JP3969265B2 - 磁気テープ装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気テープ装置及びその制御方法に関し、特に、テープのスリップによるデータの不用意な上書きを防止する磁気テープ装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープ装置においては、テープの巻取りゆるみにより駆動軸の回転にテープが追随しないスリップと呼ばれる現象が生じることがある。磁気テープへの書き込み時にスリップが生じると正確な場所からデータライトができず、書き込みデータが既存データに上書きされたり、逆に、既存データの終端に設けられたIBG(Interblock Gap:ブロック間ギャップ)と追記されるデータ先頭のIBGとの間に隙間が生じてしまい、以降にデータの読み出しができなくなってしまう。
【0003】
テープスリップによる不具合を解消するために、既存のデータブロックを読み取り、データがなくなったことを検出した後にさらにテープを一定距離走らせた後、データを書き込むようにした磁気テープ装置の書き込み制御方式がある(例えば、特許文献1)。また、ライトヘッドでの書き込みデータがリードヘッドで読み出される迄の時間を計測してスリップの有無を検出し、スリップ発生時にはデータ書き込みを遅延させる磁気テープ制御方式がある(例えば、特許文献2)。
【0004】
また、ブロック検出回路とタコパルス計数器とに接続する誤差検出回路を設けてスリップ量を検出し、ここで検出した誤差を平均して走行距離制御回路に入力する誤差平均回路とを付加して正確なリポジション動作を実現する磁気テープ装置がある(例えば、特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−17554号公報
【特許文献2】
特開昭59−30256号公報(第2頁右下段落)
【特許文献3】
特開昭62−102451号公報(第3頁左上段落)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記列挙した従来技術はいずれも、磁気テープへのリードを行って既存データの終端を検出し、そこから時間や走行距離の演算を行って適宜長さのIBGを確保し、さらに適切なところで追記データを送り込んでデータライトを開始するといった処理を、磁気テープへの書き込みを行うタイミングで実施する必要がある。したがって、書き込みを行うタイミングで磁気テープ装置がこなすべき処理が集中し、装置のMPUやバスに過度な負担がかかってしまう。実際にこの処理を実現しようとすると回路の高性能化が要求され、コスト面でも現実的ではないという問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑み、最終1つ手前のIBGにロケートすることでスリップによる誤差および必要な補正量を検出しておき、データ終端部では補正したタイミングで書き込みを開始して処理負担が軽減される磁気テープ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の磁気テープ装置は、磁気テープを走行駆動するサーボモータと、該サーボモータから所定の回転角毎に出力されるパルス信号を計数するカウンタ手段と、前記磁気テープの走行時にIBGを検出して第1の信号を出力するIBG検出手段と、前記第1の信号検出時に前記カウンタ手段のカウント値を保存するレジスタと、前記磁気テープの追記動作において前記カウンタ手段の値がレジスタの値になると第2の信号を出力する第2信号出力手段と、前記第1および第2の信号の検出タイミングを比較してテープスリップの有無およびその量を検出する比較手段を備え、
前記レジスタは、少なくとも前記磁気テープへの追記を開始しようとするIBG(以下、「最終IBG」と称す。)とその一つ前のIBG(以下、「最終一つ前のIBG」と称す。)における前記カウント値とを記憶するとともに、
前記比較手段は、
(1) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号より第2の信号が早く検出された場合、前記最終IBG部分における第2の信号出力時からその分遅らせたタイミングで磁気テープへの追記開始命令を出し、
(2) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号が第2の信号と同時か第1の信号より第2の信号が遅く検出され、その誤差が磁気テープ上の距離で1mm以内である場合、前記最終IBG部分における第2の信号出力時に磁気テープへの追記開始命令を出すことを特徴とする。
【0010】
このように本発明の磁気テープ装置では、磁気テープへの追記動作において最終一つ前のIBGに位置づけして誤差を検出し、最終IBG部分でその誤差を補正するタイミングで追記開始命令を出すようにしている。したがって追記を開始すべき最終IBG部分で装置側が負担する処理が軽減し、回路の高性能化を不要として装置のコストダウンを図ることができる。
【0011】
また、前記比較手段は、
(3) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号より第2の信号が遅く検出され、その誤差が磁気テープ上の距離で1mmより大きい場合、前記磁気テープ装置に追記動作の再試行を促すことが望ましい。この場合はさらに、
(4) 前記再試行によっても1mmより大きい誤差が検出される場合、前記最終一つ前のIBGより前の部分から読み出し動作を行って前記レジスタの値を更新してから再び追記動作を行うよう装置に要求することが望ましい。
【0012】
後に説明するが、1mmより大きいスリップが生じている場合にそのまま追記を開始するとIBGに隙間が生じてリード不能となるため、追記動作のリトライを実施して誤差検出をやり直すようにする。また、このリトライによっても1mmより大きい誤差が検出される場合は、装置側でテープ位置を把握するためのレジスタの値を更新すべく、最終一つ前のIBG以前から読み出しを行ってから、再び追記動作を開始するようにする。
【0013】
本発明の磁気テープ装置では、前記磁気テープの各IBGが約2mmの幅を設けて構成されるとともに、前記IBG検出手段は、前記磁気テープ上でIBGを1mm検出したときに前記第1の信号を出力することを特徴とする。磁気テープのIBGが2mm幅とすると、1mm検出した時点がちょうどIBGの中央部分となるからである。また、前記追記動作において追記されるデータの先頭にはテープ1mm分のIBGが設けられることを特徴とする。追記を開始する部分のIBGを2mmないし3mmにするためである。
【0014】
一方、本発明にかかる磁気テープ装置の制御方法は、磁気テープに書き込まれたデータの最後に新たなデータを追記する場合の磁気テープ装置の制御方法において、
前記磁気テープの走行時にIBGを検出したときに出力される第1の信号の検出時に、前記磁気テープを走行駆動するサーボモータから所定の回転角ごとに出力されるパルス信号を計数するカウンタ手段のカウント値をレジスタに保存しておき、前記磁気テープの追記動作において、前記磁気テープにおける最終一つ前のIBGに位置づけして、前記第1の信号と、前記カウンタ手段の値がレジスタの値になると出力される第2の信号の検出タイミングを比較してテープスリップの有無およびその誤差を検出するステップと、
最終のIBGに位置づけして、前記最終一つ前のIBGにおいて、装置側が記憶しているテープ位置が実際にIBGを読み出して得られるテープ位置と同じか1mm以内の後ろである場合、前記最終のIBGにおいて装置側が記憶しているテープ位置のタイミングでデータの追記を開始するステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
この方法では、前記最終一つ前のIBGにおいて、装置側が記憶しているテープ位置が実際にIBGを読み出して得られるテープ位置より前である場合に、前記最終のIBGにおいて装置側が記憶しているテープ位置からその分遅らせたタイミングでデータの追記を開始することが望ましい。また、前記最終一つ前のIBGにおいて、装置側が記憶しているテープ位置が実際にIBGを読み出して得られるテープ位置と同じか1mm以内の後ろである場合、前記最終のIBGにおいて装置側が記憶しているテープ位置のタイミングでデータの追記を開始することが望ましい。既存データの不用意な上書きを防止して、データの読み出しエラーを防止するためである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。図1は本発明に係る磁気テープ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、磁気テープ装置1は上位装置100とのやりとりを行うコントローラ10と、磁気テープに対しデータの書き込みおよび読み出しを行うドライブ20とで構成される。
【0017】
コントローラ10は、コントローラ10全体の動作を制御するMPU11と、上位装置100からの入力データをテープに書き込む形式に変換するライトデータ生成回路12と、ドライブ20からの読み出しデータを上位装置に出力する形式に変換するリードデータ検出回路13と、GAP OUT信号生成回路14と、GAP IN/OUT信号比較回路15とを備えている。
【0018】
ドライブ20は、ドライブ20全体の制御を行うドライブ制御用MPU21と、磁気テープの走行やリードライトを行うドライブ駆動部22と、パルス信号カウンタ23と、カウンタ記憶用レジスタ24と、GAP IN信号生成回路25とを備えている。ドライブ駆動部22は、磁気テープの走行駆動を行うサーボモータ26を備え、このサーボモータ26は、特定の回転角毎にパルスと回転方向を示す信号を出力する。なお、ドライブ駆動部22はこの他にリードヘッドやライトヘッド等の磁気テープに対するデータの読み書きに必要な構成要素を含むが、本願発明に直接関連しないためその説明は省略する。
【0019】
コントローラ10のMPU11が上位装置100からデータの書き込み命令を受けると、ドライブ20のドライブ制御用MPU21にテープのライトを命令するとともに、ライトデータ生成回路12が上位装置100から送られる書き込みデータを磁気テープに書き込み可能な形式に変換し、ライトデータバス31を介してドライブ駆動部22に送る。後に説明するが、ライトデータ生成回路12はGAP IN/OUT比較回路15からのGAP IN信号入力をトリガとして、ライトデータの送信を開始する。ドライブ駆動部22ではサーボモータ26が動作し、書き込みヘッドからライトデータが磁気テープへと書き込まれる。
【0020】
一方、コントローラ10のMPU11が上位装置100からデータの読み出し命令を受け取った場合、ドライブ20にリード命令が出され、ドライブ駆動部22でデータの読み出しが行われる。ここで読み出されたデータはリードデータバス32を介してコントローラ10のリードデータ検出回路13へ送られ、ここで上位装置100が認識可能なデータ形式に変換され、上位装置100に送出される。
【0021】
磁気テープ装置1の動作において、サーボモータ26は特定の回転角毎にパルスと回転方向を示す信号を発生しており、この信号はパルス信号カウンタ23に出力される。パルス信号カウンタ23はドライブ20がテープの現在位置を把握する手段であり、サーボモータ26から出力されるパルス信号をトリガとして、回転方向を示す信号を参考にカウントアップ/カウントダウンを行う。このカウント値はテープをロードした時点でリセットされる。
【0022】
データの読み書きはデータブロック毎に行われており、磁気テープにおいて隣接して書き込まれるデータブロック間には所定長のIBG(ブロック間ギャップ)が設けられる(図2参照)。磁気テープのリード時にはドライブ駆動部22にてIBG等の各種マークも読み出され、リードデータ検出回路13に送られる。現在の規格によるとIBGの最大値は3mmである(Typ2mm)。また、磁気テープ装置ではデータを書き込む場合に同時に読み出しを行い、書き込みデータの確認を行うようにしている(リードアフタライト機能)。したがって、磁気テープのリード/ライト時のいずれもデータブロックおよびIBGがリードデータ検出回路13に出力されることになる。
【0023】
リードデータ検出回路13は、リードデータを上位装置100で認識可能なデータ形式に変換するが、テープフォーマットを解析する過程で各種マークの検出も行う。このリードデータ検出回路13は、検出されるマークのうちIBGパターンを検出すると、その検出信号をGAP OUT信号生成回路14に出力する。GAP OUT信号生成回路14は、IBGパターン検出信号の入力長から、テープ上の距離においてIBGが1mm検出された時点でGAP OUT信号を生成する。GAP OUT信号はドライブ20と、GAP IN/OUT信号比較回路15とに送られる。但し、後に詳細に説明するが、ライトに伴うロケート時にGAP OUT信号は比較回路15のみに出力され、ドライブ20には送られない。
【0024】
図2にテープのデータフォーマットとGAP OUT信号の関係を示す。磁気テープにおいてIBGとデータブロックが交互に設けられており、本実施例で各IBGの長さは2mmに設定されている。このテープのリード処理において、リードデータ検出回路13からGAP OUT信号生成回路14に出力されるIBGの検出長が1mmになったとき、すなわちテープ上でIBGの中央にさしかかったときにGAP OUT信号がカウンタ記憶用レジスタ24に発信される。
【0025】
カウンタ記憶用レジスタ24は、GAP OUT信号生成回路14から出力されたGAP OUT信号を受信する毎に、パルス信号カウンタ23のカウンタ値を保存する。図1に示すように、カウンタ記憶用レジスタ24は2つのレジスタ24a、24bを備えており、交互に古い情報を上書きしながらパルスカウント値を記憶する。したがって、2つのレジスタ24a、24bの示す値は、最後のGAP OUT信号受信時のパルスカウント値と、最終一つ前のGAP OUT信号受信時のパルスカウント値となる。レジスタ24のカウント値は、ドライブ制御用MPU21とGAP IN信号生成回路25に参照される。
【0026】
GAP IN信号生成回路25は、データ書き込み時にのみ動作し、カウンタ記憶用レジスタ24に記録されたカウント値を参照して、パルス信号カウンタ23のカウント値を監視する。そして、パルス信号カウンタ23が示すカウント値がレジスタ24に記録されている値と一致したときにGAP IN信号を生成し、GAP IN/OUT信号比較回路15に出力する。すなわち、GAP IN信号生成回路25は、ドライブ側で記憶しているテープ上のIBG位置にさしかかったときに、GAP IN信号を比較回路15に発信する。
【0027】
コントローラ側のGAP IN/OUT信号比較回路15は、GAP IN信号とGAP OUT信号を受信し、2つの信号の入力タイミングの誤差を検出しテープスリップの有無およびその程度を判定する。後に詳細に説明するが、入力信号の誤差検出は最終一つ前のIBG部分について行われる。そして、最終IBGにおいて誤差を補正したタイミングでGAP IN信号をライトデータ生成回路12に出力する。ライトデータ生成回路12は、比較回路15からGAP IN信号が入力されるタイミングで、ドライブ駆動部22へライトデータの出力を開始する。データを追記(アペンドライト)する場合、ライトデータのフォーマットは図3に示すように、最初のIBGは1mm、以降にデータブロックを挟んで設けられるIBGは2mmづつとなる。
【0028】
この磁気テープ装置1において、磁気テープに書き込まれているデータを最後まで読み出し、最後のデータブロックの後ろに新しいデータブロックを追記(アペンドライト)する場合の動作を以下に説明する。
【0029】
図1において、上位装置100からデータの読み込み命令を受けると、コントローラ10のMPU11がこの命令を受信し、ドライブ20にテープのリードを命令する。このリード命令はライトデータバス31を介してドライブ20に送られ、テープのリードが開始される。リード処理においてドライブ駆動部22のリードデータは、リードデータバス32を介してコントローラ10のリードデータ検出回路13に送られる。このリードデータはデータブロックと各種マークを含んでいる(図2参照)。データブロックはそのままでは上位装置で認識できないため、リードデータ検出回路13にてデータ形式の変換が行われ、上位装置100に送出される。また、リードデータ検出回路13は、マークのうちデータブロック間を識別するために書き込まれているIBGパターンを検出すると、IBGパターン検出信号をGAP OUT信号生成回路に出力する。
【0030】
GAP OUT信号生成回路14は入力するIBGパターン信号を監視し、テープ上の距離においてIBGが1mm検出された時点でGAP OUT信号をドライブ20に出力する。このGAP OUT信号はGAP IN/OUT信号線33を介して、ドライブ20のカウンタ記憶用レジスタ24に入る。カウンタ記憶用レジスタ24では、GAP OUT信号を受信したタイミングで、サーボモータ26からのパルス信号をカウントしているパルス信号カウンタ23のカウンタ値をレジスタに記録する。上述のように、カウント値は2つのレジスタ24a、24bに交互に上書きされる。このようにして、ドライブ20においてGAP OUT信号を検出したテープ上の位置がカウント値として記憶され、この位置がテープを位置づけするための基準点となる。このレジスタ記録動作はドライブ20でテープがリードされる間、継続的に実施される。
【0031】
テープに書き込まれている最後のデータを読み終わった後、上位装置100からデータの追記(アペンドライト)が命令される。この命令により、磁気テープ装置1ではヘッドの追記開始位置への位置づけ(ロケート)が行われた後にライト動作が実施される。この一連の動作について図4を用いて説明する。
【0032】
ロケート動作では、まず最終一つ前のデータブロックの途中までテープが巻き戻される。すなわち、ドライブ制御用MPU21は、カウンタ記憶用レジスタ24のうち最終一つ前のIBGのカウント値が記録されているレジスタの値を読み込み、パルス信号カウンタ23のカウント値が読み込んだ値より少し小さくなるようサーボモータ26を制御する。これにより、図4に示すA地点までテープが巻き戻され、再びフォワード方向へリード処理が開始される(図3矢印の方向)。なお、最終一つ前のIBGの少し手前まで巻き戻すのは、フォワード方向へのテープ走行を定速状態にするために必要な距離を確保するためである。ここで読み出されたカウント値(最終一つ前のIBG検出時のカウント値)は、同時にGAP IN信号生成回路25にも送られ記憶される。
【0033】
GAP IN信号生成回路25は、ロケート時のリード処理においてサーボモータ26のパルス信号カウンタ23が、レジスタ24から読み取ったカウント値を示したときに、GAP IN信号を生成し信号線33を介して比較回路15に送出する。これにより、装置1がサーボモータ26のパルスカウント値として記憶している最終一つ前のIBG位置でGAP IN信号が比較回路15に入力される。
【0034】
このロケート時にドライブ駆動部22により読み出されたデータはコントローラ10に送出されている。送られたデータはリード検出回路13にて解析され、データブロックとマークが検出される。検出回路13がIBGパターンを検出するとIBGパターン検出信号がGAP OUT信号生成回路14に送られ、IBGパターンが1mm検出された時点でGAP OUT信号が生成される。前述のように、ロケート時にGAP OUT信号はドライブ20には送られず、GAP IN/OUT比較回路15にのみ出力される。また同様に、ロケート時にはMPU11からの命令により、リード検出回路13はデータブロックを上位装置100に送らず破棄する。これにより、実際に走行するテープ上のIBG検出タイミングでGAP OUT信号が比較回路15に入力される。
【0035】
GAP IN/OUT比較回路15は、入力されるGAP IN信号とGAP OUT信号のタイミングを比較する。これにより、最終一つ前のIBG地点において、テープスリップ発生の有無およびその誤差が把握される。すなわち、図4に示すように、GAP IN信号とGAP OUT信号が同時に比較回路15に入力した場合、テープスリップは生じていない。入力信号のタイミングにズレがある場合はスリップが生じていることなので、ズレ方向およびその量からテープスリップの状況を確認し記憶する。
【0036】
コントローラ10のMPU11は、GAP IN/OUT比較回路15での比較結果を確認すると、ライト命令をドライブ20とライトデータ生成回路12に送信する。ライト命令を受けたドライブ制御用MPU21は、カウンタ記憶用レジスタ24のうち最後のIBG検出時のパルスカウント値を記憶しているレジスタの値を読み込み、パルス信号カウンタ23がこの値になるようサーボモータ26を制御する。読み取ったカウント値は、同時にGAP IN信号生成回路25に送られ記憶される。
【0037】
サーボモータ26のパルス信号カウンタ23がレジスタ24から読み取ったカウント値を示したとき、GAP IN信号生成回路25からGAP IN信号が信号線33を介して比較回路15に送出される。このGAP IN信号を受け取った比較回路15は先ほど記録したタイミング情報とズレの値により、以下のように処理を分岐する。
【0038】
(1) 最終一つ前のIBGにおいてGAP OUT信号とGAP IN信号が同時に入力した場合、データスリップは生じていないので、比較回路15は入力GAP IN信号をそのままライトデータ生成回路12に出力する(図4参照)。ライトデータ生成回路12はGAP IN信号の入力をトリガとしてドライブ駆動部22にライトデータの送信を開始し、ドライブ駆動部22にてデータライトが開始される。ここで、前述の通りGAP IN信号はIBGが1mm検出された時点で比較回路15に入力し、また、図3に示すようにアペンドライト時のデータフォーマットは追記開始部分のIBG部分を1mmとしているので、データの継ぎ目となるIBGは他の部分と同じ2mmとなる。
【0039】
(2) GAP OUT信号よりGAP IN信号の方が早く検出された場合、テープがフォワード方向にずれている状態である。この状態を図5に示す。この場合、比較回路15はGAP IN信号をズレの分だけ遅延させてライトデータ生成回路12に出力する。これにより、ズレの分だけ追記開始位置が補正され、既に書き込まれているデータ終端部分をオーバーライトすることなく追記を始めることができる。
【0040】
(3) GAP OUT信号よりGAP IN信号の方が遅く検出された場合、テープがリバース方向にずれている状態である。このとき比較回路15はズレ量を参照し、ズレが1mm以内である場合はGAP IN信号をそのままライトデータ生成回路12に出力する。この状態を図6に示す。この結果、図4や図5に示す例より少し遅れたタイミングでGAP IN信号がライトデータ生成回路12に送られ、図6に示すように追記開始部分のIBGは最大3mmの長さとなるが、規格(ANSI)によればIBGの最大長は3mm(Typ2mm)であるためリード不能になる不具合は生じない。
【0041】
(4) GAP OUT信号よりGAP IN信号の方が遅く検出され、そのズレが1mmより大きい場合、GAP IN/OUT比較回路15はGAP IN信号の出力を行わず、MPU11に対しロケート及びライト命令の再実行を要求する。仮にGAP IN信号をそのままライトデータ生成回路12に出力すると、既に書き込まれている最終IBGと追記開始部分のIBGとの間に隙間が発生し、テープフォーマットに違反したリード不能のテープとなってしまうからである。
【0042】
ロケート及びライトの再実行により上記(1)〜(3)のパターンが達成できればよいが、実際に1mmより大きいスリップが生じている場合は同様の誤差が検出されることになる。そこで、数度のリトライによっても同様の結果となった場合には、最終一つ前のデータブロックから最終データまでの再リードを行い、改めてアペンドライトを実行するようにする。再リードによりカウンタ記録用レジスタ24の値が更新され、アペンドライトを成功させることができる。なお、この再リード処理中のリードデータは上位装置100に上げずに破棄するようにする。
【0043】
本発明の実施の形態について詳細に説明したが、上記の実施例で回路の一部を廃止してMPUとファームウェアで代用するようにしてもよい。例えば、GAPIN/OUT比較回路15を廃止して、スリップの検出およびその補償をファームウェアで行うようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る磁気テープ装置及びその制御方法では、最終一つ前のIBG部分でテープスリップを検出し、検出結果に応じて比較回路15から出力されるGAP IN信号の出力タイミングを調整することにより、最終IBG部分でズレが補正されるようにしている。したがって、走行する磁気テープの終端部分でスリップ補償を行う場合に比して装置の処理負担を分散させることができ、装置の低コスト化や小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気テープ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 リード時のデータフォーマットとGAP OUT信号の関係を示す図である。
【図3】 アペンドライト時のデータフォーマットを示す図である。
【図4】 アペンドライト時の処理例を説明する図である。
【図5】 アペンドライト時の処理例を説明する図である。
【図6】 アペンドライト時の処理例を説明する図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置
10 コントローラ
11 MPU
12 ライトデータ生成回路
13 リードデータ検出回路
14 GAP OUT信号生成回路
15 GAP IN/OUT信号比較回路
20 ドライブ
21 ドライブ制御用MPU
22 ドライブ駆動部
23 パルス信号カウンタ
24 カウンタ記憶用レジスタ
25 GAP IN信号生成回路
26 サーボモータ
31 ライトデータバス
32 リードデータバス
33 GAP IN/OUT信号線
Claims (7)
- 磁気テープを走行駆動するサーボモータと、該サーボモータから所定の回転角毎に出力されるパルス信号を計数するカウンタ手段と、前記磁気テープの走行時にIBGを検出して第1の信号を出力するIBG検出手段と、前記第1の信号検出時に前記カウンタ手段のカウント値を保存するレジスタと、前記磁気テープの追記動作において前記カウンタ手段の値がレジスタの値になると第2の信号を出力する第2信号出力手段と、前記第1および第2の信号の検出タイミングを比較する比較手段を備え、
前記レジスタは、少なくとも前記磁気テープへの追記を開始しようとするIBG(以下、「最終IBG」と称す。)とその一つ前のIBG(以下、「最終一つ前のIBG」と称す。)における前記カウント値とを記憶するとともに、
前記比較手段は、
(1) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号より第2の信号が早く検出された場合、前記最終IBG部分における第2の信号出力時からその分遅らせたタイミングで磁気テープへの追記開始命令を出し、
(2) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号が第2の信号と同時か第1の信号より第2の信号が遅く検出され、その誤差が磁気テープ上の距離で1mm以内である場合、前記最終IBG部分における第2の信号出力時に磁気テープへの追記開始命令を出すことを特徴とする磁気テープ装置。 - 請求項1に記載の磁気テープ装置において、前記比較手段は、
(3) 前記最終一つ前のIBG部分において第1の信号より第2の信号が遅く検出され、その誤差が磁気テープ上の距離で1mmより大きい場合、前記磁気テープ装置に追記動作の再試行を要求することを特徴とする磁気テープ装置。 - 請求項2に記載の磁気テープ装置において、前記比較手段は、
(4) 前記再試行によっても1mmより大きい誤差が検出される場合、前記最終一つ前のIBGより前の部分から読み出し動作を行って前記レジスタの値を更新してから再び追記動作を行うよう装置に要求することを特徴とする磁気テープ装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気テープ装置において、前記磁気テープの各IBGが約2mmの幅を設けて構成されるとともに、前記IBG検出手段は、前記磁気テープ上でIBGを1mm検出したときに前記第1の信号を出力することを特徴とする磁気テープ装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気テープ装置において、前記追記動作において追記されるデータの先頭にはテープ1mm分のIBGが設けられることを特徴とする磁気テープ装置。
- 磁気テープに書き込まれたデータの最後に新たなデータを追記する場合の磁気テープ装置の制御方法において、
前記磁気テープの走行時にIBGを検出したときに出力される第1の信号の検出時に、前記磁気テープを走行駆動するサーボモータから所定の回転角ごとに出力されるパルス信号を計数するカウンタ手段のカウント値をレジスタに保存しておき、前記磁気テープの追記動作において、前記磁気テープにおける最終一つ前のIBGに位置づけして、前記第1の信号と、前記カウンタ手段の値がレジスタの値になると出力される第2の信号の検出タイミングを比較してテープスリップの有無およびその誤差を検出するステップと、
最終のIBGに位置づけして、前記最終一つ前のIBGにおいて、装置側が記憶しているテープ位置が実際にIBGを読み出して得られるテープ位置と同じか1mm以内の後ろである場合、前記最終のIBGにおいて装置側が記憶しているテープ位置のタイミングでデータの追記を開始するステップとを備えることを特徴とする磁気テープ装置の制御方法。 - 請求項6に記載の磁気テープ装置の制御方法において、前記最終一つ前のIBGにおいて、装置側が記憶しているテープ位置が実際にIBGを読み出して得られるテープ位置より前である場合に、前記最終のIBGにおいて装置側が記憶しているテープ位置からその分遅らせたタイミングでデータの追記を開始することを特徴とする磁気テープ装置の制御方法。
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