JP3968166B2 - Fm変調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM変調装置に関し、より特定的には、光通信システムにおいて用いられ、光ヘテロダイン検波を応用して高周波でかつ広帯域なFM信号を発生するFM変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
入力信号の振幅変化を出力信号の周波数変化に変換するためのFM変調装置の中でも、光ヘテロダイン検波を応用したFM変調装置は、他のFM変調装置では生成困難な高周波でかつ高帯域のFM変調信号を容易に生成することができる新たなFM変調装置として、近年積極的に開発が進められている。
【0003】
図12は、光ヘテロダイン検波を応用した従来のFM変調装置の構成の一例を示すブロック図である。図12において、光ヘテロダイン検波を応用した従来のFM変調装置(以下、FM変調装置120と呼ぶ)は、信号源1201、FMレーザ1202、局発光源1203および光検波部1204を備えている。FM変調装置120は、送信機(図示せず)、伝送路121および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている(例えばK.Kikushima et.al.,ECOC’95,Th.L.3.1,Brussels,1995)。
【0004】
このような構成を有する従来のFM変調装置120において、信号源1201より出力される電気信号は、FMレーザ1202に入力される。FMレーザ1202は、例えば半導体レーザで構成され、入力信号の振幅(電流値)が一定の場合は、一定の周波数f1の光を発振し、入力信号の振幅が変調されると発振周波数も変調を受ける性質を有しており、信号源1201からの電気信号を、周波数f1を中心とした光FM信号に変換し出力する。局発光源1203は、FMレーザ1202の発振周波数f1と周波数Δf1だけ離れた周波数fl1の光を出力する。FMレーザ1202および局発光源1203の出力光は、光検波部1204に入力される。光検波部1204は、自乗検波特性を有するフォトダイオード等で構成され、相異なる周波数の2つ以上の光が入力されると、その差の周波数においてビート成分を発生する性質を有する(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)。つまり、光検波部1204は、光ヘテロダイン検波により、FMレーザ1202の発振周波数f1と局発光源1203の発振周波数fl1との差の周波数Δf1においてビート成分を発生し出力する。光検波部1204から出力されるビート成分は、信号源1201から出力された電気信号と一意に対応するFM信号であり、このFM信号が伝送路121を介してFM復調装置へと伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
FM変調装置120は、信号源1201から出力される電気信号を上記のようにしてFM信号に変換している。しかしながら、FM変調装置120では、光検波部1204から出力されたビート成分がFM復調装置側へと伝送される際、伝送経路上において、伝送路121や送信機、受信機などが有する非線形性によってビート成分の高調波歪(以下、HDと呼ぶ)が生じる。このHDがFM復調時、本来FM復調すべき“ビート成分”に対する干渉波となり、FM復調後の雑音レベルを増大させるという問題があった(菅原編、「FM無線工学」日刊工業新聞社、第474頁から第566頁)。
なお、このような、ビート成分(FM信号)を復調側へと伝送する経路上で生じるHDがFM復調後の雑音レベルを増加させる問題は、FM変調装置120のような、光ヘテロダイン検波を応用した従来のFM変調装置に限らず、従来のFM変調装置一般においても存在する。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、FM復調装置側への伝送経路上で生じるHD(変調して得られたFM信号の高調波歪)が除去されるようにFM変調を行え、それによってFM復調後の雑音レベルを低減できるようなFM変調装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、電気信号を周波数変調信号(以下、FM信号)に変換して送信するFM変調装置であって、
電気信号を出力する信号源と、
信号源から出力される電気信号を2分岐する分岐部と、
入力信号の振幅変化を出力信号の周波数変化に変換する機能を有し、分岐部が2分岐して得られる第1の電気信号および第2の電気信号をそれぞれFM信号に変換するFM変調部とを備え、
FM変調部は、
第1の電気信号および第2の電気信号を、一方のFM信号によって生じるn次高調波歪(ただし、nは2以上の任意の整数)と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換する。
【0008】
上記のように、第1の発明では、電気信号を2分岐してそれぞれFM信号に変換する。その際、各電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪(以下、nHD)と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換するので、伝送経路上で生じるnHDが除去され、その結果、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
FM変調部は、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する第1のFMレーザと、
第1の光FM信号を導く第1の光導波部と、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する第2のFMレーザと、
第2の光FM信号を導く第2の光導波部と、
所定周波数fl1の第1の局発光を出力する第1の局発光源と、
第1の局発光を導く第3の光導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、第2の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl1との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、これら2つのビート成分を第1および第2のFM信号として出力する第1の光検波部とを含んでいる。
【0010】
上記のように、第2の発明では、光ヘテロダイン検波によってFM変調を行うので、高周波でかつ高帯域のFM変調信号を容易に生成することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2および所定周波数fl1は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザおよび第1の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、第1のFMレーザ、第2のFMレーザおよび第1の局発光源のいずれかの発振位相を制御する位相制御部とをさらに含んでいる。
【0012】
第3の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、
FM変調部は、
第1の光検波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0014】
第5の発明は、第3の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、第1の光検波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0015】
第4または第5の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0016】
第6の発明は、第2の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2および所定周波数fl1は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザおよび第1の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1〜第3の光導波部のいずれかに設けられ、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、当該光導波部を光信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する光遅延調整部とをさらに含んでいる。
【0017】
第6の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、
FM変調部は、
第1の光検波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0019】
第8の発明は、第6の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、第1の光検波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0020】
第7または第8の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0021】
第9の発明は、第1の発明において、
FM変調部は、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する第1のFMレーザと、
第1の光FM信号を導く第1の光導波部と、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する第2のFMレーザと、
第2の光FM信号を導く第2の光導波部と、
所定周波数fl1の第1の局発光を出力する第1の局発光源と、
第1の局発光を導く第3の光導波部と、
所定周波数fl2の第2の局発光を出力する第2の局発光源と、
第2の局発光を導く第4の光導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、第2の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl1との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、これら2つのビート成分を第1および第2のFM信号として出力する第1の光検波部とを含んでいる。
【0022】
上記のように、第9の発明では、光ヘテロダイン検波によってFM変調を行うので、高周波でかつ高帯域のFM変調信号を容易に生成することができる。
【0023】
第10の発明は、第9の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源のいずれかの発振位相を制御する位相制御部とをさらに含んでいる。
【0024】
第10の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0025】
第11の発明は、第10の発明において、
FM変調部は、
第1の光検波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0026】
第12の発明は、第10の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、第1の光検波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0027】
第11または第12の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0028】
第13の発明は、第9の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1〜第4の光導波部のいずれかに設けられ、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、当該光導波部を光信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する光遅延調整部とをさらに含んでいる。
【0029】
第13の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0030】
第14の発明は、第13の発明において、
FM変調部は、
第1の光検波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0031】
第15の発明は、第13の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、第1の光検波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0032】
第14または第15の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0033】
第16の発明は、第1の発明において、
FM変調部は、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する第1のFMレーザと、
第1の光FM信号を導く第1の光導波部と、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する第2のFMレーザと、
第2の光FM信号を導く第2の光導波部と、
所定周波数fl1の第1の局発光を出力する第1の局発光源と、
第1の局発光を導く第3の光導波部と、
所定周波数fl2の第2の局発光を出力する第2の局発光源と、
第2の局発光を導く第4の光導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第1のFM信号として出力する第1の光検波部と、
第1のFM信号を導く第1の電気導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl1との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第2のFM信号として出力する第2の光検波部と、
第2のFM信号を導く第2の電気導波部と、
第1のFM信号と第2のFM信号とを合波する合波部とを含んでいる。
【0034】
上記のように、第16の発明では、光ヘテロダイン検波によってFM変調を行うので、高周波でかつ高帯域のFM変調信号を容易に生成することができる。
【0035】
第17の発明は、第16の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源のいずれかの発振位相を制御する位相制御部とをさらに含んでいる。
【0036】
第17の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0037】
第18の発明は、第17の発明において、
FM変調部は、
合波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0038】
第19の発明は、第17の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、合波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
位相制御部は、電力測定部の測定結果が最小となるように発振位相を制御することを特長としている。
【0039】
第18または第19の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0040】
第20の発明は、第16の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1〜第4の光導波部のいずれかに設けられ、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、当該光導波部を光信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する光遅延調整部とをさらに含んでいる。
【0041】
第20の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0042】
第21の発明は、第20の発明において、
FM変調部は、
合波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0043】
第22の発明は、第20の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、合波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
光遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0044】
第21または第22の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0045】
第23の発明は、第16の発明において、
所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれ、
第1のFMレーザ、第2のFMレーザ、第1の局発光源および第2の局発光源の各出力は、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するように設定され、
FM変調部は、
第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、第1の電気信号または第2の電気信号の振幅を調整するための振幅調整部と、
第1または第2の電気導波部に設けられ、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるように、当該電気導波部を電気信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する電気遅延調整部とをさらに含んでいる。
【0046】
第23の発明によれば、第1の電気信号および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じるn次高調波歪と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換することができる。
【0047】
第24の発明は、第23の発明において、
FM変調部は、
合波部からのFM信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する電力測定部をさらに含み、
電気遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0048】
第25の発明は、第23の発明において、
FM変調部は、
入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、合波部からのFM信号をFM復調して出力するFM復調部と、
FM復調部からの電気信号の雑音電力を測定する電力測定部とをさらに含み、
電気遅延調整部は、電力測定部の測定結果が最小となるように伝搬遅延時間を調整することを特長としている。
【0049】
第24または第25の発明によれば、第1のFM信号によって生じるn次高調波歪と第2のFM信号とが互いに逆相関係となるようにできる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置10)は、信号源101、分岐部102、FM変調部103を備えている。なお、FM変調装置10は、送信機(図示せず)、伝送路11および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0051】
信号源101は、電気信号を出力する。分岐部102は、信号源101から出力される電気信号を2分岐する。FM変調部103は、入力信号の振幅変化を出力信号の周波数変化に変換する機能を有し、分岐部102が2分岐して得られる第1および第2の電気信号をそれぞれFM信号に変換する。その際、FM変調部103は、第1および第2の電気信号を、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)と他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換する。
【0052】
以下には、FM変調装置10の動作を説明する。
信号源101から出力される電気信号は、分岐部102において第1の電気信号と第2の電気信号とに2分岐され、FM変調部103に入力される。FM変調部103では、第1および第2の電気信号が、FM復調装置への伝送経路上で一方のFM信号によって生じる2HDと他方のFM信号とが互いに相殺されるような2つのFM変調信号に変換される。
【0053】
図2は、図1のFM変調部103が変調して得られる2つのFM信号(第1および第2のFM信号)のスペクトルを示す図である。図2において、第1のFM信号がFM復調装置へと伝送される際には、伝送経路上で、第1のFM信号の周波数の2倍の周波数において第1のFM信号による2HDが生じる。第2のFM信号は、この第1のFM信号による2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有する。
【0054】
図3は、図2に示す第1のFM信号の2DHと第2のFM信号との位相関係を示す図である。図3において、第1のFM信号の2DHと第2のFM信号とは、互いに逆相関係にある。
【0055】
つまり、FM変調部103は、第1および第2の電気信号を、一方のFM信号が他方のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有しかつ互いに逆相関係にあるような2つのFM信号に変換する。
【0056】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0057】
さて、以下で説明する第2〜第7の実施形態では、光ヘテロダイン検波によってFM変調を行う場合、第1の実施形態のFM変調部103をどのようにして実現するかが明らかになる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図4において、第2の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置20)は、信号源201、分岐部202、第1のFMレーザ203、第1の光導波部204、第2のFMレーザ205、第2の光導波部206、第1の局発光源207、第3の光導波部208、第1の光検波部209、振幅調整部210、電力測定部211および位相制御部212を備えている。なお、FM変調装置20は、送信機(図示せず)、伝送路21および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0058】
信号源201および分岐部202は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源201は、電気信号を出力し、分岐部202は、信号源201から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ203、第1の光導波部204、第2のFMレーザ205、第2の光導波部206、第1の局発光源207、第3の光導波部208、第1の光検波部209、振幅調整部210、電力測定部211および位相制御部212によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0059】
すなわち、第1のFMレーザ203は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部202が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部204は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ205は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部202が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部206は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源207は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部208は、第1の局発光を導く。
【0060】
第1の光検波部209は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、第2の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl1との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、これら2つのビート成分を第1および第2のFM信号として出力する。
【0061】
なお、第1のFMレーザ203、第2のFMレーザ205および第1の局発光源207は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部209は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0062】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2および所定周波数fl1は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図5に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2および所定周波数fl1を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる。
また、第1のFMレーザ203、第2のFMレーザ205および第1の局発光源207の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0063】
振幅調整部210は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0064】
電力測定部211は、第1の光検波部209からの出力信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する。位相制御部212は、電力測定部211の測定結果が最小となるように第2のFMレーザ205の発振位相を制御する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0065】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0066】
なお、本実施形態では、位相制御部212は、第2のFMレーザ205の発振位相を制御したが、第1のFMレーザ203の発振位相を制御してもよく、第1の局発光源207の発振位相を制御してもよい。また、第1のFMレーザ203、第2のFMレーザ205および第1の局発光源207の全ての発振位相を制御しても、いずれか2つの発振位相を制御してもよい。
【0067】
また、第2のFMレーザ205の発振位相を制御する代わりに、例えば第2の光導波部206を伝搬する光信号の遅延時間を調整するようにしてもよい(後述する第5の実施形態を参照)。さらに、電力測定部211は、第1の光検波部209からの出力信号(FM信号)の電力を測定したが、代わりに、その出力信号をFM復調し、得られた電気信号の電力を測定してもよい(後述する第7の実施形態を参照)。
【0068】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図6において、第3の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置30)は、信号源301、分岐部302、第1のFMレーザ303、第1の光導波部304、第2のFMレーザ305、第2の光導波部306、第1の局発光源307、第3の光導波部308、第2の局発光源313、第4の光導波部314、第1の光検波部309、振幅調整部310、電力測定部311および位相制御部312を備えている。なお、FM変調装置30は、送信機(図示せず)、伝送路31および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0069】
信号源301および分岐部302は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源301は、電気信号を出力し、分岐部302は、信号源301から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ303、第1の光導波部304、第2のFMレーザ305、第2の光導波部306、第1の局発光源307、第3の光導波部308、第2の局発光源313、第4の光導波部314、第1の光検波部309、振幅調整部310、電力測定部311および位相制御部312によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0070】
すなわち、第1のFMレーザ303は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部302が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部304は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ305は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部302が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部306は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源307は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部308は、第1の局発光を導く。第2の局発光源313は、所定周波数fl2の第2の局発光(無変調光)を出力する。第4の光導波部314は、第2の局発光を導く。
【0071】
第1の光検波部309は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、これら2つのビート成分を第1および第2のFM信号として出力する。
【0072】
なお、第1のFMレーザ303、第2のFMレーザ305、第1の局発光源307および第2の局発光源313は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部309は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0073】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図7に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる(なお、図5と図7とを比較すれば明らかなように、第2の実施形態のように1つの局発光源を備えるのに比べ、第3〜第7の実施形態のように2つの局発光源を備える方が、周波数配置の自由度が高い)。
また、第1のFMレーザ303、第2のFMレーザ305、第1の局発光源307および第2の局発光源313の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0074】
振幅調整部310は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0075】
電力測定部311は、第1の光検波部309からの出力信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する。位相制御部312は、電力測定部311の測定結果が最小となるように第2のFMレーザ305の発振位相を制御する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0076】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0077】
なお、本実施形態では、位相制御部312は、第2のFMレーザ305の発振位相を制御したが、第1のFMレーザ303の発振位相を制御してもよく、第1の局発光源307の発振位相を制御してもよく、第2の局発光源313の発振位相を制御してもよい。また、第1のFMレーザ303、第2のFMレーザ305、第1の局発光源307および第2の局発光源313の全ての発振位相を制御しても、いずれか3つの発振位相を制御しても、いずれか2つの発振位相を制御してもよい。
【0078】
また、第2のFMレーザ305の発振位相を制御する代わりに、例えば第2の光導波部306を伝搬する光信号の遅延時間を調整するようにしてもよい(後述する第5の実施形態を参照)。さらに、電力測定部311は、第1の光検波部309からの出力信号(FM信号)の電力を測定したが、代わりに、その出力信号をFM復調し、得られた電気信号の電力を測定してもよい(後述する第7の実施形態を参照)。
【0079】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図8において、第4の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置40)は、信号源401、分岐部402、第1のFMレーザ403、第1の光導波部404、第2のFMレーザ405、第2の光導波部406、第1の局発光源407、第3の光導波部408、第2の局発光源413、第4の光導波部414、第1の光検波部409、第1の電気導波部415、第2の光検波部416、第2の電気導波部417、合波部418、振幅調整部410、電力測定部411および位相制御部412を備えている。なお、FM変調装置40は、送信機(図示せず)、伝送路41および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0080】
信号源401および分岐部402は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源401は、電気信号を出力し、分岐部402は、信号源401から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ403、第1の光導波部404、第2のFMレーザ405、第2の光導波部406、第1の局発光源407、第3の光導波部408、第2の局発光源413、第4の光導波部414、第1の光検波部409、第1の電気導波部415、第2の光検波部416、第2の電気導波部417、合波部418、振幅調整部410、電力測定部411および位相制御部412によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0081】
すなわち、第1のFMレーザ403は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部402が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部404は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ405は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部402が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部406は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源407は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部408は、第1の局発光を導く。第2の局発光源413は、所定周波数fl2の第2の局発光(無変調光)を出力する。第4の光導波部414は、第2の局発光を導く。
【0082】
第1の光検波部409は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第1のFM信号として出力する。第1の電気導波部415は、第1のFM信号を導く。第2の光検波部416は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第2のFM信号として出力する。第2の電気導波部417は、第2のFM信号を導く。合波部418は、第1のFM信号と第2のFM信号とを合波する。
【0083】
なお、第1のFMレーザ403、第2のFMレーザ405、第1の局発光源407および第2の局発光源413は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部409および第2の光検波部416は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0084】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図7に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる。
また、第1のFMレーザ403、第2のFMレーザ405、第1の局発光源407、第2の局発光源413の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0085】
振幅調整部410は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0086】
電力測定部411は、合波部418からの出力信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する。位相制御部412は、電力測定部411の測定結果が最小となるように第2のFMレーザ405の発振位相を制御する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0087】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0088】
なお、本実施形態では、位相制御部412は、第2のFMレーザ405の発振位相を制御したが、第1のFMレーザ403の発振位相を制御してもよく、第1の局発光源407の発振位相を制御してもよく、第2の局発光源413の発振位相を制御してもよい。また、第1のFMレーザ403、第2のFMレーザ405、第1の局発光源407および第2の局発光源413の全ての発振位相を制御しても、いずれか3つの発振位相を制御しても、いずれか2つの発振位相を制御してもよい。
【0089】
また、電力測定部411は、合波部418からの出力信号(FM信号)の電力を測定したが、代わりに、その出力信号をFM復調し、得られた電気信号の電力を測定してもよい(後述する第7の実施形態を参照)。
【0090】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図9において、第5の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置50)は、信号源501、分岐部502、第1のFMレーザ503、第1の光導波部504、第2のFMレーザ505、第2の光導波部506、第1の局発光源507、第3の光導波部508、第2の局発光源513、第4の光導波部514、第1の光検波部509、第1の電気導波部515、第2の光検波部516、第2の電気導波部517、合波部518、振幅調整部510、電力測定部511および光遅延調整部512を備えている。なお、FM変調装置50は、送信機(図示せず)、伝送路51および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0091】
信号源501および分岐部502は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源501は、電気信号を出力し、分岐部502は、信号源501から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ503、第1の光導波部504、第2のFMレーザ505、第2の光導波部506、第1の局発光源507、第3の光導波部508、第2の局発光源513、第4の光導波部514、第1の光検波部509、第1の電気導波部515、第2の光検波部516、第2の電気導波部517、合波部518、振幅調整部510、電力測定部511および光遅延調整部512によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0092】
すなわち、第1のFMレーザ503は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部502が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部504は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ505は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部502が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部506は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源507は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部508は、第1の局発光を導く。第2の局発光源513は、所定周波数fl2の第2の局発光(無変調光)を出力する。第4の光導波部514は、第2の局発光を導く。
【0093】
第1の光検波部509は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第1のFM信号として出力する。第1の電気導波部515は、第1のFM信号を導く。第2の光検波部516は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第2のFM信号として出力する。第2の電気導波部517は、第2のFM信号を導く。合波部518は、第1のFM信号と第2のFM信号とを合波する。
【0094】
なお、第1のFMレーザ503、第2のFMレーザ505、第1の局発光源507および第2の局発光源513は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部509および第2の光検波部516は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0095】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図7に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる。
また、第1のFMレーザ503、第2のFMレーザ505、第1の局発光源507、第2の局発光源513の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0096】
振幅調整部510は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0097】
電力測定部511は、合波部518からの出力信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する。光遅延調整部512は、電力測定部511の測定結果が最小となるように第2の光導波部506を伝搬する光信号の遅延時間を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0098】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0099】
なお、本実施形態では、光遅延調整部512は、第2の光導波部506を伝搬する光信号の遅延時間を調整したが、第1の光導波部504を伝搬する光信号の遅延時間を調整してもよく、第3の光導波部508を伝搬する光信号の遅延時間を調整してもよく、第4の光導波部514を伝搬する光信号の遅延時間を調整してもよい。また、第1の光導波部504、第2の光導波部506、第3の光導波部508および第4の光導波部514の全てを伝搬する光信号の遅延時間を調整してもよく、いずれか3つを伝搬する光信号の遅延時間を調整しても、いずれか2つを伝搬する光信号の遅延時間を調整してもよい。
【0100】
また、電力測定部511は、合波部518からの出力信号(FM信号)の電力を測定したが、代わりに、その出力信号をFM復調し、得られた電気信号の電力を測定してもよい(後述する第7の実施形態を参照)。
【0101】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図10において、第6の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置60)は、信号源601、分岐部602、第1のFMレーザ603、第1の光導波部604、第2のFMレーザ605、第2の光導波部606、第1の局発光源607、第3の光導波部608、第2の局発光源613、第4の光導波部614、第1の光検波部609、第1の電気導波部615、第2の光検波部616、第2の電気導波部617、合波部618、振幅調整部610、電力測定部611および電気遅延調整部612を備えている。電気遅延調整部612は、第2の電気導波部617に設けられている。なお、FM変調装置60は、送信機(図示せず)、伝送路61および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0102】
信号源601および分岐部602は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源601は、電気信号を出力し、分岐部602は、信号源601から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ603、第1の光導波部604、第2のFMレーザ605、第2の光導波部606、第1の局発光源607、第3の光導波部608、第2の局発光源613、第4の光導波部614、第1の光検波部609、第1の電気導波部615、第2の光検波部616、第2の電気導波部617、合波部618、振幅調整部610、電力測定部611および電気遅延調整部612によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0103】
すなわち、第1のFMレーザ603は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部602が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部604は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ605は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部602が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部606は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源607は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部608は、第1の局発光を導く。第2の局発光源613は、所定周波数fl2の第2の局発光(無変調光)を出力する。第4の光導波部614は、第2の局発光を導く。
【0104】
第1の光検波部609は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第1のFM信号として出力する。第1の電気導波部615は、第1のFM信号を導く。第2の光検波部616は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第2のFM信号として出力する。第2の電気導波部617は、第2のFM信号を導く。合波部618は、第1のFM信号と第2のFM信号とを合波する。
【0105】
なお、第1のFMレーザ603、第2のFMレーザ605、第1の局発光源607および第2の局発光源613は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部609および第2の光検波部616は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0106】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図7に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる。
また、第1のFMレーザ603、第2のFMレーザ605、第1の局発光源607、第2の局発光源613の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0107】
振幅調整部610は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0108】
電力測定部611は、合波部618からの出力信号の、周波数差Δf2に相当する周波数成分の電力を測定する。電気遅延調整部612は、電力測定部611の測定結果が最小となるように第2の電気導波部617を伝搬する電気信号の遅延時間を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0109】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0110】
なお、本実施形態では、電気遅延調整部612は、第2の電気導波部617を伝搬する電気信号の遅延時間を調整したが、第1の電気導波部615を伝搬する電気信号の遅延時間を調整してもよい。また、第1の電気導波部615および第2の電気導波部617の両方を伝搬する電気信号の遅延時間を調整してもよい。
【0111】
また、電力測定部611は、合波部618からの出力信号(FM信号)の電力を測定したが、代わりに、その出力信号をFM復調し、得られた電気信号の電力を測定してもよい(後述する第7の実施形態を参照)。
【0112】
(第7の実施形態)
図11は、本発明の第7の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。図11において、第7の実施形態に係るFM変調装置(以下、FM変調装置70)は、信号源701、分岐部702、第1のFMレーザ703、第1の光導波部704、第2のFMレーザ705、第2の光導波部706、第1の局発光源707、第3の光導波部708、第2の局発光源713、第4の光導波部714、第1の光検波部709、第1の電気導波部715、第2の光検波部716、第2の電気導波部717、合波部718、振幅調整部710、FM復調部719、電力測定部711および電気遅延調整部712を備えている。電気遅延調整部712は、第2の電気導波部717に設けられている。なお、FM変調装置70は、送信機(図示せず)、伝送路71および受信機(図示せず)を介してFM復調装置(図示せず)と接続されている。
【0113】
信号源701および分岐部702は、図1の信号源101および分岐部102と同様の動作を行う。すなわち、信号源701は、電気信号を出力し、分岐部702は、信号源701から出力される電気信号を2分岐する。また、第1のFMレーザ703、第1の光導波部704、第2のFMレーザ705、第2の光導波部706、第1の局発光源707、第3の光導波部708、第2の局発光源713、第4の光導波部714、第1の光検波部709、第1の電気導波部715、第2の光検波部716、第2の電気導波部717、合波部718、振幅調整部710、FM復調部719、電力測定部711および電気遅延調整部712によって、図1のFM変調部103の機能が実現される。
【0114】
すなわち、第1のFMレーザ703は 入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部702が分岐して得られる第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する。第1の光導波部704は、第1の光FM信号を導く。第2のFMレーザ705は、入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、分岐部702が分岐して得られる第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する。第2の光導波部706は、第2の光FM信号を導く。第1の局発光源707は、所定周波数fl1の第1の局発光(無変調光)を出力する。第3の光導波部708は、第1の局発光を導く。第2の局発光源713は、所定周波数fl2の第2の局発光(無変調光)を出力する。第4の光導波部714は、第2の局発光を導く。
【0115】
第1の光検波部709は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し(この性質を利用した検波動作を光ヘテロダイン検波と呼ぶ)、第1の光FM信号と第1の局発光とによって、所定周波数f1と所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第1のFM信号として出力する。第1の電気導波部715は、第1のFM信号を導く。第2の光検波部716は、相異なる周波数の2つ以上の光が入力された場合、各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、第2の光FM信号と第2の局発光とによって、所定周波数f2と所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数においてビート成分を発生し、このビート成分を第2のFM信号として出力する。第2の電気導波部717は、第2のFM信号を導く。合波部718は、第1のFM信号と第2のFM信号とを合波する。
【0116】
なお、第1のFMレーザ703、第2のFMレーザ705、第1の局発光源707および第2の局発光源713は、半導体レーザなどの発光素子によって実現される。また、第1の光検波部709および第2の光検波部716は、フォトダイオードなどの受光素子によって実現される。
【0117】
ここで、上記の所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2は、第1のFM信号によって生じる2次高調波歪(以下、2HD)の周波数と第2のFM信号の周波数とが互いに一致するように選ばれる。具体的には、図7に示すように、周波数差Δf2が周波数差Δf1の2倍となるように所定周波数f1、所定周波数f2、所定周波数fl1および所定周波数fl2を配置することによって、第1のFM信号によって生じる2HDの周波数と第2のFM信号の周波数とを互いに一致させることができる。
また、第1のFMレーザ703、第2のFMレーザ705、第1の局発光源707、第2の局発光源713の出力は、第1のFM信号によって生じる2HDの振幅と第2のFM信号の振幅とが互いに一致するような値に設定されている。
【0118】
振幅調整部710は、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号によって生じる2HDの周波数偏移と一致するように(従って、第2のFM信号の周波数偏移が第1のFM信号の周波数偏移の2倍となるように)第2の電気信号の振幅を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有するような信号となる(図2参照)。
【0119】
FM復調部719は、入力信号の周波数変化を出力信号の振幅変化に変換する機能を有し、合波部718からのFM信号をFM復調して出力する。電力測定部711は、FM復調部719からの出力信号の雑音電力を測定する。電気遅延調整部712は、電力測定部711の測定結果が最小となるように第2の電気導波部717を伝搬する電気信号の遅延時間を調整する。これにより、第2のFM信号は、第1のFM信号によって生じる2HDと互いに逆相関係にあるような信号となる(図3参照)。
【0120】
こうして得られた第1および第2のFM信号は、FM復調装置へと伝送されるが、その際、伝送経路上で第1のFM信号によって生じる2HDと第2のFM信号とが互いに相殺されるので、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【0121】
なお、本実施形態では、電気遅延調整部712は、第2の電気導波部717を伝搬する電気信号の遅延時間を調整したが、第1の電気導波部715を伝搬する電気信号の遅延時間を調整してもよい。また、第1の電気導波部715および第2の電気導波部717の両方を伝搬する電気信号の遅延時間を調整してもよい。
【0122】
なお、第1〜第7の実施形態では、分岐して得られる第1および第2の電気信号を、一方のFM信号が他方のFM信号によって生じる2HDと同じ周波数、振幅および周波数偏移を有しかつ互いに逆相関係にあるような2つのFM信号に変換したが、代わりに、一方のFM信号が他方のFM信号のnHD(n次高調波歪;nは2以上の任意の整数)と同じ周波数、振幅および周波数偏移を有しかつ互いに逆相関係にあるような2つのFM信号に変換してもよい。その場合には、伝送経路上で第1のFM信号によって生じるnHDと第2のFM信号とが互いに相殺され、FM復調後の雑音レベルが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のFM変調部103が変調して得られる2つのFM信号(第1および第2のFM信号)のスペクトルを示す図である。
【図3】図2に示す第1のFM信号の2DHと第2のFM信号との位相関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の第1のFMレーザ203が出力する第1の光FM信号の周波数f1、第2のFMレーザ205が出力する第2の光FM信号の周波数f2および第1の局発光源207が出力する第1の局発光の周波数fl1の間の関係を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図5の第1のFMレーザ303が出力する第1の光FM信号の周波数f1、第2のFMレーザ305が出力する第2の光FM信号の周波数f2、第1の局発光源307が出力する第1の局発光の周波数fl1および第2の局発光源313が出力する第2の局発光の周波数fl2の間の関係を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係るFM変調装置の構成を示すブロック図である。
【図12】光ヘテロダイン検波を応用した従来のFM変調装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60、70…FM変調装置
101、201、301、401、501、601、701…信号源
102、202、302、402、502、602、702…分岐部
103…FM変調部
203、303、403、503、603、703…第1のFMレーザ
204、304、404、504、604、704…第1の光導波部
205、305、405、505、605、705…第2のFMレーザ
206、306、406、506、606、706…第2の光導波部
207、307、407、507、607、707…第1の局発光源
208、308、408、508、608、708…第3の光導波部
209、309、409、509、609、709…第1の光検波部
210、310、410、510、610、710…振幅調整部
211、311、411、511、611、711…電力測定部
212、312、412…位相制御部
313、413、513、613、713…第2の局発光源
314、414、514、614、714…第4の光導波部
415、515、615、715…第1の電気導波部
416、516、616、716…第2の光検波部
417、517、617、717…第2の電気導波部
418、518、618、718…合波部
512…光遅延調整部
612、712…電気遅延調整部
719…FM復調部
Claims (4)
- 電気信号をFM信号に変調して送信するFM変調装置であって、
電気信号を2分岐して、第1の電気信号及び第2の電気信号を出力する分岐部と、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f1の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、前記第1の電気信号を第1の光FM信号に変換して出力する第1のFMレーザと、
前記第1の光FM信号を導く第1の光導波部と、
所定周波数fl1の第1の局発光を出力する第1の局発光源と、
前記第1の局発光を導く第2の光導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力されると各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、前記第1の光FM信号と前記第1の局発光とを入力して前記所定周波数f1と前記所定周波数fl1との周波数差Δf1に相当する周波数におけるビート成分を第1のFM信号として出力する第1の検波部と、
前記第1のFM信号を導く第1の電気導波部と、
入力電気信号が変化しない状態では所定周波数f2の光を発振し、かつ入力電気信号の振幅変化に応じて発振周波数が変化する性質を有し、前記第2の電気信号を第2の光FM信号に変換して出力する第2のFMレーザと、
前記第2の光FM信号を導く第3の光導波部と、
所定周波数fl2の第2の局発光を出力する第2の局発光源と、
前記第2の局発光を導く第4の光導波部と、
相異なる周波数の2つ以上の光が入力されると各々の光の周波数の差の周波数においてビート成分を発生する性質を有し、前記第2の光FM信号と前記第2の局発光とを入力して前記所定周波数f2と前記所定周波数fl2との周波数差Δf2に相当する周波数におけるビート成分を第2のFM信号として発生する第2の光検波部と、
前記第2のFM信号を導く第2の電気導波部と、
前記第1のFM信号と前記第2のFM信号とを合波する合波部と、
前記第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の周波数偏移と前記第2のFM信号の周波数偏移とが互いに一致するように、前記第1の電気信号または前記第2の電気信号の振幅を調整する振幅調整部と、
前記合波部からの出力信号の周波数差Δf2と等しい周波数における電力を測定する電力測定部と、
前記電力測定部の測定結果が最小となるよう、前記第1のFM信号または前記第2のFM信号の位相を制御する位相制御部とを備え、
前記第1のFMレーザ、前記第2のFMレーザ、前記第1の局発光源および前記第2の局発光源の出力は、前記第1のFM信号によって生じるn次高調波歪の振幅と前記第2のFM信号の振幅とが互いに一致するよう設定され、
前記所定周波数f1、前記所定周波数f2、前記所定周波数fl1および前記所定周波数fl2は、前記所定周波数f1と前記所定周波数fl1との周波数差Δf1及び前記所定周波数f2と前記所定周波数fl2との周波数差Δf2がn×Δf1=Δf2の関係となるよう設定される、FM変調装置。 - 前記位相制御部は、前記電力測定部の測定結果が最小となるよう少なくとも前記第1のFMレーザ、前記第2のFMレーザ、前記第1の局発光源および前記第2の局発光源いずれか一つの発振位相を制御する、請求項1に記載のFM変調装置。
- 前記位相制御部は、前記第1〜第4の光導波部のいずれかに設けられ、前記電力測定部の測定結果が最小となるよう当該光導波部を光信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する、請求項1に記載のFM変調装置。
- 前記位相制御部は、前記第1または第2の電気導波部のいずれかに設けられ、前記電力測定部の測定結果が最小となるよう当該電気導波部を電気信号が伝搬する際の伝搬遅延時間を調整する、請求項1に記載のFM変調装置。
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