JP3970636B2 - 無線通信システム、送信局、受信局および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、送信局、受信局および無線通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指向性のある無線信号を発する送信局と受信局とがディジタル無線通信を行う無線通信システム、該無線通信システムにおける送信局および受信局ならびに該無線通信システムにおける無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおける干渉除去する手段として、適応アンテナが提案されている。この提案されている従来の適応アンテナの下り回線におけるビーム制御の方法(従来技術1)(たとえば、R.A.Monzingo and T.W.Mi1ler、Introduction to Adaptive Arrays、John Wi1ey & Sons、Inc.1980)を以下に示す。
【0003】
図6は、従来の適応アンテナ装置を示す図である。従来の適応アンテナ装置は、複数のアンテナ素子4011〜401Nと、各アンテナ素子に接続され、複素重みを課す重み付け手段4021〜402Nと、この各重み付け手段4021〜402Nの重みを制御する重み制御装置403と、基準信号発生装置404と、受信時には、重み付け手段4021〜402Nにより重み付けされた受信信号を合成し、送信時には、重み付け手段4021−402Nに入力信号を分岐する、合成及び分岐装置405とから構成される。
【0004】
適応アンテナ装置の複数のアンテナ素子4011〜401Nで受信された信号をx1〜xNとし、重み付け手段4021〜402Nに設定される重みの値をw1〜wNとし、希望信号成分をdとすると、希望する信号と実際の信号との誤差の2乗が最小になるような指向性を形成する重みの値は、
【0005】
【数1】
Figure 0003970636
で与えられる。ただし、
【0006】
【数2】
Figure 0003970636
【0007】
【数3】
Figure 0003970636
【0008】
【数4】
Figure 0003970636
である。上り回線における通信時の伝搬環境と下り回線における通信時の伝搬環境とをまったく同一とみなせる場合には、アンテナ間の相関行列Rxx及び希望ユーザに対するステアリングベクトルrxdに変化が生じない。
【0009】
したがって、上り回線における通信時の重みの値を下り回線における通信にもそのまま適用すれば、通信路の2乗誤差を最小とする指向性を形成することができる。よって、上り回線における通信と下り回線における通信の伝搬環境がほぼ等しい場合には、適応アレーアンテナを単に複数のアンテナ素子で構成すればよい。
【0010】
また、無線通信システムにおける指向性を形成する手段として、受信局で伝搬環境を推定し、この推定した結果を送信局にフィードバックし、下り回線用の指向性形成を行う方法(従来技術2)が提案されている(Derlek Ger1acha、Ar1ogyaswami Paulraj、“Base Station Antenna Arrays with Mobi1e to Base Feedback、Coference Record of The Twenty−Seventh−Asi1omar Conference on、1993)。
【0011】
この提案されている方法を以下に示す。下り回線における通信では、情報信号の間にプロービング信号を周期的に挿入して、信号を伝送する。プロービング信号は、送信局の各アンテナと受信局との間の伝達関数の推定に用いる。プロービング信号を伝送する区間では、各アンテナから異なったプロービング信号系列を送信する。
【0012】
ここで、各アンテナから送信するプロービング信号は、全受信局が既知の信号系列とする。受信局では受信信号に対して各アンテナから送信する各プロービング信号との相関演算を行い、各アンテナのプロービング信号ごとに複素相関値を求める。この複素相関値を上り通信において送信局にフィードバックし、適応アンテナの指向性形成に反映させる。
【0013】
この方法では、各アンテナのプローピング信号との相関値を受信局において求めることによって、送信局の各アンテナと受信局の問の伝搬環境を推定することができる。
【0014】
また、送信局のアンテナと受信局のアンテナとの間の伝送品質を改善する方法として、下り回線の送信局に複数のアンテナ素子を用いる、Space−Time−Coding(従来技術3)が提案されている(Vahid Tarokh,et.al“Space一Time Codes for High Data Rate Wireless Communication:Performance Criterion and Construction ”、IEEE Trans.Infomation Theory.Vol.44、No.2、MARCH、1998.)。
【0015】
Space一Time−Codingでは、送信局の各アンテナからは異なった信号を送信し、送信ダイバーシチ効果を得ることが可能となる。
以下に、送信局のアンテナ素子数が2素子、受信局のアンテナ素子数が1素子、Space一Time−Codingの符号化にはSpace−Time−Block−Codingを用いた場合の通信方法を示す。
【0016】
送信信号系列は、2信号ごとに1つのブロックを形成する。たとえば、送信信号をs1、s2、s3、…とした場合には、
1つめのブロヅクはs(1)、s(2)
2つめのブロックはs(3)、s(4)
となる。ここでS(n)はn番目の送信信号を表す。次に、各アンテナで送信する信号系列を以下のように決定する。
【0017】
アンテナ1からの送信信号は、偶数番目の信号に対しては共役値をとり、
s(1)、−s(2)*、s(3)、−s(4)*、s(5)、−s(6)*…とする。ここで*は複素共役を表す。また、アンテナ2からの送信信号は、奇数番目の信号に対しては共役値をとり、さらに各ブロックで送信する順番を逆にする。
【0018】
すなわち、アンテナ2からの送信信号は
s(2)、s(1)*、s(4)、s(3)*、s(6)、s(5)*
となる。このとき、受信局での時刻k、k+1での受信信号r(k)、r(k+1)は、以下の式で表される。
【0019】
【数5】
Figure 0003970636
ここでh1は、送信局のアンテナ1と受信局の間のチャネル応答、h2は、 送信局のアンテナ2と受信局の間のチャネル応答であり、いずれも複素数値 である。したがって、受信局の受信信号からh1、h2を推定できれば、送 信局のアンテナと受信局の間の伝搬環境を推定できたことになる。上式を変 形すると以下の式が得られる。
【0020】
【数6】
Figure 0003970636
送信局、受信局間でs(k)が既知である場合には、上式からただちにh 1、h2を求めることができる。
【0021】
また、s(k)が情報区間の信号である場合には、受信信号データはメモ リに保存し、復号時に決定したs(k)を利用することで、情報伝送中にも 伝達関数を推定することができる。一且、伝達関数が推定されると、推定し た伝達関数を用いて、以下の式によって受信信号から復号を行うことができる。
【0022】
【数7】
Figure 0003970636
上式に示すようにh1、h2のいずれかが小さい値となった場合にも、他 の値が十分大きければ復号が可能となることが分かる。したがって、本方式 によって送信ダイバーシチ効果が得られる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ディジタル無線伝送での下り通信における指向性制御では、送信局アンテナと受信局アンテナとの間の伝達関数を推定する必要があるが、上記従来技術1では、下り回線における通信の伝搬環境を推定することができない。したがって、上記従来技術1には、上り回線における通信と下り回線における通信での周波数が異なるFDDシステムや、環境変動の大きい環境では、(数2)で定義したアンテナ間の相関行列Rxxを推定することができないため、適応アンテナ装置が動作しないという問題がある。
【0024】
また、上記従来技術2では、各アンテナから異なった信号が送信されるため、ビーム形成を行うことができない。したがって、上記従来技術2には、同一チャネルを利用する周辺セルに対して干渉を与えてしまうという問題がある。また、上記従来技術2では、伝達関数推定から送信用の指向性形成を行う間にフィードバックを行う時間が経過するため、環境が変動し伝送品質が劣化するという問題もある。
【0025】
また、上記従来技術3でも、各アンテナから異なった信号が送信されるため、ビーム形成を行うことができない。したがって、上記従来技術3には、同一チャネルを複数のユーザで共有することができないという問題がある。
【0026】
そこで、本発明は、伝達関数を推定しない、または実環境では伝搬環境が変動するため誤差なく伝達関数を推定することができないという上記従来の事情に鑑み、無線通信システムにおける伝送品質の劣化を補償すべく、上記従来技術よりも優れた指向性制御および干渉除去を実現する、無線通信システム、送信局、受信局および無線通信方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題は、前記特許請求の範囲に記載の手段により、解決される。すなわち、請求項1に記載の発明は、マルチビーム形成回路を備える送信局と複数(N本)のアンテナ素子を備える複数(P個)の受信局とが、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行う無線通信システムにおいて、
【0028】
前記送信局は、K個の信号を入力され、該入力されたK個の信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて1受信局当たりのビーム数×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、
【0029】
(B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、を備え、
【0030】
前記受信局は、前記送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うアナログ−ディジタル信号変換器と、前記アナログ−ディジタル信号変換器によりアナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するデータ保存装置と、前記データ保存装置に保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う復号回路と、を備え、前記送信局と前記受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする無線通信システムである。
【0031】
請求項2に記載の発明は、K個の送信信号を入力され、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、(B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、を備える送信局であって、
【0032】
複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信し、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行い、該変換された前記受信信号を保存し、該保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う複数(P個)の受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があり、前記受信局との間で同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うことを特徴とする送信局である。
【0033】
求項3に記載の発明は、入力されたK個の信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて1受信局当たりのビーム数×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号シリアル−パラレル変換した送信信号を(B×P)個のビームに割り当て、前記送信信号を送信する送信局との間で同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行う複数(P個)の受信局であって、
【0034】
前記送信信号を受信信号として受信する複数(N本)のアンテナ素子と、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うアナログ−ディジタル信号変換器と、前記アナログ−ディジタル信号変換器によりアナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するデータ保存装置と、前記データ保存装置に保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う復号回路と、を備え、前記送信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする受信局である。
【0035】
請求項4に記載の発明は、マルチビーム形成回路を備える送信局と複数(N本)のアンテナ素子を備える複数(P個)の受信局とが、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うシステムにおける無線通信方法であって、
【0036】
前記送信局が、K個の送信信号を入力されるステップと、前記送信局が、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて1受信局当たりのビーム数×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成するステップと、
【0037】
前記送信局が、該生成した信号をシリアル−パラレル変換し、複数の出力インタフェースから送信信号としてそれぞれ出力するステップと、前記送信局が、(B×P)個のビームを形成し、前記送信信号を前記(B×P)個のビームに割り当て、前記送信信号を送信するステップと、
【0038】
前記受信局が、複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信するステップと、前記受信局が、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うステップと、前記受信局が、前記アナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するステップと、前記受信局が、前記保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行うステップと、を有し、前記送信局と前記受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする無線通信方法である。
【0039】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記送信局は、前記送信局のアンテナ素子と各受信局の各アンテナ素子との間で、上り通信と下り通信で同一波長を用いる場合に上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算を行うことで伝達関数を推定し、上り通信と下り通信で異なる周波数を用いる場合に上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定及び遅延時間推定を行うことで伝達関数を推定し、該推定した結果を出力する伝達関数推定装置と、前記伝達関数推定装置の出力信号を入力され、該入力された信号に基づいて、送信局において形成する複数の指向性を決定する指向性制御回路と、を有することを特徴とする無線通信システムである。
【0040】
発明は、K個の送信信号を入力され、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、(B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、前記送信局のアンテナ素子と各受信局の各アンテナ素子との間における上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算又は上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定及び遅延時間推定を行うことで伝達関数を推定し、該推定した結果を出力する伝達関数推定装置と、前記伝達関数推定装置の出力信号を入力され、該入力された信号に基づいて、送信局において形成する複数の指向性を決定する指向性制御回路と、を備える送信局であって、
【0041】
複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信し、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行い、該変換された前記受信信号を保存し、該保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号及び前記N×L個の受信信号の共役値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、
【0042】
前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う複数(P個)の受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があり、前記受信局との間で同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うことを特徴とする送信局であってもよい
【0043】
発明は、入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、(B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、前記送信局のアンテナ素子と各受信局の各アンテナ素子との間における上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算又は上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定及び遅延時間推定を行うことで伝達関数を推定し、該推定した結果を出力する伝達関数推定装置と、前記伝達関数推定装置の出力信号を入力され、該入力された信号に基づいて、送信局において形成する複数の指向性を決定する指向性制御回路と、を備える送信局との間で、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行う複数(P個)の受信局であって、
【0044】
複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信し、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行い、該変換された前記受信信号を保存し、該保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号及び前記N×L個の受信信号の共役値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、
【0045】
前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行い、前記送信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする受信局であってもよい。
【0046】
発明は、マルチビーム形成回路を備える送信局と複数(N本)のアンテナ素子を備える複数(P個)の受信局とが、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うシステムにおける無線通信方法であって、前記送信局が、前記送信局のアンテナ素子と各受信局の各アンテナ素子との間における上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算又は上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定及び遅延時間推定を行うことで伝達関数を推定し、該推定した結果に基づいて、送信局において形成する複数の指向性を決定するステップと、
【0047】
前記送信局が、K個の送信信号を入力されるステップと、前記送信局が、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて1受信局当たりのビーム数×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成するステップと、前記送信局が、該生成した信号をシリアル−パラレル変換し、複数の出力インタフェースから送信信号としてそれぞれ出力するステップと、前記送信局が、(B×P)個のビームを形成し、前記送信信号を前記(B×P)個のビームに割り当て、前記送信信号を送信するステップと、
【0048】
前記受信局が、複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信するステップと、前記受信局が、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うステップと、前記受信局が、前記アナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するステップと、前記受信局が、前記保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号及び前記N×L個の受信信号の共役値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行うステップと、を有し、前記送信局と前記受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする無線通信方法であってもよい
【0049】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信システムであって、前記受信局は、前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、N×L個の信号のそれぞれに対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、
【0050】
該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、を有することを特徴とする無線通信システムである。
【0051】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信システムにおける送信局であって、L個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、
【0052】
N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、を備える受信局へ、入力されたK個の信号系列を(1受信局当たりのビーム数B×L)個の信号として送信する、ことを特徴とする送信局である。
【0053】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信システムにおける受信局であって、前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、
【0054】
前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、を有する前記復号回路を備えることを特徴とする受信局である。
【0055】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記受信局の前記複数(N本)のアンテナ素子が、前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信するステップと、アナログ−デジタル信号変換器及びデータ保存装置を介して前記複数(N本)のアンテナ素子に接続される分岐装置が、L個の分岐インタフェースから、K個の信号をそれぞれ出力するステップと、
【0056】
前記分岐装置の各分岐インタフェースに接続されるK個の個別信号復号回路が、N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するステップと
前記K個の個別信号復号回路に接続されるパラレル−シリアル変換装置が、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するステップと、を有することを特徴とする無線通信方法である。
【0057】
本発明によれば、送信局は、K個の入力信号に対してビーム数×L個の信 号を生成する。したがって、本発明によれば、従来技術よりも優れた指向性 制御および干渉除去を実現することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0059】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す図であり、送信局と複数の受信局とが同一タイミング、同一周波数で通信する場合に生じる、受信局間の干渉を補償する構成を示している。ここで、ビーム数は各受信局に対してBビーム、送信局のアンテナ数はM素子、受信局のアンテナ数はN素子、ユーザ数はPユーザとする。
【0060】
この図において、符号1011〜101Bは、送信局が受信局1との通信に用いるビーム、符号10P1〜10PBは、送信局が受信局Pとの通信に用いるビーム、符号1101〜110Mは、送信局のアンテナ素子、符号12はマルチビーム形成回路、符号131〜13Pはシリアルーパラレル変換器、符号141〜14Pは入力された信号に対して符号化を施す符号化器、符号1511〜15PNは受信局のアンテナ素子、符号1611〜16PNはアナログーデイジタル信号変換器、符号1711〜171Nはデータ保存装置、符号181〜18Pは復号器である。
【0061】
以下ではまず、送信局から受信局Pへの信号のながれを説明し、その後、符号化としてSTBCを用いた場合の信号の流れについて述べる。
受信局Pへの送信信号は、まず符号化器14PにKシンボルごとに入力される。符号化器では、Kシンボルの入力信号に対してL×Bシンボルの信号を生成する。信号の生成方法としては、たとえば、STBCを用いることができる。
【0062】
符号化後の信号がシリアルーパラレル変換器においてシリアル−パラレル変換されることにより、送信信号は、各ビームに対して割り当てられ、各ビームから送信される。受信局では受信したデータを周波数変換、アナログーディジタル信号変換し、受信信号を一旦、データ保存装置に記録する。受信局は、データ保存装置に記録されたデータをもとに、たとえば、推定や2乗誤差最小アルゴリズムによって復号を行う。
【0063】
次に符号化として、符号化率K/LのSTBCを用いる場合について説明する。符号化器への入力信号が p、k であったとすると、送信ビームbから送信させる信号は、以下のように表すことができる。
【0064】
【数8】
Figure 0003970636
ここで、上添宇は複索共役、 b,l,k は、符号化器14pに入力された信号のk番目のシンボル(C p,k )に対して符号化される際に付加される重み付け値で、符号化器に予め設定された固定値である。なお、lは符号化器から送信ビームbとして出力される信号のシンボルのl番目を意味する。符号化率K/LのSTBCを用いた信号は以下のように送信される。符号化後の信号(L×Bシンボル)はシリアル−パラレル変換器でシリアル−パラレル変換され、マルチビーム形成回路12に入力される。前記符号化後の信号はマルチビーム形成回路12で受信局毎にB個形成されるビームに割り当てられてアンテナ素子1101〜110Mから送信される(送信される信号は各ビームともLシンボル)。例えば、ビーム10P2で送信される信号は順にs P,2,1 、s P,2,2 、s P,2,3 、・・・s P,2,l のLシンボルである。このようにして、送信局から送信を行うと、受信局のアンテナnでの受信信号は、以下のように表すことができる。
【0065】
【数9】
Figure 0003970636
ここで、ha,b,p,nは、受信局に対するビームbと受信局のアンテナnとの間の伝達関数である。数9から分かるように、各受信信号には希望信号と2×P×K−1個の干渉信号が含まれていることが分かる。受信局の各アンテナで受信された受信信号は周波数変換、アナログ−ディジタル変換され、データ保存装置に入力される。
【0066】
データ保存装置では、各アンテナ素子で受信した1ブロック分のデータ、すなわちN×L個のデータが入力され、入力信号に基づいて、復号を行う。受信信号としては、データ保存装置によって保存された信号と受信信号の共役値とが使えるため、復号器では、N×L×2個の信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、復号を行うことになる。具体的には次のように干渉信号を除去して復号を行う。数9のように受信信号(r p,n,l )は希望信号と干渉信号とが含まれている。数9において(h q,b,p,n )は伝達関数であり、段落0014から0022(従来技術3)で説明したように情報伝達中に推定できる。また、(w b,l,k )は段落0064に記載したように符号化器に予め設定された固定値である。すなわち、数9のA p,q,k とB p,q,k は既知の値であるため、数9の(r p,n,l )に受信信号とその共役値を代入した連立方程式を解くことで全ての信号(C q,k )を知ることができる。従って、信号(C q,k )の中のうち信号(C p,k )を符号化器への入力信号と推定することができる。
【0067】
たとえば、N=2、L=8、K=4、P=4の場合は、(N×L×2)>(2×P×K−1)であるため、完全に干渉を抑圧することが可能となる。したがって、送信局での送信ビーム形成において、希望する受信局以外の局に対してヌルが形成されていない場合にも、同一周波数、同一時刻において帯域を広げずに複数の受信局と下り通信を行うことが可能となる。
【0068】
以下、本第1の実施の形態の効果を計算機シミュレーションによって確認した結果について述べる。本計算機シミュレーションでは、受信局数は4、送信局のアンテナ素子数は7素子、受信局のアンテナ素子数は2素子とし、ビーム数はB=4ビーム1受信局とした。
【0069】
符号化はK=4シンボル、L=8シンボルから構成する符号化率1/2のSTBC(V.Tarokh,et al.,J selecte darea in COM.,Vol.17,No3,pp.451−460,1999.)とした。
【0070】
また、変調方式はQPSK、最大ドップラーシフトはfdT=0.1、到来波は100波とし、受信局の位置は受信局1が−5度方向、受信局2が−15度方向、受信局3が10度方向、受信局4が20度方向とした。受信局での角度広がりは360度とし、送信局での角度広がりはパラメータとした。
【0071】
従来方法は、伝運関数を受信局で推定し、推定結果を送信局にフィードバックし、送信局でMMSE指向性制御を行う方法(Der1ek Ger1acha、Ar1ogyaswami Paulraj、“Base Station Antenna Arrays with Mobile to Base Feedback、”Coference Record of The Twenty−Seventh Asilomar Conference on 、1993)とし、伝達関数の推定誤差はフェージング(最大ドップラーシフトはfdT=0.1)のみによって生じるとした。
【0072】
図4は、第1の実施の形態の効果を示す図である。以下、本第1の実施の形態を角度広がりのある環境に適用した場合のSINR特性のシミュレーション結果を示す。試行回数は1000回とし、受信局での出力SINRの累積確率の10%値で評価した。従来方法ではフェージング変動の影響を補償することができないため、角度広がりが大きくなり、フェージングの影響が大きくなるにしたがって、伝送品質が著しく劣化している。これに対し、本第1の実施の形態では自由度が拡大され、角度広がり30の環境においてSIR特性を従来方法に対して約10.1dB改善できることが分かる。
【0073】
以上、説明したように本第1の実施の形態ではフェージング環境のように伝達関数の推定が正確に行えないような環境においても、受信局に干渉補償機能を持たせることが可能となり.伝送品質を大きく改善できることが分かる。
【0074】
図2は、本発明の第2の実施の形態を示す図であり、伝達関数推定結果(送信局は伝達関数推定機能を有している。)に基づく送信ビームの指向性制御が可能となる形態を示している。
【0075】
図2において、符号21は指向性制御装置、符号22は伝達関数推定装置である。伝達関数推定装置では、たとえば、上り通信と下り通信で同一周波数を用いるシステムにおいては、上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算によって伝達関数を推定することが可能となる。
【0076】
あるいは、上り通信と下り通信で異なる周波数を用いるシステムにおいては、上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定、遅延時間推定を行い、伝達関数の推定を行うことが可能である。到来方向推定の方法としては、たとえばMUSIC法やESPRIT法といった高精度到来方向、遅延時問推定アルゴリズムや、簡易なビームフォーマ法、CaPon法などのアルゴリズムを適用することができる(菊問信良著「アレーアンテナによる適応信号処理」科学技術出版P173頁〜192頁)。
【0077】
このようにして、本第2の実施の形態においては、一旦伝達関数が推定できれば、伝達関数推定結果に基づいて、たとえばMMSE指向性制御といった指向性制御アルゴリズムを適用することが可能となる。
【0078】
そして、本第2の実施の形態においては、伝達関数推定結果を指向性形成に反映させることによって、大きく伝送品質を改善することが可能となる。
【0079】
図5は、第2の実施の形態の効果を示す図である。以下、本第2の実施の形態の効果を計算機シミュレーションによって確認した結果について述べる。本計算機シミュレーションでは、受信局数は4、送信局のアンテナ素子数は7素子、受信局のアンテナ素子数は2素子とし、ビーム数はB=4ビーム/受信局とした。符号化はK=4シンボル、L=8シンボルから構成する符号化率1/2のSTBC(V.Tarokh、et a1.、J.selected area inCOM、Vol.17、No.3、PP.451−460、1999.)とした。
【0080】
また、変調方式はQPSK、最大ドップラーシフトはfdT=0.1、到来波は100波とし、受信局の位置は、受信局1が−5度方向、受信局2が−15度方向、受信局3が10度方向、受信局4が20度方向とした。受信局での角度広がりは360度とし、送信局での角度広がりはパラメータとした。
【0081】
従来方法は伝達関数を受信局で推定し、推定結果を送信局にフイードバックし、送信局でMMSE指向性制御を行う方法(Derlek Ger1acha、Ar1ogyaswami Pau1raj、“Base Station Antenna Arrays with Mobi1e to Base Feedback、”Conference Record of The Twenty−Seventh Asilomar Conference on、1993)とし、伝達関数の推定誤差はフェージング(最大ドップラーシフトはfdT=0.1)のみによって生じるとした。図5に示すように、角度広がりの狭い環境でも従来方法と比較して約15dBのSIR特性の改善が可能となっている。
【0082】
図3は、本発明の第3の実施の形態を示す図であり、受信局での復号器を線形演算により簡易に構成した形態を示している。図3において、符号311p1〜31NpLは分岐装置、符号3211p1〜32KNpLは重み付け装置、符号331pは合成装置、符号34pはパラレルーシリアル変換器である。
【0083】
受信局の各アンテナで受信した信号は、周波数変換された後、アナログ−ディジタル変換器16p1〜16pNによって、ディジタル信号に変換され、その後、符号1711〜171Nのデータ保存装置によって1ブロック分のLシンボルのデータが保存される。保存されたデータは同時にデータ保存装置から出力され、各々分岐装置311p1〜31NpLに入力される。分岐装置は、入力された信号をK個の信号に分岐し、K個の信号毎の個別信号復号回路に入力する。
【0084】
k番目の個別信号復号回路では、各入力信号に対して、重み付け装置32k1p1〜32kNpLによって重み付けされた後、合成装置33kpによって合成され、k番目の個別信号復号信号が得られる。
【0085】
ここで、重み付け装置の重みの値は、ゼロフォーシングアルゴリズムやLMSアノレゴリズム(Proakis著、坂庭他訳「ディジタルコミュニケーション」(科学技術出版)738−744頁)を用いて決定することができる。各復号信号はパラレルーシリアル変換器34pに入力され、1ブロック分の復号信号系列が得られる。以上説明したように、本第3の実施の形態を用いれば、重み付けと合成の線形演算により簡易に復号が可能となる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来技術よりも優れた指向性制御および干渉除去を実現することができる。したがって、本発明によれば、伝達関数推定誤差によって生じる伝送品質の劣化を補償する、従来よりも優れた無線通信システム、送信局、受信局および無線通信方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の効果を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の効果を示す図である。
【図6】従来の適応アンテナ装置を示す図である。
【符号の説明】
1011〜101B 受信局1との通信に用いるビーム
10P1〜10PB 受信局Pとの通信に用いるビーム
1101〜110M 送信局のアンテナ素子
12 マルチビーム形成回路
131〜13P シリアル−パラレル変換器
141〜14P 受信局への送信信号に対する符号化器
1511〜15PN 受信局のアンテナ素子
1611〜16PN アナログ−ディジタル信号変換器
1711〜171N データ保存装置
181〜18P 復号器
21 指向性制御装置
22 伝達関数推定装置
311p1〜31NpL 分岐装置
3211p1〜32KNpL 重み付け装置
331p 合成装置
34p パラレル−シリアル変換器
351p 個別信号復号回路
4011〜401N アンテナ素子
4021〜402N 重み付け装置
403 重み制御装置
404 基準信号発生装置
405 合成及び分岐装置

Claims (9)

  1. マルチビーム形成回路を備える送信局と複数(N本)のアンテナ素子を備える複数(P個)の受信局とが、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記送信局は、
    K個の信号を入力され、該入力されたK個の信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、
    前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、
    (B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、を備え、
    前記受信局は、
    前記送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、
    前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うアナログ−ディジタル信号変換器と、
    前記アナログ−ディジタル信号変換器によりアナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するデータ保存装置と、
    前記データ保存装置に保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う復号回路と、を備え、
    前記送信局と前記受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする無線通信システム。
  2. K個の送信信号を入力され、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号を出力する符号化器と、
    前記符号化器の出力信号を入力され、該入力された前記符号化器の出力信号をシリアル−パラレル変換した送信信号を複数の出力インタフェースからそれぞれ出力するシリアル−パラレル変換器と、
    (B×P)個のビームを形成し、前記シリアルーパラレル変換器が有する複数の出力インタフェースの1つから出力される前記送信信号を前記(B×P)個のビーム毎に割り当て、前記各ビームから前記送信信号を送信するマルチビーム形成回路と、
    を備える送信局であって、
    複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信し、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行い、該変換された前記受信信号を保存し、該保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う複数(P個)の受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があり、前記受信局との間で同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うことを特徴とする送信局。
  3. 入力されたK個の信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成し、該生成した信号のシリアル−パラレル変換した送信信号を(B×P)個のビームに割り当て、前記送信信号を送信する送信局との間で同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行う複数(P個)の受信局であって、
    前記送信信号を受信信号として受信する複数(N本)のアンテナ素子と、
    前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うアナログ−ディジタル信号変換器と、
    前記アナログ−ディジタル信号変換器によりアナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するデータ保存装置と、
    前記データ保存装置に保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行う復号回路と、を備え、前記送信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする受信局。
  4. マルチビーム形成回路を備える送信局と複数(N本)のアンテナ素子を備える複数(P個)の受信局とが、同一時刻に同一周波数でディジタル無線通信を行うシステムにおける無線通信方法であって、
    前記送信局が、K個の送信信号を入力されるステップと、
    前記送信局が、該入力されたK個の送信信号を符号化率K/LのSTCやSTBCを用いて(1受信局当たりのビーム数B×L)個(≧K個)の符号化した信号を生成するステップと、
    前記送信局が、該生成した信号をシリアル−パラレル変換し、複数の出力インタフェースから送信信号としてそれぞれ出力するステップと、
    前記送信局が、(B×P)個のビームを形成し、前記送信信号を前記(B×P)個のビームに割り当て、前記送信信号を送信するステップと、
    前記受信局が、複数(N本)のアンテナ素子で前記送信信号を受信信号として受信するステップと、
    前記受信局が、前記複数(N本)のアンテナ素子ごとに希望信号と干渉信号との線形和で表される前記受信信号のアナログ−ディジタル信号変換を行うステップと、
    前記受信局が、前記アナログ−ディジタル信号変換された前記受信信号を保存するステップと、
    前記受信局が、前記保存された前記複数(N本)のアンテナ素子で受信した1ブロック分のN×L個の受信信号前記N×L個の受信信号の共役値、情報伝達中に推定した伝達関数及び前記符号化器に予め設定された固定値を用いて前記受信信号から2×P×K−1個の干渉信号を除去し、前記希望信号を得て前記受信信号の復号を行うステップと、を有し、
    前記送信局と前記受信局との間に2×N×L>2×P×K−1を満たす関係があることを特徴とする無線通信方法。
  5. 請求項1記載の無線通信システムにおいて、
    前記送信局は、
    前記送信局のアンテナ素子と各受信局の各アンテナ素子との間で、上り通信と下り通信で同一周波数を用いる場合に上り通信時の受信信号と既知信号の相関演算を行うことで伝達関数を推定し、上り通信と下り通信で異なる周波数を用いる場合に上り通信時にアレーアンテナで受信された信号から到来方向推定及び遅延時間推定を行うことで伝達関数を推定し、該推定した結果を出力する伝達関数推定装置と、
    前記伝達関数推定装置の出力信号を入力され、該入力された信号に基づいて、送信局において形成する複数の指向性を決定する指向性制御回路と、
    を有することを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記受信局は、
    前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、
    前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、
    前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、N×L個の信号のそれぞれに対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、
    前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、
    を有することを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1に記載の無線通信システムにおける送信局であって、
    L個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子と、前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、を備える受信局へ、
    入力されたK個の信号系列を(1受信局当たりのビーム数B×L)個の信号として送信する、ことを特徴とする送信局。
  8. 請求項1に記載の無線通信システムにおける受信局であって、
    前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信する前記複数(N本)のアンテナ素子に接続され、L個の分岐インタフェースからK個の信号をそれぞれ出力する分岐装置と、
    前記分岐装置が有する各分岐インタフェースに接続され、N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するK個の個別信号復号回路と、
    前記K個の個別信号復号回路に接続され、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するパラレル−シリアル変換装置と、
    を有する前記復号回路を備えることを特徴とする受信局。
  9. 請求項1に記載の無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記受信局の前記複数(N本)のアンテナ素子が、前記送信局から送信されるL個の送信信号を受信信号として受信するステップと、
    アナログ−デジタル信号変換器及びデータ保存装置を介して前記複数(N本)のアンテナ素子に接続される分岐装置が、L個の分岐インタフェースから、K個の信号をそれぞれ出力するステップと、
    前記分岐装置の各分岐インタフェースに接続されるK個の個別信号復号回路が、N×L個の信号に対して情報伝達中に前記受信局で推定した伝達関数に基づきゼロフォーシング又はLMSのアルゴリズムで決定される重み付けを施し、該重み付けを施したN×L個の信号合成し1つの信号を出力するステップと、
    前記K個の個別信号復号回路に接続されるパラレル−シリアル変換装置が、各個別信号復号回路から出力される信号に対してパラレル−シリアル変換を施し、K個の信号系列を出力するステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
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