JP3967619B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、補助ゲームの実行条件成立を記憶する始動記憶に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機(パチンコ遊技機)には、遊技領域に発射した遊技球が始動口へ入賞すると、複数の識別情報(図柄)を変動表示装置に変動表示させる変動表示ゲームを行い、変動表示ゲームの結果、識別情報が特定の組み合わせで停止すると特別遊技状態となり、遊技者に所定の遊技価値を付与するようにしたものがある。
【0003】
そして、未だ変動表示ゲームが行われていない始動口への入賞は、変動表示ゲームの実行開始条件として所定の記憶領域(始動記憶領域)に特別図柄始動記憶として記憶される。この変動表示ゲームの実行条件の成立を記憶する始動記憶は固定(例えば、4個)されている。この特別図柄始動記憶数は特別図柄記憶表示器を点灯させて表示される。また、遊技状態や特別遊技状態の態様によって特別図柄始動記憶の上限値を変更する遊技機も提案されている(例えば、特開2000−288175号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の遊技機では、始動記憶数の上限値が少ないので、この上限数(4個)のLEDで特別図柄記憶表示器に特別図柄始動記憶を表示していたが、特別図柄始動記憶の上限が増加すると、始動記憶数の表示に必要な面積が増加してしまう。また、始動記憶数を数字で表示することもできるが、特徴のない表示となってしまう。また、始動記憶数の上限値が少なければ記憶数を明示する必要があるが、記憶数の上限が大きく、多くの記憶がされているときには、概ねの記憶数が分かれば十分である。
【0005】
また、多数の始動記憶が記憶されている場合には、多数の変動表示ゲームの消化に時間を要してしまい、遊技者の興趣を低下させる問題がある。
【0006】
本発明は、特別図柄記憶数を分かりやすく表示すると共に遊技に対する興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、表示領域に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置と、該変動表示ゲームを始動可能な変動表示ゲーム始動条件の成立を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動条件成立記憶手段と、該始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に基づいて前記変動表示ゲームに係る表示を制御する表示制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの表示結果態様が大当りの表示結果態様となった場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に対応した複数の記憶表示を複数のグループに分けて表示し、前記グループ分けされた始動記憶をグループ毎に消化するように前記変動表示ゲームを実行する複数種類の変動表示ゲーム制御手順のうちの何れかを選択して変動表示ゲームを実行可能であり、前記変動表示ゲーム制御手順は、グループに属する始動記憶が1個の場合には1画面で当該始動記憶分の変動表示ゲームを実行する制御手順と、グループに属する始動記憶数が複数個の場合には当該グループに属する始動記憶数に表示画面を分割して、該分割された表示画面の各々において該複数個の変動表示ゲームを並行して実行する制御手順とを含む。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記グループに属する始動記憶数が複数個の場合の制御手順は、該分割された表示画面の各々において同時に変動表示ゲームの実行を開始する制御手順であることを特徴とする。
【0017】
【発明の作用および効果】
発明では、表示領域に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置と、該変動表示ゲームを始動可能な変動表示ゲーム始動条件の成立を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動条件成立記憶手段と、該始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に基づいて前記変動表示ゲームに係る表示を制御する表示制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの表示結果態様が大当りの表示結果態様となった場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、前記表示制御手段は、前記始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に対応した複数の記憶表示を複数のグループに分けて表示し、前記グループ分けされた始動記憶をグループ毎に消化するように前記変動表示ゲームを実行する複数種類の変動表示ゲーム制御手順のうちの何れかを選択して変動表示ゲームを実行可能であり、前記変動表示ゲーム制御手順は、グループに属する始動記憶が1個の場合には1画面で当該始動記憶分の変動表示ゲームを実行する制御手順と、グループに属する始動記憶数が複数個の場合には当該グループに属する始動記憶数に表示画面を分割して、該分割された表示画面の各々において該複数個の変動表示ゲームを並行して実行する制御手順とを含むので、限られた領域に有効な記憶表示をすると共に、遊技演出をすることもできる。また、条件成立記憶の組み合わせを構成することで記憶がバラバラに表示されることはない。
【0018】
また、始動記憶に基づく変動表示ゲームを短時間で終了することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(カード球貸ユニットを併設したCR機)全体の構成を示す正面図である。
【0029】
遊技機(パチンコ遊技機)1の前面枠3は本体枠(外枠)4にヒンジ5を介して開閉回動可能に組み付けられ、遊技盤6は前面枠3の裏面に取り付けられた収納フレームに収納される。
【0030】
遊技盤6の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成されている。この遊技領域には、変動表示装置8、大入賞口を備えた変動入賞装置10、各入賞口12〜15、始動口16、普通図柄表示器7、普通変動入賞装置9等が配設されている。前面枠3には、遊技盤6の前面を覆うカバーガラス18が取り付けられている。
【0031】
変動表示装置8は、遊技盤中央部に設けられ、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分(表示領域)が構成されている。表示領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(図柄)が表示される。すなわち、表示領域の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば「0」〜「9」までの各数字)が変動表示して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像として、一定のストーリー性を持って遊技を進行させるためのキャラクタや背景等の画像が表示される。
【0032】
特別変動入賞装置10の上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)9を有する始動口16が、遊技領域の左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲートが配設される。
【0033】
本実施の形態に係る遊技機では、図示しない打球発射装置から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の転動誘導部材により転動方向を変えられながら遊技領域表面を流下し、始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置(大入賞口)10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口12〜15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51A〜51N(図2参照)により検出される。
【0034】
始動口16、一般入賞口12〜15、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、供給皿21に供給される。
【0035】
始動口16へ遊技球の入賞があると、前述した数字で構成される識別情報が順に変動表示する変動表示ゲームに関する画像が、変動表示装置8に表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図2参照)への通電により、大入賞口を所定の時間(例えば30秒)だけ大きく開き、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。すなわち、特別変動入賞装置10は、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0036】
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された入賞検出時点での遊技制御装置100内に備えられた特別図柄乱数カウンタの値は、特別図柄始動記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した32回分)を限度に記憶される。このように、遊技制御装置100によって条件成立記憶手段が構成されている。また、この特別図柄始動記憶の記憶数は、変動表示装置8に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄始動記憶に基づいて、変動表示装置8にて可変表示ゲームを行う。
【0037】
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図2参照)によって検出される。
【0038】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過があると、普通図柄表示器7では、普通図柄(例えば、一桁の数字からなる図柄)の変動表示を始める。普通図柄始動ゲートへの通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置9は、普通電動役物ソレノイド9A(図2参照)への通電により、始動口16への入口を所定の時間(例えば0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
【0039】
普通図柄始動ゲートへの遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図2参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された通過検出時点での遊技制御装置100内に備えられた普通図柄乱数カウンタの値は、普通図柄始動記憶として、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄始動記憶の記憶数は変動入賞装置10の右側に設けられた所定数のLEDからなる普通図柄記憶状態表示器19に表示される。遊技制御装置100は普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。
【0040】
遊技機1の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。すなわち、遊技盤6の中央部に設けられたセンターケース(変動表示装置8の周囲)、遊技盤6の下部に設けられたアタッカー(変動入賞装置10の周囲)には、遊技の進行に応じて発光する装飾ランプが設けられている。さらに、遊技盤6の左右上部にはサイドケースランプが、遊技盤6の左右側部にはサイドランプが設けられている。また、前面枠3には枠装飾ランプが設けられている。これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯する。
【0041】
さらに、カバーガラス18の内側の遊技盤6の上部には、点灯により球の排出の異常状態を報知する賞球異常報知ランプ31、賞球の排出中であることを報知する賞球排出報知ランプ32が設けられている。
【0042】
前面枠3の下部の開閉パネル20には球を打球発射装置に供給する上皿21が、固定パネル22には下皿23及び打球発射装置の操作部24等が配設される。また、開閉パネル20には音出力装置(スピーカ)が設けられる。カード球貸ユニット用の操作パネル26には、カードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、球貸しを指令する球貸しスイッチ28、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30等が設けられている。
【0043】
カード球貸ユニット2には、前面のカード挿入部25に挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵され、カード球貸ユニット用の操作パネル26は遊技機1の上皿21の外面に形成される。
【0044】
図2は、遊技制御装置100を中心とする遊技機1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0045】
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0046】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ51A〜51N、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動センサ53、カウントセンサ54、継続センサ55)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)、普通図柄表示器7、普通電動役物ソレノイド9A、大入賞口ソレノイド10A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0047】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、カード球貸ユニット2からの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0048】
装飾制御装置250は、遊技制御装置100からの装飾指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置を制御すると共に、普通図柄始動記憶表示器19の表示を制御する。
【0049】
音制御装置300は、スピーカからの効果音の出力を制御する。
【0050】
遊技制御装置100から、各種従属制御装置(表示制御装置150、排出制御装置200、装飾制御装置250、音制御装置300)への通信は、遊技制御装置100から従属制御装置に向かう単方向通信のみが許容されるようになっている。これにより、遊技制御装置100に従属制御装置側から不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、各従属制御装置に双方向バッファ(信号伝達方向規制手段)を設け、遊技制御装置100から各従属制御装置の他、各従属制御装置から遊技制御装置100への通信を行うように構成してもよい。
【0051】
遊技機1には電源装置(図示省略)が備わっている。この電源装置は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。電源回路は、遊技店の島設備から遊技機が受電した24ボルトの交流電源を、各制御装置(遊技制御装置100、排出制御装置400等)の動作に必要な電圧(12V、18V等)の直流電源に変換して、各制御装置100、200等に供給する。電圧検出回路は、遊技機に供給される電圧の変動を監視し、電源装置の電圧の変動を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は遊技機1への電源の供給が停止した状態(停電時)にも記憶内容を保持する必要があるバックアップメモリ(例えば、遊技制御装置100等のRAM)にバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)等を保持する。
【0052】
表示制御装置150は、CPU151、ROM152、RAM153、DMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)154、インターフェース155、VDC(ビデオ・ディスプレイ・コントローラ)156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ等)を格納したフォントROM157、発振器158、γ補正回路159等から構成される。
【0053】
CPU151は、遊技制御装置100からの表示指令信号に基づいて、画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成して、RAM153に記憶する。この画面情報は、VDC156の垂直同期割込のタイミングで、転送指令を受けたDMAC154により、VDC156に転送される。VDC156は、この画像情報に基づき、フォントROM157の該当画像データを取り込み、変動表示装置8の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示(描画)を行う。
【0054】
ROM152にはCPU151を動作させるプログラムの他に、変動表示パターン毎変動表示の手順や、始動記憶の表示態様を含む変動表示手順情報が記憶されており、遊技制御装置100において乱数に基づいて選択され、表示制御装置150に送られた変動表示コマンドによって、これらの変動表示手順情報がROM152から読み出され、読み出された変動表示手順情報に基づいた変動表示ゲームの画像や、始動記憶表示に関する画像が変動表示装置4に表示される。
【0055】
フォントROM157には、変動表示ゲームに用いる各図柄のデータや、背景、キャラクタ等の演出表示のデータを格納してある。
【0056】
γ補正回路159は、変動表示装置8の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、変動表示装置8の表示照度を調整するものである。
【0057】
インターフェース155の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路160が設けられ、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみが許容され、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している。なお、遊技制御装置100と表示制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファ回路160には双方向バッファを用いることもできる。
【0058】
遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される信号には、停止図柄、変動過程を指示する表示制御コマンドが含まれている。表示制御装置150は、遊技制御装置100からの表示制御コマンドによって、遊技制御装置100で抽出された乱数に対応する変動パターンで、変動表示される出現図柄、仮停止図柄を選択して、変動表示装置8に表示する。そして、最終的に本停止図柄として、遊技制御装置100から送信されてきた大当り図柄を導出して表示する。
【0059】
また、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される信号には、始動記憶表示に関する表示制御コマンドが含まれている。すなわち、遊技制御装置100からの指令信号によって、変動表示装置8に始動記憶表示がされる。このように、遊技制御装置100及び表示制御装置150によって表示制御手段が構成されている。
【0060】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、変動表示装置8の変動表示ゲームの変動表示領域を左、右、中の変動表示領域として説明する。
【0061】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示指令信号が遊技制御装置100から表示制御装置150に送信され、変動表示装置8の画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。
【0062】
そして、遊技領域3に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、遊技制御装置100によって、所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当りの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示指令信号が送信され、変動表示装置8の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0063】
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止するが、この過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当りの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0064】
なお、仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
【0065】
そして、当り図柄の抽選の結果が大当りであれば、最終的に左、右、中の図柄が所定の大当りの組合せで停止され、大当りが発生する。
【0066】
この大当り遊技が発生すると、特別変動入賞装置10が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ16による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当り遊技が発生すると、大当りのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当りの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、変動表示装置の画面に大当り遊技の表示が行われる。
【0067】
この場合、大当りが特定の大当りであれば、大当り遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当りの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普図の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
【0068】
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当り遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻される。
【0069】
なお、普通図柄始動ゲートを遊技球が通過すると、その通過又は普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器7に当たり表示が行われて、普通変動入賞装置9が所定時間にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易にされる。
【0070】
図4は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の表示例を説明する図である。
【0071】
図4(A)は、変動表示装置8への表示例であり、図4(B)は図4(A)に示した表示例のうち識別情報の表示のみを示し、図4(C)は図4(A)に示した表示例のうち始動記憶の表示のみを示す。すなわち、変動表示装置8には識別情報表示(図4(B))と始動記憶表示(図4(C))とが重ね合わされて表示される。
【0072】
図4において星の数は始動記憶数を示す。すなわち、6個の特別図柄始動記憶が記憶されていることが表示されている。そして、始動記憶数を示す星はグループ分けをして表示されている。図4に示す例では、円で始動記憶グループ範囲表示領域を構成している。そして、円ででグループを表し、円内に表示されている星(始動記憶)は同一グループに属することを意味する。すなわち、画面左側の円には1個の始動記憶が表示されており、第1グループとして一つの始動記憶が記憶されていることを意味する。同様に、画面中央の円には2個の始動記憶が表示されており、第2グループとして二つの始動記憶が記憶されていることを意味する。また、画面右側の円には3個の始動記憶が表示されており、第3グループとして三つの始動記憶が記憶されていることを意味する。なお、図10、図11で後述するように、始動記憶の複数の性質を持たせ、この性質毎にグループを構成するようにしてもよい。
【0073】
この始動記憶表示は、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信された表示制御コマンドに基づいてグループ化される。遊技制御装置100は、始動口16へ球が入賞したタイミングと関連して、表示制御装置150に表示制御コマンドを送信してもよいし、変動表示ゲームが開始するタイミングで表示制御コマンドを送信してもよい。
【0074】
図4に示す例では、円で始動記憶グループ範囲表示領域を構成し、円内に始動記憶表示をすることで、始動記憶をグループ分けして表示したが、始動記憶表示の一部を重ねて(又は始動記憶表示が互いに接するように)表示をして、始動記憶のグループを表示するように構成してもよい。
【0075】
このように図4に示す実施の形態では、表示領域に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置8を備え、遊技制御装置100によって始動口16への入賞による変動表示条件の成立を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(条件成立記憶手段)を構成し、遊技制御装置100及び表示制御装置150によって始動記憶に基づいて変動表示ゲームに係る表示を制御する表示制御手段を構成し、左中右の識別情報が大当たり図柄で停止すると特別変動入賞装置10を動作させて(大入賞口を開放して)、遊技者に特定の遊技価値を付与する遊技機において、表示制御手段は、始動記憶手段の記憶に対応した始動記憶表示の組み合わせを構成して、始動記憶表示を変動表示装置8に表示するように制御するので、限られた領域に有効な始動記憶表示をすると共に、遊技演出をすることもできる。また、始動記憶表示の組み合わせを構成することで始動記憶がバラバラに表示されることはない。
【0076】
図5は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶表示でリーチ予告をする場合を示す。
【0077】
図5(A)は、識別情報の変動表示が開始しており、変動表示装置8の表示画面には、4個の星が各々一つずつの円(始動記憶グループ範囲表示領域)内に表示されており、4個の特別図柄始動記憶が記憶されている。
【0078】
そして、変動表示中に始動記憶のグループ分け(グループの態様)が変更される。具体的には、内部に星が表示されている円の境界が接するように延伸して(又は、円が接近するように移動して)、図5(B)に示すように、4個の円が2個の円に変わり、4個の星(始動記憶)が二つのグループとして二つの円内に表示される。
【0079】
そして、左右の識別情報が変動表示を停止して、左右の変動表示領域に同一の識別情報(本図では「7」)が停止して、リーチ状態となる(図5(C))。その後、中変動表示領域の識別情報が変動表示を停止するが、中の変動表示領域には左右の変動表示領域と異なる識別情報(本図では「6」)が停止して、ハズレとなる(図5(D))。その後、統合された始動記憶のグループは、再び分離して、変動表示開始時のグループ分け(4つのグループ)に戻って、始動記憶数が表示される(図5(E))。
【0080】
すなわち、図5に示す例では、始動記憶のグループが統合して、グループ数が減数して、始動記憶が二つのグループで表示されることによってリーチを予告している。
【0081】
このように図5に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、リーチ態様を導出表示する確率(期待度)が高い場合に、始動記憶表示の組み合わせを変えて表示するように制御するので、記憶表示によるリーチ予告演出が可能になることから、今までにない表示演出が可能となり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0082】
図6は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶表示で大当たり予告をする場合を示す。
【0083】
図6(A)は、識別情報の変動表示が開始しており、変動表示装置8の表示画面には、4個の星が各々一つずつの円(始動記憶グループ範囲表示領域)内に表示されており、4個の特別図柄始動記憶が記憶されている。
【0084】
そして、変動表示中に始動記憶のグループ分け(グループの態様)が変更される。具体的には、内部に星が表示されている円の境界が接するように延伸して(又は、円が接近するように移動して)、図6(B)に示すように、4個の円が1個の円に変わり、4個の星(始動記憶)が一つのグループとして一つの円内に表示される。
【0085】
そして、識別情報が変動表示を停止して、左中右の変動表示領域に同一の識別情報(本図では「7」)が停止して、大当たりが導出される(図6(C))。
【0086】
すなわち、図6に示す例では、始動記憶のグループが統合して、グループ数が減数して、始動記憶が一つのグループで表示されることによって大当たりを予告している。
【0087】
このように図6に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、大当たりが導出される確率が高い場合に、記憶表示の組み合わせの態様を変えて表示するように制御するので、記憶表示による大当たり予告演出が可能になることから、今までにない表示演出が可能となり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0088】
図7は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶表示を変化させリーチ予告と大当たり予告とをする場合を示す。
【0089】
図7(A)は、識別情報の変動表示が開始しており、変動表示装置8の表示画面には、4個の星が各々一つずつの円(始動記憶グループ範囲表示領域)内に表示されており、4個の特別図柄始動記憶が記憶されている。
【0090】
そして、変動表示中に始動記憶のグループ分け(グループの態様)が変更される。具体的には、内部に星が表示されている円の円周が隣接する円の方向に延伸して、二つの円がつながった中間状態(ひょうたん形)となる(図7(B))。そして、図7(C)に示すように、4個の円が2個の円に変わり、4個の星(始動記憶)が二つのグループとして二つの円内に表示される。このように、始動記憶が二つのグループとして表示されることによってリーチを予告している。
【0091】
その後、さらに始動記憶のグループ分け(グループの態様)が変更される。具体的には、始動記憶のグループの二つの円が近接している場所で円周が延伸して、二つの円がつながった中間状態(ひょうたん形)となる(図7(D))。そして、図7(E)に示すように、2個の円が1個の円に変わり、4個の星(始動記憶)が一つのグループとして一つの円内に表示される。このように、始動記憶が一つのグループとして表示されることによって大当たりを予告している。
【0092】
その後、識別情報が変動表示を停止して、左中右の変動表示領域に同一の識別情報が停止して、大当たりが導出される。
【0093】
すなわち、図7に示す例では、始動記憶のグループが統合して、グループの態様が変化して、リーチを予告から大当たり予告へ予告表示が発展している。
【0094】
このように図7に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、大当たりが導出される確率が高い場合に、記憶表示の組み合わせの態様を段階的に変えて表示するので、記憶表示によるリーチ予告演出から大当たり予告演出へ発展する予告演出が可能になることから、今までにない表示演出が可能となり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0095】
なお、前述した(図5、図6、図7)始動記憶表示の態様変化による予告表示は、変動表示開始後に始動記憶のグループの態様を変更しているが、始動記憶のグループの態様を変更は、変動表示ゲーム中でなく、変動表示ゲーム開始前であってもよい。また、複数の変動表示ゲームにわたって継続してグループの態様を変更することで、複数の変動表示ゲームに連続して予告表示を行うように構成してもよい。
【0096】
図8は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶が消化される場合の表示の変化を示す。
【0097】
図8(A)は、前の変動表示ゲームが終了した状態を示す。変動表示装置8の表示画面には、始動記憶グループ範囲表示領域を示す円が表示されている。画面左側の円には第1グループとして1個の始動記憶が表示され、画面中央の円には第2グループとして2個の始動記憶が表示され、画面右側の円には第3グループとして4個の始動記憶が表示されている。
【0098】
そして、画面左側(第1グループ)の始動記憶が消化され、識別情報の変動表示が開始する(図8(B))。これに伴い、画面左側(第1グループ)の始動記憶が、始動記憶グループ範囲表示領域の境界と共に、表示画面から消去される。そして、識別情報の変動表示が停止して、変動表示ゲームが終了する(図8(C))。
【0099】
その後、画面中央の円(第2グループ)の始動記憶が消化され、識別情報の変動表示が開始する(図8(D))。第2グループには2個の始動記憶が記憶されているので、表示画面が上部と下部との二つに分割され、各々において変動表示ゲームが同時に行われる。この複数の変動表示ゲームは同時に開始してもよいが、並行して行われれば、順次開始するように構成してもよい。このとき、画面中央(第2グループ)の始動記憶が、始動記憶グループ範囲表示領域の境界と共に、表示画面から消去される。そして、識別情報の変動表示が停止して、変動表示ゲームが終了する(図8(E))。
【0100】
その後、画面右側の円(第3グループ)の始動記憶が消化され、識別情報の変動表示が開始する(図8(F))。第3グループには4個の始動記憶が記憶されているので、表示画面が上下、左右に4分割され、各々において変動表示ゲームが同時に行われる。このとき、画面左側(第3グループ)の始動記憶が、始動記憶グループ範囲表示領域の境界と共に、表示画面から消去される。そして、識別情報の変動表示が停止して、変動表示ゲームが終了する(図8(G))。
【0101】
このように図8に示す例では、始動記憶をグループ毎に消化して、同一グループの始動記憶に基づく複数の変動表示ゲームを同時に行うようにしている。
【0102】
このように図8に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、同一の組み合わせに含まれる始動記憶数分の変動表示ゲームを並行して実行するので、始動記憶に基づく変動表示ゲームを短時間で終了することができる。
【0103】
図9は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、グループ毎の特別図柄始動記憶数と識別情報とが関連して変動表示ゲームが進行する場合を示す。
【0104】
図9(A)に示す状態では、識別情報の変動表示が開始しており、変動表示装置8の表示画面には、始動記憶グループ範囲表示領域を示す円が表示されている。具体的には、画面左側の円には第1グループとして1個の始動記憶が表示され、画面中央の円には第2グループとして2個の始動記憶が表示され、画面右側の円には第3グループとして3個の始動記憶が表示されている。
【0105】
そして、識別情報の変動表示が停止して、左中右の変動表示領域に停止図柄が表示される。このとき、左中右の変動表示領域に表示された停止図柄と、表示画面の左中右に表示された始動記憶グループの始動記憶数とが等しい状態で識別情報の変動表示が停止(完全な停止又は仮停止)している(図9(B))。すなわち、左の変動表示領域には「1」が表示され、画面の左側に設定された始動記憶グループ範囲表示領域(第1グループ)の始動記憶数が1で等しい。また、中の変動表示領域には「2」が表示され、画面の中央に設定された始動記憶グループ範囲表示領域(第2グループ)の始動記憶数が2で等しい。さらに、右の変動表示領域には「3」が表示され、画面の左側に設定された始動記憶グループ範囲表示領域(第3グループ)の始動記憶数が3で等しい。これにより、識別情報が再変動を開始して(図9(C))、左右中の各識別情報が順に停止する(図9(A))。この再変動によって所定の確率で大当たりが導出されるように停止図柄を制御するとよい。
【0106】
このように図9に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、同一の組み合わせに含まれる始動記憶数と所定の関係を有する識別情報が停止すると、識別情報を再変動させるので、記憶表示の組み合わせと識別情報とに関連性を持たせた新たな遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0107】
また、複数の変動表示領域に、条件成立記憶表示(始動記憶表示)と識別情報とを表示し、識別情報が該条件成立記憶表示と所定の関係を有して停止すると、識別情報を再変動させることもできる。
【0108】
また、関連する識別情報と条件成立数(始動記憶数)との各々が等しくなると、識別情報を再変動させることもできる。
【0109】
図10は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、グループ毎に始動記憶の性質が異なる場合を示す。
【0110】
図10(A)は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の表示例を示す。表示画面には4つの始動記憶グループ範囲表示領域が設けられていて、始動記憶は4つのグループに分けて表示されている。そして、この始動記憶グループ毎に、始動記憶の性質が異なる。すなわち、該始動記憶に基づいて行われる変動表示ゲームの性質が異なっている。具体的には、画面右下の星形で表される始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度(期待度)が50%以上となる。また、画面右上の三角形で表される始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が30%〜50%となる。また、画面左上の円形(楕円形)で表される始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が10%〜30%となる。また、画面左下の四角形で表される始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が10%未満となる。
【0111】
図10(B)は、図10(A)に示した始動記憶グループ範囲表示領域に始動記憶表示がされている状態を示す。また、図10(C)には、図10(B)に示す状態の大当たりへの信頼度(期待度)と始動記憶数の関係を示す。画面右下の星形の始動記憶グループ範囲表示領域には星形の始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が50%以上である変動表示ゲームを1回行うことができることを示している。また、画面右上の三角形の始動記憶グループ範囲表示領域には三角形の始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が30%〜50%である変動表示ゲームを1回行うことができることを示している。また、画面左上の円形(楕円形)の始動記憶グループ範囲表示領域には円形の始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が10%〜30%である変動表示ゲームを1回行うことができる。また、画面左下の四角形の始動記憶グループ範囲表示領域には四角形の始動記憶表示が二つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が10%未満である変動表示ゲームを2回行うことができる。
【0112】
図10に示す例では、始動記憶グループ毎(条件成立グループ毎)に、始動記憶グループ範囲表示領域(条件成立グループ範囲表示領域)の形状を異ならせて表示したので、始動記憶グループ範囲表示領域の形状によって変動表示ゲームの結果を直感的に予測することができる。
【0113】
また、始動記憶グループ毎(条件成立グループ毎)に、記憶表示の形状を異ならせて表示したので、始動記憶表示の形状によって変動表示ゲームの結果を直感的に予測することができる。
【0114】
また、始動記憶グループ範囲表示領域(条件成立グループ範囲表示領域)の形状と記憶表示の形状とを関連があるものとしたので、表示の都合で始動記憶グループ範囲表示領域の境界を消去しても、始動記憶表示の形状によって変動表示ゲームの結果を予測することができる。
【0115】
図11は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、グループ毎に始動記憶の性質が異なる場合を示す。
【0116】
図11(A)は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の表示例を示す。表示画面には4つの始動記憶グループ範囲表示領域が設けられていて、始動記憶は4つのグループに分けて表示されている。そして、この始動記憶グループ毎に、始動記憶の性質が異なる。すなわち、該始動記憶に基づいて行われる変動表示ゲームの性質が異なっている。具体的には、画面最内側の領域(1)の始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度(期待度)が50%以上となる。また、領域(1)の外側の領域(2)の始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が30%〜50%となる。また、領域(2)の外側の領域(3)の始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が10%〜30%となる。また、領域(3)の外側の領域(4)の始動記憶グループの始動記憶に基づく変動表示ゲームでは大当たりの信頼度が10%未満となる。
【0117】
図11(B)は、図11(A)に示した始動記憶グループ範囲表示領域に始動記憶表示がされている状態を示す。なお、図11(B)に示す状態の大当たりへの信頼度(期待度)と始動記憶数の関係は、前述した図10(C)に示すものと同じである。画面最内側の領域(1)の始動記憶グループ範囲表示領域には円形の始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が50%以上である変動表示ゲームを1回行うことができることを示している。また、領域(1)の外側の領域(2)の始動記憶グループ範囲表示領域には始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が30%〜50%である変動表示ゲームを1回行うことができることを示している。また、領域(2)の外側の領域(3)の始動記憶グループ範囲表示領域には始動記憶表示が一つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が10%〜30%である変動表示ゲームを1回行うことができる。また、領域(3)の外側の領域(4)の始動記憶グループ範囲表示領域には始動記憶表示が二つ表示されており、この始動記憶に基づいて大当たりの信頼度が10%未満である変動表示ゲームを2回行うことができる。
【0118】
このように図11に示す例では、始動記憶表示は同一の形状をしているが、始動記憶表示の位置によって大当たりへの信頼度を異ならせている。
【0119】
このように図10、図11に示す実施の形態では、表示制御手段(遊技制御装置100及び表示制御装置150)は、始動記憶表示数のグループによって、大当たりを導出する信頼度を異ならせるので、遊技者は始動記憶毎に、始動記憶に対する信頼度を把握することができる。
【0120】
図12は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、始動記憶数に関わらず始動記憶グループ範囲表示領域の境界が表示されている場合を示す。
【0121】
図12(A)は、始動記憶数が1の場合を示す。この状態でも表示画面には、四つの始動記憶グループ範囲表示領域の境界によって、四つの始動記憶グループ範囲表示領域が表示されている。
【0122】
図12(B)は、始動記憶数が3つ増えて、始動記憶数が4となった場合を示す。この状態では4つの始動記憶グループ範囲表示領域に各々一つずつの始動記憶表示が表示されている。
【0123】
図12(C)は、さらに始動記憶数が11増えて、始動記憶数が15となった場合を示す。この状態では四つの始動記憶グループ範囲表示領域のうち、三つの始動記憶グループ範囲表示領域に各々四つずつの始動記憶表示が、一つの始動記憶グループ範囲表示領域に各々三つずつの始動記憶表示が表示されている。
【0124】
すなわち、図12に示す例では、始動記憶数の多少に関わらず、表示画面に表示される始動記憶グループ範囲表示領域の数は一定であり、始動記憶のグループ数が増減することはない。
【0125】
このように図12に示す実施の形態では、予め始動記憶グループ数を決めておき、始動記憶数が増減しても当該数の始動記憶グループ範囲表示領域を表示画面に表示し、始動記憶グループ範囲表示領域内に表示される始動記憶数を増減する。すなわち、条件成立数が増減しても記憶表示の組の数を変えないで、当該組に対応する表示を表示領域に表示するので、条件成立記憶を分かりやすく表示することができる。
【0126】
図13は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶が追加される場合の表示態様の変化を示す。
【0127】
図13(A)に示す状態では、識別情報が変動表示をしており、画面中央の円には第2グループとして2個の始動記憶が表示され、画面右側の円には第3グループとして3個の始動記憶が表示されている。なお、この状態では、画面左側に表示される第1グループの円(始動記憶グループ範囲表示領域)は消滅している。
【0128】
そして、遊技球が始動口16に入賞し始動記憶が追加されると、画面左側に第1グループの円が表示され、この第1グループの円内に一つの星(始動記憶表示)が表示される(図13(B))。すなわち、図13に示す例では、新たに始動記憶が追加されると新しい始動記憶グループが構成され、単独の始動記憶のみで始動記憶グループを構成する。
【0129】
このように図13に示す実施の形態では、条件成立記憶が追加されるときは、新しい記憶表示の組を生成して、該新しい記憶表示の組に条件成立記憶を表示するので、新たに発生した条件成立記憶を分かりやすく表示することができる。
【0130】
図14は、変動表示装置8への特別図柄始動記憶の別の表示例を説明する図であり、特別図柄始動記憶が追加される場合の別の表示態様の変化を示す。
【0131】
図14(A)に示す状態では、識別情報の変動表示が開始しており、画面左側の円には第1グループとして2個の始動記憶が表示され、画面右側の円には第2グループとして2個の始動記憶が表示されている。
【0132】
そして、遊技球が始動口16に入賞し始動記憶が追加されると、画面上方から星(始動記憶表示)が登場して(図14(B))始動記憶グループ範囲表示領域内に移動する(図14(C))。すなわち、始動口16への入賞によって画面上方から星が降ってきて、円に吸収されるような演出表示がされる。
【0133】
このように図14に示す実施の形態では、条件成立記憶が追加されるときは、新しい記憶表示を生成して、表示領域外部(上方)から新しい記憶表示の組を移動させてきて、条件成立記憶を表示するので、新たに発生した条件成立記憶を分かりやすく表示することができる。
【0134】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上述した発明の実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】同じく遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】同じく遊技機の状態遷移図である。
【図4】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図5】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図6】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図7】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図8】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図9】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図10】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図11】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図12】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図13】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【図14】同じく特別図柄始動記憶の表示例の説明図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 変動表示装置
16 始動口
100 遊技制御装置
150 表示制御装置

Claims (2)

  1. 表示領域に識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行う変動表示装置と、該変動表示ゲームを始動可能な変動表示ゲーム始動条件の成立を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動条件成立記憶手段と、該始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に基づいて前記変動表示ゲームに係る表示を制御する表示制御手段と、を備え、
    前記変動表示ゲームの表示結果態様が大当りの表示結果態様となった場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、
    前記表示制御手段は、前記始動条件成立記憶手段に記憶された始動記憶に対応した複数の記憶表示を複数のグループに分けて表示し、前記グループ分けされた始動記憶をグループ毎に消化するように前記変動表示ゲームを実行する複数種類の変動表示ゲーム制御手順のうちの何れかを選択して変動表示ゲームを実行可能であり、
    前記変動表示ゲーム制御手順は、グループに属する始動記憶が1個の場合には1画面で当該始動記憶分の変動表示ゲームを実行する制御手順と、グループに属する始動記憶数が複数個の場合には当該グループに属する始動記憶数に表示画面を分割して、該分割された表示画面の各々において該複数個の変動表示ゲームを並行して実行する制御手順とを含むことを特徴とする遊技機。
  2. 前記グループに属する始動記憶数が複数個の場合の制御手順は、該分割された表示画面の各々において同時に変動表示ゲームの実行を開始する制御手順であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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