JP3972137B2 - 酸素濃縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、呼吸器疾患患者等に対して在宅酸素療法を行なうための酸素濃縮機に関し、特に空気中の窒素を吸着剤に吸着させて分離し、濃縮した酸素を含む製品ガスを取出す圧力変動吸着型(PSA)酸素濃縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PSA型酸素濃縮機は、空気中から窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を含む吸着室と、吸着室に空気を供給するコンプレッサと、吸着室から取出された酸素濃縮ガスを貯留するガス貯留手段と、ガス貯留手段から酸素濃縮ガスを取出すガス取出手段とを備える。
【0003】
酸素濃縮機からの製品ガス取出流量は、使用者によって適宜調節される。たとえば、1リットル/分で取出される場合もあれば、3リットル/分で取出される場合もある。
【0004】
従来から提供されている一般的な酸素濃縮機においては、製品ガスの最大取出流量に対応できるようにコンプレッサ能力を最大取出流量に合わせて設定していた。コンプレッサは、製品ガス取出流量の大小にかかわらず、設定された能力のままで連続運転される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように製品ガス取出流量が少ない場合(たとえば3リットル/分以下)においてもコンプレッサ能力は一定であるため、製品ガス取出流量が少ないときにはコンプレッサは過剰能力で運転されることになる。つまり、過剰電力が消費されたことになる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。この発明の目的は、酸素濃縮機の消費電力を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の酸素濃縮機は、1対の吸着室と、コンプレッサと、ガス取出手段と、空気供給停止手段と、減圧手段とを備える。1対の吸着室は、空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤を含む。コンプレッサは、1対の吸着室に空気を供給する。ガス取出手段は、1対の吸着室から酸素濃縮ガスを取出す。空気供給停止手段は、酸素濃縮ガスの取出量に応じて吸着室への空気供給を停止する。減圧手段は、空気供給停止手段により空気の供給が停止されたのに応じてコンプレッサ内を減圧する。
【0008】
上記のように空気供給停止手段を備えることにより、ガスの取出量が少ない場合に吸着室への空気供給を停止できる。このとき、減圧手段を備えることにより、空気の供給停止中にコンプレッサ内を減圧できる。それにより、コンプレッサを低負荷で運転でき、消費電力低減が図れる。
【0009】
請求項2に記載の酸素濃縮機では、上記減圧手段は、コンプレッサに接続され該コンプレッサ内の空気を排出するコンプレッサ排気弁を含む。
【0010】
このようにコンプレッサ排気弁を備えることにより、コンプレッサ内の空気をたとえば大気中に直接排出することができる。この場合には、コンプレッサを無負荷状態で運転でき、消費電力を大幅に低減することができる。
【0011】
請求項3に記載の酸素濃縮機では、上記減圧手段は、酸素濃縮ガスの取出量に応じてコンプレッサ排気弁を開く時間を制御するコンプレッサ排気弁開閉制御手段を備える。
【0012】
このコンプレッサ排気弁開閉制御手段を備えることにより、酸素濃縮ガス(製品ガス)の取出量に応じてコンプレッサ排気弁を開く時間を制御でき、より効果的に消費電力低減が図れる。
【0013】
請求項1に記載の酸素濃縮機は、コンプレッサと1対の吸着室とを結ぶガス流路を開閉する1対の入口弁と、1対の吸着室からガスを排出するガス流路を開閉する1対の排気弁とを備える。そして、上記減圧手段は、脱着工程後の一方の吸着室に通じるガス流路を開閉する一方の入口弁および排気弁を開く入口弁・排気弁開閉制御手段を含む。
【0014】
この入口弁・排気弁開閉制御手段により脱着工程後の吸着室側の入口弁および排気弁を開くことができ、それらを通してコンプレッサ内の空気を排出できる。つまり、上記入口弁および排気弁を減圧手段として使用することができる。この場合にも、コンプレッサを低負荷で運転でき、消費電力低減が図れる。なお、上記コンプレッサ排気弁と上記入口弁および排気弁を併用してもよく、この場合には効率的にコンプレッサ内を減圧でき、より一層の消費電力低減が図れる。
【0015】
請求項4に記載の酸素濃縮機は、コンプレッサと1対の吸着室とを結ぶ第1ガス流路と、1対の吸着室からガスを排出する第2ガス流路とを開閉する切換弁を備える。この切換弁は、吸着室への空気の供給を停止する空気供給停止弁を含む。このとき、上記減圧手段は、空気供給停止弁に設けられコンプレッサと第2ガス流路とを接続してコンプレッサ内の空気を排出するコンプレッサ排気通路を含む。
【0016】
このように切換弁が空気供給停止弁を含むことにより、切換弁を切換操作して吸着室への空気の供給を停止することができる。ここで、空気供給停止弁にコンプレッサ排気通路を設けることにより、このコンプレッサ排気通路を通してコンプレッサ内の空気を排出することができる。つまり、吸着室への空気の供給停止中に、コンプレッサ内を減圧できる。それにより、上述の場合と同様に、消費電力低減が図れる。
【0017】
請求項5に記載の酸素濃縮機は、減圧手段の作動時にコンプレッサに印加する電圧値を下げる電圧制御手段を備える。
【0018】
このように電圧制御手段を備えることにより、減圧手段の作動時にコンプレッサに印加する電圧値を下げることができる。それにより、さらに効果的に消費電力低減が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図18を用いて、この発明の実施の形態について説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における酸素濃縮機の概略構成図である。図1に示すように、酸素濃縮機は、コンプレッサ1と、第1吸着筒2と、第2吸着筒3と、アキュムレータタンク4と、入口弁5,6と、排気弁7,8と、加圧弁9と、チェック弁10と、コンプレッサ排気弁11とを備える。
【0021】
第1吸着筒2および第2吸着筒3は、それぞれ、空気中から窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を含む。コンプレッサ1は、モータによって駆動され空気を第1吸着筒2および第2吸着筒3に供給する。第1吸着筒2および第2吸着筒3から取出された酸素濃縮ガスは、アキュムレータタンク4に貯留される。このアキュムレータタンク4に貯留された酸素濃縮ガスは、図示していないガス取出手段によって製品ガス(酸素)として取出される。
【0022】
入口弁5および6は、それぞれ、コンプレッサ1と第1および第2吸着筒2,3を結ぶガス流路を開閉する。排気弁7および8は、それぞれ、第1および第2吸着筒2,3からガスを排出するガス流路を開閉する。加圧弁9は、第1吸着筒2と第2吸着筒3とを結ぶガス流路を開閉する。チェック弁10は、第1および第2吸着筒2,3から取出された所定圧のガスがアキュムレータタンク4へ向かって流れるのを許容するが、逆方向への流れを禁止する。
【0023】
コンプレッサ排気弁11は、コンプレッサ1と接続され、コンプレッサ1内の空気を外部に放出する。このコンプレッサ排気弁11を備えることにより、コンプレッサ1の運転中にコンプレッサ1内の空気を外部に排出することができ、コンプレッサ1を低負荷で運転できる。たとえば、コンプレッサ排気弁11を開くことによってコンプレッサ1を大気開放した場合には、コンプレッサ1を無負荷で運転でき、大幅な消費電力低減が図れる。
【0024】
次に、図2〜図5を用いて、上記の構成を有する酸素濃縮機の運転サイクルについて説明する。図2〜図5は、製品ガスの小流量時と大流量時における運転サイクルを示す図である。
【0025】
図2〜図5に示すように、製品ガスの大流量時と小流量時では運転サイクルが異なっている。より詳しくは、製品ガス流量が少ない場合にのみコンプレッサ1の負荷を低減する運転サイクルで酸素濃縮機1を運転している。
【0026】
以下、大流量時と小流量時の運転サイクルを6つのステップに分け、各ステップについて具体的に説明する。なお、本発明の特徴である小流量時の運転サイクルを主として説明し、大流量時の運転サイクルについては小流量時のものと異なる場合にのみ言及する。
【0027】
〈ステップ▲1▼〉
図2と図4に示すように、入口弁5および加圧弁9を開き、それ以外の弁を閉じる。それにより、コンプレッサ1から供給される空気は、入口弁5を通って第1吸着筒2内に供給される。このとき、第2吸着筒3から取出される酸素濃縮ガスはチェック弁10を通ってアキュムレータタンク4へ送られるとともに、加圧弁9を通って第1吸着筒2にも送られる。
【0028】
〈ステップ▲2▼〉
図2と図4に示すように、入口弁5および排気弁8を開き、それ以外の弁を閉じる。この段階で、第1吸着筒2内において窒素を吸着剤に吸着させる。第1吸着筒2から取出される酸素濃縮ガスは、チェック弁10を通ってアキュムレータタンク4に送られる。一方、第2吸着筒3内の窒素リッチのガスは排気弁8を通って減圧排気される。
【0029】
〈ステップ▲3▼〉
図2と図4に示すように、入口弁6、排気弁8およびコンプレッサ排気弁11を開き、他の弁を閉じる。それにより、第1吸着筒2への空気供給が停止され、同時にコンプレッサ1内が減圧される。その結果、コンプレッサ1は、低負荷で運転されることとなる。また、コンプレッサ1内の空気は、入口弁6、脱着工程後の吸着筒3および排気弁8を通して排出される。そのため、効率的にコンプレッサ1内の空気を排出でき、コンプレッサ1内を早期に減圧できる。なお、図4に示すように、入口弁6を閉じてもよい。この場合には、コンプレッサ排気弁11からのみコンプレッサ1内の空気が排出される。
【0030】
一方、大流量時には、図3と図5に示すように、入口弁5および加圧弁9を開き、他の弁を閉じる。それにより、第1吸着筒2から取出される酸素濃縮ガスはアキュムレータタンク4へ送られるとともに、加圧弁9を通って第2吸着筒3へ送られる。
【0031】
〈ステップ▲4▼〉
図2と図4に示すように、入口弁6および加圧弁9を開き、他の弁を閉じる。第1吸着筒2から取出される酸素濃縮ガスはアキュムレータタンク4へ送られると同時に、加圧弁9を通って第2吸着筒3へも送られる。第2吸着筒3へは、入口弁6を通して空気が供給される。
【0032】
〈ステップ▲5▼〉
図2と図4に示すように入口弁6および排気弁7を開き、他の弁を閉じる。それにより、第1吸着筒2内の窒素リッチのガスを排気弁7を通して減圧排気し、第2吸着筒3から酸素濃縮ガスをチェック弁10を通してアキュムレータタンク4へ送る。
【0033】
〈ステップ▲6▼〉
図2と図4に示すように、入口弁5、排気弁7およびコンプレッサ排気弁11を開き、他の弁を閉じる。それにより、ステップ▲3▼の場合と同様にコンプレッサ1の低負荷運転を行なえる。このステップ▲6▼の場合でも、ステップ▲3▼における入口弁6の場合と同様に、入口弁5を閉じてもよい。
【0034】
一方、大流量時には、図3と図5に示すように、入口弁6および加圧弁9を開き、他の弁を閉じる。それにより、第2吸着筒3から酸素濃縮ガスをアキュムレータタンク4へ送るとともに、加圧弁9を通して第1吸着筒2へも送る。
【0035】
図6と図7に、上述の運転サイクルに従って酸素濃縮機を運転した場合の第1および第2吸着筒2,3内とコンプレッサ1内の圧力変化を示す。
【0036】
図6に示すように、コンプレッサ1の直接排気を行なうことにより、コンプレッサ1内の圧力が減じられているのがわかる。このコンプレッサ1の直接排気は、図6に示すように、吸着・脱着サイクルの1/2サイクルに1回の割合で行なう。また、直接排気時間は、製品ガス流量に応じて適宜調整する。この直接排気時間を長くすることにより、低負荷でのコンプレッサ1の運転時間を長くでき、消費電力を大幅に低減できる。
【0037】
ここで、下記の表1に運転サイクル別の消費電力例を示す。なお、表1には、後述する5方弁を備える場合も併記する。
【0038】
【表1】
【0039】
直接排気を行なわない従来方式では、製品酸素流量を5リットル/分から3リットル/分に変更しても消費電力はほとんど変わらないが、コンプレッサ1の直接排気を行なうことにより、消費電力を大幅に低減できることがわかる。
【0040】
図8は、上述の酸素濃縮機の制御方法のフローチャートを示している。起動時には、酸素濃縮機は初期設定条件で運転される(S1)。取出す製品ガス中の酸素濃度を短時間で設定値にまで上昇させるために、起動時にコンプレッサ能力は最大に設定する。
【0041】
製品ガス取出流量が決定されると、その取出流量に応じた運転サイクルが決定される(S2,S3)。
【0042】
製品ガス取出流量が5リットル/分〜3リットル/分の場合には大流量とみなし、3リットル/分以下の場合には小流量とみなして各流量に応じた運転サイクルが選択される。大流量時には、図5に示す運転サイクルに従って入口弁5,6および排気弁7,8を開閉制御する(S5)。小流量時には、製品ガス取出流量に応じてコンプレッサ直接排気時間を決定し(S4)、それに応じて入口弁5,6、排気弁7,8およびコンプレッサ排気弁11を図4に示すように開閉制御する(S5,S6)。
【0043】
コンプレッサ排気弁11を開いてコンプレッサ1の低負荷運転を行なう際には、コンプレッサ1に印加する電圧値を一時的に下げるように制御してもよい(S7)。それにより、より一層の消費電力低減が図れる。
【0044】
その後、製品ガス取出流量の設定が変更されれば(S8)、それに応じた運転サイクルが決定される。なお、製品ガス取出流量を増加する方向へ切換えた場合には、一旦最大流量の運転サイクルにて任意の時間運転し、その後製品ガス取出流量に応じた運転サイクルに戻す。
【0045】
次に、図9を用いて、本実施の形態1における酸素濃縮機の特徴的構成について総括する。図9は、本実施の形態1における酸素濃縮機の特徴的構成を示すブロック図である。
【0046】
図9を参照して、本実施の形態1における酸素濃縮機は、ガス取出手段(図示せず)を介して取出される製品ガスの流量を決定する製品ガス取出流量決定手段20と、製品ガス取出流量に応じて運転サイクルを決定する運転サイクル決定手段23と、製品ガス取出流量に応じてコンプレッサ1からの空気の直接排気時間を決定するコンプレッサ直接排気時間決定手段24と、入口弁5,6および排気弁7,8を開閉制御する入口弁・排気弁開閉制御手段25と、コンプレッサ1内を減圧する第1減圧手段27aおよび第2減圧手段27bと、コンプレッサ1へ印加する電圧値を制御する電圧制御手段29とを備える。
【0047】
製品ガス取出流量決定手段20は、取出流量入力手段21と、流量調整手段22とを含む。また、入口弁・排気弁開閉制御手段25は、空気供給停止手段26と第2減圧手段27bとを備える。空気供給停止手段26は、入口弁5あるいは6の少なくとも一方により構成され、第1あるいは第2吸着筒2,3へのコンプレッサ1からの空気供給を停止する。この空気供給停止手段26は、コンプレッサ直接排気時間決定手段24と接続され、それにより決定された時間だけ空気供給を停止する。
【0048】
第2減圧手段27bは、コンプレッサ1内の圧力を減じるためのものであり、脱着工程後の第1あるいは第2吸着筒2,3に接続される入口弁5,6および排気弁7,8により構成される。この入口弁5,6および排気弁7,8を通して、第1あるいは第2吸着筒2,3への空気供給停止中にコンプレッサ1内の空気を外部に排出できる。
【0049】
第1減圧手段27aは、コンプレッサ排気弁11と、このコンプレッサ排気弁11の開閉制御を行なうコンプレッサ排気弁開閉制御手段28とを含む。この第1減圧手段27aは、空気供給停止手段26およびコンプレッサ直接排気時間決定手段24に接続され、第1あるいは第2吸着筒2,3への空気供給停止中にコンプレッサ排気弁11を製品ガス取出流量に応じた時間だけ開き、コンプレッサ1内の空気を外部に排出する。それにより、コンプレッサ1内を減圧する。
【0050】
第1、第2減圧手段27a,27bには電圧制御手段29が接続される。それにより、第1あるいは第2減圧手段27a,27bの作動中にコンプレッサ1に印加する電圧値を下げることができる。
【0051】
なお、第1と第2減圧手段27a,27bを双方とも使用することが好ましいが、いずれか一方のみを使用してもよい。また、本実施の形態1では、減圧手段として入口弁・排気弁開閉制御手段25およびコンプレッサ排気弁11等を挙げたが、コンプレッサ1内を減圧できるものであれば他の手段を用いてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
次に、図10〜図16を用いて、この発明の実施の形態2について説明する。図10は、本実施の形態2における酸素濃縮機の概略構成を示す図である。
【0053】
図10に示すように、本実施の形態2では、第1および第2吸着筒2,3とコンプレッサ1間に5方弁(5ポート3位置切換弁)12を設けている。5方弁12は、中央部に空気供給停止弁12aを有する。それ以外の構成に関しては図1と同様である。
【0054】
次に、図11と図12とを用いて、製品ガスの小流量時における運転サイクルについて説明する。本実施の形態2では、小流量時に運転サイクルを4つのステップに分けている。
【0055】
〈ステップ▲1▼〉
図11と図12に示すように、5方弁12の1側を開き他の弁を閉じる。それにより、第1吸着筒2内へ空気が供給され、第2吸着筒3からガスが排気される。製品ガスは、第1吸着筒2からチェック弁10を通してアキュムレータタンク4へ送られる。
【0056】
〈ステップ▲2▼〉
次に、5方弁12の位置を切換え、空気供給停止弁12aをガス流路内に配置する。それにより、コンプレッサ1から第1および第2吸着筒2,3への空気の供給が停止される。この状態で、コンプレッサ排気弁11を開く。それにより、コンプレッサ1の低負荷運転を行なえる。
【0057】
〈ステップ▲3▼〉
5方弁12をさらに切換え、2側をガス流路内に配置し、他の弁を閉じる。それにより、第1吸着筒2の排気を行なうとともに第2吸着筒3への空気の供給を行なう。製品ガスは、第2吸着筒3からチェック弁10を通してアキュムレータタンク4へ送られる。
【0058】
〈ステップ▲4▼〉
ステップ▲2▼の場合と同様に空気供給停止弁12aをガス流路内に配置し、コンプレッサ排気弁11を開き、他の弁を閉じる。それにより、ステップ▲2▼の場合と同様に、コンプレッサ1の低負荷運転を行なえる。
【0059】
図13に大流量時の運転サイクル例を示す。この大流量時における運転サイクルは、実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。
【0060】
図14と図15に、本実施の形態2における大流量時と小流量時の第1および第2吸着筒2,3内とコンプレッサ1内の圧力変化を示す。
【0061】
図14に示すように、実施の形態1の場合と同様に、1/2サイクルに1回のコンプレッサ1の直接排気を行なっている。それにより、実施の形態1の場合と同様に、消費電力低減が図れる。
【0062】
次に、図16を用いて、本実施の形態2における酸素濃縮機の特徴的な構成について総括する。図16に示すように、本実施の形態2における酸素濃縮機は、切換弁である5方弁12と、5方弁12の位置の切換制御を行なう5方弁位置切換手段30を備えている。5方弁位置切換手段30は、空気供給停止手段26を含む。図10に示す5方弁12における空気供給停止弁12aが、空気供給停止手段26として機能する。それ以外の構成に関しては図9に示す実施の形態1の場合と同様である。
【0063】
(実施の形態3)
次に、図17と図18とを用いて、この発明の実施の形態3について説明する。図17は、この発明の実施の形態3における酸素濃縮機の概略構成を示す図である。
【0064】
図17に示すように、本実施の形態3では、空気供給停止弁12a内に、コンプレッサ1と排気用ガス流路とを接続するコンプレッサ排気流路13が設けられている。そして、コンプレッサ排気弁11を設けていない。それ以外の構成に関しては実施の形態2の場合と同様である。
【0065】
上記のようにコンプレッサ排気流路13を設けることにより、ガス流路内に空気供給停止弁12aを配置した際に、コンプレッサ排気流路13を通してコンプレッサ1内の空気を直接外部に排出することができる。それにより、実施の形態1および2の場合と同様の効果が期待できる。
【0066】
なお、図17に示す酸素濃縮機にコンプレッサ排気弁11を接続してもよく、このコンプレッサ排気弁11とコンプレッサ排気流路13とを併用することにより、効率的にコンプレッサ1内を減圧できる。
【0067】
次に、図18を用いて、本実施の形態3における酸素濃縮機の特徴的構成について総括する。
【0068】
図18に示すように、本実施の形態3における酸素濃縮機は、コンプレッサ排気流路接続手段31と、5方弁12内に設けられ減圧手段として機能するコンプレッサ排気流路13とを備え、コンプレッサ排気弁11およびコンプレッサ排気弁開閉制御手段28が設けられていない。それ以外の構成に関しては図16に示す実施の形態2の場合と同様である。
【0069】
コンプレッサ排気流路接続手段31は、コンプレッサ排気流路13を、コンプレッサ1および排気用ガス流路に接続するためのものである。このコンプレッサ排気流路接続手段31によってコンプレッサ1と排気用ガス流路とを接続でき、第1あるいは第2吸着筒2,3への空気供給停止中にコンプレッサ1内の空気を外部に排出することができる。それにより、コンプレッサ1内を減圧でき、消費電力低減が図れる。
【0070】
以上のようにこの発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の酸素濃縮機によれば、製品ガス取出量が少ない場合に吸着室への空気供給を一旦停止し、それに応じてコンプレッサ内を減圧手段により減圧できる。それにより、コンプレッサを低負荷で運転でき、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における酸素濃縮機の概略構成図である。
【図2】小流量時における加圧/排気サイクルを示す図である。
【図3】大流量時における加圧/排気サイクルを示す図である。
【図4】小流量時の運転サイクルを示す図である。
【図5】大流量時の運転サイクルを示す図である。
【図6】小流量時における第1吸着筒、第2吸着筒およびコンプレッサの圧力変化を示す図である。
【図7】大流量時の第1および第2吸着筒の圧力変化を示す図である。
【図8】この発明の制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1における酸素濃縮機のブロック図である。
【図10】実施の形態2における酸素濃縮機の概略構成図である。
【図11】小流量時の加圧/排気サイクルを示す図である。
【図12】小流量時の運転サイクルを示す図である。
【図13】大流量時の運転サイクルを示す図である。
【図14】小流量時の第1吸着筒、第2吸着筒およびコンプレッサ内の圧力変化を示す図である。
【図15】大流量時の第1および第2吸着筒の圧力変化を示す図である。
【図16】実施の形態2における酸素濃縮機のブロック図である。
【図17】実施の形態3における酸素濃縮機の概略構成図である。
【図18】実施の形態3における酸素濃縮機のブロック図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 第1吸着筒
3 第2吸着筒
5,6 入口弁
7,8 排気弁
11 コンプレッサ排気弁
12 5方弁(5ポート3位置切換弁)
12a 空気供給停止弁
13 コンプレッサ排気流路
25 入口弁・排気弁開閉制御手段
26 空気供給停止手段
27 減圧手段
27a 第1減圧手段
27b 第2減圧手段
28 コンプレッサ排気弁開閉制御手段
29 電圧制御手段
Claims (5)
- 空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤を含む1対の吸着室(2,3)と、
前記1対の吸着室(2,3)に空気を供給するコンプレッサ(1)と、
前記1対の吸着室(2,3)から酸素濃縮ガスを取出すガス取出手段と、
前記酸素濃縮ガスの取出量に応じて前記吸着室(2,3)への空気供給を停止する空気供給停止手段(26)と、
前記空気供給停止手段(26)により空気の供給が停止されたのに応じて前記コンプレッサ(1)内を減圧する減圧手段(27,27a,27b)と、
前記コンプレッサ(1)と前記1対の吸着室(2,3)とを結ぶガス流路を開閉する1対の入口弁(5,6)と、
前記1対の吸着室(2,3)からガスを排出するガス流路を開閉する1対の排気弁(7,8)とを備え、
前記減圧手段(27b)は、脱着工程後の一方の前記吸着室(3)に通じるガス流路を開閉する一方の前記入口弁(6)および前記排気弁(8)を開く入口弁・排気弁開閉制御手段(25)を含む、酸素濃縮機。 - 前記減圧手段(27,27a)は、前記コンプレッサ(1)に接続され該コンプレッサ(1)内の空気を排出するコンプレッサ排気弁(11)を含む、請求項1に記載の酸素濃縮機。
- 前記減圧手段(27,27a)は、前記酸素濃縮ガスの取出量に応じて前記コンプレッサ排気弁(11)を開く時間を制御するコンプレッサ排気弁開閉制御手段(28)を備える、請求項2に記載の酸素濃縮機。
- 空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤を含む1対の吸着室(2,3)と、
前記1対の吸着室(2,3)に空気を供給するコンプレッサ(1)と、
前記1対の吸着室(2,3)から酸素濃縮ガスを取出すガス取出手段と、
前記酸素濃縮ガスの取出量に応じて前記吸着室(2,3)への空気供給を停止する空気供給停止手段(26)と、
前記空気供給停止手段(26)により空気の供給が停止されたのに応じて前記コンプレッサ(1)内を減圧する減圧手段(27,27a,27b)と、
前記コンプレッサ(1)と前記1対の吸着室(2,3)とを結ぶ第1ガス流路と、前記1対の吸着室(2,3)からガスを排出する第2ガス流路とを開閉する切換弁(12)とを備え、
前記切換弁(12)は、前記吸着室(2,3)への空気の供給を停止する空気供給停止弁(12a)を含み、
前記減圧手段(27)は、前記空気供給停止弁(12a)に設けられ前記コンプレッサ(1)と前記第2ガス流路とを接続して前記コンプレッサ(1)内の空気を排出するコンプレッサ排気通路(13)を含む、酸素濃縮機。 - 前記減圧手段(27,27a,27b)の作動時に前記コンプレッサ(1)に印加する電圧値を下げる電圧制御手段(29)を備える、請求項1から4のいずれかに記載の酸素濃縮機。
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