JP2005191878A5 - - Google Patents

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多素子アンテナ用送信装置
本発明は、複数のアンテナ素子を有する送受信機に利用する。特に、各アンテナ素子から異信号を送信する際に、その電力配分を最適化することで信号の品質を改善する多素子アンテナシステム用個別振幅制御装置に利用する。
適応アンテナは、複数のアンテナ素子から送信された信号を複数のアンテナ素子で受信することで、伝搬環境を推定することにより送信された信号を得るアンテナである。以下に、伝達関数を用いて信号を得る方法を示す。
図10に従来の伝搬環境の推定を行う適応アンテナ装置を示す(例えば、非特許文献1参照)。従来の適応アンテナ装置は、複数の送受信アンテナ素子141〜14Nと、送受信切り替え装置(以下では、単に、切り替え装置と記す)131〜13Nと、送信機110と、受信機170とから構成される。
適応アンテナ装置の複数の送信局アンテナ素子11〜1Nにおいて送信された信号をT1〜TN、受信局において受信される信号をR1〜RN伝達関数行列Hの要素H ij は送信局のアンテナ素子jから受信局のアンテナ素子i間の伝達関数を示し、各受信信号にのるノイズをn1〜nNとすると、
Figure 2005191878
と表せる。受信信号に、伝達関数行列の逆行列を乗算すると、送信信号T1’〜TN’が導出される。
Figure 2005191878
1〜NNは送信信号T1〜TNを求める際に加わるノイズで、
Figure 2005191878
と与えられ、ここで行列Gは行列Hの逆行列である。各アンテナ素子で受信する際に加わるノイズの平均電力がn2に等しく、送信信号T1〜TNの絶対値が1とすると、i番目の信号に対するSNRiは(3)式より
Figure 2005191878
となっている。送信信号T1〜TNを解析するためのSNRがそれぞれの信号に対して異なる。したがってSNRが低い信号が存在するとシステム全体としての誤り率が増大するという問題がある。
S.Kurosaki,et al,"A SDM-COFDMScheme Employing a Simple Feed-Forward Inter-Channel Canceller for MIMO BasedBroadband Wireless LANs",IEICE Trans.Commun.,2003
複数のアンテナ素子を用いて複数の信号を送信する送信局において各アンテナ素子に給電する電力量は均一に与えた場合に、伝搬環境により信号毎のSNRにばらつきが生じ、伝送品質を劣化させるという問題があった。
本発明は、この伝送品質の劣化を防ぐためのものであり、伝達関数推定の際、送信局と受信局との間の伝搬環境に応じた電力分配を行うことで複数の送信信号のSNRのばらつきを少なくし、伝送品質を改善することを目的とする。
本発明の第一の観点は、信号受信時に推定される伝搬環境から、相手局に対し所要の伝送品質を満たす電力配分をアンテナ素子に行うことを特徴とする。例えば、あるアンテナ素子から送信される信号に対する受信時のSNRが劣化し、システム全体の伝送品質を下げている場合があるが、このアンテナ素子に配分する電力を上げることにより、システム全体の伝送品質を向上させることができる。
すなわち、本発明は、多素子アンテナシステム用送信装置であって、N個のアンテナ素子と、このアンテナ素子にそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置と、この切り替え装置に接続され、受信時に各切り替え装置から出力されるN個の信号を入力信号とし、入力信号から伝達関数行列を推定して出力する伝達関数推定手段と、この伝達関数推定手段の出力信号を入力信号とし、N個の振幅変換装置の重み値を決定する重み値決定手段と、N個の送信信号を発生させる送信機と、この送信機から発生したN個の送信信号をそれぞれ入力信号とし、この入力信号に振幅重み付けを行い、前記切り替え装置に送信信号を出力する前記N個の振幅変換装置とを備え、前記重み値決定手段は、伝達関数行列に基づき前記N個の振幅変換装置の重み値をそれぞれ決定する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、前記重み値をそれぞれ決定する手段は、推定された伝達関数行列から、各信号のSignal−to−Noise Rasio(SNR)がほぼ等しくなるように前記N個の振幅変換装置の重みの値をそれぞれ決定するSNR均等化重み値決定手段を備えたところにある(請求項1)。
例えば、前記SNR均等化重み値決定手段は、前記伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の転置演算を行う転置行列演算手段と、この転置行列演算手段により生成された転置行列を入力信号とし、逆行列演算を行う逆行列演算手段と、この逆行列演算手段により生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段に出力する送信電力比決定手段と、送信電力を設定する送信電力設定手段と、この送信電力設定手段の出力信号と送信電力比とから重み値を決定しN個の前記振幅変換装置に出力する重み値出力手段とを備え、前記送信電力比決定手段は、送信されるN個の信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する手段を備え、前記重み値出力手段は、前記送信電力設定手段で設定された送信電力となるように重み値を決定する手段を備えることにより実現することができる(請求項2)。
あるいは、本発明の多素子アンテナシステム用送信装置は、N個のアンテナ素子と、このアンテナ素子にそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置と、この切り替え装置に接続され、受信時に各切り替え装置から出力されるN個の信号を入力信号とし、入力信号から伝達関数行列を推定して出力する伝達関数推定手段と、この伝達関数推定手段の出力信号を入力信号とし、N個の振幅変換装置の重み値を決定する重み値決定手段と、N個の送信信号を発生させる送信機と、この送信機から発生したN個の送信信号をそれぞれ入力信号とし、この入力信号に振幅重み付けを行い、前記切り替え装置に送信信号を出力する前記N個の振幅変換装置とを備え、前記重み値決定手段は、伝達関数行列に基づき前記N個の振幅変換装置の重み値をそれぞれ決定する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、前記重み値をそれぞれ決定する手段は、推定された伝達関数行列から、誤り率が最小となるように前記N個の振幅変換装置の重みの値をそれぞれ決定する誤り率最小化重み値決定手段を備えたところにある(請求項3)。
例えば、前記誤り率最小化重み値決定手段は、前記伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の転置演算を行う転置行列演算手段と、この転置行列演算手段により生成された転置行列を入力信号とし、逆行列演算を行う逆行列演算手段と、誤り率とSNRとの間に成り立つ関数を設定し、送信電力比決定手段に出力する誤り率関数設定手段と、この誤り率関数設定手段の出力信号と前記逆行列演算手段とにより生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段に出力する送信電力比決定手段と、送信電力を設定する送信電力設定手段と、この送信電力設定手段の出力信号と送信電力比とから重み値を決定しN個の振幅変換装置に出力する重み値出力手段とを備え、前記送信電力比決定手段は、送信される信号の誤り率が最小となるように送信電力比を決定する手段を備え、前記重み値出力手段は、前記送信電力設定手段で設定された送信電力となるように重み値を決定する手段を備えることにより実現することができる(請求項4)。
本発明の第二の観点は、信号受信時に推定される伝搬環境から、受信時に伝送品質が最良となる相手送受信装置のアンテナ素子にかける重みを決定し、送信時に相手送受信装置の重み付け信号を送信し、受信時には振幅制御装置により、この重み付け信号を読み取り、通信相手に対して最適な電力配分を各アンテナ素子に対して行うことを特徴とする。
すなわち、本発明は多素子アンテナシステムの送信装置であって、N個のアンテナ素子と、このアンテナ素子にそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置と、この切り替え装置に接続され、受信時に各切り替え装置から出力されるN個の信号を入力信号とし、2つの信号にそれぞれ分岐する分岐装置と、この分岐装置により分岐された一方の出力を入力信号とし、入力信号に含まれる相手局の重み値決定手段により決定された重み値を取り出し、各振幅変換装置の重みを決定する振幅制御装置と、前記分岐装置により分岐された他方の出力を入力信号とし、入力信号から推定された伝達関数行列を重み値決定手段に出力し、復号を行う受信機と、この受信機から出力される伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列から相手局の各振幅変換装置により乗算された重みを算出し、送信機に重み信号を出力する重み値決定手段と、アンテナ数と同数の送信信号を発生させる前記送信機と、この送信機からの信号を入力信号とし、各信号に振幅重み付けを行い、前記切り替え装置の他方のポートへの入力信号を生成する振幅変換装置とを備え、前記重み値決定手段は、送受信装置の間で交互に行われる送受信に伴い推定された伝達関数行列に基づいて決定された相手局の前記N個の振幅変換装置の重み値を前記送信機へ出力する手段を備え、前記送信機は、相手局への情報信号と重み信号とを出力する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、前記重み値決定手段は、前記受信機によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列から各信号のSNRがほぼ等しくなるように相手局の前記N個の振幅変換装置の重みを決定するSNR均等化重み値決定手段を備えたところにある(請求項5)。
例えば、前記SNR均等化重み値決定手段は、前記受信機によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の逆行列演算を行う逆行列演算手段と、この逆行列演算手段により生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段に出力する送信電力比決定手段と、相手局送信電力を設定する相手局送信電力設定手段と、この相手局送信電力設定手段の出力信号と送信電力比とから相手局の重み値を決定し前記送信機に出力する前記重み値出力手段とを備え、前記送信電力比決定手段は、相手局により送信されるN個の信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する手段を備え、前記重み値出力手段は、前記相手局送信電力設定手段により設定された送信電力となるように相手局の重み値を決定する手段を備えることにより実現することができる(請求項6)。
あるいは、本発明は、多素子アンテナシステム用送信装置であって、N個のアンテナ素子と、このアンテナ素子にそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置と、この切り替え装置に接続され、受信時に各切り替え装置から出力されるN個の信号を入力信号とし、2つの信号にそれぞれ分岐する分岐装置と、この分岐装置により分岐された一方の出力を入力信号とし、入力信号に含まれる相手局の重み値決定手段により決定された重み値を取り出し、各振幅変換装置の重みを決定する振幅制御装置と、前記分岐装置により分岐された他方の出力を入力信号とし、入力信号から推定された伝達関数行列を重み値決定手段に出力し、復号を行う受信機と、この受信機から出力される伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列から相手局の各振幅変換装置により乗算された重みを算出し、送信機に重み信号を出力する重み値決定手段と、アンテナ数と同数の送信信号を発生させる前記送信機と、この送信機からの信号を入力信号とし、各信号に振幅重み付けを行い、前記切り替え装置の他方のポートへの入力信号を生成する振幅変換装置とを備え、前記重み値決定手段は、送受信装置の間で交互に行われる送受信に伴い推定された伝達関数行列に基づいて決定された相手局の前記N個の振幅変換装置の重み値を前記送信機へ出力する手段を備え、前記送信機は、相手局への情報信号と重み信号とを出力する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、前記重み値決定手段は、前記受信機によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列から誤り率が最小となるように相手局の前記N個の振幅変換装置の重みを決定する誤り率最小化重み値決定手段を備えたところにある(請求項7)。
例えば、前記誤り率最小化重み値決定手段は、前記受信機によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列の逆行列演算を行う逆行列演算手段と、誤り率とSNRとの間に成り立つ関数を設定し、送信電力比決定手段に出力する誤り率関数設定手段と、この誤り率関数設定手段の出力信号と前記逆行列演算手段により生成された逆行列とを入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段に出力する送信電力比決定手段と、相手局の送信電力を設定する相手局送信電力設定手段と、この相手局送信電力設定手段の出力信号と送信電力比とから相手局の重み値を決定し前記送信機に出力する重み値出力手段とを備え、前記送信電力比決定手段は、相手局から送信される信号の誤り率が最小となるように相手局の送信電力比を決定する手段を備え、前記重み値出力手段は、前記相手局送信電力設定手段で設定された送信電力になるように重み値を決定する手段とを備えることにより実現することができる(請求項8)。
本発明の第三の観点は、上記二つの観点で述べた各アンテナ素子から送信する信号に重みをかけて制御する場合に、所要のBER(Bit Error Rate)が定まっているときに、送信アンテナ毎に決定した重みと伝達関数行列からBERを推定し、所要のBERが得られる送信アンテナ数を求め、その結果を送信局にフィードバックし、送信アンテナ数を変化させ、送信電力を再分配することを特徴とする。
例えば、所要のSNRが定まっているときには、送信アンテナ毎に決定した重みと伝達関数とからSNRを推定し、所要のSNRが得られる送信アンテナ数を求め、その結果を送信局にフィードバックし、送信アンテナ数を変化させる手段を備えることにより実現することができる(請求項9)。
本発明によれば、複数のアンテナ素子により送信した各信号のSNRのばらつきを少なくし、伝送品質を改善することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態における多素子アンテナシステム用送信装置を示すブロック図である。時分割双方向方式のように上下の伝搬環境が同じとみなせる無線通信システムにおいて、受信時に推定される伝達関数から送信する際に各アンテナの送信電力にかける重みを決定し、伝送品質の改善を行う形態を示している。
図1において符号210は送信機、符号221〜22Nは振幅変換装置、231〜23Nは送受信切り替え装置、241〜24Nはアンテナ素子、250は伝達関数推定手段、260は重み値決定手段である。送信機210から出力された信号は振幅変換装置221〜22Nに入力され、k番目(1〜Nの整数)の信号に対し後述する振幅制御装置によって出力される重みWkを乗算され、アンテナ素子241〜24Nに出力される。また、アンテナ素子241〜24Nにおいて受信された受信信号は送受信切り替え装置231〜23Nによって伝達関数推定手段250に出力され、伝達関数推定手段では、伝達関数の推定を行い伝達関数行列が重み値決定手段260に出力される。上記重み値決定手段において乗算する重みW1〜WNを決定し、振幅変換装置221〜22Nに出力する。
振幅変換装置221〜22Nにおいて送信信号T1〜TNに重みW1〜WNを乗算した信号を送信する際には、システム全体の伝送品質はどのようなものになるかを算出する。
Figure 2005191878
と表せる。受信信号に、伝達関数行列の逆行列を乗算すると、送信信号T1’〜TN’が導出される。
Figure 2005191878
Figure 2005191878
このとき、それぞれの送信信号T1〜TNの絶対値が1とすると送信信号に対するSNRiは以下のように表せる。
Figure 2005191878
よってi番目の信号に対するSNRiは重みWiによって決定することができる。
このように送信する信号に対し重み付けをすることで、その伝搬環境で伝送品質が劣化しているアンテナ素子の送信電力を上げることができ、システム全体として誤り率を減少させることができる。本発明の効果を図7および図8を参照して説明する。両者とも♯1〜♯3の3つのアンテナ素子を用いて送信する場合について示してあり、図7は従来の装置によって形成されるビームパターン、図8は本発明の装置によって形成されたビームパターンである。
図7の従来の装置によって形成されたビームパターンでは♯3アンテナ素子の指向性が伝搬経路を向いておらず、受信局において伝送品質が悪くなっている。これに対し、図8に示す本発明の装置によりそれぞれのアンテナ素子に重み付けを行った結果では、伝送品質劣化の原因となっていた♯3アンテナ素子の放射電力の重みを大きくすることで、システム全体の伝送品質を改善している。
以下に伝達関数の具体的な推定方法を示す。上記のような重みを用いた通信を行うことを考え、A局とB局において通信を行うものとする。ここで、A局からB局への伝達関数行列をHとし、B局からA局への伝達関数行列をhと表すこととし、両者の間にはh=HTが成り立っているものとする。この仮定は上り通信と下り通信とで同一環境のときに成立する。A局よりまず既知の信号 A ij を送信すると、B局では受信される受信信号 B ij から伝達関数行列は以下のように算出される。
Figure 2005191878
Figure 2005191878
伝達関数行列HijはA局のアンテナ素子♯jからB局の♯iのアンテナ素子間の伝達関数を表している。A局から送信される送信信号TA 1〜TA Nは、受信信号RB 1〜RB Nに伝達関数行列の逆行列を乗算することで求めることができる。
次に、伝達関数を推定する別法について示す。ここで、B局が送信信号TB 1〜TB NをA局に送信する際に、各アンテナ素子から送信される信号に重み付けWB 1〜WB Nを行うことを考える。このとき上記の計算で得た伝達関数行列Hが送信する際にも同じとみなせる場合には、B局からA局への伝達関数行列hは、(5)式で得られたA局からB局への伝達関数行列Hを用いて以下のように表せる。
Figure 2005191878
また、この伝達関数行列hから逆行列gが求められ、(|gi12+|gi22+…+|giN2)の関数となるWB 1〜WB Nを算出することができる。
まず、既知の信号 B ij に重みWB 1〜WB Nを乗算した信号を送信すると、A局では受信信号 A ij に既知信号 B ij の逆数を乗算することにより、伝達関数行列は以下のように求められる。
Figure 2005191878
Figure 2005191878
Figure 2005191878
Figure 2005191878
h’は本来の伝達関数hに対角行列Wを乗算した重み付き伝達関数となっている。さらに、WB 1〜WB NをA局に重み信号として送信しておく。
B局において重み付けを行った送信信号WB 1B 1〜WB NB Nを、A局において受信信号RB 1〜RB Nと伝達関数信号h’の逆行列を用いて解析する。受信信号RA 1〜RA Nは、
Figure 2005191878
Figure 2005191878
と表すことができる。ここで、(11)式で得られるh’の逆行列からA局で得られる送受信局からの送信信号TB 1’〜TB N’は以下のように表せる。
Figure 2005191878
行列gは伝達関数行列hの逆行列である。送信信号TB 1〜TB Nの絶対値が1に等しいとすると、i番目の信号のSNRi
Figure 2005191878
と表され、各信号のSNRを重みWiによって調節できることが示された。
また、A局からB局に送信を行うことを考える。このときA局から送信する際に用いる重みWA 1〜WA Nを求める必要がある。重み付き伝達関数行列h’とB局の重み値WB 1〜WB NからA局からB局への伝達関数行列Hは以下のように得られる。
Figure 2005191878
よって、伝達関数行列Hの逆行列Gも同様に得られ、(|Gi12+|Gi22+…+|GiN2)の関数となるA局から送信される送信信号TA 1〜TA Nに条算する重みWA 1〜WA Nを算出することができる。
この実施形態において、各送受信装置の各アンテナ素子平均受信レベルの比が送受でほぼ等しい場合には、A局、B局間で重みWAおよびWBをやりとりする必要はなくなる。つまり、伝達関数行列の逆行列Gに以下のような関係が成り立つときを考える。
Figure 2005191878
ここで、A局においてB局からの送信信号を受信した後、B局に対し送信信号TA 1〜TA Nを送信する場合でみてみる。
この場合には、A局においてB局の重みWB 1〜WB Nが乗算されている伝達関数行列h’の逆行列から(24)式のようにB局の送信信号TB 1〜TB Nを得ることができる。ただし、送信する際にA局の送信信号TA 1〜TA Nにかける重みを計算する際には(26)式のようにB局の重みを用いての補正を行わず、伝達関数行列h’の転置行列H’の逆行列G’から求めてもよい。
B局の重みWB 1〜WB Nを用いずに、単に重み付き伝達関数行列の転置行列H’から逆行列G’を導出し、(|G’i12+|G’i22+…+|G’iN2)から導出することになる。このGとG’との間には下式のような関係がある。
Figure 2005191878
このとき、(|Gi12+|Gi22+…+|GiN2)と(|G’i12+|G’i22+…+|G’iN2)との関係は、
Figure 2005191878
と表すことができ、重みWB 1〜WB Nによる補正をしなくても、A局の重みWA 1〜WA Nを求めることができる。
既知新Tijを重みを乗算せずに送信する場合には、ここではB局からA局に送信するときを考えると、B局から送信された既知信号 B ij はA局で以下のように A ij として得られる。
Figure 2005191878
ここでTBijの逆行列を乗算することで、伝達関数行列hを得ることができる。ただし、B局より送信信号に重み付けした信号WB 1B 1〜WB 1B Nを送信した場合には、伝達関数行列hの逆行列と受信信号RA 1’〜RA N’から送信信号TB 1’〜TB N’を得ることができる。ただし、このTB 1’〜TB N’は
Figure 2005191878
と表すことができ、B局において乗算された重みWB 1〜WB Nにより補正される必要がある。
重み値W1〜WNを決定する方法としては例えば誤り率が最小になるように制御する方法や全SNRがほぼ一定になるように制御する方法が考えられる。また、伝搬環境に応じて各制御方法を切り替える方法も用いることができる
(第二実施形態)
第一実施形態の重み値決定手段の一形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図である。
図2において符号310は転置行列演算手段、320は逆行列演算手段、330は送信電力比決定手段、340は送信電力設定手段、350は重み値出力手段である。伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を転置行列演算手段310において転置演算を行い、生成された行列に逆行列演算手段320において逆行列演算を行い、送信電力比決定手段330に出力する。
上記送信電力比決定手段330では送信電力比を決定し、重み値出力手段350では、送信電力設定手段340の出力信号と送信電力比決定手段330の出力信号を入力信号とし、各振幅変換装置の重み値を決定してN個の振幅変換装置に出力する。
送信電力比決定手段において伝達関数行列の演算結果から各信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する。重み値としては以下の式を満たすように制御する。
Figure 2005191878
システムの要求条件によって決定するCは、例えば送信電力設定手段において設定される送信電力Ptに対し以下の式が成り立つように決める。
Figure 2005191878
このように制御することによってシステム全体の伝送品質を改善することができる。
すなわち、本発明実施例の多素子アンテナシステム用送信装置は、図1に示すように、N個のアンテナ素子241〜24Nと、このアンテナ素子241〜24Nにそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置231〜23Nと、この切り替え装置231〜23Nに接続され、受信時に各切り替え装置231〜23Nから出力されるN個の信号を入力信号とし、入力信号から伝達関数行列を推定して出力する伝達関数推定手段250と、この伝達関数推定手段250の出力信号を入力信号とし、N個の振幅変換装置221〜22Nの重み値を決定する重み値決定手段260と、N個の送信信号を発生させる送信機210と、この送信機210から発生したN個の送信信号をそれぞれ入力信号とし、この入力信号に振幅重み付けを行い、切り替え装置231〜23Nに送信信号を出力するN個の振幅変換装置221〜22Nとを備え、重み値決定手段260は、伝達関数行列に基づきN個の振幅変換装置221〜22Nの重み値をそれぞれ決定する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本実施例の特徴とするところは、重み値をそれぞれ決定する手段は、推定された伝達関数行列から、各信号のSignal−to−Noise Rasio(SNR)がほぼ等しくなるように前記N個の振幅変換装置の重みの値をそれぞれ決定するSNR均等化重み値決定手段を備えたところにある(請求項1)。
例えば、前記SNR均等化重み値決定手段は、図2に示すように、伝達関数推定手段250によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の転置演算を行う転置行列演算手段310と、この転置行列演算手段310により生成された転置行列を入力信号とし、逆行列演算を行う逆行列演算手段320と、この逆行列演算手段320により生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段350に出力する送信電力比決定手段330と、送信電力を設定する送信電力設定手段340と、この送信電力設定手段340の出力信号と送信電力比とから重み値を決定しN個の振幅変換装置221〜22Nに出力する重み値出力手段350とを備え、送信電力比決定手段330は、送信されるN個の信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する手段を備え、重み値出力手段350は、送信電力設定手段340で設定された送信電力となるように重み値を決定する手段を備える(請求項2)。
(第三実施形態)
第一実施形態の重み値決定手段の一形態を図面を参照して説明する。図3は本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図である。
図3において符号410は転置行列演算手段、420は逆行列演算手段、430は送信電力比決定手段、440は送信電力設定手段、450は重み値出力手段、460は誤り率関数設定手段である。伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を転置行列演算手段410において転置演算を行い、生成された行列に逆行列演算手段420において逆行列演算を行い、送信電力比決定手段430に出力する。誤り率関数設定手段460では信号のSNRと誤り率との間に成り立つ関数を設定し、上記送信電力比決定手段430では逆行列演算手段420と誤り率関数設定手段460の出力信号から送信電力比を決定する。
送信電力設定手段440では、送信電力の電力を設定し、重み値出力手段350では上記送信電力比決定手段430と送信電力設定手段440の出力信号から各振幅変換装置の重み値を決定しN個の振幅変換装置に出力する。
SNRと誤り率との間にある関数で決まる関係があるときに、システム全体の誤り率が最小となるように送信電力比決定手段において送信電力比の設定を行い、この送信電力比と送信電力設定手段で設定される送信電力から重み値決定手段において重み値を決定する。つまり誤り率BERとSNRとの間に以下のような関係が成り立つときを考える。
Figure 2005191878
このときシステム全体のBERallは以下のように表せる。
Figure 2005191878
このBERallを最小にするような送信電力比を送信電力比決定手段によって決定することで伝送品質を改善する。
上記のような重み値の設定を行うことで誤り率の改善を行ったシミュレーション結果を示す。送信局にダイポールアンテナAt,Bt、受信局にダイポールアンテナAr,Brをそれぞれ具備した送受信系において、送信局および受信局のダイポールアンテナ素子は0.3λの間隔をおいて設置し、その指向性についてはモーメント法を用いて算出した結果を使用した。
ここで、2次元平面での8波伝搬環境を考え、そのうち4波の放出角と、到来角、および経路による位相ずれをランダムに与え、残る4波をダイポールアンテナAtの指向性が有利になるように放射角を与え、変調方式QPSKにおける誤り率を算出した。(11)式で表せる誤り率とSNRとの関係はレイリーフェージング環境における遅延波を考えないとして以下の条件を与えた。
Figure 2005191878
このとき(12)式で表せるシステム全体のBERallが最小となるには重み値
1〜WNを次のように決定すればよい。
Figure 2005191878
上記の重み値を用いて振幅制御を行った際に得られる改善を図9に示した。平均SNR35dBにおいてBERで約5dBの改善が見られる。
すなわち、本実施例の多素子アンテナシステム用送信装置の前記重み値をそれぞれ決定する手段は、推定された伝達関数行列から、誤り率が最小となるように前記N個の振幅変換装置の重みの値をそれぞれ決定する誤り率最小化重み値決定手段を備える(請求項3)。
例えば、図3に示すように、前記誤り率最小化重み値決定手段は、伝達関数推定手段250によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の転置演算を行う転置行列演算手段410と、この転置行列演算手段410により生成された転置行列を入力信号とし、逆行列演算を行う逆行列演算手段420と、誤り率とSNRとの間に成り立つ関数を設定し、送信電力比決定手段430に出力する誤り率関数設定手段460と、この誤り率関数設定手段460の出力信号と逆行列演算手段420とにより生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段450に出力する送信電力比決定手段430と、送信電力を設定する送信電力設定手段440と、この送信電力設定手段440の出力信号と送信電力比とから重み値を決定しN個の振幅変換装置221〜22Nに出力する重み値出力手段450とを備え、送信電力比決定手段430は、送信される信号の誤り率が最小となるように送信電力比を決定する手段を備え、重み値出力手段450は、送信電力設定手段440で設定された送信電力となるように重み値を決定する手段を備える(請求項4)。
(第四実施形態)
図4は、第四実施形態の装置構成を示す図であり、多素子アンテナ送受信装置を示すブロック図である。受信信号から相手通信局の決定した各アンテナにかける重みを解析し、その重みを用いた送信信号を送信する。また、信号受信時に推定される伝達関数から通信相手局の各アンテナの送信電力にかける重みを決定し、重み信号として送信することで、送受信装置間の伝送品質の改善を行う形態を示している。
図4において符号510は送信機、符号521〜52Nは振幅変換装置、531〜53Nは送受信切り替え装置、541〜54Nはアンテナ素子、551〜55Nは分岐装置、560は振幅制御装置、570は受信機、580は重み値決定手段である。
送信機510からは受信機570から出力された重み信号と送信信号とが出力され、振幅変換装置521〜52Nでは送信機からの出力信号を入力信号とし、k番目(1〜Nの整数)の信号に対し後述する振幅制御装置によって出力される重みWkを乗算し、アンテナ素子541〜54Nに出力する。また、アンテナ素子541〜54Nにおいて受信された受信信号は分岐装置551〜55Nにより受信機と振幅制御装置とに分岐される。振幅制御装置では、通信相手より送信された重み信号から送信時にk番目の振幅変換装置において乗算する重みWkを求め、振幅変換装置に出力する。受信機においては伝達関数を推定し、復号を行うと共に、伝達関数を重み値決定手段に出力する。重み値決定手段では伝達関数から相手送受信装置の振幅変換装置にかける重みを算出し、送信機に出力する。
A局とB局との間で通信を行うことを考える。A局よりまず既知の信号 A ij を送信すると、B局では受信される受信信号 B ij から伝達系列行列は以下のように算出される。
Figure 2005191878
Figure 2005191878
A局から送信される送信信号TA 1〜TA Nは、受信信号RB 1〜RB Nに伝達関数行列の逆数を乗算することで求めることができる。このとき、B局はA局の振幅変換装置において乗算する最適な重みWA 1〜WA Nを、伝達関数行列Hの逆行列Gから算出することができる。
次にB局からA局に送信するときには再び既知の信号 B ij と受信信号 B ij から伝達関数行列hを同様に求める。B局から送信された送信信号TA 1〜TA Nは伝達関数行列の逆行列を乗算することで求めることができる。ここで、B局から送信された重み信号から送信信号TA 1〜TA Nに乗算する重みWA 1〜WA Nを得、また、伝達関数行列hからB局の送信信号に乗算する最適な重みWB 1〜WB Nを算出することができる。
再びA局から送信を行う際には既知の信号 A ij を送信した後、送信信号に重みを乗算した信号WA 1A 1〜WA NA Nを送信する。B局における受信信号RB 1〜RB Nと伝達関数行列hの逆行列、およびA局の重みWA 1〜WA Nから、得られる送信信号TA 1’〜TA N’は以下のように表せる。
Figure 2005191878
Figure 2005191878
各送信信号のSNRiは次のようになる。
Figure 2005191878
よって第一実施形態と同様に振幅制御を行えることが示された。
(第五実施形態)
第四実施形態の重み値決定手段の一形態を図面を参照して説明する。図5は本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図である。
図5において符号620は逆行列演算手段、630は送信電力比決定手段、640は相手局送信電力設定手段、650は重み値出力手段である。伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を逆行列演算手段620において逆行列演算を行い、送信電力比決定手段630に出力する。上記送信電力比決定手段630では送信電力比を決定し、重み値出力手段650では、相手局送信電力設定手段640の出力信号と送信電力比決定手段630の出力信号とを入力信号とし、各振幅変換装置の重み値を決定しN個の振幅変換装置に出力する。
送信電力比決定手段において伝達関数行列の演算結果から各信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する。このように制御することによってシステム全体の伝送品質を改善することができる。
すなわち、本実施例の多素子アンテナシステム用送信装置は、図4に示すように、N個のアンテナ素子541〜54Nと、このアンテナ素子541〜54Nにそれぞれ接続され、送信信号と受信信号とを切り替えるN個の切り替え装置531〜53Nと、この切り替え装置531〜53Nに接続され、受信時に各切り替え装置から出力されるN個の信号を入力信号とし、2つの信号にそれぞれ分岐する分岐装置551〜55Nと、この分岐装置551〜55Nにより分岐された一方の出力を入力信号とし、入力信号に含まれる相手局の重み値決定手段により決定された重み値を取り出し、各振幅変換装置521〜52Nの重みを決定する振幅制御装置560と、分岐装置551〜55Nにより分岐された他方の出力を入力信号とし、入力信号から推定された伝達関数行列を重み値決定手段580に出力し、復号を行う受信機570と、この受信機570から出力される伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列から相手局の各振幅変換装置により乗算された重みを算出し、送信機510に重み信号を出力する重み値決定手段580と、アンテナ数と同数の送信信号を発生させる送信機510と、この送信機510からの信号を入力信号とし、各信号に振幅重み付けを行い、切り替え装置531〜53Nの他方のポートへの入力信号を生成する振幅変換装置521〜52Nとを備え、重み値決定手段580は、送受信装置の間で交互に行われる送受信に伴い推定された伝達関数行列に基づいて決定された相手局のN個の振幅変換装置521〜52Nの重み値を送信機510へ出力する手段を備え、送信機510は、相手局への情報信号と重み信号とを出力する手段を備えた多素子アンテナシステム用送信装置である。
ここで、本実施例の特徴とするところは、重み値決定手段580は、受信機570によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列から各信号のSNRがほぼ等しくなるように相手局のN個の振幅変換装置の重みを決定するSNR均等化重み値決定手段を備えたところにある(請求項5)。
例えば、前記SNR均等化重み値決定手段は、図5に示すように、受信機570によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、伝達関数行列の逆行列演算を行う逆行列演算手段620と、この逆行列演算手段620により生成された逆行列を入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段650に出力する送信電力比決定手段630と、相手局送信電力を設定する相手局送信電力設定手段640と、この相手局送信電力設定手段640の出力信号と送信電力比とから相手局の重み値を決定し送信機510に出力する重み値出力手段650とを備え、送信電力比決定手段630は、相手局により送信されるN個の信号のSNRがほぼ等しくなるように送信電力比を決定する手段を備え、重み値出力手段650は、相手局送信電力設定手段640により設定された送信電力となるように相手局の重み値を決定する手段を備える(請求項6)。
(第六実施形態)
第四実施形態の重み値決定手段の一形態を図面を参照して説明する。図6は本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図である。
図6において720は逆行列演算手段、730は送信電力比決定手段、740は相手局送信電力設定手段、750は重み値出力手段、760は誤り率関数設定手段である。伝達関数推定手段によって推定された伝達関数行列を逆行列演算手段720において逆行列演算を行い、送信電力比決定手段730に出力する。誤り率関数設定手段760では信号のSNRと誤り率との間に成り立つ関数を設定し、上記送信電力比決定手段730では逆行列演算手段720と誤り率関数設定手段760の出力信号から送信電力比を決定する。相手局送信電力設定手段740では送信電力の電力を設定し、重み値出力手段750では上記送信電力比決定手段730と相手局送信電力設定手段740の出力信号から各振幅変換装置の重み値を決定しN個の振幅変換装置に出力する。
SNRと誤り率との間にある関数で決まる関係があるときに、システム全体の誤り率が最小となるように送信電力比決定手段において送信電力比を決定することでシステム全体の伝送品質を改善する。
すなわち、本実施例の多素子アンテナシステム用送信装置の前記重み値決定手段580は、受信機570によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列から誤り率が最小となるように相手局の前記N個の振幅変換装置の重みを決定する誤り率最小化重み値決定手段を備える(請求項7)。
例えば、前記誤り率最小化重み値決定手段は、図6に示すように、受信機570によって推定された伝達関数行列を入力信号とし、この伝達関数行列の逆行列演算を行う逆行列演算手段720と、誤り率とSNRとの間に成り立つ関数を設定し、送信電力比決定手段730に出力する誤り率関数設定手段760と、この誤り率関数設定手段760の出力信号と逆行列演算手段720により生成された逆行列とを入力信号とし、送信電力比を決定し重み値出力手段750に出力する送信電力比決定手段730と、相手局の送信電力を設定する相手局送信電力設定手段740と、この相手局送信電力設定手段740の出力信号と送信電力比とから相手局の重み値を決定し送信機510に出力する重み値出力手段750とを備え、送信電力比決定手段730は、相手局から送信される信号の誤り率が最小となるように相手局の送信電力比を決定する手段を備え、重み値出力手段750は、相手局送信電力設定手段740で設定された送信電力になるように重み値を決定する手段とを備える(請求項8)。
(第七実施形態)
以下に送信アンテナ数を環境に応じて変化させる第三の実施形態を示す。各アンテナ素子への出力に重み付けを行う送受信装置において、例えば、所要誤り率などの所要伝送品質が定まっている場合には、送信アンテナ毎に決定した重みと伝達関数行列から伝送品質を推定し、所要伝送品質が得られる送信アンテナ数を求め、その結果を送信局にフィードバックし、送信アンテナ数を変化させ、送信電力を再配分する。このようにすることで、伝送品質が著しく劣化したアンテナを用いないようにすることができるため、伝送品質の改善が可能となる(請求項9)。
本発明によれば、複数のアンテナ素子により送信した各信号のSNRのばらつきを少なくし、伝送品質を改善することができるため、品質の高い通信を実現することができるため、ユーザのサービス品質を向上させ、ユーザ勧誘に寄与することができる。
本発明の実施形態における多素子アンテナシステム用送信装置を示すブロック図(第一実施形態)。 本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図(第二実施形態)。 本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図(第三実施形態)。 第四実施形態の装置構成を示す図であり、多素子アンテナ送受信装置を示すブロック図。 本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図(第五実施形態)。 本発明の実施形態における多素子アンテナシステム送信装置の重み値決定手段を示すブロック図(第六実施形態)。 従来の装置によって形成されるビームパターンを示す図。 本発明の装置によって形成されたビームパターンを示す図。 本実施例の重み値を用いて振幅制御を行った際に得られる改善を示す図。 従来の伝搬環境の推定を行う適応アンテナ装置を示す図。
符号の説明
110、210、510 送信機
170、570 受信機
131〜13N、231〜23N、531〜53N (送受信)切り替え装置
141〜14N、241〜24N、541〜54N アンテナ素子
221〜22N、521〜52N 振幅変換装置
250 伝達関数推定手段
260、580 重み値決定手段
310、410 転置行列演算手段
320、420、620、720 逆行列演算手段
330、430、630、730 送信電力比決定手段
340、440 送信電力設定手段
350、450、650、750 重み値出力手段
460、760 誤り率関数設定手段
551〜55N 分岐装置
560 振幅制御装置
640、740 相手局送信電力設定手段
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