JP3968622B2 - 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法 - Google Patents

絶縁筒の拡径装置及び拡径方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3968622B2
JP3968622B2 JP2000146904A JP2000146904A JP3968622B2 JP 3968622 B2 JP3968622 B2 JP 3968622B2 JP 2000146904 A JP2000146904 A JP 2000146904A JP 2000146904 A JP2000146904 A JP 2000146904A JP 3968622 B2 JP3968622 B2 JP 3968622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
insulating cylinder
diameter expansion
pipe
movable plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000146904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001327029A (ja
Inventor
修二 真山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2000146904A priority Critical patent/JP3968622B2/ja
Publication of JP2001327029A publication Critical patent/JP2001327029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3968622B2 publication Critical patent/JP3968622B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Processing Of Terminals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブル接続部に被覆する絶縁筒の内部に拡径パイプを圧入するための絶縁筒の拡径装置及び拡径方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ケーブル接続部には、絶縁保護が必要である。この保護として、自己収縮性を有する絶縁筒を利用する方法がある。この方法は、予め接続部分に適合する形状の絶縁筒を拡径させて、その拡径状態を保持させるために円筒状のパイプ(拡径パイプ)を絶縁筒の内部に挿入した成形品を用いるものである。なお、この成形品による絶縁筒の装着は、ケーブル端部から上記成形品を挿入しておき、ケーブルの接続処理後、その接続部に成形品を配置し拡径パイプを除去することで行う。このとき、絶縁筒は、拡径パイプの除去により拡径状態が解かれて収縮しケーブル接続部の外周に沿って装着される。
【0003】
上記成形品を形成するために絶縁筒を拡径する発明として、例えば特開平08-223760号公報開示の拡大治具がある。この拡大治具は、油圧シリンダを用いて絶縁筒を拡径パイプ側に移動させるものである。具体的には、ピストンロッドの外周に絶縁筒を配置し、シリンダの外周に拡径パイプを配置して、油圧によってピストンを移動させて絶縁筒に拡径パイプを圧入する構成である。なお、この発明において拡径パイプの外径は、絶縁筒の内径に対応させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の発明には、以下の問題があった。
▲1▼ 絶縁筒は、ピストンロッドに挿通させているだけで固定されていないため、ピストンが移動する際、拡径パイプ側の開口部が安定せず、絶縁筒と拡径パイプとが同軸にならず、拡径パイプがずれて斜めに圧入されることがあった。このとき、拡径パイプが絶縁筒と同軸でないと、拡径パイプを圧入しにくいだけでなく、ずれて斜めのまま圧入することにより余分な押圧力も必要となる。また、より大きな押圧力が加えられることで、ピストンロッドがその押圧力に耐え切れず傾き、絶縁筒が拡大治具から外れるという別の問題も生じる。更に、より大きな押圧力が加えられることで、ピストンとシリンダとが異常に摩耗し、油圧シリンダの寿命が短くなるという別の問題も生じる。
【0005】
▲2▼ 上記発明では、圧力機構が油圧シリンダに限定されている。
【0006】
▲3▼ 上記発明で用いる油圧シリンダは、ピストンを移動させるためにシリンダ本体の内部に長い油通路を設ける必要がある。しかし、シリンダ本体の内部に長い油通路を設けるには、特殊な加工が必要であり、この加工によりシリンダの外径が大きくなる。このとき、内径の小さい絶縁筒では、対応する拡径パイプも小さくなるため、上記発明では、内径の小さい拡径パイプに適用できないという問題がある。また、拡径パイプの内径が小さくなるにつれ、その内周とシリンダの外周との摩擦が大きくなって配置しにくい。従って、上記発明では、拡径できる絶縁筒の大きさが制限される。更に、この特殊な加工は煩雑で困難である上に、製作コストも高い。
【0007】
そこで、本発明は、絶縁筒を確実に拡径し、その内部に内径の小さい拡径パイプであっても圧入させることができ、また油圧シリンダ以外の圧力機構を適用可能な拡径装置及びその拡径方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケーブル接続部に被覆する絶縁筒に拡径パイプを圧入するための絶縁筒の拡径装置において、固定端と可動端とを具え、可動端を固定端側に移動させる拡径装置であって、以下を特徴とする。
【0009】
固定端は、絶縁筒の一端を支持する支持部を具える。また、可動端は、拡径パイプの端部を押圧する可動板と、可動板に対して揺動自在に支持された揺動部と、揺動部の両側に取り付けられた圧力機構とを具える。そして、本発明拡径装置は、固定端から可動端に亘って、絶縁筒と拡径パイプとが挿通される中心軸を有する。即ち、本発明拡径装置は、固定端側に絶縁筒を配置して、可動端側に拡径パイプを配置し、可動端に具える圧力機構により拡径パイプを押圧することで絶縁筒に圧入させる構成である。なお、本発明拡径装置において絶縁筒は、支持部により支持される。
【0010】
本発明拡径装置は、支持部によって絶縁筒の端部を保持することで、拡径パイプを圧入する際に絶縁筒が安定し易い。また、本発明拡径装置は、拡径パイプと絶縁筒とを同一の中心軸に挿通して、中心軸を拡径パイプのガイドとすることで、絶縁筒と拡径パイプとを同軸に配置することできる。このとき、本発明拡径装置は、拡径パイプがずれて斜めに絶縁筒に圧入されたり、絶縁筒から外れたりすることがほとんどない。更に、本発明拡径装置は、可動板によって拡径パイプの端部を均一に押圧することができるため、絶縁筒に拡径パイプを確実に圧入することが可能である。
【0011】
ここで、可動板に直接圧力機構が具えられる場合、圧力機構の配置・個数によって可動板に加わる圧力が偏って拡径パイプが均一に押圧できず、絶縁筒に圧入しにくいことがある。そこで、本発明拡径装置は、可動板に直接圧力機構を具えず、揺動部の両側に圧力機構を取り付けている。即ち、本発明拡径装置は、揺動部を介して可動板に圧力機構による圧力を与え、この圧力により拡径パイプを押圧する構造である。また、本発明拡径装置は、この揺動部を可動板に対して揺動自在に支持しているため、各圧力機構の圧力のバランスに係らず常に均一に可動板に押圧力を作用させることが可能である。
【0012】
支持部に支持される絶縁筒は、最終的に拡径パイプが圧入されて拡径される。そのため、支持部は、絶縁筒の拡径に追従して、常に絶縁筒を支持することが可能な構成であることが望ましい。そこで、本発明拡径装置において支持部は、絶縁筒に挿通させる中心軸を中心として配置され、絶縁筒の拡径に追従して開閉自在な構成である。具体的には、支持部の端部をピンなどで固定して、中心軸に対して近接離反する方向に開閉させる構成である。
【0013】
上記構成により支持部は、絶縁筒の拡径に円滑に追従して保持することが可能である。なお、支持部は、複数を組み合わせたものが望ましい。このとき、複数を組み合わせることで、絶縁筒の拡径に伴い支持部間に隙間が生じるため、本発明拡径装置は、絶縁筒を十分拡径することが可能である。
【0014】
以下、本発明拡径装置について具体的にを説明する。
支持部は、絶縁筒を支持でき、かつ絶縁筒の拡径に追従して開閉自在であれば、特に形状は問わない。例えば、絶縁筒の外周に当接する把持部と把持部を支える脚部とからなるものが適する。そして、この脚部の端部をピンなどで固定し、ピンを支点として開閉できるよう構成するとよい。なお、絶縁筒に当接させる把持部は、絶縁筒の外周に傷を付けないように曲面形状であることが望ましい。また、適度な柔軟性を具えたものが好ましい。例えば、ネオプレンゴムなどからなるものが適する。更に、支持部は、中心軸を中心として絶縁筒の外周を囲むように複数配置すると絶縁筒の拡径に追従させ易い。
【0015】
可動板は、拡径パイプを絶縁筒に押圧できる程度の強度を具えるものが好ましい。例えば、ステンレスなどの金属により形成されるものが挙げられる。可動板の形状は、拡径パイプを押圧し易くかつ均一に押圧できるれば、特に問わない。例えば、拡径パイプの端部に面接触させる場合は、対する拡径パイプの断面積よりも大きな面積を有するものがよい。また、可動板は、移動が容易で円滑であるようにローラーなどの移動機構を具えることが好適である。このとき、本発明拡径装置には、ローラーを走行させる支柱を具えておく。また、ローラーは、一個でもよいが、可動板が安定して移動できるように複数具えることが望ましい。このとき、可動板が拡径パイプに対して傾いて斜めに移動することがないように、均衡がとれるように配置する。なお、複数のローラーを1ユニットとして、複数のユニットを具えてもよい。また、複数のローラーを具える場合は、それに対応させて支柱を設ける。上記ローラーは、滑らかに回転できるものであれば、特に問わない。
【0016】
ローラーを走行させる支柱は、可動板のガイドとしての機能し、圧力機構による圧力が加えられることがないため、ローラーを走行させて可動板を移動させることができる程度の強度を具えていればよい。例えば、アルミ押出の角パイプなどが軽量で特に好ましい。支柱の形状は、ローラーが走行できるように直線状の走行面を有していれば特に問わない。この走行面は、ローラーが走行し易いように滑らかであればよい。また、支柱の数は、可動板に具えるローラーに対応させて適宜選択するとよい。なお、支柱は、可動板の移動範囲を大きくするため十分に長いものが好ましい。例えば、支持部の端部から揺動部に亘る長さよりも長いものが適する。
【0017】
揺動部は、その両側に圧力機構を取り付けられる程度の大きさと、圧力機構を起動させた際に加えられる曲げ偶力に耐え得る程度の強度とを具えたものであればよい。このような揺動部は、2枚の金属板を離間して接続した矩形状の枠が適する。このとき、揺動部は、中心軸を挟むように金属板を配置し、中心軸を挿通するようにする。そして、金属板は、連結軸などにより可動板と連結して揺動自在に支持するとよい。なお、金属板は棒状体などで接続し、圧力機構は、この棒状体に取り付けるとよい。また、少なくとも一方の金属板は、スプリングバランサーなどで引き留めておき、揺動部の位置を安定させることが望ましい。このとき、スプリングバランサーは、揺動部の落下を防止する。一方、圧力機構は、油圧シリンダだけでなく、ネジジャッキ・レバーブロック・チェーンブロックなどが適する。
【0018】
ここで、揺動部に対する圧力機構の配置は、連結軸を中心として等距離に具えると揺動した際に均衡が保ち易い。例えば、同程度の圧力を加えることができる圧力機構2個を連結軸から等距離になるよう両棒状体に具えた場合、拡径パイプに作用される押圧力は、両方の圧力機構を起動させたとき、圧力機構2個の合計となる。従って、圧力機構1個を用いる場合に比べてより大きな押圧力を拡径パイプに与えることが可能になり、拡径パイプを絶縁筒に圧入し易くなる。また、上記において一方の圧力機構のみを起動させた場合、休止させている圧力機構を支点として圧力が加わるため、梃子の原理によって連結軸で圧力は2倍となり、2個の圧力機構を起動させた場合と同等の押圧力が得られる。更に、圧力機構は、2個の動作が同調していなくても連結軸を中心として揺動部が揺動できるため、拡径パイプに均等に押圧力を加え円滑に絶縁筒に圧入することが可能である。上記の作用は、特に、レバーブロックなどの圧力機構において効果的である。上記により金属板を接続する棒状体は、連結軸から等距離に配置されることが好適である。なお、上記において圧力機構は、中心軸からも等距離に配置される。
【0019】
中心軸は、拡径パイプのガイドとして機能し、圧力機構による圧力が加えられることがないため、拡径パイプを絶縁筒に押圧する際の摩擦に耐え得る程度の強度を具えていればよい。例えば、錆びにくく軽量なステンレスなどにより形成されたものが特に好ましい。中心軸の形状は、特に問わないが、絶縁筒・拡径パイプを挿通し易く、可動板の移動が容易であるように円柱状や中空の円筒状のものが適する。また、中心軸は、絶縁筒と拡径パイプとを挿通できる程度に十分に長いものが好ましい。更に、中心軸の太さは、絶縁筒に容易に挿通できる程度のもので、絶縁筒の内径よりも小さいものが適する。
【0020】
このような本発明拡径装置において絶縁筒・拡径パイプの配置は、鉛直方向・水平方向のいずれでもよい。なお、鉛直方向に配置する場合は、下から順に支持部・絶縁筒・拡径パイプ・可動板・揺動部と並べるとよい。
【0021】
なお、拡径パイプを絶縁筒に圧入し易くし、拡径パイプを確実に保持するために拡径パイプの絶縁筒側の一端には、テーパー状の先端部を具える。また、可動板との接触面積を増すために拡径パイプの可動板側の他端には、円柱状の終端部を具えることが望ましい。これら先端部と終端部とには、中心軸を挿通するための孔を具えておく。このとき、先端部は、中心軸にガイドされながら、常に拡径パイプを保持することが可能である。
【0022】
先端部は、絶縁筒を拡径させ圧入できる程度の強度を具える材料、例えば、樹脂などにより形成されたものが好ましい。先端部の一端の形状は、拡径前の絶縁筒に圧入でき、拡径パイプを圧入できる程度に拡径できるようなテーパー状が好適である。また、先端部の他端の形状は、移動中・圧入中に拡径パイプが抜け落ちなければ特に問わない。例えば、保持する拡径パイプ端部の外径よりも大径の円形状で、拡径パイプの外周に沿って縁を突出させた断面が]状のものが好ましい。このとき、拡径パイプは、円形状の窪みに嵌め込むようにして保持するとよく、縁は、拡径パイプのストッパとなる。
【0023】
一方、終端部は、拡径パイプの外径と同径か僅かに大きい径を具える円柱で、拡径パイプを当接させるものが好ましい。また、上記先端部の他端と同様に、円柱の一面に、円周に沿って縁を突出させた断面が]状であるストッパを具えるものがより好ましい。
【0024】
本発明拡径装置に用いる絶縁筒は、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)やシリコンゴムなどにカーボンなどの導電性物質を添加した導電ゴムとEPゴムやシリコンゴムなどの絶縁ゴムとを一体形成されたものが適する。絶縁筒の大きさ・長さは、被覆するケーブル接続部に適宜対応させればよい。また、拡径パイプは、ケーブル接続部に絶縁筒を装着した後、除去する必要がある。従って、除去作業がし易いように本発明拡径装置に用いる拡径パイプは、その軸方向に上下に2分割される中空円筒、即ち2個の中空円筒を組み合わせて1個の拡径パイプとする構成であるものなどが好ましい。このとき、各中空円筒は、圧入される際に分離にくいように各端部の外周に嵌合し合う凹溝・凸部を具えているものが好ましい。また、各中空円筒は、拡径中、互いに外れないように上記先端部・終端部により保持する。このような拡径パイプは、金属板のロール形成などによって形成されたものがよい。また、拡径パイプは、絶縁筒の拡径状態を保持させておくのに十分な径を具えるものが好ましい。
【0025】
次に、本発明絶縁筒の拡径方法は、以下の工程を具えることを特徴とする。
(1) 絶縁筒と拡径パイプとを中心軸に挿通し、絶縁筒の一端を支持部で支持する工程。
(2) 中心軸の両側に配置した2個の圧力機構により、各圧力機構の圧力の均衡に係らず中心軸方向に押圧力を作用させながら絶縁筒に拡径パイプを圧入する工程。
このような工程を具える絶縁筒の拡径方法は、上記本願発明絶縁筒の拡径装置を用いて行うことが好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明絶縁筒の拡径装置の断面図、図2は、図1のC−C断面における矢視図、図3は、本発明絶縁筒の拡径装置において、拡径パイプを絶縁筒に圧入させた状態を表す説明図である。なお、図中、同一符号は同一物を示す。本発明拡径装置10は、固定端Aと可動端Bとを具え、その中心には、絶縁筒1(固定端A側)と拡径パイプ2(可動端B側)とを挿通させる中心軸12を有する。固定端Aには、絶縁筒1の一端を支持する支持部11と支持部11が固定される基部16とを具える。また、可動端Bには、拡径パイプ2の端部を押圧させる可動板14と可動板14に対して揺動自在に支持された揺動部15aと、揺動部15aの両側に取り付けられた圧力機構15bとを具える。そして、本発明拡径装置10は、可動端B側の拡径パイプ2を可動板14で押圧することで、固定端A側の絶縁筒1に拡径パイプ2を挿入する装置である。以下、実施例として、基部16を土台として鉛直方向に絶縁筒1と拡径パイプ2とを配置させる拡径装置10について説明する。
【0027】
中心軸12の一端は、基部16に対して回転自在に連結され、他端は、可動板14・揺動部15aに挿通させ固定しない。この中心軸12は、絶縁筒1・拡径パイプ2などを挿通する際、回転させて倒し、絶縁筒1を拡径させる際、鉛直方向に直立させておく。なお、本例において中心軸12は、ステンレスで形成した丸棒である。
【0028】
支持部11は、絶縁筒1の外周に当接させる把持部11aと、端部をピン18によって基部16に回転自在に支持され把持部11aを支える脚部11bとからなり、把持部11aは、脚部11bに対して突出するように設けられている。本例において支持部11は、図2に示すように中心軸を中心として4組を離間して基部16に配置しており、絶縁筒1を四方から支持する。
【0029】
把持部11aは、ネオプレンゴムで曲面形状に形成した。また、把持部11aは、絶縁筒1を把持する前、中心軸12と直交するように、即ち水平方向に配置させている。脚部11bは、基部16から鉛直方向に突出させた固定部17にピン18によってその端部を固定され、ピン18を支点として絶縁筒1の拡径に追従して、中心軸12から近接離反する方向、即ち絶縁筒1の径方向に開閉可能な構成である。本例において脚部11bは鉄製で、端部を曲面として開閉し易くしている。この開閉可能な構成により支持部11は、絶縁筒1の拡径に追従できるだけでなく、揺動可能な範囲内において拡径前のあらゆる大きさの絶縁筒1に対応できる。
【0030】
可動板14は、本例において中心に中心軸12を挿通させる孔を具える矩形状の板で、支柱19を走行させるローラー14aを2組対向する位置に具えている。可動板14の面積は、拡径パイプ2に取り付ける終端部13bの面積よりも大きくしている。また、本例において1組のローラー14aは一対を対向させており、可動板14は、合計4個のローラー14aを具える。このような可動板14は、拡径パイプ2の終端部13bの端面に平行するように、即ち水平方向に配置しており、ローラー14aによって水平状態を保持されたまま拡径パイプ2を押圧する。なお、可動板14は、ローラー14aを具えることにより、中心軸12と支柱19とをガイドにして鉛直方向に上下に容易に移動することが可能である。
【0031】
本例において揺動部15aは、矩形状の金属板2枚を1組とし各金属板は、連結軸21によって可動板14に連結される。また、2枚の金属板は、端部を金属製の棒状体(図示せず)で離間して接続され、各棒状体には、圧力機構15bが1個ずつ連結軸21を中心として等距離に取り付けられている。そして、各圧力機構15bに圧力の差があると、連結軸21を支点として揺動部15aがシーソー状に揺動する構成である。
【0032】
本例において2個の圧力機構15bは、共に同程度の圧力を加えることが可能なレバーブロックを使用している。圧力機構15bは、一方のフックを揺動部15aの棒状体に固定しているリング15cに掛止させ、他方のフックを基部16に固定しているリング16aに掛止させる。揺動部15aは、金属板と棒状体とがつくる矩形内に中心軸12・支柱19を挿通するよう配置している。このとき、金属板は、中心軸12から等距離になるようにする。従って、圧力機構15bも中心軸12からも等距離に配置される。また、上記配置により圧力機構15bは、支柱19の外側に位置するため、可動板14が移動し易い。なお、金属板には、安定した移動と落下防止とのために取り付けるスプリングバランサー(図示せず)のフックを掛止するリング(図示せず)を具えている。
【0033】
支柱19は、中心軸12に平行するように配置し、一端を基部16に固定しており、他端を連結板20によって連結している。本例において支柱19は、支持部11を挟むようにしてその外側に配置している。また、本例において支柱19は、ローラー14aに対応させるため、2本設けている。なお、連結板20には、揺動部15aを引き留めるスプリングバランサーのフックを掛止するリング(図示せず)を具えている。
【0034】
本例において拡径パイプ2は、絶縁筒1に圧入し易いように、絶縁筒1側の一端にはテーパー状の先端部13aと、可動板14側の他端には、円柱状の終端部13bとを具えている。先端部13aの他端は、拡径パイプ2の端部の外径よりも大径の円形状で、上記拡径パイプ2の端部の外周に沿って縁を突出させた断面が]状であり、円形状の窪みに拡径パイプ2を嵌め込んで保持する構成である。終端部13bは、拡径パイプ2の他端の外径よりも大径の円柱で、一面には、上記先端部13aの他端と同様に、断面が]状である円形状の窪みを具え、拡径パイプ2を嵌め込んで保持する構成である。この終端部13bの他面に可動板14が面接触することで、拡径パイプ2は押圧される。なお、本例において、終端部13bの他面には可動板14と嵌合する凸部を具え、当接する可動板14には凹部を具えて、互いに嵌合させている。この構成により、可動板14からの押圧力が終端部13bに伝わり易いため、可動板14に無理な力がかかって可動板14が支柱19から外れる恐れがほとんどない。本例において先端部13a・終端部13bは、中心に中心軸12を挿通するための孔を具え、先端部13aは樹脂製、終端部13bは鉄製のものを用いた。
【0035】
次に、上記本発明拡径装置10を用いた絶縁筒1の拡径方法を説明する。なお、本例において絶縁筒1は、両端部が中央部よりも小径である円筒形状で、導電ゴムと絶縁ゴムとを一体形成された、ケーブル接続部に適合した大きさのものを使用した。また、拡径パイプ2は、ステンレスによって形成された2つ割れの中空円筒状のものを用い、1つずつ絶縁筒1に圧入する。そして、拡径パイプ2の全長は絶縁筒1よりも長く、拡径パイプ2の内周はケーブル接続部に十分挿通できる径を有するものを用いた。
【0036】
(1) 連結板20を取り付けた支柱19を基部16に固定する。
(2) 支柱19を挟むように2枚の金属板を配置し、それぞれを棒状体で接続して矩形状の揺動部15aを形成する。このとき、揺動部15aにおいて、金属板と棒状体とで囲まれる矩形内に支柱19が挿通された状態である。
(3) 各圧力機構15bの一方のフックを揺動部15aに接続された棒状体に具えるリング15cに掛止し、他方のフックは基部16に具えるリング16aに掛止する。
(4) ローラー14aを装着させた可動板14を連結軸21で揺動部15aの金属板と連結する。このとき、ローラー14aを支柱19に沿わせる。
(5) スプリングバランサーの一方のフックを連結板20のリングに掛止し、他方のフックを揺動部15aの金属板に具えるリングに掛止する。そして、最上部まで可動板14・揺動部15aを上げておく。このとき、可動板14・揺動部15aは、スプリングバランサーにより引き留められて、落下することはない。
(6) 中心軸12の端部を基部16に回転自在に連結する。
【0037】
(7) 中心軸12を倒して絶縁筒1を挿通し、絶縁筒1の一端を支持部11で支持する。このとき、絶縁筒1の径に合わせてピン18を支点として脚部11bを開閉させて適宜把持するとよい。なお、拡径パイプ2を押圧し易くするために、絶縁筒1の内周には、シリコン油などの潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。
【0038】
(8) 拡径パイプ2に先端部13aを取り付けた状態で中心軸12に挿通し、続けて終端部13bを挿通し、中心軸12を回転させて直立させる。このとき、拡径パイプ2に具えた先端部13aを絶縁筒1の他端に挿入しておくと絶縁筒1の他端を支持することができる。また、可動板14を下げて、その凹部と終端部13bの凸部とを嵌合させる。このとき、可動板14の中心に具える孔に中心軸12を挿通させて、中心軸12をガイドとして下げるとよい。また、可動板14は、ローラー14aを具えることで移動し易い。なお、先端部13aの外周と拡径パイプ2の外周とには、シリコン油などの潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。この工程により、絶縁筒1は、拡径装置10に保持される。
【0039】
(9) 圧力機構15bのレバーを調節することで、揺動部15a・連結軸21・可動板14を介して拡径パイプ2の終端部13bに押圧力を与える。このとき、可動板14は、水平状態を保持しながら支柱19に沿ってローラー14aが下向きに移動する。この移動に伴い、拡径パイプ2の終端部13bが押圧されて、中心軸12をガイドに拡径パイプ2の先端部13aが絶縁筒1に圧入されていく。このとき、絶縁筒1は、先端部13aのテーパーに沿って拡径されることで拡径パイプを圧入できる。
【0040】
(10) 1つの拡径パイプ2がほぼ絶縁筒1に圧入された状態で、可動板14から終端部13bを外し、もう1つの拡径パイプ2を嵌め合わし、この拡径パイプ2の端部に終端部13bを当接して可動板14を嵌合させる。そして、再び圧力機構15bのレバーを調節して拡径パイプ2を圧入していくことで、図3に示すように絶縁筒1の内部に拡径パイプ2が完全に挿入される。なお、本発明拡径装置10は、揺動部15bが揺動可能な構成により、各圧力機構15bの圧力の均衡に係らず、可動板15aに対して中心軸方向に押圧力を作用させることができる。また、支持部11は、絶縁筒1の拡径に伴って脚部11bが開くことができるので、絶縁筒1の拡径に追従した保持が可能である。
【0041】
(11) 拡径パイプ2が挿通された絶縁筒1を本発明拡径装置10から取り外すには、以下のようにすればよい。まず、可動板14から終端部13bを外しておき、両圧力機構15bを緩めて押し下げた可動板14・揺動部15aを最上部まで上げる。このとき、可動板14の孔から中心軸12を抜いておく。次に、中心軸12を倒して、終端部13b・拡径パイプ2を具える絶縁筒1を中心軸12から抜き取る。そして、終端部13bを取ることで拡径パイプ2が挿入された絶縁筒1の成形品を得る。なお、先端部13aは、支持部11を開いて中心軸12から抜き取る。
【0042】
【発明の効果】
本発明絶縁筒の拡径装置によれば、絶縁筒を確実に支持しながら拡径パイプを圧入できるという優れた効果を奏し得る。また、本発明拡径装置は、絶縁筒の拡径状態に追従して支持することが可能な支持部を具え、かつガイドとして中心軸を具えることで、押圧力が加えられても拡径パイプが絶縁筒からずれて斜めに圧入されたり、絶縁筒から外れたりすることがない。更に、本発明拡径装置は、押圧力を加える際、圧力機構に余分な摩擦などが付加されることがない。加えて、本発明拡径装置は、絶縁筒・拡径パイプの内部に圧力機構を配置することないため、内径の小さい絶縁筒においても適用することが可能である。そして、本発明拡径装置は、特殊な加工を施した油圧シリンダ以外の圧力機構を適用することができ、汎用性が高い。
【0043】
また、本発明拡径装置は、揺動部に圧力機構を具え、可動板に対して揺動可能な構成することで偏りなく拡径パイプに押圧力を作用させることができ、絶縁筒に拡径パイプを円滑に圧入することが可能である。
【0044】
更に、本発明拡径装置は、圧力機構によって直接圧力が加えられるのは、基部・可動板・揺動部であるので、中心軸・支柱を軽量な素材で形成されたものが適用でき、軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明絶縁筒の拡径装置の断面図である。
【図2】本発明絶縁筒の拡径装置のC−C断面における矢視図である。
【図3】本発明絶縁筒の拡径装置において、拡径パイプを絶縁筒に圧入した状態を表す説明図である。
【符号の説明】
1 絶縁筒 2 拡径パイプ
A 固定端 B 可動端
10 拡径装置 11 支持部 11a 把持部 11b 脚部 12 中心軸
13a 先端部 13b 終端部 14 可動板 14a ローラー
15a 揺動部 15b 圧力機構 15c・16a リング 16 基部 17 固定部
18 ピン 19 支柱 20 連結板 21 連結軸

Claims (3)

  1. 固定端と可動端とを具え、可動端を固定端側に移動させることで拡径パイプを絶縁筒に圧入する絶縁筒の拡径装置であって、
    前記固定端は、
    絶縁筒の一端を支持する支持部を具え、
    前記可動端は、
    拡径パイプの端部を押圧する可動板と、
    前記可動板に対して揺動自在に支持された揺動部と、
    前記揺動部の両側に取り付けられた圧力機構とを具え、
    固定端から可動端に亘って、絶縁筒と拡径パイプとが挿通される中心軸を有することを特徴とする絶縁筒の拡径装置。
  2. 支持部は、中心軸を中心として配置され、絶縁筒の拡径に追従して開閉自在であることを特徴とする請求項1記載の絶縁筒の拡径装置。
  3. 絶縁筒と拡径パイプとを中心軸に挿通し、絶縁筒の一端を支持部で支持する工程と、
    中心軸の両側に配置した2個の圧力機構により、各圧力機構の圧力の均衡に係らず中心軸方向に押圧力を作用させながら絶縁筒に拡径パイプを圧入する工程とを具えることを特徴とする絶縁筒の拡径方法。
JP2000146904A 2000-05-18 2000-05-18 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法 Expired - Fee Related JP3968622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000146904A JP3968622B2 (ja) 2000-05-18 2000-05-18 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000146904A JP3968622B2 (ja) 2000-05-18 2000-05-18 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001327029A JP2001327029A (ja) 2001-11-22
JP3968622B2 true JP3968622B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=18653173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000146904A Expired - Fee Related JP3968622B2 (ja) 2000-05-18 2000-05-18 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3968622B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105811331A (zh) * 2016-06-01 2016-07-27 王保锋 一种电缆牵引装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5414034B2 (ja) * 2009-03-11 2014-02-12 信越ポリマー株式会社 カバー装着体の製造装置
JP5419203B2 (ja) * 2009-03-11 2014-02-19 信越ポリマー株式会社 カバー装着体の製造装置及び製造方法
JP2010207482A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Shin Etsu Polymer Co Ltd カバー装着体の製造装置及び製造方法
CN103978674B (zh) * 2014-05-28 2016-04-20 新兴铸管股份有限公司 一种便携式小口径钢塑复合管扩口机

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105811331A (zh) * 2016-06-01 2016-07-27 王保锋 一种电缆牵引装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001327029A (ja) 2001-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007504404A5 (ja)
JP3968622B2 (ja) 絶縁筒の拡径装置及び拡径方法
TW427936B (en) Tube clamping assembly
KR910700431A (ko) 링크스탠드
KR880012376A (ko) 타이어 수리장치
US6116845A (en) Apparatus for supporting a workpiece for transfer
CA2331915A1 (en) Rod hanger and clamp assembly
CN210716302U (zh) 一种管道弹性支吊架
CN201889544U (zh) 带锯床附机架
CN101117196B (zh) 具有防伤钢卷功能的吊具
JP2005219110A (ja) パイプの曲げ加工方法及び曲げ加工装置
CN209867859U (zh) 一种压装装置
JP2006090410A (ja) ころ軸受用保持器の組立装置及び組立方法
JP2696681B2 (ja) グラブ装置
CN215204916U (zh) 一种辊轴运输装置
CN213170320U (zh) 一种气缸推动夹持装置
CN212442608U (zh) 一种管材拉伸设备及其大规格管材拉伸用芯棒
CN217838106U (zh) 一种桌板加工用夹设吊取装置
JPS61218443A (ja) 曲線引金具のばね装置
CN211710000U (zh) 一种塑料管材外径控制装置
CN214133791U (zh) 一种钛棒材圆周锻打装置
CN210968710U (zh) 一种电机轴承拆卸装置
CN217317033U (zh) 一种梅花联轴器夹具
JP2979505B1 (ja) コンクリートの打継面処理装置
CN215406254U (zh) 一种挖掘机动臂销轴

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees