JP3967481B2 - 燃焼機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器や風呂釜等のバーナ燃焼式の燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、このような燃焼機器の概略構成を示す図である。
図において、燃焼機器1は、器具本体内の燃焼室3の下方側にバーナ4が設けられており、このバーナ4の下方側には給排気用の燃焼ファン5が設置されている。バーナ4には、燃料ガスが供給されるようになっている。
【0003】
燃焼室3の上方側には給湯熱交換器11が設置されており、この給湯熱交換器11の入側には給水管12が接続され、また、給湯熱交換器11の出側には給湯管13が接続されている。給水管12には給水温度を検出する入水温度センサ14と、入水流量を検出する流量センサ15が設けられており、給湯管13側には給湯温度を検出する出湯温度センサ16が設けられている。
【0004】
この種の器具の燃焼運転は制御装置17によって行われており、この制御装置17には、通常、給湯温度の設定や、この設定された温度の表示等を行うリモコン(図示せず)が接続されている。
【0005】
なお、図中、18は燃料ガスの点火を行うイグナイタ電極、20はバーナ4の火炎を検出するフレームロッド電極、21は燃焼ファン5の回転検出を行うホールIC等のファン回転検出センサである。
【0006】
この種の器具では、給湯管13の先端側に設けられる出湯栓(図示せず)が開けられると、給水管12から水が入り込み、この水の流れが流量センサ15により検出されたときに、制御装置17は、燃焼ファン5を回転し、電磁弁8と比例弁10を開け、イグナイタ電極18を駆動して点火を行う。そして、フレームロッド電極20が炎を検知したことを確認して、比例弁10の開弁駆動電流を制御し、出湯温度が設定温度になるようにガス供給量(比例弁10の開弁量)およびこのガス供給量に見合う空気を供給すべく、燃焼ファン5の回転制御を行う。
【0007】
燃焼により発生した排気は、器具上部に設けられた排気通路6を通って排気管を介して、例えば屋外に排出されるようになっている。
また、器具内には、バーナ4の下部の空気室の圧力と、燃焼室3の圧力を導入して、差圧により、器具内を流れる空気量を検出するための風量センサ23が設けられている。風量センサ23の出力は、器具の運転制御を行う制御装置17に入力されるようになっており、これにより、制御装置17は、排気通路6や図示しない排気管の通風詰まりによる劣化や器具寿命を判断する。
すなわち、制御装置17は、器具の通気通路等の詰まりによる燃焼性能の悪化状況を的確に判断して、器具の寿命判定を正確に行うようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような燃焼機器1は、例えば図11に示すように、壁Wを利用して屋外に取付けられて、排気口41から直接排気を外気に排出するように取り付けることができる。
このように施工される場合には問題がないが、図12に示すように燃焼機器1を建物内の壁Wに取付けて、その排気口に排気用の煙突(排気管)を接続して建物内を比較的長い距離引回し、外壁WOの外部に排気口43を設けることによって、燃焼排気を建物の外に排出しなければならない場合がある。
【0009】
図12の場合には、排気管42を長く設けた分だけ、排気の先抵抗が大きくなり、燃焼ファン5の回転数が一定の場合には、その分燃焼空気が不足することになる。
そして、この場合には、上述の自己診断機能においては、排気通路の詰まりと上述のような排気管の延長による先抵抗と区別することが出来ず、誤った診断を下してしまうことになる。
【0010】
また、このような燃焼機器1では、燃料ガスのインプット量に対応して、燃焼空気の供給量が制御装置17により調整されている。
すなわち、図13に示されているように、ガス供給量(比例弁10の開弁量)に対応して、燃焼ファン5の回転数を制御し、理想的な空燃比Rに近づくように燃焼制御が行われている。
ここで、比例弁10を急激に開いて供給ガス量を急増させた時に、燃焼ファン5の回転数増加が時間的に追いつかず、供給空気量の増加が立ち遅れると、燃焼用空気が不足して、不完全燃焼や共鳴音の発生が生じる場合がある。そこで、制御装置17は、ローリミッタLを備えており、比例弁10の開度に比較して、ファン回転数が低くなった場合には、比例弁10の働きを止めて、ファン5の回転の立ち上がりを待つようになっている。
【0011】
そして、上述のように排気管の延長にともない先抵抗が発生すると、ファン5の回転数が高くても、燃焼用空気の不足する割合は高くなり、制御装置17が図13のようなローリミッタLを備えていても、低空気比による共鳴音が発生してしまうことがある。
【0012】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、排気管が延長された場合にも、器具の通気通路等の詰まりによる燃焼性能の悪化状況を的確に判断して、器具の寿命判定を正確に行うことができる燃焼機器を提供し、さらに、低空気比による共鳴音の発生等を防止することができる燃焼機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、給排気用の燃焼ファンと、この燃焼ファンによってバーナに供給される空気流量を直接的又は間接的に検出する空気供給量検出センサとを備え、器具の通気通路等の燃焼性能の劣化状態を自己診断する燃焼機器において、器具の排気手段の設置長さに対応して、前記自己診断運転に入る前に、前記通風劣化判断のための判定基準を補正する構成とともに、前記燃焼ファンの回転数に対応させて燃料ガスの供給量を制御するとともに、燃料供給量に比べて空気供給量の増加がおくれた場合に燃料供給量の増加を停止するファンリミッターを備えており、前記排気手段の設置長さが延長された場合には、前記ファンリミッターの動作タイミングを変更する構成とした燃焼機器により、達成される。
また、上記目的は、請求項2の発明によれば、給排気用の燃焼ファンと、この燃焼ファンによってバーナに供給される空気流量を直接的又は間接的に検出する空気供給量検出センサとを備え、器具の通気通路等の燃焼性能の劣化状態を自己診断する燃焼機器において、器具の排気手段の設置長さに対応して、前記自己診断運転に入る前に、前記通風劣化判断のための判定基準を補正する構成とするとともに、前記燃焼ファンの回転数に対応させて燃料ガスの供給量を制御するとともに、前記排気手段の設置長さが延長された場合には、該燃焼ファンのファン回転の立ち上がり定数であるPDI定数を変化させて、該燃焼ファンからの燃焼用空気の供給量を変更する構成とした燃焼機器により、達成される。
【0014】
請求項1の構成によれば、自己診断運転において排気通路の詰まり等の器具の劣化等と、排気管の延長による先抵抗の増加とを区別して正確な診断を行うことができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記自己診断の判定基準に用いる初期値としての空気供給量検出センサの検出結果は、器具を施工した最初の運転時に補正する構成としたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の構成において、前記自己診断運転における通風詰まりの判断において、前記補正された初期値と、排気手段の延長時と延長を行わない標準時との空気供給量検出センサによる出力値における比とを比べる構成としたことを特徴とする。
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態が適用される燃焼機器の概略構成を示しており、図10の燃焼機器と共通する構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、本実施形態の燃焼機器10は、種々の器具に適用することができ、例えば図10で説明した従来の燃焼機器と同様の構成でなる器具に適用することがでる。この場合、その制御装置17の構成以外は、ほぼ共通する。
この燃焼機器10では、図1の一点鎖線で示すように、器具内に流れる空気流量を間接的に検出する差圧センサ23が設けられている。すなわち、差圧センサ23にはバーナ4の下部側の空気室の圧力を導入する圧力導入管24aと、バーナ4の上側の燃焼室3内の圧力を導入する圧力導入管24bが接続されており、差圧センサ23は圧力導入管24a,24bで導入される圧力の差圧を空気流量の検出信号として制御装置17に加える。
また、この燃焼機器10においては、特に、排気口36に接続された排気手段としての排気管51が、施工現場で長く延長された場合において、正確な自己診断をおこなって運転することができることを特徴とするものである。
【0020】
なお、本実施形態では、この差圧センサ23の空気流量の検出信号を利用して燃焼ファン5の回転制御がなされており、この燃焼ファン5の制御を行うための差圧センサ23を利用して、本実施形態の特徴的な器具の通風の詰まり劣化とそれによる器具の寿命判定を行う特徴的な手段が制御装置17に構成されている。
さらに、この制御装置17には、後述するように、燃焼制御中に空燃比を制御する上で使用されるファンリミッターを備えている。
【0021】
図2は、本実施形態の燃焼機器10に関して、その制御装置17の機能を中心にその構成を示したもので、制御装置17は、サンプリング部25と、状況判断部26と、初期値確定部27と、メモリ28と、ファン駆動部29と、センサ故障判定部30と、寿命判定部31と、通風劣化判定部32と、インプットダウン制御部33と、表示手段34と、時計機構35とを有している。
【0022】
サンプリング部25は、例えば、器具の電源がオンされたときを基準として、その電源がオンされたときと、この電源オンを起点として、予め与えられる所定の定期的なインターバル時期、例えば、1日経過後、1週間経過後、1か月経過後等の所定のインターバル時期が来るごとにタイマ等の時計機構35を利用して差圧センサ23のセンサ出力を取り込み、その取り込んだセンサ出力値を適宜、状況判断部26と、初期値確定部27と、インプットダウン制御部33と、通風劣化判定部32とに与える。
【0023】
状況判断部26には予め図5に示すような、差圧センサ23のセンサ出力のばらつきの無風状態における設定許容変動範囲eが与えられている。周知のように、給湯器が屋外等に設置された場合に、有風状態になると、燃焼ファン5が停止中であるにもかかわらず、器具内に風が入り込み、この風の影響によって、差圧センサ23のセンサ出力が変動する。
本実施形態では、このような有風による差圧センサ23のセンサ出力が変動しない時期、つまり、無風状態を検知判断し、この無風状態のときに、差圧センサ23のセンサ出力を有効な検出データとして利用するようにしている。
【0024】
つまり、状況判断部26は、サンプリング部25を介して差圧センサ23のセンサ出力を所定のタイミングで複数取り込み(例えば、0.1秒間隔で10個のデータを取り込む)、その複数のデータの変動ばらつき、この実施形態では取り込んだデータの最大値と最小値の差が、前記設定許容変動範囲eに入っているときには風のない無風安定状況と判断し、取り込んだデータの最大値と最小値の差が、設定許容変動範囲から外れたときには、有風状況と判断し、これらの状況判断結果を初期値確定部27と通風劣化判定部32に加える。なお、この場合、初期値確定部27と通風劣化判定部32に無風安定状況の判断結果のみを加えるようにしてもよい。
また、状況判断部26は、後述するように、確定した初期値や、補正による変更した初期値、センサ判定基準値、後述する判定比率等でなる自己診断の判定基準(値)により、自己診断運転中の種々の判断を行う。
このため、状況判断部26は、制御装置17の中心的役割を果たし、その制御中枢としての中央処理手段としても機能する。
【0025】
初期値確定部27は、通風の詰まり劣化の生じていない時にバーナ4が非燃焼であって、燃焼ファン5が零回転の状況で取り込まれた差圧センサ23のセンサ出力が前記状況判断部26により無風安定状況と判断されたときに、その無風安定状況と判断した差圧センサ23のセンサ出力に基づいてセンサ無風出力初期値VMINを所定の確定基準(例えば、複数の取り込みデータのうちの最小値あるいは平均値を初期値とするという確定基準)に基づき確定し、この確定値を不揮発性のメモリ28に格納する。なお、状況判断部26により有風状況と判断されたときはデータを採取しない。
【0026】
その一方で、初期値確定部27は、センサ無風出力初期値を確定した後、バーナ4を燃焼させないで燃焼ファン5を設定基準条件、この実施形態では燃焼ファン5の回転制御範囲の上限値、つまり、回転制御範囲の最大ファン回転数で回転し、差圧センサ23のセンサ出力をサンプリング部25を介して予め与えられた所定のサンプリングタイミングに従って1個以上、この実施形態では複数取り込む。そして、取り込みデータに基づき前記状況判断部26により無風安定状況と判断されたことを確認してこれらの取り込まれた差圧センサ23の検出データ(有風状況時には検出データの取り込みは行わない)に基づいて、燃焼ファン5の最大回転状況時におけるセンサ出力の初期値VMAXを通風劣化を判断する基準値として確定し、この確定した初期値をメモリ28に格納する。
【0027】
つまり、初期値確定部27は、自己診断運転を行う上で、判断基準となる初期値として無風状態におけるセンサ出力の最小値(平均値)VMINと、最大値VMAXとを確定する。
また、これに加えて、初期値確定部27は、器具の排気手段が延長された場合には、この初期値を後述するようにして訂正(変更)し、排気延長初期値あるいは変更後の初期値としてのセンサ出力の最小値(平均値)CVMINと、センサ出力の最大値CVMAXとを確定し、センサ28に格納する。
【0028】
ファン駆動部29は、前記初期値確定部27の初期値確定に際し、初期値確定部27から燃焼ファン5を最大回転数で回転させる指令を受けたときに、その指令通りに燃焼ファン5を回転駆動する。また、ファン駆動部29は前記初期値確定部27の指令の場合と同様に、通風劣化判定部32からのファン駆動指令を受けて、燃焼ファン5を制御範囲の最大回転数で回転する。
【0029】
通風劣化判定部32は、前記初期値確定部27により燃焼ファン5が回転していないときのセンサ無風出力初期値VMINと、燃焼ファン5が最大回転数で回転しているときの初期値VMAXの確定が行われた以降、あるいは、器具の排気手段が延長された場合において、変更後の初期値としてのセンサ無風出力初期値CVMINと、燃焼ファン5が最大回転数で回転しているときの初期値CVMAXが確定された以降において、所定の定期的なインターバル時期ごとにサンプリング部25を介して取り込まれる差圧センサ23のセンサ出力値に基づき、状況判断部26により無風安定状況と判断されたときに、ファン駆動部29に燃焼ファン5を設定基準条件の最大回転数で燃焼ファン5を回転する指令を与える。
【0030】
そして、通風劣化判定部32は燃焼ファン5が最大回転数で回転しているときに、バーナ4が燃焼していない条件のもとで、かつ、状況判断部26により無風安定状況と判断されていることを確認して、サンプリング部25を通して与えられる差圧センサ23のセンサ出力値を予め定められたサンプリングタイミングで取り込み、この点検データの初期値確定部27で確定された通風劣化判断の変更後の初期値に対する変動量、この実施形態では変更後の初期値と点検データの値との差の絶対値を求め、この変動量と、予め与えられている判定基準値とを比較し、変動量が判定基準値を越えたときに、器具内の通風の詰まり劣化が生じたものと判断して、その詰まり劣化を知らせる警告信号を出力する。なお、器具内の通風の詰まり劣化は、給湯熱交換器11に煤詰まりが生じたり、給気系のルーバ22や燃焼ファン5のプロペラの湾曲部等に埃等が付着堆積することによっても生じる。
【0031】
寿命判定部31は、通風劣化判定部32により通風の詰まり劣化の警告信号を受けた以降に、バーナ4を燃焼しての燃焼運転中に、燃焼ファン5の駆動制御条件、例えば、この実施形態では燃焼ファンの回転数を検知し、燃焼ファン5の検出回転数が制御範囲の上限である最大回転数を越えているか否かを判断する。制御範囲の上限を上側に越えていたときには、器具内の通風の詰まりが酷くなっていて、燃焼に必要な空気量が供給できなくなっている寿命状態と判断し、危険警告信号を出力し、給湯器のバーナ燃焼を直ちに停止し、それ以降は、燃焼指令を受け付けない等の機能を付加して、それ以降の器具の燃焼運転を不能にする。
【0032】
インプットダウン制御部33は、定期的なインターバル時期ごとに取り込まれる点検データの値の前記初期値に対する割合を求め、この求めた割合が予め与えられている判定比率よりも小さくなったときに、煤詰まり等による通風劣化が寿命には未だ達しないがかなり進んでいると判断する。そして、通風の詰まりが生じていても、燃焼に必要な空気量が確保できるように、比例弁10への開弁駆動電流を制御して比例弁10の開弁量を絞り、バーナ4に供給する燃焼ガス供給量を低減する方向に制御する。
また、このインプットダウン制御部33には、ファンリミッターが設けられており、燃焼機器10の自己診断運転後の通常の燃焼運転において、燃焼ファン5の急激な回転数の上昇があったときに、燃焼空気の供給が遅れた場合に、比例弁10の開弁スピードを遅らせて、燃焼ガスの供給量を制限し、燃焼用空気の供給量が理想の空燃比となるまで燃焼ファン5の回転数増加を待機させるように調整する。このファンリミッターは、後述するように、器具の排気管の延長があった場合には、その値が変更されて、メモリ28に格納されており、インプットダウン制御部33により読みだされるようになっている。
【0033】
センサ故障判定部30は、前記初期値確定部27により通風劣化判断の初期値とセンサ無風出力初期値が共に確定された後、さらに、排気手段が延長されて施工がされた後においては、バーナ4が非燃焼時であって、燃焼ファン5が回転していないときの定期的なインターバル時期ごとにサンプリング部25を介して取り込まれる差圧センサ23のセンサ出力値(状況判断部26により無風安定状況と判断されたときのセンサ出力値)のセンサ無風出力初期値(排気延長初期値を含む)に対する変動量を求め、この変動量が予め与えられる自己診断の判定基準値の一部であるセンサ判定基準値を越えたときに、センサ故障と判定して、そのセンサ故障の判定信号を出力する。
【0034】
表示手段34は通風劣化判定部32から加えられる通風劣化の警告信号と、寿命判定部31から加えられる器具の寿命を知らせる危険警告信号と、センサ故障判定部30から加えられるセンサ故障の判定信号を受け、これらの各信号を、例えば、リモコン等の所望の表示部に区別表示する。この表示手段34の区別表示手法としては、例えば、液晶画面にそれぞれの態様に応じ記号等により区別表示したり、あるいは、ランプの点灯や点滅状況を可変して視覚的に区別したり、あるいは、ブザー等を用い、ブザーの音量、連続音、間欠音、その間欠時間の長さ等により区別して表示する等、様々な区別表示の構成態様を採り得る。なお、上記構成において、燃焼ファン5が零回転であるか最大回転であるかはファン回転検出センサ21の信号によって判断され、バーナ4が燃焼状態にあるか非燃焼状態にあるかはフレームロッド電極20の信号によって判断される。
【0035】
本実施形態は上記のように構成されており、次に、燃焼機器10を施工現場にて設置した時に排気管51を長く設定した場合の自己診断運転に関して、その動作例を図3および図4のフローチャートに基づき具体的に説明する。
ここで、図3は、上述のように、施工現場にて長い排気管51を取り付ける前に、例えば、燃焼機器10を製造後に工場出荷前にその電源を投入して、初期値確定部27によりセンサ無風出力初期値と通風劣化判断の初期値とを確定し、さらに、排気手段を延長した後において、これらの初期値を変更する動作を示している。
【0036】
先ず、図示しない電源スイッチを投入し(ST99)、器具を起動させる。
次いで、ステップ100で、制御装置17では、状況判断部26の中央処理機能に基づき(以下、単に「制御装置17は」と記載する)、m=0と置く。ステップ101でバーナ4が非燃焼状態にあるか否かを判断する。この判断は、フレームロッド電極20の信号を検出することにより判断される。非燃焼と判断されたときには、ステップ102で燃焼ファン5の回転が停止状態であることを確認する。
【0037】
次にステップ103で差圧センサ23のセンサ出力の読み込みが行われる。ステップ104ではセンサ出力の読み込みが終了したか否か、つまり、T分経過したか否かを判断する。センサ出力値の読み込みは、例えば、0.1秒につき1個の割合で行われ、例えば5個あるいは10個等の所定数の読み込みが終了するT分の時間が経過したか否かがステップ104で判断される。T分経過したと判断されたときには、次にステップ105で複数読み込まれたセンサ出力値のうちの最大値(MAX)と最小値(MIN)との差が求められ、この最大値と最小値の差、つまり、取り込まれたセンサ出力の変動幅が、設定許容変動範囲のe1(図5のe=e1)に入っているか否かが判断される。この範囲に入っていないときには、有風状態と判断され、データを採取しても風の影響を受けて有効なデータとならないので、データを取らず、所定時間待機して、再びステップ101以降の動作を行う。
【0038】
これに対し、ステップ105で最大値と最小値の差がe1の範囲内に入っていると判断されたときには、複数読み込まれたデータのうち、最小のもの、あるいは平均値、この例では平均値を、VMIN(m)(今回の場合は、m=0なので、VVMIN(0))としてメモリ28に保管する。次にステップ107でバーナ4を燃焼させないで、燃焼ファン5を設定基準条件である制御範囲の最大回転数(この例では3000rpm)で回転し、ステップ108で差圧センサ23のセンサ出力の読み込みを行う。
【0039】
この場合も、センサ出力値の複数のデータ読み込みが行われ、ステップ109でこの読み込み時間が経過したか否かが判断され、読み込み時間が経過したときに、ステップ110で同じく読み込まれた複数のセンサ出力値のうち、最大値と最小値のばらつき変動を求め、この変動が設定許容変動範囲e2(図5のe=e2)の範囲に入っているか否かを判断する。この範囲e2に入っていないときには、有風のためにデータがばらつき変動しているものと判断し、データを採取せずに、所定時間待機して、ステップ101以降の動作を繰り返し行う。ステップ110で最大値と最小値の差が設定許容変動範囲のe2に入っているときには、無風安定状況と判断され、読み込まれた複数のデータのうち、最大のもの、あるいは平均値、この例では平均値を、VMAX(m)(今回の場合はmが0であるので、VMAX(0))としてメモリ28に保管する。
【0040】
そして、ステップ112では、mが3であるか否かが判断され、mが3に達していないときには、ステップ114でmを1個繰り上げ(今回の場合はmが0から1に繰り上げられる)ステップ115で所定期間の経過を待つ。この所定期間は、工場内における製品のデータ準備蓄積期間に対応しており、例えば一週間等と決めて行う。
そして、再びステップ101以降の動作を行う。このようにステップ101以降の動作を行うことにより、mが3になるまで、4個のVMIN(0)〜VMIN(3)の値と、4個のVMAX(0)〜VMAX(3)の値が保管される。
【0041】
ステップ112でm=3と判断されたときには、ステップ113では、VMIN(0)〜VMIN(3)の4個の値を平均演算してセンサ無風出力初期値VMINを確定し、同じく、4個のVMAX(0)〜VMAX(3)の値の平均値を求めて燃焼ファンが最大回転数で回転しているときの通風劣化判断の初期値VMAXを確定し、それぞれの確定値VMIN ,VMAXをメモリ28に格納する。以上のステップ100から113の動作により、給湯器が設置施工された直後の通風の詰まりがないときのファン零回転時のセンサ無風出力初期値とVMINと、燃焼ファンの最大回転時における通風詰まりのない通風劣化判断の基準となる初期値VMAXがそれぞれ確定記憶される。
【0042】
ここで、この燃焼機器10が、この状態において、出荷され、施工現場において、標準の長さの排気管を接続された場合には、そのままであるが、施工現場にて、排気管51が長く設定されて施工された場合には、例えば制御装置17に連動した図示しない切り替えスイッチ等を操作することにより、ステップ116に進む。
ステップ116では、排気管51を延長して施工した状態において、器具設置完了後に上述したのと同様にST99からST115までの各動作を繰り返すことによって、同様の手法により、変更初期値として、給湯器が設置施工された直後の通風の詰まりがないときのファン零回転時の排気延長時センサ無風出力初期値CVMINと、排気延長時における燃焼ファンの最大回転時における通風詰まりのない通風劣化判断の基準となる初期値CVMAXがそれぞれ確定記憶される。
【0043】
図4は前記初期値VMAXとセンサ無風出力初期値VMIN、及び排気延長にともなう変更後の初期値CVMAXとセンサ無風出力初期値CVMINとが確定記憶された後、定期的なインターバル時期ごと、例えば、燃焼回数L回あるいはMか月経過ごと等に行われる通風劣化と器具寿命の判断を行う動作である。
まず、ステップ200でP=0、N=0が設定される。次に、ステップ201では、前記図3のフローチャートのステップ101から111までの動作と同じ動作を行い、無風安定状況時であって燃焼ファンが零回転時におけるセンサ出力VMIN(N)の値と、燃焼ファン5が制御範囲の最大回転で回転されたときの同じく無風安定状況時におけるセンサ出力VMAX(N)とを求めて保管する。
【0044】
次に、ステップ202で予め確定記憶されている変更後のセンサ無風出力初期値CVMINの値と、前記ステップ201で求められたVMIN(N)との差の絶対値を変動量として求め、この変動量が予め与えられるセンサ判定基準値、この実施形態では差圧センサ23の公差範囲と比較し、変動量が公差範囲に入っているか否かの判断を行う。
そして、変動量が公差範囲から外れているときには、ステップ209で差圧センサの故障と判断され、センサ故障判定部30からセンサ故障の判定信号が出力されて表示手段34にその旨の表示が行われる。変動量が公差範囲に入っているときには差圧センサ23は正常と判断されて、次のステップ203の動作に移る。
【0045】
ステップ203では、予め確定されている変更後の初期値CVMAXと、前記ステップ201で求められた非燃焼時であって、かつ、燃焼ファン5の最大回転時における点検データの値VMAX(N)の値に基づき、VMAX(N)の変更後の初期値CVMAXに対する割合(VMAX(N)とCVMAXの比)がインプットダウン制御部33により求められ、この値が予め定められた判定比率よりも小さいか否かを判断することにより第1の詰まり判定が行われる。
この判定比率としては、適宜の設定値を与えることができるが、本実施形態では、図6に示すようなグラフデータを用いて設定されている。
【0046】
図6において、非燃焼時において、燃焼ファン5を例えば3000回転/分とした場合におけるセンサ出力を示しており、燃焼機器10の排気手段の長さが標準の場合Va、これに最短の(排気)延長管をつけた場合PVa、最長の延長管を付けた場合PVbを表している。この場合、それぞれについて、器具内の風の通る通路面積が70%,60%,50%,40%,30%という如く、閉塞率を複数段に変化させたときのセンサ出力の変化がプロットされている。
このように、排気手段を延長した場合には、先抵抗が生じることから、センサ出力が低くなる。また、排気手段の延長距離が長くなればなるほど先抵抗は大きくなる。このため、無風状態における燃焼機器10に関して、予め排気手段を延長した場合のデータを図示のようにとっておく。そして、最長の延長管を付けた場合PVbの場合と、標準の場合Vaについて、それぞれ最大出力と最小出力の差を求める。
【0047】
本実施形態では、VMAX(N)の変更後の初期値CVMAXに対する割合(VMAX(N)とCVMAXの比)を比較する対象として、例えば、排気手段の標準長さにおけるセンサ出力の最大値と最小値の差(VMAX−VMIN)と排気手段の最大延長時におけるセンサ出力の最大値と最小値の差(PbVMAX−PbVMIN)の比に定数Kを掛けた値を判定比率として設定している。VMAXに対するVMAX(N)の割合が判定比率以上のときには通風詰まり劣化が問題とならない良好な燃焼状況にあるので、この場合には、通常の燃焼制御の運転状態で給湯器の燃焼運転を行う。
【0048】
VMAXに対するVMAX(N)の割合が判定比率よりも小さいときには、通風詰まりの劣化の影響が生じている状態と判断されると判断される。
この場合には、より多くの燃焼用空気を供給する必要があるために、燃焼ファン5の回転数を増やすことができるか否かを判定することになる。
【0049】
すなわち、ステップ204で燃焼ファン5の回転数が制御範囲の最大回転数になっているか否かを判断する。燃焼ファンが最大回転数に達していないときには、通風の詰まり劣化の影響が生じていても、風量をアップする余裕があるので、この場合には通常の燃焼運転制御を行う。
【0050】
これに対し、燃焼ファン5のファン回転数が制御範囲の最大回転数(この実施形態では3000rpm)に達していたときには、Pに1を加えた後、ステップ205でP=2であるか否かの判断が行われる。今回の場合は、P=1であるので、Pは2でないこととなり、この場合には、ステップ206でインプットダウン制御部33によりバーナ4へのガス供給量をX%低減方向に制御して燃焼運転が行われる。ステップ207では次の所定のインターバル時期、例えば、燃焼回数L回あるいはMか月が経過したか否かがサンプリング部25により時計機構35を利用して判断され、そのインターバル時期が到来したときには、ステップ208でNに1を繰り上げる。
【0051】
前記ステップ205でP=2であることが判断されたときには、第2の詰まり判断として、ステップ211で完全に通風詰まり劣化の状態にあるか否かの判断が行われる。すなわち、前記図2に示すフローチャートのステップ113で確定されている通風劣化判断の初期値CVMAXと、各インターバル時期ごとに前記ステップ201で取り込まれる検出データ(点検データ)VMAX(N)との変動量をCVMAXとVMAX(N)の差の絶対値で求め、この変動量が予め与えられる判定基準値Dよりも大か否かを判断する。ここで、Dは、本実施形態ではD=(Va−PVb)/2の値として与えている。初期値と点検データとの変動量がDよりも大とならないときには、通風詰まりの劣化が生じていないものと判断し、警告信号の出力は行わない。これに対し、初期値と点検データとの変動量が判定基準値Dを越えたときには、ルーバ22や燃焼ファン5のプロペラの曲面部に埃等が堆積付着したり、あるいは給湯熱交換器11に煤詰まりが生じる等して、通風の詰まり劣化が確実に生じたものと判断し、ステップ212で警告信号を出力し、その旨を表示手段34に表示する。
【0052】
次に、ステップ213では、この警告信号が出力された以降の給湯器のバーナ4を燃焼しての運転時に、燃焼ファン5のファン回転数が制御範囲の最大回転数(上限値)に達したか否かが判断される。ファン回転数が上限値に達していないときには、まだ燃焼ファン5の回転をアップする方向に余裕があるので、燃焼運転を継続する。
そして、ファン回転数が上限値を越えているときには、通風の詰まり劣化が相当酷くなっていて燃焼ファンの回転を最大回転にしても、燃焼の空気量が不足している寿命状態と判断され、この場合には、寿命判定部31により、寿命を示す危険警告信号が出力され、その危険警告が表示手段34に表示されると共に、バーナ4の燃焼運転を強制的に停止し、それ以降のバーナ燃焼を不能状態にして、燃焼不良による危険を回避する。
【0053】
本実施形態によれば、燃焼ファン5からの空気供給量を検出する差圧センサ23のセンサ出力を利用して、通風の詰まり劣化状況を判断するようにしているので、従来例のように、燃焼回数や燃焼時間を基礎として判断する方式に比べ、通風の詰まり劣化状況を正確に検出判断することができる。
しかも、このような自己診断運転に先立って、燃焼機器10の排気手段が延長された場合には、これを考慮して判定比率を定めるようにしていることから、延長により先抵抗が生じていてもこのような先抵抗と通風の詰まりによる劣化とを区別することができる。
これにより、排気手段が延長された場合においても、給湯器の燃焼運転の燃焼不良による安全対策を確実に行うことができると共に、器具の寿命判定が的確に行われることで、器具が既に寿命になっているにもかかわらず、器具が引き続き使用されることによる危険を防止できると共に、器具がまだ寿命になっていないにもかかわらず、寿命と判定されて廃棄処分にされるという無駄を防止することができる。
【0054】
さらに、本実施形態では、このような自己診断運転の後に行われる通常の運転では、燃焼機器10の排気手段(排気管51)が延長された場合に、次のような対策を行っている。
すなわち、燃焼ファン5の回転数と燃料ガスの供給量は、適切な空燃比となるように制御する必要があるが、燃焼ファン5の回転数を急激に増加させると、図13にて説明したように、燃焼用空気の供給の増加が遅れて、燃焼空気の不足を生じる場合がある。この時には、比例弁10の開動作を止めるためのローリミッタを設けている。
【0055】
図7において、排気手段の長さが標準である場合の理想の空燃比に対応した制御ラインR1は、この場合には、先抵抗が生じている分、実際にはR2の位置に補正する必要がある。つまり、先抵抗がある分だけ燃焼ファン5の回転数を上積みしないと、実際の燃焼空気量が不足してしまうからである。
そして、この場合に、上述のローリミッタLM1,すなわち、比例弁10の開き動作を止めるタイミングを決めるラインを標準排気管長さにて設定されたラインのままにしておくと、燃焼ファン5の回転増加による燃焼用空気の供給が燃料供給に追いつかずに、燃焼空気不足を生じて、異音の発生等の不都合が避けられない。
【0056】
そこで、燃焼機器10の排気手段を延長したことにより先抵抗が生じたことによるファン−比例弁の制御ラインがR1からR2まで、図7にて上側に変化したL1と同じ割合で、ローリミッタLM1もL2だけ(L1=L2)上側に移動させ、比例弁10の開弁コントロールのタイミングを変更する。この新たなローリミッタLM2は、例えば、図2の状況判断部26の指示により、初期値確定部27を介してメモリ28に格納され、以後の運転制御においては、この新たなローリミッタLM2が使用されることになる。
これにより、本実施形態の燃焼機器10においては、その排気手段を延長した場合にも、上述のように正しく自己診断機能が働くとともに、排気手段の延長に伴い、燃料のローリミッタを新しく設定するようにしたので、低空気比による共鳴音の発生等を防止することができる。
【0057】
この場合、図8に示すように、燃焼機器10の排気手段を延長する長さに応じて、例えば5m延長した場合には、ファン−比例弁の制御ラインはR3の位置であるが、これを10m延長した場合には、ファン−比例弁の制御ラインは図において上側に移動しR4となる。
したがって、比例弁10の開度制限を行う弁補正ラインとしてのローリミッターLM3も上方にL3だけ移動させて、L4の位置に設定される。
【0058】
また、同様の作用を得るためには、図9に示すように、ファンのPDI定数(ファン回転の立ち上がり定数)を変化させるようにしてもよい。
すなわち、燃焼機器10において、排気手段の延長に伴い先抵抗が生じている場合には、例えば標準時と比べると、燃焼ファン5の回転に対応した燃焼用空気の供給量が減ることから、その分PDI定数を変化させて、RV1からRV2に変更することによって、ファンリミッターの変更と同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態では、差圧センサ23により、バーナ4の下方側の空気室と、バーナ4の上方側の燃焼室3との間の差圧によって空気流量を検出するようにしたが、差圧センサ23で検出する差圧は、必ずしもバーナ下方側の空気室と燃焼室3間の差圧を検出するとは限らず、燃焼ファン5から排気口36にかけての空気通路の上流側と下流側間の差圧を検出するようにすればよく、例えば、バーナ4の下方側の空気室と排気口36間の差圧を検出したり、あるいは燃焼ファン5の送風通路側と燃焼室3間の差圧を求める等、送風経路の上流側と下流側の任意の位置で、その差圧を求めることにより、空気供給量を検出することができる。
【0060】
また、空気供給量検出センサは、差圧センサ23のように差圧により間接的に風量を検出する他に、例えば、熱線ヒータ式やカルマン渦方式の風速センサにより間接的に空気供給量を検出するようにしてもよく、さらには、風量計によって直接的に空気流量を検出するようにしてもよい。
【0061】
さらに、上記実施形態では、燃焼機器として、単能給湯器(給湯機能のみの給湯器)を例にして説明したが、本発明の燃焼機器は、給湯と追い焚きあるいは給湯と温水暖房等の両機能を備えた複合給湯器や、その他、バーナ燃焼式の、風呂釜、暖房機、冷房機、冷暖房機、空調機等の様々なタイプの燃焼機器に適用されるものである。
【0062】
さらに、上記実施形態では、燃焼ファンの設定基準条件を燃焼ファン5の回転制御範囲の最大回転数で設定したが、最大回転数よりも多少低い回転数で設定してもよく、さらには、回転数でなく、燃焼ファン5の駆動電流や仕事量によって設定基準条件を与えるようにしてもよい。
【0063】
さらに、上記実施形態では、通風詰まり劣化を判断する際に、図4のフローチャートのステップ211に示すように、通風劣化判定部32により、通風劣化判断の初期値CVMAXと点検データVMAX(N)との差の絶対値によって変動量を求めたが、これとは異なり、今回のインターバル時期に取り込まれた点検データVMAX(N+1)と前回のインターバル時期に取り込まれた点検データVMAX(N)との差の絶対値、つまり、前後のインターバル取り込み点検データの変動量(データの傾き変化に相当)の絶対値によって通風劣化を判断する変動量と成し、この変動量と判定基準値Dとを比較して上記実施形態と同様に通風詰まり劣化を通風劣化判定部32により判断するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態の状況判断部では空気供給量検出センサ(差圧センサ23)の検出データのばらつき程度によって無風安定状況と有風状況とを区別判断したが、例えば、空気供給量検出センサのセンサ出力が一定になるように燃焼ファン5の回転数を制御し、このときファン回転検出センサによって検出されるファン回転数の変動幅が設定許容変動範囲以内のときは無風安定状況と判断し、設定許容変動範囲から外れたときには有風状況と判断するようにしてもよい。また、この場合、ファン回転数の代わりにファン駆動電流や仕事量を検出し、これらの検出データのばらつき変動幅が設定許容変動範囲以内か否かによって同様に無風安定状況と有風状況とを区別判断するようにしてもよい。
【0065】
前記のように、有風と無風の状況判断をファン回転数等の駆動条件のばらつき変動によって判断する場合には、通風詰まり劣化の判定もファン回転数等の駆動条件のばらつき変動量の大きさによって判定することができる。この場合、例えば、空気供給量検出センサのセンサ出力が設定値となる通風劣化が生じていないときのファン回転数等の駆動条件を初期値として設定しておき、所定のインターバル時期ごとに空気供給量検出センサのセンサ出力が同じ設定値となるファン回転数等の駆動条件を求め、この各インターバル時期ごとのファン駆動条件と初期値との変動量、あるいは今回のインターバル時期に求められたファン駆動条件と前回のインターバル時期に求められたファン駆動条件との変動量が、判定基準値を越えたときに通風詰まり劣化が生じているものと判定することになる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、排気管が延長された場合にも、器具の通気通路等の詰まりによる燃焼性能の悪化状況を的確に判断して、器具の寿命判定を正確に行うことができる燃焼機器を提供することができ、さらに低空気比による共鳴音の発生等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に適用される燃焼機器としての給湯器の概略構成を示す図である。
【図2】 図1の要部構成を示すブロック図である。
【図3】 図1の燃焼機器の初期値等の確定の動作を示すフローチャートである。
【図4】 図1の燃焼機器の通風の詰まり劣化の状況とその詰まり劣化による寿命の判定を行う動作のフローチャートである。
【図5】 差圧センサの取り込みデータを利用して無風安定状況を判定するための設定許容変動範囲の説明図である。
【図6】 定期的なインターバル時期ごとに取り込まれる点検データの初期値に対する変動量の大きさを判断するための基準となる判定比率を求めるためのグラフデータの説明図である。
【図7】 図1の燃焼機器の排気手段の延長に伴いローリミッタの変更の手法を説明するための図である。
【図8】 図1の燃焼機器の排気手段の延長に伴いローリミッタの変更の手法を説明するための図である。
【図9】 図1の燃焼機器の排気手段の延長に伴い燃焼ファンの駆動電流による制御を変更する様子を示す図である。
【図10】 燃焼機器として一般的な給湯器の構成を示す説明図である。
【図11】 図10の燃焼機器の標準的な設置の様子を示す説明図である。
【図12】 図10の燃焼機器の排気手段を延長して施工した様子を示す説明図である。
【図13】 図10の燃焼機器のローリミッタの動作の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
5 燃焼ファン
17 制御装置
23 差圧センサ
26 状況判断部
27 初期値確定部
30 センサ故障判定部
31 寿命判定部
32 通風劣化判定部
33 インプットダウン制御部
34 表示手段
Claims (4)
- 給排気用の燃焼ファンと、この燃焼ファンによってバーナに供給される空気流量を直接的又は間接的に検出する空気供給量検出センサとを備え、器具の通気通路等の燃焼性能の劣化状態を自己診断する燃焼機器において、
器具の排気手段の設置長さに対応して、前記自己診断運転に入る前に、前記通風劣化判断のための判定基準を補正する構成とするとともに、
前記燃焼ファンの回転数に対応させて燃料ガスの供給量を制御するとともに、燃料供給量に比べて空気供給量の増加がおくれた場合に燃料供給量の増加を停止するファンリミッターを備えており、
前記排気手段の設置長さが延長された場合には、前記ファンリミッターの動作タイミングを変更する構成とした
ことを特徴とする、燃焼機器。 - 給排気用の燃焼ファンと、この燃焼ファンによってバーナに供給される空気流量を直接的又は間接的に検出する空気供給量検出センサとを備え、器具の通気通路等の燃焼性能の劣化状態を自己診断する燃焼機器において、
器具の排気手段の設置長さに対応して、前記自己診断運転に入る前に、前記通風劣化判断のための判定基準を補正する構成とするとともに、
前記燃焼ファンの回転数に対応させて燃料ガスの供給量を制御するとともに、前記排気手段の設置長さが延長された場合には、該燃焼ファンのファン回転の立ち上がり定数であるPDI定数を変化させて、該燃焼ファンからの燃焼用空気の供給量を変更する構成とした
ことを特徴とする、燃焼機器。 - 前記自己診断の判定基準に用いる初期値としての空気供給量検出センサの検出結果は、器具を施工した最初の運転時に補正する構成とした
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の燃焼機器。 - 前記自己診断運転における通風詰まりの判断において、前記補正された初期値と、排気手段の延長時と延長を行わない標準時との空気供給量検出センサによる出力値における比を比べる構成とした
ことを特徴とする、請求項3に記載の燃焼機器。
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