JP3969794B2 - 研磨バフ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の光沢仕上げなどに使用する研磨バフに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
自動車の光沢仕上げなどに使用する研磨バフとしては、底面を研磨面とし上面を回転工具との連結部としたポリウレタンフォームなどの連続気孔を有するプラッチックスよりなる円盤状のものが用いられているが、このようなものは連続気孔を有するプラッチックスよりなる盤状主体に含浸された研磨剤が研磨作業中に遠心力で周面より飛散し、このため、作業環境を悪くするうえに研磨剤の無駄が大きいなど種々の問題を有している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとするところは上記した従来の問題点を解決して、高速回転を伴う研磨作業中において盤状主体に含浸された研磨剤が遠心力により盤状主体の周面より飛散することをなくして作業環境の悪化や研磨剤の無駄をなくした研磨効率のよい研磨バフを提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明に係る研磨バフは、底面を研磨面とし上面を回転工具との連結部とした無数の連続気孔を有するプラッチックスよりなる円盤状の弾性主体の周面を、研磨作業時に加えられる圧に無理なく追従して弾圧される方向に彎曲される非多孔質被膜 (2) により覆われた緩やかな凹弧面とした非多孔質被膜で覆ったことを特徴とするものである。そして、このような研磨バフにおいて、非多孔質被膜を弾性主体の周面に貼着一体化されたこの弾性主体と同系のプラッチックスよりなる非多孔質フィルムとしたものを請求項２に係る発明とし、同じく非多孔質被膜を弾性主体の周面にこの弾性主体と同材により一体成形されて非多孔質化された非多孔質層としたものを請求項３に係る発明とし、さらに、前記したような各研磨バフにおいて、回転工具側に設けられた面状ファスナと対をなす面状ファスナを弾性主体の上面に貼着したものを請求項４に係る発明とするものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を示す。
１は例えば直径２００mm、厚さ４０mmとした無数の連続気孔を有するポリウレタンフォームよりなる円盤状の弾性主体であって、この弾性主体１の底面は連続気孔が露呈された研磨面１ａとされる一方、弾性主体１の上面には図示しない回転工具に簡単に装着できるように、回転工具側に設けられた雄側の面状ファスナと対をなす雌側の面状ファスナ３が中心部の除いて略全面的に貼着されている。なお、ここでいう面状ファスナとは商標名マジックテープとして市販されているものに代表される無数の鉤針が植設された雄側部材と、この鉤針と係合される無数のループが植設された雌側部材とよりなるものをいう。
【０００６】
そして、本発明では前記した無数の連続気孔を有するポリウレタンフォームよりなる円盤状の弾性主体１の周面を非多孔質被膜２で覆ってある。すなわち、弾性主体１の周面は図示するように緩やかな凹弧面としてあり、これにより非多孔質被膜２が周面にあるにもかかわらず弾性主体１が研磨作業時に加えられる圧に無理なく追従して弾圧されるようにしてある。なお、弾性主体１の周面を覆う非多孔質被膜２としては、弾性主体１の周面に粘着剤などの接着剤をもって貼着一体化された非多孔質フィルムが一般的であって、この場合、非多孔質フィルムとしては弾性主体１との接着強度に優れているうえに弾力性が弾性主体１と同じ程度であることが好ましいので、弾性主体１をポリウレタンフォームとしたこの実施の形態ではこれと同系のウレタン樹脂フィルムを用いているが、弾性主体１をウレタン系のインテグラルスキンドフォームで成形すれば、金型面と接する周面が連続気孔を有する弾性主体１と同材により一体成形されて非多孔質化された非多孔質層とすることができる。
【０００７】
なお、前記したような周面が緩やかな凹弧面とされたポリウレタンフォームの弾性主体１の周面に非多孔質被膜２として非多孔質フィルムを貼着一体化したものは、これを製造する場合、例えば、無数の連続気孔を有するポリウレタンフォームよりなる円柱体を成形し、次いで、この円柱体の周面にウレタン樹脂フィルムを粘着剤を介して巻装したうえ熱圧を加えてウレタン樹脂フィルムを円柱体の周面に貼着一体化し、最後にこれを所要の長さに切断すれば、切断時の圧により自然に弾性主体１の周面が緩やかな凹弧面となるので、１個宛型成形したものに比べて安価に提供できるものとなる。
【０００８】
このように構成されたものは、図示しない回転工具側に設けられた雄側の面状ファスナに上面に貼着されている雌側の面状ファスナ３を当接係止させることにより弾性主体１を回転工具に装着しておき、この回転工具を駆動させて弾性主体１を高速回転させながらその下面の研磨面１ａを自動車のボディなどの被研磨面に当接させ、研磨面１ａと被研磨面との間に供給される液状の研磨剤をもって研磨仕上げすることは従来のこの種の研磨バフと同様であるが、連続気孔を有するプラッチックスよりなる円盤状の弾性主体１の周面はこれと一体とする非多孔質被膜２で覆ってあるので、高速回転を伴う研磨作業中において盤状主体１の連続気孔に含浸された研磨剤が遠心力で盤状主体１の周方向に飛び出そうとしても非多孔質被膜２で遮り、研磨剤が周囲に飛散して周囲を汚したり作業者の健康に悪影響を及ぼすなどの作業環境の悪化を的確に防ぐことができ、また、研磨剤の飛散を防ぐことにより研磨剤の無駄がなくなって経済的なうえにヤケ防止上の効果もあり、さらに、非多孔質被膜２の補強効果で弾性主体１は長期耐用できるものとなる。
【０００９】
【発明の効果】
本発明は前記説明から明らかなように、無数の連続気孔を有する弾性主体の周面を研磨作業時に加えられる圧に無理なく追従して弾圧される方向に彎曲される非多孔質被膜により覆われた緩やかな凹弧面としただけの簡単な構成により、研磨作業時の加圧で弾性主体が無理なく追従し、弾性主体に含浸された研磨剤が遠心力で盤状主体の周面より飛散して周囲の作業環境に悪影響を及ぼすことがないうえに研磨剤の無駄がなく、また、長期耐用できるなどの経済的な利点を有するものとなる。
従って、本発明は従来のこの種の研磨バフの問題点を解決したものとして産業の発展に寄与するところは極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠正面図である。
【符号の説明】
１ 無数の連続気孔を有するプラッチックスよりなる円盤状の弾性主体
２ 非多孔質被膜
３ 面状ファスナ

Claims (4)

1. 底面を研磨面とし上面を回転工具との連結部とした無数の連続気孔を有するプラッチックスよりなる円盤状の弾性主体(1) の周面を、研磨作業時に加えられる圧に無理なく追従して弾圧される方向に彎曲される非多孔質被膜 (2) により覆われた緩やかな凹弧面としたことを特徴とする研磨バフ。
2. 非多孔質被膜(2) が、弾性主体(1) の周面に貼着一体化されたこの弾性主体(1) と同系のプラッチックスよりなる非多孔質フィルムである請求項１に記載の研磨バフ。
3. 非多孔質被膜(2) が、弾性主体(1) の周面にこの弾性主体(1) と同材により一体成形されて非多孔質化された非多孔質層である請求項１に記載の研磨バフ。
4. 弾性主体 (1) の上面に回転工具側に設けられた面状ファスナと対をなす面状ファスナ (3) が貼着されている請求項１または２または３に記載の研磨バフ。

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