JP3971073B2 - 画像記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性製版材料等の画像記録材料に関する。特には、明室処理を行え、レーザーフレアの影響を受けにくく、鮮鋭な画像記録が可能な画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
CTP(Computer−To−Plate)製版システム(以下単にCTPという)を例に採って従来技術を説明する。CTPは、コンピュータ中に蓄積した画像情報を、レーザースキャナー等を用いて感光性製版材料上に記録し、記録した画像を現像して印刷版を制作するシステムである。CTPでは、旧来の写真製版工程における、各色毎の焼付用中間材フィルムが不要である。そのため、コストの削減、迅速処理、品質向上等の利点を有するシステムとして注目されている。
【0003】
このCTPにおいては、近年、2つのタイプの感光性製版材料(▲1▼高感度フォトポリマー製版材料、▲2▼サーマル感光性製版材料)の開発が、それらを露光するためのレーザー光源の進展と相まって、活発に行われている。これらの感光性製版材料を用いた現行のシステムにおいては、以下の課題を抱えている。
【0004】
▲1▼高感度フォトポリマー製版材料を用いたCTP
このシステムでは、通常、露光光として、100mW〜200mW前後のUV〜青・緑のレーザー光(Ar+やLD励起緑固体レーザー)を用いる。このシステムは、従来からの感光性製版材料であるPS版を用いるシステムと同様の処理・印刷適性を持つという利点がある。
しかしながら、このシステムにおいては、UV〜青・緑のレーザー光と高感度フォトポリマーを用いることから、光学系や感光面内での散乱や反射、回折等によるレーザーフレアの影響を受けて、画質のトラブルが生じやすい。また、青・緑のレーザー光を用いる場合には、露光や現像を暗室で行うこと(暗室処理)が必須である。
【0005】
▲2▼サーマル感光性製版材料を用いたCTP
サーマル感光性製版材料はサーマル・ネガ感光性製版材料とサーマル・ポジ感光性製版材料に分けられる。これらの感光性製版材料は超低感度であるため、1W〜10Wクラスの超高出力レーザー光を照射する必要があるものの、通常の照明光程度では感光しないため感光性製版材料を明室で取り扱うことができる。
しかしながら、サーマル・ネガ感光性製版材料はプレヒート工程に巨大なオーブンが必要であるため、処理システム自体が大きくなる。さらに、加熱工程における加熱温度のラチチュード(許容範囲)が狭く、温度管理が繁雑だという問題がある。一方、サーマル・ポジ感光性製版材料を用いる場合には、加熱工程が不要であるものの、現像のラチチュードが狭く現像条件の管理に厳密さを要求されるという問題がある。また、両方の感光性製版材料とも長期経時安定性に関する懸念が指摘されている。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、明室処理を行え、レーザーフレアの影響を受けにくく、鮮鋭な画像記録が可能な画像記録材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像記録材料は、製版用の画像記録材料であって、基板と、上記基板上に形成され、700nm〜900nmの波長を有する記録レーザー光が照射されて多光子吸収現象による光重合反応を生じるフォトポリマー感光材料膜であって、上記記録レーザー光の半分又はそれ以下の波長を有する光に感度を有するフォトポリマー感光材料膜と、該フォトポリマー感光材料膜上に形成され、少なくとも感光波長域の光をカットし、感光波長域の2倍の波長を有する光を透過するフィルター膜とを具備することを特徴とする。
【0008】
2光子吸収現象とは、光の吸収体が2個の光子(フォトン)を同時に吸収することにより、実際に照射した光の2倍のエネルギー(1/2の波長)に相当する吸収が生じる現象である。この現象においては、例えば、赤外波長760nmのフェムト秒レーザー光を照射すると、UV波長380nmの光の照射に相当する吸収が生じる。なお、フェムトは10-15である。
ただし、2光子吸収の発生効率は、一般的な強度の光を照射した場合は、1光子吸収に比べて非常に小さい。しかし、2光子吸収の発生効率は照射光強度の2乗に比例するので、照射光強度を上げて、光子密度を非常に大きくすれば2光子吸収の誘起は活発となる。レーザー光を超短パルス化した場合、光子密度が非常に大きくなり、1kW/cm2以上の尖頭パワーを容易に得ることができる。この場合には、2光子吸収を実用的なレベルで生じさせることができる。また、前述のように2光子吸収の発生効率は照射光強度の2乗に比例するので、レーザー光を集光した焦点位置のみで2光子吸収を生じさせることもできる。なお、本でいう光子吸収は、2光子吸収及び3光子以上の吸収をも含む概念である。
【0009】
2光子吸収を利用した露光を明室で行うには、感光材料の感光波長域の2倍の波長の記録光を感光材料に当て、感光波長域の照明光が感光材料に当たらないようにすれば良い。なお、例え照明光に感光波長域の2倍の波長の光が含まれていたとしても、照明光程度の強度では2光子吸収は起きないので問題はない。そこで、画像記録材料の上に、少なくとも感光波長域の光をカットし、同域の2倍の波長の光を通すフィルター膜を付ければ良い。
【0010】
例えば、印刷CTP用の高感度フォトポリマーは、波長350〜400nmの近紫外光に感光波長域を有するものが一般的である。この場合、記録光の波長は倍の700〜800nmである。この波長の光は赤外光である。上記のとおり、フィルター膜は感光波長域の光をカットすればよいのであるが、感光波長域以外の光でも長時間大量に浴びると感光材料が変質することもあるので、上記感光波長域より長い波長の光であっても、できるだけ当てないようにすることが好ましい。そこで、フィルター膜として、700〜800nmより長い波長の光は通し、それよりも短い波長の光(可視光や紫外光)をカットするフィルター膜を付けることが好ましい。なお、図2は、通常用いられる各種の蛍光灯の発する光の分光特性を表すグラフである。各色の蛍光灯とも600nm及び440nm付近にピークをもち、発光スペクトル域は300〜700nmである。したがって、フィルター膜は300〜700nmの波長をカットすることが好ましい。
【0011】
図1は、本発明の1つの実施の形態に係る画像記録材料(感光性製版材料)の構造を模式的に示す断面図である。
感光性製版材料1は、基板7(アルミニウムや樹脂製)の上にフォトポリマー層5、その上にオーバーコート層3を形成したものである。高感度フォトポリマー層5は記録レーザー光9の選択的な照射を受けて2光子吸収を生じ、選択的な固化が生じる。オーバーコート層3は、記録レーザー光9は透過するが、それより短い波長の光10は吸収あるいは反射して通過させない。
【0012】
基板7としては、各種の感光材料の支持体に適用される各種のものがいずれも適用可能であり、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック、アルミニウム(その合金)、亜鉛、銅等の金属、あるいはプラスチックや金属の積層体等が例示される。その中で好適なものは、いわゆるPS版(Pre−Sensitized Plate、感光性平版印刷版)の基板として用いられるアルミニウム板である(参考文献:「PS版概論」印刷学会出版部、米澤輝彦著)。アルミニウム板の表面に砂目立て処理・脱脂・デスマット・陽極酸化等の処理を加える。
【0013】
フォトポリマー層5をなすフォトポリマー(Photopolymer)は、光の照射によって単量体(モノマー)から重合体(ポリマー)に変化する高分子化合物であって、通常は、光重合性のモノマー、プレポリマー(すなわち2量体、3量体およびオリゴマー)、またはこれらの混合物、ならびにそれらの共重合体(以下、これらを総称して光重合性化合物とする)に、増感剤や重合開始剤を添加することによって製造される
特に、好適な光重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物のエステルや、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物のアミドなどが挙げられる。このような光重合性化合物や、それと組み合わせて用いられる増感剤、重合開始剤、バインダーその他の添加物、および支持体に関する詳細な記載は、特開平5−164982号特公平7−13740号、あるいは、上述の「PS製版概論」を参照することが適当である。
【0014】
その他の有用なフォトポリマーとしては、WO98/21521号、WO99/53242号、Compston et al,“Two-photon polymerization initiators for three-dimensional optical data storage and microfabrication”, Nature, vol.398,4 March,1999,pp51〜54 等に詳細に記載されている、2光子吸収の感度の高いπ共役化合物をフォトイニシエータとして含む系を挙げることが出来る。より詳しく述べれば、ポリマーバインダーと、重合可能なアクリレートモノマーと、下式を代表例とするD−π―D化合物{Dはπ共役橋架け部分(π conjugated bridge)と結合しうる低イオン化ポテンシャルの原子または原子群を表す}からなる光重合性組成物をアルミニウム等の支持体上に感光層として塗布した材料を本発明の感光性製版材料として用いることができる。
【化学式1】
Figure 0003971073
【0015】
フィルター膜としては、例えば、フォトポリマー組成物からなる感光層の上に設けるオーバーコート層用の塗布液に、800nm以下の波長の光に対して吸収を有する物質(染料、顔料等)を溶解ないし分散して塗布すればよい。本発明に使用する染料、顔料は、λmaxが記録レーザー光より短い波長範囲にあるものが好ましく、公知の物質を含む種々の化合物を使用することができる。
【0016】
公知の染料については、例えばアゾ染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料、シアニン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、フタロシアニン染料、ペリノン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。顔料については、例えばアゾ顔料(不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔料、染付けレーキ顔料(酸性染料レーキ、塩基性染料レーキ)、縮合多環顔料(キナクリドン顔料、チオインジゴ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン系顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料)、その他(ニトロソ顔料、アリザリンレーキ顔料、アルカリブルー)などの有機顔料を挙げることができる。具体的な化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善,1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色材工学ハンドブック」(色材協会編;朝倉書店、1989)、「改訂新版顔料便覧」などに記載されている。
【0017】
適用できるイエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾ染料、例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料、例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料があり、この他、ナフトキノン染料、キノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を上げることができる。
【0018】
適用できるマゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアゾ染料、例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料やオキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料があり、この他、ジオキサジン染料、アントラキノン系染料等を挙げることができる。
【0019】
適用できるシアン染料としては、インドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、例えばジアゾ成分にジニトロチオフェンを有するアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
本発明ではこれらの染料を混合して使用してもよい。
【0020】
本技術に用いられる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W.Herbst,K.Hunger共著による IndustrialOrganic Pigments(VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。
【0021】
具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等、及び無機顔料を用いることが出来る。中でも好ましい青味の色調を得るためには、フタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料、インジゴ、無機顔料の群青、コバルトブルーが好ましい。さらに色調を調整するために、赤ないし紫色の顔料、例えば、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、が上記青色顔料と併用されていてもよい。
【0022】
以下好ましい顔料の具体的を列挙する。
青色顔料の例としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6(銅フタロシアニン)、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、C.I.Pigment Blue 16(無金属フタロシアニン)、中心金属がZn,Al、Tiであるフタロシアニン、バット染料としても知られるインダントロン系のC.I.Pigment blue 60やそれらのハロゲン置換体、例えばC.I.PigmentBlue 64、同21、アゾ系のC.I.Pigment Blue 25、インジゴ系のC.I.Pigment Blue66およびレーキ顔料であるC.I.Pigment Blue 63、トリアリールカルボニウム型酸性染料あるいは塩基性染料のレーキ顔料であるC.I.Pigment Blue 1、同2、同3、同9、同10、同14、同18、同19、同24:1、同24:x、同56、同61、同62が挙げられる。
【0023】
赤ないし紫顔料としてはジオキサジン系のC.I.Pigment Violet23、同37、アゾ系のC.I.Pigment Violet 同13、同25、同32、同44、同50、C.I.Pigment Red 23、同52:1、同57:1、同63:2、同146、同150、同151、同175、同176、同185、同187、同245、キナクリドン系の C.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、トリアリールカルボニウム系のレーキ顔料であるC.I.Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39、C.I.Pigment Red 81:1、ペリレン系のC.I.Pigment Violet 29、アントラキノン系のC.I.Pigment Violet 5:1、同31、同33、チオインジゴ系のC.I.Pigment Red 38、同88が挙げられる。
【0024】
本技術に使用できる顔料は、上述の裸の顔料であっても良いし、表面処理を施された顔料でも良い。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネートなど)顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献等に記載されている。
金属石鹸の性質と応用(幸書房)
印刷インキ技術(CMC出版、1984)
最新顔料応用技術(CMC出版、1986)
【0025】
本技術において顔料はバインダー中に分散されて用いられる。分散剤は、用いるバインダーと顔料に合わせて種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤、を用いることが出来るが、疎水性バインダー中で用いる場合には分散安定性の観点から高分子型分散剤を用いることがより好ましい。分散剤の例としては特開平3−69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。
【0026】
本技術に使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μの範囲であることが好ましく、0.05〜1μであることが更に好ましい。
顔料をバインダー中へ分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
【0027】
なお、代表的なオーバーコート層としては、ポリビニルアルコールもしくは酸性セルロース等からなり、フォトポリマーが空気中の酸素等と反応して重合するのを防ぐものを挙げることができる。
【0028】
本発明によれば、上述の2光子吸収の原理に基づき、記録レーザー光の半分(あるいはそれ以下)の波長の光に感度を有する感光材料を用いることができる。逆にいえば、感光材料の感光波長の倍の波長のレーザー光を用いることができる。したがって、短波長レーザー光を使用する際に特に問題となりやすい、回折や散乱に起因するレーザーフレアの影響を低減できる。そのため、画像記録された感光材料における非画像部の残色や残膜、汚れ、網点・画線の太り、網点周囲のフリンジ等のトラブルが大幅に改善される。
また、上述したように、2光子吸収の確率(吸収量)が光強度の2乗に比例するので、焦点を細く絞って焦点近傍のみで2光子吸収を生じさせて露光することができ高解像度を容易に実現できる。
【0029】
本発明においては、上記記録レーザー光のパルス幅が10ps以下であることが好ましい。フェムト秒(100fs〜数百fsから数ps)の超短パルスレーザー光により露光することにより、高いピークパワーを得ることが容易となり、感光材料が熱的な影響を全く受けることなく露光部/非露光部の切れをシャープに露光でき、一層の高解像度を実現できる。
【0030】
超短パルスレーザー光源としては、モードロックTi:Al23レーザーや、Erドープファイバを用いたフェムト秒ファイバーレーザーや色素を用いたCPMレーザー等を用いることができる。
【0031】
図3は、本発明の画像記録材料を用いる製版方法の一例を説明するための工程図である。
図4は、図3の製版方法における感光性製版材料の処理プロセスを模式的に示す図である。
図3の工程S1では、コンピュータ中に画像情報を蓄積する。この操作では、原画をスキャナーで読み込んだり、CAD情報や電子写真情報をもらい受ける。
工程S2では、上述の感光性製版材料を準備する。
【0032】
工程S3(図3)では、レーザースキャナー(図5により後述)を用いて変調したレーザー光で感光性製版材料上を2次元的に走査し感光性製版材料1に画像を焼き付ける。このとき、図4(B)に示すように、例えば、赤外波長760nmのフェムト秒レーザー光9を、フォトポリマー層5で焦点を結ぶように照射する。そして、焦点近傍にラジカル重合反応を起こさせ、現像液に対して不溶になる。その後、若干の加熱によりラジカル重合を促進することにより、フォトポリマー層5内の選択した部分を硬化させる(硬化部11)。
【0033】
工程S4では、焼き付け済の感光性製版材料1を、珪酸カリウム水溶液等の感光層の未硬化部分を溶出しうる現像液で現像する。すると、図4(B)→(C)に示すように、オーバーコート層3と未硬化のフォトポリマー層5が除去されて、基板(支持体)7上に硬化部11のなす画像が形成される。なお、通常の印刷版では、硬化部11はいわゆる網点階調をなす。なお、この例は露光部が画像部(インキ着肉部)となるのでネガ型となる。
【0034】
工程S5では、製版材料1を水洗いして現像液等を洗い流す。
工程S6では、界面活性剤を含む水溶液でリンス処理するか、またはガム液で不感脂化処理する。なお、リンス処理および不感脂化処理の両方を行っても良い。
現像液、リンス液、不感脂化処理のためのガム液等の組成や、現像装置については特公平7−13740号や「PS製版概論」の記載を参照することが適切である。
【0035】
このようにして完成した平板印刷板は、フォトポリマー硬化部11が高い親油性を示し、その余の部分13は親水性を示す。その後の印刷工程では、印刷版1に湿し水を付与し、硬化部11にインクを付与する。このインクを直接印刷用紙に転写するか、ブランケット胴を介して印刷用紙に転写し、印刷する。
【0036】
次に、図5を参照しつつ感光性製版材料の焼き付けを行うための画像記録装置について説明する。なお、以下の文中において上下・左右は各図における方向の意味である。
図5は、本発明の一実施形態に係るInner Drum式の製版用画像記録装置の構成を模式的に示す斜視図である。
この画像記録装置21においては、感光性製版材料1は、円筒内面を有するドラム35の内面に貼り付けられている。このドラム35は、ドラム移動機構37に駆動されて図中のZ方向(ドラム軸芯に沿う方向)に移動する。
【0037】
この画像記録装置21の光学系22は、レーザー光源23、25、AOM27、集光レンズ29及び回転ミラー31を含む。光学系22の末端に配置されているLD励起緑固体レーザー光源23は、隣のTi:Al23レーザー光源25に向けて励起用のレーザー光を射出する。Ti:Al23レーザー光源25は、モードロック機構(図示せず)を備え、100fs〜300fsの超短パルス幅のレーザー光を発振させる。この光源25は、700nm〜900nmまで波長掃引することが可能である。なお、このようなモードロック機構や波長掃引機構を備えたレーザー光源23、25のアッセンブリーは、例えば、スペクトラ・フィジックス社の Tsunami を用いることができる。
【0038】
Ti:Al23レーザー光源25から発せられた超短パルスレーザーは、レーザー光を外部変調するAOM(音響光学変調素子)27に入射する。AOM27はトランスジューサと結晶体(共に図示せず)等からなる。
結晶体は超音波媒質であり、トランスジューサが出力した超音波により密度変動を生じ結晶体の密度変動を回折格子として利用できる。この結晶体は、入射されたレーザー光を回折の次数に対応した角度の方向に射出する。AOM27を出た焼き付け用の1次回折光が集光レンズ29方向に進む。つまり、AOM27のトランスジューサに与える電圧によって、焼き付け用のレーザー光を集光レンズ29方向に照射するか否かを選択する。
【0039】
AOM27からの1次回折光は集光レンズ29によって収束される。収束の焦点は、前述のように、感光性製版材料1のフォトポリマー層5(図4(B)参照)に位置するように調整されている。
【0040】
集光レンズ29を出たレーザー光は回転ミラー31に入射する。回転ミラー31はモータ33から駆動力を受けて、製版材ドラム35の軸芯と同じ軸を中心に高速回転する。回転ミラー31の集光レンズ29側の面は、軸芯に対して45°傾いた面となっている。この面に当ったレーザー光は、感光性製版材料1の表面に向けて偏向される。回転ミラー31の回転によって、レーザー光が感光性製版材料1に当る位置は変り、レーザー光は図のX方向に走査される。なお、感光性製版材料1は、ドラム35と共にZ方向に走査されるので、レーザー光の偏向走査と合わせて、感光性製版材料1上でレーザー光は2次元的に走査される。
【0041】
図5の画像記録装置では、Ti:Al23レーザー光源25から射出された赤外波長760nmのフェムト秒レーザー光が、AOM27で外部変調され、集光レンズ29及び回転ミラー31を介して感光性製版材料1上に走査される。そして、感光性製版材料1上のフォトポリマー層5(図4(B)参照)に焦点を結ぶ。このとき、2光子吸収が生じ、UV波長380nmの吸収に相当する化学変化(光重合反応)を生じさせる。
この他、Outer Drum式(特開平5−19188号参照)やFlatBed式(特開平5−8365号参照)など様々な形態の画像記録装置を用いることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録レーザー光の半分(あるいはそれ以下)の波長の光に感度を有する感光材料を用いることができる。逆にいえば、感光材料の感光波長の倍の波長のレーザー光を用いることができる。したがって、短波長レーザー光を使用する際に特に問題となりやすい、回折や散乱に起因するレーザーフレアの影響を低減できる。そのため、画像記録された感光材料における非画像部の残色や残膜、汚れ、網点・画線の太り、網点周囲のフリンジ等のトラブルが大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る画像記録材料(感光性製版材料)の構造を模式的に示す断面図である。
【図2】通常用いられる各種の蛍光灯の発する光の分光特性を表すグラフである。
【図3】本発明の画像記録材料を用いる製版方法の一例を説明するための工程図である。
【図4】図3の製版方法における感光性製版材料の処理プロセスを模式的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るInner Drum式の製版用画像記録装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…感光性製版材料 1′…印刷版
3…オーバーコート層 5…フォトポリマー層
7…基板 9…記録レーザー光
10…記録レーザー光の波長より短い波長の光
11…硬化部 13…ゴム膜
21、51…画像記録装置 22、52…光学系
23…LD励起緑固体レーザー光源 25…Ti:Al23レーザー光源
27…AOM(音響光学変調素子) 29…集光レンズ
31…回転ミラー 33…モータ
35、55…ドラム 37…ドラム移動機構

Claims (4)

  1. 基板と、
    上記基板上に形成され、700nm〜900nmの赤外領域の波長を有する記録レーザー光が照射されて多光子吸収現象による光重合反応を生じるフォトポリマー感光材料膜であって、上記記録レーザー光の半分又はそれ以下の波長を有する光に感度を有するフォトポリマー感光材料膜と、
    該フォトポリマー感光材料膜上に形成され、少なくとも感光波長域の光をカットし、感光波長域の2倍の波長を有する光を透過するフィルター膜と、
    を具備することを特徴とする製版用の画像記録材料。
  2. 基板と、
    上記基板上に形成され、感光波長域が350nm〜400nmであり、700nm〜800nmの赤外領域の波長を有する記録レーザー光が照射されて多光子吸収現象による光重合反応を生じるフォトポリマー感光材料膜と、
    該フォトポリマー感光材料膜上に形成され、少なくとも感光波長域の光をカットし、感光波長域の2倍の波長を有する光を透過するフィルター膜と、
    を具備することを特徴とする製版用の画像記録材料。
  3. 上記フィルター膜が、上記記録レーザー光の波長よりも短い波長を有する光をカットすることを特徴とする請求項1又は2記載の画像記録材料。
  4. 上記フォトポリマー感光材料が印刷CTP用の高感度フォトポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の画像記録材料。
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