JP3970634B2 - 移動電源用連結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭や日常生活に使用している電気機器用の交流電源を備えた移動電源用連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車を含む電気自動車は、地球環境汚染防止の面からも早期実用化が要求されている。多くの電気自動車は、直流電源をインバータで交流に変換し、モータを駆動して車輪を回転させているため、移動電源設備として利用することも可能である。
【0003】
また、燃料電池の発電設備や発動発電機の発電設備などを搭載した移動電源設備は、災害時などで商用電力の供給が停止した場合、負荷に一番近いところに移動させて効率よく一時的に電力を供給できる。特に、燃料電池による発電は、排ガスがきれいであること、音が静かであることなど住宅地域にも適する特長を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、移動電源によって発電された電気を、一般家庭の屋内配線を含む電気機器の負荷用として併用して使用するには、次のような問題点がある。
【0005】
自動車に使用する電力は、三相の交流電力であり、家庭用の商用電力は単相の交流電力であって直接使用することができない。
【0006】
さらに、家庭用電気機器が短絡事故などで故障し、過電流が流れると、移動電源側のインバータを含む電子機器も故障する。常時は、商用電源に接続されて使用しているため、商用電源が停電時に移動電源からの電力に切換えて使用中、商用電源が自動復帰した場合、燃料電池などの電気自動車による発電と混触し、過電流・逆潮流などの問題が発生する。
【0007】
さらに、電気自動車及び移動電源車輌で発生した電力は、非接地で使用されているのに対して、家庭内の負荷の屋内配線は、一端側が接地電位になっており、接地方式が異なっている。従って、非接地の電気自動車及び移動電源車輌の電力の利用は、台所や風呂場及びトイレなどの水周りで使用される電気機器に感電保護用として設備されている漏電遮断器が確実に動作する保証がなくなり、人命に係る危険な状態となる可能性がある。
【0008】
さらに、家庭の屋内配線である負荷側で異常が発生した場合に電気回路が自動的に遮断されても移動電源は、無負荷の状態で運転を継続し、発電用の燃料を無駄に消費することとなる。
【0009】
電気需要者からは、商用電源と移動電源を支障なく選択して利用できる手段の開発が望まれている。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、商用電源と移動電源を支障なく選択して利用できる移動電源用連結装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、次の構成からなる移動電源用連結装置を提供するものである。
【0012】
すなわち、請求項1の移動電源用連結装置は、移動可能な移動電源の出力端子に発生する非接地の交流電力又は直流電力を、単相の交流電力に変換する移動電源用連結装置において、前記出力端子に接続された回路遮断器と、この回路遮断器と直列に接続された速断ヒューズと、この速断ヒューズの出力端側に1次側が接続され、2次側の一端が接地された単相の交流電力を出力する絶縁変圧器とを具備し、前記移動電源用連結装置に過電流が流れたとき前記速断ヒューズが最初に溶断し、この溶断情報を前記移動電源に出力することを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によれば、移動電源用連結装置に過電流が流れたとき速断ヒューズが最初に溶断し、この溶断情報を移動電源に出力するので、電気回路に接続された半導体素子に過電流が流れるのを回避でき、移動電源用連結装置を保護することができる。さらに、速断ヒューズの溶断情報を移動電源に出力するので、移動電源の発電を停止させることができ、発電のための燃料の消費を停止させることができる。
【0016】
ここで、前記移動電源の出力端子に三相の交流電力が発生する前記絶縁変圧器の1次側に、前記三相の交流電力を整流する整流回路と、この整流回路の出力側に接続された単相の交流電力を出力するインバータ回路との直列接続回路を接続してもよい。
【0017】
この構成によれば、三相の交流電力を整流する整流回路と、この整流回路の出力側に接続された単相の交流電力を出力するインバータ回路との直列接続回路を絶縁変圧器の1次巻線に接続したので、絶縁変圧器を比較的軽量に構成でき、軽量で持ち運びし易い連結装置を得ることができる。
【0026】
非接地交流電力又は直流電力は、基準電位が接地されていない電源回路の出力電力である。一端側が接地電位の単相の交流電力は、単相の交流電力が生ずる2端子の一方の端子を接地してマイナス側端子とした単相の交流電力である。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の移動電源用連結装置の実施形態を図1を参照して説明する。この実施形態は移動電源からの出力電力で、一般の電気機器を安全に利用できるようにし、短絡などで過電流が流れたとき、自動的に回路を遮断して電気回路素子を保護するようにした移動電源用連結装置である。
【0028】
移動電源1は、燃料電池や発動発電機駆動用動力とは別個に載置した自動車や燃料電池を駆動用に載置した電気自動車などで電力を出力する端子を有する移動可能な電源である。このような移動電源1は、次のような移動電源用連結装置2を介して負荷回路3に電力を供給する構成である。
【0029】
次に、移動電源用連結装置2の構成を説明する。移動電源用連結装置2には、移動電源1と着脱自在に電力線を接続するためにコネクタ11が設けられている。
【0030】
このコネクタ11の出力端には、回路遮断器12が接続されている。この回路遮断器12は、移動電源用連結装置2あるいは負荷回路3で短絡事故、感電事故等の異常が発生して予め定められた電流値以上の過電流が流れたとき遮断動作する。この回路遮断器12の出力端には、速断ヒューズ13が直列接続されている。この速断ヒューズ13は、上記短絡事故、感電事故等の異常が発生して予め定められた電流値以上の過電流が流れたとき、回路遮断器12より高速で溶断されるように構成されている。速断ヒューズ13は、高価なインバータや半導体素子などの比較的破壊電流が低電流の移動電源1を構成している電気回路部品を保護するためのものである。
【0031】
回路遮断器12には、当該回路を遮断する操作が行われると、同時に遮断情報を移動電源1に出力するための遮断情報検出回路14が接続されている。同様に、速断ヒューズ13には、当該回路を断路する溶断操作が行われると、同時に溶断情報を移動電源1に出力する溶断情報検出回路15が接続されている。
【0032】
遮断情報検出回路14および溶断情報検出回路15からの遮断情報および溶断情報を受信した移動電源1では、遮断情報および溶断情報を発電用燃料の供給停止操作、発電動作停止操作などが行われる。
【0033】
速断ヒューズ13の出力端には、三相の交流電力を単相の交流電力に変換する回路又は直流電力を単相の交流電力に変換する変換回路16が接続されている。この変換回路16の出力端には、移動電源1側と負荷回路3側とを絶縁し、単相の交流電力を出力する絶縁変圧器17が接続されている。この絶縁変圧器17は、2次側巻線の一端が接地され、片端側が接地電位の単相の交流電力を出力する。
【0034】
片端側が接地電位の単相の交流電力は、電気機器に接続されている漏電遮断器を確実に動作させることができる。漏電遮断器の接続されている電気機器は、例えば家庭の負荷であれば水周りで使用される電気機器である。漏電遮断器の主たる目的は、人体保護である。漏電遮断器の動作を確実にし、人体の安全を確保する手段は、1次側巻線と2次側巻線とを絶縁した絶縁変圧器17と、2次側巻線の一端を接地して片端側が接地電位の単相の交流電力を出力することである。
【0035】
この絶縁変圧器17の出力端には、回路遮断器18が接続されている。
【0036】
この回路遮断器18は、負荷回路3で短絡事故、感電事故等の異常が発生して過電流が流れたときや、他の電源たとえば商用電力との混触を防止するための制御時に開閉制御される。この回路遮断器18の出力端には、移動電源用連結装置2の電力出力端子19が接続されて移動電源用連結装置2が構成されている。
【0037】
次に、移動電源用連結装置2の動作、作用の例を図1を参照して説明する。 移動電源1は、三相の交流電力を移動電源用連結装置2のコネクタ11に出力する。入力された三相の交流電力は、回路遮断器12、速断ヒューズ13を介して変換回路16に入力される。この変換回路16は、三相の交流電力を単相の交流電力に変換して、絶縁変圧器17に出力する。この絶縁変圧器17は、単相の交流電力をマイナス側が接地電位の100Vで単相の交流電力に変換して回路遮断器18に出力する。この回路遮断器18は常時開状態であり、電力を必要とするとき閉状態に制御して電力出力端子19を介して負荷回路3に出力する。負荷回路3は、一般の家庭用屋内配線でも、電気機器でもよい。電力出力端子19に出力される電力は、マイナス側が接地電位の100Vで単相の交流電力であるため、水周りで使用される各電気機器に接続されている漏電遮断器を確実に動作させることができ、電気機器を安全に利用することができる。
【0038】
このような動作において、移動電源用連結装置2あるいは負荷回路3で短絡事故が発生して移動電源用連結装置2内に異常な過電流が流れると、速断ヒューズ13は溶断し、変換回路16への電力の供給が遮断される。前後して回路遮断器12は、回路を遮断動作する。移動電源用連結装置2などにて、異常な過電流が流れる回路にインバータなど半導体素子が接続された回路が接続されている場合、速断ヒューズ13の溶断は、電力の供給を遮断し、比較的電流容量の小さい半導体素子などの電気回路部品を保護する。
【0039】
速断ヒューズ13の溶断動作と回路遮断器12の遮断動作は、溶断情報検出回路15および遮断情報検出回路14により検出される。溶断情報検出回路15および遮断情報検出回路14は、それぞれ溶断情報と遮断情報をコネクタ11を介して移動電源1に出力する。この出力を受けた移動電源1は、発電動作を停止させるための動作をする。発電動作を停止させるための手段は、例えば発電するための燃料の供給を停止する操作である。移動電源1の出力は複数の移動電源用連結装置2に電力を供給している場合は、溶断情報と遮断情報を送信した移動電源用連結装置2への電力供給回路のみ電力の供給を停止する操作をする。
【0040】
次に、図1の実施例を図2乃至図6を参照して説明する。
【0041】
実施例1
次に、図1並びに図2を参照して説明する。
この実施例は移動電源1から非接地の三相の交流電力を出力し、図1に示した変換回路16と絶縁変圧器17の両者の機能を絶縁変圧器21により機能させた回路である。コネクタ11には、移動電源1の出力端子に接続するために必要な長さの電力線22が接続されている。この電力線22は、邪魔にならないようにコードリール23に巻回され、このコードリール23は電力線22が必要な長さ分引き出された位置で仮止めされる機構になっている。
【0042】
回路遮断器12としては、モールド形回路遮断器24が使用されている。遮断情報検出回路14は、モールド形回路遮断器24に過電流が流れたとき発生する磁界により閉方向に動作するリレー回路25である。このリレー回路25は、閉方向に動作したとき、所定の電圧が遮断情報として出力されるように構成されている。
【0043】
速断ヒューズ13は、予め定められた過電流が流れたとき溶断するヒューズである。溶断情報検出回路15は、過電流が流れたとき発生する磁界により閉方向に動作するリレー回路26である。このリレー回路26は、閉方向に動作したとき、所定の電圧が溶断情報として出力されるように構成されている。
【0044】
この溶断情報および遮断情報は、移動電源1に移動電源用連結装置2の回路が遮断状態になったという情報として送信線を通して出力される。この送信線は、コードリール23に巻回されている電力線に絶縁して一体にした複合線にすることが望ましい。上記送信線が、三相の交流電力による外部誘導を受け、溶断情報および遮断情報がノイズで明瞭に判別できない場合は、信号線をシールドケーブルや光ケーブルにすることが望ましい。また、溶断情報および遮断情報は、電波又は光により無線で送信しても、移動電源用連結装置2と移動電源1が至近距離であるため安価な送信機で送信することができる。
【0045】
絶縁変圧器21は、非接地の三相の交流電力を単相の交流電力に変換するために1次側、2次側の巻線をV−V接続の構成にしたトランスであり、1次側と2次側は絶縁されている。さらに、絶縁変圧器21の2次側巻線の中間部27は、マイナス側が接地電位の単相の交流電力を出力するために接地ライン28に接続されている。この結果、絶縁変圧器21の出力には、一端が接地された単相の交流電力が出力される。
【0046】
絶縁変圧器21の出力は、多数の負荷回路3に供給されるように多数の回路遮断器18の並列回路が接続されている。各回路遮断器18には、夫々電力出力端子19を介して各負荷回路3が接続されている。即ち、各負荷回路3毎に回路遮断器18が接続されている。
【0047】
この実施例によれば、高価なインバータを接続することなく非接地の三相の交流電力を単相の交流電力に変換でき、マイナス側が接地電位の単相の交流電力を出力できる。さらに、コネクタ11には、電力線22が接続され、この電力線22は、邪魔にならないようにコードリール23に巻回され、必要な長さ分引き出して使用できるので、次のような効果がある。
▲1▼停電した夜間の暗闇でも手探りで移動電源用連結装置2の定められた位置に設けられているコネクタ11を移動電源1の出力端子に接続することができる。▲2▼地震など突然の災害時や非常時に移動電源1を必要な場所に移動させて直ちに移動電源用連結装置2を接続することができる。
【0048】
電力線22が巻回されたコードリールが内蔵されていない場合は、都度必要な長さの電線・ケーブルや工具を探して、移動電源1と移動電源用連結装置2とを接続する必要があり非常に面倒である。
【0049】
実施例2
この実施例は、移動電源1から非接地の三相の交流電力を出力し、図3に示すように移動電源と商用電力とを両用させて家庭用屋内配線へ電力を供給するようにした例である。図1〜図2と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。移動電源1は移動電源車31として構成した例である。図3は、この移動電源車31に積載された電源回路32に移動電源用連結装置2のコネクタ11をカプリングさせた状態を示している。移動電源用連結装置2は具体的に図示されていないが、たとえば図2の移動電源用連結装置2が接続される。移動電源用連結装置2の出力側は、家庭33内の分電盤34に接続されている。この分電盤34には、商用電力が送電されるように電力会社の電柱35から商用電力線36が接続されている。
【0050】
この分電盤34の構成は、次の通りである。商用電力が送電される商用電力線36には、積算電力計37が接続され、この積算電力計37の屋内側には主回路遮断器38が接続されている。この主回路遮断器38の屋内側には、各負荷回路39毎に子回路遮断器40が接続されている。移動電源用連結装置2の出力は、回路遮断器41を介して主回路遮断器38と子回路遮断器40の接続部42に接続されている。このように移動電源1は、商用電源が停電したとき、切換えて移動電源1からの電力が利用できるように非常用として、上記接続部42に接続されている。即ち、主回路遮断器38は、商用電力を開閉制御するためのものである。移動電源1からの電力は、子回路遮断器40を介して負荷回路39に送電する。
【0051】
次に、商用電力と移動電源からの電力との混触について説明する。
常時、各家庭33内では、電力会社の電柱35から送電された商用電力が主回路遮断器38、子回路遮断器40を介して利用される。このとき、移動電源用連結装置2の出力に接続された図2に示す回路遮断器18は、開状態に制御されている。家庭33内の消費電力は、積算電力計37により計量され積算される。あるとき、商用電源が停電し、移動電源1を利用することを希望すると、電力需要者は主回路遮断器38を開状態に操作する。この主回路遮断器38の開状態の操作は、不足電圧リレー45により検出される。不足電圧リレー45は、移動電源用連結装置2の図2に示す回路遮断器18を閉状態に制御して、移動電源1からの電力が常時閉状態の回路遮断器41を通して屋内配線に供給される。この結果、移動電源1からの非接地の三相の交流電力は、移動電源用連結装置2で、マイナス側が接地電位の単相の交流電力に変換されて分電盤34に送電される。家庭33内の電気機器は、移動電源1からの電力により動作し、継続して利用される。
【0052】
電力需要者が停電の復旧を感知すると、主回路遮断器38のレバーを入り操作する。この入り操作は、不足電圧リレー45により検出される。不足電圧リレー45は、移動電源用連結装置2からの電力の供給を停止するために図2の回路遮断器18を開状態に制御する。即ち、移動電源1から分電盤34への電力の供給が停止する。このようにして、商用電力と移動電源1からの電力とは、混触することなく利用することができる。
【0053】
実施例3
この実施例は移動電源1から非接地の三相の交流電力を出力し、図1に示すように変換回路16として図4に示すインバータ46により三相の交流電力を単相の交流電力に変換する例である。図1〜図3と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。図4は、図3において移動電源用連結装置2と分電盤34の具体的配線図で、移動電源用連結装置2の負荷回路3として家庭の分電盤34を接続した回路配線図である。図示されていないが、移動電源用連結装置2は、移動電源1から三相の交流電力の供給を受けているものとする。
【0054】
インバータ46は、非接地の三相の交流電力を整流回路47で整流して直流電圧を出力するための整流回路47と、この整流回路47出力の直流電圧を高周波数のスイッチングパルスによりスイッチングして単相の交流電圧を発生させるためのスイッチング回路48との直列接続回路である。絶縁変圧器49の機能は、移動電源1の出力側と負荷側とを絶縁することと、インバータ46出力の高周波の単相の交流電圧を100Vでマイナス側が接地電位の単相の交流電圧に変換することである。この絶縁変圧器49の2次巻線には、マイナス側が接地電位の100Vの単相の交流電力を得るために、上記2次巻線の一端が接地ライン28に接続されている。
【0055】
さらに、商用電力と移動電源1からの電力と共用して使用した場合、混触が発生すると、過電流および逆潮流が発生するので、この過電流および逆潮流の発生を防止するために次のような回路が設けられている。
【0056】
図4の回路は、電力会社からの商用電力の停電を検出して、商用電力の分電盤34への供給回路を遮断した後、移動電源用連結装置2から単相の交流電力を分電盤34へ供給するように制御する。
【0057】
詳言すると、商用電力の停電後、人例えば電力需要者が移動電源1からの電力を使用したい場合、主回路遮断器38をレバー操作により開状態に制御する。このレバー操作の開状態は、補助スイッチ51が検出し、導通状態に制御される。(補助スイッチ51は常時開状態である。)と同時に不足電圧リレー45は、停電により電力線36の電圧が零電圧に変化するのを検出して接触子52を導通状態に制御する。
【0058】
補助スイッチ51および接触子52が導通状態になると、この補助スイッチ51および接触子52の回路は、電磁接触器53の制御信号を電磁接触器53に出力する。制御信号を受信した電磁接触器53は、回路遮断器54を閉状態に制御する。この結果、移動電源用連結装置2からの電力は、常時導通状態の回路遮断器41を介して屋内配線に供給される。このようにして、屋内配線に接続された電気機器は、継続して使用が可能となる。
【0059】
また、停電が解除されて突然商用電力の供給が復帰しても、商用電力は、当該家庭の屋内配線に供給されない。商用電力の復帰は、電力線36の積算電力計37より屋内側に表示灯55を接続することにより感知することができる。この表示灯55は、発光ダイオード、点灯管などである。
【0060】
電磁接触器53の電源は、回路遮断器12、速断ヒューズ13を介して移動電源1からの三相の交流電力で制御しているので、通常時商用電力の出力がインバータ46側へ逆流することを防止することができる。
【0061】
表示灯55が点灯して商用電力が復帰すると、電力需要者は主回路遮断器38のレバーを入りに操作する。このレバー入りの操作は、補助スイッチ51が検出する。補助スイッチ51は、電磁接触器53が回路遮断器54を開状態に制御する信号を出力する。この結果、分電盤34への移動電源1の電力の供給が停止する。
【0062】
このとき、屋内配線は、商用電力が主回路遮断器38を介して供給され、継続して屋内配線による電気機器の使用が可能となる。電磁接触器53の電源回路は、速断ヒューズ13とインバータ46の接続部から三相の電力が印加されるように接続されている。このようにして移動電源1からの非接地の三相の交流電力を非常用電源として家庭の電気機器用電力に使用することができる。
【0063】
電磁接触器53の電源は、回路遮断器12、速断ヒューズ13を介して移動電源1からの三相の交流電力で制御しているので、通常時商用電力の出力がインバータ46側へ逆流することを防止することができる。
【0064】
実施例4
この実施例は、図5に示すように移動電源1から非接地の三相の交流電力が出力され、移動電源用連結装置2から供給される電力を家庭の屋内配線だけでなく、直接使用できるコンセント57を多数設けたケースである。図1〜図4と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
【0065】
各コンセント57は、家庭の屋内配線への回路と並列接続されている。各コンセント57には、回路遮断器18が接続され、この各回路遮断器18の他端は並列接続されている。この並列接続された接続部は絶縁変圧器49に接続されている。このように多数のコンセント57を設けることにより、屋外でたとえば多数の庭園灯の点灯、調理器、音響機器、情報機器などの電気機器の使用が可能となる。
【0066】
実施例5
この実施例は、図6に示すように移動電源1から燃料電池やバッテリなどからの直流電圧が出力される場合で、インバータ62により移動電源1からの直流電圧を単相の交流電力に変換して出力するケースである。図1〜図5と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
インバータ62は、移動電源1からの直流電圧を高周波数のスイッチングパルスによりスイッチングして単相の交流電圧を発生させるためのスイッチング回路48のみにより構成されている。発生した単相の交流電圧は、絶縁変圧器49に供給され、絶縁変圧器49はマイナス側が接地電位で100Vの単相の交流電力を出力する。この単相の交流電力は、上記実施例と同様に家庭用の屋内配線用として利用することができる。図6には、負荷回路として家庭の分電盤34に接続された回路が示されている。
【0068】
上記実施例によれば次のような効果がある。
自動車で使用する電力が、三相の交流電力でも、移動電源用連結装置2によりマイナス側が接地電位の単相の交流電力を得ることができるので、商用電力と切り換えて、家庭の屋内配線など電気機器を利用することができる。
【0069】
さらに、家庭用電気機器が短絡事故などで故障し、移動電源用連結装置2に過電流が流れても、速断ヒューズ13が接続されているので移動電源(自動車)側のインバータを含む回路素子を保護することができる。常時は、商用電力を使用していても、商用電源の停電時に移動電源1からの電力に切換えて商用電力と移動電源1からの電力と混触することなく利用することができる。
【0070】
さらに、電気自動車及び移動電源車輌で発生した電力は、非接地で使用されているが、移動電源用連結装置2によりマイナス側が接地電位の単相の交流電力を得ることができるので、台所や風呂場及びトイレなどの水周りで使用される電気機器に感電保護用として設備されている漏電遮断器が確実に動作し、人命に係る危険もない。
【0071】
さらに、家庭の屋内配線である負荷側で異常が発生したとき速断ヒューズ13が溶断し、このとき発生する溶断情報が自動的に移動電源1に送信されるので、移動電源1は無負荷の状態で運転を継続し、発電用の燃料を無駄に消費することがない。
【0072】
さらに、災害が発生したときには、燃料電池の電気自動車など移動電源が災害発生位置にすばやく移動し、電力を必要とする至近な位置で負荷の電気機器に電力を供給することができる。移動電源用連結装置2はマイナス側が接地電位の単相の交流電力を出力するので、負荷は、地絡保護機能が完全に働き、人体が保護され、安全が確保される。
【0073】
さらに、移動電源用連結装置2には、速断ヒューズ13による保護機能が設けられているので、負荷の不具合で移動電源側の装置を装置を壊すことが無く、使用後、移動電源は速やかに移動できる。
【0074】
このように移動電源1と商用電力との混触対策、安全対策、省資源対策などがされているので電気需要者は、商用電力と移動電源を支障なく選択して利用することができる。
【0075】
【発明の効果】
この発明によれば、商用電力と移動電源を支障なく選択して利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動電源用連結装置の実施形態を説明するための回路構成図。
【図2】図1の実施例を説明するための回路結線図。
【図3】図2の他の実施例を説明するためのシステム構成図。
【図4】図2の他の実施例を説明するための回路結線図。
【図5】図2の他の実施例を説明するための回路結線図。
【図6】図2の他の実施例を説明するための回路結線図。
【符号の説明】
1…移動電源、2…移動電源用連結装置、3,39…負荷回路、11…コネクタ、12,18,41,54…回路遮断器、13…速断ヒューズ、14…遮断情報検出回路、15…溶断情報検出回路、16…変換回路、17,21,49…絶縁変圧器、19…電力出力端子、22…電力線、23…コードリール、24…モールド形回路遮断器、25,26…リレー回路、27…中間部、28…接地ライン,31…移動電源車、32…電源回路、33…家庭、34…分電盤、35…電柱、36…商用電力線、37…積算電力計、38…主回路遮断器、40…子回路遮断器、42…接続部、45…不足電圧リレー、46,62…インバータ、47…整流回路、48…スイッチング回路、51…補助スイッチ、52…接触子、53…電磁接触器、54…回路遮断器、55…表示灯、57…コンセント。
Claims (1)
- 移動可能な移動電源の出力端子に発生する非接地の交流電力又は直流電力を、単相の交流電力に変換する移動電源用連結装置において、
前記出力端子に接続された回路遮断器と、
この回路遮断器と直列に接続された速断ヒューズと、
この速断ヒューズの出力端側に1次側が接続され、2次側の一端が接地された単相の交流電力を出力する絶縁変圧器とを具備し、
前記移動電源用連結装置に過電流が流れたとき前記速断ヒューズが最初に溶断し、この溶断情報を前記移動電源に出力することを特徴とする移動電源用連結装置。
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