JP3967578B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のバーナを備えた燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
比例制御弁などの電気制御式のガス量調整機構を持たない給湯器やシャワー付き風呂釜等では、出湯温度の調整は、もっぱら、通水量を調整することで行われる。また季節ごとの水温の大幅な変化への対応は、燃料ガスが供給されるバーナの本数を手動操作で切り替えることによって行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したものでは、ガス能力をバーナ本数の切り替えにより段階的にしか変更できないので、適温を得るための水量も自ずと段階的にしか調整することができず、適温かつ適当な水量の出湯ができない場合があった。たとえば図10に示すように、バーナが4本の例えば最大能力8.5号の給湯器の場合、バーナ切替構成により、バーナ本数を4本、2本、1本と切り替えることにより能力を大中小の3段階(大8.5号、中4.3号、小2.1号)に切り替えるものでは、入水温度が23℃のときに出湯温度42℃を得るためには、能力中では毎分5.6リットルの出湯量となる(図8参照)。この出湯量は、シャワーの目皿の穴径が一定の為、シャワーの勢いが弱くて、シャワーとしては少なすぎて使い難い。一方、能力大に切り替えると毎分11.2リットルの出湯量となるが、高架水槽等で給水しているアパートの最上階等供給水圧が低い場所では、この水量が得られず、結果的に快適な42℃での出湯を得られない場合が生じる。また図10で示す破線で囲った部分のないバーナが3本の例えば最大能力6.5号の給湯器の場合でも、バーナ切替機構でバーナの本数を3本、2本、1本と切り替えるので、所定温度を得るための水量も自ずと段階的にしか調整されず、使い勝手の悪いものであった。
【0004】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、手動で能力を連続的に変更し得る燃焼装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]複数のバーナを備えた燃焼装置において、
メインバーナ(120)と、1または2以上のサブバーナ(130、140)と、口火用のパイロットバーナ(110)と、切替手段(190)と、調整手段(180)とを備え、
前記調整手段(180)は、前記サブバーナ(130、140)の全部または一部のものに供給する燃料ガスのガス量を手動の操作に基づいて変更し得るものであり、
前記切替手段(190)は、前記サブバーナ(130、140)の中で燃料ガスが供給されるものの本数を手動の操作に基づいて切り替えるものであり、
前記メインバーナ(120)は、前記調整手段(180)を介さずに燃料ガスの供給を受けるとともに前記パイロットバーナ(110)から火移りし得るように前記パイロットバーナ(110)の近傍に配置され、
前記サブバーナ(130、140)は、前記メインバーナ(120)から火移りし得るように前記メインバーナ(120)に並設され、前記調整手段(180)が最小設定値であっても、前記メインバーナ(120)は影響を受けないように設定されていることを特徴とする燃焼装置。
【0008】
]前記調整手段(180)の下流に、前記切替手段(190)を設けたことを特徴とする[]に記載の燃焼装置。
【0009】
[3]前記調整手段(180)は、バーナに供給する燃料ガスのガス圧を所定の設定値に安定化させるとともに前記設定値を手動の操作に基づいて変更し得るガス圧可変型のガスガバナであることを特徴とする[1]または[2]に記載の燃焼装置。
【0010】
[4]複数のバーナを備えた燃焼装置において、
バーナへ供給する燃料ガスのガス量を手動の操作に基づいて変更する調整手段(180)と、前記調整手段(180)を介して燃料ガスの供給を受ける1または2以上のサブバーナ(130、140)と、前記調整手段(180)を介さずに燃料ガスの供給を受けるメインバーナ(120)と、口火用のパイロットバーナ(110)とを備え、
前記メインバーナ(120)を、前記パイロットバーナ(110)から火移りし得るように前記パイロットバーナ(110)の近傍に配置し、
前記サブバーナ(130、140)は、前記メインバーナ(120)から火移りし得るように前記メインバーナ(120)に並設され、前記調整手段(180)が最小設定値であっても、前記メインバーナ(120)は影響を受けないように設定され、
前記調整手段(180)は、バーナに供給する燃料ガスのガス圧を所定の設定値に安定化させるとともに前記設定値を手動の操作に基づいて変更し得るガス圧可変型のガスガバナであることを特徴とする燃焼装置。
【0011】
[5]前記メインバーナ(120)には、前記ガスガバナを介さずに燃料ガスを供給し、 各バーナの前段に流路断面積を絞るノズルを設けるとともに、前記メインバーナ(120)の前段に設けたノズル(162)のノズル径を前記サブバーナの前段に設けたノズル(172、173)のノズル径よりも小さくしたことを特徴とする[3]または[4]に記載の燃焼装置。
【0012】
]想定される最高ガス圧で燃料ガスが供給された際における前記メインバーナ(120)の燃焼量が当該メインバーナ(120)に許容される最大燃焼量を越えない範囲で前記メインバーナ(120)の前段に設けたノズル(162)のノズル径を大きく設定することを特徴とする[]に記載の燃焼装置。
【0013】
前記本発明は次のように作用する。
切替手段(190)を操作することにより、燃料ガスの供給されるバーナの本数が手動で切り替えられる。また調整手段(180)を操作することにより、バーナに供給する燃料ガスのガス量を所定の範囲で連続的に手動で変更し得る。そして切替手段(190)と調整手段(180)とを併用することで火力調節を連続的かつ広範囲に手動調節することが可能になる。
【0014】
すなわち、大気圧バーナの場合、大きなTDR(ターンダウンレシオ)を得ることができないので、各バーナに供給する燃料ガスの量を絞るにもある程度の限界がある。したがって、調整手段(180)によるガス量調節だけでは、燃焼量を大きく変化させることはできない。そこで、バーナ本数の切り替えとガス量調節とを併用することで、連続的かつ広範囲な火力調節を可能にしている。
【0015】
調整手段(180)の下流に、切替手段(190)を設けたものでは、1つの調整手段(180)で複数のバーナへの供給ガス量を調整することができ、装置構成の簡略化が図られる。また調整手段(180)を切替手段(190)の上流に置くことにより、ガス量調節範囲の中に不連続な領域が生じることを防止できる。
【0016】
たとえば、各バーナへのガス供給量を30%まで絞ることができるとすると、調整手段(180)の下流に1つのバーナを設け、調整手段(180)の上流に切替手段(190)を設け、燃料ガスの供給されるバーナを調整手段(180)の下流の1本だけに切替設定した場合には、バーナの最大能力の0.3〜1.0の範囲で火力調整が可能になる。次に、調整手段(180)の下流に1本と調整手段(180)を通らないバーナ1本の合計2本に燃料ガスが供給されるように切り替えると、能力は、1.3〜2.0の範囲で調整可能になる。したがって、切替手段(190)によってバーナの本数を切り替えても1.0〜1.3の範囲においてはガス量を連続的に変化させることができない。
【0017】
一方、調整手段(180)の下流に切替手段(190)を配置すると、1本のバーナのときは0.3〜1.0の範囲で、2本のときは0.6〜2.0の範囲で調整可能になり、両者の範囲が重複し、不連続な領域が形成されず、最小から最大まで連続的に火力を調整することが可能になる。
【0018】
またメインバーナ(120)と、1または2以上のサブバーナ(130、140)と、口火用のパイロットバーナ(110)と、切替手段(190)と、調整手段(180)とを備えており、調整手段(180)により、サブバーナ(130、140)の全部または一部のものに供給する燃料ガスのガス量を手動調整し、切替手段(190)により、サブバーナ(130、140)の中で燃料ガスが供給されるものの本数を手動で切り替える。メインバーナ(120)は、調整手段(180)を介さずに燃料ガスの供給を受けるとともにパイロットバーナ(110)から火移りし得るようにパイロットバーナ(110)の近傍に配置されている。
【0019】
このように、パイロットバーナ(110)からの火移りにより最初に点火するメインバーナ(120)が、調整手段(180)を介さずに燃料ガスの供給を受けるので、調整手段(180)の設定にかかわらず、すなわち、調整手段(180)がガス量を絞る設定になっていても、安定した点火を確保することができる。
さらに、前記サブバーナ(130、140)は、前記メインバーナ(120)から火移りし得るように前記メインバーナ(120)に並設されている。このように、パイロットバーナ(110)の種火でメインバーナ(120)に火がつけられ、メインバーナ(120)の火でサブバーナ(130、140)に火がつけられるというごとく、順番に火移りが行われていく。
ここで前記調整手段(180)が最小設定値であっても、前記メインバーナ(120)は影響を受けない。
【0020】
なお、上記構成において切替手段(190)を必ずしも設けなくともよい。すなわち、調整手段(180)を介して燃料ガスの供給を受ける1または2以上のサブバーナ(130、140)と、調整手段(180)を介さずに燃料ガスの供給を受けるメインバーナ(120)と、口火用のパイロットバーナ(110)とを備えたものであってもよい。この場合、切替手段(190)を有しないので、サブバーナ(130、140)の本数が増えるにしたがって最小燃焼量は増加するが、最小燃焼量から最大燃焼量までの間は、連続的にガス量を調整することができる。またメインバーナ(120)には調整手段(180)を介さずに燃料ガスが供給されるので、パイロットバーナ(110)からの火移りによる確実な点火を確保することができる。
【0021】
なお調整手段(180)として、バーナに供給する燃料ガスのガス圧を所定の設定値に安定化させるとともにその設定値を手動の操作に基づいて変更し得るガス圧可変型のガスガバナを用いるとよい。通常、ガス圧の変動を吸収するためにガスガバナを用いるので、当該ガバナを設定ガス圧可変型のものにすれば、ガスガバナのほかに別途調整手段(180)を設ける場合に比べて、装置価格の低減を図ることができる。
【0022】
また、調整手段(180)としてガス圧可変型のガスガバナを用いるとともに、メインバーナ(120)には、ガスガバナを介さずに燃料ガスを供給する。そして各バーナの前段に流路断面積を絞るノズルを設けるとともに、メインバーナの前段に設けたノズル(162)のノズル径をサブバーナ(130、140)用のノズルのノズル径よりも小さくする。
【0023】
ガスガバナを有する場合には、最低ガス圧でバーナの最大燃焼量になるようにノズル径を設定すればよいが、ガスガバナを介さないメインバーナ(120)の場合には、最高ガス圧のとき、バーナの最大燃焼量になるように設定しなければ、ガス圧の変動に対応できない。
【0024】
そこで、メインバーナ(120)の前段に設けるノズルの径をサブノズル用のノズルの径よりも細くすることで、最高ガス圧で最大燃焼量になるような設定が可能になる。またノズル径を細くすることでメインバーナ(120)のガス圧に対する燃焼量の変化量が小さく抑えられるので、最高ガス圧時に最大燃焼量になるように設定しても、最低ガス圧時において安定した点火が確保される燃焼量を得ることができる。
【0025】
なお想定される最高ガス圧で燃料ガスが供給された際におけるメインバーナ(120)の燃焼量が当該メインバーナ(120)に許容される最大燃焼量を越えない範囲でメインバーナ(120)用のノズルのノズル径を大きく設定すれば、最高ガス圧の場合にはすべてのバーナにガスガバナを設けた場合とほぼ同じ燃焼量を確保できるとともに、最低ガス圧時にもより安定した点火を確保することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
図1は、バーナが3本の、給湯能力がたとえば6.5号の給湯器においての本発明の第1の実施の形態にかかる燃焼装置100の主要部を示している。バーナが4本の場合は、バーナ140と並列に設けられた図中の点線で示す第3サブバーナ145があり、給湯能力がたとえば8.5号となる。燃焼装置100は、種火となるパイロットバーナ110と、パイロットバーナ110の近傍に配置されたメインバーナ120と、メインバーナ120に並設された第1サブバーナ130と第2サブバーナ140を備えている。ここではメインバーナ120、第1サブバーナ130、第2サブバーナ140に同じバーナを使用してある。そして図示されない点火手段でパイロットバーナ110に種火がつけられバルブaが開かれることにより、パイロットバーナ110の種火でバーナ120に火がつけられ、バーナ120の火でバーナ130に火がつけられるというごとく順番に火移りが行われていく。
【0027】
燃焼装置100は、供給される燃料ガスをメインバーナ120、第1サブバーナ130および第2サブバーナ140に分配するためのガス分配室150を有している。ガス分配室150の内部は、第1ガス室160と第2ガス室170に分かれている。第1ガス室160および第2ガス室170には、それぞれガス入口部161、171が開口されており、当該ガス入口部161、171を通じてそれぞれのガス室に供給元からの燃料ガスが送り込まれるようになっている。
【0028】
第1ガス室160には、燃料ガスの出口部が開口されており、当該出口部に第1ノズル162を介してメインバーナ120が接続されている。第2ガス室170に開設されたガス入口部171の近傍にガス圧可変型ガスガバナ180が設けてある。第2ガス室170のうちガス圧可変型ガスガバナ180の下流側には、燃料ガスの出口部が2つ開口されており、その1つには第2ノズル172を介して第1サブバーナ130が、他の1つの開口には第3ノズル173を介して第2サブバーナ140が接続されている。
【0029】
ガス入口部171から流入する燃料ガスはガス圧可変型ガスガバナ180を経由して第1サブバーナ130および第2サブバーナ140へ供給されるようになっている。また第2ガス室170には、ガス圧可変型ガスガバナ180を経た燃料ガスを第1サブバーナ130だけに送り出すか、第1サブバーナ130と第2サブバーナ140の双方に送り出すか、いずれのバーナにも送り出さないかを切り替えるためのバーナ切替機構190が設けてある。
【0030】
ガス圧可変型ガスガバナ180の内部は、ダイヤフラム181で2つの部屋に仕切られており、その一方はガス入口部171に通じるとともに、第1サブバーナ130等の存する下流側へのガス出口部となる開口を有し、当該ガス出口部の周縁には弁座182が形成されている。この弁座182に対向してガス出口部の外側にガスガバナの弁体183が配置されており、当該弁体183の中心から延びる支持腕は前記開口を通じてダイヤフラム181に接続されている。すなわち、弁体183は、支持腕184を介してダイヤフラム181に吊持されている。
【0031】
ダイヤフラム181のうち支持腕184で弁体183を吊持している箇所の裏面部分の空間は開口188で大気圧に維持されるとともにダイヤフラムの裏面にはコイルバネ185の一端があてがわれており、当該コイルバネ185の他端側は、微調整つまみ186の回動操作にしたがって進退移動するバネ台座187に当接している。
【0032】
ガス入口部171から流入した燃料ガスは、弁座182と弁体183との間の隙間を通じてバーナ切替機構190の存する下流側へ流出するようになっている。ガス入口部171からガス圧可変型ガスガバナ180へと流入してくる燃料ガスのガス圧が高くなるとコイルバネ185の側にダイヤフラム181が押され、もって弁座182と弁体183との隙間が狭くなる。また燃料ガスのガス圧が低くなるとコイルバネ185の力の方が強くなって弁座182と弁体183との隙間が広がる。
【0033】
したがって、供給される燃料ガスのガス圧が変動しても、ガス圧可変型ガスガバナ180の下流側のガス圧は一定の規制ガス圧に保持される。この規制ガス圧は、コイルバネ185がダイヤフラム181を押す力に依存するので、微調整つまみ186を回動操作してバネ台座187を進退移動させることにより、規制ガス圧、すなわちガス圧可変型ガスガバナ180の下流側におけるガス圧を設定変更することが可能になっている。
【0034】
バーナ切替機構190は、内部等にガス案内路195を有する略円錐台形状の切替弁体191と、切替弁体191が嵌入される弁座体192と、切替弁体191が弁座体192の内側に密着するように押圧するバネ193と、切替弁体191から延びる回転対象軸の先に設けた能力切替つまみ194とを備えている。弁座体192には、上下および第2ノズル172と連通する箇所とに合計3つの開口が設けてある。
【0035】
切替弁体191には、図9に示すようにT字型の貫通路が設けてあり、T字の交点からさらに第2ノズル172へ通じるように貫通路が設けてある。能力切替つまみ194を回して図9(a)の位置にすると、上流からの燃料ガスは、切替弁体191の貫通路に流入しなくなり、複数のバーナのうちメインバーナ120にだけ燃料ガスが供給される。能力切替つまみ194を図9(b)の位置に回すと、上流からの燃料ガスは、メインバーナ120、第1サブバーナ130、第2サブバーナ140、第3サブバーナ145の全てに供給される。能力切替つまみ194を回して図9(c)の位置にすると、上流からの燃料ガスは、メインバーナ120と第1サブバーナ130にだけ供給される。
【0036】
したがって、第3サブバーナを有する4本構成の場合には、能力切替つまみ194を操作することにより、バーナの本数を1本、2本、4本の何れかに切り替え可能になっている。また第3サブバーナがない3本構成の場合には、能力切替つまみ194を操作することにより、バーナの本数を1本、2本、3本の何れかに切り替え可能になっている。たとえば、バーナ4本構成の場合には、能力切替つまみ194を図9(a)の位置に設定すると、2.1号の能力となり、図9(b)では8.5号の能力となり、図9(c)では4.3号の能力になる。バーナ3本構成の場合には、能力切替つまみ194を図9(a)の位置に設定すると、2.2号の能力となり、図9(b)では6.5号の能力となり、図9(c)では4.3号の能力になる。
【0037】
次に、第1ノズル162、第2ノズル172、第3ノズル173の各ノズル径について説明する。なお第4ノズル174は第3ノズル173と同一径になっている。
【0038】
図2の上部グラフ210は、供給されるガス圧(P)と各ノズル162、172、173の入側でのガス圧(P)との関係を示したものであり、下部グラフ220は、供給されるガス圧(P)と各バーナの燃焼量(Q)との関係を示したものである。
【0039】
上部グラフ210の実線211は、供給されるガス圧とメインバーナ120用の第1ノズル162入側でのガス圧との関係を示している。第1ノズル162へはガスガバナを経ずに燃料ガスが供給されるので、第1ノズル162の入側ガス圧と供給ガス圧は等しくなる。
【0040】
上部グラフ210の実線212および点線213は、供給されるガス圧と第1サブバーナ130用の第2ノズル172入側でのガス圧との関係を示している。このうち実線212は、ガス圧可変型ガスガバナ180における規制ガス圧の設定値を最も高くした(最大設定値にした)場合の特性であり、点線213は、微調整つまみ186を調整して規制ガス圧を最も低く設定した(最小設定値にした)場合の特性を示している。なお第2サブバーナ140用の第3ノズル173入側でのガス圧は、第2ノズル172入側のガス圧と同じになる。
【0041】
ガス圧可変型ガスガバナ180を経由することにより、供給ガス圧が規制ガス圧以下の場合には、ノズル172、173の入側圧力Pはほぼ供給ガス圧と等しくなり、供給ガス圧がガス圧可変型ガスガバナ180の規制ガス圧以上の領域では、供給ガス圧にかかわらずノズル172、173の入側圧力Pは、ほぼ設定した規制ガス圧に維持される。
【0042】
ガス会社の燃料ガス供給量と需要との関係で供給ガス圧PがJIS2093で指定される最低供給ガス圧Pminと最高供給ガス圧Pmaxの間で変動するものとすると、供給ガス圧にかかわらずノズルへのガス圧を一定にするためには、ガス圧可変型ガスガバナ180を最大設定値にした場合におけるノズル172の入側におけるガス圧、すなわち、最大設定値におけるガス圧可変型ガスガバナ180の規制ガス圧(最大規制ガス圧)が最低供給ガス圧Pminとほぼ等しい値になればよい。
【0043】
またバーナのTDRを考慮すると、例えばTDR=3.3の時には、最大インプット時の30パーセント程度のインプットを最低でも確保する必要がある。そこで、ガス圧可変型ガスガバナ180を最大設定値にセットした状態での第1サブバーナ130のインプットが最大インプット(100%)になるように設定する場合には、ガス圧可変型ガスガバナ180を最小設定値にセットしたときのインプットが最大インプットの略30%になるように最小設定値におけるガス圧可変型ガスガバナ180の規制ガス圧(最小規制ガス圧)を設定することになる。
【0044】
上部グラフ210の実線212および点線213に示すように、ガス圧可変型ガスガバナ180を経由することにより、供給ガス圧が規制ガス圧以下の場合には、ノズル172、173の入側圧力Pはほぼ供給ガス圧と等しくなり、供給ガス圧がガス圧可変型ガスガバナ180の規制ガス圧以上の領域では、供給ガス圧にかかわらずノズル172、173の入側圧力Pは、ほぼ設定した規制ガス圧に維持される。
【0045】
その結果、ガス圧可変型ガスガバナ180を最大設定値にしたとき、第1サブバーナ130、第2サブバーナ140の燃焼量は、下部グラフ220の実線222が示すように変化し、供給ガス圧が規制ガス圧(最低供給ガス圧Pminとほぼ同じ。但し、圧損があるので実際には最低供給ガス圧より少し低い値として例えばインプットに換算して95%程度となるような値を示す。したがって、例えばPmin×0.8=規制ガス圧とすればより好ましい。)に到達するまでは、供給ガス圧に応じて燃焼量が増加し、供給ガス圧が最低供給ガス圧Pmin以上になると、ほぼ一定の燃焼量、すなわち最大インプットでの燃焼になる。ガス圧可変型ガスガバナ180を最小設定値にしたときは、下部グラフ220の点線223が示すように、供給ガス圧が最小規制ガス圧以上の領域において、最大インプットの約30パーセントの一定燃焼量になる。
【0046】
一方、メインバーナ120は、ガスガバナを介さずに燃料ガスの供給を受けるので、その燃焼量は供給ガス圧にほぼ比例して変化する。したがって、JISで定められた最高供給ガス圧Pmaxにおいてバーナの燃焼量の上限である最大インプットになるように設定すれば、バーナの能力を十分に発揮させた設計とすることができる。ここで例えばメインバーナ120は、第1サブバーナ130および第2サブバーナ140と同じタイプのバーナなので、最高供給ガス圧Pmaxにおけるメインバーナ120の燃焼量が、第1サブバーナ130および第2サブバーナ140の最大インプット時の燃焼量と等しくなるようになればよいことになる。
【0047】
以上の条件が満足されるように、各ノズル径を設定する。ここでバーナの燃焼量は次式で求められる。
【0048】
【数1】
Figure 0003967578
上式において、Qはガス流量で単位は、Nm/h(1Nmは、0℃、大気圧=101.3Kpa時のガス1mを示す)である。Dはノズル径(単位はミリメートル、mm)、kは流量係数、dは空気の比重を1とした時のガス比重、Pはノズルガス圧(単位はパスカル、Pa)である。たとえば、kは0.8などの所定値に定まり、dは燃料ガスの種類によって定まる。ガス種が13A−0の場合には、d=0.67になる。なお13A−0の場合、46200キロジュール(KJ)=1Nmになる。
【0049】
第1サブバーナ130および第2サブバーナ140については、ノズルガス圧Pがガス圧可変型ガスガバナ180の最大規制ガス圧のとき、燃焼量が必要な最大インプットQmaxになればよいので、既知のk、dとノズルガス圧Pとして最大規制ガス圧に相当する最小供給ガス圧Pminを(1)式に代入することで、第2ノズル172および第3ノズル173のノズル径を求めることができる。
【0050】
メインバーナ120は、ノズルガス圧Pが最高供給ガス圧Pmaxのときに最大燃焼量Qmaxになればよいので、既知のk、dとノズルガス圧PとしてPmaxを(1)式に代入することで、第1ノズル162のノズル径を求めることができる。
【0051】
ここで、たとえば4本のバーナによる給湯能力を8.5号にする場合についての具体的数値を検討してみる。8.5号の給湯能力とは毎分8.5リットルの水を25℃温度上昇させるために必要な熱量なので、バーナ1本当たりの燃焼量は、8.5×25×60÷0.83×4.2÷4=16129KJ/h(キロジュール毎時)になる。なお式中の0.83は、熱効率である。また最低供給ガス圧は1Kパスカル、最高供給ガス圧を2.5Kパスカルとする。またガス種を13A−0として上記の燃焼量をガス流量に換算すると、46200KJ=1Nmなので、0.3491Nm/hになる。
【0052】
まず、サブバーナ用のノズル径を求める。サブバーナ130、140、145は、最大インプットが最低供給ガス圧で得られるようにするので、(1)式に、Q=0.3491Nm/h、k=0.8、d=0.67、Pとして最小供給ガス圧である1KPaを代入する。これにより、D=φ1.79mmが求まる((1)式で計算した答えは端数が出るが、ドリル径は1/100mm以下では価格が高くなるのでφ1.79mmとした。逆にφ1.79mmの時に(1)式から求められる燃焼量は16076KJ/hとなる)。
【0053】
メインバーナ120は、最高供給ガス圧のとき最大インプットになるようにすればよいので、(1)式に、Q=0.3491Nm/h、k=0.8、d=0.67、Pとして最高供給ガス圧である2.5KPaを代入する。これによりメインバーナ用のノズル径としてD=φ1.43mmが求まる(φ1.43、P、2.5KPa時の燃焼量は16222KJ/hとなる)。
【0054】
このようにして各ノズル径を設定することにより、最高供給ガス圧時には、各バーナがいずれも最大インプット(実際は16076×3+16222KJ/hであるが、以下16076として示す)で燃焼することになるので、4本ともガスガバナを介して燃料ガスを供給する場合と、同一の燃焼性が得られる。一方、最低供給ガス圧のとき、3本のサブバーナは、15272KJ/h(16076の約95%相当、5%は圧損による損失分)で燃焼し、メインバーナは、10260KJ/h(16076KJ/hの約64%相当)で燃焼する(グラフ220参照)。
【0055】
したがって、4本のバーナ全体では、4本ともガスガバナを通したものと比較して8パーセント程度のインプットダウンに抑えることができる。上記8パーセントダウンの数値は、標準ガス圧P=2Kパスカルの時を1.0としたとき、4本ともガスガバナのものでは0.95になり、1本のメインバーナへはガスガバナを介さずに残り3本のサブバーナはガスガバナを介した場合に燃料ガスを供給する本発明によるものでは0.87になることに基づくものである。
【0056】
次に、火移りについて検討してみる。火移りの条件としては、パイロットバーナ(通常は炎口1ヶ)に対応する受け手側バーナ(本願の場合はメインバーナ)の対応炎口面の面積およびその炎口から出るガス供給量がある。つまり火移りの条件としては、パイロットバーナ〜メインバーナ間では、ガス供給量の少ない最低供給ガス圧時で火移りし難い。また4本ともガス圧可変型ガスガバナを通している場合は、ガバナを最小設定値にした場合がこれにあたる。なお、メインバーナ〜サブバーナ間は、対応する炎口がたとえばそれぞれ17個あるのでガス供給量の少ない最低供給ガス圧時でも火移りし易い。そこで、1本目のメインバーナもガス可変型ガスガバナを通した場合を考えてみると、ガバナを最小設定値(最大インプットの30パーセント、P=90パスカル)にした時は、1本目のメインバーナの燃焼量が5334KJ/hとなってしまい(68パーセントダウン)、パイロットバーナ〜メインバーナ間の火移りが良好に行われない恐れがある。これに対して1本目のメインバーナをガスガバナを通さない本発明では、10260KJ/hの燃焼量(33パーセントダウン)になるので、十分良好な火移りが行える。なお、上記の燃焼量ダウンのパーセントは、供給ガス圧が最低供給ガス圧(1Kパスカル)のときの燃焼量15272KJ/hを1としたとき、4本ともガスガバナを通すものではメインバーナの燃焼量が0.32の比率になり、この実施の形態では0.67の比率になることに基づくものである。
【0057】
つまり、お客様が任意で設定するガス圧微調整つまみ186の位置が最小設定値であっても、また供給ガス圧が最低供給ガス圧となっても火移りには重要な1本目のバーナの能力ダウンの値が大きくないので、最低供給ガス圧時の点火性能を保つことができる。この点火性能は、同一の構造で、多くのガス種に対応する器具において特に有効で、点火性能にきびしいL1や5C、L3等のガス種において、特に点火性能の優位性が表れる。
【0058】
上述の例では、最高供給ガス圧のときバーナの最大インプット(100%)になるようにもってきたが、バーナの性能は、インプットを120%程度まで上げても良好に燃焼できるものが用いられるのが通例であるから、最高供給ガス圧よりもある程度低い供給ガス圧においてバーナの最大インプット(100%)になるようにノズル径を設定してもよい。
【0059】
図3では、実線301は、ガスガバナを通したバーナについての燃焼特性を示し、破線302は、最高供給ガス圧(2.5Kパスカル)のときインプットが100%になるように設定した場合の燃焼特性である。このときのノズル径はφ1.43mmである。実線303は、供給ガス圧が2Kパスカルのときに100%のインプットになる場合の供給されるガス圧(P)と各バーナの燃焼量(Q)との関係を示すグラフであり、このときのノズル径はφ1.51mmである。実線303の場合、供給ガス圧が標準(Pstd=2KPa)の時に100%の燃焼量としているので、最高供給ガス圧の2.5Kパスカルになると、113%の燃焼量になる。
【0060】
当該燃焼量は、バーナの許容上限である120%以下なので、特に問題なく燃焼できる。なお4本のバーナすべてを120%で燃焼させた場合、バーナの燃焼性能的には問題は生じないが、上記の例のように最高供給ガス圧時に1本だけ燃焼量が113%となり他の3本が100%となる場合には、まったく問題を生じない。このようにメインバーナが最大インプット(100%)になるときの供給ガス圧は、必ずしも最高供給ガス圧である必要はなく、多少の上下は許容される。なお、3本のバーナによる給湯能力6.5号にする場合も前記のように計算、設計を行えばよい。
【0061】
次に、本実施の形態にかかる燃焼装置の作用を説明する。
先に3本のバーナによる給湯能力6.5号の場合について、最高供給ガス圧のときメインバーナが最大インプット(100%)になるようにもってくる場合について説明すると、燃焼量を最小に設定するには、バーナ切替機構190の能力切替つまみ194を手動操作して第1サブバーナ130および第2サブバーナ140への燃料ガスの供給を停止する。この状態では、メインバーナ120だけに燃料ガスが供給され、バーナ1本分の燃焼量となる。
【0062】
燃焼量を上げるには、能力切替つまみ194を手動操作してメインバーナ120に加えて第1サブバーナ130にも燃料ガスを供給する。ガス圧可変型ガスガバナ180の微調整つまみ186を手動操作することにより、第1サブバーナ130の燃焼量は、その最大燃焼量を1としたとき0.3〜1の範囲で増減する。したがって、燃料ガスの供給圧が最高供給ガス圧Pmaxの場合にはメインバーナ120もほぼ1の燃焼量になるので、メインバーナ120と第1サブバーナ130の2本により、1.3〜2.0の範囲で燃焼量を手動調整することが可能になる。なお、1.0〜1.3の間は、水量等の調整で適温の出湯温を得る。
【0063】
バーナ切替機構190の能力切替つまみ194を手動操作してメインバーナ120に加えて第1サブバーナ130および第2サブバーナ140にも燃料ガスを供給すると、ガス圧可変型ガスガバナ180を調整することで第1サブバーナ130および第2サブバーナ140の合計の燃焼量を0.6〜2.0の範囲で調整することができる。すなわち3本の合計では、1.6〜3.0の範囲で燃焼量が調整可能になる。
【0064】
したがって、バーナ切替機構190によるバーナの本数切替とガス圧可変型ガスガバナ180によるガス圧調整により、最高供給ガス圧時の燃焼量を、1のほか1.3〜3.0の範囲で連続的に調整することができる。このことから、標準供給ガス圧時の燃焼量はメインバーナでは(1)式から√(2/2.5)=0.9、サブバーナは供給ガス圧で燃焼量が変わらないことから、燃焼量は0.9のほか1.2〜2.9の範囲で連続的に調整できる。したがって、0.9〜1.2の間だけ水量による調整で適温設定するだけで他の所はガス量の調整で適温が得られることとなる。なお前述の0.9〜1.2の数値は、標準供給ガス圧のときメインバーナを最大インプット(100%)にもってくる場合には1〜1.3となる。次に4本のバーナによる給湯能力8.5号の場合について説明すると、水量による調整が必要となるのは燃焼量0.9〜1.2または1〜1.3となり、水量のみでしか温度調整できない範囲はごくわずかしか存在しないこととなる。
【0065】
図4は、4本のバーナによる給湯能力8.5号の場合で標準供給ガス圧のときメインバーナを最大インプット(100%)となるように設定した場合の標準供給ガス圧時における、加熱による上昇温度と水量との関係を各種の燃焼量について示したものである。メインバーナ120だけを燃焼させる場合には、給湯能力は2.1号となって最下部の実線401が示すようになり、メインバーナ120と第1サブバーナ130の2本を燃焼させる場合には、ガス圧可変型ガスガバナ180を調整することで給湯能力2.8号〜4.3号となって実線402〜実線403の範囲で調整することができる。またメインバーナ120、第1サブバーナ130および第2サブバーナ140、第3サブバーナ145のすべてを燃焼させる場合には、給湯能力4号〜8.5号となって実線404〜実線405の示す範囲で水量と上昇温度との関係を調整することが可能になる。しがたって、たとえば水温23℃のときに42℃の出湯を、毎分の出湯量が約3.7リットルから11.2リットルの範囲でほぼ連続して選択することが可能になる。
【0066】
またパイロットバーナ110から火移りさせるメインバーナ120については、ガス圧可変型ガスガバナ180を介さずに燃料ガスを供給するので、ガス圧可変型ガスガバナ180を最小設定値に調整してある場合でも、その影響を受けることなく安定した点火を確保することができる。
【0067】
またメインバーナ120用の第1ノズル162のノズル径を第1サブバーナ130や第2サブバーナ140用のノズル172、173のノズル径よりも細くしてあるので、ガスガバナを経ずに燃料ガスを供給しても、供給ガス圧の変動に対してメインバーナ120の燃焼の悪化が少なく抑えられる。すなわち、最高供給ガス圧時と最低供給ガス圧時とでメインバーナ120の燃焼量の差があるものの、最高供給ガス圧時にメインバーナ120の燃焼量がその最大許容値を越えないようにしつつ、メインバーナ120はガス圧可変型ガスガバナを通さないようにしているので、ガバナの設定圧がどこにあろうとも影響を受けることなくパイロットバーナ110からの火移りによる確実な点火を確保するに必要なガス量を得ることができる。
【0068】
さらに、供給ガス圧の変動に対するメインバーナ120の燃焼量の変動幅はあるものの、最高供給ガス圧時のとき、メインバーナ120を最大インプット(100%)となるように設定し、この時の最大燃焼量を1とした場合、メインバーナ1本とサブバーナ2本の計3本のバーナの場合で、供給ガス種が13A−0の場合(ガス種により供給ガス圧の最低、標準、最高は異なる。詳細はJISに定められる)最低供給ガス圧となっても2.5(0.95×2+0.64)にしかならず、またメインバーナ1本とサブバーナ3本の4本バーナの構成にした場合は、3.5(0.95×3+0.64)となる。したがって、メインバーナ120にも別途のガスガバナを設けて最低供給ガス圧以上の領域で常にメインバーナ120が最大インプットになるように構成した場合では、バーナが3本の場合は2.9(0.95×3)でバーナが4本の場合は3.8(0.95×4)となるので、これに比べても、ほとんど実用上支障のない能力を確保することができる。すなわち、燃料ガスの供給圧が最高供給ガス圧の場合には、ガスガバナを設けた場合は同じ能力を得ることができる。また燃料ガスの供給圧が最低供給ガス圧になった場合でも、メインバーナ120の燃焼量を最大時の3分の2程度確保できるので、3本のバーナ全体で見ると最高供給ガス圧時の9分の8程度の能力を得ることができる。またメインバーナ1本とサブバーナ3本の構成にした場合には、最高供給ガス圧時の12分の11程度の能力を最低供給ガス圧時に得ることができ、供給ガス圧の違いによる能力変動はほとんど問題にならない。
【0069】
このようにメインバーナ120に対して別途のガスガバナを設けなくても点火性能および最低供給ガス圧時の能力を十分確保できるので、別途のガスガバナを設けることによる装置価格の高騰が防止される。
【0070】
次に第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、図5(a)、(b)に示すように、パイロットバーナ501の近傍に設けたメインバーナ502にはガスガバナを経ずに燃料ガスを供給し、バーナ切替機構503でサブバーナ504の本数を切替可能にするとともに、バーナ切替機構503の上流にガス圧可変型ガスガバナ505を配置した構成であった。これに対し第2の実施の形態にかかる燃焼装置では、図6に示すようにバーナ切替機構503を設けずに、ガス圧可変型ガスガバナ505の下流に直接サブバーナ504を接続してある。なお第1の実施の形態で示したものと同様に、メインバーナ502用のノズルのノズル径はサブバーナ504用のノズルのノズル径よりも細くしてあり、最高供給ガス圧時又は標準ガス圧時にメインバーナ502がほぼ最大インプットになるようになっている。
【0071】
図6に示したものでは、各バーナの最大インプット時の能力を1とし、サブバーナ504を最小設定値にしたときの能力を0.3とすると、最高供給ガス圧時には、1.6〜3の範囲で連続的に能力調整が可能になっている。また最低供給ガス圧時には、メインバーナ502のインプットが最大時の64%程度に低下するとして、1.2〜2.6の範囲で連続的に能力調整が可能になっている。標準供給ガス圧時に最大インプット(100%)となるようにした場合はそれぞれ71%、1.3〜2.7となる。
【0072】
第2の実施の形態の場合、バーナ切替機構503を具備しない分だけ、調整範囲の最小値が大きくなるが、ガス圧可変型ガスガバナ505の下流に接続するバーナの本数が1ないし2本程度であれば、シャワーをあびるのに十分な能力可変範囲を確保でき、入水温度にかかわらず適温かつ適量の出湯が可能になる。またガス圧可変型ガスガバナ505の設定状態や供給ガス圧にかかわらず、メインバーナ502への確実な火移りが確保される。したがってバーナ本数が3本のたとえば給湯能力6.5号のようなタイプに向いている。
【0073】
図7は、参考例にかかる燃焼装置の概略構成を示している。この例では、パイロットバーナ501からの火移りを受け持つメインバーナ502も、ガス圧可変型ガスガバナ505を経て燃料ガスの供給を受けるようになっている。この場合、ガス圧可変型ガスガバナ505における最小規制ガス圧を最大時の半分程度にすると、ほぼ連続的な能力可変を可能にしつつ、安定した火移りによる点火を確保できる。
【0074】
すなわち、メインバーナ502だけに燃料ガスが供給される場合には、0.5〜1.0の範囲で能力が調整可能となる。またサブバーナ504を1本追加すると、1.0〜2.0の範囲で、さらにサブバーナ504を2本に切り替えると、1.5〜3.0の範囲で能力調整が可能になる。すなわち、全体としては0.5から3.0の範囲で能力調整が可能になる。またガス圧可変型ガスガバナ505の設定値を最小にした状態であっても、メインバーナ502には最大時の50パーセントの燃料ガスが供給されるので、ほぼ確実な点火性能を確保することができる。
【0075】
またガス圧可変型ガスガバナ505の設定値を最小にした際に、メインバーナ502に最大時の60パーセントの燃料ガスが供給されるように設定した場合であっても、0.6〜1.0と1.2〜3.0の範囲では連続的に燃焼量を変更することができる。第3の実施の形態の場合、ガス圧可変型ガスガバナの最小値を0.5や0.6等あまり小さく設定することができない。しかし第2の実施の形態と異なり、ガバナ505の下流に接続できるバーナの本数を4本とする例えば給湯能力8.5のようなタイプでも使用できる((b)の実施の形態)。ガバナ505の最小値を0.6にした場合、0.6〜1.0、1.2〜2.0、2.4〜4.0の範囲で連続的に燃焼量を変更できる。
【0076】
例えば2.0〜2.4間は、燃焼量を可変することができない。これは給湯能力では4.25号〜5.1号(4=8.5号)であり、入水温度が23℃のときに出湯温度42℃を得ることを考えると、毎分5.6リットル〜6.7リットルの間の出湯量を得ることができないことを示す。蛇口からお湯を出す場合にせよシャワーをあびるにせよ、1〜2リットル程度は体感的に感じるほどの差異ではない。したがって水量によって適温を得るのに支障のない程度の欠落であり実用性の高い実施の形態である。
【0077】
次に(C)の実施の形態について説明する。これは前記実施の形態のバーナ1本の燃焼を燃焼能力の小さい2本のバーナとしたバーナ本数8本で例えば給湯能力8.5号の例である。この場合には、前記のような欠落は発生せず(0.9〜1.5、1.5〜2.5、2.4〜4)0.9〜4.0の範囲で連続的に燃焼量を変えられる。
【0078】
以上説明した実施の形態で示した、バーナ切替機構190の構造は一例であり、これに限定されるものではない。またノズルの代わりにオリフィスを形成してもよい。さらに最低供給ガス圧=規制ガス圧の例を示してきたが、これに限定することなく例えば、標準供給ガス圧=規制ガス圧としてもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明にかかる燃焼装置によれば、手動操作によるバーナ本数の切り替えと手動操作によりガス量調節とを併用するので、連続的かつ広範囲な火力調節を可能にし、適温かつ適量な出湯を入水温度にかかわらず実現することができる。
【0080】
またパイロットバーナからの火移りにより最初に点火するメインバーナについては調整手段を介さずに燃料ガスを供給するようにしたので、調整手段の設定値にかかわらず、すなわち、調整手段がガス量を絞る設定になっていても、安定した点火を確保することができる。
またサブバーナを、メインバーナから火移りし得るようにメインバーナに並設したので、パイロットバーナの種火でメインバーナに火がつけられ、メインバーナの火でサブバーナに火がつけられるというごとく、順番に火移りが行われていく。ここで前記調整手段が最小設定値であっても、前記メインバーナは影響を受けない。
【0081】
さらに調整手段としてガス圧可変型のガスガバナを用いるとともに、メインバーナには、ガスガバナを介さずに燃料ガスを供給し、メインバーナの前段に設けるノズルの径をサブバーナ用のノズルの径よりも小さくしたものでは、メインバーナの供給ガス圧に対する燃焼量の変化量の変化はあるものの、最高ガス圧時等に最大燃焼量になるように設定しても、最低ガス圧時に安定した点火ができるだけの燃焼量を確保することができる。
【0082】
なお想定される最高ガス圧で燃料ガスが供給された際におけるメインバーナの燃焼量が当該メインバーナに許容される最大燃焼量を越えない範囲でメインバーナ用のノズルのノズル径を大きく設定すれば、標準ガス圧の場合にはすべてのバーナにガスガバナを設けた場合とほぼ同じ燃焼量を確保できるとともに、最低ガス圧時にもより安定した点火を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼装置の主要部を示す部分断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼装置における供給ガス圧とノズルガス圧との関係および供給ガス圧と燃焼量との関係を示す説明図である。
【図3】最高供給ガス圧よりも低い供給ガス圧で最大インプットになるようにノズル径を設定した場合における供給ガス圧と燃焼量との関係を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼装置での加熱による上昇温度と水量との関係を各種の燃焼量について示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る燃焼装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る燃焼装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の参考例に係る燃焼装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来から使用されているバーナ本数切替型の燃焼装置における上昇温度と水量との関係を示す説明図である。
【図9】従来から使用されているバーナ本数切替型の燃焼装置の主要部を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における燃焼装置の有する切替弁の位置と流路の開通状態と燃料ガスの供給されるバーナ本数との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
100…燃焼装置
110…パイロットバーナ
120…メインバーナ
130…第1サブバーナ
140…第2サブバーナ
145…第3サブバーナ
150…ガス分配室
160…第1ガス室
161、171…ガス入口部
162…第1ノズル
170…第2ガス室
172…第2ノズル
173…第3ノズル
174…第4ノズル
180…ガス圧可変型ガスガバナ
181…ダイヤフラム
182…弁座
183…弁体
184…支持腕
185…コイルバネ
186…微調整つまみ
187…バネ台座
190…バーナ切替機構
191…切替弁体
192…弁座体
193…バネ
194…能力切替つまみ
195…ガス案内路
210…上部グラフ
220…下部グラフ
501…パイロットバーナ
502…メインバーナ
503…バーナ切替機構
504…サブバーナ
505…ガス圧可変型ガスガバナ

Claims (6)

  1. 複数のバーナを備えた燃焼装置において、
    メインバーナと、1または2以上のサブバーナと、口火用のパイロットバーナと、切替手段と、調整手段とを備え、
    前記調整手段は、前記サブバーナの全部または一部のものに供給する燃料ガスのガス量を手動の操作に基づいて変更し得るものであり、
    前記切替手段は、前記サブバーナの中で燃料ガスが供給されるものの本数を手動の操作に基づいて切り替えるものであり、
    前記メインバーナは、前記調整手段を介さずに燃料ガスの供給を受けるとともに前記パイロットバーナから火移りし得るように前記パイロットバーナの近傍に配置され、
    前記サブバーナは、前記メインバーナから火移りし得るように前記メインバーナに並設され、前記調整手段が最小設定値であっても、前記メインバーナは影響を受けないように設定されていることを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記調整手段の下流に、前記切替手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記調整手段は、バーナに供給する燃料ガスのガス圧を所定の設定値に安定化させるとともに前記設定値を手動の操作に基づいて変更し得るガス圧可変型のガスガバナであることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼装置。
  4. 複数のバーナを備えた燃焼装置において、
    バーナへ供給する燃料ガスのガス量を手動の操作に基づいて変更する調整手段と、前記調整手段を介して燃料ガスの供給を受ける1または2以上のサブバーナと、前記調整手段を介さずに燃料ガスの供給を受けるメインバーナと、口火用のパイロットバーナとを備え、
    前記メインバーナを、前記パイロットバーナから火移りし得るように前記パイロットバーナの近傍に配置し、
    前記サブバーナは、前記メインバーナから火移りし得るように前記メインバーナに並設され、前記調整手段が最小設定値であっても、前記メインバーナは影響を受けないように設定され、
    前記調整手段は、バーナに供給する燃料ガスのガス圧を所定の設定値に安定化させるとともに前記設定値を手動の操作に基づいて変更し得るガス圧可変型のガスガバナであることを特徴とする燃焼装置。
  5. 前記メインバーナには、前記ガスガバナを介さずに燃料ガスを供給し、
    各バーナの前段に流路断面積を絞るノズルを設けるとともに、前記メインバーナの前段に設けたノズルのノズル径を前記サブバーナの前段に設けたノズルのノズル径よりも小さくしたことを特徴とする請求項3または4に記載の燃焼装置。
  6. 想定される最高ガス圧で燃料ガスが供給された際における前記メインバーナの燃焼量が当該メインバーナに許容される最大燃焼量を越えない範囲で前記メインバーナの前段に設けたノズルのノズル径を大きく設定することを特徴とする請求項5に記載の燃焼装置。
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