JP3968203B2 - スロットルバルブ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのスロットルバルブ制御装置に係り、特に、PWM信号により半導体スイッチング素子が少なくとも4つで構成されるH−ブリッジ回路により制御されるスロットルバルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アクセルペダルの踏込み量をアクセルセンサで検出し、アクセルペダルの踏込み量だけではなく、各センサから得られるエンジンの状態をも考慮してスロットルバルブをモータで駆動制御する電子式スロットルバルブ制御装置が知られている。スロットルバルブをモータで制御するスロットルバルブ制御は、トラクションコントロール、アイドル回転数制御、オートクルーズ、リーンバンの空燃費制御の実現に有益であることから、急速に普及が進んでいる。
【0003】
従来のスロットルバルブの位置制御方式の例としては、特開平7−332136号公報に記載されたものがある。上記公報に記載された制御装置は、スロットルバルブ位置と目標位置との偏差の大きさに応じて、PID制御系の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを変化させるようにしている。そして、開度の偏差が小さい領域での微妙な制御を応答性良く行うため、偏差が小さいときには大きいときに比較してゲインの値を大きくする制御を行うようにしている。
【0004】
スロットルバルブの駆動には、通常、ステップモータやPWM制御の直流モータを用いる。PWM制御では、PID制御の制御量を、パルス駆動のオンタイムとオフタイムとの比であるデューティ比に変換し、このデューティ比に変換したPWM信号を直流モータに供給する。
【0005】
モータを駆動する駆動回路は、PWM信号により制御される4つのトランジスタ(半導体スイッチング素子)を中心に構成される。4つのトランジスタは、例えばFETトランジスタからなり、ブリッジ回路(H−ブリッジ回路)を構成している。すなわち、バッテリ端子と接地との間にトランジスタFET1,FET3を直列接続するとともに、トランジスタFET2,FET4を直列接続し、このトランジスタFET1,FET3と、トランジスタFET2,FET4とを並列に接続する。そして、FET1及びFET3間のX点とFET2及びFET4間のY点との間にモータを配置する。
【0006】
H−ブリッジ回路を構成するトランジスタFET1〜FET4は、マイクロコンピュータからのPWM信号を受けてON/OFF制御される。例えば、トランジスタFET3及びFET4を常時ONさせておき、トランジスタFET1をONすると、バッテリからの電流はトランジスタFET1、モータ及びトランジスタFET4を通して接地側に流れる。この電流経路で流れる電流によりモータは正転し、スロットルバルブの開度を大きくする。一方、トランジスタFET3及びFET4を常時ONさせておき、トランジスタFET2をONすると、バッテリからの電流はトランジスタFET2、モータ及びトランジスタFET3を通して接地側に流れ、この電流経路で流れる電流によりモータは逆転し、スロットルバルブの開度を小さくする。
【0007】
このようにトランジスタFET1及びFET4のON時の電流経路により、モータは正転し、トランジスタFET2及びFET3のON時の電流経路により、モータは逆転する。トランジスタFET1及びFET2が共にOFFであるときはモータには、電流が流れない。また、トランジスタFET1及びFET2が共にONされることはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来のH−ブリッジ回路により制御されるスロットルバルブ制御装置にあっては、PWM信号が微少デューティの時に、トランジスタの貫通電流により不要輻射ノイズが発生してしまうため、微少デューティでのスロットルバルブの制御が困難であるという問題点があった。
【0009】
以下、上記問題点について詳細に説明する。例えば、スロットルバルブの開度を大きくする正転制御がなされている場合、トランジスタFET4がON、トランジスタFET1がPWM信号でONしてモータは正転している。PWM信号のOFFにより、トランジスタFET1がOFFするがモータ内部のソレノイドによって、モータ、トランジスタFET4、FET3及びモータのループ経路でフライホイール電流が流れている。次に、トランジスタFET1がPWM信号でONした瞬間にトランジスタFET3内の寄生ダイオードの逆回復時間の間、バッテリ端子、トランジスタFET1及びトランジスタFET3の経路で接地側に貫通電流が流れる。この貫通電流は、負荷であるモータを経由せず、バッテリ端子を接地にショートした状態となるため鋭いピークを持つ電流である。この貫通電流が不要輻射の原因となる。不要輻射が発生すると、周辺の電子回路を誤動作させたり、電子機器(例えば、オーディオ装置)にノイズを重畳させる。
【0010】
従来では、このような不要輻射の発生を低減するため、PWM信号により制御される半導体スイッチング素子のON時間、OFF時間の両方を遅らせることによって、PWM信号により制御される半導体スイッチング素子のONした瞬間にH−ブリッジ回路に流れる貫通電流のdi/dtを低減し不要輻射レベルの低減を行っている。
【0011】
しかし、半導体スイッチング素子のON時間、OFF時間の両方を遅らせるようにする方法では、微少デューティでスロットルバルブを制御しようとした場合、PWM信号のON側、OFF側とも波形がなまってしまうため制御できないという問題があった。このように、従来の技術では、微少デューティでのPWM制御と不要輻射ノイズの低減を両立させることは困難であった。この不要輻射ノイズを低減するために、プリント基板のパターン変更やコンデンサ等の付加により個々に対応しているのが現状である。
【0012】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、H−ブリッジ回路により制御されるスロットルバルブ制御装置において、微少デューティでのスロットルバルブの制御を可能とし、不要輻射ノイズの発生を低減できるスロットルバルブ制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明のスロットルバルブ制御装置は、基本的には、スロットルバルブと、該スロットルバルブを駆動するモータと、前記モータを駆動する半導体スイッチング素子から構成されるH−ブリッジ回路と、前記スロットルバルブを駆動するためのPWM信号に基づいて前記半導体スイッチング素子のON/OFFを制御する制御手段とを備え、PWM信号のデューティによりスロットルバルブ開度を制御するスロットルバルブ制御装置において、前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子をONするON時間が、該半導体スイッチング素子をOFFするOFF時間以上となるように制御することを特徴としている。
【0014】
また、本発明のスロットルバルブ制御装置の具体的な態様は、前記制御手段が、前記半導体スイッチング素子をONするON時間が、該半導体スイッチング素子をOFFするOFF時間以上となるように制御することを特徴としている。
さらに、本発明のスロットルバルブ制御装置の具体的な態様は、前記制御手段が、前記半導体スイッチング素子のON時に流す電流と、該半導体スイッチング素子のOFF時に流す電流とを変える電流変更手段を備え、前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のゲート又はベースに流す電流を変えることにより、前記半導体スイッチング素子をONするON時間と該半導体スイッチング素子をOFFするOFF時間とを変更することを特徴としている。
【0015】
さらに、前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に電流が流れる第1の抵抗と、該半導体スイッチング素子のOFF時に電流が流れる第2の抵抗と、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗を切換えるスイッチ手段とを備え、前記第の抵抗の抵抗値を前記第の抵抗の抵抗値より大きく設定することを特徴としている。
【0016】
さらに、前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のOFF時に電流が流れる複数の抵抗と、該半導体スイッチング素子のON時に、前記複数の抵抗うち、少なくとも1つ以上をバイパスして電流を流すバイパス手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
さらに、前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に電流を流す第1のトランジスタと、該半導体スイッチング素子のOFF時に電流を流す第2のトランジスタとを備え、前記第のトランジスタの電流容量を、前記第のトランジスタの電流容量以上に設定することを特徴としている。
【0018】
さらに、前記H−ブリッジ回路を構成する半導体スイッチング素子は、FETトランジスタであることを特徴としている。
また、スロットルバルブを駆動するためのPWM信号を出力するマイクロコンピュータを更に備え、前記制御手段は、前記マイクロコンピュータからのPWM信号のデューティによりスロットルバルブ開度を制御することを特徴としている。
【0019】
前記の如く構成された本発明のスロットルバルブ制御装置によって、H−ブリッジ回路を構成する半導体スイッチング素子のON時とOFF時のスイッチングスピードにON時間≧OFF時間の関係式を成立させることができ、微少デューティでのスロットルバルブの制御が可能となる。また、貫通電流を小さくして不要輻射を大幅に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明のスロットルバルブ制御装置の一実施形態について詳細に説明する。 図1は、第1の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成を示す図である。
【0021】
図1において、電子制御スロットルバルブは、エンジンへの吸気通路である吸気管10中に回転可能に取り付けられたスロットルバルブ11と、このスロットルバルブ11と同軸に設けられた直流モータ12とから構成され、モータ12は、スロットルバルブ制御装置1から駆動信号を受けてスロットルバルブ11を軸周りに回動させてその開度を変更する。
【0022】
スロットルバルブ制御装置1は、CPU等により構成されたマイクロコンピュータ13からのPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16により制御される。バッテリ17は、モータ12及び、図示しない各種の駆動回路等に電源を供給するものである。なお、スロットルバルブ11の開度は、スロットルバルブ11の回転軸に取り付けられた開度センサ(図示略)により検出され、検出された開度信号はマイクロコンピュータ13に入力される。このスロットルバルブ11は、リターンスプリングによって閉じ側に付勢される。
【0023】
マイクロコンピュータ13は、スロットルバルブ制御を含むエンジン全体の制御を行う。スロットルバルブ制御においては、アクセルペダル踏込み量の他、各センサから得られるエンジンの状態を示す情報(例えば、エンジン冷却水温やエンジン回転数、車両の速度、自動変速機の変速状況等)に基づいて決定されたスロットルバルブ11の要求開度(目標位置)と、開度センサにより検知されたスロットルバルブ11の実際の開度との偏差を算出し、この偏差信号を制御量としてデューティ制御を行う。マイクロコンピュータ13は、デューティ制御に対応するPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16を、スロットルバルブ制御装置1に出力する。なお、上記偏差から制御量を決定する方法としてPID制御の演算方式を使用することができるが、PID制御以外の演算方式でもよい。
【0024】
スロットルバルブ制御装置1は、マイクロコンピュータ13からのPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16に従い、バッテリ17の電圧をモータ12に対してON/OFF出力するデューティ制御を行う回路である。
スロットルバルブ制御装置1は、4つのFETトランジスタFET1,FET2,FET3,FET4(半導体スイッチング素子)をブリッジ構成したH−ブリッジ回路20と、マイクロコンピュータ13からのPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16に基づいて、H−ブリッジ回路20の各トランジスタFET1〜FET4を駆動するPWM信号及び制御信号を作成するデコード回路21と、デコード回路21により作成されたPWM信号のうち、トランジスタFET1及びトランジスタFET2をON/OFFさせるスイッチングスピードを、ON時間(トランジスタがONする立上り時間)≧OFF時間(トランジスタがOFFする立下り時間)の関係式が成立するように変更してFET1及びFET2に出力するプリドライバ回路22(電流変更手段)とから構成される。
【0025】
プリドライバ回路22は、トランジスタTr1〜Tr6及び抵抗R1〜R8から構成されており、トランジスタTr1,Tr2,Tr3及び抵抗R1〜R4は、全体としてトランジスタFET1へのスイッチングスピードを変更する回路を構成し、トランジスタTr4,Tr5,Tr6及び抵抗R5〜R8は、全体としてトランジスタFET2へのスイッチングスピードを変更する回路を構成する。
まず、トランジスタTr1,Tr2,Tr3及び抵抗R1〜R4からなる回路の構成について説明する。
【0026】
トランジスタTr3は、抵抗R4を介してデコード回路21の正転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr3は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr3のコレクタは、抵抗R3を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr3のコレクタには、トランジスタTr1,Tr2のベースがそれぞれ接続されており、トランジスタTr1,Tr2は、トランジスタTr3のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0027】
トランジスタTr1はnpn型トランジスタ、トランジスタTr2はpnp型トランジスタにより構成されているため、トランジスタTr3がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr1はOFF、トランジスタTr2はONとなり、また、トランジスタTr3がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr1はON、トランジスタTr2はOFFとなる。このように、トランジスタTr1,Tr2は、デコード回路21からのPWM信号を受けたトランジスタTr3のON/OFF動作に従って、一方がONのときは他方がOFFとなる。なお、抵抗R3は、バッテリ17電圧をトランジスタTr1,Tr2を動作可能な電圧レベルまで降下させる抵抗である。
【0028】
トランジスタTr1のエミッタとトランジスタFET1のゲート間に接続される抵抗R1の抵抗値は、トランジスタTr2のエミッタとトランジスタFET1のゲート間に接続される抵抗R1の抵抗値以下(R1≦R2)に設定されている。このため、トランジスタTr1がON時に抵抗R1を介してH−ブリッジ回路20に流入する電流は、トランジスタTr2がON時に抵抗R2を介してH−ブリッジ回路20から流出する電流よりも大きい。したがって、トランジスタFET1のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0029】
次に、トランジスタTr4,Tr5,Tr6及び抵抗R5〜R8からなる回路の構成について説明するが、この回路は、上記トランジスタTr1,Tr2,Tr3及び抵抗R1〜R4からなる回路と同様の構成をもつものである。
トランジスタTr6は、抵抗R8を介してデコード回路21の逆転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr6は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr6のコレクタは、抵抗R7を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr6のコレクタには、トランジスタTr4,Tr5のベースがそれぞれ接続されており、トランジスタTr4,Tr5は、トランジスタTr6のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0030】
トランジスタTr4はnpn型トランジスタ、トランジスタTr5はpnp型トランジスタにより構成されているため、トランジスタTr6がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr4はOFF、トランジスタTr5はONとなり、また、トランジスタTr6がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr4はON、トランジスタTr5はOFFとなる。抵抗R7は、バッテリ17電圧をトランジスタTr4,Tr5を動作可能な電圧レベルまで降下させる抵抗である。
【0031】
トランジスタTr4のエミッタとトランジスタFET2のゲート間に接続される抵抗R5の抵抗値は、トランジスタTr5のエミッタとトランジスタFET2のゲート間に接続される抵抗R6の抵抗値以下(R5≦R6)に設定されている。このため、トランジスタTr4がON時に抵抗R5を介してH−ブリッジ回路20に流入する電流は、トランジスタTr5がON時に抵抗R6を介してH−ブリッジ回路20から流出する電流よりも大きい。したがって、トランジスタFET2のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0032】
また、H−ブリッジ回路20は、PWM信号により制御される4つのトランジスタFET1,FET2,FET3,FET4をブリッジ構成したもので、バッテリ17と接地との間にトランジスタFET1,FET3を直列接続するとともに、トランジスタFET2,FET4を直列接続し、このトランジスタFET1,FET3と、トランジスタFET2,FET4とを並列に接続する。そして、FET1及びFET3間のX点とFET2及びFET4間のY点との間にモータ12を配置する。
【0033】
H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2は、プリドライバ回路22からのPWM信号により制御され、トランジスタFET3,FET4は、デコード回路21からの制御信号により制御される。この場合、トランジスタFET3,FET4は、デコード回路21からの制御信号でON状態を維持し、トランジスタFET1,FET2は、プリドライバ回路22からのPWM信号によりON/OFF制御される。
以下、上述のように構成されたスロットルバルブ制御装置1の動作を説明する。
【0034】
図2は、スロットルバルブ制御装置1のH−ブリッジ回路20動作を説明する図であり、図2(a)はトランジスタFET1,FET4がON時の電流経路を示し、図2(b)はトランジスタFET1がOFF,FET4がON時の電流経路を示し、図2(c)はトランジスタFET1がOFFからONに変わった瞬間の電流経路をそれぞれ示す。
【0035】
まず、図2(a)において、トランジスタFET4がON,FET1がPWM信号でONした場合、モータ12を駆動する駆動電流は、電流I1で示す電流経路でバッテリ17から接地側に流れる。モータ12は正転方向に駆動され、スロットルバルブ11の開度を大きくする正転制御となる。
【0036】
次に、図2(b)に示すようにトランジスタFET1がOFF(PWM信号のOFF)したとき、電流I2で示す電流経路でフライホイール電流が流れる。すなわち、トランジスタFET1へのPWM信号がOFFとなり、トランジスタFET1がOFFしたとしても、モータ12内部のソレノイドによって、モータ12、トランジスタFET4、FET3及びモータ12のループ経路でフライホイール電流が流れる。
【0037】
次に、図2(c)に示すように、トランジスタFET1がONした瞬間にFET3内の寄生ダイオードによって該寄生ダイオードの逆回復時間の間、電流I3に示す経路で貫通電流が流れる。この貫通電流が不要輻射の原因である。また、上記貫通電流は、トランジスタFET1,FET2が、PWM信号によりON/OFF制御される度に発生する可能性がある。
このような不要輻射は、この貫通電流のdi/dtを減らすことで改善することができるが、以下のような理由で従来は解決が困難であった。
【0038】
図3は、モータ12を駆動する駆動波形を示す波形図であり、図3(a)は微少デューティにおける理想的な駆動波形を示し、図3(b)は貫通電流を抑制しようとしてPWM信号のON時間、OFF時間を遅らせることで波形がなまる場合の駆動波形を示し、図3(c)は本実施形態の駆動波形をそれぞれ示している。
【0039】
微少デューティでモータ12を制御しようとした場合、図3(a)に示すように理想的な駆動波形1に対して、従来の方式では図3(b)の波形2に示すように立上がり、立下がりとも大きくなまってしまうために、貫通電流による不要輻射は低減できても、微少デューティ制御は行えないという問題があった。つまり、貫通電流を防止するには、貫通電流のdi/dtを小さく、すなわちPWM信号のON時間、OFF時間を遅らせ(駆動波形の立上がり、立下がりをなまらせ)ればよいが、ON時間、OFF時間を遅らせると、図3(b)の波形2に示すように駆動波形が、モータ12を駆動できる電圧V1に達しなくなるため制御ができない。
【0040】
そこで本実施形態では、H−ブリッジ回路20を構成するトランジスタFET1,FET2のON時とOFF時のスイッチングスピードにON時間≧OFF時間の関係式を成立させるように、トランジスタTr1とトランジスタFET1間に接続される抵抗R1の抵抗値を、トランジスタTr2とトランジスタFET1間に接続される抵抗R1の抵抗値以下(R1≦R2)とし、トランジスタTr4とトランジスタFET2間に接続される抵抗R5の抵抗値を、トランジスタTr5とトランジスタFET2間に接続される抵抗R6の抵抗値以下(R5≦R6)とする。
【0041】
これにより、図3(c)に示すように、H−ブリッジ回路20のFET1もしくはFET2がONする時のみ波形をなまらせることができ、貫通電流のdi/dtを小さくできるとともに、駆動波形はモータ12を駆動できる電圧V1に達するようにして制御可能状態を実現し、従来技術よりも微少デューティでモータ12制御が可能になる。
以上の動作を、図1を参照して更に具体的に説明する。
H−ブリッジ回路20とプリドライバ回路22には、バッテリ17より所定の電源電圧が供給されている。
【0042】
マイクロコンピュータ13から出力されるPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16によりプリドライバ回路22が制御される。マイクロコンピュータ13からのPWM信号14、モータ正転信号15及びモータ逆転信号16は、デコード回路21に入力され、デコード回路21ではこれらの信号に基づいて、H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2を駆動するPWM信号、及びトランジスタFET3,FET4を駆動する制御信号を作成し、トランジスタTr3,Tr6、及びトランジスタFET3,FET4に出力する。
【0043】
スロットルバルブ11を開く場合は、モータ正転信号15とPWM信号14によりFET4がON状態になり、またFET1がプリドライバ回路22内のトランジスタTr1、トランジスタTr2と抵抗R1、抵抗R2を経由してPWM信号でON/OFF駆動される。
【0044】
トランジスタFET4がON,FET1がPWM信号でONした場合、モータ12を駆動する駆動電流は、FET1、モータ12及びFET4を通る電流経路でバッテリ17から接地側に流れる。モータ12は正転方向に駆動され、スロットルバルブ11が開き側に制御される。その後、FET1がPWM信号でOFFした場合、前記図2(b),(c)で述べたように、モータ12内部のソレノイドによってフライホイール電流が流れ、次のPWM信号でトランジスタFET1がONした瞬間に寄生ダイオードの逆回復時間の間貫通電流が流れるものの、この貫通電流は従来のものに比較して非常に小さい。
【0045】
すなわち、トランジスタTr1のエミッタとトランジスタFET1のゲート間に接続される抵抗R1の抵抗値は、トランジスタTr2のエミッタとトランジスタFET1のゲート間に接続される抵抗R1の抵抗値以下(抵抗R1≦抵抗R2)に設定されているため、トランジスタTr1がON時に抵抗R1を介してH−ブリッジ回路20に流入する電流は、トランジスタTr2がON時に抵抗R2を介してH−ブリッジ回路20から流出する電流よりも大きい。このため、トランジスタFET1のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さく、FET1がONする時のみ波形をなまらせることができ、貫通電流のdi/dtを小さくすることができる。
【0046】
スロットルバルブ11を閉じる場合についても、上記スロットルバルブ11を開く場合と同様である。この場合は、モータ逆転信号16とPWM信号14によりFET3がON状態になりFET2がプリドライバ回路22内のトランジスタTr4、トランジスタTr5と抵抗R5、抵抗R6を経由しPWM信号で駆動しモータ12を駆動することにより、スロットルバルブ11が閉じ側に制御される。
上述した動作により、ブリッジ回路20に流れる貫通電流は以下のように低減される。
【0047】
図4は、従来システムにおいてH−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2を駆動するPWM信号と、H−ブリッジ回路20に流れる貫通電流を示す図、図5は、本実施形態においてH−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2を駆動するPWM信号と、H−ブリッジ回路20に流れる貫通電流を示す図である。
【0048】
従来システムでは、図4(a)に示すように、マイクロコンピュータ13から出力されるPWM信号によりH−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2がON/OFF制御されている。トランジスタFET1又はFET2がOFFの状態でトランジスタFET1又はFET2がONすると、ONした瞬間に、FET4又はFET3の寄生ダイオードの逆回復時間の間、H−ブリッジ回路20に図4(b)に示す貫通電流が流れる。この貫通電流は、鋭いピークを持つパルス電流であり、不要輻射ノイズを発生させ、周辺の電子回路を誤動作させたり、電子機器にノイズを重畳させる。
【0049】
これに対し本実施形態では、H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2は、プリドライバ回路22からのPWM信号によりON/OFF制御され、図5(a)に示すように、トランジスタFET1,FET2のON時のスイッチングスピードはOFF時のスイッチングスピードよりも下げられている。トランジスタFET1又はFET2がOFFの状態でトランジスタFET1又はFET2がONすると、ONした瞬間に、FET4又はFET3の寄生ダイオードの逆回復時間の間、H−ブリッジ回路20に貫通電流が流れるが、この貫通電流は、上記スイッチングスピードが下げられているため貫通電流のdi/dtが減少しており、図5(b)に示すような小さいパルス電流である。この貫通電流では不要輻射ノイズが発生することはない。ここで、トランジスタFET1又はFET2を、ONの状態からOFFにするスイッチングスピードは制御性を考慮して下げない。したがって、従来、不要輻射との両立が困難であった微少デューティ制御が実現可能になる。
【0050】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、スロットルバルブ制御装置1は、4つのトランジスタFET1,FET2,FET3,FET4をブリッジ構成したH−ブリッジ回路20と、H−ブリッジ回路20の各トランジスタFET1〜FET4を駆動するPWM信号及び制御信号を作成するデコード回路21と、トランジスタFET1及びトランジスタFET2をON/OFFさせるPWM信号のスイッチングスピードを、ON時間≧OFF時間の関係式が成立するように変更してFET1及びFET2に出力するプリドライバ回路22とを備え、プリドライバ回路22は、ON時にトランジスタFET1,FET2のゲートに電流が流れる抵抗R1,R5とOFF時に電流が流れる抵抗R2,R6との抵抗値を、R1≦R2,R5≦R6とすることでON時間≧OFF時間の関係式が成立するように構成したので、微少デューティでのスロットルバルブの制御を可能にするとともに、貫通電流を小さくして不要輻射を低減することができる。 次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0051】
第1の実施形態では、ON時間≧OFF時間の関係式が成立するようにする例として、ON時とOFF時でH−ブリッジ回路20に供給する電流を、2種類の抵抗の切換えにより変更するようにしているが、第2の実施形態では、ON時とOFF時でH−ブリッジ回路20に供給する電流を第1の抵抗に、第2の抵抗を加算することで実現するものである。
【0052】
図6は、第2の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成を示す図である。本実施形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には同一符号を付して重複部分の説明を省略する。
図6において、スロットルバルブ制御装置31は、4つのトランジスタFET1,FET2,FET3,FET4をブリッジ構成したH−ブリッジ回路20と、H−ブリッジ回路20の各トランジスタFET1〜FET4を駆動するPWM信号及び制御信号を作成するデコード回路21と、デコード回路21により作成されたPWM信号のうち、トランジスタFET1及びトランジスタFET2をON/OFFさせるスイッチングスピードを、ON時間(トランジスタがONする立上り時間)≧OFF時間(トランジスタがOFFする立下り時間)の関係式が成立するように変更してFET1及びFET2に出力するプリドライバ回路32(電流変更手段)とから構成される。
【0053】
プリドライバ回路32は、トランジスタTr11〜Tr14及び抵抗R11〜R20から構成されており、トランジスタTr11,Tr12及び抵抗R11〜R15は、全体としてトランジスタFET1へのスイッチングスピードを変更する回路を構成し、トランジスタTr13,Tr14及び抵抗R16〜R20は、全体としてトランジスタFET2へのスイッチングスピードを変更する回路を構成する。
【0054】
まず、トランジスタTr11,Tr12及び抵抗R11〜R15からなる回路の構成について説明する。
トランジスタTr12は、抵抗R14,R15を介してデコード回路21の正転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr12は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr12のコレクタは、抵抗R13を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr12のコレクタには、トランジスタTr11のベースが接続されており、トランジスタTr11は、トランジスタTr12のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0055】
トランジスタTr12がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr11はOFFとなり、また、トランジスタTr12がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr11はONとなる。なお、抵抗R13は、バッテリ17電圧をトランジスタTr11を動作可能な電圧レベルまで降下させる抵抗、抵抗R15は、トランジスタTr12の保護抵抗である。
【0056】
トランジスタTr11のエミッタとトランジスタFET1のゲート間は、抵抗R11を介して接続され、トランジスタTr12のコレクタとトランジスタFET1のゲート間は、上記抵抗R11及び抵抗R12を介して接続される。このため、トランジスタTr11がON時には、抵抗R11を介してH−ブリッジ回路20に電流が流入し、トランジスタTr11がOFF時には、抵抗R11及び抵抗R12を介してH−ブリッジ回路20からトランジスタTr12及び接地側に電流が流れる。すなわち、抵抗R12をパイパスする手段が設けられており、トランジスタTr11がON時とOFF時で、H−ブリッジ回路20に流れる電流が変更される。したがって、トランジスタFET1のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0057】
次に、トランジスタTr13,Tr14及び抵抗R16〜R20からなる回路の構成について説明するが、この回路は、上記トランジスタTr11,Tr12及び抵抗R11〜R14からなる回路と同様の構成をもつものである。
トランジスタTr14は、抵抗R19,R20を介してデコード回路21の逆転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr14は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr14のコレクタは、抵抗R18を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr14のコレクタには、トランジスタTr13のベースが接続されており、トランジスタTr13は、トランジスタTr14のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0058】
トランジスタTr14がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr13はOFFとなり、また、トランジスタTr14がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr13はONとなる。
トランジスタTr13のエミッタとトランジスタFET2のゲート間は、抵抗R16を介して接続され、トランジスタTr14のコレクタとトランジスタFET2のゲート間は、上記抵抗R16及び抵抗R17を介して接続される。このため、トランジスタTr13がON時には、抵抗R16を介してH−ブリッジ回路20に電流が流入し、トランジスタTr13がOFF時には、抵抗R16及び抵抗R17を介してH−ブリッジ回路20からトランジスタTr14及び接地側に電流が流れる。トランジスタTr13がON時とOFF時で、H−ブリッジ回路20に流れる電流が変更される。したがって、トランジスタFET2のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0059】
H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1,FET2は、プリドライバ回路22からのPWM信号により制御され、トランジスタFET3,FET4は、デコード回路21からの制御信号でON状態が維持される。
以下、上述のように構成されたスロットルバルブ制御装置31の動作を説明する。全体的な動作は第1の実施形態と同様であるためこの部分の動作説明を省略し、異なる動作について説明する。
【0060】
H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1のOFF(PWM信号のOFF)時には、バッテリ17からトランジスタTr11より抵抗R11のみを経由してFET1に電圧が供給されるが、FET1のON(PWM信号のON)時には、トランジスタTr12がONし、抵抗R11と抵抗R12を経由して電流が接地側に流れる。
【0061】
このように、FET1のON時には、抵抗R12をバイパスして電流を供給することにより、FET1のON時とOFF時に、ON時間≧OFF時間の関係式が成立する。このため、トランジスタFET1のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さく、FET1がONする時のみ波形をなまらせることができる。
【0062】
以上、FET1のON/OFF時について説明したが、FET2のON/OFF時についても同様であり、トランジスタTr13,Tr14及び抵抗R16〜R20からなる回路によってトランジスタFET2のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さく、FET2がONする時のみ波形をなまらせることができる。したがって、貫通電流のdi/dtを小さくすることができ、微少デューティでモータを制御可能になる。
【0063】
また、本実施形態では、抵抗R11,R12、R16,R17のいずれかが破損するような故障が発生しても、他の抵抗を通してH−ブリッジ回路20のトランジスタFET電流が流れるのでスロットルバルブ制御が可能でありより安全なフェールセーフが構築できる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0064】
第1及び第2の実施形態では、ON時間≧OFF時間の関係式が成立するようにする例として、ON時とOFF時でH−ブリッジ回路20に供給する電流を、2種類の抵抗の切換え又は抵抗のバイパスにより変更するようにしているが、該電流を変更できるものであればよい。第3の実施形態では、ON時とOFF時で電流供給能力が異なるトランジスタを切換えることでH−ブリッジ回路20に供給する電流を変更するものである。
【0065】
図7は、第3の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成を示す図である。本実施形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には同一符号を付して重複部分の説明を省略する。
図7において、スロットルバルブ制御装置41は、4つのトランジスタFET1,FET2,FET3,FET4をブリッジ構成したH−ブリッジ回路20と、H−ブリッジ回路20の各トランジスタFET1〜FET4を駆動するPWM信号及び制御信号を作成するデコード回路21と、デコード回路21により作成されたPWM信号のうち、トランジスタFET1及びトランジスタFET2をON/OFFさせるスイッチングスピードを、ON時間(トランジスタがONする立上り時間)≧OFF時間(トランジスタがOFFする立下り時間)の関係式が成立するように変更してFET1及びFET2に出力するプリドライバ回路42(電流変更手段)とから構成される。
【0066】
プリドライバ回路42は、トランジスタTr21〜Tr24,Tr3,Tr6及び抵抗R3,R4,R7,R8から構成されており、トランジスタTr21,Tr22,Tr3及び抵抗R3,R4は、全体としてトランジスタFET1へのスイッチングスピードを変更する回路を構成し、トランジスタTr23,Tr24,Tr6及び抵抗R7,R8は、全体としてトランジスタFET2へのスイッチングスピードを変更する回路を構成する。
まず、トランジスタTr21,Tr22,Tr3及び抵抗R3,R4からなる回路の構成について説明する。
【0067】
トランジスタTr3は、抵抗R4を介してデコード回路21の正転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr3は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr3のコレクタは、抵抗R3を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr3のコレクタには、トランジスタTr21,Tr22のベースがそれぞれ接続されており、トランジスタTr21,Tr22は、トランジスタTr3のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0068】
ここで、トランジスタTr21とトランジスタTr22の電流供給能力(駆動能力)は、異なっており、トランジスタTr21の電流容量がトランジスタTr22の電流容量以上(Tr21≧Tr22)に構成されている。
また、トランジスタTr1はnpn型トランジスタ、トランジスタTr2はpnp型トランジスタにより構成されているため、トランジスタTr3がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr21はOFF、トランジスタTr22はONとなり、また、トランジスタTr3がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr21はON、トランジスタTr22はOFFとなる。このように、トランジスタTr21,Tr22は、デコード回路21からのPWM信号を受けたトランジスタTr3のON/OFF動作に従って、一方がONのときは他方がOFFとなる。
【0069】
トランジスタTr21,Tr22のエミッタは、トランジスタFET1のゲートに接続され、トランジスタTr21とトランジスタTr22の電流供給能力は、Tr21≧Tr22に設定されている。このため、トランジスタTr21がON時にH−ブリッジ回路20に流入する電流は、トランジスタTr22がON時にH−ブリッジ回路20から流出する電流よりも大きい。したがって、トランジスタFET1のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0070】
次に、トランジスタTr23,Tr24,Tr6及び抵抗R7,R8からなる回路の構成について説明するが、この回路は、上記トランジスタTr21,Tr22,Tr3及び抵抗R3,R4からなる回路と同様の構成をもつものである。トランジスタTr6は、抵抗R8を介してデコード回路21の逆転側PWM信号出力端子に接続され、トランジスタTr6は、デコード回路21からのPWM信号に従ってON/OFFする。トランジスタTr6のコレクタは、抵抗R7を介してバッテリ17に接続され、エミッタは接地される。また、トランジスタTr6のコレクタには、トランジスタTr23,Tr24のベースがそれぞれ接続されており、トランジスタTr23,Tr24は、トランジスタTr6のコレクタ電位を受けてON/OFFする。
【0071】
このトランジスタTr23とトランジスタTr24の電流供給能力(駆動能力)も、上記トランジスタTr21とトランジスタTr22の場合と同様に、異なっており、トランジスタTr23の電流容量はトランジスタTr24の電流容量以上(Tr23≧Tr24)に構成されている。
【0072】
トランジスタTr23はnpn型トランジスタ、トランジスタTr24はpnp型トランジスタにより構成されているため、トランジスタTr6がON(PWM信号のON)のときは、トランジスタTr23はOFF、トランジスタTr24はONとなり、また、トランジスタTr6がOFF(PWM信号のOFF)のときは、トランジスタTr23はON、トランジスタTr24はOFFとなる。
【0073】
トランジスタTr23,Tr24のエミッタは、トランジスタFET2のゲートに接続され、トランジスタTr23とトランジスタTr24の電流供給能力は、Tr23≧Tr24に設定されている。このため、トランジスタTr23がON時にH−ブリッジ回路20に流入する電流は、トランジスタTr24がON時にH−ブリッジ回路20から流出する電流よりも大きい。したがって、トランジスタFET2のON時のスイッチングスピードは、OFF時のスイッチングスピードよりも小さくなる。
【0074】
以下、上述のように構成されたスロットルバルブ制御装置41の動作を説明する。全体的な動作は第1の実施形態と同様であるためこの部分の動作説明を省略し、異なる動作について説明する。
H−ブリッジ回路20のトランジスタFET1のOFF(PWM信号のOFF)時には、バッテリ17からFET1駆動用のトランジスタTr21を経由してFET1に電圧が供給され、FET1のON(PWM信号のON)時には、トランジスタTr22がONし電流が接地側に流れる。
【0075】
この場合、トランジスタTr21とトランジスタTr22の電流供給能力は、Tr21≧Tr22に設定されているため、FET1のON時とOFF時にON時間≧OFF時間の関係式が成立し、FET1のON時の貫通電流のdi/dtを小さくすることができる。
【0076】
以上、FET1のON/OFF時について説明したが、FET2のON/OFF時についてもトランジスタTr23,Tr24,Tr6及び抵抗R7,R8からなる回路によって同様に実現できる。
したがって、貫通電流のdi/dtを小さくすることができ、微少デューティでモータ12を制御することが可能になる。
【0077】
また、本実施形態では、第1及び第2の実施形態に比べ抵抗等の部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
例えば、プリドライバ回路を構成するトランジスタ、抵抗の種類や数、接続状態は種々の設計変更が可能である。また、定電流ダイオード等を用いて同等の回路を構成することも可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明に係るスロットルバルブ制御装置は、H−ブリッジ回路により制御されるスロットルバルブ制御装置において、微少デューティでのスロットルバルブの制御を可能とし、貫通電流を小さくして不要輻射ノイズの発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成図。
【図2】本実施形態のスロットルバルブ制御装置のH−ブリッジ回路の動作の説明図。
【図3】本実施形態のスロットルバルブ制御装置のモータを駆動する駆動波形を示す波形図。
【図4】従来システムにおいてH−ブリッジ回路を駆動するPWM信号とH−ブリッジ回路に流れる貫通電流を示す図。
【図5】本実施形態のスロットルバルブ制御装置のH−ブリッジ回路を駆動するPWM信号とH−ブリッジ回路に流れる貫通電流を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成図。
【図7】本発明の第3の実施形態のスロットルバルブ制御装置の構成図。
【符号の説明】
1,31,41…スロットルバルブ制御装置
10…吸気管
11…スロットルバルブ
12…モータ
13…マイクロコンピュータ
14…PWM信号
15…モ−タ正転信号
16…モータ逆転信号
17…バッテリ
20…H−ブリッジ回路
22,32,42…プリドライバ回路
FET1〜FET4…FETトランジスタ(半導体スイッチング素子)
R1〜R8,R11〜R20…抵抗
Tr1〜Tr6,Tr11〜Tr14,Tr21〜Tr24…トランジスタ(スイッチ手段)

Claims (3)

  1. スロットルバルブと、該スロットルバルブを駆動するモータと、前記モータを駆動する半導体スイッチング素子から構成されるH−ブリッジ回路と、前記スロットルバルブを駆動するためのPWM信号に基づいて前記半導体スイッチング素子のON/OFFを制御する制御手段とを備え、PWM信号のデューティによりスロットルバルブ開度を制御するスロットルバルブ制御装置において、
    前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に流す電流と、該半導体スイッチング素子のOFF時に流す電流とを変える電流変更手段を備え、
    前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に電流が流れる第1の抵抗と、該半導体スイッチング素子のOFF時に電流が流れる第2の抵抗と、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗を切換えるスイッチ手段とを備え、前記第1の抵抗の抵抗値を前記第2の抵抗の抵抗値より大きく設定することを特徴とするスロットルバルブ制御装置。
  2. スロットルバルブと、該スロットルバルブを駆動するモータと、前記モータを駆動する半導体スイッチング素子から構成されるH−ブリッジ回路と、前記スロットルバルブを駆動するためのPWM信号に基づいて前記半導体スイッチング素子のON/OFFを制御する制御手段とを備え、PWM信号のデューティによりスロットルバルブ開度を制御するスロットルバルブ制御装置において、
    前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に流す電流と、該半導体スイッチング素子のOFF時に流す電流とを変える電流変更手段を備え、
    前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に電流が流れる複数の抵抗と、該半導体スイッチング素子のOFF時に、前記複数の抵抗のうち、少なくとも1つ以上をバイパスして電流を流すバイパス手段とを備えることを特徴とするスロットルバルブ制御装置。
  3. スロットルバルブと、該スロットルバルブを駆動するモータと、前記モータを駆動する半導体スイッチング素子から構成されるH−ブリッジ回路と、前記スロットルバルブを駆動するためのPWM信号に基づいて前記半導体スイッチング素子のON/OFFを制御する制御手段とを備え、PWM信号のデューティによりスロットルバルブ開度を制御するスロットルバルブ制御装置において、
    前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に流す電流と、該半導体スイッチング素子のOFF時に流す電流とを変える電流変更手段を備え、
    前記電流変更手段は、前記半導体スイッチング素子のON時に電流を流す第1のトランジスタと、該半導体スイッチング素子のOFF時に電流を流す第2のトランジスタとを備え、前記第2のトランジスタの電流容量を、前記第1のトランジスタの電流容量より大きく設定することを特徴とするスロットルバルブ制御装置。
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