JP3969785B2 - 臓器保存及び心臓麻痺性の薬としての使用のためのタキソール組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は移植を必要とする患者への臓器の移植に先立つ、臓器の生体外での保存及び貯蔵のための組成物に関する。該組成物はまた、外科的な処置の間の心臓鼓動の可逆的な停止に対し効果的な心臓麻痺性の薬としても二重に働く。特に、本発明は、臓器の保存及び貯蔵の液とタキソールを含む心臓麻痺性の薬に関する。
【従来の技術】
【0002】
最近20年間、臓器の移植は数少ない調査及び実験的な手法から、心臓、肝臓、膵臓、肺、腸、及び腎臓の多様な末期的機能不全の最終段階での処置として確立された臨床治療へと進歩したことがわかる。臓器移植の科学における進歩は、その様な手法は現在ほとんど報道価値のあるものと見なされないと言ってよい程に発展した。
【0003】
臓器の移植は認められた臨床的実践となったが、しかし、移植のための臓器の生存可能な生体外での保存と貯蔵の延長に対する要求は緊急のものとなっている。臓器移植の実験記録を完成することの外科医の成功と、移植臓器への受容者の拒絶を最小にする免疫抑制薬の広範な使用により、臓器移植処置の候補者名簿は巨大になった。このことは移植される生存臓器の危機的な不足を引き起こす。
【0004】
移植用の貴重な臓器の浪費を最小にすることは、そのため危急のものである。受容者の組織型に臓器の組織型を適合させるのに必要な時間の総計、そしてまた患者のいる地点へ貯蔵された臓器を物理的に移送するのに必要な時間のためにそのような浪費は度々生じる。延ばされた時間中に切除された臓器を貯蔵することが現在はできないことにより、生体外の臓器は適切な適合が確立されうる前に度々生存不能となってしまう。生存可能な貯蔵時間の延長により、そのような浪費は、必要な組織適合と移送をするのに十分な時間を提供することにより有効に小さくされうる。
【0005】
臓器移植はとても盛んな分野であり、従来技術は、臓器保存とそれらの移植に先立つ臓器の生体外での貯蔵のための灌水液を記載する幾つかの例を持つ。例えば、BelzerとSouthardのアメリカ特許第4,798,824号、第4,873,230号及び第4,879,283号中に具体化されるように、本発明者の著述は”UW液”と呼ばれるようになった臓器保存液を記載する。(該溶液はマディソンのウィスコンシン大学で開発された)。UW液はVIASPANの商標のもとデラウエア州、ウィルミントンのDu Pont de Nemours Companyにより販売される。関連する溶液がウィスコンシン州、エルコーンのGeneva Labs によりBERZER’S PERFUSION SOLUTION の商標のもと灌水液として市販されている。上記特許のそれぞれは例によりここでそのまま具体化される。
【0006】
BelzerとSouthardの特許は、ヒドロキシエチルスターチを含む臓器保存液を記載する。該溶液の一の実施例において、ヒドロキシエチルスターチはエチレングリコール、エチレンクロロヒドリン、及びアセトンを実質的に含まない。第’283号特許に記されたように、そこに記載された溶液は膵臓に対する72時間の保存、腎臓に対する48時間の保存、及び肝臓に対する少なくとも24時間の保存を提供する。
【0007】
Lemasters他は一般に”カロリナ液”と呼ばれる臓器保存液を記載する。この溶液はアメリカ特許第5,145,771号とPCT公報WO 95/05076号に記載され、これらは何れも例によって、ここでそのまま具体化される。これら二つの例中に記載された溶液は再灌水障害を防ぐための濯ぎ液として、又は自ら保存液として使用されうる。該溶液は0°Cから37°Cの使用温度範囲を有するとして記載される。該溶液は残余分のナトリウム、カルシウム、及び塩化カリウム塩、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、及びアロプリノールのような抗酸素化剤、バソジレイタース、及びグルコースやフラクトースのようなATPエネルギー源を含むものとして更に記載される。UW液と同様に、カロリナ液もまた、間質性水腫に対する膨張支持を提供するため改良されたヒドロキシエチルでんぷん化合物を含む。
【0008】
コロンビア大学に帰属するStern他のアメリカ特許第5,370,989号はナトリウムイオン、塩素イオン、及びカルシウムイオンの使用が特に避けられている臓器保存液を記載する。この例中で特に興味のある点は、環状アデノシン一リン酸(cATP)の類似物、特にジブチルcATPの使用である。Stern他の特許に記載された溶液中に含まれる他の成分は、グルコース、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、デキストラン、グルコン酸カリウム、BHA,BHT,N−アセチシチン、アデノシン、ニトログリセリン、ベラパミルのようなカルシウム遮断薬、ヘパリン、及びセファゾリンを含む。この特許は、該溶液の意図された用途が心臓組織の保存用であると記する。しかし、該特許は同じ溶液が肝臓、膵臓、腎臓、肺、及び他の臓器を保存するのに十分に使われうると記載する。
【0009】
関連する型の溶液はTaylorによりアメリカ特許第5,405,742号に記載される。この特許は、発熱性の被験者において血液を置換するのに使われうる低体温血液置換を記載する。この手法において、患者の体温は、被験者の脳や生体臓器の損傷を最小限にするため低くされる。患者が通常維持するよりはかなり低く体温が低下されることにより、患者の代謝率は有効に低下される。このことは次々に患者の組織と臓器の酸素及びグルコースに対する需要を減少させる。ここで、ドナー被験者からの臓器について説明すれば、該ドナーの血液は低体温血液置換で追い出され、置換される。この溶液はTaylorの例中にカリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、及びカルシウムイオンを含む電解質の水溶液;デキストラン40のような好ましくはポリサッカライドである巨大分子膨張剤;少なくとも一の単糖、マンニトール、インパーミアントアニオン、アデノシン、及び付加的にグルタチオンである生物学的なpH緩衝剤を含むと記載される。該溶液はニカルジピンのようなカルシウム遮蔽剤もまた含む。この例は、試験動物の完全な蘇生と回復を伴う血液の再導入によって追随され、3時間以上の間に試験動物(犬)の血液をうまく除去することを記載する。
【0010】
Stern他により記されるように、心臓麻痺性の薬は心臓外科手術の間、心臓の鼓動を停止するのに用いられる。臓器保存の原理は心臓麻痺性の薬に等しく適用され、それ故これら二つの物質のタイプは関連する。心臓切開外科的処置の間、患者の循環系は患者の血液を循環して酸素付加する外部の人口心肺装置にバイパス接続される。心臓麻痺性の薬はその後その鼓動を中止するために患者の心臓に接触される。この方法では、冠状動脈のバイパス手術のような必要な処置を外科医が完了するために患者の心臓は可逆的に停止される。このような処置はアメリカ一国で毎年200,000件以上行なわれる。
【0011】
本発明者は、臓器保存若しくは灌水液中、又は心臓麻痺性の薬中でのタキソールの含有は、該溶液の使用により達成されうる有効貯蔵時間を延長することを見出した。
【0012】
タキソールはジテルペンのタキサン族の一種である。タキソールの構造とその組織名は以下に示される。:
【0013】
【化1】
タキソール = (2aR−(2aα,4β,4αβ,6β,9α(αR* ,βS* ),11α,12α,12aα,1−2bα))−β−(ベンゾイルアミノ−α−ヒドロキシベンゼンプロパニック酸6,12b−ビス(アセチロキシ)−12−(ベンゾイロキシ)−2a,3,4,4a,5,6,9,10,11,12,12a,12b,−ドデカヒドロ−4,11−ジヒドロキシ−4a,8,13,13−テトラメチル−5−オキソ−7,11−メタノ−1H−シクロデカ(3,4)ベンズ(1,2−b)オキセト−9−イルエステル
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
タキソールは西洋イチイのタクサス ブレビオフォイラの樹皮から初めて単離された。タキソールは抗白血性と抗腫瘍性が知られ、癌の処置における化学療法剤として盛んな研究の主題であった。タキソール及び非常に多数のタキソール誘導体の優れた検討は、ミシガン州、カラマズーのUpjohn Companyに帰属するPCT公報WO95/20582号中に見出される。この特許公報の要旨はここでそのまま例として具体化される。
【0015】
タキソールの薬使用はしかし、二つの主要な不利益に悩まされる。第一はタキソールは自然界に非常に稀にしか存在しないことである。更に、タキソールが単離される西洋イチイは比較的に稀であり、成長はとても遅く、そして一本の木に対して非常に少ない量のタキソールしか産しない。このことは天然タキソールの収穫を実施不可能なものにする。
【0016】
タキソール使用の第二の欠点は、非常に限られた水溶解性にある。例えば、アメリカ特許第5,407,683号のShivelyはタキソール又はタキソールの腫瘍活性類似体の油ベースの溶液を記載する。タキソールの水不溶性により、タキソールは初めに油中に溶解され、そして油ベースのタキソールは水中油型エマルジョンの形成に用いられる。水中油型エマルジョンはその後タキソールの投与において配達ビヒクルとして使用される。
【0017】
Shivelyの特許はまた、タキソールはクレモホアを用いる製剤中で簡便に投与されることを記する。タキソールはこれらのポリオキシエチル化されたヒマシ油中で比較的高い溶解性を有するが、幾つかのクレモホアはそれ自身、薬学的に受容可能なキャリヤーとしてのそれらの使用を予め排除するのに十分な毒性がある。また、タキソールの非経口的投与において、このビヒクルを使用するには大豆油中に十分溶けない。Shivelyは約0.5デバイと約2.0デバイの間の双極子モーメントを持つ海産生物からの油の中でのタキソールの溶解を記載する。しかし、臓器保存又は心臓麻痺性の組成物中でのタキソールの使用に関して、この例中には記載が無い。同じことはここに記載された全ての例に対しても言える。
【0018】
Kingston他はアメリカ特許第5,352,805号で水溶解性の増大したタキソール誘導体を記載する。特に、Kingston他はスルホン化された2’−アクリロイルタキソールとスルホン化された2’−O−アシルアシッドタキソール誘導体を記載する。タキソール自身と比較したとき、これらの誘導体は改善された水溶解性と増大された安定性を持つ。加えて、原タキソールの生理活性は維持されている。Kingston他の例は、タキソールの水に可溶な誘導体を示すためにそのままここで具体化される。
【0019】
Nicolaou他はアメリカ特許第5,422,364号でまた、タキソール自身に比べ水溶解性の増大したタキソール誘導体を記載する。ここで、アルカリに敏感な前駆タキソールが記載される。前駆タキソール組成物は2’−7−O−カルボネート誘導体と同様のタキソールの2’−7’−O−エステル誘導体を含む。生理的pHで、これらの前駆タキソールは原タキソール構造を示すように加水分解される。Nicolaou他の例はここで例によってそのまま具体化される。
【0020】
リポソーム被包タキソールはRahman他のアメリカ特許第5,424,073号に記載され、ここで例によってそのまま具体化される。タキソール骨格上の置換基を変化させるよりむしろ、この例はリポソームで原タキソールを被包することを記載する。これはタキソールの溶解性の問題の多くを改善する。加えて、筆者は過敏症反応の機会と心臓への毒性を小さくしつつ、リポソーム被包はタキソールの安定性を改善することを記する。
【0021】
タキソールの製造はSmith(アメリカ特許第5,344,775号)とStrobel他(アメリカ特許第5,451,392号)の例に記載される。Smithの特許は、西洋イチイの偽カルスから取り出された細胞の培養における広い範囲のタキサンの合成を記載する。タキソールを含む多様なタキサンは、支持培養基上に培養された偽カルス細胞から単離される。
【0022】
Strobel他の例は、反応溶液と消毒されたイチイの幹の接触によるタキソールの形成を記載する。反応溶液は還元剤、エネルギー源、規定の範囲内にpHを維持する緩衝剤、及びタキソール前駆体を含む。イチイの幹の自然の代謝活動はタキソール前駆体からタキソールの構成体を合成するように機能する。加えて、放射性元素でラベルされた前駆体が放射性元素でラベルされたタキソールを産するために反応溶液中に含まれる。
【0023】
上記例の何れも、単独又は協同しても、臓器保存溶液中のタキソールの使用を記載するものはではない。
【0024】
本発明の主要な目的は、タキソール又は一若しくはそれ以上のタキソール誘導体を含む臓器の生体外での保存と貯蔵のための溶液を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、移植を要する被験者への移植に先立って外植臓器の有効な生体外での貯蔵期間を延ばすタキソール又はタキソール誘導体を含む臓器保存液を提供することである。
【0026】
本発明のなお更なる目的は、それらの移植に先立ち生体外で貯蔵された臓器の組織損傷を最小限にするタキソール又はタキソール誘導体を含む臓器の保存及び灌水の液を提供することである。
【0027】
本発明のまたさらなる目的は、移植を要する被験者への移植に先立って外植臓器の生体外での貯蔵と維持のための、溶液中の増加した水溶解性を持つタキソール誘導体の効果的な使用である。
【0028】
本発明のまた別の目的は、タキソール又は一若しくはそれ以上のタキソール誘導体を含む心臓麻痺性の薬を提供することである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、リポソーム中での結合によるように、その水溶解性の増大のための改良のされたタキソールを含む心臓麻痺性の薬を提供することである。
【0030】
本発明のこれら及び他の目的、趣旨、効果は、以下の実施の形態、記載の図面、及び特許請求の範囲を完全に解釈した上で明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記検討に照らして、本発明は、タキソールとカルシウムを含む生理的に受容可能な生体外臓器保存液からなる、移植を要する被験者への移植が意図される臓器の生体外での保存と貯蔵のための組成物に現される。
【0032】
本発明は更に、約320mOsm/リットルの容量オスモル濃度を有し、タキソールと、カルシウムと、ラクトビオン酸塩とを含む生理的に受容可能な生体外臓器保存液該生理的に受容可能な生体外貯蔵からなる、移植を要する被験者への移植が意図される臓器の生体外での保存と貯蔵のための組成物に向けられる。該溶液は、約150,000から約350,000ダルトンまでの分子量を持ち、実質的にエチレングリコールとエチレンクロロヒドリンと塩化ナトリウムとアセトンの無い約3乃至8重量パーセントのヒドロキシエチルスターチもまた含む。 本発明にかかる組成物はまた、約200,000から約350,000ダルトンまでの分子を持つ約5重量パーセントのヒドロキシエチルスターチと、約1から約100nMまでのタキソールと、約25mMのリン酸カルシウムと、約3mMのグルタチオンと、約5mMのアデノシンと、約10mMのグルコースと、約10mMのHEPES緩衝剤と、約5mMのグルコン酸マグネシウムと、約1.5mMの塩化カルシウムと、約105mMのグルコン酸ナトリウムと、約200,000ユニットのペニシリンと、約40ユニットのインシュリンと:からなるものの中に、そして該溶液は約7.4から約7.5のpHを持つものの中に成分を含む。
【0033】
本発明はまた、生体外での貯蔵のための溶液における組成物と心臓麻痺性の薬に現される。特に、移植を要する被験者への移植が意図される臓器の生体外での保存と貯蔵のための溶液において、本発明はタキソールとカルシウムを該生体外での臓器の保存と貯蔵のための溶液に添加してなる組成物に現される。好ましくは、該タキソールは約1から約100nMまでの範囲の量で存在し、そしてカルシウムは約0.5から約1.5μMまでの量で存在する。
【0034】
同様の脈絡で、本発明はまた、タキソールとカルシウムを含む生理的に受容可能な心臓麻痺性の溶液からなる心臓麻痺性の薬に現される。
【発明の実施の形態】
【0035】
本発明は生体外での臓器の保存及び灌水液並びにタキソール又は一種若しくはそれ以上のタキソール誘導体及び望ましくはカルシウムを含む心臓麻痺性の薬である。明確さと簡潔さのために、この後用いられる”臓器保存液”の語句は、”臓器貯蔵液”、”臓器灌水液”及び”心臓麻痺性の薬”と同意であると見なされる。この約束は他の形でここで開示され特許を請求される発明を限定せず、単に本発明の好ましい実施例を簡潔に記載するための手段である。以下の検討をこれら全ての型の溶液に対し等しい妥当性を伴い適用する。
【0036】
加えて、ここで用いられるように、”タキソール”の語句はタキソール及び薬学的に等価な誘導体若しくはそれの類似体のことを示す。そのような等価物に含まれるのは、生理的に耐性のあるタキソールの塩とエステル、アルキル及びアシル誘導体、リポソーム被包誘導体、タキソールの水中油型エマルジョン等である。また、ここで用いられる”タキソール”の語句に包含されるものは、天然のタキソールに比べて改善された水溶解性を持つように改良がなされた薬学的に等価なタキソール誘導体である。
【0037】
生体外臓器保存液中のタキソール及び/又はタキソール誘導体の含有は、そのような移植を必要とする被験者への移植に先立ち、外植臓器が生体外にうまく貯蔵されうる時間量を有効に増大するとことが、全く予想外に見出された。外植臓器の延長された貯蔵の提供により、臓器の浪費は極小化されうる。心臓麻痺性の薬(例えば、生体内の鼓動する心臓に適用されたときに可逆的に心臓の鼓動の停止をもたらす薬剤)中のタキソールの含有は心臓鼓動の再開時での心臓組織の損傷の程度を減少することも見出された。
【0038】
上記したように、UW液を含む幾つかの基礎的な臓器保存液は、この分野で公知である。タキソールとカルシウムを含む臓器保存液である本発明は、基礎的な臓器保存液の幾つかの型を用いつつ、等しい成果を持って働く。臓器保存液へのタキソールの添加は、そこで貯蔵される外植臓器の生存を維持する能力を大きく増大させることが見出された。カルシウムの添加は溶液の臓器保存能力を尚も長い時間に増大する協調効果を持つことが更に見出された。
【0039】
本発明の臓器保存液は何れの型の基礎的な臓器保存液用いても等しい成果を持って機能するが、二つの基礎的な溶液、即ちUW液とBelzerの灌水液が好ましい。
【0040】
UW基礎液は、約200,000から約300,000ダルトンの分子を持つヒドロキシエチルスターチ、リン酸カリウム、グルタチオン、アデノシン、ラクトビオ酸カリウム、ラフィノース、硫酸マグネシウム、アロプリノール、デキサメタゾン、ペニシリン、及びインシュリンを含む。通常、UW基礎液は約7.4から7.5のpHを持つ。
【0041】
特に、本発明の用途用の好ましいUW基礎液は、約5重量パーセントの約200,000から約300,000ダルトンの分子を持つヒドロキシエチルスターチ、約25mMのリン酸カリウム、約3mMのグルタチオン、約5mMのアデノシン、約100mMのラクトビオ酸カリウム、約20mMのラフィノース、約5mMの硫酸マグネシウム、約1.5mMのアロプリノール、約8mg/lのデキサメタゾン、約200,000ユニットのペニシリン、及び約40ユニットのインシュリンを含む。
【0042】
Belzer基礎灌水液は、UW基礎液中のように、ヒドロキシエチルスターチ、リン酸カリウム、グルタチオン、アデノシン、ペニシリン、及びインシュリンを含む。しかし、UW基礎液と異なり、Belzerのはグルコース、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホニック酸緩衝剤(HEPES),グルコン酸マグネシウム、塩化カルシウム、及びグルコン酸ナトリウムを含む。UW基礎液中のように、Belzer基礎液は約7.4から約7.5のpHを持つことが望ましい。
【0043】
特に、Belzer基礎液は、約5重量パーセントの約200,000から約300,000ダルトンの分子を持つヒドロキシエチルスターチ、約25mMのリン酸カリウム、約3mMのグルタチオン、約5mMのアデノシン、約10mMのグルコース、約10mMのHEPES緩衝剤、約5mMのグルコン酸マグネシウム、約1.5mMの塩化カルシウム、約105mMのグルコン酸ナトリウム、約200,000ユニットのペニシリン、及び約40ユニットのインシュリンを含む。
【0044】
基礎臓器保存液に対し、タキソールとカルシウムは好ましくは塩化カルシウムの形で加えられる。既に適度の供給量のカルシウムイオンを含むBelzer基礎液の場合は、付加的なカルシウムは添加される必要はない。しかし、カルシウムの全く無い基礎液に対しては、好ましくは塩化カルシウムの型で、カルシウムイオンの含有量がおよそ1.5mMに上昇するまで十分なカルシウムが加えられる必要がある。
【0045】
タキソール自身を溶液中に導入するためには、タキソールはジメチルスルホキサイド(DMSO)中に最初穏やかに溶解されることが望ましい。少量のDMSO中タキソールが、それから穏やかに混合しながら基礎臓器保存液に加えられる。タキソールの極端な水不溶性のため、溶液からの幾分かのタキソールの沈殿が予想される。タキソールと幾つかのタキソール誘導体は、例えばオハイオ州、オウロラのICN Biomedicals社から、他の国内及び国際的な供給元と同じように市販されて入手可能である。
【0046】
タキソールはおよそ100μMの公称の濃度を付与するために溶液に添加される。この飽和のレベルで、基礎溶液中の実質的なタキソール濃度はおおよそ1から約100nMのタキソールの範囲にある。この低濃度でさえ、タキソールは外植臓器に対して驚くほど改善された生存可能な低温貯蔵時間を与える。
【0047】
溶液全体の容量オスモル濃度はおおよそ300−350mOs/literの範囲内に入ることが好ましい。溶液はおおよそ320mOs/lの容量オスモル濃度を有することが最も望ましい。
【0048】
以下、例によって示されるように、基礎臓器保存液中のタキソールとカルシウムの存在はカルシウム単独又はタキソール単独の効果に比べより大きい協調効果を引き出す。
【実施例】
【0049】
以下の例は本発明のより完全な理解を提供するという説明目的のためだけに提供される。該例は何れかの形でここで開示され、特許請求された発明を限定しない。
【0050】
250から330グラムの体重を持つSprague−DawleyのラットがSeglen(1976)により開示されたように肝細胞を単離するために用いられた。要するに、肝臓を切除した後、肝臓組織の定量的な個別細胞の懸濁液への変化が引き起こされるように、該肝臓は37°Cでコラゲナーゼを注がれる。
【0051】
Marsh他(1990)による記載に従い、単離された肝細胞はその後分析された。単離肝細胞の生存度を決めた直後、細胞試料は多様な細胞保存液に再懸濁された。4つのグループの肝細胞低温貯蔵(4°C)試料が正副二通り集められた。第一試料は貯蔵液のために上記のウィスコンシン大学(UW)液を使用した。第二試料は貯蔵液として1.5mMのカルシウム(塩化カルシウムの形)を加えたUW液を使用した。第三試料は保存液として100μMのタキソールを加えたUW液を使用した。第四試料は保存液として1.5mMのカルシウム(塩化カルシウムの形)と100μMのタキソールを加えたUW液を使用した。
【0052】
懸濁細胞はその後、連続的な攪拌(旋回攪拌機、90RPM)を伴い、密封された125mlのポリカーボネート製エルレンマイヤーフラスコ(フラスコ毎に25mlの懸濁液)中のO2 /CO2 雰囲気(95%/5%)下、4°Cで24又は48時間保存された。良く知られた生理的に緩衝された塩の溶液であるKrebs Hanseleit緩衝液(KHB)が適温での肝細胞の研究に用いられた(Marsh他、1990)。
【0053】
タキソールを含む溶液を調製するため、タキソールは先ず初めジメチルスルホキサイド(DMSO)にゆっくり溶解された。得られたDMSO中タキソール溶液の少量は最終的な公称濃度100μMを付与するためにUW液に加えられた。塩化カルシウムは穏やかな攪拌と共にUW液に直接加えられた。
【0054】
細胞死を評価するため、乳酸脱水素酵素(LDH)が肝細胞中及び上清液中で測定された。LDHはSigma Chemical Company社(セント.ルイス、ミズーリ州)から市販されて入手可能なキットを、該キットと共に提供された指図書きに従いながら使用して分析された。
【0055】
対照肝細胞は5mgたんぱく質/mlの濃度(ビューレット法による計算に従う)を有するUW液(4°C)中に懸濁された。細胞は攪拌せずに遠心分離管中に貯蔵された。24又は48時間の貯蔵の最後で、細胞は遠心分離(600xg)により沈降され、37°CでKHB中で再懸濁され(5mgたんぱく質/ml)、室内空気雰囲気下、攪拌(90から100rpm)を伴って培養された。120分の培養の後、細胞は30秒間13,000xgでの遠心分離により素早く沈降された。上清液中の自由LDHが測定された。
【0056】
沈降された細胞はKHB中に再懸濁され、音波処理された。音波処理された細胞からの結合LDHがそれから測定された。
【0057】
細胞性LDH(自由+結合)の全体量と比較して、自由LDHの率は上清液中で見出される自由LDHの量に等しい。
【0058】
四種の異なる肝細胞試料は2通り分析される。テスト結果は唯一記載の図中に示された。図は、UW液単独、1.5mMのカルシウムを加えたUW液、タキソールを加えたUW液、及びタキソールとカルシウムを加えたUW液の中で培養された肝細胞のための、細胞死(細胞生存に逆比例する)に比例する自由LDHの率を示す。図に示されるように、最大の細胞生存から最小の細胞生存の順に、タキソールとカルシウムを加えたUW液、タキソールを加えたUW液、1.5mMのカルシウムを加えたUW液、UW液単独:の順に従って溶液は評価された。
【0059】
本発明の溶液と心臓麻痺性の薬は上記の好ましい実施例には限定されず、添付された特許請求の範囲内に在るようなそれの拡張と改良の全てを包含する。
【発明の効果】
【0060】
本臓器保存液の主要な効果は、移植される臓器の生存生体外貯蔵時間を延ばし、それによって救命臓器の浪費を最小限にすることである。同様に、心臓麻痺性の薬又は灌流液として使用されるとき、本組成物は心臓の蘇生又は貯蔵された臓器の再環流における組織損傷を最小限にする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】 唯一記載の図は、UW液中で24時間及び48時間貯蔵されたラットの肝細胞の生存率へのタキソールとカルシウムの効果を示すグラフである。グラフのY軸は肝細胞の壊死の比例測定量である自由LDHの率を示す。その結果、LDHレベルは細胞生存に逆比例する。低いレベルのLDHは高いレベルの細胞生存を示す。プロットは、UW液のみ、1.5mMのCa++を加えたUW液、タキソールを加えたUW液、及び1.5mMのCa++を加えタキソールを加えたUW液の中での細胞生存率を示す。上記溶液中のタキソールの通常の濃度はおおよそ100μMである。
Claims (17)
- タキソールとカルシウムを含む生理的に受容可能な生体外臓器保存液からなる、移植を要する被験者への移植が意図される臓器の生体外での保存と貯蔵のための組成物。
- 該生理的に受容可能な生体外臓器保存液は300から350mOsm/リットルの容量オスモル濃度を有する請求項1記載の組成物。
- 該生理的に受容可能な生体外臓器保存液は、150,000から350,000ダルトンまでの分子量を持ち;実質的にエチレングリコールとエチレンクロロヒドリンと塩化ナトリウムとアセトンの無い、3乃至8重量パーセントのヒドロキシエチルスターチから更になる請求項1記載の組成物。
- 該スターチは実質的に50,000ダルトン以下の分子量を持つヒドロキシエチルスターチを含有しない請求項3記載の組成物。
- 該生理的に受容可能な生体外臓器保存液は更にラクトビオン酸塩からなる請求項3記載の組成物。
- 該ラクトビオン酸塩は100ミリモル濃度の濃度で存在する請求項5記載の組成物。
- カルシウムに加えて少なくとも一の電解質を更に含む請求項3記載の組成物。
- カルシウムに加えての該少なくとも一の電解質は、ナトリウムとカリウムからなる群から選択され、100から125ミリモル濃度までの濃度で存在する請求項5記載の組成物。
- ラフィノースから更になる請求項3記載の組成物。
- 該タキソールは1から100ナノモル濃度までの溶液濃度で存在し、カルシウムは0.5から1.5ミリモル濃度までの濃度で存在する請求項1記載の組成物。
- 該タキソールはリポソーム被包されたものである請求項10記載の組成物。
- 該タキソールは、タキソール塩と、タキソールエステルと、タキソール複合体と、それらの組み合わせとからなる群から選択された生理的に受容可能なタキソール誘導体の形で存在する請求項10記載の組成物。
- 320mOsm/リットルの容量オスモル濃度を有し、タキソールと、カルシウムと、ラクトビオン酸塩とを含む生理的に受容可能な生体外臓器保存液と;
150,000から350,000ダルトンまでの分子量を持ち、実質的にエチレングリコールとエチレンクロロヒドリンと塩化ナトリウムとアセトンの無い、3乃至8重量パーセントのヒドロキシエチルスターチと;からなる:
移植を要する被験者への移植が意図される臓器の生体外での保存と貯蔵のための組成物。 - 該タキソールは1から100ナノモル濃度までの濃度で存在し、カルシウムは0.5から1.5ミリモル濃度までの濃度で存在する請求項13記載の組成物。
- リン酸カルシウムと、グルタチオンと、アデノシンと、グルコースと、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルフォニックアシッド緩衝剤と、グルコン酸マグネシウムと、ペニシリンと、インシュリンと、デキサメタゾンとから更になる請求項14記載の組成物。
- 200,000から350,000ダルトンまでの分子を持つ5重量パーセントのヒドロキシエチルスターチと、
1から100nMまでのタキソールと、
25mMのリン酸カルシウムと、
3mMのグルタチオンと、
5mMのアデノシンと、
10mMのグルコースと、
10mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸緩衝剤と、
5mMのグルコン酸マグネシウムと、
1.5mMの塩化カルシウムと、
105mMのグルコン酸ナトリウムと、
200,000ユニットのペニシリンと、
40ユニットのインシュリンと、を含み:
該溶液は7.4から7.5のpHを持つ請求項13記載の組成物。 - 200,000から350,000ダルトンまでの分子を持つ5重量パーセントのヒドロキシエチルスターチと、
1から約100nMまでのタキソールと、
25mMのリン酸カルシウムと、
3mMのグルタチオンと、
5mMのアデノシンと、
100mMのラクトビオン酸カリウムと、
30mMのラフィノースと、
5mMの硫酸マグネシウムと、
1.0mMのアロプリノールと、
8mg/lのデキサメタゾンと、
200,000ユニットのペニシリンと、
40ユニットのインシュリンと、を含み:
該溶液は7.4から7.5のpHを持つ請求項13記載の組成物。
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