで得られた電荷をCCDなどの電荷転送部で転送するように構成されている。
【0010】
すなわち、この固体撮像素子12は、図3に示すように、半導体層13中に受光画素12aに相当する画素領域がドットマトリックス状に形成され、この受光画素12aの中央部分を除く受光画素12aの周辺部上および半導体層13上にポリシリコンからなる電極部14が形成されているとともに、この電極部14を覆って酸化シリコンからなる絶縁膜15が形成され、この絶縁膜15上にアルミニウムからなる遮光膜16が形成され、この遮光膜16の上面および受光画素12aの上面に酸化シリコンからなる透明な絶縁膜17が形成された構成になっている。
【0011】
そして、この固体撮像素子12の光入射面、つまり透明な絶縁膜17の表面には、各受光画素12aにそれぞれ対応してマイクロレンズ18〜20が形成されている。これらマイクロレンズ18〜20は、光軸Oから周辺側に向かうに従って形状が異なり、これらが大きく分けて3種類あり、図2に斜線で示すように、各種類ごとに光軸Oを中心とするほぼ同心円上に配列されている。
【0012】
すなわち、図2において固体撮像素子12の中心である光軸O上に位置するマイクロレンズ18は、図3に示すように、ほぼ半球状に形成され、光軸Oとほぼ平行な光が入射し、この入射光をこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に集光させるように構成されている。
また、図2において光軸Oと周辺部とのほぼ中間部分から光軸O側に位置するマクロレンズ19は、図3に示すように、光軸O側に傾斜面19aが形成されたほぼ半球状に形成され、光軸O側から中間部分側に向かうに従って傾斜面19aの傾斜角度θ1が次第に小さくなるように形成され、光軸Oに対し所定角度φ1以上でかつ特定角度φ2(>φ1)未満の傾いた光を傾斜面19aから取り込んで屈折によりこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に集光させるように構成されている。
【0013】
さらに、図2において中間部分よりも周辺側に位置するマイクロレンズ20は、図3に示すように、光軸O側に傾斜面20aが形成されたほぼ半球状に形成され、中間部分から周辺側に向かうに従って中間部分のマイクロレンズ19の傾斜面19aの傾斜角度θ1よりも更に傾斜面20aの傾斜角度θ2(<θ1)が次第に小さくなるように形成され、光軸Oに対し特定角度φ2以上の傾いた光を傾斜面20aから取り込み、この取り込んだ光を内部の球状面20bで反射してこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に入射させるように構成されている。
【0014】
この場合、光軸O上のマイクロレンズ18を除く、光軸O側から周辺側に位置するマイクロレンズ19、20の球状面19b、20bの各外面には、反射膜(図示せず)が設けられている。また、各マイクロレンズ18〜20のほぼ半球状とは、球面、または非球面の一部分の曲面形状をも含む形状のことである。
なお、水晶フィルタ11は、水晶の複屈折によって光線を2つに分光するものであり、分光された2つの光線をそれぞれ固体撮像素子12の異なる2つの受光画素12aに入射させることにより、画像の色データが得られるように構成されている。
【0015】
このような撮影装置では、図1に示すように、被写体の画像が撮像レンズ10によって水晶フィルタ11を介して固体撮像素子12に結像される際、光線が光軸Oから広がるように水晶フィルタ11を介して固体撮像素子12の光入射面に設けられた各マイクロレンズ18〜20に入射し、これら入射光が各マイクロレンズ18〜20によって図3に示すように固体撮像素子12の各受光画素12aにそれぞれ入射される。
【0016】
すなわち、光軸O上に位置するマイクロレンズ18では、ほぼ半球状に形成され、光軸Oとほぼ平行な光が入射するので、この入射光をこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に集光させることができる。
また、中間部分から光軸O側に位置するマクロレンズ19では、光軸O側に傾斜面19aが形成されたほぼ半球状に形成され、光軸O側から中間部分側に向かうに従って次第に傾斜面19aの傾斜角度θ1が小さくなるので、光軸Oに対し所定角度φ1以上でかつ特定角度φ2(>φ1)未満の傾いた光を傾斜面19aから取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ19の屈折によりこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に集光させることができる。
【0017】
さらに、中間部分よりも周辺側に位置するマイクロレンズ20では、光軸O側に傾斜面20aが形成されたほぼ半球状に形成され、中間部分から周辺側に向かうに従って中間部分のマイクロレンズ19の傾斜面19aの傾斜角度θ1よりも更に傾斜面20aの傾斜角度θ2(<θ1)が次第に小さくなるので、光軸Oに対し特定角度φ2以上の傾いた光を傾斜面20aから取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ20内の球状面20bで反射してこれに対応する受光画素12aのほぼ中心に入射させることができる。
【0018】
このように、この撮像装置では、光軸O上に位置するマイクロレンズ18によって、光軸Oとほぼ平行な光をこれに対応する受光画素12aに集光させることができ、また中間部分から光軸O側に位置するマクロレンズ19の傾斜面19aによって、光軸Oに対し所定角度φ1以上でかつ特定角度φ2(>φ1)未満の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ19の屈折によりこれに対応する受光画素12aに集光させることができ、さらに中間部分よりも周辺側に位置するマイクロレンズ20の傾斜面20aによって、光軸Oに対し特定角度φ2以上の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ20内の球状面20bで反射してこれに対応する受光画素12aに入射させることができるので、光軸Oに平行な光でも、また光軸Oに対し角度をもった光でも、効率良く受光画素12aに入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【0019】
この場合、マイクロレンズ19の球状面19bおよびマイクロレンズ20の球状面20bの各外面に反射膜が設けられているので、傾斜面19a、20aから取り込まれない不必要な光を反射膜で反射させて各マイクロレンズ19、20内に取り込むことがなく、このため良好な画像データを得ることができる。
【0020】
[第2実施形態]
次に、図5を参照して、この発明の撮像装置の第2実施形態について説明する。なお、図1〜図4に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この撮像装置は、固体撮像素子12の光入射面に形成されたマイクロレンズ25が異なる以外は第1実施形態と同様に構成されている。
【0021】
このマイクロレンズ25は、光軸Oにほぼ平行な光を受光画素12aに集光させる集光レンズ部25aと、光軸Oに対し所定角度φ1以上の傾いた光を取り込んで反射により受光画素12aに入射させる反射レンズ部25bとを有するものであり、固体撮像素子12の光入射面、つまり透明な絶縁膜17に受光画素12aと対応して一体に形成されている。すなわち、このマイクロレンズ25は、全てほぼ半球状の同じ形状に形成され、その中心部分に集光レンズ部25aが凹んだ状態で形成され、光軸Oに対し所定角度φ1以上の傾いた光を集光レンズ部25aの凹んだ部分25cの側面から反射レンズ部25b内に取り込み、この取り込んだ光を反射レンズ部25b内の球状面で反射させて対応する受光画素12aに入射させるように構成されている。
【0022】
このような撮像装置のマイクロレンズ25では、固体撮像素子12の光入射側に設けられたマイクロレンズ25の集光レンズ部25aによって光軸Oにほぼ平行な光を受光画素12aに集光させることができ、また光軸Oに対し所定角度φ1以上の傾いた光を集光レンズ部25aの凹んだ部分25cの側面から反射レンズ部25b内に取り込み、この取り込んだ光を反射レンズ部25b内の球状面で反射させて受光画素12aに入射させることができ、このため光軸Oに平行な光でも、また光軸Oに対し角度をもった光でも、効率良く受光画素12aに入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【0025】
【発明の効果】
また、請求項1記載の発明によれば、固体撮像素子の光入射側に受光画素と対応して設けられたマイクロレンズがそれぞれ傾斜面を有し、かつこの傾斜面の傾斜角度が光軸から周辺側に向かうに従って次第に小さくなるように形成されているので、光軸側に位置するマイクロレンズの傾斜面によって、撮影レンズからの画像光のうち、光軸に対し所定角度以上でかつ特定角度未満の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズの屈折により対応する受光画素に入射させることができ、また周辺側に位置するマイクロレンズの傾斜面によって、光軸に対し特定角度以上の傾いた光を取り込み、この取り込んだ光をマイクロレンズ内で反射させて対応する受光画素に入射させることができ、このため光軸に対し所定角度以上の傾いた光を効率良く受光画素に入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【0026】
さらに、請求項2記載の発明によれば、固体撮像素子の光入射側に受光画素と対応して設けられたマイクロレンズの集光レンズ部によって光軸にほぼ平行な光を受光画素に集光させることができ、またマイクロレンズの反射レンズ部によって光軸に対し所定角度以上の傾いた光を取り込んで反射により対応する受光画素に入射させることができるので、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を効率良く受光画素に入射させることができ、これにより光の入射効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の撮像装置の第1実施形態を示した概略構成図。
【図2】図1の固体撮像素子の概略正面図。
【図3】図2のA−A矢視における部分拡大断面図。
【図4】図3の周辺側のマイクロレンズにおける光路状態を示した拡大図。
【図5】この発明の撮像装置の第2実施形態におけるマイクロレンズの光路状態を示した拡大図。
【図6】従来の撮像装置におけるマイクロレンズの光路状態を示した拡大図。
【符号の説明】
10 撮影レンズ
12 固体撮像素子
12a 受光画素
18〜20、25 マイクロレンズ
19a、20a 傾斜面
19b、20b 球状面
25a 集光レンズ部
25b 反射レンズ部
25c 凹んだ部分
O 光軸
θ1、θ2 傾斜面の傾斜角度
φ1、φ2 光軸に対する光の傾き角度
Claims (2)
- 被写体の画像を撮影レンズで固体撮像素子に結像させ、この結像された画像光を前記固体撮像素子の各受光画素で受光して電気信号に変換し、その出力信号を前記被写体の画像データとして形成する撮像装置において、
前記固体撮像素子の光入射側に、前記撮影レンズからの画像光のうち、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を取り込む、ほぼ半球状の球面の一部に傾斜面を有するマイクロレンズを前記受光画素に対応させて設けるとともに、前記マイクロレンズは光軸から周辺側に向かうに従って次第に前記傾斜面の傾斜角度が小さくなるように形成され、光軸側に位置する前記マイクロレンズが、光軸に対し所定角度以上でかつ特定角度未満の傾いた光を前記傾斜面から取り込んで屈折により前記対応する受光画素に入射させ、また、周辺側に位置する前記マイクロレンズが、光軸に対し特定角度以上の傾いた光を前記傾斜面から取り込んで前記マイクロレンズの球状面の内面に形成された反射膜での反射により前記対応する受光画素に入射させることを特徴とする撮像装置。 - 被写体の画像を撮影レンズで固体撮像素子に結像させ、この結像された画像光を前記固体撮像素子の各受光画素で受光して電気信号に変換し、その出力信号を前記被写体の画像データとして形成する撮像装置において、
前記固体撮像素子の光入射側に、光軸にほぼ平行な光を前記受光画素に集光させる、ほぼ半球状に形成されたマイクロレンズの中心部に凹んだ状態で形成された集光レンズ部と、光軸に対し所定角度以上の傾いた光を前記集光レンズ部の凹んだ部分の側面から取り込み、この取り込んだ光を前記マイクロレンズの半球状の球面内面に形成された反射膜での反射により前記受光画素に入射させる反射レンズ部とを有するマイクロレンズを前記受光画素に対応させて設けたことを特徴とする撮像装置。
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