JP3971200B2 - 軸受構造及びポンプ - Google Patents
軸受構造及びポンプ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3971200B2 JP3971200B2 JP2002040256A JP2002040256A JP3971200B2 JP 3971200 B2 JP3971200 B2 JP 3971200B2 JP 2002040256 A JP2002040256 A JP 2002040256A JP 2002040256 A JP2002040256 A JP 2002040256A JP 3971200 B2 JP3971200 B2 JP 3971200B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- wave washer
- load
- cylindrical
- shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C25/00—Bearings for exclusively rotary movement adjustable for wear or play
- F16C25/06—Ball or roller bearings
- F16C25/08—Ball or roller bearings self-adjusting
- F16C25/083—Ball or roller bearings self-adjusting with resilient means acting axially on a race ring to preload the bearing
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60T—VEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
- B60T8/32—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
- B60T8/34—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
- B60T8/40—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition comprising an additional fluid circuit including fluid pressurising means for modifying the pressure of the braking fluid, e.g. including wheel driven pumps for detecting a speed condition, or pumps which are controlled by means independent of the braking system
- B60T8/4031—Pump units characterised by their construction or mounting
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B1/00—Multi-cylinder machines or pumps characterised by number or arrangement of cylinders
- F04B1/04—Multi-cylinder machines or pumps characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders in star- or fan-arrangement
- F04B1/0404—Details or component parts
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B17/00—Pumps characterised by combination with, or adaptation to, specific driving engines or motors
- F04B17/03—Pumps characterised by combination with, or adaptation to, specific driving engines or motors driven by electric motors
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B53/00—Component parts, details or accessories not provided for in, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B23/00 or F04B39/00 - F04B47/00
- F04B53/006—Crankshafts
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Fluid Mechanics (AREA)
- Transportation (AREA)
- Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
- Support Of The Bearing (AREA)
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
- Reciprocating Pumps (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変動荷重を受ける軸を回転可能に支持する軸受構造及びこれを用いたポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許第3078578号公報には、1対のピストンを偏心部の周りに対向配置させた軸を回転させることにより、1対のピストンを摺動させ、各ピストンにより区画される液室の容積を変えて、流体を吸入及び送出する電動ポンプが開示されている。この電動ポンプの軸は、回転することにより1対のピストンを稼動させているが、その反作用により1対のピストンから交互に荷重を受ける。このため、その軸を支持している軸受にも交互に荷重が加わる。
【0003】
一般に、軸受が支持されているポンプのハウジングと軸受との間に僅かでも隙間があると、加わった荷重の方向に軸受が隙間分だけ移動し、ハウジングに衝突する。特に、上述したように対向する方向から交互に荷重が加わる場合には、軸受とハウジングとの衝突が繰り返されるため、これに起因して騒音や振動が発生する。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、従来は、軸受をハウジングに組み付けた後、軸受とハウジングとの間に樹脂を注入したり、かしめや圧入などの組み付け加工を行って軸受又はハウジングに全周から力を加えたりして、軸受とハウジングとの間の隙間を完全になくすことが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の場合には、樹脂を注入及び硬化させる製造工程を増やさなければならないとともに、ハウジングの中央部に軸受が位置している場合には、ハウジングの外部からその軸受にまで樹脂を注入するための注入経路を設ける必要があった。また、後者の場合には、力を加えることにより軸受が変形し、軸受がスムーズに回転しなくなり、軸に無理な力が加わることがあった。そこで、後者の場合には、隙間をなくすとともに軸受が変形しない程度の厳密な寸法でかしめ又は圧入しなければならず、組付条件が厳しく、歩留まりが悪くなっていた。従って、いずれの場合にも騒音や振動を抑えるために製造コストが上昇していた。
【0006】
本発明は、軸受の衝突による騒音や振動の抑制を安価に行うことができる軸受構造及びポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、変動荷重を受ける軸を、円筒形軸受収容部に収容された軸受で支持する軸受構造であって、前記軸受が前記円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接されるように、前記軸受が前記変動荷重によって変位する方向とは異なる方向に前記軸受を付勢する付勢手段を設けるとともに、前記軸には、同一線上で相反する方向に変動荷重が作用し、前記付勢手段は、前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する径方向から付勢することを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軸受構造において、前記付勢手段は、前記軸の軸線方向位置を決める位置決め手段に一体形成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の軸受構造において、前記位置決め手段は、波形の断面形状を有したリング状板部からなるウェーブワッシャであり、前記付勢手段は、前記リング状板部の軸線方向に突出しその軸中心に向かって付勢力を発生できる突出部であることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、電動モータの回転軸と、この回転軸に形成された偏心部の周りに対向配置され、前記回転軸の回転に伴う偏心部の偏心回転により往復動される1対のピストンと、円筒形軸受収容部に収容されて前記回転軸を支持する軸受とを有するポンプにおいて、前記軸受を前記ピストンの延在方向と直交する径方向に付勢する付勢手段を設けたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、変動荷重を受ける軸を、円筒形軸受収容部に収容された軸受で支持する軸受構造であって、前記軸受が前記円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接されるように、前記軸受が前記変動荷重によって変位する方向とは異なる方向に前記軸受を付勢する付勢手段を設け、前記付勢手段は、前記円筒形軸受収容部と係合して周方向の位置決めをする係合手段を有し、前記軸受に対して周方向に異なる荷重にて軸線方向に付勢することで該軸受を介して前記軸の軸線方向位置を決める位置決め手段として機能し、径方向に互いに対向する軸対称位置にそれぞれ最小となる板幅を有する部分と最大となる板幅を有する部分とが設けられることによって径方向の板幅が周方向に不均一となっているウェーブワッシャよりなることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の軸受構造において、前記突出部は、前記ウェーブワッシャの外周縁の一部分が延出された基板と該基板の先端が折り返されることによって同基板に対して撓む弾性片とを有したバネ部材であり、前記基板が、前記円筒形軸受収容部の軸方向内周において前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する位置に形成された溝に嵌合されることにより前記ウェーブワッシャの周方向の位置決めが行われることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のポンプにおいて、前記付勢手段は、前記ピストンを摺動可能に収容するピストン収容孔の軸心と直交する位置にて前記円筒形軸受収容部の内周に係合する係合手段を有しており、該係合手段により前記付勢手段が前記円筒形軸受収容部に対し周方向に位置決めされていることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の軸受構造において、前記係合手段は、ウェーブワッシャの板幅が最大となる部分の外周縁において径方向に突出する突起であり、該突起が前記円筒形軸受収容部の軸方向内周において前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する位置に形成された溝に係止されることにより前記ウェーブワッシャの周方向の位置決めが行われることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、軸受は、円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接しているため、軸受と円筒形軸受収容部との間に隙間があっても、軸受が円筒形軸受収容部の内周面から完全に離れることがなく、すなわち軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがない。例えば、変動荷重によって軸が変位する方向とは異なる径方向に前記軸受を付勢したとする。このとき、軸受が支持する軸が変動荷重を受けることにより軸受が変位しようとする場合にあっても、軸受は円筒形軸受収容部の内周面から離れることなく、すなわち軸受は内周面を転動して変位することになる。従って、組み付け精度を厳密にせずとも、軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがないので、容易な組み付けで、軸受の衝突による騒音や振動を抑えることができる。また、付勢手段は、軸受を円筒形軸受収容部の内周面のどこか一部に常に圧接させる程度の付勢力を、軸受が変位する方向とは異なる方向に付勢すればよいので、軸受を変位させる力が大きくても、この力に真っ正面から対向する付勢力は不要であり、付勢手段の付勢力は小さくてよい。そのため、付勢手段を簡単な構造のものや簡単に配置可能なものとすることができ、従来の構造に、容易に付勢手段を追加して、騒音や振動を抑制することができる。従って、容易な組み付けや容易な付勢手段の追加により、安価に騒音や振動の抑制を行い得る。
【0017】
また、軸受は同一線上で相反する方向に作用する変動荷重によって軸が撓むため、この撓みによって前記同一線上と平行な方向に軸受が変位する。このときの変動荷重が大きく、軸受が大きな力で変位させられても、軸受はその変位方向とは直交する径方向から付勢手段により付勢されている。従って、付勢手段は、変動荷重に対向する付勢力をほとんど発生させる必要がなく、軸受を円筒形軸受収容部の内周面のどこか一部に常に圧接する程度の小さな付勢力を発生するだけでよい。従って、付勢手段をより簡単な構造や配置が容易なものにすることができ、安価で、騒音や振動を抑制することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、前記付勢手段は、前記軸の軸線方向位置を決める位置決め手段に一体形成されているので、部品点数を増やすことなく、すなわち組み付け工程を増やすことなく、容易な組み付けで、付勢手段を設けることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、従来のウェーブワッシャの一部に、簡単な構成の突出部を設けるという簡単な設計変更をするだけで、軸受を付勢する付勢手段を一体形成することができる。従って、組み付け工程を増やすことなく、騒音や振動を低減する軸受に適したウェーブワッシャを安価に得ることができる。
特に、請求項6に記載の発明のように、ウェーブワッシャの周方向の位置決めが行われる場合、軸受に対する付勢手段の軸線方向の荷重は周方向に所定の分布を保ち、軸受の傾き方向即ち円筒形軸受収容部との圧接部の移動が抑制される。このため、軸受の傾き方向を、軸の変動荷重による軸受の変位をより抑制しやすい方向に保つようにすることで、軸受の拘束をより確実に行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、軸受は、円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接しているため、軸受と円筒形軸受収容部との間に隙間があっても、軸受が円筒形軸受収容部の内周面から完全に離れることがなく、すなわち軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがない。例えば、変動荷重によって軸が変位する方向とは異なる径方向に前記軸受を付勢したとする。このとき、軸受が支持する軸が変動荷重を受けることにより軸受が変位しようとする場合にあっても、軸受は円筒形軸受収容部の内周面から離れることなく、すなわち軸受は内周面を転動して変位することになる。従って、組み付け精度を厳密にせずとも、軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがないので、容易な組み付けで、軸受の衝突による騒音や振動を抑えることができる。また、付勢手段は、軸受を円筒形軸受収容部の内周面のどこか一部に常に圧接させる程度の付勢力を、軸受が変位する方向とは異なる方向に付勢すればよいので、軸受を変位させる力が大きくても、この力に真っ正面から対向する付勢力は不要であり、付勢手段の付勢力は小さくてよい。そのため、付勢手段を簡単な構造のものや簡単に配置可能なものとすることができ、従来の構造に、容易に付勢手段を追加して、騒音や振動を抑制することができる。従って、容易な組み付けや容易な付勢手段の追加により、安価に騒音や振動の抑制を行い得る。
また、付勢手段は、径方向に互いに対向する軸対称位置にそれぞれ最小となる板幅を有する部分と最大となる板幅を有する部分とが設けられることによって径方向の板幅が周方向に不均一となっているウェーブワッシャよりなり、前記軸受に対して周方向に異なる荷重にて軸線方向に付勢する。このため、軸受は円筒形軸受収容部との隙間の範囲で傾いて、すなわち円筒形軸受収容部の軸線方向に対して傾いた軸線方向を有して同円筒形軸受収容部に収容される。この軸受の傾きにより、軸受外周面の軸線方向一側の一部及びこれと略軸対称となる軸線方向他側の一部がそれぞれ円筒形軸受収容部の内周面の一部に常に圧接される。これにより、上記円筒形軸受収容部内において軸受の径方向の移動が拘束される。従って、組み付け精度を厳密にせずとも、軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがないので、容易な組み付けで、軸受の衝突による騒音や振動を抑えることができる。
【0021】
また、前記付勢手段は、前記円筒形軸受収容部と係合して周方向の位置決めをする係合手段を有している。従って、軸受に対する付勢手段の軸線方向の荷重は周方向に所定の分布を保ち、軸受の傾き方向即ち円筒形軸受収容部との圧接部の移動が抑制される。このため、軸受の傾き方向を、軸の変動荷重による軸受の変位をより抑制しやすい方向に保つようにすることで、軸受の拘束をより確実に行うことができる。なお、前記係合手段としては、請求項8に記載の発明のように、ウェーブワッシャの板幅が最大となる部分の外周縁において径方向に突出する突起とすることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、回転軸が1対のピストンにより押圧されて撓み軸受が変位しようとすると、付勢手段の付勢力により、軸受は円筒形軸受収容部のどこか一部に当接した状態を保ちつつ変位しようとする。すなわち、軸受は円筒形軸受収容部を転動して移動するため、軸受が円筒形軸受収容部に衝突することがない。従って、組み付けを容易とするために、軸受と円筒形軸受収容部との間に隙間があっても、騒音や振動をほとんど発生することがない。また、付勢手段は1対のピストンの延在方向に対して直交する径方向に付勢するため、ピストンの押圧に起因する軸受を変動させるピストンの延在方向からの力が大きくても、この力に対向するような付勢力は必要がなく、小さな付勢力を発生させるだけでよい。すなわち、より簡単な構造や配置が容易な付勢手段を用いることができる。従って、騒音や振動を抑えても、組み付けが容易で、簡単な付勢手段が用いることができるので、安価なポンプとすることができる。
請求項7に記載の発明によれば、付勢手段は、ピストンを摺動可能に収容するピストン収容孔の軸心と直交する位置にて円筒形軸受収容部の内周に係合する係合手段を有している。従って、軸受に対する付勢手段の軸線方向の荷重は周方向に所定の分布を保ち、軸受の傾き方向即ち円筒形軸受収容部との圧接部の移動が抑制される。このため、軸受の傾き方向を、軸の変動荷重による軸受の変位をより抑制しやすい方向に保つようにすることで、軸受の拘束をより確実に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をポンプに具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0026】
図2において、ポンプ10は、ポンプ本体11に連結固定された電動モータとしての直流モータMにて駆動される。ポンプ本体11には、その中央部に大径の第1軸受孔12が凹設されている。第1軸受孔12の底部には、収容孔13が凹設され、その収容孔13の底部には、円筒形軸受収容部としての第2軸受孔14が凹設されている。
【0027】
前記収容孔13の内周壁の相対向する位置には、図1に示すように、第1及び第2ピストン収容孔15,16が左右方向(図2においては、紙面と直交する方向)に形成されている。第1及び第2ピストン収容孔15,16は、公知の第1及び第2ピストン17,18が摺動可能に収容され、これら第1及び第2ピストン17,18にて液室19,20が区画されている。液室19,20には、バネ21,22が配設されていて、バネ21,22によって第1及び第2ピストン17,18が収容孔13の軸心方向D,Eに常に押圧されるようになっている。
【0028】
前記第2軸受孔14の内周壁には、溝14aが軸線方向に形成されている。詳述すると、軸線方向に形成された溝14aは、第1及び第2ピストン収容孔15,16の軸心と直交する位置(図2においては、左側)に形成されている。
【0029】
直流モータMは、そのモータケースを構成するモータハウジング23とエンドフレーム24とがボルト25によりポンプ本体11に連結固定されている。そして、直流モータMの回転軸26の上部は、モータハウジング23に支持されたベアリング27にて回転可能に支持されている。直流モータMの回転軸26の下部は、エンドフレーム24から突出し、前記第1軸受孔12及び収容孔13を介して前記第2軸受孔14にまで延びている。
【0030】
直流モータMの回転軸26の下部は、中径部26aが前記第1軸受孔12に位置するように、偏心部26bが前記収容孔13に位置するように及び小径部26cが前記第2軸受孔14に位置するように形成されている。
【0031】
前記中径部26aは、回転軸26と同一軸心Gの軸部であって、前記第1軸受孔12に配設されたベアリング28により回転可能に支持されている。このベアリング28は、前記エンドフレーム24の中央部を折り曲げて形成した円筒状の固定筒24aを同ベアリング28のアウタレースと第1軸受孔12の内周壁との間に介在させることにより、ポンプ本体11に対して固定される。
【0032】
前記偏心部26bは、回転軸26の軸心Gと異なる軸心Hの軸部である。従って、偏心部26bは、回転軸26が回転すると偏心運動しながら回転する。偏心部26bには、ベアリング29が固着されている。従って、ベアリング29は偏心部26bとともに偏心運動しながら回転することになる。ベアリング29のアウタレースには、図1に示すように、前記第1及び第2ピストン17,18がバネ21,22によって摺接可能に押圧されている。従って、ベアリング29の偏心運動によって、第1及び第2ピストン17,18は、それぞれバネ21,22の弾性力に抗して図1において左右方向に往復運動、即ちピストン運動するようになっている。
【0033】
前記小径部26cは、回転軸26と同一軸心Gの軸部であって、第1軸受孔12に配設された軸受としてのベアリング30にて回転可能に支持されている。このベアリング30は、そのアウタレースの下側面が第2軸受孔14の底部に配設されたウェーブワッシャ31にて支持されている。
【0034】
このウェーブワッシャ31は、図3に示すように断面が波形のリング形状をした板部32を有している。従って、ウェーブワッシャ31の板部32により、ベアリング30にかかるスラスト方向の力を支持し、回転軸26に対するベアリング30の軸線方向の位置決めを行う。また、ウェーブワッシャ31は、板部32の外周縁の一部分に付勢手段としての板状のバネ部材33が延出形成されている。バネ部材33は、その先端部を折り返して基板33aに対して撓む弾性片33bを形成している。そして、ウェーブワッシャ31は、第2軸受孔14の底部に配設される際、バネ部材33の基板33aを前記溝14aに嵌合させる。そして、第2軸受孔14にベアリング30を収容する際に、バネ部材33の弾性片33bをベアリング30のアウタレースと第2軸受孔14との内周壁の間に介在させる。
【0035】
従って、第2軸受孔14に収容されたベアリング30は、弾性片33bの弾性力によってバネ部材33と反対側の第2軸受孔14の内周壁に押圧された状態で支持される。そして、本実施形態では、バネ部材33は第1及び第2ピストン収容孔15,16の軸心と直交する位置に形成された溝14aに配設されているため、ベアリング30は第1及び第2ピストン収容孔15,16の軸心と直交する方向に弾性片33bの弾性力を受ける。
【0036】
上述したポンプを組み付ける際には、ベアリング28,29,30及びウェーブワッシャ31を外嵌させた回転軸26を、第1軸受孔12、収容孔13、第2軸受孔14に挿入配置させるとともに、ウェーブワッシャ31の基板33aを溝14aに収容させる。そして、直流モータMのモータハウジング23及びエンドフレーム24をポンプ本体11にボルト25で一体固定し、第1及び第2ピストン収容孔15,16に第1及び第2ピストン17,18を配置する。
【0037】
次に、上記のように構成したポンプ10の作用について、図4を参照して説明する。また、回転軸26の小径部26cを支持しているベアリング30と第2軸受孔14との間には、例えば数μm程度の隙間があるが、図4においては説明を容易とするために、この隙間を誇張して示している。
【0038】
ポンプの非作動状態においては、図4(b)に示すように、ベアリング30は、ウェーブワッシャ31のバネ部材33の弾性片33bからの付勢力を受けている。この付勢力は、第1及び第2ピストン17,18が回転軸26に作用する方向、すなわち後述するようにベアリング30が変位させられる方向D,Eに対して直交する方向F(図4の上方向)にベアリング30を押圧する。
【0039】
ポンプを作動させると、回転軸26が回転され、これにより回転軸26の軸心Gを中心として、偏心部26b及びこれに支持されているベアリング29が偏心回転する。なお、この偏心回転に連動して、ベアリング29に押圧している第1及び第2ピストン17,18は、第1及び第2ピストン収容孔15,16を摺動し、液室19,20の容積が変化する。
【0040】
ここで例えば、図1に実線で示されるように回転軸26の偏心部26bが最も右方に位置した状態では、第1ピストン17が液室19側に移動し、第2ピストン18が回転軸26の軸心G方向に移動するため、液室19の容積が小さくなり、かつ液室20の容積が大きくなる。そのため、液室19の液圧が液室20の液圧よりも高くなって、液室19の液圧と液室20の液圧の差圧が第1ピストン17側から回転軸26の偏心部26bに加わる。すなわち、回転軸26は第1ピストン17から方向Dに荷重を受けて撓む。この荷重は、両持ち支持されている回転軸26の、ベアリング30によって支持されている小径部26cよりも中央の偏心部26bに作用している。そのため、この荷重を受けると、回転軸26の小径部26c及びこれを支持しているベアリング30は、回転軸26の荷重が作用した方向Dと同じ方向、すなわち図4において(図示しない)左方の第2ピストン18側に向けて図4(a)に示す位置に移動しようとする。このとき、ウェーブワッシャ31のバネ部材33によりベアリング30が移動しようとする方向Dと直交する方向F、すなわち図4の上方にベアリング30が押圧されているため、ベアリング30は第2軸受孔14の内周面に沿って転動して図4(b)に示す位置から図4(a)に示す位置に移動する。
【0041】
その後、更に回転軸26が回転すると、第1及び第2ピストン17,18の移動により、液室19の液圧が低下し、液室20の液圧が上昇する。しかしながら、液室19の液圧が液室20の液圧より高くなっている限りにおいては、回転軸26は第1ピストン17から荷重を受けるため、回転軸26の小径部26c及びベアリング30は、図4(a)に示される位置を取り続ける。その後、液室19と液室20の圧力が同圧になると、ベアリング30は第2軸受孔14の内周面に沿って転動して図4(a)に示す位置から図4(b)に示す位置に移動する。
【0042】
そして、回転軸26の回転により液室19の液圧が液室20の液圧よりも低くなると、すなわち液室20の液圧が液室19の液圧よりも高くなると、回転軸26は、今度は、第2ピストン18から方向Eに荷重を受けて、先程とは反対側に撓む。これに伴って、回転軸26の小径部26c及びベアリング30は、回転軸26に荷重が作用した方向Eと同じ方向、すなわち図4において(図示しない)右方の第1ピストン17側に向けて図4(c)に示す位置に移動しようとする。このときにもウェーブワッシャ31のバネ部材33によりベアリング30が移動しようとする方向Dと直交する方向Fにベアリング30が押圧されているため、ベアリング30は第2軸受孔14の内周面に沿って転動して図4(b)に示す位置から図4(c)に示す位置に移動する。
【0043】
更に、回転軸26が回転すると、液室20の液圧が上昇する(液室19の液圧は低下する)が、図1に仮想線で示されているように回転軸26が最も左方の位置に至った後には、液室20の液圧が低下し、液室19の液圧が上昇する。しかし、液室20の液圧が液室19の液圧より高くなっている間は、ベアリング30は、第2ピストン18から方向Eに荷重を受けるため、図4(c)に示す位置を取り続ける。
【0044】
そして、液室20の液圧が液室19の液圧よりも低くなると、すなわち液室19の液圧が液室20の液圧よりも高くなると、回転軸26は第1ピストン17から方向Dに荷重を受けるため、小径部26c及びベアリング30は、上述したように荷重が作用した方向Dと同方向に、すなわち図4において左方に移動しようとする。このときにもベアリング30は方向Fに押圧されているため、第2軸受孔14の内周面に沿って転動し、図4(c)に示される位置から図4(b)に示される位置を通過して、図4(a)の位置に移動される。
【0045】
その後、回転軸26の回転に応じて液室19,20の液圧が繰り返し変化を行い、液室19,20に流体が流入及び吐出が繰り返され、ポンプ作用が行われる。このとき、回転軸26に加わる荷重の変動により、ベアリング30は方向D,Eに交互に変位されて、図4(a)に示される位置及び図4(c)に示される位置を繰り返して取る。ただし、ベアリング30の位置が切り替わるときにあっても、ベアリング30は第2軸受孔14の内周面のどこか一部に必ず圧接する。すなわちベアリング30は転動して、図4(b)に示される位置を必ず通過して変位する。
【0046】
上記実施形態のポンプによれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)本実施形態では、1対のピストン17,18による変動荷重を受ける回転軸26を支持するベアリング30に、このベアリング30が収容される第2軸受孔14の内周面のどこか一部に常に押圧するように、ベアリング30を付勢するバネ部材33を設けた。従って、ベアリング30と小径部26cとの間に隙間があるためにベアリング30が変位しようとしても、常にベアリング30が第2軸受孔14の内周面から離れずに転動して変位するため、ベアリング30が第2軸受孔14に衝突することがない。従って、容易で安価に組み付けを行うために、ベアリング30と小径部26cとの間に隙間が生じていても、衝突に伴う騒音や振動を抑えることができる。
【0047】
(2)本実施形態では、バネ部材33は、対向する第1及び第2ピストン17,18からベアリング30が力を受ける方向D,Eと直交する方向Fにベアリング30を付勢するようにした。従って、その変動荷重によるベアリング30を変位させようとする力が大きくても、バネ部材33の付勢力は、その変位させようとする力とほとんど関係しないように配置されているため、小さくてよい。従って、付勢手段をより簡単な構造で取り付けが容易なもので構成できるので、より安価に、騒音や振動をほとんど防止することができる。
【0048】
(3)本実施形態では、バネ部材33の基板33aを溝14aに挿入し、バネ部材33の弾性片33bによりベアリング30を付勢するようにした。従って、簡単な構成のバネ部材33を容易に溝14aに配置することができるので、騒音や振動をほとんど防止することが、安価に行える。
【0049】
(4)本実施形態では、ベアリング30を付勢するバネ部材33を、ベアリング30に隣接して回転軸26の軸線方向の位置決めを行うウェーブワッシャ31に一体形成した。従って、部品点数を増やすことなく、すなわち組み付ける際の製造工程を増やすことなく、かつ容易な組み付けで、容易にバネ部材33を溝14aに配設することができる。
【0050】
(5)本実施形態では、ベアリング30に隣接して、回転軸26の軸線方向の位置決めを行う(従来のポンプにウェーブワッシャとして用いられた)板部32に、バネ部材33を一体形成したウェーブワッシャ31を用いた。そのため、従来のウェーブワッシャに対して簡単な設計変更をするだけで、ベアリング30を付勢する付勢手段を一体形成することができるので、組み付け工程を増やすことなく、安価に騒音や振動を低減することができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、上記した第1実施形態とは回転軸26の下部の軸受構造のみが異なり、その他の構成は第1実施形態と同じであるので、回転軸26の下部の軸受構造を図5〜図7に基づき説明し、同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。図5において、回転軸26の小径部26cを支持するベアリング30は、第1実施形態と同様にそのアウターレースの下側面が第2軸受孔14の底部に配設された付勢手段及び位置決め手段としてのウェーブワッシャ41にて支持されている。ウェーブワッシャ41は、断面が波形のリング形状をした板部42を備え、ベアリング30を軸方向に付勢することで、回転軸26の軸方向の移動を規制している。ウェーブワッシャ41の板部42は、図6に示されるようにその径方向の板幅が周方向に不均一に形成されている。具体的には、所定の径方向(図6において上下方向)に互いに対向する軸対称位置にそれぞれ最小となる板幅Aを有する部分と最大となる板幅Bを有する部分とが設けられており、両部分をつなぐ部分は徐々に板幅が変化されている。これにより、ウェーブワッシャ41の軸方向の付勢力によりベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるように、すなわち周方向に異なる荷重になるように構成されている。
【0051】
また、板部42の板幅が最大となる部分には、径方向に突出する係合手段としての突部42aが設けられている。ウェーブワッシャ41は、この突部42aが第2軸受孔14の内周面に軸方向に形成された前記溝14aに係止されることで周方向に位置決めされる。
【0052】
上記構成により、図5に示すように、ベアリング30にはウェーブワッシャ41により軸方向に偏荷重が作用して、ベアリング30は第2軸受孔14との隙間の範囲で傾いて、すなわち第2軸受孔14の軸線方向に対して傾いた軸線方向を有して同第2軸受孔14に収容される。このベアリング30の傾きにより、そのアウターレースの上縁部の一部分と該上縁部と軸対称な位置にある下縁部の一部分とがそれぞれ第2軸受孔14の内周壁に押圧される。これにより、第2軸受孔14内においてベアリング30の径方向の移動が拘束され、第1及び第2ピストン17,18の移動により回転軸26に変動荷重が作用する場合であっても、ベアリング30が第2軸受孔14に衝突することが防止される。そして、この衝突に伴う騒音や振動の発生も防止される。
【0053】
また、前記溝14aはピストン収容孔15,16の延在する方向とは直交する位置に形成されている。このため、板部42の板幅が最大となる部分及び最小となる部分、すなわちベアリング30に対して軸方向に作用する偏荷重が略最大値F1となる部分及び略最小値F2となる部分はそれぞれ回転軸26を介してベアリング30が受ける変動荷重の方向D,Eと略直交する径方向一側及び他側に保持される。そして、ベアリング30に対するウェーブワッシャ41の軸方向の偏荷重は周方向に所定の分布を保ち、図7に併せ示すようにベアリング30の傾き方向即ち第2軸受孔14との圧接部は回転軸26の変動荷重の方向D,Eと略直交する径方向(図7において上下方向)一側及び他側に保持されてその移動が抑制される。このように、ベアリング30の傾き方向を、回転軸26の変動荷重によるベアリング30の変位をより抑制しやすい方向に保つようにしたことで、ベアリング30の拘束をより確実に行うことができる。
【0054】
以上により、本実施形態においても、特に部品を追加することなく安価に、ベアリング30の衝突による騒音や振動の抑制を行うことができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0055】
・上記第1実施形態において、ウェーブワッシャ31のバネ部材33の代わりに、付勢手段として例えば図8に示すように四角い平板を略「く」の字形状に折り曲げた金属片35を溝14aに配設すること。なお、このとき、回転軸26は、従来公知のウェーブワッシャ36を備えるとよい。
【0056】
・図9に示すように、上記第1実施形態における溝14aの長さを大きくした溝34aを形成し、ウェーブワッシャ31のバネ部材33の代わりに、この溝34aに、バネ37とこのバネ37の付勢力によりベアリング30を押圧するピストン38とから構成される付勢手段を配設すること。
【0057】
・上記第1実施形態において、ウェーブワッシャ31のバネ部材33を板部32から分離し、バネ部材33だけからなる付勢手段を、ウェーブワッシャ36と別に溝14aに配設すること。
【0058】
・上記第1実施形態の付勢手段を、その他の公知のバネ、皿バネや竹の子バネなどにすること。
・上記第1実施形態の付勢手段を、ウェーブワッシャ31のバネ部材33の代わりに、例えば油圧などバネ以外の付勢手段を用いること。
【0059】
・上記第1実施形態においては、付勢手段であるバネ部材33をウェーブワッシャ31に一体形成したが、例えば、ベアリング30に隣接し、回転軸26に対するベアリング30の軸線方向位置を決めるスペーサなどに付勢手段を設け、このスペーサを取り付けるようにしてもよい。この場合にも、組み付けの製造工程を増やすことなく、かつ容易な組み付けで、付勢手段を配設することができる。
【0060】
・上記第2実施形態においては、板部42の径方向の板幅が周方向に不均一なウェーブワッシャ41を採用することで、ベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるように(周方向に異なる荷重になるように)した。これに対して、図10に示すように板部47の軸方向の高さが周方向に不均一なウェーブワッシャ46を採用することで、ベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるようにしてもよい。具体的には、所定の径方向(図10において左右方向)に互いに対向する軸対称位置にそれぞれ最小となる高さH1を有する部分と最大となる高さH2を有する部分とが設けられており、両部分をつなぐ部分は同様に断面が波型に形成されている。このように変更をしても前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
・また図11に示すように、例えば汎用のウェーブワッシャ48の所定の径方向位置で径方向外側に突出させた突出片を内側に折り返した折返し部49を設けて当該位置の剛性を増すことで、すなわち弾性係数を増すことで、ベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるようにしてもよい。この折り返した折返し部49は、径方向内側に突出させた突出片を外側に折り返して設けてもよい。あるいは、ウェーブワッシャ48の所定の径方向位置に別途、板片を接合するなどしてベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるようにしてもよい。このように変更をしても前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0062】
・さらに図12に示すように、ウェーブワッシャ48の所定の径方向位置で軸方向に隆起させたリブ50を設けて当該位置の剛性を増すことで、すなわち弾性係数を増すことで、ベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるようにしてもよい。このように変更をしても前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0063】
・また図13に示すように、第2軸受孔14に収容されたウェーブワッシャ48が軸方向に押圧する底部51の軸方向の高さ(深さ)を周方向に不均一に形成することでその弾性変形量を変化させ、ベアリング30に軸方向に作用する荷重が偏荷重になるようにしてもよい。このように変更をしても前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
・上記第2実施形態では、付勢手段として波型バネを採用したが、例えば皿バネを採用して同様の構成を設けてもよい。
・上記各実施形態において、変動荷重を受ける回転軸26を支持するベアリング30以外の他の軸受、すなわちベアリング27,28について、ベアリング30と同様に、上述した付勢手段を設けること。
【0065】
・上記各実施形態において、ベアリング27,30により回転軸26を両持ち支持する代わりに、ベアリング30を省略し、回転軸26を片持ち支持したベアリング27,28に、上述した付勢手段を設けること。
【0066】
・上記各実施形態においては、同一線上の第1及び第2ピストン17,18から回転軸26が変動荷重を受ける代わりに、例えば、120度間隔を置いて回転軸26の周りに3つのピストンが配置された場合など、同一線上でない変動荷重を受ける回転軸26を支持する軸受の軸受構造として用いること。
【0067】
・上記各実施形態においては、ポンプ10に本発明を適用したが、変動荷重を受ける軸を備えるその他の装置に適用してもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、軸受の衝突による騒音や振動の抑制を安価に行うことができる軸受構造及びポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態におけるポンプの要部の平面断面図。
【図2】 図1における2−2線の断面図。
【図3】 第1実施形態におけるウェーブワッシャの斜視図。
【図4】 第1実施形態の作用を説明する原理図。
【図5】 第2実施形態におけるポンプの要部の平面断面図。
【図6】 第2実施形態におけるウェーブワッシャの平面図。
【図7】 第2実施形態の作用を説明する原理図。
【図8】 第1変形例の付勢手段を示すポンプの要部の断面図であり、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図である。
【図9】 第2変形例の付勢手段を示すポンプの要部の断面図であり、(a)は平面断面図、(b)は正面断面図である。
【図10】 付勢手段の変形例を示す断面図である。
【図11】 付勢手段の変形例を示す断面図である。
【図12】 付勢手段の変形例を示す断面図である。
【図13】 付勢手段の変形例を示すポンプの要部の断面図である。
【符号の説明】
D,E…軸受が変位する方向としての方向、F…軸受が変位する方向と略直交する方向としての方向、M…電動モータとしての直流モータ、14…円筒形軸受収容部としての第2軸受孔、17…第1ピストン、18…第2ピストン、26…軸としての回転軸、30…軸受としてのベアリング、31,41,46,48…付勢手段及び位置決め手段としてのウェーブワッシャ、33…付勢手段としてのバネ部材、35…付勢手段としての金属片、36…付勢手段を構成するバネ、37…付勢手段を構成するピストン、42a…係合手段を構成する突部。
Claims (8)
- 変動荷重を受ける軸を、円筒形軸受収容部に収容された軸受で支持する軸受構造であって、
前記軸受が前記円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接されるように、前記軸受が前記変動荷重によって変位する方向とは異なる方向に前記軸受を付勢する付勢手段を設けるとともに、
前記軸には、同一線上で相反する方向に変動荷重が作用し、
前記付勢手段は、前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する径方向から付勢することを特徴とする軸受構造。 - 前記付勢手段は、前記軸の軸線方向位置を決める位置決め手段に一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
- 前記位置決め手段は、波形の断面形状を有したリング状板部からなるウェーブワッシャであり、前記付勢手段は、前記リング状板部の軸線方向に突出しその軸中心に向かって付勢力を発生できる突出部であることを特徴とする請求項2に記載の軸受構造。
- 電動モータの回転軸と、
この回転軸に形成された偏心部の周りに対向配置され、前記回転軸の回転に伴う偏心部の偏心回転により往復動される1対のピストンと、
円筒形軸受収容部に収容されて前記回転軸を支持する軸受と
を有するポンプにおいて、
前記軸受を前記ピストンの延在方向と直交する径方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするポンプ。 - 変動荷重を受ける軸を、円筒形軸受収容部に収容された軸受で支持する軸受構造であって、
前記軸受が前記円筒形軸受収容部の内周面の少なくとも一部に常に圧接されるように、前記軸受が前記変動荷重によって変位する方向とは異なる方向に前記軸受を付勢する付勢手段を設け、
前記付勢手段は、前記円筒形軸受収容部と係合して周方向の位置決めをする係合手段を有し、前記軸受に対して周方向に異なる荷重にて軸線方向に付勢することで該軸受を介して前記軸の軸線方向位置を決める位置決め手段として機能し、径方向に互いに対向する軸対称位置にそれぞれ最小となる板幅を有する部分と最大となる板幅を有する部分とが設けられることによって径方向の板幅が周方向に不均一となっているウェーブワッシャよりなることを特徴とする軸受構造。 - 請求項3に記載の軸受構造において、
前記突出部は、前記ウェーブワッシャの外周縁の一部分が延出された基板と該基板の先端が折り返されることによって同基板に対して撓む弾性片とを有したバネ部材であり、前記基板が、前記円筒形軸受収容部の軸方向内周において前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する位置に形成された溝に嵌合されることにより前記ウェーブワッシャの周方向の位置決めが行われることを特徴とする軸受構造。 - 請求項4に記載のポンプにおいて、
前記付勢手段は、前記ピストンを摺動可能に収容するピストン収容孔の軸心と直交する位置にて前記円筒形軸受収容部の内周に係合する係合手段を有しており、該係合手段により前記付勢手段が前記円筒形軸受収容部に対し周方向に位置決めされていることを特徴とするポンプ。 - 請求項5に記載の軸受構造において、
前記係合手段は、前記ウェーブワッシャの板幅が最大となる部分の外周縁において径方向に突出する突起であり、該突起が前記円筒形軸受収容部の軸方向内周において前記変動荷重の作用により前記軸受が変位する方向と直交する位置に形成された溝に係止されることにより前記ウェーブワッシャの周方向の位置決めが行われることを特徴とする軸受構造。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002040256A JP3971200B2 (ja) | 2001-02-20 | 2002-02-18 | 軸受構造及びポンプ |
US10/076,427 US6779990B2 (en) | 2001-02-20 | 2002-02-19 | Bearing mechanism and a pump |
DE10207118A DE10207118B4 (de) | 2001-02-20 | 2002-02-20 | Lagermechanismus und Pumpe |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-43417 | 2001-02-20 | ||
JP2001043417 | 2001-02-20 | ||
JP2002040256A JP3971200B2 (ja) | 2001-02-20 | 2002-02-18 | 軸受構造及びポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002327740A JP2002327740A (ja) | 2002-11-15 |
JP3971200B2 true JP3971200B2 (ja) | 2007-09-05 |
Family
ID=26609700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002040256A Expired - Fee Related JP3971200B2 (ja) | 2001-02-20 | 2002-02-18 | 軸受構造及びポンプ |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6779990B2 (ja) |
JP (1) | JP3971200B2 (ja) |
DE (1) | DE10207118B4 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3823920B2 (ja) * | 2002-12-27 | 2006-09-20 | 三菱電機株式会社 | 電動油圧式パワーステアリング装置 |
US7332843B2 (en) * | 2004-10-14 | 2008-02-19 | Asmo Co., Ltd. | Motor |
JP4267557B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2009-05-27 | トヨタ自動車株式会社 | ころ軸受およびそれを内蔵したポンプ |
JP4730256B2 (ja) * | 2005-08-25 | 2011-07-20 | アイシン精機株式会社 | モータの軸受保持構造 |
KR100641569B1 (ko) | 2006-06-23 | 2006-11-01 | 대우조선해양 주식회사 | Lng 재기화 선박의 고압펌프 및 그 고압펌프의 사용방법 |
WO2008059665A1 (fr) * | 2006-11-13 | 2008-05-22 | Panasonic Corporation | Ventilateur de plafond |
JP6502170B2 (ja) * | 2015-05-14 | 2019-04-17 | 愛知機械工業株式会社 | 隙間調整部材および隙間調整部材の組付け方法並びに変速装置 |
CN107269485A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-10-20 | 北京斯贝克科技有限责任公司 | 一种微型高压电动气体压缩机 |
TWI782424B (zh) * | 2017-08-16 | 2022-11-01 | 美商愛康有限公司 | 用於抗馬達中之軸向衝擊載荷的系統 |
DE102019203359A1 (de) | 2018-03-14 | 2019-09-19 | Mando Corporation | Hydraulische Steuervorrichtung für ein Bremssystem |
JP7283102B2 (ja) * | 2019-02-12 | 2023-05-30 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
Family Cites Families (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE229259C (ja) | ||||
DE303147C (ja) * | ||||
DE7918879U1 (de) | 1980-12-11 | Siemens Ag, 1000 Berlin Und 8000 Muenchen | Vorrichtung zur Kompensation des radialen Spiels eines Wälzlagers in einer Lagerbohrung | |
US2504776A (en) * | 1945-01-15 | 1950-04-18 | Gen Electric | Supporting structure |
US3009748A (en) * | 1958-07-24 | 1961-11-21 | Roulements A Aiguilles Sa | Accurately centered anti-friction bearing assembly |
US3067728A (en) * | 1958-10-31 | 1962-12-11 | Bordini Giovanni | Method and apparatus for motion conversion and transmission |
US3786289A (en) * | 1972-06-19 | 1974-01-15 | Gen Electric | Rotating machines having end thrust cushioning arrangements |
DE2645958A1 (de) | 1976-10-12 | 1978-04-13 | Schaeffler Ohg Industriewerk | Spielfreies waelz- oder gleitlager |
SE7813014L (sv) * | 1978-12-19 | 1980-06-20 | Skf Ab | Anordning for astadkommande av axiell forskjutbarhet och radiell glappfrihet hos en lagerring relativt ett lagersete |
DE2927187A1 (de) | 1979-07-05 | 1981-01-15 | Bosch Gmbh Robert | Wellenlageranordnung in einem bauteil |
US4313714A (en) | 1979-10-01 | 1982-02-02 | Kubeczka Johnny D | High pressure radial pump |
JPS6298024A (ja) | 1985-10-24 | 1987-05-07 | Seiko Epson Corp | スピンドル軸受構造 |
JPH06298024A (ja) * | 1993-04-12 | 1994-10-25 | Souji Kobayashi | 追突防止及び防犯装置 |
US5895207A (en) * | 1993-06-17 | 1999-04-20 | Itt Automotive Europe, Gmbh | Electric motor-pump assembly |
DE4444644A1 (de) * | 1994-12-15 | 1996-06-20 | Teves Gmbh Alfred | Motorpumpenaggregat |
JP3671447B2 (ja) | 1995-01-30 | 2005-07-13 | アイシン精機株式会社 | 軸受保持構造 |
DE19650276A1 (de) | 1996-12-04 | 1998-06-10 | Teves Gmbh Alfred | Hubkolbenpumpe |
DE19813301A1 (de) | 1998-03-26 | 1999-09-30 | Bosch Gmbh Robert | Pumpeneinheit |
DE19826172C2 (de) | 1998-06-13 | 2001-09-27 | Daimler Chrysler Ag | Verfahren zur Veränderung der Einspannverhältnisse zwischen einem Wellenlager und einem Drehteil sowie Wellenlager |
JP2000175402A (ja) * | 1998-09-28 | 2000-06-23 | Aisin Seiki Co Ltd | 電動ポンプ駆動用モ―タ |
US6489699B2 (en) * | 2000-07-27 | 2002-12-03 | Sanyo Denki Co., Ltd. | Motor with a shaft supported by ball bearings |
-
2002
- 2002-02-18 JP JP2002040256A patent/JP3971200B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2002-02-19 US US10/076,427 patent/US6779990B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-02-20 DE DE10207118A patent/DE10207118B4/de not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE10207118B4 (de) | 2006-03-16 |
US6779990B2 (en) | 2004-08-24 |
DE10207118A1 (de) | 2002-09-26 |
US20020119057A1 (en) | 2002-08-29 |
JP2002327740A (ja) | 2002-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3971200B2 (ja) | 軸受構造及びポンプ | |
US8944784B2 (en) | Compressor and motor device thereof | |
JP2018123809A (ja) | モーター付きポンプ | |
JP4626363B2 (ja) | 運動変換機構 | |
JP4407771B2 (ja) | 回転式流体機械 | |
JP5044701B2 (ja) | 高圧燃料ポンプ | |
KR102538254B1 (ko) | 프레스 압착된 리테이너 플레이트를 갖는 유체동역학적 토크 컨버터의 스테이터 조립체 및 그 제조 방법 | |
JPH0741901Y2 (ja) | ポンプ装置 | |
JP4481090B2 (ja) | ベーンポンプ | |
CN218581802U (zh) | 泵体组件、压缩机及制冷设备 | |
JPS597036B2 (ja) | 内接ギヤポンプモ−タ | |
JP4035866B2 (ja) | Abs用アクチュエータ | |
JP2005030341A (ja) | ダイヤフラムポンプ | |
JP2008248817A (ja) | スクロール式流体機械 | |
JP6432886B2 (ja) | ポンプ装置 | |
JP2001280261A (ja) | 燃料ポンプ | |
CN212690327U (zh) | 一种转子泵 | |
JPWO2006109503A1 (ja) | 偏芯型ラジアルピストンポンプ及び偏芯型ラジアルピストンモータ | |
JP2003286978A5 (ja) | ||
JP2508412Y2 (ja) | 可変式ポンプ・モ―タのロッカ―カム支持構造 | |
JPH0752384Y2 (ja) | 斜板式流体ポンプ・モータ | |
JPH0452872B2 (ja) | ||
JP2004076757A (ja) | 玉軸受および玉軸受装置 | |
JP2005176521A (ja) | 振動型駆動装置、これを有する装置および振動型駆動装置の組み立て方法 | |
JP2003028051A (ja) | プランジャポンプ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060306 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060314 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060512 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061010 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070605 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |